JPH0610872Y2 - カウンターの補強構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は人造大理石カウンターのようなカウンターを補
強する構造に関するものである。

［従来の技術］ 従来、人造大理石カウンターのようなカウンターを補強
する場合カウンターの裏面に合板等の補強材をカウンタ
ーの長手方向全長に亘って接着していた。

［考案が解決しようとする課題］ かかる従来例にあっては、合板等の補強材の接着にて補
強されて反りを防止するようになっているが、カウンタ
ーと合板等の補強材との温度や湿度による膨張率の違い
により反りが発生することがある。つまり、出荷時水平
で反っていなかったものが、保管や輸送などのとき環境
変化にて反りが発生するという問題があった。

本考案は叙述の点に鑑みてなされたものであって、本考
案の目的とするところはカウンターと補強角材の膨張率
が異なることによる反りを発生しないカウンターの補強
構造を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本考案カウンターの補強構造
は、カウンター１の裏面にカウンター１の長手方向に亘
るように補強角材２を沿わせ、補強角材２をカウンター
１裏面に密着させるように抱持する取り付け金具３を補
強角材２の長手方向に複数個配置してカウンター１に固
定し、複数個の取り付け金具３のうち一箇所の取り付け
金具３に補強角材２を固着すると共に残りの取り付け金
具３に対して補強角材２を補強角材２の長手方向にスラ
イド可能にした。

［作用］ 上記のように構成したことにより、つまり、長尺な補強
角材２は、複数個の取り付け金具３のうち一箇所の取り
付け金具３に固定され、他の残りの取り付け金具３とは
補強角材２の長さ方向にスライド可能になっていて、カ
ウンター１に沿わせた長尺な補強角材２は一箇所の取り
付け金具３にて固定されて保持され、カウンター１の取
扱い及び運搬において、補強角材２がカウンター１に対
して移動するのを防止できながら、一箇所で固定されて
いる以外の箇所において補強角材２はその長さ方向にス
ライドでき、結果として、カウンター１と補強角材２と
の膨張率の異なりに起因する反りを回避することがで
き、カウンター１と補強角材２との膨張率が異なっても
カウンターと別個に補強角材２が伸縮できて、カウンタ
ー１が反らないように確実に補強できる。

［実施例］ カウンター１は人造大理石にて形成されており、第１
図、第２図に示すように、カウンター１の後端に長手方
向に亘って立り上がり縁４を有し、前端に長手方向に亘
って立り下がり縁７を有する。このカウンター１の裏面
の後端側にはカウンター１の長手方向に亘るように補強
角材２を沿わせてある。この補強角材２は本実施例の場
合鉄のような金属の角パイプである。取り付け金具３は
補強角材２に嵌合するコ字状の嵌合部3aと固着片3bとを
一体に設けて形成されている。この取り付け金具３は補
強角材２の長手方向に間隔を隔てて配置してあり、嵌合
部3aを補強角材２に嵌合し、固着片3bをＦＲＰのような
接着材５にてカウンター１に接着してあり、取り付け金
具３にて補強角材２がカウンター１の裏面に密着するよ
うに取り付けてある。複数個の取り付け金具３のうち中
央に位置する一箇所の取り付け金具３の嵌合部3aには固
着ねじ６を螺合してあって、固着ねじ６を締め付けるこ
とにより取り付け金具３に補強角材２を固着してある。
残りの取り付け金具３では嵌合部3aに対して補強角材２
が補強角材２の長手方向にスライド自在になっている。
このように補強角材２にてカウンター１を補強すると、
長尺な補強角材２は、複数個の取り付け金具３のうち一
箇所の取り付け金具３に固定され、他の残りの取り付け
金具３とは補強角材２の長さ方向にスライド可能になっ
ていて、カウンター１に沿わせた長尺な補強角材２は一
箇所の取り付け金具３にて固定されて保持され、カウン
ター１の取扱い及び運搬において、補強角材２がカウン
ター１に対して移動するのを防止できながら、一箇所で
固定されている以外の箇所において補強角材２はその長
さ方向にスライドでき、結果として、カウンター１と補
強角材２との膨張率の異なりに起因する反りを回避する
ことができる。

第３図は長さ１６５０mmの人造大理石のカウンターを補
強した場合の反り量の変化を示すものである。このグラ
フで縦軸は反り量、横軸は環境条件を示す。環境条件は
温度、湿度及び時間で表示してあり、丸で囲んだ数字は
実験順序を示す。符号イで示す折線は本考案にように補
強角材として鉄角パイプを用い、スライド可能に取り付
けたものである。この鉄角パイプは断面の縦横の長さが
２１mm×２１mmで、長さが１６００mmである。符号ロで
示す折線は上記鉄角パイプと同じサイズのアムミニウム
角パイプをカウンター全長に亘って接着したものであ
る。符号ハで示す折線は上記と同じサイズのベニア角材
をカウンターの全長に亘って接着したものである。符号
ニに示す折線は上記と同じサイズの木角材をカウンター
全長に接着したものである。符号ホに示す折線は上記を
同じサイズの鉄角パイプをカウンター全長に亘って接着
したものである。この結果より本考案のように補強角材
をスライド可能に取り付けたものがどのような条件でも
反りにくいのがわかる。

［考案の効果］ 本考案は叙述の如く補強角材をカウンター裏面に密着さ
せるように抱持する取り付け金具を補強角材の長手方向
に複数個配置してカウンターに固定し、複数個の取り付
け金具のうち一箇所の取り付け金具に補強角材を固着す
ると共に残りの取り付け金具に対して補強角材を補強角
材の長手方向にスライド可能にしているので、長尺な補
強角材は、複数個の取り付け金具のうち一箇所の取り付
け金具に固定され、他の残りの取り付け金具とは補強角
材の長さ方向にスライド可能になっていて、カウンター
に沿わせた長尺な補強角材は一箇所の取り付け金具にて
固定されて保持され、カウンターの取扱い及び運搬にお
いて、補強角材がカウンターに対して移動するのを防止
できながら、一箇所で固定されている以外の箇所におい
て補強角材はその長さ方向にスライドでき、結果とし
て、カウンターと補強角材との膨張率の異なりに起因す
る反りを回避することができ、補強角材がカウンターと
別個に伸縮し得て補強角材とカウンターとの膨張率の違
いによる反りが発生しないものであり、カウンターを補
強角材で確実に補強して反りを防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は同上の断
面図、第３図は同上の反りの変化を示すグラフであっ
て、１はカウンター、２は補強角材、３は取り付け金具
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カウンターの裏面にカウンターの長手方向
   に亘るように補強角材を沿わせ、補強角材をカウンター
   裏面に密着させるように抱持する取り付け金具を補強角
   材の長手方向に複数個配置してカウンターに固定し、複
   数個の取り付け金具のうち一箇所の取り付け金具に補強
   角材を固着すると共に残りの取り付け金具に対して補強
   角材を補強角材の長手方向にスライド可能にして成るカ
   ウンターの補強構造。