JPH06105069A - 画像読取方法及びその装置 - Google Patents

画像読取方法及びその装置

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JPH06105069A
JPH06105069A JP4274963A JP27496392A JPH06105069A JP H06105069 A JPH06105069 A JP H06105069A JP 4274963 A JP4274963 A JP 4274963A JP 27496392 A JP27496392 A JP 27496392A JP H06105069 A JPH06105069 A JP H06105069A
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JP
Japan
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pseudo
photodiode
drive pulse
capacitance
image reading
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Withdrawn
Application number
JP4274963A
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English (en)
Inventor
Satoru Murakami
悟 村上
Takeji Yamawaki
竹治 山脇
Hiromi Maeda
博巳 前田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密着型イメージセンサにおける駆動パルスの
立ち上がり時と立ち下がり時とに生じるキャパシタンス
キックを、できる限りセンサ基板を大きくしないで、完
全に相殺する。 【構成】 センサ基板上にフォトダイオードPDと出力
ラインを共通にする疑似容量C1,2,... m を設け、
これら疑似容量に駆動パルスが立ち上がる時に立ち下が
るとともに立ち下がる時に立ち上がる疑似駆動パルスを
印加し、立ち上がり時と立ち下がり時とに生じるキャパ
シタンスキックの残留成分を含む区間で積分し、これら
を完全に相殺するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像読取方法及びその装
置に関し、さらに詳しくは、ファクシミリ、イメージス
キャナ、デジタル複写機、電子黒板などの原稿上の画像
をいわゆる電荷蓄積法によって読み取る方法及びその装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリなどの原稿読み取り
部には電荷結合素子(charge coupleddevice;CCD)
を用いた縮小光学系の画像読取装置が使用されていた
が、近年は画像を等倍で読み取ることのできる画像読取
装置、いわゆる密着型イメージセンサが広く使用されて
いる。
【0003】従来の画像読取装置は、たとえば図7の配
線図に示すように、逆極性で直列に接続されたm×n個
のフォトダイオードPDとブロッキングダイオードBD
とがアレイ状に配列され、m個毎にn個のブロックB1,
2,... n に区分されていて、各ブロッキングダイオ
ードBDにはブロックB1,2,... n 毎に駆動回路D
Cが接続され、各フォトダイオードPDにはブロックB
1,2,... n 間で相対的に同じ位置にあるもの同士で
電流増幅回路IV1,IV2,... IVm を介して積分回路
IN1,IN2,... INm が接続されている。さらに、こ
れらの積分回路IN1,IN2,... INm にはサンプルホ
ールド回路SH1,SH2,... SHm とマルチプレクサ回
路MPXとが接続されている。ここでは、電流増幅回路
IV1,IV2,... IVm 、積分回路IN1,IN2,...
m 、サンプルホールド回路SH1,SH2,... SHm
びマルチプレクサ回路MPXによりフォトダイオードP
Dから流れ出す電流I1,2,... m を時間積分する信
号処理回路SCを構成している。なお、フォトダイオー
ドPD、ブロッキングダイオードBD及びこれらを接続
するためのマトリクス配線などは、ガラスなどの同一基
板上に形成されている。
【0004】この画像読取装置は、光電流による信号を
フォトダイオードPDの容量に一旦蓄積させてから検出
する電荷蓄積法によって動作させられるもので、図8に
示すように、各ブロックB1,2,... n に一定時間T
int おきに駆動パルスV1, 2,... n がそれぞれ順番
に印加される。この駆動パルスV1,2,... n が印加
されている間にフォトダイオードPDから流れ出す電流
1,2,... m が、電流増幅回路IV1,IV2,...
m により増幅された後、積分回路IN1,IN2,...
