JPH06107683A - ハンガリー産マイマイ由来神経ペプチド - Google Patents

ハンガリー産マイマイ由来神経ペプチド

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JPH06107683A
JPH06107683A JP4300245A JP30024592A JPH06107683A JP H06107683 A JPH06107683 A JP H06107683A JP 4300245 A JP4300245 A JP 4300245A JP 30024592 A JP30024592 A JP 30024592A JP H06107683 A JPH06107683 A JP H06107683A
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JP
Japan
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amino acid
peptide
leu
pro
ser
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Application number
JP4300245A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Namikata
宏之 南方
Kiyousuke Nomoto
享資 野本
Yojiro Muneoka
洋二郎 宗岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Publication date
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  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 新規神経ペプチドを提供する。 【構成】 次のアミノ酸配列式(1)を有するペプチ
ド。 p−Glu−Pro−Pro−Leu−Pro−Arg−Tyr−NH(1) (式中、p−Gluはピログルタミン酸残基、NH
C末端がアミド化されていることを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なペプチドに関し、
更に詳細にはハンガリー産マイマイ(Helix po
matia)の神経節から得られる新規な筋収縮修飾性
ペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】軟体動物の神経系は一般に高等動物に較
べて単純であるので、情報処理の機構の解明に利用する
ことが出来る。軟体動物より得られた知見は、少なくと
もそれが細胞下レベルの機構に関するものであれば、高
等動物の神経系にも一般化できると考えられる。その
際、神経伝達物質の探索が必要不可欠であり、古典的伝
達物質に加えて、ペプチド性の伝達物質あるいはニュー
ロモデュレーターの探索が精力的に行われている。
【0003】本発明者らは、先にムラサキイガイ(My
tilus edulis)の神経節より、ムラサキイ
ガイの足糸前牽引筋の電気刺激による強収縮に対する作
用を指標に得られた、次のアミノ酸配列式(9): H−Gly−X−Pro−Met−Phe−Val−N
(9) (本明細書中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUB
の定める3文字表記により表記し、XはSer残基また
はAla残基を示し、NHはC末端がアミド化されて
いることを示す。)で表される新規なペプチド(MI
P:MytilusInhibitory Pepti
de)が、内因性神経ペプチドであることを見出すと共
に、これらのペプチドを合成し、特許出願を行った(特
開平1−221392号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在までに、軟体動物
からは上記のMIPの他にも、Myomodulin
(Cropper,Tenenbaum,Kolks,
Kupfermann,Weiss, Pro.Nat
l.Acad.Sci.USA 84,5483〜54
86 1987)、CARP(Catch−Relax
ing Peptide:平田、久保田、高畠、桑原、
宗岡 Brain Res.,442 373〜37
6)、SCP(Small Cardioactive
Peptide:Lloyd,Kupferman
n,Weiss,J.Comp.Physiol.,A
