JPH06113464A - 電源制限対象選択方式 - Google Patents

電源制限対象選択方式

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JPH06113464A
JPH06113464A JP4257721A JP25772192A JPH06113464A JP H06113464 A JPH06113464 A JP H06113464A JP 4257721 A JP4257721 A JP 4257721A JP 25772192 A JP25772192 A JP 25772192A JP H06113464 A JPH06113464 A JP H06113464A
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Shigeo Mizutani
茂生 水谷
Hideji Oshida
秀治 押田
Yasuyuki Kowada
靖之 小和田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の電源系統を含む電力系統の振動発散に
よる脱調現象を、未然に防止する。 【構成】 変圧器53Aや送電線52A〜52C等のブ
ランチに流れる有効電力潮流の故障クリア直後のオンラ
インデータと、対象とする電源系統の系統容量を反映す
る要素から、選択指標値を演算し、複数の電源系統に対
応する選択指標値を比較することによって、振動発散に
よる脱調現象を未然に防止するのに最も効果のある電源
制限対象発電機を選択できるようにした。 【効果】 脱調現象を未然に防止するのに、最も効果の
ある電源対象発電機を選択できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電力系統の動態安定
度崩壊に伴う振動発散による脱調現象を、未然防止する
電源制限対象選択方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば「平成元年電気学会全
国大会講演論文集1323の脱調予測制御システムの開
発(10−59,10−60ページ)」に記載された、
従来の振動発散による脱調現象を未然に防止する安定化
制御方式を用いた系統安定化装置のシステム構成図であ
る。図11において、1Aは脱調予測制御装置、1Bは
脱調予測制御装置1Aの制御端末装置、1Nは中央給電
指令所(中給)システム、21は電流計測用CT、22
は電圧計測用PT、31A〜31Cはデータや信号の受
け渡し用コントロール・ケーブル、32A,32Nは伝
送路、41は遮断器(発電機分存在)、51A〜51E
は母線、52A〜52Dは送電線、53は変圧器、6は
この系統安定化装置の制御(電源制限)対象となる多く
の発電機を含む発電所、7Aは本系統、7Bはこの系統
安定化装置の電源制限による安定化対象外の電源系統で
ある。
【0003】次に動作について説明する。脱調予測制御
装置1Aでは、常時一定サンプリング間隔(例えば電気
角30°)で電源系統7Bと本系統7Aとの連系線の一
部である送電線52Aの電流データを、電流計測用CT
21で計測し、コントロール・ケーブル31Aを介して
入力している。また、同じタイミングで系統安定化装置
設置の変電所における500KV母線51Aの電圧デー
タを、電圧計測用PT22で計測し、コントロール・ケ
ーブル31Bを介して入力している。脱調予測制御装置
1A内のCPUでは、この計測した電圧、電流データを
用いて連系線の有効電力潮流Pと無効電力潮流Qを各サ
ンプリングデータ毎に演算する。このPQデータに基づ
いてPQ座標平面上に有効・無効電力軌跡(PQローカ
ス)を描き、このPQローカスを使用して図12に示し
た安定化制御方式による脱調予測検出を行う。すなわ
ち、PQローカス上に張った図12のベクトルの象限方
向が第1象限から第2象限(時刻t1 ,→の変化
点)変化したことをもって、脱調に至ると判断する。そ
して、脱調予測検出した場合には、下記(1)式より必
要電源制限量(必要電制量)を演算し、あらかじめ中央
給電指令所システム1Nより伝送路32Nを介して入力
しておいた、制御対象の発電所6の発電情報(発電機の
運転状態)に基づいて、必要電源制限量を満足するよう
に遮断対象発電機を選択する。
【0004】
【数1】
【0005】選択後、この選択発電機の遮断器41に対
して、トリップ信号が出力されるように、脱調予測制御
装置1Aから情報伝送路32Aを介して、制御端末装置
1Bに電源制限信号が出力される。この従来例において
は、この系統安定化装置を数秒〜10数秒の制御ができ
るものとして説明しているが、もちろん、この装置に
は、数10秒〜数分の非常にゆっくりした、例えば動揺
発散に対する緩慢な制御に対しても対応する機能も備え
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の振動発散による
脱調現象を未然に防止する安定化制御方式は、以上のよ
うに構成されているので、安定化の対象となる電源系統
が1つに固定されている場合には適用可能であったが電
源系統が複数となった場合には、安定化に最も効果のあ
る電源系統(電源制限対象となる発電所)を選択できな
い問題点があった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、複数の電源系統を含む電力
系統の振動発散による脱調現象を未然に防止するのに、
最も効果のある電源制限対象をオンライン的に選択でき
る電源制限対象制御方式を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電源対象
方式では、図2で示すように、複数の発電機6A1〜6
C1の中から、電源制限対象発電機を選択して、電源制
限を行うことにより、故障発生等による電力系統の動態
安定度崩壊に伴う、振動発散による脱調現象を未然に防
止する安定化制御方式において、電源系統と基幹系統と
の連系点にある変圧器53Aや送電線52A〜52Dに
流れる有効電力潮流の故障クリア直後におけるオンライ
ン・データから、選択指標値を演算し、複数の電力系統
に対応する上記選択指標値を比較することによって、電
源制限対象発電機(例えば6A1)を選択するようにし
た。
【0009】また、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データを所定期間積分し、この積分値を上記電源系統間
の系統容量と比例する量で正規化したもの((2)式)
を用いた。
【0010】更に、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データの変化率を所定期間で平均し、この平均値を上記
電源系統間の系統容量と比例する量で正規化((3)
式)したものを用いた。
【0011】また、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データを所定期間積分し、この積分値を故障発生直前の
有効電力潮流で正規化したもの((4)式)を用いた。
【0012】更に、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データの変化率を所定期間で平均し、この平均値を故障
発生直前の有効電力潮流で正規化したもの((5)式)
を用いた。
【0013】
【作用】この発明による電源制限対象選択方式では、電
力系統の動態安定度崩壊に伴う振動発散による脱調現象
を未然に防止するために、発電機を含む電源系統と基幹
系統との連系点にある変圧器や送電線に流れる有効電力
潮流の故障クリア直後におけるオンライン・データから
選択指標値を演算し、複数の電力系統に対応する上記選
択指標値を比較することによって、電源制限対象発電機
を選択するようにした。以上のように、この発明による
電源制限選択方式では、連系点ブランチの有効電力潮流
より演算した選択指標値によって、複数の電源系統の中
から振動発散による脱調未然防止に最も効果のある電源
制限対象を選択するので、振動発散現象に対して最適な
安定化制御が実現できる。
【0014】また、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データを一定期間積分し、そ
の値を、例えば電源系統内の運転発電機の合計慣性定数
で正規化したものを使用したので、複数の電源系統の中
から振動発散による脱調現象を未然に防止するのに最も
効果のある電源制限対象発電機を選択することが可能と
なる。
【0015】更に、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データより、その一定時間内
の変化率の平均値を演算し、その値を、例えば電源系統
内の運転発電機の合計慣性定数で正規化したものを使用
したので、複数の電源系統の中から振動発散による脱調
現象を未然防止するのに最も効果のある電源制限対象発
電機を選択することが可能となる。
【0016】また、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データを一定期間積分し、そ