m により時間積分されることによって、その一定時間
Tint 内にフォトダイオードPDに入射した光量が電気
信号として読み出されるのである。
【0005】このように電荷蓄積法によって画像を読み
取る場合には、駆動パルスV1,2,... n の立ち上が
り時と立ち下がり時とにブロッキングダイオードBDの
容量に起因してキャパシタンスキックが生じるという問
題があるが、立ち上がり時に生じるキャパシタンスキッ
クと立ち下がり時に生じるキャパシタンスキックとは、
極性が逆で、大きさもほぼ同じになる。そこで通常は、
駆動パルスV1,2,... n の立ち上がりと立ち下がり
のタイミングを隣接するブロックB1,2,...n 間で
一致させることによって、このようなキャパシタンスキ
ックを互いに相殺するようにしている。
【0006】また別の方法として、図9に示すように、
駆動パルスV1,2,... n の立ち上がり時と立ち下が
り時とに生じるそれぞれのキャパシタンスキックCを一
括して積分することにより相殺するようにしたものも開
示されている(特開平3−123270号公報)。キャ
パシタンスキックを一括して積分するためには、たとえ
ば前述した積分回路IN1,IN2,... INm におけるス
イッチング素子Rs を次の駆動パルスV1,2,... n
が印加される直前にオンにすることによって、その積分
コンデンサをリセットするようにすればよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、駆動パ
ルスV1,2,... n の立ち上がりと立ち下がりとを一
致させる方法では、キャパシタンスキックを完全に相殺
することはできないという問題があった。キャパシタン
スキックを完全に相殺するためにはブロッキングダイオ
ードBDやフォトダイオードPDなどから成る一連の系
の時定数が隣接するブロックB1,2,... n 間で完全
に一致している必要があるが、フォトダイオードPDな
どを構成している半導体層の膜厚を完全に均一にするこ
とは困難で、フォトダイオードPDの容量は隣接するブ
ロックB1,2,... n 間でわずかに異なっているため
と考えられる。
【0008】たとえば、半導体層の膜厚が第1番目のブ
ロックB1 側から第n番目のブロックBn 側へ行くに連
れて徐々に薄くなっている場合は、フォトダイオードP
Dの容量は徐々に大きくなっていて、駆動パルスV1,
2,... n の立ち上がり時に生じるキャパシタンスキッ
クの方がわずかに大きくなる。したがって図8に示すよ
うに、明出力時の出力電流Iには信号成分に加えてキャ
パシタンスキックの残留成分Nが含まれている。また、
暗出力時の出力電流I’にはキャパシタンスキックの残
留成分Nが正のノイズとして現れる。逆に、半導体層の
膜厚が第1番目のブロックB1 側から第n番目のブロッ
クBn 側へ行くに連れて徐々に厚くなっている場合は、
暗出力時の出力電流I”にはキャパシタンスキックの残
留成分Nが負のノイズとして現れる。
【0009】一方、立ち上がり時と立ち下がり時とに生
じるキャパシタンスキックを一括して積分する方法で
は、同系で時定数が同じであるからキャパシタンスキッ
クを完全に相殺できるようにもみえるが、キャパシタン
スキックのレベルは信号成分のレベルに比べて10〜2
0倍と極めて大きく、積分回路IN1,IN2,... INm
の出力電圧VINがすぐに飽和してしまうため、実用的で
はなかった。
【0010】これに対し本発明者らは、図10に示すよ
うに、疑似フォトダイオードPD0と疑似ブロッキング
ダイオードBD0 とから構成される疑似ブロックB0
ブロックB1 の隣に設け、この疑似ブロックB0 に各駆
動パルスV1,2,... n が立ち上がる時に立ち下がる
とともに立ち下がる時に立ち上がる疑似駆動パルスを印
加し、立ち上がり時と立ち下がり時とに生じるキャパシ
タンスキックの残留成分を含む区間で積分して、これら
を完全に相殺するようにしたものを既に提案している
(特願平3−326980)。この先願に係る発明は、
