JPH06104506A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

磁気抵抗効果素子

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JPH06104506A
JPH06104506A JP5061225A JP6122593A JPH06104506A JP H06104506 A JPH06104506 A JP H06104506A JP 5061225 A JP5061225 A JP 5061225A JP 6122593 A JP6122593 A JP 6122593A JP H06104506 A JPH06104506 A JP H06104506A
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好昭 斉藤
Shiho Okuno
志保 奥野
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浩一郎 猪俣
Yoshinori Takahashi
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    • H10N50/00Galvanomagnetic devices
    • H10N50/80Constructional details
    • H10N50/85Magnetic active materials

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Abstract

(57)【要約】 【目的】大きな磁気抵抗変化率が得られる磁気抵抗効果
素子を提供すること、及び、低い飽和磁場を有し、小さ
な磁場変化で大きな磁気抵抗変化率を得ることができる
磁気抵抗効果素子を提供することにある。 【構成】磁性層1と、強磁性元素と非強磁性元素との混
合層2と、非磁性層3とが磁気抵抗効果を発揮するよう
に順次積層された積層体を具備する磁気抵抗効果素子を
作製する。この素子において、混合層2の原子層数をn
とし、その中の磁性層に一番近い原子層の強磁性元素の
原子濃度をX1 %、非磁性層に一番近いn番目の原子層
の強磁性元素の原子濃度をXn %とした場合に、2×
(X1 /Xn)/nが1.1 より大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性人工格子膜を基本
とし、大きな磁気抵抗変化率をもつ磁気抵抗効果素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素
子は、磁界サンサや磁気ヘッドとして広く利用されてい
る。磁性体を用いた磁気抵抗効果素子は、温度安定性に
優れ、かつ使用温度範囲が広いという特徴をもつ。従来
より、磁性体を用いた磁気抵抗効果素子には2%程度の
磁気抵抗変化率を示すパーマロイ合金薄膜が広く用いら
れているが、磁気抵抗変化率が小さいため十分な感度が
得られないという問題点があった。
【0003】これに対し、近年、磁性層と非磁性層とが
数オングストロームから数十オングストロームのオーダ
ーの周期で交互に積層された構造を有し、非磁性金属層
を介して上下の磁性層が反平行に磁気的カップリングし
た人工格子膜が巨大な磁気抵抗効果を示すとして注目さ
れ、(Fe/Cr) n (Phys.Rev.Lett.,Vol.61.p2472 (198
8)). (Co/Cu)n (J.Mag.Mag.Mat.,vol.94.Pl.1 (1991))
等の人工格子膜が開発されている。これらの膜は従来
のパーマロイ薄膜に比べ1ケタ以上大きな磁気抵抗効果
を有しているが、磁気抵抗素子などへの応用を考えた場
合には、まだ十分とはいえない。また、このような人工
格子膜は、飽和磁場が数kOeと非常に大きく、このた
め磁気抵抗素子などへの応用を考えた場合には、小さな
磁場変化で大きな感度を得ることが困難という問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の磁気抵抗効果素子においては、十分な大きさの磁気抵
抗変化を得ることが困難であるという問題点、及び小さ
な磁場変化で大きな感度を得ることが困難であるという
問題点がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、第1に大きな磁気抵抗変化
率が得られる磁気抵抗効果素子を提供することにある。
