JPH06108167A - 粗酸化亜鉛ペレットの製造方法 - Google Patents
粗酸化亜鉛ペレットの製造方法Info
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- JPH06108167A JPH06108167A JP27928992A JP27928992A JPH06108167A JP H06108167 A JPH06108167 A JP H06108167A JP 27928992 A JP27928992 A JP 27928992A JP 27928992 A JP27928992 A JP 27928992A JP H06108167 A JPH06108167 A JP H06108167A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 充分な強度を有するペレット状粗酸化亜鉛焼
鉱を安定的に製造する。 【構成】 焼成帯における温度T(℃)と滞留時間T
(h)と熱負荷係数Hとの関係式H=(C−800)
2.2×T1.1において、H=1.26×105 〜8.67
×105 になるように制御する。
鉱を安定的に製造する。 【構成】 焼成帯における温度T(℃)と滞留時間T
(h)と熱負荷係数Hとの関係式H=(C−800)
2.2×T1.1において、H=1.26×105 〜8.67
×105 になるように制御する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛を含有する鉄鋼ペ
レットを還元、揮発して得られる粗酸化亜鉛ダスト、或
いは粗酸化亜鉛ダストを湿式精製したケーキ状の粗酸化
亜鉛を造粒・乾燥・加熱・焼成することにより粗酸化亜
鉛を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】粗酸化亜鉛焼鉱を得るための一例とし
て、現在操業されている回転キルン炉を用いた方法につ
いて説明する。 【0003】鉄鋼メーカー(主として電気炉メーカー)
から受け入れられた鉄鋼ダストはコークス及び石灰石と
共に還元焙焼炉に裝入される。ここで鉄鋼ダスト中に含
まれる亜鉛は適当な温度及び雰囲気下で揮発し、他の揮
発物と共に電気集塵機によって回収される。この粗酸化
亜鉛ダストは脱不純物の目的で反応、レパルブ、瀘過、
及びバキュームフィルターなどの湿式工程を経た後、そ
の後の取扱い及び輸送の際の粉化による発塵を防止する
ためケーキ状のまま回転キルン炉に裝入され、酸化亜鉛
焼鉱となる。 【0004】長さ30m、直径1.2mの回転キルン炉
における代表的なガス層の温度分布は、炉前の800〜
900℃を最高に炉尻の150〜250℃に向かってな
だらかに傾斜しており、この中を約1時間かけて移動す
ることによつて、裝入原料のケーキ状粗酸化亜鉛が造粒
・乾燥・焼成されペレット状の粗酸化亜鉛焼鉱が得られ
ている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、回転
キルン炉における操業は、排出される焼鉱の温度でのみ
管理されており、焼鉱の強度に及ぼす重要な因子である
と考えられる焼成帯での温度および滞留時間について
は、管理の対象外となっていた。 【0006】以上説明したように、従来の、粗酸化亜鉛
焼鉱の製造方法は、焼成のための温度と滞留時間を関連
づけた、総合的な熱負荷管理が不充分であり、このため
に、得られる粗酸化亜鉛焼鉱の強度は、不充分であるば
かりか、バラツキの多いものであった。そのため、後工
程である焼結機(SM)において本来の焼鉱の役目であ
る焼結塊の骨材としての働きが不充分で、その結果とし