キャパシタンスキックを完全に相殺することができるな
ど、優れた効果を奏するものではあるが、疑似ブロック
0 を設ける必要があるため、フォトダイオードPDや
ブロッキングダイオードBDなどが形成されているセン
サ基板が若干大きくなるという欠点があった。
【0011】そこで、本発明者らはこれらの問題を解決
し、SN比の向上などを図るため鋭意研究を重ねた結
果、本発明に至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像読取方
法の要旨とするところは、フォトダイオードに一定時間
おきに駆動パルスを印加し、該駆動パルスが印加されて
いる間に該フォトダイオードから流れ出す電流を時間積
分することによって当該一定時間内に該フォトダイオー
ドに入射した光量を電気信号として読み出す画像読取方
法において、前記フォトダイオードと出力ラインを共通
にする疑似容量に、前記駆動パルスが立ち上がる時に立
ち下がるとともに立ち下がる時に立ち上がる疑似駆動パ
ルスを印加し、前記駆動パルスが立ち下がった後まで時
間積分することにある。
【0013】一方、本発明に係る画像読取装置は、前記
画像読取方法の実施に直接使用するもので、その要旨と
するところは、フォトダイオードが形成されて成るセン
サ基板と、該フォトダイオードに一定時間おきに駆動パ
ルスを印加する駆動回路と、該駆動パルスが印加されて
いる間に該フォトダイオードから流れ出す電流を時間積
分する信号処理回路とを備えた画像読取装置において、
前記フォトダイオードと出力ラインを共通にする疑似容
量と、該疑似容量に前記駆動パルスが立ち上がる時に立
ち下がるとともに立ち下がる時に立ち上がる疑似駆動パ
ルスを印加する疑似駆動回路とを設け、かつ、前記信号
処理回路を前記駆動パルスが立ち下がった後まで時間積
分するように構成したことにある。
【0014】また、かかる画像読取装置において、前記
疑似容量をセンサ基板上に設け、前記フォトダイオード
を覆う層間絶縁膜を該疑似容量の誘電体として用いたこ
とにある。
【0015】また、かかる画像読取装置において、前記
疑似容量を前記信号処理回路の入力部に設けたことにあ
る。
【0016】
【作用】かかる画像読取方法又はその装置によれば、駆
動回路などによってフォトダイオードに一定時間おきに
駆動パルスが印加される一方、疑似駆動回路などによっ
てフォトダイオードと出力ラインを共通にして設けた疑
似容量に疑似駆動パルスが印加される。この疑似駆動パ
ルスは、駆動パルスが立ち上がる時に立ち下がるととも
に立ち下がる時に立ち上がるようにされているので、ブ
ロッキングダイオードの容量に起因して生じるキャパシ
タンスキックと、疑似容量に起因して生じるキャパシタ
ンスキックとが互いに逆極性になって、これらのほとん
どは相殺されてなくなる。
【0017】しかしながら、これらには容量差があるの
で、キャパシタンスキックは完全には相殺されず、少し
だけ残留する。すなわち、フォトダイオードの容量の方
が大きい場合には、駆動パルスが立ち上がる時にキャパ
シタンスキックの残留成分は正のノイズとして現れ、駆
動パルスが立ち下がる時に負のノイズとして現れる。逆
に疑似容量の方が大きい場合には、駆動パルスが立ち上
がる時にキャパシタンスキックの残留成分は負のノイズ
として現れ、駆動パルスが立ち下がる時に正のノイズと
して現れる。これらキャパシタンスキックの残留成分は
極性が逆になるだけでなく、或る特定のフォトダイオー
ドの容量と疑似容量との差に起因して残留するものであ
るから、それらの大きさは全く同じになる。したがっ
て、信号処理回路などによって駆動パルスが印加されて
いる間だけでなく、駆動パルスが立ち下がった後までフ
ォトダイオードから流れ出す電流が時間積分されること
によって、これらキャパシタンスキックの残留成分は完
全に相殺され、その一定時間内にフォトダイオードに入
射した光量だけが電気信号として読み出されることにな
る。
【0018】
【実施例】次に、本発明に係る画像読取方法及びその装
置の実施例を図面に基づき詳しく説明する。
【0019】図2乃至図4において、符号10は本発明