の値を、例えば連系点ブランチの故障発生直前の有効電
力潮流で正規化したものを使用したので、複数の電源系
統の中から振動発散による脱調現象を未然防止するのら
最も効果のある電源制限対象発電機を選択することが可
能となる。
【0017】更に、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データより、その一定期間内
の変化率の平均値を演算し、その値を、例えば連系点ブ
ランチの故障発生直前の有効電力潮流で正規化したもの
を使用したので、複数の電源系統の中から振動発散によ
る脱調現象を未然防止するのに最も効果のある電源制限
対象発電機を選択することが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図に基づいて説
明する。図1は、この発明の第1の実施例(実施例1)
を示す選択指標の説明図である。図1において、51A
はある電源系統と基幹系統の接続点にあたる母線、51
B,51Cはその電源系統内にある母線、52A,52
Bは基幹系統の送電線、52Cは電源系統の送電線、5
3Aは電源系統と基幹系統の連系点にある変圧器、6は
電源系統内の発電所、6aは発電機である。また、図1
には、変圧器53Aに流れる有効電力潮流Peの故障発
生前後の動揺波形も示してある。発電所6内の発電機6
aは故障中に加速されるが、その加速力が大きいほど、
故障クリア後におけるPeの復帰速度は大きくなる。一
方、振動発散による脱調現象を未然に防止するために
は、この故障中における加速力の大きな発電機を遮断
(電源制限)するほど、効果が大きい。従って、故障ク
リア後におけるPeの復帰速度を表わす指標をオンライ
ンデータに基づき演算し、対象とする複数の電源系統間
でその値を比較すれば、安定化に最も効果のある電源制
限対象を選択することが可能となる。その選択指標とし
て、この実施例1では図1に示したPe−t図の斜線部
分の面積を使う。ただし、面積そのものの値では、対象
とする電源系統間で系統容量に差がある場合には、正確
な比較ができなくなる。そこで、この面積を系統容量と
比例する量で正規化する必要がある。例えば、電源系統
における運転発電機の合計慣性定数M(統一した基準容
量ベースの値)などが正規化量として使うことができ
る。従って、選択指標をS1とすると、
【0019】
【数2】
【0020】上記(2)式で与えられる。ここで時刻t
1 ,t2 は、対象とする電源系統の電力動揺周期に基づ
き、事前に設定しておく。また、積分計算はPe(t)
のサンプリング間隔毎に台形近似等を用いて数値的に実
行する。
【0021】図2は、実施例1の選択指標を用いた電源
制限対象選択方式による系統安定化システムの構成図で
ある。図2において、1Aは系統安定化装置の中央装
置、1B,1Cは系統安定化装置の計測用端末装置、1
D〜1Fは系統安定化装置の制御用端末装置、1Nは中
央給電指令所システム、21A〜21Dは電流計測用C
T、22A〜22Cは電圧計測用PT、31A〜31G
は計測データを装置に入力するためのコントロール・ケ
ーブル、31H〜31Jはトリップ信号を遮断器に出力
するためのコントロール・ケーブル、32A〜32F,
32Nは各種情報・信号をやりとりするための伝送路、
41A〜41Cは発電機の遮断器、51A〜51Cはこ
の安定化装置の対象とする電源系統と基幹系統の接続点
にあたる母線、51Dは基幹系統内の母線、51E〜5
1Kは対象とする電源系統内の母線、52A〜52Fは
基幹系統の送電線、52G〜52Jは対象とする電源系
統の送電線、この内、送電線52Iは対象とする1つの
電源系統と基幹系統の連系点にある送電線、53A〜5
3Bは対象とする2つの電源系統と基幹系統の連系点に
ある変圧器、53Cは対象とする電源系統内の変圧器、
6A〜6Cは対象とする各電源系統に属する発電所、7
Aは本系統、7Bはこの系統安定化装置の対象外の電源
系統である。この安定化システムは、例えば電流計測用
CT21A〜21Dで計測される電流と電圧計測器用P
T22A〜22Cで計測される電圧とから算出される有
効電力潮流の変化をもって故障検出を行い、起動状態に
入る。その後、図3に示したフローチャートに従って、
最適な電源制限対象を選択する。
【0022】次に、この実施例1の動作を図3のフロー
チャートに基づいて説明する。まず、電流計測用CT2
1A〜21D、電圧計測用PT22A〜22Dによって
電力系統の故障発生が検出されると、計測用端末装置1
B,1C、中央装置1Aがそれぞれ起動する(ステップ
ST1A,ST1B,ST1C)。計測用端末装置1B
では、その故障発生時点を時間基準とするための時刻リ
セットをし(ステップST2B)、故障除去が電流計測
用CT21A〜21D、電圧計測用PT22A〜22D
で検出されると、時刻t=tf(図1の故障除去時点)
とする処理を行う(ステップST4B)。次に、連系点
ブランチにある変圧器53の有効電力潮流(電流計測用
CT21C、電圧計測用PT22Bで計測される電流、
電圧のデータより算出)と既述した(2)式を用いて選
択指標値S1(S1Bとする)を演算する(ステップS
T5B)。そして、その演算で得られた選択指標値S1
Bを、自装置の計測用端末装置1Bから伝送路32Aを
介して中央装置1Aに送信し(ステップST6B)、自
装置を停止する(ステップST7B)。
【0023】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C,S
T4C)、送電線の有効電力潮流(電流計測用CT21
D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電圧デー
タより算出)と(2)式用いて選択指標値S1(S1C
とする)を演算する(ステップST5C)。そして、そ
の演算で得られた選択指標値S1Cを、自装置の計測用
端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央装置1Aに
送信し(ステップST6C)、自装置を停止する。
【0024】中央装置1Aでは、ステップST2Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測用
PT22Cで計測される電流、電圧データより算出)と
(2)式を用いて選択指標値S1(S1Cとする)を演
算する(ステップST5A)。次に、中央装置1Aは計
測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32Bを介
して送られてきた選択指標値S1B,S1Cを受信する
(ステップST8)。そして、選択指標値S1A,S1
B,S1Cのそれぞれの大きさを比較する(ステップS
T9)。これらの値の内、選択指標値S1Aが最大の場
合は、発電所6Aの運転発電機6A1から電源制限対象
を選択する(ステップST11A)。また、選択指標値
S1Bが最大の場合は、発電所6Bの運転発電機6B1
から電源制限対象を選択する(ステップST10A)。
また、選択指標値S1Cが最大の場合は、発電所6Cの
運転発電機6C1から電源制限対象を選択する(ステッ
プST12A)。そして、この中央装置1Aによって電
源制限対象が選択された後は、所定の脱調予測、電源制
限量決定のルーチン(例えば、従来の技術で示した方
式)に進められる。振動発散による脱調が予測される場
合には、電源制限対象の発電機の中から必要電源制限量
を満足する発電機を遮断するために、中央装置1Aから
伝送路3C〜3Fのいずれかを介してトリップ信号が出
力される。例えば、電源制限対象が発電所6B内の発電
機6B1である場合は、中央装置1A、制御用端末1
E、コントロール・ケーブル31Iを介して、遮断すべ
き発電機6B1のもとの遮断器41Aにトリップ信号が
到達する。
【0025】なお、上記実施例1では、選択した電源制
限対象発電機を、電力系統から遮断して電源制限を行う
ことにより、系統安定化を図るとして説明したが、その
電源制限対象発電機と並列に制動抵抗を付加し、この抵
抗を入、切することにより電源制限を行ってもよい。ま
た、この実施例において、各電源系統に対応する正規化
用慣性定数Mに関する情報は、ある時間周期をもって中
央給電指令所(中給)システム1Nから伝送路32Nを
介して中央装置1Aに送信されるものとする。
【0026】図4は、この第2の実施例(実施例2)を
示す選択指標の説明図である。上記実施例1では電源制
限対象選択指標として、故障クリア直後における連系点
ブランチの有効電力潮流Peに基づく動揺波形を積分し
たものを用いたが、その有効電力潮流の変化率を使用し
てもPeの復帰速度を表わすことができる。例えば、図
4に示すPe−t図の時刻t1〜t2間におけるPeの
変化率の平均値を使った、下記(3)式で求められたS
2を選択指標として使うことができる。
【0027】
【数3】
【0028】この図4に示した電源系統は、図1の実施
例1で示したものと同じである。すなわち、図1で述べ