156,959〜667 1985)等が報告されてい
るが、神経ペプチドの構造−活性相関、種特異性等の研
究のためには、さらに多くの神経ペプチドを見出すこと
が必要とされている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み、ハンガリー産マイマイの神経節から、ムラサキイガ
イの足糸前牽引筋(Anterior Byssus
RetractorMuscle:ABRM)の電気刺
激による強収縮に対する作用を指標に、〔図1〕に示す
様に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を系統的
に組合わせて内因性神経ペプチドを単離すべく鋭意研究
を行い、活性物質を得た。
【0006】これらの活性物質の構造解析により、8種
類の新規なペプチドを見出し、固相法によりそれぞれの
ペプチドを合成し、その構造を確認して本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明によれば、次のアミノ酸
配列式(1〜8): p−Glu−Pro−Pro−Leu−Pro−Arg−Tyr−NH(1) H−Leu−Pro−Phe−Pro−Arg−OH (2) H−Phe−Leu−Pro−Ser−Val−Ile−Pro−OH (3) H−Phe−Gln−Gln−Phe−Ala−Phe−OH (4) H−Asn−Phe−Asp−Ser−Ile−Ser−Asn−Gly−Ar g−Leu−Ser−Gly−Leu−Tyr−Glu−Asn−Tyr−Le u−NH (5) H−Ala−Leu−Asp−Ser−Leu−Gly−Gly−Phe−As n−Val−His−Gly−Trp−OH (6) H−Ser−Leu−Glu−Ala−Ala−Leu−Arg−Ala−Pr o−Pro−Ser−Ile−Tyr−Ser−Glu−Ser−Leu−Il e−Glu−Ser−Pro−Ala−NH (7) p−Glu−Asp−Pro−Phe−Leu−Arg−Phe−OH (8) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
る3文字表記により表記し、p−Gluはピログルタミ
ン酸残基、NHはC末端がアミド化されていることを
示す。)で表される新規神経ペプチドが提供される。
【0008】本発明のペプチドを得るには、ハンガリー
産マイマイの神経節を原料として以下の方法により単
離、精製することができる。例えば、ハンガリー産マイ
マイの神経節をアセトン中でホモジナイズし、得られた
ホモジネートを遠心分離して得られた上清をC18カー
トリッジに吸着させ、吸着画分を0.1%トリフルオロ
酢酸(以下TFAと略記)/メタノールで溶出し、これ
を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフ
ィー等に付し、最終的に220nmの紫外吸収(以下U
220と略記)モニターで単一のピークを示すまで精
製することにより、目的とするペプチドを分離、精製す
ることができる。
【0009】また、本発明のペプチドはオリゴペプチド
であるため、市販のペプチド合成機(例えばアプライド
バイオシステム社製全自動ペプチド合成機430A型)
により容易に合成することができる。これらの方法で得
られた粗ペプチドは、例えばC18逆相高速液体クロマ
トグラフィー等に付し、目的とするペプチドを分離、精
製することができる。
【0010】
【作用】本発明のペプチドは、ムラサキイガイ足糸前牽
引筋の電気刺激による強収縮を修飾する生理活性を示
し、神経伝達系研究における有用な試薬として利用する
ことができる。また、神経伝達系の研究を通して医薬お
よび農薬研究の新しい糸口を与えることができる。
【0011】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに説明する
が、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0012】実施例1.ハンガリー産マイマイよりのペ
プチドの精製 a.粗抽出 ハンガリー産マイマイ1,075匹分の脳神経節および
食道下神経節を180mlの100%アセトン中0℃下
でホモジナイズし、4℃、16,000×gで40分間
遠心分離し、上清を集めた。沈澱は170mlの80%
アセトンで抽出後、同条件で遠心分離し、上清を集め
た。得られた沈澱はさらに100mlの80%アセトン
で抽出後、同条件で遠心分離し、上清を集めた。これら
の操作で得られた上清を集め、1mlまで減圧濃縮し、
