JPH06108840A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

Info

Publication number
JPH06108840A
JPH06108840A JP26171992A JP26171992A JPH06108840A JP H06108840 A JPH06108840 A JP H06108840A JP 26171992 A JP26171992 A JP 26171992A JP 26171992 A JP26171992 A JP 26171992A JP H06108840 A JPH06108840 A JP H06108840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
catalytic converter
exhaust
combustion engine
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26171992A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Yoshizaki
康二 吉▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP26171992A priority Critical patent/JPH06108840A/ja
Publication of JPH06108840A publication Critical patent/JPH06108840A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内部を流れる排気ガスの流速分布を
改善して良好な排気エミッションの確保を可能とする内
燃機関の排気浄化装置に関し、排圧による触媒コンバー
タ中心部の変形やずれを防止することを目的とする。 【構成】 排気浄化装置1のコンバータケース2内部
に、第1の触媒コンバータ3及び第2の触媒コンバータ
4を設ける。第1の触媒コンバータ3は、触媒担体の端
部を防風板5aに合わせた状態で中心棒5に巻回するこ
とにより形成される。第2の触媒コンバータ4は、所定
の間隔をあけて中心棒の他端に触媒担体を巻回すること
により形成される。また、第1の触媒コンバータは第2
の触媒コンバータと比較して小径・小容量に形成する。
防風板5aは内燃機関から流入する排気ガスを効果的に
排気浄化装置全体に分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気浄化装置
に係り、特に内部を流れる排気ガスの流速分布を改善し
て良好な排気エミッションの確保を可能とする内燃機関
の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用内燃機関の排気系には、
排気ガス中の未燃成分(HC,CO,NOX ) を有効に
浄化して良好な排気エミッションを確保するため、三元
触媒を触媒担体として用いた触媒コンバータが設けられ
ている。三元触媒は、所定の活性温度領域に達すると上
記のHC,CO,NOX を有効に浄化する特性を有して
いる。
【0003】従って、内燃機関の始動直後から良好な排
気エミッションを得るためには、内燃機関の始動後いち
早く触媒コンバータを所定の活性温度領域まで昇温する
必要がある。このような要求を満たす排気浄化装置とし
ては、内燃機関の排気系に設けられた通常の触媒コンバ
ータ(第2の触媒コンバータ)の上流に、比較的小径か
つ小容量の触媒コンバータ(第1の触媒コンバータ)を
備えるものが知られている。
【0004】この排気浄化装置では、内燃機関から排出
される排気ガスは先ず熱容量の小さい第1の触媒コンバ
ータを加熱する。このため、第1の触媒コンバータは、
内燃機関が始動すると、比較的早期に所定の活性化温度
領域まで昇温し、有効に排気ガスを浄化し始める。従っ
て、この排気浄化装置を備える内燃機関では、内燃機関
の始動直後から良好な排気エミッションを確保すること
ができる。
【0005】ところで、触媒コンバータの径は、要求さ
れる浄化能力を確保するため排気通路の径に比べて一般
に大きく設定されている。このため、何らの手だても講
じない場合、排気通路から触媒コンバータに流入した排
気ガスは、触媒コンバータの中心付近を集中的に流れる
ことになる。
【0006】このように、排気ガスが触媒コンバータの
中心付近だけを流れるとすれば、触媒コンバータの外周
部に配設された触媒担体は、排気ガスの浄化にほとんど
使用されないという非効率的な状況が生ずることにな
る。
【0007】そこで、従来より、触媒コンバータを構成
する触媒担体を中心付近で密、外周部で粗に巻回した構
成の排気浄化装置が提案されている(実開昭62−15
8116号公報)。この触媒コンバータでは、中心付近
の通気抵抗が大きく、外周部の通気抵抗が小さい。この
ため、排気通路から流入してきた排気ガスは、適当に触
媒コンバータ全体に分散され、効率的に触媒担体の浄化