て返し粉が増加し生産効率を低下させ、さらには、輸送
途中に再粉化を起こし作業環境の悪化を招く原因となっ
ていた。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
問題に鑑み、酸化亜鉛ダスト或いは粗酸化亜鉛ケーキを
造粒・乾燥・加熱・焼成しペレット状の粗酸化亜鉛焼鉱
を製造するに際して、充分な強度を有した粗酸化亜鉛焼
鉱を安定的に、かつ効率よく製造する製造方法を示すこ
とにある。 【0008】この発明は、粗酸化亜鉛ダスト或いは粗酸
化亜鉛ケーキを造粒・乾燥・加熱・焼成しペレット状の
粗酸化亜鉛焼鉱を製造する方法において、1000℃以
上1300℃以下の温度域にある焼成帯での滞留時間が
1時間以下であり、さらに式2で評価される熱負荷係数
Hが1.26×105〜8.67×105となる条件で焼
成を行なうことに特徴を有するものである。 【0009】 【式2】H=(C−800)2.2×T1.1 但し、Hは熱負荷係数、Cは焼成温度(℃)、Tは焼成
帯における滞留時間(h)である。 【0010】 【作用】以下、この発明の粗酸化亜鉛焼鉱の製造方法に
ついて詳述する。 【0011】本発明者らは、粗酸化亜鉛ダスト、或いは
該粗酸化亜鉛ダストに水分10〜30%を含ませて湿式
精製した粗酸化亜鉛ケーキを造粒・乾燥・加熱・焼成
し、ペレット状の粗酸化亜鉛焼鉱を製造するに際して、
粗酸化亜鉛焼鉱の強度を向上すべく、鋭意研究を重ね
た。 【0012】焼鉱強度の向上の原因は、粒子同士の結合
による焼結であることは想像しうる。しかし、本来、主
成分である酸化亜鉛(ZnO)の融点が、高温であるの
で、原子の移動あるいは結晶粒界の移動さらには揮発は
きわめて起こりにくいと考えられる。 【0013】この点に関し、研究を進めたところ、焼成
のための温度と滞留時間を調整することにより、粗酸化
亜鉛ケーキ、或いは粗酸化亜鉛ダストの亜鉛品位を下げ
ることなく粗酸化亜鉛焼鉱の強度を向上させることが可
能であることが判った。 【0014】そこで、粗酸化亜鉛原料を、焼成温度、滞
留時間を変化させて焼成し、粗酸化亜鉛焼鉱を製造する
実験を行なった。そして、直ちに、焼成サンプルの圧壊
荷重を測定した。 【0015】その結果、1000℃以上1300℃以下
の温度域にある焼成帯での滞留時間が1時間以下であ
り、さらに式2で評価される熱負荷係数Hが1.26×
105〜8.67×105 となる範囲に焼成温度(℃)
と焼成帯での滞留時間T(h)とを設定して焼成作業を
行なえば、粗酸化亜鉛焼鉱の強度を大幅に向上できるこ
とが判った。 【0016】図1は、熱負荷係数と得られた粗酸化亜鉛
焼鉱の圧壊荷重との関係を示すグラフである。 【0017】図1に示されるように、粗酸化亜鉛焼鉱の
圧壊荷重は、熱負荷係数が大きくなるにつれて向上して
おり、熱負荷係数が1.26×105〜8.67×105
の範囲内では、5Kg以上と高い。しかし、熱負荷係数
が1.26×105 より小さくなると、圧壊荷重は5K
gを下廻り、徐々に低下する。 【0018】なお、今回の発明で、焼成帯での滞留時間
を1時間以下に限定したのは、各温度で焼成した場合
に、滞留時間を1時間以上に延長しても、強度の向上が
確認されなかったためである。滞留時間を1時間以下に
限定したことによって、必然的に、熱負荷係数の下限を
満たすための最低の焼成温度が決定され、これが、約1
010℃となる。そして、ZnOの焼結のための駆動力
が、温度と密接な関係を持っていることを考えれば、こ
の温度すなわち約1000℃が焼結のための、必要最低
温度として、妥当であると考えられる。 【0019】また、ここまで、熱負荷係数の上限を8.