に係る画像読取装置を構成するセンサ基板の一実施例で
ある。このセンサ基板10は、逆極性で直列に接続され
たm×n個のフォトダイオードPDとブロッキングダイ
オードBDとがガラスなどの基板12上に形成され、m
個毎にn個のブロックB1,2,... n に区分されてい
る。フォトダイオードPDとブロッキングダイオードB
Dとは共に同じアモルファスシリコンなどから成る pin
構造の半導体層14,16で構成され、これら半導体層
14,16の上面にはITOなどから成る透明電極1
8,20が形成されている。また、フォトダイオードP
DとブロッキングダイオードBDとはSiOxなどから成る
層間絶縁膜22により覆われていて、その層間絶縁膜2
2に形成されたコンタクトホール24,26を介して接
続配線28によって接続されている。さらにこれら全体
は、SiNxなどから成る保護膜30によって覆われてい
る。
【0020】また、基板12上にはマトリクス配線32
が形成されていて、このマトリクス配線32によって各
ブロックB1,2,... n 間で相対的に同じ位置にある
フォトダイオードPD同士が引出配線34を介して共通
に接続されている。一方、ブロッキングダイオードBD
は共通電極36によってブロックB1,2,... n 毎に
共通に接続され、これらの共通電極36は駆動回路に接
続するための取出電極38に接続されている。
【0021】さらに、マトリクス配線32の延長線上に
はm個の疑似容量C1,2,... mが設けられている。
この点が本実施例の最大の特徴である。これら疑似容量
1,2,... m は、基板12上に形成された疑似容量
用の共通電極40と、マトリクス配線32の延長部分と
を対向電極として用い、さらに層間絶縁膜22を誘電体
として用いている。また、疑似容量用の共通電極40も
正規のブロックB1,2,... n と同様に取出電極42
に接続されている。なお、この疑似容量用の共通電極4
0は、ブロッキングダイオードBDを共通に接続する共
通電極36や引出配線34と同時に形成されている。
【0022】この場合、キャパシタンスキックは、フォ
トダイオードPDの容量CPDとブロッキングダイオード
BDの容量CBDとの合成容量CPD×CBD/(CPD
BD)に起因して発生するが、一般にCPD:CBDは1
0:1程度であるから、ほぼブロッキングダイオードB
Dの容量CBDによって決定することになる。ここで、真
空の誘電率をε0 、半導体層16の比誘電率をε、電極
20,36の対向面積をS、半導体層16の厚さをtと
すると、ブロッキングダイオードBDの容量CBDは次式
で表される。 CBD=ε0 εS/t
【0023】したがって、ブロッキングダイオードBD
の容量に起因して生じるキャパシタンスキックを有効に
相殺するためには、疑似容量C1,2,... m をブロッ
キングダイオードBDの容量CBDと同じにすればよい。
たとえば、ブロッキングダイオードBDのサイズが30
μm×30μm、半導体層16の厚さtが1μm、真空
の誘電率ε0 が8.85×10-12 、アモルファスシリ
コンの比誘電率εが12であれば、ブロッキングダイオ
ードBDの容量CBDは約0.1pFとなる。したがっ
て、疑似容量C1,2,... m も約0.1pFにすれば
よい。ここで、疑似容量C1,2,... m の誘電体であ
る層間絶縁膜22が SiO2 から成り、厚さが1μmであ
る場合は、 SiO2 の比誘電率εは約3であるから疑似容
量C1,2,... m の対向面積をブロッキングダイオー
ドBDの約4倍にすればよい。ただし、両者の容量を完
全に一致させる必要はなく、比較的近い値であればよ
い。このことは後に詳述する。
【0024】このセンサ基板10は、図1の配線図に示
すように、駆動回路DCや信号処理回路SCなどと接続
され、これらにより画像読取装置が構成されている。な
お、m個の疑似容量C1,2,... m はブロックB1
隣にアレイ状に配列され、これらにより疑似ブロックB
0 が構成されている。
【0025】ブロッキングダイオードBDのアノード電
