JPH06112872A - 衛星多重通信システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 周波数帯域に制限がある同一衛星中継器であ
っても広帯域信号と狭帯域信号とを高い回線品質を維持
して送受信すること。 【構成】 同一衛星中継器において、広帯域信号の受信
信号を測定し、受信レベルの小さい狭帯域信号チャンネ
ルを検出し、このチャンネルの情報を受信局側に通知
し、この通知したチャンネルで狭帯域信号を受信側に送
信する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、同一の衛星中継器を用
いて複数チャンネルの広帯域信号と狭帯域信号とを送受
信する送信局と受信局とを備えた衛星多重通信システム
に関し、特に同一衛星中継器（トランスポンダ）上の周
波数多重の制御に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、マルチキャリア伝送方式の衛星多
重通信システムにおいては、複数の信号チャンネルの周
波数帯域は、各チャンネル相互で影響を与えないように
適当な送信電力と周波数間隔で固定的に割り当てられて
おり、電話回線の多重や狭帯域データ伝送の多重に適し
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、衛星に
搭載されるトランスポンダは、その送受信可能な周波数
帯域に制限がある。このため、このような制限のある周
波数帯域において各チャンネルの周波数を固定的に割当
てた場合、映像信号などの広帯域信号とデータ信号など
の狭帯域信号とを多重化して伝送する際に、その伝送チ
ャンネルとして周波数間隔の狭いチャンネルが割り当て
られた時には相互干渉が生じ、高い回線品質を維持する
ことができなくなるという問題があった。

【０００４】本発明の目的は、周波数帯域に制限がある
同一衛星中継器であっても広帯域信号と狭帯域信号とを
高い回線品質を維持して送受信することができる衛星多
重通信システムを提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、同一の衛星中継器を用いて複数チャンネル
の広帯域信号と狭帯域信号とを送受信する送信局と受信
局とを備えた衛星多重通信システムにおいて、前記送信
局には、前記衛星中継器から受信した広帯域信号のうち
信号レベルが小さい狭帯域信号チャンネルを検出する受
信レベル監視手段と、この受信レベル監視手段が検出し
た狭帯域信号チャンネルを表す情報を広帯域信号チャン
ネルの独立情報チャンネルを使用して受信局に通知する
と共に、この通知した広帯域チャンネルで狭帯域信号を
受信側に送信する送信手段とを設け、受信局には、送信
局から通知された広帯域信号チャンネルの独立情報チャ
ンネルより狭帯域信号の受信周波数を知り、狭帯域信号
を受信する受信手段を設けた。

【０００６】

【作用】上記手段によれば、広帯域信号が利用している
トラポンにおいて受信レベルの小さい、例えば最も小さ
い狭帯域信号チャンネルを検出し、このチャンネルの情
報を受信局側に通知し、この通知したチャンネルで狭帯
域信号を受信側に送信する。

【０００７】このため、広帯域信号と狭帯域信号とを多
重化して伝送する際に、その伝送チャンネルとして周波
数間隔の狭いチャンネルが割り当てられたとしても、狭
帯域信号のレベルが小さいので、相互干渉が生じ難くな
り、高い回線品質で広帯域信号と狭帯域信号とを送受信
することができる。

【０００８】なお、広帯域信号が受信されていない場
合、狭帯域信号は予め設定されたチャンネルにて送受信
する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて詳
細に説明する。

【００１０】図１は、本発明の一実施例を示す全体構成
図であり、２つの地球局Ｅ１，Ｅ２と衛星Ｓ、複数の小
型受信専用局Ｔ１〜Ｔｎで構成されている。

【００１１】地球局Ｅ１は広帯域信号の送信と受信の両
方が可能に構成され、地球局Ｅ２は狭帯域信号について
は送信と受信の両方、広帯域信号については受信のみが
可能に構成されている。