67×105 としたのは、この熱負荷係数より大きい値
をとるためには、滞留時間を最大の1時間としても、焼
成温度を1300℃より高くすることが必要となり、炉
内の耐火物、重油源単位等の問題から現実的には不可能
であると共に圧壊強度の増加もほとんど認められないた
めである。 【0020】従って、粗酸化亜鉛焼鉱中のZn品位を低
下させずに、圧壊荷重を5Kg以上とするためには、1
000℃以上1300℃以下の温度域にある焼成帯での
滞留時間が1時間以下であり、さらに式1で評価される
熱負荷係数Hが1.26×105 〜8.67×105 と
なるの範囲に焼成温度(℃)と焼成帯での滞留時間
(h)とを設定して焼成を行なうべきである。 【0021】この発明においては、以上のように、焼成
帯での滞留時間が1時間以下であり、さらに式2で評価
される熱負荷係数Hが1.26×105〜8.67×1
05となる条件で焼成を行なうことによって、粗酸化亜
鉛焼鉱の強度を大幅に向上することがわかった。 【0022】さらに、熱負荷係数は1.50×105〜
6・00×105とすることが好ましい。これは、実操
業において、粗酸化亜鉛原料に対して、熱負荷が均一に
与えられることは、殆ど困難であり、1.50×105
以下の熱負荷では、部分的に1.26×105 以下の熱
負荷となって、圧壊荷重5Kgを満たさない粗酸化亜鉛
焼鉱が大量に産出される可能性があるためである。一
方、省エネルギーの点からも、炉内の耐火物の損傷、お
よび、高温で長時間保持することによる有害成分の揮発
による後工程への悪影響を防ぐ意味からは、熱負荷係数
の上限は、6.00×105 程度に止めることが好まし
い。 【0023】なお、上記条件によって定められる焼成帯
を通過した後、ペレットを冷却するが、この冷却条件に
よって、ペレットの圧壊荷重が影響を受けることは、ほ
とんどなかった。 【0024】 【実施例】表1に示す化学組成を有した粗酸化亜鉛ダス
トをディスク型のペレタイザーに装入し、適宜、水を添
加することによって、直径約6mmのペレットを作成
し、105℃、にて12時間乾燥し原料ペレットとし
た。 【0025】次いで、ここで得られた原料ペレット20
個を、セラミックス製(アルミナ)の容器に装入し、こ
の発明に従い、電気炉内の、焼成帯での滞留時間が1時
間以下であり、さらに式3において熱負荷係数Hが1.
26×105 〜8.67×105 となるよう、表2に示
す条件で、焼成した。 【0026】 【式3】H=(C−800)2.2×T1.1 但し、Hは熱負荷係数、Cは焼成温度(℃)およびTは
滞留時間(h)。 【0027】比較のために、熱負荷係数が1.26×1
05 より小さくなるよう、同じく、表2に示す条件で、
焼成した。このようにして得られた、粗酸化亜鉛焼鉱の
熱負荷係数および圧壊荷重を表3に示す。 【0028】表3に示されるように、粗酸化亜鉛原料に
対する熱負荷係数が、この発明の範囲内である本発明N
o.1〜6においては、いずれも粗酸化亜鉛焼鉱の圧壊
荷重が向上されている。これに対し、粗酸化亜鉛原料に
対する熱負荷係数が、この発明の範囲外である本発明N
o.7〜9においては、いずれも粗酸化亜鉛焼鉱の圧壊
荷重が悪化している。 【0029】ここで、比較例No.10は熱負荷係数に
ついて、この発明の条件を満たしているものの、焼成温
度(900℃)が、滞留時間を1時間以内とする限定条
件によって決まる、必要最低温度(1000℃)より低
いため、充分な強度が得られていないことがわかる。ま
た、比較例No11については、熱負荷係数は、本発明
N0.6より大きくなっているが、圧壊荷重には、殆ど
差が認められず、1時間以上の滞留時間は、意味がない
ことがわかる。 【0030】 【表1】【0031】 【表2】 【0032】 【表3】 【0033】 【発明の効果】この発明によれば、粗酸化亜鉛焼鉱の強
度を容易に向上させることができる。これにより、輸送
途中の粉ジン防止、後工程での、たとえば焼結機におけ
る返し粉増化が防止され、生産性の向上に寄与すること
が期待される。