極は各ブロックB1,2,... n 毎に共通するバッファ
ゲートを介して駆動回路DCに接続され、疑似容量C1,
2,... m の一方の電極は疑似ブロックB0 で共通す
るバッファゲートを介して疑似駆動回路DCdに接続さ
れている。また、フォトダイオードPDのアノード電極
及び疑似容量C1,2,... m の他方の電極はブロック
1,2,... n 及び疑似ブロックB0 間で相対的に同
じ位置にあるもの同士で共通に接続され、電流増幅回路
IV1,IV2,... IVm を介して積分回路IN1,IN
2,... INm に接続されている。さらに、積分回路IN
1,IN2,... INm にはサンプルホールド回路SH1,
2,... SHm とマルチプレクサ回路MPXとが接続さ
れていて、これら電流増幅回路IV1,IV2,... IVm
と、積分回路IN1,IN2,... INm と、サンプルホー
ルド回路SH1,SH2,... SHm と、マルチプレクサ回
路MPXとによって、フォトダイオードPDから流れ出
す電流I1,2,... m を時間積分する信号処理回路S
Cが構成されている。
【0026】ここで、駆動回路DCは複数のDフリップ
フロップから構成されるシフトレジスタであって、図5
のタイムチャートに示すように、クロックパルスCLK
にしたがってフォトダイオードPDにブロックB1,
2,... n 単位で順番に駆動パルスV1,2,... n
印加するものである。また、これら駆動パルスV1,
2,... n は一定時間Tint おきに印加されるようにな
っている。
【0027】また、疑似駆動回路DCdはTフリップフ
ロップとDフリップフロップとから構成され、図5のタ
イムチャートに示すように、駆動パルスV1,2,...
n が立ち上がる時に立ち下がるとともに立ち下がる時に
立ち上がる疑似駆動パルスV0 を疑似容量C1,2,...
m に印加するものである。
【0028】さらに、積分回路IN1,IN2,... INm
における各スイッチング素子Rs は駆動パルスV1,
2,... n が印加される直前にオンになり、それぞれの
積分コンデンサをリセットするようになっている。すな
わち、信号処理回路SCは、駆動パルスV1,2,...
n が立ち下がった後まで時間積分するように構成されて
いる。
【0029】次に、この画像読取装置の動作を図5のタ
イムチャートに基づき説明する。
【0030】駆動回路DCによりフォトダイオードPD
にブロックB1,2,... n 単位で順番に駆動パルスV
1,2,... n が印加され、疑似駆動回路DCdにより
疑似容量C1,2,... m に疑似ブロックB0 単位で疑
似駆動パルスV0 が印加される。この疑似駆動パルスV
0 は駆動パルスV1,2,... n が立ち上がる時に立ち
下がるとともに立ち下がる時に立ち上がるので、駆動パ
ルスV1,2,... nが立ち上がる時にブロッキングダ
イオードBDの容量に起因して生じるキャパシタンスキ
ックと、疑似駆動パルスV0 が立ち下がる時に疑似容量
1,2,... m に起因して生じるキャパシタンスキッ
クとは互いに逆極性になる。また同様に、駆動パルスV
1,2,... n が立ち下がる時に生じるキャパシタンス
キックと、疑似駆動パルスV0 が立ち上がる時に生じる
キャパシタンスキックも互いに逆極性になる。したがっ
て、フォトダイオードPDと疑似容量C1,2,... m
とはマトリクス配線32によって出力ラインを共通にし
ているため、これらキャパシタンスキックのほとんどは
相殺されてなくなる。
【0031】ところが実際は、ブロッキングダイオード
BDを構成している半導体層16の膜厚は均一になって
いないので、各ブロッキングダイオードBDと疑似容量
1,2,... m との間には容量差が生じる。このた
め、キャパシタンスキックは完全には相殺されず、少し
だけ残留することになる。
【0032】たとえば、半導体層14,16の膜厚が疑
似ブロックB0 側から第n番目のブロックBn 側へ行く
に連れて徐々に薄くなっていて、疑似容量C1,2,...