たように、母線51A〜51Cと、送電線52A〜52
Cと、変圧器53Aとから成る。図5はこの実施例2で
使用される電源制限対象選択方式による系統安定化シス
テムの構成図である。この構成図は、実施例1で使用さ
れたものと同じである。すなわち、脱調予測装置1A
と、制御端末装置1Bと、中央給電指令所(中給)シス
テム1Nと、電流計測用CT21と、電圧計測用PT2
2と、コントロール・ケーブル31A〜31Cと、情報
伝送路32A,32Nと、遮断器41と、母線51A〜
51Eと、送電線52A〜52Dと、変圧器53と、本
系統7Aと、電源系統7Bと、発電所6と発電機6aか
らなる。このように、この安定化システムは、例えば電
流計測器用CT21A〜21Dで計測される電流と電圧
計測器用PT22A〜22Cで計測される電圧より算出
される有効電力潮流の変化をもって故障検出を行い、起
動状態に入る。その後、図6に示したフローチャートに
従って、最適な電源制限対象を選択する。
【0029】まず、電流計測用CT21A〜21D、電
圧計測用PT22A〜22Dによって電力系統の故障発
生が検出されると、計測用端末装置1B,1C、中央装
置1Aがそれぞれ起動する(ステップST1A,ST1
B,ST1C)。計測用端末装置1Bでは、その故障発
生時点を時間基準とするための時刻リセットをし(ステ
ップST2B)、故障除去が電流計測用CT21A〜2
1D、電圧計測用PT22A〜22Dで検出されると、
時刻t=tf(図4の故障除去時点)とする処理を行う
(ステップST4B)。次に、連系点ブランチにある変
圧器53の有効電力潮流(電流計測用CT21C、電圧
計測用PT22Bで計測される電流、電圧のデータより
算出)と既述した(3)式を用いて選択指標値S2(S
2Bとする)を演算する(ステップST15B)。そし
て、その演算で得られた選択指標値S2Bを、自装置の
計測用端末装置1Bから伝送路32Aを介して中央装置
1Aに送信し(ステップST16B)、自装置を停止す
る(ステップST7B)。
【0030】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C,S
T4C)、送電線の有効電力潮流(電流計測用CT21
D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電圧デー
タより算出)と(3)式を用いて選択指標値S2(S2
Cとする)を演算する(ステップST15C)。そし
て、その演算で得られた選択指標値S2Cを、自装置の
計測用端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央装置
1Aに送信し(ステップST16C)、自装置を停止す
る。
【0031】中央装置1Aでは、ステップST1Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測用
PT22Cで計測される電流、電圧データより算出)と
(3)式を用いて選択指標値S2(S2Cとする)を演
算する(ステップST15A)。次に、中央装置1Aは
計測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32Bを
介して送られてきた選択指標値S2B,S2Cを受信す
る(ステップST18)。そして、選択指標値S2A,
S2B,S2Cのそれぞれの大きさを比較する(ステッ
プST3)。これらの値の内、選択指標値S4Aが最大
の場合は、発電所6Aの運転発電機6A1から電源制限
対象を選択する(ステップST11A)。また、選択指
標値S2Bが最大の場合は、発電所6Bの運転発電機6
B1から電源制限対象を選択する(ステップST10
A)。また、選択指標値S2Cが最大の場合は、発電所
6Cの運転発電機6C1から電源制限対象を選択する
(ステップST12A)。そして、この中央装置1Aに
よって、電源制限対象が選択された後は、所定の脱調予
測、電源制限量決定のルーチン(例えば、従来の技術で
示した方式)に進められる。振動発散による脱調が予測
される場合には、、電源制限対象の発電機の中から必要
電源制限量を満足する発電機を遮断するために、中央装
置1Aから伝送路3C〜3Fのいずれかを介してトリッ
プ信号が出力される。例えば、電源制限対象が発電所6
B内の発電機6B1である場合は、中央装置1A、制御
用端末1E、コントロール・ケーブル31Iを介して、
遮断すべき発電機6B1のもとの遮断器41Aにトリッ
プ信号が到達する。
【0032】なお、上記実施例2では、選択した電源制
限対象発電機を、電力系統から遮断して電源制限を行う
ことにより、系統安定化を図るとして説明したが、その
電源制限対象発電機と並列に制動抵抗を付加し、この抵
抗を入、切することにより電源制限を行ってもよい。
【0033】図7は、この発明の第3の実施例(実施例
3)を示す系統安定化システムの構成図である。上記実
施例1では系統容量見合いの正規化容量として、電源系
統における運転発電機の合計慣性定数Mを用いていた
が、連系点ブランチの故障発生直前における有効電力潮
流の初期位Pe(0_ )を用いてもよい。このようにす
れば、中央給電指令所システムからの慣性定数に関する
情報が不要となる。すなわち、この実施例3において
は、下記(4)式で求められたS3を選択指標として使
う。
【0034】
【数4】
【0035】図7はこの実施例3で使用される電源制限
対象選択方式による系統安定化システムの構成図であ
る。この構成図は、実施例1で使用されたものと同じで
ある。すなわち、脱調予測装置1Aと、制御端末装置1
Bと、中央給電指令所(中給)システム1Nと、電流計
測用CT21と、電圧計測用PT22と、コントロール
・ケーブル31A〜31Cと、情報伝送路32A,32
Nと、遮断器41と、母線51A〜51Eと、送電線5
2A〜52Dと、変圧器53と、本系統7Aと、電源系
統7Bと、発電所6と発電機6aからなる。このよう
に、この安定化システムは、例えば電流計測器用CT2
1A〜21Dで計測される電流と電圧計測器用PT22
A〜22Cで計測される電圧より算出される有効電力潮
流の変化をもって故障検出を行い、起動状態に入る。そ
の後、図8に示したフローチャートに従って、最適な電
源制限対象を選択する。
【0036】まず、電流計測用CT21A〜21D、電
圧計測用PT22A〜22Dによって電力系統の故障発
生が検出されると、計測用端末装置1B,1C、中央装
置1Aがそれぞれ起動する(ステップST1A,ST1
B,ST1C)。計測用端末装置1Bでは、故障発生直
前の連系点ブランチの有効電力潮流Pe(0_ )を自装
置のメモリに記憶する(ステップST2)。そして、故
障発生時点を時間基準とするための時刻リセットをし
(ステップST2B)、故障除去が電流計測用CT21
A〜21D、電圧計測用PT22A〜22Dで検出され
ると、時刻t=tfとする処理を行う(ステップST4
B)。次に、連系点ブランチにある変圧器53の有効電
力潮流(電流計測用CT21C、電圧計測用PT22B
で計測される電流、電圧のデータより算出)と既述した
(4)式を用いて選択指標値S3(S3Bとする)を演
算する(ステップST25B)。そして、その演算で得
られた選択指標値S3Bを自装置の計測用端末装置1B
から伝送路32Aを介して中央装置1Aに送信し(ステ
ップST26B)、自装置を停止する(ステップST7
B)。
【0037】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C〜S
T4C)、送電線の有効電力潮流(電流計測用CT21
D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電圧デー
タより算出)と(4)式を用いて選択指標値S3(S3
Cとする)を演算する(ステップST25C)。そし
て、その演算で得られた選択指標値S3Cを、自装置の
計測用端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央装置
1Aに送信し(ステップST26C)、自装置を停止す
る。
【0038】中央装置1Aでは、ステップST1Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測用
PT22Cで計測される電流、電圧データより算出)と
(4)式を用いて選択指標値S3(S3Cとする)を演
算する(ステップST25A)。次に、中央装置1Aは
計測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32Bを
介して送られてきた選択指標値S3B,S3Cを受信す
る(ステップST28)。そして、選択指標値S3A,
S3B,S3Cのそれぞれの大きさを比較する(ステッ
プST3)。これらの値の内、選択指標値S4Aが最大
の場合は、発電所6Aの運転発電機6A1から電源制限
対象を選択する(ステップST11A)。また、選択指
標値S3Bが最大の場合は、発電所6Bの運転発電機6
B1から電源制限対象を選択する(ステップST10
A)。また、選択指標値S3Cが最大の場合は、発電所