レットを還元、揮発して得られる粗酸化亜鉛ダスト、或
いは粗酸化亜鉛ダストを湿式精製したケーキ状の粗酸化
亜鉛を造粒・乾燥・加熱・焼成することにより粗酸化亜
鉛を製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】粗酸化亜鉛焼鉱を得るための一例とし
て、現在操業されている回転キルン炉を用いた方法につ
いて説明する。 【0003】鉄鋼メーカー(主として電気炉メーカー)
から受け入れられた鉄鋼ダストはコークス及び石灰石と
共に還元焙焼炉に裝入される。ここで鉄鋼ダスト中に含
まれる亜鉛は適当な温度及び雰囲気下で揮発し、他の揮
発物と共に電気集塵機によって回収される。この粗酸化
亜鉛ダストは脱不純物の目的で反応、レパルブ、瀘過、
及びバキュームフィルターなどの湿式工程を経た後、そ
の後の取扱い及び輸送の際の粉化による発塵を防止する
ためケーキ状のまま回転キルン炉に裝入され、酸化亜鉛
焼鉱となる。 【0004】長さ30m、直径1.2mの回転キルン炉
における代表的なガス層の温度分布は、炉前の800〜
900℃を最高に炉尻の150〜250℃に向かってな
だらかに傾斜しており、この中を約1時間かけて移動す
ることによつて、裝入原料のケーキ状粗酸化亜鉛が造粒
・乾燥・焼成されペレット状の粗酸化亜鉛焼鉱が得られ
ている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、回転
キルン炉における操業は、排出される焼鉱の温度でのみ
管理されており、焼鉱の強度に及ぼす重要な因子である
と考えられる焼成帯での温度および滞留時間について
は、管理の対象外となっていた。 【0006】以上説明したように、従来の、粗酸化亜鉛
焼鉱の製造方法は、焼成のための温度と滞留時間を関連
づけた、総合的な熱負荷管理が不充分であり、このため
に、得られる粗酸化亜鉛焼鉱の強度は、不充分であるば
かりか、バラツキの多いものであった。そのため、後工
程である焼結機(SM)において本来の焼鉱の役目であ
る焼結塊の骨材としての働きが不充分で、その結果とし
て返し粉が増加し生産効率を低下させ、さらには、輸送
途中に再粉化を起こし作業環境の悪化を招く原因となっ
ていた。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
問題に鑑み、酸化亜鉛ダスト或いは粗酸化亜鉛ケーキを
造粒・乾燥・加熱・焼成しペレット状の粗酸化亜鉛焼鉱
を製造するに際して、充分な強度を有した粗酸化亜鉛焼
鉱を安定的に、かつ効率よく製造する製造方法を示すこ
とにある。 【0008】この発明は、粗酸化亜鉛ダスト或いは粗酸
化亜鉛ケーキを造粒・乾燥・加熱・焼成しペレット状の
粗酸化亜鉛焼鉱を製造する方法において、1000℃以
上1300℃以下の温度域にある焼成帯での滞留時間が
1時間以下であり、さらに式2で評価される熱負荷係数
Hが1.26×105〜8.67×105となる条件で焼
成を行なうことに特徴を有するものである。 【0009】 【式2】H=(C−800)2.2×T1.1 但し、Hは熱負荷係数、Cは焼成温度(℃)、Tは焼成
帯における滞留時間(h)である。 【0010】 【作用】以下、この発明の粗酸化亜鉛焼鉱の製造方法に
ついて詳述する。 【0011】本発明者らは、粗酸化亜鉛ダスト、或いは
該粗酸化亜鉛ダストに水分10〜30%を含ませて湿式
精製した粗酸化亜鉛ケーキを造粒・乾燥・加熱・焼成
し、ペレット状の粗酸化亜鉛焼鉱を製造するに際して、
粗酸化亜鉛焼鉱の強度を向上すべく、鋭意研究を重ね
た。 【0012】焼鉱強度の向上の原因は、粒子同士の結合
による焼結であることは想像しうる。しかし、本来、主
成分である酸化亜鉛(ZnO)の融点が、高温であるの
で、原子の移動あるいは結晶粒界の移動さらには揮発は
きわめて起こりにくいと考えられる。 【0013】この点に関し、研究を進めたところ、焼成
のための温度と滞留時間を調整することにより、粗酸化
亜鉛ケーキ、或いは粗酸化亜鉛ダストの亜鉛品位を下げ
ることなく粗酸化亜鉛焼鉱の強度を向上させることが可