mが第1番目のブロックB1 内にあるブロッキングダ
イオードBDの容量よりも小さくなっている場合は、ブ
ロッキングダイオードBDの容量に起因して生じるキャ
パシタンスキックの方が大きく、駆動パルスV1,
2,... n が立ち上がる時には正のキャパシタンスキッ
クが残留し、駆動パルスV1,2,... n が立ち下がる
時には負のキャパシタンスキックが残留する。したがっ
て、明出力時の出力電流Iには信号成分に加えて正の残
留成分N1 と負の残留成分N2 とが含まれ、暗出力時の
出力電流I’には正の残留成分N1 と負の残留成分N2
とが交互に現れる。
【0033】逆に、半導体層14,16の膜厚が疑似ブ
ロックB0 側から第n番目のブロックBn 側へ行くに連
れて徐々に厚くなっていて、疑似容量C1,2,... m
が第1番目のブロックB1 内にあるブロッキングダイオ
ードBDの容量よりも大きくなっている場合は、駆動パ
ルスV1,2,... n が立ち上がる時には負のキャパシ
タンスキックが残留し、駆動パルスV1,2,... n
立ち下がる時には正のキャパシタンスキックが残留す
る。したがって、暗出力時の出力電流I”には前述した
場合と反対の状態で負の残留成分N2 と正の残留成分N
1 とが交互に現れる。
【0034】また、上記のような場合には、ほぼ中央の
ブロック内にあるブロッキングダイオードBDの容量に
疑似容量C1,2,... m を一致させるようにしてもよ
い。この場合の残留成分N1 ,N2 は、その中央のブロ
ックに駆動パルスが印加された時は完全になくなり、そ
の中央のブロックの前後で正の残留成分N1 と負の残留
成分N2 の現れる状態が反対になる。
【0035】これらキャパシタンスキックの残留成分N
1 ,N2 は、或る特定のフォトダイオードPDと疑似容
量C1,2,... m との間の容量差に起因して生じるも
のであるから、それらの大きさは全く同じである。した
がって、これら正の残留成分N1 と負の残留成分N2
を含む区間で出力電流I,I’,I”を時間積分すれ
ば、これら残留成分N1 ,N2 は完全に相殺されること
になる。このため、ブロッキングダイオードBDの容量
と疑似容量C1,2,... m とを完全に一致させる必要
はなく、比較的近い値であればよいのである。
【0036】このことをさらに詳述すると、積分回路I
1,IN2,... INm における各スイッチング素子Rs
が、駆動パルスVk (k=1,2,...n)が印加され終わった直
後ではなく、その次の駆動パルスVk+1 が印加され始め
る直前にオンになるので、明出力時の出力電流Iが積分
回路IN1,IN2,... INm により時間積分されると、
その出力電圧VINは一定時間Tint 内にフォトダイオー
ドPDに入射した光量に相当する信号成分だけになる。
また、暗出力時の出力電流I’,I”が積分回路IN1,
IN2,... INm により時間積分されると、その出力電
圧VIN' ,VIN" は完全に0Vになる。このように、駆
動パルスV1,2,... n が立ち下がった後の残留成分
1 ,N2 を積分区間に含めることによって、ノイズの
少ない良好な画像を読み取ることができる。
【0037】このように、本実施例に係る画像読取装置
には、疑似容量C1,2,... m と疑似駆動回路DCd
とが設けられ、かつ、積分回路IN1,IN2,... INm
における各スイッチング素子Rs が駆動パルスV1,
2,... n の印加される直前にオンになるように構成さ
れているため、キャパシタンスキックは完全に相殺さ
れ、高SN比で画像を読み取ることができる。しかも、
キャパシタンスキックを疑似駆動パルスV0 によってあ
る程度まで相殺してから時間積分するようにしているの
で、積分回路IN1,IN2,... INm がすぐに飽和して
しまうようなこともない。また、これらの系の時定数は
ほぼ一致しているため、キャパシタンスキックの残留成
分N1 ,N2 は極めて少なく、電流増幅回路IV1,IV
2,... IVmのゲイン、つまりフィードバック抵抗をフ
ォトダイオードPDの信号レベルに合わせて自由に設定
することができる。
【0038】また本実施例では、疑似容量C1,2,...