6Cの運転発電機6C1から電源制限対象を選択する
(ステップST12A)。そして、この中央装置1Aに
よって、電源制限対象が選択された後は、所定の脱調予
測、電源制限量決定のルーチン(例えば、従来の技術で
示した方式)に進められる。振動発散による脱調が予測
される場合には、電源制限対象の発電機の中から必要電
源制限量を満足する発電機を遮断するために、中央装置
1Aから伝送路3C〜3Fのいずれかを介してトリップ
信号が出力される。例えば、電源制限対象が発電所6B
内の発電機6B1である場合は、中央装置1A、制御用
端末1E、コントロール・ケーブル31Iを介して、遮
断すべき発電機6B1のもとの遮断器41Aにトリップ
信号が到達する。
【0039】図9は、この発明の第4の実施例(実施例
4)を示す系統安定化システムの構成図である。実施例
2では系統容量見合いの正規化量として、電源系統にお
ける運転発電機の合計慣性定数Mを用いていたが、連系
点ブランチの故障発生直前における有効電力潮流の初期
値Pe(0_ )を用いてもよい。このようにすれば、中
央給電指令システムからの慣性定数に関する情報が不要
となる。すなわちこの実施例4においては、下記(5)
式で求められたS4を選択指標として使う。
【0040】
【数5】
【0041】図9は、この実施例4で使用される電源制
限対象選択方式による系統安定化システムの構成図であ
る。この構成図は、実施例1で使用されたものと同じで
ある。すなわち、脱調予測装置1Aと、制御端末装置1
Bと、中央給電指令所(中給)システム1Nと、電流計
測用CT21と、電圧計測用PT22と、コントロール
・ケーブル31A〜31Cと、情報伝送路32A,32
Nと、遮断器41と、母線51A〜51Eと、送電線5
2A〜52Dと、変圧器53と、本系統7Aと、電源系
統7Bと、発電所6と発電機6aからなる。このよう
に、この安定化システムは、例えば電流計測器用CT2
1A〜21Dで計測される電流と電圧計測器用PT22
A〜22Cで計測される電圧より算出される有効電力潮
流の変化をもって故障検出を行い、起動状態に入る。そ
の後、図10に示したフローチャートに従って、最適な
電源制限対象を選択する。
【0042】まず、電流計測用CT21A〜21D、電
圧計測用PT22A〜22Dによって電力系統の故障発
生が検出されると、計測用端末装置1B,1C、中央装
置1Aがそれぞれ起動する(ステップST1A,ST1
B,ST1C)。計測用端末装置1Bでは、故障発生直
前の連系点ブランチの有効電力潮流Pe(0_ )を自装
置のメモリに記憶する(ステップST2)。そして、故
障発生時点を時間基準とするための時刻リセットをし
(ステップST2B)、故障除去が電流計測用CT21
A〜21D、電圧計測用PT22A〜22Dで検出され
ると、時刻t=tfとする処理を行う(ステップST4
B)。次に、連系点ブランチにある変圧器53の有効電
力潮流(電流計測用CT21C、電圧計測用PT22B
で計測される電流、電圧のデータより算出)と既述した
(5)式を用いて選択指標値S4(S4Bとする)を演
算する(ステップST35B)。そして、その演算で得
られた選択指標値S4Bを、自装置の計測用端末装置1
Bから伝送路32Aを介して中央装置1Aに送信し(ス
テップST36B)、自装置を停止する(ステップST
7B)。
【0043】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C〜S
T4C)、送電線の有効電力潮流(電流計測用CT21
D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電圧デー
タより算出)と(5)式を用いて選択指標値S4(S4
Cとする)を演算する(ステップST35C)。そし
て、その演算で得られた選択指標値S4Cを、自装置の
計測用端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央装置
1Aに送信し(ステップST36C)、自装置を停止す
る。
【0044】中央装置1Aでは、ステップST1Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測用
PT22Cで計測される電流、電圧データより算出)と
(5)式を用いて選択指標値S4(S4Cとする)を演
算する(ステップST35A)。次に、中央装置1Aは
計測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32Bを
介して送られてきた選択指標値S4B,S4Cを受信す
る(ステップST38)。そして、選択指標値S4A,
S4B,S4Cのそれぞれの大きさを比較する(ステッ
プST3)。これらの値の内、選択指標値S4Aが最大
の場合は、発電所6Aの運転発電機6A1から電源制限
対象を選択する(ステップST11A)。また、選択指
標値S4Bが最大の場合は、発電所6Bの運転発電機6
B1から電源制限対象を選択する(ステップST10
A)。また、選択指標値S4Cが最大の場合は、発電所
6Cの運転発電機6C1から電源制限対象を選択する
(ステップST12A)。そして、この中央装置1Aに
よって、電源制限対象が選択された後は、所定の脱調予
測、電源制限量決定のルーチン(例えば、従来の技術で
示した方式)に進められる。振動発散による脱調が予測
される場合には、、電源制限対象の発電機の中から必要
電源制限量を満足する発電機を遮断するために、中央装
置1Aから伝送路3C〜3Fのいずれかを介してトリッ
プ信号が出力される。例えば、電源制限対象が発電所6
B内の発電機6B1である場合は、中央装置1A、制御
用端末1E、コントロール・ケーブル31Iを介して、
遮断すべき発電機6B1のもとの遮断器41Aにトリッ
プ信号が到達する。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、発電
機を含む電源系統と基幹系統との連系点にある変圧器や
送電線に流れる有効電力潮流のオンライン・データより
選択指標値を演算し、複数の電力系統に対応する上記選
択指標値を比較することによって、電源制限対象発電機
を選択するようにしたので、脱調現象を未然に防止し、
安定化に最も効果のある電源系統を選択できる効果があ
る。また、選択指標値を得るために、正規化量として連
系点ブランチの有効電力潮流を用いるため、中央給電指
令所からの慣性定数に関する情報が不要となり、安定化
装置を構成した場合、構成が簡単なものとなる効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す選択指標の説明
図である。
【図2】この発明の第1の実施例による系統安定化シス
テムの構成図である。
【図3】図2の系統安定化システムの動作を示すフロー
チャートである。
【図4】この発明の第2の実施例を示す選択指標の説明
図である。
【図5】この発明の第2の実施例による系統安定化シス
テムの構成図である。
【図6】図4の系統安定化システムの動作を示すフロー
チャートである。
【図7】この発明の第3の実施例を示す系統安定化シス
テムの構成図である。
【図8】図7の系統安定化システムの動作を示すフロー
チャートである。
【図9】この発明の第4の実施例を示す系統安定化シス
テムの構成図である。
【図10】図9の系統安定化システムの動作を示すフロ
ーチャートである。
【図11】従来の安定化制御方式を用いた系統安定化装
置のシステム構成図である。
【図12】従来の安定化制御方式における脱調予測検出
の原理図である。
【符号の説明】
1A 中央装置 1B,1C 計測用端末装置 1D〜1F 制御用端末装置 1N 中央給電指令所(中給)システム 21A〜21D 電流計測器用CT 22A〜22C 電圧計測器用PT 31A〜31J コントロール・ケーブル 41A〜41C 遮断器 51A〜51K 母線 52A〜52J 送電線 53A〜53C 変圧器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電源制限対象選択方式
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電力系統の動態安定
度崩壊に伴う振動発散による脱調現象を、未然防止する
電源制限対象選択方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば「平成元年電気学会全
国大会講演論文集1323の脱調予測制御システムの開
発(10−59,10−60ページ)」に記載された、
従来の振動発散による脱調現象を未然に防止する安定化
制御方式を用いた系統安定化装置のシステム構成図であ
る。図11において、1Aは脱調予測制御装置、1Bは
脱調予測制御装置1Aの制御端末装置、1Nは中央給電
指令所(中給)システム、21は電流計測用CT、22
は電圧計測用PT、31A〜31Cはデータや信号の受
け渡し用コントロール・ケーブル、32A,32Nは伝
送路、41は遮断器(発電機分存在)、51A〜51E
は母線、52A〜52Dは送電線、53は変圧器、6は