能であることが判った。 【0014】そこで、粗酸化亜鉛原料を、焼成温度、滞
留時間を変化させて焼成し、粗酸化亜鉛焼鉱を製造する
実験を行なった。そして、直ちに、焼成サンプルの圧壊
荷重を測定した。 【0015】その結果、1000℃以上1300℃以下
の温度域にある焼成帯での滞留時間が1時間以下であ
り、さらに式2で評価される熱負荷係数Hが1.26×
105〜8.67×105 となる範囲に焼成温度(℃)
と焼成帯での滞留時間T(h)とを設定して焼成作業を
行なえば、粗酸化亜鉛焼鉱の強度を大幅に向上できるこ
とが判った。 【0016】図1は、熱負荷係数と得られた粗酸化亜鉛
焼鉱の圧壊荷重との関係を示すグラフである。 【0017】図1に示されるように、粗酸化亜鉛焼鉱の
圧壊荷重は、熱負荷係数が大きくなるにつれて向上して
おり、熱負荷係数が1.26×105〜8.67×105
の範囲内では、5Kg以上と高い。しかし、熱負荷係数
が1.26×105 より小さくなると、圧壊荷重は5K
gを下廻り、徐々に低下する。 【0018】なお、今回の発明で、焼成帯での滞留時間
を1時間以下に限定したのは、各温度で焼成した場合
に、滞留時間を1時間以上に延長しても、強度の向上が
確認されなかったためである。滞留時間を1時間以下に
限定したことによって、必然的に、熱負荷係数の下限を
満たすための最低の焼成温度が決定され、これが、約1
010℃となる。そして、ZnOの焼結のための駆動力
が、温度と密接な関係を持っていることを考えれば、こ
の温度すなわち約1000℃が焼結のための、必要最低
温度として、妥当であると考えられる。 【0019】また、ここまで、熱負荷係数の上限を8.
67×105 としたのは、この熱負荷係数より大きい値
をとるためには、滞留時間を最大の1時間としても、焼
成温度を1300℃より高くすることが必要となり、炉
内の耐火物、重油源単位等の問題から現実的には不可能
であると共に圧壊強度の増加もほとんど認められないた
めである。 【0020】従って、粗酸化亜鉛焼鉱中のZn品位を低
下させずに、圧壊荷重を5Kg以上とするためには、1
000℃以上1300℃以下の温度域にある焼成帯での
滞留時間が1時間以下であり、さらに式1で評価される
熱負荷係数Hが1.26×105 〜8.67×105 と
なるの範囲に焼成温度(℃)と焼成帯での滞留時間
(h)とを設定して焼成を行なうべきである。 【0021】この発明においては、以上のように、焼成
帯での滞留時間が1時間以下であり、さらに式2で評価
される熱負荷係数Hが1.26×105〜8.67×1
05となる条件で焼成を行なうことによって、粗酸化亜
鉛焼鉱の強度を大幅に向上することがわかった。 【0022】さらに、熱負荷係数は1.50×105〜
6・00×105とすることが好ましい。これは、実操
業において、粗酸化亜鉛原料に対して、熱負荷が均一に
与えられることは、殆ど困難であり、1.50×105
以下の熱負荷では、部分的に1.26×105 以下の熱
負荷となって、圧壊荷重5Kgを満たさない粗酸化亜鉛
焼鉱が大量に産出される可能性があるためである。一
方、省エネルギーの点からも、炉内の耐火物の損傷、お
よび、高温で長時間保持することによる有害成分の揮発
による後工程への悪影響を防ぐ意味からは、熱負荷係数
の上限は、6.00×105 程度に止めることが好まし
い。 【0023】なお、上記条件によって定められる焼成帯
を通過した後、ペレットを冷却するが、この冷却条件に
よって、ペレットの圧壊荷重が影響を受けることは、ほ
とんどなかった。 【0024】 【実施例】表1に示す化学組成を有した粗酸化亜鉛ダス
トをディスク型のペレタイザーに装入し、適宜、水を添
加することによって、直径約6mmのペレットを作成
し、105℃、にて12時間乾燥し原料ペレットとし
た。 【0025】次いで、ここで得られた原料ペレット20
個を、セラミックス製(アルミナ)の容器に装入し、こ
の発明に従い、電気炉内の、焼成帯での滞留時間が1時
間以下であり、さらに式3において熱負荷係数Hが1.
