JPH06107989A - 記録用インク - Google Patents

記録用インク

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JPH06107989A
JPH06107989A JP25833392A JP25833392A JPH06107989A JP H06107989 A JPH06107989 A JP H06107989A JP 25833392 A JP25833392 A JP 25833392A JP 25833392 A JP25833392 A JP 25833392A JP H06107989 A JPH06107989 A JP H06107989A
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JP
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ink
recording
paper
water
nitrogen compound
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JP25833392A
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English (en)
Inventor
Hiroshige Ikeno
広重 池野
Hiroyuki Shibayama
裕之 柴山
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録に使用される記録用イン
クが、普通記録紙、コート紙双方における記録に対して
にじみ等の画像品質を向上させ、しかも安全性等に問題
のない記録用インクを提供する。 【構成】 水溶性染料として、C.I.Direct
Black168を3.0重量%、多価アルコール及び
その誘導体としてジエチレングリコールを15.0重量
%、炭素原子数1〜4のアルキルアルコールとしてエタ
ノールを2.5重量%、窒素化合物としてアミン系溶剤
のトリエタノールアミン0.2重量%を含有する水溶液
からなる記録用インクは20℃で粘度2.07cP、表
面張力56dyne/cm、pH8.96になるような
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インクジェット記録
装置に使用する記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置に用いら
れる記録用インクとしては、ノズルにおける目詰まりを
生じないこと、記録に十分なコントラストあるいは濃度
を有し、保存によりインクの物性が変化あるいは沈澱物
等を生じないこと等の諸特性が必要である。
【0003】また、従来インクジェット記録装置に使用
される記録用インクは、大別して水系インクと非水系イ
ンクに分類される。そして、水系インクが紙上での高品
質記録を要求されるインクジェット記録装置では使用さ
れている。しかし、水系インクは次のような問題点があ
る。
【0004】(1)記録用インクが30〜150μm直
径の微小なノズルオリフィスで、乾燥しノズルオリフィ
ス部のインク粘度上昇、もしくは染料等の析出による目
詰まりが生じる。 (2)普通記録紙(コピー用紙等)に付着したインク粒
のドット円形度、ドットコントラストが十分でなく、紙
繊維状にインクがにじむ等の画質劣化となるため、高画
像品質を望む場合は表面処理剤等を含む特殊記録紙を選
択する必要がある。
【0005】(3)液体インク粒が直接記録紙に付着し
てから乾燥するまでの時間かかる。そして、これらの問
題点を踏まえてインクジェット記録装置に用いられる記
録用インクとして必要とされる要件は、 (a)記録用インクが記録ヘッドのノズルオリフィスに
おいて目詰まりを起こさないこと。
【0006】(b)記録用インクが長期に渡り変質を起
こさず、保存性が優れていること。 (c)記録用インクがインク接液部材を腐食・変質させ
ないこと。 (d)記録用インクが普通紙表面上に付着した際の画像
濃度が高く、コントラスト、ドットの円形度あるいはに
じみが少ない等が明確であること。
【0007】(e)記録用インクが記録紙に付着した際
の乾燥時間が迅速であること。等があげられる。 以上の事柄の中には(a),(b)のように記録用インク
としては経時的に乾燥し難いような条件にし、(e)に
示すようにその記録用インクで記録紙に付着した際の乾
燥時間が迅速でなければならない等の相反する性質が必
要である。また、特に本発明で問題としているのは
(d)で示したような記録用インクが普通記録紙に付着
した際の画像濃度は高く、ドットの円形度あるいはにじ
み等が少ない、コントラスト等が明確でなければなら