これに0.1N塩酸30mlを加えて再び同条件で遠心
分離し、上清を抽出液とした。
【0013】b.C18カートリッジへの吸着 a.で得られた抽出液を直列に連結した3個のSep−
Pak C18カートリッジ(日本ミリポア・リミッテ
ド社製)に通液した。カートリッジを0.1%TFAで
洗浄した後、保持物質を7mlの0.1%TFA/メタ
ノールで溶出して減圧下に濃縮乾固した。
【0014】c.逆相カラムクロマトグラフィー b.で得られた濃縮乾固物を0.5mlの0.1%TF
Aに溶解し、Asahipak ODP−50(旭化成
工業(株)製、φ7.6×250mm)を用いたC−1
8逆相高速液体カラムクロマトグラフィーに付し、流速
1ml/minで、0.1%TFA(pH2.2)中、
120分間で0%から60%のアセトニトリルの直線濃
度勾配で溶出し、2mlづつ分画した。生物検定によ
り、5つの画分(保持時間の短い画分から順に、画分I
〜Vと称する)を得た。
【0015】d.陽イオン交換カラムクロマトグラフィ
c.で得られた画分Iを、TSKgel SP−5PW
(東ソー(株)製、φ7.5×75mm)を用いた陽イ
オン交換カラムクロマトグラフィーに付し、流速0.5
ml/minで、10mMリン酸緩衝液(pH6.9)
中、60分間で0Mから0.6MのNaClの直線濃度
勾配で溶出し、1mlずつ分画した。生物検定により、
画分1から4個の活性画分(保持時間の短い画分から順
に、F1〜4と称する)を得た。同様にして、画分II
から8個の活性画分(同様にF5〜12と称する)、画
分IIIから5つの活性画分(同様にF13〜17と称
する)を得た。
【0016】画分IVおよびVについては、溶出条件を
70分間で0Mから0.7MのNaClの直線濃度勾配
に変更して陽イオン交換カラムクロマトグラフィーを行
うことにより、画分から2個の活性画分(同様にF18
〜19と称する)、画分Vから2個の活性画分(同様に
F20〜21と称する)を得た。
【0017】e.化合物1の精製 d.で得られたF6画分をTSKgel ODS 80
(東ソー(株)製、φ4.6×150mm)を用い
たC18逆相高速液体カラムクロマトグラフィーに付
し、流速0.5ml/minで、0.1%TFA(pH
2.2)中、50分間で12%から22%のアセトニト
リルの直線濃度勾配で溶出した。化合物1は、生物検定
により得られた4個の活性ピークのうちの3番目のピー
クを、0.1%TFA(pH2.2)中、溶出濃度より
0.5%〜1%程度高いアセトニトリル濃度のイソクラ
ティックモードで、逆相高速液体カラムクロマトグラフ
ィーを、最終的にUV220モニターで単一のピークを
示すまで繰り返すことにより得られた。
【0018】f.化合物2の精製 d.で得られたF9画分をTSKgel ODS 80
(東ソー(株)製、φ4.6×150mm)を用い
たC18逆相高速液体カラムクロマトグラフィーに付
し、流速0.5ml/minで、0.1%TFA(pH
2.2)中、50分間で12%から22%のアセトニト
リルの直線濃度勾配で溶出した。化合物2は、生物検定
により得られた1個の活性ピークを、0.1%TFA
(pH2.2)中、溶出濃度より0.5%〜1%程度高
いアセトニトリル濃度のイソクラティックモードで、逆
相高速液体カラムクロマトグラフィーを、最終的にUV
220モニターで単一のピークを示すまで繰り返すこと
により得られた。
【0019】g.化合物3の精製 d.で得られたF18画分をTSKgel ODS 8
0T(東ソー(株)製、φ4.6×150mm)を用
いたC18逆相高速液体カラムクロマトグラフィーに付
し、流速0.5ml/minで、0.1%TFA(pH
2.2)中、50分間で19%から29%のアセトニト
リルの直線濃度勾配で溶出した。化合物3は、生物検定
により得られた6個の活性ピークのうちの5番目のピー
クを、0.1%TFA(pH2.2)中、溶出濃度より
0.5%〜1%程度高いアセトニトリル濃度のイソクラ
ティックモードで、逆相高速液休カラムクロマトグラフ
ィーを、最終的にUV220モニターで単一のピークを
示すまで繰り返すことにより得られた。
【0020】h.化合物4の精製 d.で得られたF19画分をTSKgel ODS 8
0T(東ソー(株)製、φ4.6×150mm)を用
いたC18逆相高速液体カラムクロマトグラフィーに付
し、流速0.5ml/minで、0.1%TFA(pH
2.2)中、50分間で19%から29%のアセトニト
リルの直線濃度勾配で溶出した。化合物4は、生物検定
により得られた6個の活性ピークのうちの1番目のピー