能力を使用することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の排
気浄化装置では、触媒コンバータ内を排気ガスが通過す
る際、触媒担体が粗に巻回されている部分には多量の排
気ガスが流れ、触媒担体が密に巻回されている部分には
少量の排気ガスしか流れないという現象が起きる。従っ
て、触媒コンバータ内に配設された触媒担体を、配設さ
れた領域によらず効率的に排気ガスの浄化に使用するこ
とができる反面、触媒担体が粗に巻回されている部位を
流れる排気ガスを十分に浄化できない場合があるという
欠点を有していた。
【0009】また、触媒担体が密に巻回されている中心
付近では、排気ガスの通過に伴う通気抵抗が大きく、こ
の構成を上記の小径・小容量触媒コンバータに適用しよ
うとすると、中心付近における剛性不足により排圧に耐
えられないという問題があった。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、小径・小容量の触媒コンバータと、これと比較
して大径・大容量の触媒コンバータとを、それぞれ同一
の中心棒の回りに巻回する触媒担体で構成することによ
り、小径・小容量の触媒コンバータの剛性を高めた内燃
機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の構
成の内燃機関の排気浄化装置により解決される。
【0012】内燃機関の排気系内に、第1の触媒コンバ
ータを設ける。
【0013】同一の排気系内の、前記第1の触媒コンバ
ータよりも排気ガスの流れに対して下流側に、前記第1
の触媒コンバータと比べて大径かつ大容量の第2の触媒
コンバータを設ける。
【0014】前記第1の触媒コンバータ及び前記第2の
触媒コンバータは、共通の中心棒の回りにそれぞれ巻回
した触媒担体で構成する。
【0015】
【作用】上記構成の内燃機関の排気浄化装置において、
前記第1の触媒コンバータは、内燃機関が始動するとい
ち早く活性温度領域まで昇温して、内燃機関の始動直後
から有効に排気ガス中の未燃成分を浄化する。
【0016】前記第2の触媒コンバータは、内燃機関が
定常状態にある場合に、有効に排気ガス中の未燃成分成
分を浄化する。
【0017】前記中心棒は、前記第1の触媒コンバータ
の中心部と前記第2の触媒コンバータの中心部との間隔
を一定に保持するように、前記第1の触媒コンバータを
支持すると共に、前記第1の触媒コンバータから前記第
2の触媒コンバータに向けて、前記第1の触媒コンバー
タが蓄えた熱を伝熱する。
【0018】
【実施例】図1は、本発明に係る内燃機関の排気浄化装
置の一実施例の構成を表す正面断面図を示す。
【0019】図1中、符号2は排気浄化装置1のハウジ
ングに相当するコンバータケースを示す。コンバータケ
ース2は、内燃機関から排出された排気ガスを導く排気
通路(図示せず)とフランジ2a,2bで連通してい
る。つまり、排気浄化装置1はこの排気通路の途中位置
に配設されている。尚、排気ガスは図1に矢線で示すよ
うに、左から右に向かい流れる構成とされている。従っ
て図1においては、左側が上流側となり、右側が下流側
となる。
【0020】この排気ガス浄化装置1は、概略すると上
記のコンバータケース2,第1の触媒コンバータ3,第
2の触媒コンバータ4及び防風板5aを備える中心棒5
で構成されている。コンバータケース2内の上流側に
は、比較的小径かつ小容量の第1の触媒コンバータ3が
配設されると共に、下流側には比較的大系かつ大容量の
第2の触媒コンバータ4が配設される。
【0021】これらの第1及び第2の触媒コンバータ
3,4は、排気ガス中に含まれるHC,CO,NOX
の未燃成分を浄化する三元触媒からなる触媒担体で構成
されている。より具体的に説明すると、これらの触媒コ
ンバータ3,4がコンバータケース2内で直列となるよ
うに、それぞれを構成する触媒担体を中心棒5の回りに
巻回して第1及び第2の触媒コンバータ3,4を形成し
ている。尚、この際、中心棒5の防風板5aは、図1に
示すように、第1の触媒コンバータ3の上流側の面とほ
ぼ同一平面内に配置される。
【0022】このように排気浄化装置1は、コンバータ
ケース2内に第1の触媒コンバータ3及び第2の触媒コ
ンバータ4がコンパクトに収納された構造とされてお
り、装置の小型化が図られている。
【0023】図2は、上記の排気浄化装置1内を流れる
排気ガスの流速と、流速測定位置(図1に示す各触媒コ
ンバータ3,4の中心軸からの距離R)との関係を表す
グラフである。
【0024】以下、同図に基づいて本実施例の排気浄化
装置1の効果について説明するが、それに先立って図3
〜図11に基づいて、排気浄化装置内を流れる排気ガス
の様子と、それに伴う触媒コンバータの温度変化の様子
について説明する。
【0025】図3は、従来の構成の排気浄化装置の構成
を表す正面断面図を示す。図3に示す排気浄化装置10
は、中心棒5が存在しない点で上記の図1に示す排気浄
化装置1と異なり、他の構成部分は排気浄化装置1と同