【００１２】また、地球局Ｅ１と小型地球局Ｔ１〜Ｔｎ
ならびに地球局Ｅ２と小型地球局Ｔは衛星Ｓを介して通
信が可能になっている。

【００１３】１０１は地球局Ｅ１から小型受信専用局Ｔ
１〜Ｔｎへの広帯域信号である。

【００１４】１０２は地球局Ｅ２から地球局Ｅ１への連
絡回線であり、地球局Ｅ２が検出した広帯域信号レベル
の最も小さい狭帯域周波数の情報が通知される。なお、
この連絡回線１０２は地上回線あるいは衛星回線を用い
ることができる。

【００１５】１０３は地球局Ｅ２から小型受信専用局Ｔ
１〜Ｔｎへの狭帯域信号であり、この狭帯域信号１０３
と広帯域信号１０１は同一トランスポンダが使用され
る。

【００１６】図２は、地球局Ｅ１の構成を示すブロック
図であり、２０１は地球局Ｅ１のベースバンド信号、２
０２は地球局Ｅ２へのベースバンド信号、２０３および
２０４は中間周波数帯信号、２０５は地球局Ｅ２から連
絡回線１０２を通じて通知されるの狭帯域信号の周波数
情報である。

【００１７】この地球局Ｅ１は、送信多重回路２１０、
送信回路２１１、受信回路２１２、高周波部２１３から
成っており、送信多重回路２１０は地球局Ｅ１のベース
バンド信号２０１と地球局Ｅ２から通知される狭帯域信
号の周波数情報２０５とをベースバンド上で多重化し、
送信回路２１１に入力する。

【００１８】この場合、地球局Ｅ２からの狭帯域信号の
周波数情報２０５は、地球局Ｅ１が送受信する広帯域信
号チャンネルの中の独立情報チャンネルに多重化され
る。

【００１９】送信回路２１１は送信制御回路２１０から
入力されたベースバンド信号を中間周波数帯信号２０３
に変換して高周波部２１３に供給する。高周波部２１３
は入力された中間周波数帯信号２０３を高周波帯信号に
変換して衛星Ｓに送信する。

【００２０】一方、地球局Ｅ１の高周波部２１３は衛星
Ｓからの広帯域信号１０１を受信したならば、当該信号
１０１を中間周波数帯信号２０４に変換して受信回路２
１２に供給する。

【００２１】受信回路２１２は受信した中間周波数帯信
号２０４をベースバンド信号２０２に変換し、図示しな
いホスト端末に供給する。

【００２２】図３は、地球局Ｅ２の構成を示すブロック
図であり、送信制御回路３１０、受信レベル統計処理回
路３１１（受信レベル監視手段）、受信回路３１２、高
周波部３１３とから構成されている。

【００２３】高周波部３１３は、衛星Ｓからの広帯域信
号を受信し、中間周波数帯信号３０３に変換して受信回
路３１２に供給する。受信回路３１２は入力された中間
周波数帯信号３０３をベースバンド信号３０４に変換し
てユーザ端末等に供給すると共に、受信レベル統計処理
回路３１１に供給する。

【００２４】受信レベル統計処理回路３１１は広帯域信
号の受信信号レベルを統計的に観測し、信号レベルの最
も低い周波数（チャンネル）を検出するもので、信号レ
ベルの最も低いチャンネルを検出したならば、そのチャ
ンネルの周波数情報を送信周波数情報回線３０５を用い
て送信制御回路３１０及び連絡回線１０２を介して地球
局Ｅ１に対して通知する。

【００２５】送信制御回路３１０は受信レベル統計処理
回路３１１から信号レベルの最も低いチャンネルの周波
数情報が通知されたならば、図示しないホスト端末から
入力されるベースバンド信号３０１を通知された周波数
の搬送波で中間周波数帯信号３０２に変換し、高周波部
３１３に入力する。

【００２６】高周波部３１３は入力された中間周波数帯
信号３０２を高周波信号に変換して衛星Ｓに送信する。

【００２７】すなわち、地球局Ｅ１は狭帯域信号１０３
を、広帯域信号チャンネルのうち受信信号レベルの最も
低いチャンネルで衛星Ｓに向けて送信する。

【００２８】この場合、送信制御回路３１０は受信レベ
ル統計処理回路３１１から周波数情報を通知されていな
い場合は、送信周波数制御を行わず、予め設定されたチ
ャンネルで送信する。