クを、0.1%TFA(pH2.2)中、溶出濃度より
0.5%〜1%程度高いアセトニトリル濃度のイソクラ
ティックモードで、逆相高速液体カラムクロマトグラフ
ィーを、最終的にUV220モニターで単一のピークを
示すまで繰り返すことにより得られた。
【0021】i.化合物5の精製 d.で得られたF20画分をTSKgel ODS 8
0T(東ソー(株)製、φ4.6×150mm)を用
いたC18逆相高速液体カラムクロマトグラフィーに付
し、流速0.5ml/minで、0.1%TFA(pH
2.2)中、50分間で21%から31%のアセトニト
リルの直線濃度勾配で溶出した。化合物5は、生物検定
により得られた13個の活性ピークのうちの3番目のピ
ークを、0.1%TFA(pH2.2)中、溶出濃度よ
り0.5%〜1%程度高いアセトニトリル濃度のイソク
ラティックモードで、逆相高速液体カラムクロマトグラ
フィーを、最終的にUV220モニターで単一のピーク
を示すまで繰り返すことにより得られた。
【0022】j.化合物6の精製 化合物7は、iで得られた13個の活性ピークのうちの
4番目のピークを、0.1%TFA(pH2.2)中、
溶出濃度より0.5%〜1%程度高いアセトニトリル濃
度のイソクラティックモードで、逆相高速液体カラムク
ロマトグラフィーを、最終的にUV220モニターで単
一のピークを示すまで繰り返すことにより得られた。
【0023】k.化合物7の精製 化合物7は、iで得られた13個の活性ピークのうちの
7番目のピークを、0.1%TFA(pH2.2)中、
溶出濃度より0.5%〜1%程度高いアセトニトリル濃
度のイソクラティックモードで、逆相高速液体カラムク
ロマトグラフィーを、最終的にUV220モニターで単
一のピークを示すまで繰り返すことにより得られた。
【0024】l.化合物8の精製 化合物8は、iで得られた13個の活性ピークのうちの
10番目のピークを、0.1%TFA(pH2.2)
中、溶出濃度より0.5%〜1%程度高いアセトニトリ
ル濃度のイソクラティックモードで、逆相高速液体カラ
ムクロマトグラフィーを、最終的にUV220モニター
で単一のピークを示すまで繰り返すことにより得られ
た。
【0025】実施例2.ペプチドの同定 これらのペプチドのアミノ酸組成は、東ソーCCP−8
000型アミノ酸分析システムにより測定した。結果を
〔表1〕に示す。
【0026】
【表1】
【0027】化合物1および8を除く6つのペプチドの
アミノ酸配列は、島津PSQ−1型全自動エドマン分解
気相シークエンサーにより測定した。結果を〔表2〕に
示す。
【0028】
【表2】
【0029】さらに、これらのペプチドのマススペクト
ルは、日本電子JMS−HX−110/110A型FA
B質量分析機により測定した。結果を〔表3〕に示す。
【0030】
【表3】
【0031】また、化合物1および8については、得ら
れた天然物が非常に微量であったため、直接質量分析を
行い、タンデムMSの手法でアミノ酸配列を検討した。
これらのデーダから、化合物1〜8はそれぞれ、配列番
号1〜8のアミノ酸配列で表されることが明らかになっ
た。
【0032】実施例3 固相法によるペプチドの合成 ペプチドの合成は、N末端がフリーの場合はHMP−樹
脂(アプライドバイオシステム社製)、N末端がアミド
化されている場合はFmoc−aminoethyl
SAL樹脂(渡辺科学工業(株))を担体とし、Fmo
c−Ala,Fmoc−Arg(Pmc),Fmoc−
Asn(Trt),Fmoc−Asp(OBu),F
moc−Gln(Trt),Fmoc−Glu(OBu
),Fmoc−Gly,Fmoc−His(Tr
t),Fmoc−Ile,Fmoc−Leu,Fmoc
−Phe,Fmoc−Pro,Fmoc−Ser(Bu
),Fmoc−Trp,Fmoc−Tyr(B
),Fmoc−Valおよび Pyrogluta
mic acidを用い、アプライドバイオシステム社
の全自動ペプチド合成機430A型を用いて、Fast
MocTMの固相法により合成した。(但し、HMP=
4−(Hydroxymethyl)−phenoxy
methyl,Fmoc=9−Fluorenylme
thoxycarbonyl,SAL=Super A
cid Labile,Pmc=2,2,5,7,8−
Pentamethylchroman−6−sulf
onyl,Trt=Trityl,Bu=t−But
ylを示す。)
【0033】ペプチド樹脂からのペプチドの切り放しと
粗ペプチドの脱保護は、当業者に良く知られているよう
に、アミノ酸の保護基の種類により、試薬A(95%T
FA/5%水)、試薬B(6.25%フェノール/2.