一である。尚、図1と同一の構成部分には、同一の符号
を付している。
【0026】図4は、この排気浄化装置10内を流れる
破棄ガスの流速と、流速測定位置(図3に示す各触媒コ
ンバータ3,4の中心軸からの距離R)との関係を表す
グラフである。また、図4中、実線で示す関係は第1の
触媒コンバータ3と第2の触媒コンバータ4との間にお
ける排気ガスの流速を示し、破線で示す関係は第2の触
媒コンバータ4の下流位置における排気ガスの流速を示
す。
【0027】図4に示すように、この排気浄化装置10
においては、第1の触媒コンバータ3と第2の触媒コン
バータ4との間であっても(図4中、実線)、第2の触
媒コンバータ4の下流であっても(図4中、破線)、触
媒コンバータ3,4の中心付近で排気ガスの流速が早
く、中心から離れるに従って排気ガスの流速が遅くなっ
ている。つまり、この排気浄化装置10においては、内
燃機関から排出された排気ガスが触媒コンバータ3,4
の中心付近に偏って流れている。
【0028】このように排気ガスが触媒コンバータ3,
4の中心付近に多量に流れると、触媒コンバータ3,4
の外周部に存在する触媒は、排気ガスの浄化に有効に活
用されないことになり、効率上好ましくない。そのう
え、触媒コンバータ3,4の中心付近に存在する触媒だ
けが早期に劣化して、良好な排気エミッションを得るこ
とができなくなる場合がある。
【0029】このため、内燃機関の排気浄化装置におい
ては、内燃機関から排出された排気ガスを積極的に触媒
コンバータ3,4の外周部に導く手だてを講ずる必要が
あり、従来より各種の工夫がなされている。
【0030】このような工夫としては、例えば、第1の
触媒コンバータ3と第2の触媒コンバータ4との間隔を
所定長さ以上に設定する構成が知られている。この構成
によれば、排気ガスが第1の触媒コンバータ3から第2
の触媒コンバータ4に流入する際に、その間隔部分にお
いて排気ガスが十分に拡散される。このため、第1の触
媒コンバータ3を排気ガスが通過する際には中心付近に
偏っていても、第2の触媒コンバータ4を通過する際に
はその偏りは緩和される。
【0031】しかし、この構成では、触媒コンバータ
3,4中の使用効率を画期的に改善することができない
ため、依然として上記図3に示す排気浄化装置10と同
様の問題を有している。加えて、各触媒コンバータ3,
4間を比較的広く確保する必要があり、排気浄化装置の
小型化の妨げとなるという難点を残すことになる。
【0032】以下、図5〜図10に示す実験データに基
づいて、排気浄化装置内を排気ガスが均一に流れること
による効果について説明する。
【0033】図5及び図6は、排気浄化装置30,40
に上記の防風板21に相当する部材(中心電極31)が
ある場合(各図(A))と無い場合(各図(B))とに
ついてそれぞれ排気ガスの流速分布を測定した結果を示
す。尚、図5,図6において図3と同一の構成部分につ
いては同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0034】図5に示すように、排気浄化装置30は、
第1の触媒コンバータ3の中心部に中心電極31を有し
ている。この中心電極31は、本来第1の触媒コンバー
タ3を加熱するために配設された部材で、例えば、内燃
機関の冷間始動時のように排気熱が低く触媒コンバータ
の昇温速度が遅いような場合に通電してヒータとして使
用するものである。
【0035】但し、本実験に際しては、中心電極31が
防風板21として作用することに着目して、便宜上排気
浄化装置30を用いたにすぎず、中心電極31をヒータ
として使用する場合はない。
【0036】また、排気浄化装置30,40は、上記の
排気浄化装置20と異なり、総計3個の触媒コンバータ
3,4a,4bを備えている。これらのうち第2及び第
3の触媒コンバータ4a,4bは、図3における第2の
触媒コンバータ4に相当し、より一層良好な排気エミッ
ションを確保するために2つに分離したものである。
【0037】但し、この場合も上記の場合と同様に、排
気ガスが触媒コンバータ内を均一に流れることによる効
果には何らの差異も生じないため、便宜上本実験に用い
たにすぎない。
【0038】尚、図5は、内燃機関のいわゆる暖機中に
おける状態を示し、図6は加速中における状態を示して
いる。また、各図において、2重斜線部は最も流速が早
い領域を示し、斜線部,白抜き部は、その順で流速が遅
くなることを示している。
【0039】図5,図6に示すように、排気浄化装置3
0,40の前後では、排気通路の中心付近で流速が早
く、外周部で遅い。また、排気浄化装置30,40につ
いて第1の触媒コンバータ3と第2の触媒コンバータ4
aとの間の領域で、外周部を流れる排気ガスの流速を測
定した結果、図7に示すように、暖機時,加速時を問わ
ず排気浄化装置30の方が流速が早いことが判った。従
って、排気浄化装置40においては、各触媒コンバータ
3,4a,4bを通過する際にもある程度中心付近の流
速が早いことが予想される。
【0040】これに反して排気浄化装置30では、中心