ず、普通記録紙(コピー用紙等)において高画像記録を
可能としたい。しかし、一般的には表面処理剤等を保持
した特殊紙により対処されるのが現状であり、プリンタ
等の低価格記録装置ではランニングコストが非常に高く
なるため頻繁に使用することはユーザーの立場からも好
ましくない。
【0008】これ等の問題を解決するために様々な方法
が提案されているが、その中でも普通紙における高画像
品質が可能とされる特開平1−213376号公報等が
知られている。特に特開平1−213376号公報に開
示されている記録用インクは、インク中に塩基性物質を
含みインクpH値が12〜14の範囲にある記録インク
を特徴としており、記録紙を構成する繊維材料、サイズ
剤材料、表面処理剤材料の少なくとも一つ以上を化学的
に溶解させる成分をインク中に存在させることで、確か
に高画像品質を可能とする記録紙もある。
【0009】しかしながら、これらに用いられる記録用
インクはインク中に塩基性物質として水酸化ナトリウム
あるいは水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を
含有させた記録用インクであり、しかもpHが12〜1
4と強アルカリ性であるため、ユーザーがインクに直接
あるいは記録紙表面に記録したインクを触れるような場
合は皮膚等に対して刺激物特有の炎症等を発生する等、
安全性を確保することは難しいものである。また所望す
る図形あるいは文字等をより高画質記録にするために表
面処理剤材料を使用しているコート紙等の特殊紙を使用
するが、同種の記録用インクによる画像品質を確保する
ことは難しく、コート層を溶解することで逆ににじみ等
の画像劣化となることを確認した。
【0010】以上のようなことから水系インクにおいて
目詰まり等を起こさず、また長期に渡り変質あるいは沈
澱物等を起こさず、保存性が優れている等の基本的な不
具合を生じることなく、ユーザーに対する安全性を確保
し、常に画像品質・濃度を高く、しかも用途に応じた記
録紙(普通紙あるいは特殊紙等)においても画像品質を
確保することが必要となってくる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来インクジ
ェット記録装置に用いられる記録用インクはインクの構
成が染料、湿潤剤、水の3成分を中心として成り、染料
が記録紙を着色することで所望の図形、文字を視覚的及
び光学的に伝達する重要なインク成分であり、水は染料
を記録紙へ浸透させるための媒体である。従って記録用
インクは染料、水の2成分でもよいが、非常に微小なノ
ズルオリフィスが使用時に大気中に曝されているため、
インク中の水分蒸発が起こり、前記ノズルオリフィス中
で染料が析出し、一般的に言われているノズル目詰まり
が発生する。これを防止するため湿潤剤を加え、インク
全体の蒸気圧を低下させることでノズルオリフィス内の
染料析出をある程度防ぐことは公知である。しかし、湿
潤剤を添加し過ぎるとインク自体の粘度が高くなり、噴
射液滴速度に影響し所望のインク付着位置に対して位置
ずれ等の不具合が発生しやすくなる。
【0012】また、ユーザーを第一に考えた場合のイン
クジェット記録装置に使用する記録用インクとしては、
記録紙に付着させた際の図形あるいは文字の見やすさ、
つまり画像品質あるいは画像濃度が重要なポイントでと
なる。現在まで数多く製品となっているインクジェット
記録装置において、画像品質あるいは画像濃度を向上さ
せる方法として一般的にはコート層等の表面処理剤を保
持した特殊紙での記録が非常にきれいで鮮明な画像品質
を得ることは明確であるが、頻繁に使用することはラン
ニングコスト等が問題となる。
【0013】また、特開平1−213376号公報に開
示されている記録用インクのようなインク中に塩基性物
質を含ませインクpH値が12〜14の範囲にある記録
インクを特徴としている記録用インクもあるが、ユーザ
ーがインクに直接あるいは記録紙表面に記録したインク
を触れるような場合は皮膚等に対して刺激物特有の炎症
等を発生する等、安全性を確保することは難しいもので
ある。また所望する図形あるいは文字等をより高画質記
録にするために表面処理剤材料を使用しているコート紙
等の特殊紙を使用するが、同種の記録用インクによる画
像品質を確保することは難しく、コート層等の表面処理
剤材料を溶解することで逆ににじみ等の画像劣化となる
という課題があった。
【0014】そこで、この発明の目的は、従来のこのよ
うな課題を解決するため、水溶性染料、多価アルコール
及びその誘導体、炭素原子数1〜4のアルキルアルコー
ル、窒素化合物を含有させた記録用インクとしたことを
特徴とするもので、水系インクにおいても目詰まり等を
起こさず、また長期に渡り変質あるいは沈澱物等を起こ
さず、保存性が優れている等の基本的な不具合を生じる
ことなく、ユーザーに対する安全性を確保し、常に画像