【００２９】図４は、小型受信専用局Ｔ１〜Ｔｎの構成
を示すブロック図であり、広帯域用シンセサイズドフィ
ルタ４１０、独立情報用フィルタ４１１、狭帯域信号用
シンセサイズドフィルタ４１２、広帯域信号受信回路４
１３、受信周波数選定回路４１４、狭帯域信号受信回路
４１５とから構成されている。

【００３０】まず、小型受信専用局Ｔ１〜Ｔｎで受信さ
れた広帯域信号または狭帯域信号は、図示しない高周波
部で中間周波数帯信号４０１に変換され、広帯域用シン
セサイズドフィルタ４１０に入力される。

【００３１】広帯域用シンセサイズドフィルタ４１０
は、衛星Ｓに搭載されたトランスポンダ（この例では、
地球局Ｅ１とＥ２が共通に使用するトランスポンダ）に
割り当てられた周波数帯域の中間周波数帯信号を取り出
し、広帯域信号受信回路４１３と独立情報用フィルタ４
１１と狭帯域信号用シンセサイズドフィルタ４１２とに
供給する。

【００３２】広帯域信号受信回路４１３は広帯域用シン
セサイズドフィルタ４１０を通過した中間周波数帯信号
をベースバンド信号４０２に変換し、図示しないユーザ
端末に供給する。

【００３３】また、独立情報用フィルタ４１１は入力さ
れた中間周波数帯信号の中から狭帯域信号の周波数情報
が多重化されている特定チャンネルの独立情報中間周波
数帯信号を取り出し、受信周波数選定回路４１４に供給
する。

【００３４】受信周波数選定回路４１４は独立情報フィ
ルタ４１１を通過した中間周波数帯信号を復調し、狭帯
域信号の周波数情報を取りだし、これを制御情報４０４
に変換し、狭帯域信号用シンセサイズドフィルタ４１２
に供給する。

【００３５】狭帯域信号用シンセサイズドフィルタ４１
２は、広帯域用シンセサイズドフィルタを通過した中間
周波数帯信号の中から、受信周波数選定回路４１４の制
御により所要狭帯域中間周波数帯信号を取り出し、狭帯
域信号受信回路４１５に供給する。

【００３６】狭帯域信号受信回路４１５は入力された中
間周波数帯信号をベースバンド信号４０３に変換して図
示しないユーザ端末に供給する。

【００３７】なお、狭帯域信号用シンセサイズドフィル
タ４１２は受信周波数選定回路４１４からの制御がない
場合は、予め設定された周波数の信号を通過させる。

【００３８】従って、複数の小型受信専用局Ｔ１〜Ｔｎ
においては、地球局Ｅ１から送信された広帯域信号と共
に、地球局Ｅ２から送信された狭帯域信号を広帯域信号
チャンネルの中の独立情報チャンネルを使用して受信す
ることになる。

【００３９】このように、狭帯域信号を広帯域信号チャ
ンネルの中の信号レベルの最も小さいチャンネルで受信
することにより、広帯域信号と狭帯域信号とを多重化し
て伝送する際に、その伝送チャンネルとして周波数間隔
の狭いチャンネルが割り当てられたとしても、狭帯域信
号のレベルが小さいので、相互干渉が生じ難くなり、高
い回線品質で広帯域信号と狭帯域信号とを送受信するこ
とができる。

【００４０】従って、地球局Ｅ２では狭帯域のデータ信
号を送信する地球局、他方の地球局Ｅ１は広帯域の映像
信号を送信する地球局として役割を設定すれば、データ
信号と映像信号とを高い回線品質で受信専用局Ｔ１〜Ｔ
ｎの送信することができる。

【００４１】なお、上記実施例においては、２つの地球
局を持つシステムを説明したが、広帯域信号と狭帯域信
号との両方を送受信可能な１つの地球局のみと、受信専
用局とで構成されるシステムであってもよい。この場合
は、地球局は受信レベル測定用の電波を衛星に向けて送
信し、その折り返し信号の受信レベルで狭帯域信号の周
波数（チャンネル）を決定することになる。

