JPH06107429A

JPH06107429A - 硝子製品へのマーキング及び装飾方法

Info

Publication number: JPH06107429A
Application number: JP29673591A
Authority: JP
Inventors: Fujio Shimono; 富二雄下野
Original assignee: Ishizuka Glass Co Ltd
Current assignee: Ishizuka Glass Co Ltd
Priority date: 1991-08-26
Filing date: 1991-08-26
Publication date: 1994-04-19

Abstract

(57)【要約】【目的】従来、硝子の表面加工でガラスに対するマー
キング或いは装飾を実施していたのを、硝子そのものの
性質を変えて実施出来る様にすること。【構成】銀をＡｇ_２Ｏ表示で０．００５〜０．５重量
％、錫をＳｎＯ表示で０〜０．５重量％を必須成分とし
て含有する硝子に於いて、硝子をマスキングして、紫外
線照射後、熱処理して、マスキング部の発色を抑制し、
非マスキング部分を発色させることを特徴とした、硝子
製品へのマーキング及び装飾方法。【効果】従来、表面加工方法で実施していたマーキング
或いは装飾を、硝子の内面まで変質させて、実施出来る
様にしたため、耐久性、外観の向上及び作業環境の良化
等に役立つ発明である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、硝子製品へのマーキン
グ及び装飾方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、硝子製品に対するマーキング及び
装飾方法としては、低融点硝子を主成分とするセラミッ
クスカラーを印刷してマーキング及び装飾する方法、硝
子製品をマスキングして、弗酸等を含有する薬剤でマス
キングした部分以外を腐食させてマーキング及び装飾す
る方法、或いは硝子製品をマスキングして、サンドブラ
スト法でマスキングした部分以外を磨耗させ不透明硝子
にしてマーキング及び装飾する方法等が、実施されてい
る。しかし、これらの方法は、いずれも硝子の表面の加
工によるものであり、硝子の内面まで、マーキング及び
装飾出来る方法の開発が望まれていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本願発明者は、従来技
術では、前記した通り不可能であった硝子の内面まで、
マーキング及び装飾出来る方法を種々検討して、本願発
明を完成させたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願発明者は、銀が硝子
中において紫外線を照射後熱処理すると、着色すること
に着目して、銀と併用する成分を種々検討して、本願発
明を完成させたものである。即ち、本願発明は、「銀を
Ａｇ_２Ｏ表示で０．００５〜０．５重量％、錫をＳｎＯ
表示で０〜０．５重量％を必須成分として含有する硝子
に於いて、硝子をマスキングして、紫外線照射後、熱処
理して、マスキング部の発色を抑制し、非マスキング部
分を発色させることを特徴とした、硝子製品へのマーキ
ング及び装飾方法。」である。

【０００５】本願発明は、銀と併用する成分を種々検討
して、完成されたものであり、基本的には、硝子中に銀
の金属コロイドを均一に分散させて発色させて、従来の
問題点を解決したのである。このために使用する銀と併
用する成分としては、硝子中において２種類以上の原子
価を取ることの出来る多原子価元素である必要がある。
一般に硝子原料として使用される多原子価元素として
は、例えば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム等
が、知られている。

【０００６】前記の通り、硝子中において、銀と多原子
価元素とを共存させる事によって、銀は多原子価元素に
価電子を与えて、金属コロイドとなり、銀発色し、黄色
或いは橙色の発色をするのである。この「銀は多原子価
元素に価電子を与える」作用は、硝子に紫外線を照射
後、熱処理することによって、達成される。又、銀と多
原子価元素とを共存させると、硝子中への銀の溶解度を
増加させる作用があり、マーキング或いは装飾の為、硝
子の発色に濃淡を必要とする場合には銀の含有量が多い
と、好都合なことが多い。