品質・濃度を高く、しかも用途に応じた各種記録紙(普
通紙あるいは特殊紙等)においても画像品質を確保する
ことを得ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明はノズルより噴射され記録を行うインクジ
ェット記録装置に使用される記録用インクにおいて、水
溶性染料、多価アルコール及びその誘導体、炭素原子数
1〜4のアルキルアルコール、窒素化合物を含有させそ
の窒素化合物としてアミン系溶剤を0.1〜3.5重量
%含有させる。次に水溶性染料としては直接染料、反応
性染料であり、その含有量は2〜6重量%となる。その
時の記録用インクは粘度が1.5〜7.0cP、表面張
力が25〜60dyne/cm、pHが8〜11である
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】上記の構成による記録インクの具体的に窒素化
合物とは、水溶性染料あるいは他のインク成分との溶解
性が有り、またアルカリ性、腐食性が低い等のアミン系
溶剤であれば使用可能である。例をあげると、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、エチルモノエタノールアミン、n−ブチルモノエ
タノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチル
エタノールアミンエチルジエタノールアミン等のであ
る。
【0017】インク中の添加量としては、インク粘度あ
るいはpHに左右するため多量に添加しても粘度あるい
はpHを増大させることになるので好ましくない。つま
りインク粘度あるいはpHを増大させていくと、応答周
波数あるいは噴射液滴速度等の低下により画像品質が劣
ることになる。そこで好ましくは0.1〜3.5重量%
の範囲で添加することが望ましい。
【0018】水溶性染料とは記録物の耐水、耐光性を維
持するために直接染料、反応性染料が好ましい。また、
溶媒、湿潤剤、添加剤等に可溶で色調の変化あるいは沈
澱物の生成のないもの、表面張力の変動が非常に大きく
作用しないもの等の染料を選択すれば使用可能である。
特に記録用インクの目詰まりを考えると溶解度が大き
く、無機物等の重金属の含有は微量に抑えたものを使用
することが望ましい。
【0019】さらに例をあげると、 C.I.Direct Yellow 12,2
6,86,130 C.I.Direct Magenta 9,1
3,17,227 C.I.Direct Blue 78,8
6,90,199 C.I.Direct Black 19,2
2,154,168 C.I.Reactive Red 180 等である。その染料の添加量としては2〜6重量%まで
が好ましい。
【0020】湿潤剤とはインク全体の蒸気圧を下げ、イ
ンク中の水分蒸発を減速させると共に染料や炭素原子数
1〜4のアルキルアルコール、窒素化合物等も溶解する
ことにより、ノズルオリフィスの目詰まりを防止する。
従って水に対する溶解度はよく、吸水性があり、しかも
染料、炭素原子数1〜4のアルキルアルコール、窒素化
合物等の溶解度も高い湿潤剤が好ましく、脂肪族多価ア
ルコール、脂肪族多価アルコール誘導体が優れている。
【0021】具体的にはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多
価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の
多価アルコール誘導体類がある。
【0022】インク中の添加量としては、インク粘度を
左右するため多くの添加は粘度を増大させることになる
ので好ましくない。つまりインク粘度を増大すると記録
原理によっては応答周波数の低下あるいは噴射液滴速度
の低下、駆動電圧を高くする必要がある等が確認されて
いる。そこで好ましくは10〜35重量%の範囲で添加
することが望ましい。
【0023】また本発明の記録用インクでは炭素原子数
1〜4のアルキルアルコールの添加を行っているが、こ
の目的は水、湿潤剤、染料に対して非常に溶解しやすい
ことで、より混合液体としての記録用インクの成分溶解
度を向上させるためであり、インク表面張力の調整剤と
しても効果があるものである。具体的にはメタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール等の炭素原子数が1〜4
のアルキルアルコール類である。そのインク中の添加量
としては、インク表面張力に影響するため多量の添加は
表面張力の低下を招き、また揮発性液体であるため記録
用インクの沸点にも影響することになり好ましくない。
【0024】つまり表面張力の低下は普通記録紙の紙表
面繊維、サイズ剤等に対して付着したインクの接触角が
小さいため縦横に浸透しにじみ等の画質劣化を生じるこ
