JPH0610676U - ウオ ータハンマ防止機能付開放弁 - Google Patents

ウオ ータハンマ防止機能付開放弁

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JPH0610676U
JPH0610676U JP5000792U JP5000792U JPH0610676U JP H0610676 U JPH0610676 U JP H0610676U JP 5000792 U JP5000792 U JP 5000792U JP 5000792 U JP5000792 U JP 5000792U JP H0610676 U JPH0610676 U JP H0610676U
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宣之 近藤
進 中川
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フシマン株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消火設備用の地上送水配管において、厳寒時
には配管内の水を抜いておき、ポンプを起動してもウオ
ータハンマを発生することなく消火放水できる開放弁を
提供する。 【構成】 弁箱1内をダイヤフラム3により圧力室とダ
イヤフラム室3aとに区画し、ダイヤフラム室3aにはダイ
ヤフラム3を圧力室側へ押すスプリング9を、圧力室に
は1次側と2次側を遮断する主弁口K3 を設け、更に1
次側と2次側との間を2通りの連通管を設けて、一方の
連通管R1,2,3,4,5 には絞り弁Cとパイロット
弁Bとを、他方の連通管R6,7 には1次側圧力調整弁
Dと流量調整弁Eとを配列し、更に絞り弁Cとパイロッ
ト弁Bとの間の連通管とダイヤフラム室3aとを連通して
構成される自力式パイロット作動式開放弁Aであって、
前記パイロット弁Bは2次側圧力が所定値より高くなる
と開弁するように設定したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、石油タンクヤードなどの消火設備用のウオ ータハンマ防止機能付開 放弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、石油タンクヤードなどの消火設備用送水配管は埋設配管であったので、 冬期でも凍結する心配はなかった。従って配管は常時満水状態で保持され、ポン プを起動すれば直ちに末端の放水設備から放水することが可能であった。従って 送水ラインに特別な役割をなす特殊弁を設置する必要がなかった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
埋設配管とした場合には、地震発生の時、必ずしも安全とは言い難いため、消 火設備の配管は地上設置するように改められた。地上配管にする場合、冬期には 配管内の水が凍結して、配管が破壊する危険があるため、保温などにより凍結を 防止したり、配管内の水を抜いておいたりする対策が必要であった。保温により 水管の凍結を防止しようとすれば、石油タンクヤードなどにおいては火気厳禁の ため防爆対策を講じなければならず、非常に経費が嵩むという問題がある。
【0004】 また、配管内の水を抜いておいた場合には、そのまま送水を開始しようとして ポンプを起動させると、ポンプ起動時には配管内が空のために流水速度が早過ぎ て、ウオ ータハンマが発生し、その衝撃圧のために配管が破壊されるという別の 問題が発生する。また流水速度を遅くしてウオ ータハンマを防止しようとすれば 配管を太くしなければならず、スペースと費用がかかり、更に放水するまでに時 間が掛かるなどの問題があった。
【0005】 本考案は斯る実情に鑑み、常時は高架水槽や地上タンクなどに接続された配管 部分をポンプの直ぐ後側で遮断し、送水管を空にしておき、ポンプ起動時には一 定の流速で水を流してウオ ータハンマを発生させない条件に保ちつつ送水管を満 水にする。そして送水配管がほぼ満水になった時点からは、ポンプ容量の最大限 まで流量を増大して送水配管に水を送り込むことができる手段を提供することを 目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、弁箱内をダイヤフラムにより圧力室とダイヤフラム室とに区画し、 該ダイヤフラム室には前記ダイヤフラムを圧力室側へ押圧するスプリングを設け 、前記圧力室には1次側と2次側を遮断する主弁口を設け、該主弁口の1次側と 2次側の間に連通管を介して絞り弁と、2次側圧力が設定圧力よりも高くなると 開弁するパイロット弁とを配設し、前記絞り弁とパイロット弁の中間点と前記ダ イヤフラム室とを連通してなる自力式パイロット作動式開放弁と、該開放弁の1 次側と2次側を更に別の連通管で連通し、該連通管中に配設した1次側圧力調整 弁と流量調整弁から構成され、更に前記パイロット弁の開弁圧力を2次側立ち上 がり管のヘッド圧力よりも若干低い値に設定したことを特徴とする。