m がセンサ基板10上に設けられ、層間絶縁膜22が
これら疑似容量C1,2,... m の誘電体として用いら
れているため、センサ基板10は従来のものに比べて疑
似容量C1,2,... m の分だけ大きくなっているが、
疑似フォトダイオードPD0 などから成る疑似ブロック
0 を設けたものに比べれば格段に小さくなっている。
【0039】以上、本発明に係る画像読取方法及びその
装置の一実施例を詳述したが、本発明は上述した実施例
に限定されることなく、その他の態様でも実施し得るも
のである。
【0040】たとえば図6に示すように、マトリクス配
線32の取出電極44側に疑似容量用の共通電極46を
形成することによって、疑似容量C1,2,... m を設
けてもよい。この場合、マトリクス配線32のパターン
によってはセンサ基板10が全く大きくならないことも
ある。本例からも明らかなように、疑似容量C1,
2,... m はセンサ基板10上のどこに設けてもよく、
要するに図1の配線図に示したように、フォトダイオー
ドPDと出力ラインを共通にするように設ければよいの
である。したがって、信号処理回路SCを構成している
電流増幅回路IV1,IV2,... IVm の反転入力端子の
それぞれに疑似容量を接続し、これら疑似容量に疑似駆
動パルスV0 を印加するようにしてもよい。すなわち、
信号処理回路SCなどが内蔵された信号処理用ICの入
力部に疑似容量を内蔵してもよいのである。この場合、
センサ基板10には疑似ブロックを形成する必要はな
く、従来のセンサ基板と全く同じ大きさで足りる。さら
に、疑似容量をマトリクス配線32の両側に設け、この
両側の疑似容量に疑似駆動パルスV0 を同時に印加する
ようにしてもよい。
【0041】また、これまでの実施例では、スイッチン
グ素子Rs がオンになる時期を駆動パルスV1,2,...
n が印加される直前としてきたが、この時期は特に限
定されるものではなく、要するにキャパシタンスキック
の残留成分が一括して時間積分されるようになっていれ
ば、駆動パルスV1,2,... n が立ち下がった少し後
にオンになるようにされていてもよい。
【0042】さらに、これまでの実施例では、駆動パル
スV1,2,... n 、疑似駆動パルスV0 などを正のパ
ルスとして説明してきたが、これらは負のパルスでもよ
いの当然で、この場合、「パルスの立ち上がり」とはパ
ルスの印加開始を意味し、「パルスの立ち下がり」とは
パルスの印加終了を意味する。
【0043】その他、ブロッキングダイオードでなくT
FTなどにより選択駆動を行なうタイプの画像読取装置
にも適用し得るものであり、また、マトリクス駆動方式
でなくフォトダイオードの光信号を別々に読み出すいわ
ゆる個別駆動方式の画像読取装置にも適用し得るもので
あるなど、本発明はその主旨を逸脱しない範囲内で当業
者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態
様で実施し得るものである。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る画像読取方法は、フォトダ
イオードと出力ラインを共通にする疑似容量に、駆動パ
ルスが立ち上がる時に立ち下がるとともに立ち下がる時
に立ち上がる疑似駆動パルスを印加し、駆動パルスが立
ち下がった後までフォトダイオードから流れ出す電流を
時間積分しているため、駆動パルスの立ち上がり時と立
ち下がり時とに生じるキャパシタンスキックは完全に相
殺され、高SN比で画像を読み取ることができる。
【0045】また、この方法の実施に直接使用する本発
明に係る画像読取装置は、フォトダイオードと出力ライ
ンを共通にする疑似容量と、この疑似容量に疑似駆動パ
ルスを印加する疑似駆動回路とを設け、かつ、信号処理
回路を駆動パルスが立ち下がった後まで時間積分するよ
うに構成しているため、前述同様に、高SN比で画像を
読み取ることができる。しかも、キャパシタンスキック
を疑似駆動パルスによってある程度まで相殺してから時
間積分しているので、信号処理回路などがすぐに飽和し