1%1,2−エタンジチオール/4.2%チオアニソー
ル/4.1%水/83.3%TFA)および試薬C
(2.5%1,2−エタンジチオール/2.5%水/9
5.0%TFA)を使い分けた。但し、化合物6につい
ては、Trpに対する副反応を防ぐために、TFA1m
l当たり2mgの2−メチルインドールを加えた試薬C
を用いた。ペプチド樹脂1g当たり約10mlのA〜C
いずれかの試薬を加え、室温で1.5〜3時間処理して
脱保護および切断を行い、エーテルを加えてペプチドを
沈澱させ、沈澱をエーテルで3回洗浄して粗ペプチドを
得た。粗ペプチドはC−18逆相高速液体クロマトグラ
フィーおよび強酸性イオン交換高速液体クロマトグラフ
ィーにより精製した。
【0034】精製ペプチドは、TSKgel ODS8
0Tを用いる逆相クロマトグラフィーおよびTSKg
el SP−5PWを用いる陽イオン交換クロマトグラ
フィーにおいて、保持時間が天然品と全く一致した。ま
た、ムラサキイガイ足糸前牽引筋の電気刺激による強収
縮の抑制においても、天然品と同様であった。
【0035】実施例4 ムラサキイガイ足糸前牽引筋収
縮試験 ムラサキイガイ足糸前牽引筋を用いた生物活性検定試験
は、宗岡らの方法(宗岡ら:J.Pharmc.ex
p.Ther.,Vol.202,P601−609,
1977)に従って実施した。即ち、分離したムラサキ
イガイ足糸前牽引筋の上端と下端を木綿糸で結紮し、2
mlのチャンバーに取り付けた。検定すべき試料は、N
aCl:445mM,KCl:10mM,CaCl
10mM,MgCl:55mMを含む、pH7.8の
10mMトリス−塩酸緩衝液に溶解して用いた。強収縮
は、上下の木綿糸に接触させた一対の銀電極に10分お
きに15V,3msec,10Hz,50pulseの
電気刺激を与えて誘発した。試料は電気刺激の8分前か
ら作用させておき、収縮を記録した後は速やかに上述の
緩衝液で洗浄した。
【0036】本発明のペプチドのムラサキイガイ足糸前
牽引筋の強収縮に対する作用を〔図2〕〜〔図9〕に示
す。図に示すように、本発明のペプチドは、ムラサキイ
ガイの電気刺激による足糸前牽引筋の強収縮を修飾す
る。
【0037】
【発明の効果】本発明のペプチドは、ムラサキイガイ足
糸前牽引筋の強収縮を修飾する神経ペプチドであり、神
経伝達系を解明するための生化学試薬として有用であ
る。さらに、神経伝達系の研究を通して医薬および農薬
研究の新しい糸口を与えることができる。
【配列表】
【0038】配列番号:1 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列の特徴: 他の特徴:N末端のピログルタミン酸残基 存在位置:1 特徴を決定した方法:E 他の特徴:C末端アミド化 存在位置:7 特徴を決定した方法:E 配列:
【0039】配列番号:2 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列:
【0040】配列番号:3 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列:
【0041】配列番号:4 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列:
【0042】配列番号:5 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列の特徴: 他の特徴:C末端アミド化 存在位置:18 特徴を決定した方法:E 配列:
【0043】配列番号:6 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列:
【0044】配列番号:7 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列の特徴: 他の特徴:C末端アミド化 存在位置:7 特徴を決定した方法:E 配列:
【0045】配列番号:8 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 起源: 生物名:ヘリックス ポマシア(Helix poma
tia) 配列の特徴: 他の特徴:N末端のピログルタミン酸残基 存在位置:1 特徴を決定した方法:E 配列:
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のペプチド精製のスキームを示
す図面である。
【図2】図2の(a)は試料添加前、(b)は化合物1
の6匹分に相当する量をチャンバーに加えた時の、
(c),(d)および(e)は緩衝液で洗浄後のムラサ
キイガイ足糸前牽引筋の強収縮を経時的に記録した図面
である。化合物1は強収縮を増強し、その効果は洗浄後
も暫く持続する。
【図3】図3の(a)は試料添加前、(b)は化合物2
の6匹分に相当する量をチャンバーに加えた時の、
(c)は緩衝液で洗浄後のムラサキイガイ足糸前牽引筋
の強収縮を経時的に記録した図面である。化合物2は強