【0007】
【作用】
本考案による調整弁は上述のように構成されているので、ポンプ停止時に於て は、開放弁は閉弁作用ばねとダイヤフラムに作用する1次側水槽等のヘッド圧力 によって生ずる閉弁力で閉弁し、またパイロット弁及び1次側圧力調整弁では調 節ばねの弾力によりそれぞれ閉弁しているので、水が2次側へ流出することはな い。ポンプが起動すると、開放弁の1次側圧力が上昇し始めるが、1次側の水槽 のヘッド圧力より高い所定の圧力を超えると1次側圧力調整弁が開弁し、流量調 整弁を通して水は2次側へ流出する。
【0008】 このとき流量調整弁により単位時間当たりの流量は一定に制御されるため、2 次側へ流出する水量は、図3に示された略水平な横引き配管部分(ロ)が満水に なるまで、一定量に保持される。そして、横引き配管部分(ロ)が満水し、更に 空気が充満していた2次側送水配管内の末端の立ち上がり部分(ハ)が水で満た され始めると、2次側圧力は増加し始める。2次側送水管内の圧力が2次側送水 管の立ち上がりによるヘッド圧の最高値よりやや低い所定値まで上昇すると、パ イロット弁が開弁して主弁口のダイヤフラム室の圧力を2次側へ排出する。
【0009】 即ち、絞り弁がダイヤフラム室へ供給する水量よりもパイロット弁が2次側へ 排出する水量が多くなるとダイヤフラム室の圧力が降下し、『閉弁作用ばね力と ダイヤフラムの閉弁力との和』が『主弁口に加わる開弁力』より小さくなると、 主弁口が全開して送水管とポンプの間の遮閉物が無くなり、ポンプ能力の限界ま での給水量が配管末端の放水設備へ供給される。
【0010】 この様にポンプが停止している状態においては、開放弁及び1次側圧力調整弁 が閉弁しているので2次側への水の流出はなく、配管を空気で充満させて凍結に よる配管破損を防止することが出来、更にポンプ作動時においては、送り配管が 凍結防止のために実施している空の状態から放水状態へと移行する間に、2次側 配管がほぼ満水になる迄は流量調整弁によりウオ ータハンマを誘発しない管内流 速に調整して送水し、配管を水で充満させ、かつほぼ満水状態になったら主弁口 が全開してポンプから送られる水を全量通過させるため、ウオ ータハンマなどを 発生させることなく、順調な放水を行うことが出来る。
【0011】
【実施例】
以下、本考案によるウオ ータハンマ防止機能付開放弁の1実施例について、図 1に基づき基本構成を説明する。Aは開放弁、Bは検出圧力が上昇すると開弁す るパイロット弁、Cは絞り弁、Dは1次側圧力が上昇すると開弁する1次側圧力 調整弁、Eは流量調整弁である。1は開放弁Aの弁箱であって、この弁箱1には 蓋2がダイヤフラム3を介して周縁フランジ部で固定されている。
【0012】 また、弁箱1には1次側開口K1 と2次側開口K2 と主弁座4とが形成されて いる。そして、主弁体5,ダイヤフラム3,ダイヤフラム受6は共にその中心部 を弁棒7に貫通されて、この弁棒7とナット8により主弁座4上に固定されてい る。この弁棒7は、上下方向に摺動自在に上下2ケ 所でガイドされている。蓋2 とダイヤフラム受6の間には、ばね9が圧縮された状態で組付けられており、こ のばね9は主弁体5を主弁座4側に押圧している。
【0013】 弁箱1の1次側開口K1 と蓋2との間には絞り弁Cが連通管R1 と連通管R2 により連通されており、両連通管R1 ,R2 の流通断面積は、パイロット弁Bの 全開時の流通断面積より小さめに設定されている。またパイロット弁Bは蓋2と 弁箱1の2次側開口K2 に連通管R3 と連通管R4 により連通されており、連通 管R4 は分岐してパイロット弁Bのダイヤフラム室にも連通管R5 により連通さ れている。