また、第2に、低い飽和磁場を有し、小さな磁場変化で
大きな磁気抵抗変化率を得ることができる磁気抵抗効果
素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
課題を解決するために、第1に、磁性層と、強磁性元素
と非強磁性元素との混合層と、非磁性層とが磁気抵抗効
果を発揮するように順次積層された積層体を具備する磁
気抵抗効果素子であって、前記混合層の原子層数をnと
し、その中の磁性層に一番近い原子層の強磁性元素の原
子濃度をX1 %、非磁性層に一番近いn番目の原子層の
強磁性元素の原子濃度をXn %とした場合に、2×(X
1 /Xn )/nが1.1 より大きいことを特徴とする磁気
抵抗効果素子を提供する。
【0007】第2に、磁性層と、非強磁性材料からなる
母金属中に前記磁性層の存在によりその中で磁気分極す
る金属元素又はその合金を含有する非磁性層とが、磁気
抵抗効果を発揮するように積層された積層体を具備する
ことを特徴とする磁気抵抗効果素子を提供する。
【0008】第3に、磁性層と、第1の非磁性層と、こ
れらの間に設けられ、非強磁性材料からなる母金属中に
前記磁性層の存在によりその中で磁気分極する金属元素
又はその合金を含有する第2の非磁性層とが、磁気抵抗
効果を発揮するように積層された積層体を具備すること
を特徴とする磁気抵抗効果素子を提供する。
【0009】以下この発明について詳細に説明する。
【0010】この発明の第1の態様は、磁性層と非磁性
層の間に、一定の強磁性元素と非強磁性元素との混合層
を設け、これらの積層体を形成することにより、より大
きな磁気抵抗変化率が得られるという本願発明者らの知
見に基づくものである。すなわち、磁性層と非磁性層と
の間に形成される混合層の原子層数をnとし、その中の
磁性層に一番近い原子層の強磁性元素の原子濃度をX1
%、非磁性層に一番近いn番目の原子層の強磁性元素の
原子濃度をXn %とした場合に、2×(X1 /Xn )/
nが1.1より大きくなるようにすることにより、極め
て大きな磁気抵抗変化率を得ることができる。
【0011】図1は本発明の第1の態様に係る磁気抵抗
効果素子を示す断面図である。この磁気抵抗効果素子
は、基板4上に、磁性層1、混合層2、非磁性層3が繰
り返し積層された積層体5が形成されたものである。
【0012】磁性層1は、例えばCo、Fe、Niのよ
うな強磁性を示す元素あるいはそれらの合金で構成され
るが、磁気抵抗効果が発揮できる強磁性体であれば特に
限定されない。その厚さtM (オングストローム、以下
Aと表わす)は、大きな磁気抵抗変化率を得る観点か
ら、2A≦tM ≦100Aが好ましく、4A≦tM ≦8
0Aがより好ましい。
【0013】非磁性層3は、磁気抵抗効果を発揮できる
非強磁性材料で形成されていれば特に限定されない。例
えばCu、Cr、Au、Ag、Ruなど室温で常磁性を
示す元素又はこれらを含む合金が挙げられる。そしてそ
の厚さtN は、大きな磁気抵抗変化率を得る観点から
は、2A≦tN ≦100Aが好ましく、9A≦tN ≦5
0Aがより好ましい。
【0014】混合層2は、強磁性元素と非磁性元素とが
混合されて形成されたものであり、磁性層1側から非磁
性層3側に向けて磁性元素が1原子層単位で濃度勾配を
有するように混合されている。そして、この濃度勾配は
急なほど好ましく、磁性層1に一番近い原子層の磁性元
素の原子濃度X1 %、非磁性層3に一番近いn番目の原
子層の磁性元素の原子濃度Xn %とした場合に、2×
(X1 /Xn )/nが1.1より大きくなるように規定
される。より好ましくは1.5より大きいことである。
この濃度勾配は、成膜条件などに依存し、例えばイオン
ビームスパッタリング法を用いたときには、成膜装置中
における基板とターゲットの相対距離、加速電圧、初期
真空度、ガス圧、成膜温度、電流値等種々条件に依存す
るするものである。この場合に、X1 は60%より大き
いことが好ましく、Xn は40%より小さいことが好ま
しい。また、この混合層2の厚さtX は、大きな磁気抵
抗変化率を得る観点からは、1.2A≦tX ≦10Aが
好ましい。
【0015】さらに、そのとき混合層において磁性原子
の周りに磁性原子が集まる確率を以下の(1)式で表わ
した場合に、(1)式中のα1 は、−0.3 ≦α1 ≦0.3
であることが好ましい。
【0016】 P(X1 )=X1 +α1 (1−X1 ) ……(1) (X1 は混合層のi番目の層の磁性原子濃度、α1 は秩