この系統安定化装置の制御(電源制限)対象となる多く
の発電機を含む発電所、7Aは本系統、7Bはこの系統
安定化装置の電源制限による安定化対象外の電源系統で
ある。
【0003】次に動作について説明する。脱調予測制御
装置1Aでは、常時一定サンプリング間隔(例えば電気
角30°)で電源系統7Bと本系統7Aとの連系線の一
部である送電線52Aの電流データを、電流計測用CT
21で計測し、コントロール・ケーブル31Aを介して
入力している。また、同じタイミングで系統安定化装置
設置の変電所における500KV母線51Aの電圧デー
タを、電圧計測用PT22で計測し、コントロール・ケ
ーブル31Bを介して入力している。脱調予測制御装置
1A内のCPUでは、この計測した電圧、電流データを
用いて連系線の有効電力潮流Pと無効電力潮流Qを各サ
ンプリングデータ毎に演算する。このPQデータに基づ
いてPQ座標平面上に有効・無効電力軌跡(PQローカ
ス)を描き、このPQローカスを使用して図12に示し
た安定化制御方式による脱調予測検出を行う。すなわ
ち、PQローカス上に張った図12のベクトルの象限方
向が第1象限から第2象限(時刻t1 ,→の変化
点)変化したことをもって、脱調に至ると判断する。そ
して、脱調予測検出した場合には、下記(1)式より必
要電源制限量(必要電制量)を演算し、あらかじめ中央
給電指令所システム1Nより伝送路32Nを介して入力
しておいた、制御対象の発電所6の発電情報(発電機の
運転状態)に基づいて、必要電源制限量を満足するよう
に遮断対象発電機を選択する。
【0004】
【数1】
【0005】選択後、この選択発電機の遮断器41に対
して、トリップ信号が出力されるように、脱調予測制御
装置1Aから情報伝送路32Aを介して、制御端末装置
1Bに電源制限信号が出力される。この従来例において
は、この系統安定化装置を数秒〜10数秒の制御ができ
るものとして説明しているが、もちろん、この装置に
は、数10秒〜数分の非常にゆっくりした、例えば動揺
発散に対する緩慢な制御に対しても対応する機能も備え
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の振動発散による
脱調現象を未然に防止する安定化制御方式は、以上のよ
うに構成されているので、安定化の対象となる電源系統
が1つに固定されている場合には適用可能であったが電
源系統が複数となった場合には、安定化に最も効果のあ
る電源系統(電源制限対象となる発電所)を選択できな
い問題点があった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、複数の電源系統を含む電力
系統の振動発散による脱調現象を未然に防止するのに、
最も効果のある電源制限対象をオンライン的に選択でき
る電源制限対象選択方式を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電源対象
方式では、図2で示すように、複数の発電機6A1〜6
C1の中から、電源制限対象発電機を選択して、電源制
限を行うことにより、故障発生等による電力系統の動態
安定度崩壊に伴う、振動発散による脱調現象を未然に防
止する安定化制御方式において、電源系統と基幹系統と
の連系点にある変圧器53Aや送電線52A〜52Dに
流れる有効電力潮流の故障クリア直後におけるオンライ
ン・データから、選択指標値を演算し、複数の電力系統
に対応する上記選択指標値を比較することによって、電
源制限対象発電機(例えば6A1)を選択するようにし
た。
【0009】また、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データを所定期間積分し、この積分値を上記電源系統間
の系統容量と比例する量で正規化したもの((2)式)
を用いた。
【0010】更に、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データの変化率を所定期間で平均し、この平均値を上記
電源系統間の系統容量と比例する量で正規化((3)
式)したものを用いた。
【0011】また、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データを所定期間積分し、この積分値を故障発生直前の
有効電力潮流で正規化したもの((4)式)を用いた。
【0012】更に、上記選択指標値として、上記連系点
の故障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・
データの変化率を所定期間で平均し、この平均値を故障
発生直前の有効電力潮流で正規化したもの((5)式)
を用いた。
【0013】
【作用】この発明による電源制限対象選択方式では、電
力系統の動態安定度崩壊に伴う振動発散による脱調現象
を未然に防止するために、発電機を含む電源系統と基幹
系統との連系点にある変圧器や送電線に流れる有効電力
潮流の故障クリア直後におけるオンライン・データから
選択指標値を演算し、複数の電力系統に対応する上記選
択指標値を比較することによって、電源制限対象発電機
を選択するようにした。以上のように、この発明による
電源制限選択方式では、連系点ブランチの有効電力潮流
より演算した選択指標値によって、複数の電源系統の中
から振動発散による脱調未然防止に最も効果のある電源
制限対象を選択するので、振動発散現象に対して最適な
安定化制御が実現できる。
【0014】また、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データを一定期間積分し、そ
の値を、例えば電源系統内の運転発電機の合計慣性定数
で正規化したものを使用したので、複数の電源系統の中
から振動発散による脱調現象を未然に防止するのに最も
効果のある電源制限対象発電機を選択することが可能と
なる。
【0015】更に、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データより、その一定時間内
の変化率の平均値を演算し、その値を、例えば電源系統
内の運転発電機の合計慣性定数で正規化したものを使用
したので、複数の電源系統の中から振動発散による脱調
現象を未然防止するのに最も効果のある電源制限対象発
電機を選択することが可能となる。
【0016】また、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データを一定期間積分し、そ
の値を、例えば連系点ブランチの故障発生直前の有効電
力潮流で正規化したものを使用したので、複数の電源系
統の中から振動発散による脱調現象を未然防止するのに
最も効果のある電源制限対象発電機を選択することが可
能となる。
【0017】更に、上記選択指標値として、電源系統と
基幹系統の連系点ブランチの故障クリア直後における有
効電力潮流のオンライン・データより、その一定期間内
の変化率の平均値を演算し、その値を、例えば連系点ブ
ランチの故障発生直前の有効電力潮流で正規化したもの
を使用したので、複数の電源系統の中から振動発散によ
る脱調現象を未然防止するのに最も効果のある電源制限
対象発電機を選択することが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図に基づいて説
明する。図1は、この発明の第1の実施例(実施例1)
を示す選択指標の説明図である。図1において、51A
はある電源系統と基幹系統の接続点にあたる母線、51
B,51Cはその電源系統内にある母線、52A,52
Bは基幹系統の送電線、52Cは電源系統の送電線、5
3Aは電源系統と基幹系統の連系点にある変圧器、6は
電源系統内の発電所、6aは発電機である。また、図1
には、変圧器53Aに流れる有効電力潮流Peの故障発
生前後の動揺波形も示してある。発電所6内の発電機6
aは故障中に加速されるが、その加速力が大きいほど、
故障クリア後におけるPeの復帰速度は大きくなる。一
方、振動発散による脱調現象を未然に防止するために
は、この故障中における加速力の大きな発電機を遮断
(電源制限)するほど、効果が大きい。従って、故障ク
リア後におけるPeの復帰速度を表わす指標をオンライ
ンデータに基づき演算し、対象とする複数の電源系統間
でその値を比較すれば、安定化に最も効果のある電源制
限対象を選択することが可能となる。その選択指標とし
て、この実施例1では図1に示したPe−t図の斜線部
分の面積を使う。ただし、面積そのものの値では、対象
とする電源系統間で系統容量に差がある場合には、正確
な比較ができなくなる。そこで、この面積を系統容量と
比例する量で正規化する必要がある。例えば、電源系統
における運転発電機の合計慣性定数M(統一した基準容
量ベースの値)などが正規化量として使うことができ
る。従って、選択指標をS1とすると、
【0019】
【数2】
【0020】上記(2)式で与えられる。ここで時刻t
1 ,t2 は、対象とする電源系統の電力動揺周期に基づ
き、事前に設定しておく。また、積分計算はPe(t)
のサンプリング間隔毎に台形近似等を用いて数値的に実