【0014】 図2に基づきパイロット弁Bについて説明する。パイロット弁Bの弁箱20には 連通管R3 の一端が接続される連通口21と連通管R4 の一端が接続される連通口 22と、それらの連通口21,22 の間を連通する弁座23とから形成されている。弁箱 20の上側にはOリング24を介して中間筒25が固定されており、また、ダイヤフラ ム26を介してばね保護筒27が周縁部をねじ28で一体的に固定されている。弁座23 の上側には、弁体29を組付けた弁棒30が中間筒25に上下方向に摺動自在にガイド され、かつ摺動部はパッキン31によりシールされている。
【0015】 また、弁棒30の上端にはダイヤフラム受32と下ばね受33にダイヤフラム26が挟 まれて挿入され、これらはナット34で弁棒30に固定されている。下ばね受33の上 部には調整ばね35, 上ばね受36及び調整ねじ37が組付けられている。調整ねじ37 は、ばね保護筒27の上端部にねじ込まれており、この調整ねじ37のねじ込み量に より調整ばね35の圧縮量を調整することが出来るように構成されている。調整ば ね35のばね力は中間筒25とダイヤフラム26で形成されている受圧室38に導く連通 口39から導入される圧力と対向する様になっている。
【0016】 一方、連通管R6 は開放弁Aの弁箱1の入口側の開口K1 と1次側圧力調整弁 Dの弁箱の入口を連通している。1次側圧力調整弁Dの弁箱の出口は流量調整弁 Eに連通し、流量調整弁Eの出口は開放弁Aの弁箱1の出口側開口K2 へ連通す る連通管R7 に連結している。
【0017】 消火設備に本実施例を使用した場合について図3を参照して説明する。今、パ イロット弁Bの受圧室38の水圧が2kgf/cm2になったらパイロット弁Bが開弁す る様に調節ばね35を調節し、1次側圧力調整弁Dの圧力設定ばねの力を水圧1k gf/cm2に対抗する力にし、1次側の地上タンク( イ)から停止中のポンプPを経 由して開放弁Aの入口側(1次側)に0.5 kgf/cm2のヘッド圧を有する水が来て いると仮定する。
【0018】 この様にポンプPが停止の状態では、地上タンク(イ)からの略0.5 kgf/cm2 のヘッド圧を有する水は、連通管R1 を経て絞り弁Cを通過して分岐し、一方は ダイヤフラム室3aへ達してダイヤフラム3に作用して下向きの力を発生し、常時 下向きに作用しているばね9の力との和により、主弁体5を主弁座4側に押付け ることとなり、開放弁Aは閉じられたままの状態を保持し、1次側の水は2次側 へは流れない。
【0019】 そして絞り弁Cを通過して分岐された他方の水は、連通管R3 を介してパイロ ット弁Bの弁箱20の入口側連通口21に達するが、弁体29は、調節ばね36が受圧室 38の圧力が2kgf/cm2に上昇するまで閉止するように下向きに作用しているので 閉弁したままである。従って連通口22側へ水が流出することはない。
【0020】 また、連通管R6 を介して水圧1kgf/cm2で開弁作用する1次側圧力調整弁D の入口側に達した水は、水圧0.5 kgf/cm2であるから1次側圧力調整弁Dは開弁 せずここで遮断され、開放弁Aの2次側へ流出することはない。即ち、ポンプP が停止中のヘッド圧0.5kgf/cm2の水はどの通路を経ても開放弁Aの2次側開 口K2 へは流出しない。従って、弁箱1の2次側に接続された送水配管(ロ), (ハ)内は空の状態のまま保持される。
【0021】 今、ポンプPが起動すると、開放弁Aの1次側圧力が上昇し始める。ポンプP が定常状態の回転となり、開放弁Aの1次側圧力が5kgf/cm2まで上昇したとす ると、1次側圧力調整弁Dは開弁作用圧力を大幅に越えた圧力を受けるため全開 状態となる。そして水圧5kgf/cm2の水は流量調整弁Eで一定量の流量に調整さ れるのでウオ ータハンマが発生することもなく開放弁Aの2次側開口K2 へ達す る。この2次側開口K2 へ達した水は送水配管の横引き部分(ロ)が満水状態に なるまで殆ど圧力がかからない状態で増加し続ける。
【0022】 従って、2次側開口K2 に連通管R5 を経て連通しているパイロット弁Bの受 圧室38の圧力も殆ど0kgf/cm2のままなのでパイロット弁Bは閉弁したまま保持 される。また連通管R1 を経て絞り弁Cを通過してダイヤフラム室3aへ流入した 5kgf/cm2の圧力水は、主弁体5に対し下向きに作用し続けるので、開放弁Aも 閉弁したまま保持される。また、連通管R3 を経てパイロット弁Bへ達した水も 上記の如く、パイロット弁Bが閉弁されているので遮断されたままである。