序パラメータで、−1≦α1 ≦1でかたより度を表し、
α1 =0のときランダムな原子配列、α1 <0のとき秩
序化、α1 >0のときクラスターをつくる。)。
【0017】これらの層を順次積層して所望の磁気抵抗
効果素子を形成するが、この際の積層数は特に限定され
ず適宜設定することが可能であるが、一般的には2〜数
10程度である。
【0018】次に、この発明の第2の態様について説明
する。この発明の第2の態様は、Ni等の元素を添加
し、非磁性層のCuの一部を置換したとき、強磁性層/
非磁性層界面における添加元素の磁気分極(スピン分
極)により、層間に働く負の交換相互作用が小さくな
り、飽和磁場が小さくなると共に、磁気抵抗変化Δρが
大きくなるという本願発明者らの知見に基づくものであ
る。すなわち、磁性層と、前記磁性層の存在によりその
中で磁気分極する元素を含有する非磁性層とを順次積層
して積層体を形成することにより、飽和磁場を極めて小
さくすることができると共に、磁気抵抗変化Δρえお大
きくすることができる。
【0019】図2は本発明の第2の態様に係る磁気抵抗
効果素子を示す断面図である。この磁気抵抗効果素子
は、基板13上に、磁性層11と非磁性層12とが繰り
返し積層された積層体14が形成されたものである。
【0020】磁性層11は、第1の態様と同様に、例え
ばCo、Fe、Niのような強磁性を示す元素あるいは
それらの合金が挙げられるが、磁気抵抗効果が発揮でき
る強磁性体であれば特に限定されない。
【0021】非磁性層12は、非強磁性材料からなる母
金属中に、前記磁性層の存在によりその中で磁気分極す
る金属元素又はその合金を含有し、単層として室温で常
磁性を呈するものである。このような添加材料として
は、強磁性を示す元素、Pt,Pdのような磁気分極し
やすい元素、これらの合金などが挙げられ、Ni、M
n、Pt、Pd、Rh、Co,Feのうち少なくとも一
種、又はこれらの合金が好ましい。この層の母金属とし
てはMo、Nb、Alなど非強磁性元素又は非強磁性の
合金ならばかまわないが、特にCu、Au、Agなどの
貴金属元素が望ましい。
【0022】上述のような添加材料は、室温で単層とし
て常磁性が保てる範囲で、かつ母金属中に固溶する範囲
で含有させることができる。その量は母金属、添加元素
により異なり、母金属に対して例えばCu−Mnでは2
5原子%まで、Cu−Niは43原子%まで、Cu−P
t、Cu−Pdは100原子%まで含有することができ
るが、非磁性層中の添加元素濃度が2原子%未満であれ
ば添加の効果が少なく、一方20原子%を越えると磁性
層間の反平行の磁気的カップリングを実現しにくくな
り、大きな磁気抵抗変化率は得られなくなる。
【0023】各層の膜厚は、磁気抵抗変化率の大きな値
を得る観点から決定され、磁性層11の膜厚は5A以
上、100A以下、非磁性層12の膜厚は5A以上、5
0A以下が望ましい。また、積層数は特に限定されず適
宜設定することが可能であるが、一般的には2〜数10程
度である。
【0024】次に、この発明の第3の態様について説明
する。
【0025】本願発明者らが磁気抵抗効果を示す人工格
子膜について研究を進めたところ、非磁性層のCuの一
部をNiで置換したCuNi合金層を強磁性層と非磁性
層との間に形成させることによって、磁気抵抗変化(△
ρ=ρ0 −ρn ) がCo/Cuの場合よりも大きくなる
ことを見出した。一方、この人工格子膜の磁化測定によ
り、CuNi中のNiが分極していることが明らかにな
った。このことは、Coに接した界面近傍のCuNi中
Niが分極し、このため磁性原子面と非磁性原子面との
界面における磁気的乱雑さが実質上増大し、そのために
電子のスピンに依存した散乱が大きくなり、結果として
磁気抵抗変化が大きくなったことを意味する。そしてこ
のことは、その中で磁気分極する物質を含む非磁性層を
磁性層と非磁性層との界面に挿入することによって、磁
気的な界面構造を人工的に操作できることを示す。この
第3の態様はこのような知見に基づくものであり、この
ように界面の磁気的乱雑さを制御することにより大きな
磁気抵抗効果を得ることができるものである。
【0026】図3は本発明の第3の態様に係る磁気抵抗
効果素子を示す断面図である。この磁気抵抗効果素子
は、基板24上に、磁性層21と、第1の非磁性層22
と、これらの間に設けられた第2の非磁性層23とが繰
り返し積層された積層体25が形成されたものである。
【0027】磁性層21は、第1の態様及び第2の態様
と同じであって、例えばCo、Fe、Niのような強磁