行する。
【0021】図2は、実施例1の選択指標を用いた電源
制限対象選択方式による系統安定化システムの構成図で
ある。図2において、1Aは系統安定化装置の中央装
置、1B,1Cは系統安定化装置の計測用端末装置、1
D〜1Fは系統安定化装置の制御用端末装置、1Nは中
央給電指令所システム、21A〜21Dは電流計測用C
T、22A〜22Cは電圧計測用PT、31A〜31G
は計測データを装置に入力するためのコントロール・ケ
ーブル、31H〜31Jはトリップ信号を遮断器に出力
するためのコントロール・ケーブル、32A〜32F,
32Nは各種情報・信号をやりとりするための伝送路、
41A〜41Cは発電機の遮断器、51A〜51Cはこ
の安定化装置の対象とする電源系統と基幹系統の接続点
にあたる母線、51Dは基幹系統内の母線、51E〜5
1Kは対象とする電源系統内の母線、52A〜52Fは
基幹系統の送電線、52G〜52Jは対象とする電源系
統の送電線、この内、送電線52Iは対象とする1つの
電源系統と基幹系統の連系点にある送電線、53A〜5
3Bは対象とする2つの電源系統と基幹系統の連系点に
ある変圧器、53Cは対象とする電源系統内の変圧器、
6A〜6Cは対象とする各電源系統に属する発電所、6
A1〜6C1は各発電所に属する複数発電機、7Aは本
系統、7Bはこの系統安定化装置の対象外の電源系統で
ある。この安定化システムは、例えば電流計測用CT2
1A〜21Dで計測される電流と電圧計測器用PT22
A〜22Cで計測される電圧とから算出される有効電力
潮流の変化をもって故障検出を行い、起動状態に入る。
その後、図3に示したフローチャートに従って、最適な
電源制限対象を選択する。
【0022】次に、この実施例1の動作を図3のフロー
チャートに基づいて説明する。まず、電流計測用CT2
1A〜21D、電圧計測用PT22A〜22Dからの計
測データによって電力系統の故障発生が検出されると、
計測用端末装置1B,1C、中央装置1Aがそれぞれ起
動する(ステップST1A,ST1B,ST1C)。計
測用端末装置1Bでは、その故障発生時点を時間基準と
するための時刻リセットをし(ステップST2B)、故
障除去が電流計測用CT21C、電圧計測用PT22B
からの計測データで検出されると、時刻t=tf(図1
の故障除去時点)とする処理を行う(ステップST4
B)。次に、連系点ブランチにある変圧器53Bの有効
電力潮流(電流計測用CT21C、電圧計測用PT22
Bで計測される電流、電圧のデータより算出)と既述し
た(2)式を用いて選択指標値S1(S1Bとする)を
演算する(ステップST5B)。そして、その演算で得
られた選択指標値S1Bを、自装置の計測用端末装置1
Bから伝送路32Aを介して中央装置1Aに送信し(ス
テップST6B)、自装置を停止する(ステップST7
B)。
【0023】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C,S
T4C)、送電線52Iの有効電力潮流(電流計測用C
T21D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電
圧データより算出)と(2)式用いて選択指標値S1
(S1Cとする)を演算する(ステップST5C)。そ
して、その演算で得られた選択指標値S1Cを、自装置
の計測用端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央装
置1Aに送信し(ステップST6C)、自装置を停止す
る(ステップST7C)。
【0024】中央装置1Aでは、ステップST2Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
3Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測
用PT22Aで計測される電流、電圧データより算出)
と(2)式を用いて選択指標値S1(S1Aとする)を
演算する(ステップST5A)。次に、中央装置1Aは
計測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32Bを
介して送られてきた選択指標値S1B,S1Cを受信す
る(ステップST8A)。そして、選択指標値S1A,
S1B,S1Cのそれぞれの大きさを比較する(ステッ
プST9A)。これらの値の内、選択指標値S1Aが最
大の場合は、発電所6Aの運転発電機6A1から電源制
限対象を選択する(ステップST11A)。また、選択
指標値S1Bが最大の場合は、発電所6Bの運転発電機
6B1から電源制限対象を選択する(ステップST10
A)。また、選択指標値S1Cが最大の場合は、発電所
6Cの運転発電機6C1から電源制限対象を選択する
(ステップST12A)。そして、この中央装置1Aに
よって電源制限対象が選択された後は、所定の脱調予
測、電源制限量決定のルーチン(例えば、従来の技術で
示した方式)に進められる。振動発散による脱調が予測
される場合には、電源制限対象の発電機の中から必要電
源制限量を満足する発電機を遮断するために、中央装置
1Aから伝送路32C〜32Fのいずれかを介してトリ
ップ信号が出力される。例えば、電源制限対象が発電所
6B内の発電機6B1である場合は、中央装置1A、伝
送路32D、制御用端末1E、コントロール・ケーブル
31Iを介して、遮断すべき発電機6B1のもとの遮断
器41Bにトリップ信号が到達する。
【0025】なお、上記実施例1では、選択した電源制
限対象発電機を、電力系統から遮断して電源制限を行う
ことにより、系統安定化を図るとして説明したが、その
電源制限対象発電機と並列に制動抵抗を付加し、この抵
抗を入、切することにより系統の安定化を計ってもよ
い。また、この実施例において、各電源系統に対応する
正規化用慣性定数Mに関する情報は、ある時間周期をも
って中央給電指令所(中給)システム1Nから伝送路3
2Nを介して中央装置1Aに送信されるものとする。
【0026】図4は、この第2の実施例(実施例2)を
示す選択指標の説明図である。上記実施例1では電源制
限対象選択指標として、故障クリア直後における連系点
ブランチの有効電力潮流Peに基づく動揺波形を積分し
たものを用いたが、その有効電力潮流の変化率を使用し
てもPeの復帰速度を表わすことができる。例えば、図
4に示すPe−t図の時刻t1〜t2間におけるPeの
変化率の平均値を使った、下記(3)式で求められたS
2を選択指標として使うことができる。
【0027】
【数3】
【0028】この図4に示した電源系統は、図1の実施
例1で示したものと同じである。すなわち、図1で述べ
たように、母線51A〜51Cと、送電線52A〜52
Cと、変圧器53Aと、発電所6と、発電機6aから成
る。図5はこの実施例2で使用される電源制限対象選択
方式による系統安定化システムの構成図である。この構
成図は、実施例1で使用されたものと同じである。すな
わち、中央装置1Aと、計測用端末装置1B〜1Cと、
制御用端末装置1D〜1Fと、中央給電指令所(中給)
システム1Nと、電流計測用CT21A〜21Dと、電
圧計測用PT22A〜22Cと、コントロール・ケーブ
ル31A〜31Jと、情報伝送路32A〜32F,32
Nと、遮断器41A〜41Cと、母線51A〜51K
と、送電線52A〜52Jと、変圧器53A〜53B
と、本系統7Aと、電源系統7Bと、発電所6A〜6C
と発電機6A1〜6C1からなる。このように、この安
定化システムは、例えば電流計測器用CT21A〜21
Dで計測される電流と電圧計測器用PT22A〜22C
で計測される電圧より算出される有効電力潮流の変化を
もって故障検出を行い、起動状態に入る。その後、図6
に示したフローチャートに従って、最適な電源制限対象
を選択する。
【0029】まず、電流計測用CT21A〜21D、電
圧計測用PT22A〜22Dからの計測データによって
電力系統の故障発生が検出されると、計測用端末装置1
B,1C、中央装置1Aがそれぞれ起動する(ステップ
ST1A,ST1B,ST1C)。計測用端末装置1B
では、その故障発生時点を時間基準とするための時刻リ
セットをし(ステップST2B)、故障除去が電流計測
用CT21C、電圧計測用PT22Dからの計測データ
より検出されると、時刻t=tf(図4の故障除去時
点)とする処理を行う(ステップST4B)。次に、連
系点ブランチにある変圧器53Bの有効電力潮流(電流
計測用CT21C、電圧計測用PT22Bで計測される
電流、電圧のデータより算出)と既述した(3)式を用
いて選択指標値S2(S2Bとする)を演算する(ステ
ップST15B)。そして、その演算で得られた選択指
標値S2Bを、自装置の計測用端末装置1Bから伝送路
32Aを介して中央装置1Aに送信し(ステップST1
6B)、自装置を停止する(ステップST7B)。
【0030】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C,S
T4C)、送電線52Iの有効電力潮流(電流計測用C