てしまうようなこともない。このため、フォトダイオー
ドの信号レベルに合わせた高ゲインの増幅が可能である
など、設計の自由度が高くなる。
【0046】また、疑似容量をセンサ基板上に設け、フ
ォトダイオードを覆う層間絶縁膜をその疑似容量の誘電
体として用いているため、センサ基板はさほど大きくな
らない。さらに、疑似容量を信号処理回路の入力部に設
けた場合は、センサ基板は全く大きくならないなど、本
発明は種々の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置の一実施例を示す配
線図である。
【図2】本発明に係る画像読取装置を構成するセンサ基
板の一実施例を示す要部平面図である。
【図3】図2に示したセンサ基板をA−A線で切断して
示す断面説明図である。
【図4】図2に示したセンサ基板をB−B線で切断して
示す断面説明図である。
【図5】図1に示した画像読取装置の動作を説明するた
めのタイムチャートである。
【図6】本発明に係る画像読取装置を構成するセンサ基
板の他の実施例を示す要部平面図である。
【図7】従来の画像読取装置の一例を示す配線図であ
る。
【図8】図7に示した画像読取装置の動作を説明するた
めのタイムチャートである。
【図9】従来の他の画像読取装置の動作を説明するため
のタイムチャートである。
【図10】従来の他の画像読取装置を示す配線図であ
る。
【符号の説明】
10;センサ基板 22;層間絶縁膜 PD;フォトダイオード BD;ブロッキングダイオード C1,2,... m ;疑似容量 DC;駆動回路 DCd;疑似駆動回路 SC;信号処理回路 IV1,IV2,... IVm ;電流増幅回路 IN1,IN2,... INm ;積分回路 SH1,SH2,... SHm ;サンプルホールド回路 MPX;マルチプレクサ回路 Tint ;一定時間 V;駆動パルス V0 ;疑似駆動パルス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトダイオードに一定時間おきに駆動
    パルスを印加し、該駆動パルスが印加されている間に該
    フォトダイオードから流れ出す電流を時間積分すること
    によって当該一定時間内に該フォトダイオードに入射し
    た光量を電気信号として読み出す画像読取方法におい
    て、 前記フォトダイオードと出力ラインを共通にする疑似容
    量に、前記駆動パルスが立ち上がる時に立ち下がるとと
    もに立ち下がる時に立ち上がる疑似駆動パルスを印加
    し、前記駆動パルスが立ち下がった後まで時間積分する
    ことを特徴とする画像読取方法。
  2. 【請求項2】 フォトダイオードが形成されて成るセン
    サ基板と、該フォトダイオードに一定時間おきに駆動パ
    ルスを印加する駆動回路と、該駆動パルスが印加されて
    いる間に該フォトダイオードから流れ出す電流を時間積
    分する信号処理回路とを備えた画像読取装置において、 前記フォトダイオードと出力ラインを共通にする疑似容
    量と、該疑似容量に前記駆動パルスが立ち上がる時に立
    ち下がるとともに立ち下がる時に立ち上がる疑似駆動パ
    ルスを印加する疑似駆動回路とを設け、かつ、前記信号
    処理回路を前記駆動パルスが立ち下がった後まで時間積
    分するように構成したことを特徴とする画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記疑似容量をセンサ基板上に設け、前
    記フォトダイオードを覆う層間絶縁膜を該疑似容量の誘
    電体として用いたことを特徴とする請求項2に記載の画
    像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記疑似容量を前記信号処理回路の入力
    部に設けたことを特徴とする請求項2に記載の画像読取
    装置。
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