収縮を抑制する。
【図4】図4の(a)は試料添加前、(b)は化合物3
の6匹分に相当する量をチャンバーに加えた時の、
(c),(d)および(e)は緩衝液で洗浄後のムラサ
キイガイ足糸前牽引筋の強収縮を経時的に記録した図面
である。化合物4は強収縮を抑制し、その効果は洗浄後
も暫く持続する。
【図5】図5の(a)は試料添加前、(b)は化合物4
の6匹分に相当する量をチャンバーに加えた時の、
(c)は緩衝液で洗浄後のムラサキイガイ足糸前牽引筋
の強収縮を経時的に記録した図面である。化合物4は強
収縮を抑制する。
【図6】図6は同様に、化合物5の6匹分に相当する量
をチャンバーに加えた時の図面である。化合物5は強収
縮を抑制する。
【図7】図7は同様に、化合物6の6匹分に相当する量
をチャンバーに加えた時の図面である。化合物6は強収
縮を抑制する。
【図8】図8は同様に、化合物7の6匹分に相当する量
をチャンバーに加えた時の図面である。化合物7は強収
縮を抑制する。
【図9】図3は同様に、化合物8の6匹分に相当する量
をチャンバーに加えた時の図面である。化合物8は強収
縮を抑制する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のアミノ酸配列式(1): p−Glu−Pro−Pro−Leu−Pro−Arg
    −Tyr−NH (1) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記し、p−Gluはピログルタミ
    ン酸残基、NHはC末端がアミド化されていることを
    示す。)で表される新規ペプチド。
  2. 【請求項2】次のアミノ酸配列式(2): H−Leu−Pro−Phe−Pro−Arg−OH
    (2) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記する。)で表される新規ペプチ
    ド。
  3. 【請求項3】次のアミノ酸配列式(3): H−Phe−Leu−Pro−Ser−Val−Ile
    −Pro−OH(3) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記する。)で表される新規ペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】次のアミノ酸配列式(4): H−Phe−Gln−Gln−Phe−Ala−Phe
    −OH(4) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記する。)で表される新規ペプチ
    ド。
  5. 【請求項5】次のアミノ酸配列式(5): H−Asn−Phe−Asp−Ser−Ile−Ser
    −Asn−Gly−Arg−Leu−Ser−Gly−
    Leu−Tyr−Glu−Asn−Tyr−Leu−N
    (5) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記し、NHはC末端がアミド化
    されていることを示す。)で表される新規ペプチド。
  6. 【請求項6】次のアミノ酸配列式(6): H−Ala−Leu−Asp−Ser−Leu−Gly
    −Gly−Phe−Asn−Val−His−Gly−
    Trp−OH(6) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記する。)で表される新規ペプチ
    ド。
  7. 【請求項7】次のアミノ酸配列式(7): H−Ser−Leu−Glu−Ala−Ala−Leu
    −Arg−Ala−Pro−Pro−Ser−Ile−
    Tyr−Ser−Glu−Ser−Leu−Ile−G
    lu−Ser−Pro−Ala−NH (7) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記し、NHはC末端がアミド化
    されていることを示す。)で表される新規ペプチド。
  8. 【請求項8】次のアミノ酸配列式(8): p−Glu−Asp−Pro−Phe−Leu−Arg
    −Phe−OH(8) (式中、アミノ酸残基はIUPACおよびIUBの定め
    る3文字表記により表記し、p−Gluはピログルタミ
    ン酸残基を示す。)で表される新規ペプチド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000039165A1 (en) * 1998-12-23 2000-07-06 The Horticulture And Food Research Institute Of New Zealand Limited Serine protease inhibitor
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