電極31の防風作用により第1の触媒コンバータ3の中
心付近での流速が最も遅くなる。従って、第2,第3の
触媒コンバータ4a,4bの中心付近を通過する際の排
気ガスの流速が、排気浄化装置40の場合と比べて遅く
なり、より均一な流速分布を示すことが予想される。
【0041】また、図5及び図6に示すように、暖機時
と加速時とで排気浄化装置中の排気ガスの流速差分布に
はほとんど差が認められない。従って、中心電極31に
よる防風作用は、内燃機関の運転状態によらず有効に作
用していると予想される。
【0042】図8及び図9は、上記排気浄化装置30,
40に排気ガスが流入して、その排気熱で昇温される様
子を表す図を示す。以下、図8及び図9に基づいて、中
心電極31の有無が排気浄化装置の昇温特性に与える影
響について説明する。尚、各図(A)は、内燃機関から
排気浄化装置30,40に排気ガスが流入し始めてから
20sec 後の状態を示し、各図(B),(C)は、それ
ぞれ60secc後,120sec 後の状態を表している。
【0043】図8(A)に示すように、排気浄化装置3
0に排気ガスの流入が開始されてから20sec が経過し
た頃の第1の触媒コンバータ3の温度分布は、中心部す
なわち中心電極31の下流部分が最も低温で350℃程
度となる。次いで最外周付近と中心部の外周部が400
℃程度で続く。最も高温となるのは、最外周付近と、中
心部の外周部との間の部分で、ドーナツ状に450℃の
帯を形成する。
【0044】これは上記図5で説明したように、中心電
極31が、排気浄化装置内に流入してきた排気ガスの流
速の最も早い部分をドーナツ状に形成したためである。
このため、排気浄化装置30では、第2,第3の触媒コ
ンバータ4a,4bにおける温度分布も、各触媒コンバ
ータ4a,4bに対してドーナツ状に最高温度の帯が形
成されている。
【0045】これに対して、中心電極31が設けられて
いない排気浄化装置40羽、図9(A)に示すように、
第1〜第3の触媒コンバータ3,4a,4b全てにおい
て、最高温度領域が各触媒コンバータ3,4a,4bの
中心部回りに形成されている。また、各触媒コンバータ
3,4a,4bにおける最高温度を図8(A)に示す排
気浄化装置30のそれと比較すると、全ての触媒コンバ
ータ3,4a,4bにおいて排気浄化装置30が勝って
いることが判る。
【0046】これは、排気浄化装置30においては、上
記したように排気ガスが適度に分散されているのに対し
て、排気浄化装置40では、各触媒コンバータ3,4
a,4bを通過しようとする排気ガスが中心付近に集中
して、相対的な通気抵抗を増大させているからである。
【0047】このように、第1の触媒コンバータ3の中
心部に中心電極31が設けられると、排気浄化装置内で
排気ガスが適度に均一化され、触媒コンバータ3,4
a,4b全体が加熱されると共に、その加熱効率の向上
をも図ることができる。
【0048】各図(B),(C)についても、ほぼ上記
の結論と同様な結論が得られ、排気浄化装置30の触媒
コンバータ3,4a,4bは、常に排気浄化装置40の
触媒コンバータ3,4a,4bに比べて高い温度に昇温
している。従って、少なくとも内燃機関の始動直後(1
20sec 経過程度)における昇温特性は、中心電極31
を備える排気浄化装置30の方が優れていることにな
る。
【0049】図10は、上述した昇温特性の違い及び流
速分布の違いが、触媒としての排気ガス浄化作用に与え
る影響を確認した実験の結果を表すグラフを示す。尚、
図10において横軸は、各排気浄化装置30,40に、
内燃機関から排気ガスが流入され始めてからの経過時間
を表し、縦軸は、排気ガスが含有する未燃成分のうち特
にHCに着目した場合の浄化率を示す。また、それぞれ
のHC浄化率データは、各触媒コンバータ3,4a,4
bの寄与率に区分している。
【0050】図10から明らかなように、排気浄化装置
30,40に排気ガスが供給され始めてから120sec
が経過するまでは常に、排気浄化装置30のHC浄化率
が、排気浄化装置40のHC浄化率に勝っている。特に
経過時間20sec 程度の初期段階においては浄化率の差
が大きく、上記図8,図9で説明した各触媒コンバータ
30,40の昇温特性の違いを如実に反映している。
【0051】また、各HC浄化率データ同士を比較する
と、中心電極31を備える排気浄化率30の浄化率は、
排気浄化装置40の場合に比べて各触媒コンバータのH
C浄化率に対する寄与率が平均化されていることが判
る。すなわち、中心電極31を設けて排気ガスの流速分
布を改善することは、下流に位置する触媒コンバータを
早期に活性化温度領域まで昇温させ、各段に設けられた
触媒コンバータ3,4a,4b間に生ずる負荷の差を小
さくする効果をも有していることが判る。
【0052】このように、排気浄化装置内を流れる排気
ガスの流速分布を改善することは、排気浄化装置の浄化
特性向上に直接つながり、始動直後における浄化率を向
上させることができると共に、触媒コンバータの部分的
な劣化を防止することができる。
【0053】ところで、この排気浄化装置30のよう