【０００７】本発明において、「銀をＡｇ_２Ｏ表示で
０．００５〜０．５重量％、錫をＳｎＯ表示で０〜０．
５重量％を必須成分として含有する硝子に於いて、硝子
をマスキングして、紫外線照射後、熱処理して、マスキ
ング部の発色を抑制し、非マスキング部分を発色させる
ことを特徴とした、硝子製品へのマーキング及び装飾方
法。」としたのは、次の通りである。銀をＡｇ_２Ｏ表示
で０．００５〜０．５重量％としたのは、一般に銀の着
色は、０．００５重量％程度の含有量で認められ為に、
下限含有量を０．００５重量％とし、上限含有量として
は、数％まで実施可能であるが、銀の価格が高価であり
０．５重量％までの添加で充分の為、０．５重量％とし
た。又、錫原料をＳｎＯ表示で０〜０．５重量％とした
のは、多原子価元素の内で硝子には、ＳｎＯが最も使い
易く、経済的であったので、ＳｎＯを選び、「０〜０．
５重量％」としたのは、硝子の性質、溶融条件によって
は、ＳｎＯを使用しなくてもよい場合がある為に０％か
らとし、０．５重量％以上は必要ない為に、０．５重量
％以下とした。

【０００８】次に、「硝子をマスキングして、紫外線照
射後、熱処理して、マスキング部の発色を抑制し、非マ
スキング部分を発色させる」としたのは、その因果関係
は良く解らないが、本願発明の硝子に、紫外線を照射す
ると、硝子中の銀が励起状態となり、次の熱処理の段階
に於いて、銀と多原子価元素との間での、電子の移動を
容易にして、良好な結果が得られるからであると推定し
ている。以下、実施例を説明して、本発明を明らかにす
る。

【０００９】

【実施例１】１）硝子板の作製ＳｉＯ_２７１．５重量％（以下同じ）、Ａｌ_２Ｏ_３
２．０％、Ｎａ_２Ｏ１４．５％、ＣａＯ１０．５％、
ＳＯ_３０．２５％、Ａｇ_２Ｏ０．０７５％、ＳｎＯ
０．０４％になる様に調合したバッチを、内容量２ｋ
ｇの粘土質ルツボに満杯に入れて、酸素雰囲気５％のガ
ス炉で、１４００℃−３時間の条件で溶融した。溶融
後、硝子を黒鉛板上に流し、約５〜６ｍｍ厚の板状に成
形した。この硝子板を５ｍｍに光学研磨してサンプルと
した。

【００１０】前項にて得られたサンプルに、島津製作所
製加速暴露試験機にて、８００ｍμ以下の光線を、２５
ｃｍの間隔から０．５時間照射した。このサンプルと紫
外線を照射しないサンプルとを同時に、５８０℃−１０
分間の条件で熱処理した。得られたサンプルの分光透過
率を、日立製作所製Ｕ−４０００型自記分光光度計にて
測定した。その結果は、第１図に示す通りであった。

【００１１】「第１図」

【００１２】

【実施例２】

【実施例１】と同様にして作製した硝子板に紫外線遮断
樹脂をスクリーン印刷法で印刷し、その後、実施例１と
同様に、紫外線照射、熱処理を実施した。えられたサン
プルは、第１図に示す如く、紫外線が照射された部分と
紫外線遮蔽樹脂によって紫外線が照射されなかった部分
との間に明白な明白な色調の差が認められ、マーキング
効果及び装飾効果の優れたサンプルが得られた。従っ
て、紫外線照射される部分を任意に設定することによっ
て、製品に対するマーキング或いは装飾模様を任意に付
加できるものである。

【００１３】

【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係わる「硝
子製品へのマーキング及び装飾方法」は、従来実施され
ていた表面加工の方法と異なり、低融点ガラスによる鉛
溶出の問題、表面腐食又は傷付けによる強度劣化の問題
がなく、内面までの加工方法である為、耐久性、外観良
化に役立ち、しかも、加工時における、鉛、弗酸、或い
は粉塵等がないため、作業環境良化等にも役立つ極めて
有益な発明である。

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【手続補正書】

【提出日】平成５年９月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】追加

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【第１図】実施例１の透過率曲線を示すものである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】銀をＡｇ_２Ｏ表示で０．００５〜０．５重
量％、錫をＳｎＯ表示で０〜０．５重量％を必須成分と
して含有する硝子に於いて、硝子をマスキングして、紫
外線照射後、熱処理して、マスキング部の発色を抑制
し、非マスキング部分を発色させることを特徴とした、
硝子製品へのマーキング及び装飾方法。