とになる。そこで、インク表面張力が25〜60dyn
e/cmの範囲になるような程度に含有させることが望
ましい。
【0025】そして、以上説明してきたような本発明に
おける記録用インクに調整することで、水酸化ナトリウ
ムあるいは水酸化カリウム等のような強アルカリ性の塩
基性物質を添加することなく、常に普通記録紙のような
天然高分子であるパルプを原料として作られ、サイズ剤
を用いることで親水性、吸水性における浸透状態を考慮
した記録紙においても高画像品質を確保することが可能
である。また、表面処理剤材料等を使用したインクジェ
ット用特殊紙においても当然高画像品質が可能であるこ
とは言うまでもないものである。しかも、水系インクに
おける目詰まり等を起こさず、また長期に渡り変質ある
いは沈澱物等を起こさず、保存性が優れている等の基本
的な不具合を生じることなく、ユーザーに対する安全性
第一を確保した記録用インクとなる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)まず、多価アルコール及びその誘導体とし
てジエチレングリコール、炭素原子数1〜4のアルキル
アルコールとしてエタノール、窒素化合物としてアミン
系溶剤のトリエタノールアミンをイオン交換水と混合さ
せ加熱攪拌しながら、水溶性染料としてC.I.Dir
ectBlack168を徐々に添加して、混合液を7
0℃で一定に保ちながら4時間攪拌を続けた後、室温に
混合液を冷却して1μmのミリポアメンブレンフィルタ
でろ過することで、下記組成のpH違いの記録用インク
を作製した。
【0027】(インク1) C.I.DirectBlack168 3.0重量% ジエチレングリコール 15.0重量% エタノール 2.5重量% トリエタノールアミン 0.2重量% イオン交換水 79.3重量% 得られたインクの粘度は20℃で2.07cP、表面張
力は20℃で56dyne/cm、pHは20℃で8.
96であった。
【0028】(インク2) C.I.DirectBlack168 3.0重量% ジエチレングリコール 15.0重量% エタノール 2.5重量% トリエタノールアミン 0.4重量% イオン交換水 79.1重量% 得られたインクの粘度は20℃で2.05cP、表面張
力は20℃で56dyne/cm、pHは20℃で9.
28であった。
【0029】(インク3) C.I.DirectBlack168 3.0重量% ジエチレングリコール 15.0重量% エタノール 2.5重量% トリエタノールアミン 1.6重量% イオン交換水 77.9重量% 得られたインクの粘度は20℃で2.15cP、表面張
力は20℃で55.8dyne/cm、pHは20℃で
9.68であった。
【0030】(インク4) C.I.DirectBlack168 3.0重量% ジエチレングリコール 15.0重量% エタノール 2.5重量% トリエタノールアミン 3.2重量% イオン交換水 76.3重量% 得られたインクの粘度は20℃で2.30cP、表面張
力は20℃で55.3dyne/cm、pHは20℃で
10.03であった。
【0031】以上のように設定した各記録用インクにつ
いて室温で1ヵ月放置させた場合でも、異物及び沈澱物
等の発生がなく、また基本的な記録用インクの特性とし
てインクジェット記録装置にそれぞれ吸引し、キャップ
開放状態で1ヵ月放置させた後、記録させたところドッ
ト抜けが発生しないことから目詰まりが生じていないこ
とを確認した。またインク送液チューブ等のインク接液
部材に記録用インクを充填した状態での放置試験におい
てもチューブ溶解、膨潤等の不具合も見られなかった等
非常に信頼性の高い記録用インクであることを確認し
た。
【0032】そして、特に画像記録における濃度、にじ
み等の品質についての確認実験として、まず従来インク
ジェット記録に用いられる記録用インクA(pH7.2
前後)と記録用インクB(pH12.5前後)の各従来
インクをそれぞれ記録装置に吸引、充填させ普通記録紙
PPC−K(商品名)と三菱IJコート紙(商品名)に
所望する図形、文字等を図示していないがそれぞれ記録
した。その場合1ドットラインでの記録部分を顕微鏡で
比較すると普通記録紙では記録用インクAに対し、記録
用インクBが約70%程度のライン幅で記録された。
【0033】しかし、三菱IJコート紙における記録部
分の比較では記録用インクBが約200μm以上のライ
ン幅となり、表面処理剤材料を溶解するインクであるこ
とがにじみ等の画像品質に悪影響を及ぼしていると考え
られる。また、ベタ印字における画像濃度では記録用イ
ンクBが両記録紙において高画像濃度を示す結果となっ
た。
【0034】以上のような確認実験から記録紙に対する
インクpHは画像品質あるいは画像濃度に対して影響す
ることが確認されたが、従来記録用インクBのような強