【0023】 更に、2次側送水配管の横引き部分(ロ)までが満水状態となり、次いで2次 側送水配管の立ち上り部分(ハ)にまで水が増加して来ると、2次側送水配管内 の圧力は徐々に上昇して、立ち上がり配管の20mの高さまで水が達した時には 2次側送水配管及び開放弁Aの2次側開口K2 は2kgf/cm2の水圧を受けるよう になる。
【0024】 すると、連通管R5 を介して受圧室38の圧力も2kgf/cm2より増加し、パイロ ット弁Bのダイヤフラム26に加わる上向きの力が調整ばね35の下向きの力に打ち 勝って、弁体29は上動して連通口21に達していた水圧5kgf/cm2の水は開弁され た弁座23を通って連通管R4 へと流出し開放弁Aの2次側開口K2 へ流出する。
【0025】 パイロット弁Bの弁座23の開口面積は絞り弁Cの開口面積より大きくしてある ので、パイロット弁Bの作動によって、連通管R2 , 連通管R3 及びダイヤフラ ム室3aの圧力は約2kgf/cm2まで降下する。そうなると、ばね9とダイヤフラム 3に加わる下向きの圧力( 約2kgf/cm2) より主弁体4に加わる上向きの圧力( 5kgf/cm2) の方が大きくなり、主弁体4は上動して主弁口K3 は開口されて、 1次側の水は広い主弁口K3 を通過して2次側へ流れることになる。そして2次 側送水配管の末端配管の高さ30mまで達すると水はノズル(ニ)から放水され て、開放弁Aの2次側開口K2,連通管R2,R3,R4,R5,ダイヤフラム室3a及び受 圧室38は総て圧力3kgf/cm2で一定となり送水状態は安定して続行される。
【0026】 開放弁Aの主弁体4が開口した時は、送水配管内は略満水状態となっているた め、ウオ ータハンマを起こさずに十分な給水状態が得られることになる。 また、ポンプPの運転を停止して送水停止した場合には、図3に示す水抜弁F を開放すれば、2次側開口以後の送水配管全体(ロ)〜(ニ)中の水は抜かれ、 ラインはもとの状態に戻る。
【0027】
【考案の効果】
本考案は、上記のように構成されているので、ウオ ータハンマ防止機能付開放 弁を消火設備の送水配管に設置することにより、常時は送水配管を空にしておい て冬期の凍結による配管損傷を防止し得、また、消火ポンプが稼働した時にはウオ ータハンマを発生させること無く送水配管を満水にし、次に全能力による消火 活動に移ることが出来、かつその運転状態を安定に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案によるウオ ータハンマ防止機能付開放弁
の1実施例の構成を示す断面図である。
【図2】上記開放弁に使用されるパイロット弁の断面図
である。
【図3】本考案を利用した消火設備系の1例を示す配置
図である。
【符号の説明】
A 開放弁 B パイロット弁 C 絞り弁 D 1次側圧力調整弁 E 流量調整弁 F 水抜弁 K1 1次側開口 K2 2次側開口 K3 主弁口 P ポンプ R1,2,3,4,5,6,7 連通管 1 弁箱 2 蓋 3 ダイヤフラム 3a ダイヤフラム室 4 主弁座 5 主弁体 6 ダイヤフラム受 7 弁棒 8 ナット 9 ばね 20 弁箱 21,22,39 連通口 23 弁座 24 Oリング 25 中間筒 26 ダイヤフラム 27 ばね保護筒 28 ねじ 29 弁体 30 弁棒 31 パッキン 32 ダイヤフラム受 33 下ばね受 34 ナット 35 調整ばね 36 上ばね受 37 調整ねじ 38 受圧室

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁箱内をダイヤフラムにより圧力室とダ
    イヤフラム室とに区画し、該ダイヤフラム室には前記ダ
    イヤフラムを圧力室側へ押圧するスプリングを設け、前
    記圧力室には1次側と2次側を遮断する主弁口を設け、
    該主弁口の1次側と2次側の間に連通管を介して絞り弁
    と、2次側圧力が設定圧力よりも高くなると開弁するパ
    イロット弁とを配設し、前記絞り弁とパイロット弁の中
    間点と前記ダイヤフラム室とを連通してなる自力式パイ
    ロット作動式開放弁と、該開放弁の1次側と2次側を更
    に別の連通管で連通し、該連通管中に配設した1次側圧
    力調整弁と流量調整弁から構成され、更に前記パイロッ
    ト弁の開弁圧力を2次側立ち上がり管のヘッド圧力より
    も若干低い値に設定したことを特徴とするウオ ータハン
    マ防止機能付開放弁。
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