【００４２】また、狭帯域信号を送信する地球局は２つ
以上であってもよい。この場合は、いずれか１つの地球
局に、狭帯域信号の周波数（チャンネル）を受信側に通
知する役割を割り当てることになる。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、同一の衛
星中継器を用いて複数チャンネルの広帯域信号と狭帯域
信号とを送受信する送信局と受信局とを備えた衛星多重
通信システムにおいて、前記送信局には、前記衛星中継
器から受信した広帯域信号のうち信号レベルが小さい狭
帯域信号チャンネルを検出する受信レベル監視手段と、
この受信レベル監視手段が検出した狭帯域信号チャンネ
ルを表す情報を広帯域信号チャンネルの独立情報チャン
ネルを使用して受信局に通知すると共に、この通知した
広帯域チャンネルで狭帯域信号を受信側に送信する送信
手段とを設け、受信局には、送信局から通知された広帯
域信号チャンネルでの独立情報チャンネルより狭帯域信
号の受信周波数を知り、狭帯域信号を受信する受信手段
を設けたので、広帯域信号と狭帯域信号とを多重化して
伝送する際に、その伝送チャンネルとして周波数間隔の
狭いチャンネルが割り当てられたとしても、狭帯域信号
のレベルが小さいので、相互干渉が生じ難くなり、高い
回線品質で広帯域信号と狭帯域信号とを同時に送受信す
ることができる。

【００４４】また、広帯域信号と狭帯域信号を同一トラ
ンスポンダで使用するためトランスポンダを有効的に利
用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す全体構成図である。

【図２】地球局Ｅ１の構成を示すブロック図である。

【図３】地球局Ｅ２の構成を示すブロック図である。

【図４】小型受信専用局の構成を示すブロックである。

【符号の説明】

Ｅ１…地球局、Ｅ２…地球局、Ｓ…衛星、Ｔ１〜Ｔｎ…
小型専用地球局、１０１…広帯域信号、１０２…連絡回
線、１０３…狭帯域信号、２０１，２０２，２０５…ベ
ースバンド信号、２０３，２０４…中間周波数帯信号、
２１０…送信多重回路、２１１…送信回路、２１２…受
信回路、２１３…高周波部、３０１，３０４，３０５…
ベースバンド信号、３０２，３０３…中間周波数帯信
号、３１０…送信制御回路、３１１…受信レベル統計処
理回路、３１２…受信回路、３１３…高周波部、４０１
…受信中間周波数帯信号、４０２…広帯域ベースバンド
信号、４０３…狭帯域ベースバンド信号、４０４…狭帯
域信号受信周波数の制御情報、４１０…広帯域信号用シ
ンセサイズドフィルタ、４１１…独立情報用フィルタ、
４１２…狭帯域信号用シンセサイズドフィルタ、４１３
…広帯域信号受信回路、４１４…受信周波数選定回路、
４１５…狭帯域信号受信回路。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 晋作 東京都港区虎ノ門１丁目26番５号 エヌ・ ティ・ティ・データ通信株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 同一の衛星中継器を用いて複数チャンネ
   ルの広帯域信号と狭帯域信号とを送受信する送信局と受
   信局とを備えた衛星多重通信システムにおいて、 前記送信局には、前記衛星中継器から受信した広帯域信
   号のうち信号レベルが小さい狭帯域信号チャンネルを検
   出する受信レベル監視手段と、この受信レベル監視手段
   が検出した小受信レベルの狭帯域信号チャンネルを表す
   情報を広帯域信号チャンネルの独立情報チャンネルで受
   信局に通知すると共に、この通知した広帯域チャンネル
   で狭帯域信号を受信側に送信する送信手段とを備え、 前記受信局には、送信局から通知された広帯域信号チャ
   ンネルの独立情報チャンネルより狭帯域信号の受信周波
   数を知り、狭帯域信号を受信する受信手段を備えること
   を特徴とする衛星多重通信システム。
2. 【請求項２】 前記受信レベル監視手段は、複数の送信
   局のうち特定の送信局にのみ設け、最低受信レベルの狭
   帯域信号チャンネルを表す情報は他の送信局を介して受
   信局に通知することを特徴とする請求項１記載の衛星多
   重通信システム。