アルカリ性の刺激作用を生ずるような添加物が含有して
いるインクは本発明者らが確認したところでは、皮膚に
対する刺激性による炎症等の危険性が伴うものであっ
た。
【0035】そこで、本発明の記録用インクとして実施
例1に記載した窒素化合物含有率の異なったインク1〜
4をインクジェット記録装置にそれぞれ吸引、充填させ
画像記録における濃度、にじみ等の品質についての確認
実験を行った。記録紙には前記従来インクでの確認実験
で使用した普通記録紙PPC−K(商品名)と三菱IJ
コート紙(商品名)を用いて、所望する図形、文字等を
それぞれ記録した。その結果1ドットラインでの記録部
分を顕微鏡で比較すると図1に示したように普通記録紙
でのインク1〜4では、曲線aのようにインク1(窒素
化合物0.2重量%含有)で140μm/インク2(窒
素化合物0.4重量%含有)で155μm/インク3
(窒素化合物1.6重量%含有)で165μm/インク
4(窒素化合物3.2重量%含有)で175μmと本発
明の記録用インクが従来インクAよりもライン幅の減少
となり、にじみ等の画像品質が向上していることを確認
した。
【0036】また、図2に示したように三菱IJコート
紙(商品名)でのインク1〜4では、曲線aのようにイ
ンク1(窒素化合物0.2重量%含有)で130μm/
インク2(窒素化合物0.4重量%含有)で135μm
/インク3(窒素化合物1.6重量%含有)で138μ
m/インク4(窒素化合物3.2重量%含有)で140
μmと本発明の記録用インクが従来インクA,Bよりも
ライン幅が減少しており、本発明の記録用インクであれ
ばコート紙表面の表面処理剤材料を極めて溶解させるよ
う状態とならず、にじみ等の画像品質が良好になること
を確認した。また、画像濃度についてはマクベスRD9
20型濃度計により測定した結果、普通記録紙ではOD
値1.0・三菱IJコート紙ではOD値1.3と従来よ
りもかなり高画像濃度が可能になった。
【0037】(実施例2)まず、多価アルコール及びそ
の誘導体としてトリエチレングリコール、炭素原子数1
〜4のアルキルアルコールとしてイソプロパノール、窒
素化合物としてアミン系溶剤のジエタノールアミンをイ
オン交換水と混合させ加熱攪拌しながら、水溶性染料と
してC.I.DirectBlue199を徐々に添加
して、混合液を70℃で一定に保ちながら4時間攪拌を
続けた後、室温に混合液を冷却して1μmのミリポアメ
ンブレンフィルタでろ過することで、下記組成のpH違
いの記録用インクを作製した。
【0038】(インク5) C.I.DirectBlue199 3.0重量% トリエチレングリコール 40.0重量% イソプロパノール 10.0重量% ジエタノールアミン 0.2重量% イオン交換水 46.8重量% 得られたインクの粘度は20℃で5.6cP、表面張力
は20℃で43.6dyne/cm、pHは20℃で
8.90であった。
【0039】(インク6) C.I.DirectBlue199 3.0重量% トリエチレングリコール 40.0重量% イソプロパノール 10.0重量% ジエタノールアミン 0.4重量% イオン交換水 46.6重量% 得られたインクの粘度は20℃で6.0cP、表面張力
は20℃で43.5dyne/cm、pHは20℃で
9.32であった。
【0040】(インク7) C.I.DirectBlue199 3.0重量% トリエチレングリコール 40.0重量% イソプロパノール 10.0重量% ジエタノールアミン 1.6重量% イオン交換水 45.4重量% 得られたインクの粘度は20℃で6.5cP、表面張力
は20℃で43.0dyne/cm、pHは20℃で
9.75であった。 (インク8) C.I.DirectBlue199 3.0重量% トリエチレングリコール 40.0重量% イソプロパノール 10.0重量% ジエタノールアミン 3.2重量% イオン交換水 43.8重量% 得られたインクの粘度は20℃で6.3cP、表面張力
は20℃で43.2dyne/cm、pHは20℃で1
0.12であった。
【0041】以上のように設定した各記録用インクにつ
いて室温で1ヵ月放置させた場合でも、異物及び沈澱物
等の発生がなく、また基本的な記録用インクの特性とし
てインクジェット記録装置にそれぞれ吸引し、キャップ
開放状態で1ヵ月放置させた後、記録させたところドッ
ト抜けが発生しないことから目詰まりが生じていないこ
とを確認した。またインク送液チューブ等のインク接液
部材に記録用インクを充填した状態での放置試験におい
てもチューブ溶解、膨潤等の不具合も見られなかった等
非常に信頼性の高い記録用インクであることを確認し
た。
【0042】そこで、本発明の記録用インクとして実施
例2に記載した窒素化合物含有率の異なったインク5〜
8をインクジェット記録装置にそれぞれ吸引、充填させ