26×105 〜8.67×105 となるよう、表2に示
す条件で、焼成した。 【0026】 【式3】H=(C−800)2.2×T1.1 但し、Hは熱負荷係数、Cは焼成温度(℃)およびTは
滞留時間(h)。 【0027】比較のために、熱負荷係数が1.26×1
05 より小さくなるよう、同じく、表2に示す条件で、
焼成した。このようにして得られた、粗酸化亜鉛焼鉱の
熱負荷係数および圧壊荷重を表3に示す。 【0028】表3に示されるように、粗酸化亜鉛原料に
対する熱負荷係数が、この発明の範囲内である本発明N
o.1〜6においては、いずれも粗酸化亜鉛焼鉱の圧壊
荷重が向上されている。これに対し、粗酸化亜鉛原料に
対する熱負荷係数が、この発明の範囲外である本発明N
o.7〜9においては、いずれも粗酸化亜鉛焼鉱の圧壊
荷重が悪化している。 【0029】ここで、比較例No.10は熱負荷係数に
ついて、この発明の条件を満たしているものの、焼成温
度(900℃)が、滞留時間を1時間以内とする限定条
件によって決まる、必要最低温度(1000℃)より低
いため、充分な強度が得られていないことがわかる。ま
た、比較例No11については、熱負荷係数は、本発明
N0.6より大きくなっているが、圧壊荷重には、殆ど
差が認められず、1時間以上の滞留時間は、意味がない
ことがわかる。 【0030】 【表1】【0031】 【表2】 【0032】 【表3】 【0033】 【発明の効果】この発明によれば、粗酸化亜鉛焼鉱の強
度を容易に向上させることができる。これにより、輸送
途中の粉ジン防止、後工程での、たとえば焼結機におけ
る返し粉増化が防止され、生産性の向上に寄与すること
が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗酸化亜鉛ダストに対する熱負荷係数と得られ
た粗酸化亜鉛焼鉱の圧壊荷重との関係を示すグラフであ
る。
た粗酸化亜鉛焼鉱の圧壊荷重との関係を示すグラフであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 粗酸化亜鉛ダスト或いは粗酸化亜鉛ケーキを造粒・乾燥
・加熱・焼成し、ペレット状の粗酸化亜鉛焼鉱を製造す
る方法において、1000℃以上1300℃以下の温度
域にある焼成帯での滞留時間Tが1時間以下であり、さ
らに式1で評価される熱負荷計数Hが1.26×105
〜8.67×105となる範囲に焼成温度(℃)と滞留
時間(h)とを設定して焼成を行うことを特徴とする粗
酸化亜鉛ペレットの製造方法。 【式1】H=(C−800)2.2×T1.1 但し、Hは熱負荷係数、Cは焼成温度(℃)、そしてT
は焼成帯での滞留時間(h)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27928992A JPH06108167A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 粗酸化亜鉛ペレットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27928992A JPH06108167A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 粗酸化亜鉛ペレットの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06108167A true JPH06108167A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17609097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27928992A Pending JPH06108167A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 粗酸化亜鉛ペレットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06108167A (ja) |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP27928992A patent/JPH06108167A/ja active Pending
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