に、中心電極31を第1の触媒コンバータ3の上流側に
配設する構成とした場合、排気ガスにより中心電極31
が受ける風圧が全て第1の触媒コンバータ3の中心部に
加わることになる。
【0054】一方、触媒コンバータは通常フェライト系
ステンレス薄膜等を基材とする触媒担体を巻回して構成
するため、軸方向の剛性を高めることが難しい。特に、
第1の触媒コンバータ3は、熱容量を小さく抑えるため
小径・小容量に作られるため、軸方向に対する剛性には
おのずと限界がある。
【0055】このため、上記の排気浄化装置30の構成
では、第1の触媒コンバータ3の中心付近を通過しよう
とする排気ガスの風圧により、その中心部が中心軸に沿
って第2の触媒コンバータ4方向にずれてしまうことが
ある。
【0056】そこで、図1に示す本実施例の排気浄化装
置1は、上記したように中心電極31に相当する防風板
5aを端部に備える中心棒5を用いて、第1の触媒コン
バータ3の中心部が第2の触媒コンバータ4方向にずれ
るのを防止している。
【0057】このため、図2に示すように、第1の触媒
コンバータ3と第2の触媒コンバータ4との間の空間に
おける排気ガスの流速分布(図2中、○)も、第2の触
媒コンバータ4の下流における流速分布(図2中、□)
も、共に中心部及び最外周部で遅く、その間のドーナツ
状の領域で早い流速を示す。
【0058】このように、本実施例の排気浄化装置によ
れば、排気浄化装置1内を流れる排気ガスの流速分布を
良好に改善することができるうえに、第1の触媒コンバ
ータ3の中心部が第2の触媒コンバータ方向にずれるこ
ともない。従って、従来の排気浄化装置に比べて、画期
的に長期間にわたって良好な浄化能力を維持することが
できる。
【0059】また、中心棒1が、第1の触媒コンバータ
3の熱を第2の触媒コンバータ4に伝播するため、第2
の触媒コンバータ4は、中心棒5により加熱されること
になる。このため、本実施例の排気浄化装置において
は、従来の排気浄化装置に比べて第2の触媒コンバータ
の昇温特性も向上する。
【0060】尚、本実施例においては、排気浄化装置の
構成を2段の触媒コンバータからなる構成としている
が、これに限るものではなく、例えば、上記図5等に示
す中心電極31付き排気浄化装置等に応用してもよい。
【0061】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、第1の触
媒コンバータ及び第2の触媒コンバータを共通の中心棒
の回りに形成することで、第1の触媒コンバータの軸方
向に対する剛性を高めることができる。このため、第1
の触媒コンバータ3の上流側中心部に、排気ガスの風圧
等による押圧力が加わっても、その押圧力により中心部
が軸方向にずれることがない。
【0062】従って、排気浄化装置内を流れる排気ガス
の流速分布を改善するため、第1の触媒コンバータの中
心部に排気ガスの風圧が強く加わる構成としても、その
中心部の変形やずれのために所望の改善効果が得られな
くなることがない。また、中心棒が第1の触媒コンバー
タから第2の触媒コンバータに通じているため、比較的
早期に昇温する第1の触媒コンバータの熱が中心棒を伝
って第2の触媒コンバータに伝導される。
【0063】このため、本発明は、従来の排気浄化装置
に比べて画期的に長い期間に渡って良好な排気ガス浄化
能力を維持することができると共に、従来の排気浄化装
置に比べて早期段階から、複数の触媒コンバータを有効
に使って良好な排気エミッションを確保することができ
るという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気浄化装置の一実施例の構成を
表す正面断面図である。
【図2】本発明に係る排気浄化装置の一実施例の内部を
流れる排気ガスの流速と、流速測定位置との関係を表す
グラフである。
【図3】一般的な排気浄化装置の構成を表す正面断面図
である。
【図4】一般的な排気浄化装置の内部を流れる排気ガス
の流速分布を表すグラフである。
【図5】排気浄化装置内を暖機時に流れる排気ガスの流
速分布を表す図である。
【図6】排気浄化装置内を加速時に流れる排気ガスの流
速分布を表す図である。
【図7】排気浄化装置内を流れる排気ガスの流速データ
を表すグラフである。
【図8】排気ガスの流速分布の改善対策の他の例を施し
た排気浄化装置に排気ガスが流入した際の昇温過程を表
す図である。
【図9】一般の排気浄化装置に排気ガスが流入した際の
昇温過程を表す図である。
【図10】排気ガスの流速分布の改善対策を施した排気
浄化装置の排気ガス浄化率と、一般の排気浄化装置の排
気ガス浄化率との比較を表すグラフである。
【符号の説明】
1 排気浄化装置 2 コンバータケース 3 第1の触媒コンバータ 4,4a 第2の触媒コンバータ 4b 第3の触媒コンバータ 5 中心棒 5a 防風板 31 中心電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の排気系内に、第1の触媒コンバー
    タと、該第1の触媒コンバータと比べて大径かつ大容量