T21D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電
圧データより算出)と(3)式を用いて選択指標値S2
(S2Cとする)を演算する(ステップST15C)。
そして、その演算で得られた選択指標値S2Cを、自装
置の計測用端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央
装置1Aに送信し(ステップST16C)、自装置を停
止する(ステップST7C)。
【0031】中央装置1Aでは、ステップST1Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
3Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測
用PT22Aで計測される電流、電圧データより算出)
と(3)式を用いて選択指標値S2(S2Aとする)を
演算する(ステップST15A)。次に、中央装置1A
は計測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32B
を介して送られてきた選択指標値S2B,S2Cを受信
する(ステップST18A)。そして、選択指標値S2
A,S2B,S2Cのそれぞれの大きさを比較する(ス
テップST19A)。これらの値の内、選択指標値S4
Aが最大の場合は、発電所6Aの運転発電機6A1から
電源制限対象を選択する(ステップST11A)。ま
た、選択指標値S2Bが最大の場合は、発電所6Bの運
転発電機6B1から電源制限対象を選択する(ステップ
ST10A)。また、選択指標値S2Cが最大の場合
は、発電所6Cの運転発電機6C1から電源制限対象を
選択する(ステップST12A)。そして、この中央装
置1Aによって、電源制限対象が選択された後は、所定
の脱調予測、電源制限量決定のルーチン(例えば、従来
の技術で示した方式)に進められる。振動発散による脱
調が予測される場合には、、電源制限対象の発電機の中
から必要電源制限量を満足する発電機を遮断するため
に、中央装置1Aから伝送路32C〜32Fのいずれか
を介してトリップ信号が出力される。例えば、電源制限
対象が発電所6B内の発電機6B1である場合は、中央
装置1A、伝送路32D、制御用端末1E、コントロー
ル・ケーブル31Iを介して、遮断すべき発電機6B1
のもとの遮断器41Bにトリップ信号が到達する。
【0032】なお、上記実施例2では、選択した電源制
限対象発電機を、電力系統から遮断して電源制限を行う
ことにより、系統安定化を図るとして説明したが、その
電源制限対象発電機と並列に制動抵抗を付加し、この抵
抗を入、切することにより系統の安定化を図ってもよ
い。
【0033】図7は、この発明の第3の実施例(実施例
3)を示す系統安定化システムの構成図である。上記実
施例1では系統容量見合いの正規化容量として、電源系
統における運転発電機の合計慣性定数Mを用いていた
が、連系点ブランチの故障発生直前における有効電力潮
流の初期位Pe(0_ )を用いてもよい。このようにす
れば、中央給電指令所システムからの慣性定数に関する
情報が不要となる。すなわち、この実施例3において
は、下記(4)式で求められたS3を選択指標として使
う。
【0034】
【数4】
【0035】図7はこの実施例3で使用される電源制限
対象選択方式による系統安定化システムの構成図であ
る。この構成図は、実施例1で使用されたものと同じで
ある。すなわち、中央装置1Aと、計測用端末装置1B
〜1Cと、制御用端末装置1D〜1Fと、中央給電指令
所(中給)システム1Nと、電流計測用CT21A〜2
1Dと、電圧計測用PT22A〜22Cと、コントロー
ル・ケーブル31A〜31Jと、情報伝送路32A〜3
2Fと、遮断器41A〜41Cと、母線51A〜51K
と、送電線52A〜52Jと、変圧器53A〜53B
と、本系統7Aと、電源系統7Bと、発電所6A〜6C
と発電機6A1〜6C1からなる。このように、この安
定化システムは、例えば電流計測器用CT21A〜21
Dで計測される電流と電圧計測器用PT22A〜22C
で計測される電圧より算出される有効電力潮流の変化を
もって故障検出を行い、起動状態に入る。その後、図8
に示したフローチャートに従って、最適な電源制限対象
を選択する。
【0036】まず、電流計測用CT21A〜21D、電
圧計測用PT22A〜22Dからの計測データによって
電力系統の故障発生が検出されると、計測用端末装置1
B,1C、中央装置1Aがそれぞれ起動する(ステップ
ST1A,ST1B,ST1C)。計測用端末装置1B
では、故障発生直前の連系点ブランチの有効電力潮流P
e(0_ )を自装置のメモリに記憶する(ステップST
2B)。そして、故障発生時点を時間基準とするための
時刻リセットをし(ステップST3B)、故障除去が電
流計測用CT21C、電圧計測用PT22Dからの計測
データより検出されると、時刻t=tfとする処理を行
う(ステップST4B)。次に、連系点ブランチにある
変圧器53Bの有効電力潮流(電流計測用CT21C、
電圧計測用PT22Bで計測される電流、電圧のデータ
より算出)と既述した(4)式を用いて選択指標値S3
(S3Bとする)を演算する(ステップST25B)。
そして、その演算で得られた選択指標値S3Bを自装置
の計測用端末装置1Bから伝送路32Aを介して中央装
置1Aに送信し(ステップST26B)、自装置を停止
する(ステップST7B)。
【0037】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C〜S
T4C)、送電線52Iの有効電力潮流(電流計測用C
T21D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電
圧データより算出)と(4)式を用いて選択指標値S3
(S3Cとする)を演算する(ステップST25C)。
そして、その演算で得られた選択指標値S3Cを、自装
置の計測用端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央
装置1Aに送信し(ステップST26C)、自装置を停
止する(ステップST7C)。
【0038】中央装置1Aでは、ステップST1Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
3Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測
用PT22Aで計測される電流、電圧データより算出)
と(4)式を用いて選択指標値S3(S3Aとする)を
演算する(ステップST25A)。次に、中央装置1A
は計測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32B
を介して送られてきた選択指標値S3B,S3Cを受信
する(ステップST28A)。そして、選択指標値S3
A,S3B,S3Cのそれぞれの大きさを比較する(ス
テップST29A)。これらの値の内、選択指標値S4
Aが最大の場合は、発電所6Aの運転発電機6A1から
電源制限対象を選択する(ステップST11A)。ま
た、選択指標値S3Bが最大の場合は、発電所6Bの運
転発電機6B1から電源制限対象を選択する(ステップ
ST10A)。また、選択指標値S3Cが最大の場合
は、発電所6Cの運転発電機6C1から電源制限対象を
選択する(ステップST12A)。そして、この中央装
置1Aによって、電源制限対象が選択された後は、所定
の脱調予測、電源制限量決定のルーチン(例えば、従来
の技術で示した方式)に進められる。振動発散による脱
調が予測される場合には、電源制限対象の発電機の中か
ら必要電源制限量を満足する発電機を遮断するために、
中央装置1Aから伝送路32C〜32Fのいずれかを介
してトリップ信号が出力される。例えば、電源制限対象
が発電所6B内の発電機6B1である場合は、中央装置
1A、伝送路32D、制御用端末1E、コントロール・
ケーブル31Iを介して、遮断すべき発電機6B1のも
との遮断器41Bにトリップ信号が到達する。
【0039】図9は、この発明の第4の実施例(実施例
4)を示す系統安定化システムの構成図である。実施例
2では系統容量見合いの正規化量として、電源系統にお
ける運転発電機の合計慣性定数Mを用いていたが、連系
点ブランチの故障発生直前における有効電力潮流の初期
値Pe(0_ )を用いてもよい。このようにすれば、中
央給電指令システムからの慣性定数に関する情報が不要
となる。すなわちこの実施例4においては、下記(5)
式で求められたS4を選択指標として使う。
【0040】
【数5】
【0041】図9は、この実施例4で使用される電源制
限対象選択方式による系統安定化システムの構成図であ
る。この構成図は、実施例1で使用されたものと同じで
ある。すなわち、中央装置1Aと、計測用端末装置1B
〜1Cと、制御用端末装置1D〜1Fと、中央給電指令
所(中給)システム1Nと、電流計測用CT21A〜2
1Dと、電圧計測用PT22A〜22Cと、コントロー
ル・ケーブル31A〜31Jと、情報伝送路32A〜3