画像記録における濃度、にじみ等の品質についての確認
実験を行った。記録紙には普通記録紙PPC−K(商品
名)と三菱IJコート紙(商品名)を用いて、所望する
図形、文字等をそれぞれ記録した。
【0043】その結果1ドットラインでの記録部分を顕
微鏡で比較すると図1で示したように普通記録紙でのイ
ンク5〜8では、曲線bのようにインク5(窒素化合物
0.2重量%含有)で約150μm/インク6(窒素化
合物0.4重量%含有)で約165μm/インク7(窒
素化合物1.6重量%含有)で約175μm/インク8
(窒素化合物3.2重量%含有)で185μmと本発明
の記録用インクが従来インクAよりもライン幅の減少と
なり、にじみ等の画像品質が向上していることを確認し
た。
【0044】また、図2に示したように三菱IJコート
紙(商品名)でのインク5〜8では、曲線bのようにイ
ンク5(窒素化合物0.2重量%含有)で140μm/
インク6(窒素化合物0.4重量%含有)で143μm
/インク7(窒素化合物1.6重量%含有)で147μ
m/インク8(窒素化合物3.2重量%含有)で150
μmとライン幅が減少しており、本発明の記録用インク
であればコート紙表面の表面処理剤材料を極めて溶解さ
せるよう状態とならず、にじみ等の画像品質が良好にな
ることを確認した。また、画像濃度についてはマクベス
RD920型濃度計により測定した結果、普通記録紙で
はOD値0.9/三菱IJコート紙ではOD値1.2と
従来よりもかなり高画像濃度が可能になったことが確認
できる。
【0045】このように、実施例において本発明の記録
用インクを説明したが、この記載は特許請求の範囲の解
釈を限定するものではない。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようにノズルよ
り噴射され記録を行うインクジェット記録装置に使用さ
れる記録用インクにおいて、水溶性染料、多価アルコー
ル及びその誘導体、炭素原子数1〜4のアルキルアルコ
ール、窒素化合物を含有させ、その時のインク物性値が
粘度1.5〜7.0cP、表面張力25〜60dyne
/cm、pH8〜11となる構成としたので、水系イン
クにおいても目詰まり等を起こさず、また長期に渡り変
質あるいは沈澱物等を起こさず、保存性が優れている等
の基本的な不具合を生じることなく、ユーザーに対する
安全性を確保し、常に画像品質・濃度を高く、しかも用
途に応じた各種記録紙(普通紙あるいは特殊紙等)にお
いても画像品質を確保する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に記載した記録用インク1〜
4と実施例2に記載した記録用インク5〜8における普
通記録紙PPC−K(商品名)でのにじみ変化(1ドッ
ト記録でのライン幅変化)について示した説明図であ
る。
【図2】本発明の実施例1に記載した記録用インク1〜
4と実施例2に記載した記録用インク5〜8における三
菱IJコート紙(商品名)でのにじみ変化(1ドット記
録でのライン幅)について示した説明図である。
【符号の説明】
a 実施例1記載の記録用インク1〜4における1ドッ
ト記録でのにじみ幅変化曲線 b 実施例2記載の記録用インク5〜8における1ドッ
ト記録でのにじみ幅変化曲線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルより噴射され記録を行うインクジ
    ェット記録装置に使用される記録用インクにおいて、そ
    の成分が水溶性染料、多価アルコール及びその誘導体、
    炭素原子数1〜4のアルキルアルコール、窒素化合物と
    してアミン系溶剤、及びイオン交換水から成り、粘度が
    1.5〜7.0cP、表面張力が25〜60dyne/
    cm、pHが8〜11であることを特徴とする記録用イ
    ンク。
JP25833392A 1992-09-28 1992-09-28 記録用インク Pending JPH06107989A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005075849A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Konica Minolta Holdings Inc インク、記録方法及びインクジェット記録方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005075849A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Konica Minolta Holdings Inc インク、記録方法及びインクジェット記録方法

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