    の第2の触媒コンバータとを備え、該第2の触媒コンバ
    ータを前記第1の触媒コンバータよりも、排気ガスの流
    れに対して下流側に配設した内燃機関の排気浄化装置に
    おいて、 前記第1の触媒コンバータ及び前記第2の触媒コンバー
    タは、共通の中心棒の回りにそれぞれ巻回した触媒担体
    で構成されることを特徴とする内燃機関の排気浄化装
    置。
JP26171992A 1992-09-30 1992-09-30 内燃機関の排気浄化装置 Pending JPH06108840A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26171992A JPH06108840A (ja) 1992-09-30 1992-09-30 内燃機関の排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26171992A JPH06108840A (ja) 1992-09-30 1992-09-30 内燃機関の排気浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06108840A true JPH06108840A (ja) 1994-04-19

Family

ID=17365762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26171992A Pending JPH06108840A (ja) 1992-09-30 1992-09-30 内燃機関の排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06108840A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037965A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Honda Motor Co Ltd 鞍乗り型車両
JP2010269725A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037965A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Honda Motor Co Ltd 鞍乗り型車両
JP2010269725A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5271906A (en) Exhaust emission control apparatus using catalytic converter with hydrocarbon absorbent
JP2887984B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH08210127A (ja) 内燃機関の触媒浄化装置
JPH0814029A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP6206102B2 (ja) 触媒コンバーター
JP2010048111A (ja) 排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法
JPH0932534A (ja) 通電発熱用ハニカム体およびハニカムユニット
JP3459937B2 (ja) 排気ガス浄化触媒用メタル担体
JPH0540251Y2 (ja)
JPH06108840A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH06205983A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH07279652A (ja) 排気ガス浄化用触媒装置
JPH086582B2 (ja) エンジンの排気ガス浄化用触媒装置
JP2800022B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP3260400B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒体
JP2001522436A (ja) 内燃機関およびそれに組み合せた排気ラインの排気ガスの処理方法
JP3716585B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JPH0437223Y2 (ja)
JPH07232082A (ja) 排気浄化用の触媒コンバータ
JPH07279657A (ja) 内燃機関の排気装置
JP2019167831A (ja) 内燃機関の排気通路構造
JPH11336533A (ja) 排気浄化装置
JPH05154389A (ja) 排気ガス浄化用触媒構造
JP2001003738A (ja) 触媒装置
JP4188675B2 (ja) 触媒コンバータの排ガスセンサ取付構造