2Fと、遮断器41A〜41Cと、母線51A〜51K
と、送電線52A〜52Jと、変圧器53A〜53B
と、本系統7Aと、電源系統7Bと、発電所6A〜6C
と発電機6A1〜6C1からなる。このように、この安
定化システムは、例えば電流計測器用CT21A〜21
Dで計測される電流と電圧計測器用PT22A〜22C
で計測される電圧より算出される有効電力潮流の変化を
もって故障検出を行い、起動状態に入る。その後、図1
0に示したフローチャートに従って、最適な電源制限対
象を選択する。
【0042】まず、電流計測用CT21A〜21D、電
圧計測用PT22A〜22Dからの計測データによって
電力系統の故障発生が検出されると、計測用端末装置1
B,1C、中央装置1Aがそれぞれ起動する(ステップ
ST1A,ST1B,ST1C)。計測用端末装置1B
では、故障発生直前の連系点ブランチの有効電力潮流P
e(0_ )を自装置のメモリに記憶する(ステップST
2B)。そして、故障発生時点を時間基準とするための
時刻リセットをし(ステップST3B)、故障除去が電
流計測用CT21C、電圧計測用PT22A〜22Dか
らの計測データより検出されると、時刻t=tfとする
処理を行う(ステップST4B)。次に、連系点ブラン
チにある変圧器53Bの有効電力潮流(電流計測用CT
21C、電圧計測用PT22Bで計測される電流、電圧
のデータより算出)と既述した(5)式を用いて選択指
標値S4(S4Bとする)を演算する(ステップST3
5B)。そして、その演算で得られた選択指標値S4B
を、自装置の計測用端末装置1Bから伝送路32Aを介
して中央装置1Aに送信し(ステップST36B)、自
装置を停止する(ステップST7B)。
【0043】一方、計測用端末装置1Cでは、計測用端
末装置1Bと同様の動作を行い(ステップST2C〜S
T4C)、送電線52Iの有効電力潮流(電流計測用C
T21D、電圧計測用PT22Cで計測される電流、電
圧データより算出)と(5)式を用いて選択指標値S4
(S4Cとする)を演算する(ステップST35C)。
そして、その演算で得られた選択指標値S4Cを、自装
置の計測用端末装置1Cから伝送路32Bを介して中央
装置1Aに送信し(ステップST36C)、自装置を停
止する(ステップST7C)。
【0044】中央装置1Aでは、ステップST1Aから
ステップST4Aまで、計測用端末装置1B,1Cと同
様の動作をする。次に、連系点ブランチにある変圧器5
3Aの有効電力潮流(電流計測用CT21B、電圧計測
用PT22Aで計測される電流、電圧データより算出)
と(5)式を用いて選択指標値S4(S4Aとする)を
演算する(ステップST35A)。次に、中央装置1A
は計測用端末装置1B,1Cから伝送路32A,32B
を介して送られてきた選択指標値S4B,S4Cを受信
する(ステップST38A)。そして、選択指標値S4
A,S4B,S4Cのそれぞれの大きさを比較する(ス
テップST39A)。これらの値の内、選択指標値S4
Aが最大の場合は、発電所6Aの運転発電機6A1から
電源制限対象を選択する(ステップST11A)。ま
た、選択指標値S4Bが最大の場合は、発電所6Bの運
転発電機6B1から電源制限対象を選択する(ステップ
ST10A)。また、選択指標値S4Cが最大の場合
は、発電所6Cの運転発電機6C1から電源制限対象を
選択する(ステップST12A)。そして、この中央装
置1Aによって、電源制限対象が選択された後は、所定
の脱調予測、電源制限量決定のルーチン(例えば、従来
の技術で示した方式)に進められる。振動発散による脱
調が予測される場合には、、電源制限対象の発電機の中
から必要電源制限量を満足する発電機を遮断するため
に、中央装置1Aから伝送路32C〜32Fのいずれか
を介してトリップ信号が出力される。例えば、電源制限
対象が発電所6B内の発電機6B1である場合は、中央
装置1A、伝送路32D、制御用端末1E、コントロー
ル・ケーブル31Iを介して、遮断すべき発電機6B1
のもとの遮断器41Bにトリップ信号が到達する。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、発電
機を含む電源系統と基幹系統との連系点にある変圧器や
送電線に流れる有効電力潮流のオンライン・データより
選択指標値を演算し、複数の電力系統に対応する上記選
択指標値を比較することによって、電源制限対象発電機
を選択するようにしたので、脱調現象を未然に防止し、
安定化に最も効果のある電源系統を選択できる効果があ
る。また、選択指標値を得るために、正規化量として連
系点ブランチの有効電力潮流を用いれば、中央給電指令
所からの慣性定数に関する情報が不要となり、安定化装
置を構成した場合、構成が簡単なものとなる効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す選択指標の説明
図である。
【図2】この発明の第1の実施例による系統安定化シス
テムの構成図である。
【図3】図2の系統安定化システムの動作を示すフロー
チャートである。
【図4】この発明の第2の実施例を示す選択指標の説明
図である。
【図5】この発明の第2の実施例による系統安定化シス
テムの構成図である。
【図6】図4の系統安定化システムの動作を示すフロー
チャートである。
【図7】この発明の第3の実施例を示す系統安定化シス
テムの構成図である。
【図8】図7の系統安定化システムの動作を示すフロー
チャートである。
【図9】この発明の第4の実施例を示す系統安定化シス
テムの構成図である。
【図10】図9の系統安定化システムの動作を示すフロ
ーチャートである。
【図11】従来の安定化制御方式を用いた系統安定化装
置のシステム構成図である。
【図12】従来の安定化制御方式における脱調予測検出
の原理図である。
【符号の説明】 1A 中央装置 1B,1C 計測用端末装置 1D〜1F 制御用端末装置 1N 中央給電指令所(中給)システム 6A〜6C 発電所 6A1〜6C1 発電機 7A〜7B 電力系統 21A〜21D 電流計測器用CT 22A〜22C 電圧計測器用PT 31A〜31J コントロール・ケーブル 41A〜41C 遮断器 51A〜51K 母線 52A〜52J 送電線 53A〜53C 変圧器
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小和田 靖之 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三 菱電機株式会社制御製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発電機の中から、電源制限対象発
    電機を選択して、電源制限を行うことにより、故障発生
    等による電力系統の動態安定度崩壊に伴う、振動発散に
    よる脱調現象を未然に防止する安定化制御方式におい
    て、電源系統と基幹系統との連系点にある変圧器や送電
    線に流れる有効電力潮流の故障クリア直後におけるオン
    ライン・データから、選択指標値を演算し、複数の電力
    系統に対応する上記選択指標値を比較することによっ
    て、電源制限対象発電機を選択することを特徴とする電
    源制限対象選択方式。
  2. 【請求項2】 上記選択指標値として、上記連系点の故
    障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・デー
    タを所定期間積分し、この積分値を上記電源系統間の系
    統容量と比例する量で正規化したものを用いたことを特
    徴とする請求項第1項記載の電源制限対象選択方式。
  3. 【請求項3】 上記選択指標値として、上記連系点の故
    障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・デー
    タの変化率を所定期間で平均し、この平均値を上記電源
    系統間の系統容量と比例する量で正規化したものを用い
    たことを特徴とする請求項第1項記載の電源制限対象選
    択方式。
  4. 【請求項4】 上記選択指標値として、上記連系点の故
    障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・デー
    タを所定期間積分し、この積分値を故障発生直前の有効
    電力潮流で正規化したものを用いたことを特徴とする請
    求項第1項記載の電源制限対象選択方式。
  5. 【請求項5】 上記選択指標値として、上記連系点の故
    障クリア直後における有効電力潮流のオンライン・デー
    タの変化率を所定期間で平均し、この平均値を故障発生
    直前の有効電力潮流で正規化したものを用いたことを特
    徴とする請求項第1項記載の電源制限対象選択方式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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