性を示す元素あるいはそれらの合金で構成されるが、磁
気抵抗効果が発揮できる強磁性体であれば特に限定され
ない。
【0028】第1の非磁性層22は、磁気抵抗効果を発
揮できる非強磁性材料で形成されていれば特に限定され
ず、例えばMo、Nb、Alなどが挙げられるが、特に
Cu、Au、Agなどの貴金属元素が望ましい。
【0029】第2の非磁性層23は、第2の態様の非磁
性層12と基本的に同じであり、非強磁性材料からなる
母金属中に、前記磁性層の存在によりその中で磁気分極
する金属元素又はその合金を含有し、単層として室温で
常磁性を呈するものである。このような添加材料として
は、強磁性を示す元素、Pt,Pdのような磁気分極し
やすい元素、これらの合金などが挙げられ、Ni、M
n、Pt、Pd、Rh、Co,Feのうち少なくとも一
種、又はこれらの合金が好ましい。この層の母金属とし
てはMo、Nb、Alなど非強磁性元素又は非強磁性の
合金ならばかまわないが、Cu、Au、Agなどの貴金
属元素が望ましい。特に、第1の非磁性層22を構成す
る材料と同じ材料が望ましい。
【0030】上述のような添加材料は、室温で単層とし
て常磁性が保てる範囲で、かつ母金属中に固溶する範囲
で含有させることができる。その量は母金属、添加元素
により異なるが、常磁性が保たれれば添加材料の量は5
0原子程度までならば構わない。
【0031】各層の膜厚は、磁気抵抗変化率の大きな値
を得る観点から決定され、磁性層21の膜厚は10A以
上、100A以下、第1の非磁性層22の膜厚は5A以
上、50A以下が望ましく、第2の非磁性層23の膜厚
は1A以上、5A以下が好ましい。また、積層数は特に
限定されず適宜設定することが可能であるが、一般的に
は2〜数10程度である。
【0032】なお、上記いずれの態様においても、各層
はイオンビームスパッタ法、高周波スパッタ法、分子線
エピタキシー法などで作成することができる。また、基
板はこれらの方法によってその上に層が形成できるもの
であればどのようなものであっても構わない。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 (実施例1)先ず、本発明の第1の態様の理論を明確に
するために、計算機シミュレーションによる解析を行っ
た。この解析においては、磁性層にFe、非磁性層にC
r、混合層の強磁性元素にFe、非強磁性元素にCrを
用いたFe/Cr系の場合と、強磁性層MにCo、非磁
性層NにCr、混合層Cの強磁性元素にCo、非磁性元
素にCrを用いたCo/Cr系の場合と説明する。
【0034】図4に本発明の第1の態様を計算機シミュ
レーションするための計算モデルと計算方法を示す。こ
れは磁性人工格子膜における磁気抵抗効果への混合層の
影響を容易に調べるのに適したモデルである。
【0035】上下各2原子厚さの磁性層、中間に3原子
厚さの非磁性層、磁性層と非磁性層との間の2原子厚さ
の接合層を混合層とし、幅を2原子厚さ、長さを無限長
としたサンドウイッチ膜構造である。結晶構造は単純立
方格子とした。
【0036】混合層のうち、磁性層に近い原子層の磁性
原子の濃度を(100−p)%、非磁性層に近い原子層
の強磁性原子の濃度をp%とし、原子混合はランダムと
する。
【0037】計算方法は薄膜層状構造の電気伝導度の計
算に便利な伝導理論による(J. Phys.C:Solid St. Phy
s., Vol. 13 pL1031 (1980), Z. Phys. B - Condensed
Matter Vol. 59 p385 (1985)) 。この理論は、x方向
の長さが(N+1)原子からなる人工格子膜で、x方向
に電場を掛けたときの電気伝導度ρxx (N+1) は、長さが
(N)原子のときの電気伝導度ρxx (N) 、(N+1)番
スライス面に関するGreen 関数の行列要素R(N+1) (E
+iγ)及び(N)と(N+1)番スライス面間の電子
の飛び移り行列V(N) によって与えられるというもので
ある。ここで、E+iγは複素数で、Eは伝導電子のエ
ネルギー、γは人工格子膜系の格子振動、不純物、格子
欠陥、格子不整合等のバルク的散乱に起因する電子状態
のぼやけ幅を表すエネルギーである。ここではバルク散
乱因子と呼ぶ。
【0038】R(N+1) (E+iγ)には、強磁性層の磁
気モーメントを平行に揃えた場合(強磁性的配置)と反
平行に揃えた場合(反強磁性的配置)の↑/↓スピン電
子の感じるポテンシャル場や原子混合の情報等が含まれ
ている。
【0039】計算機シミュレーションにおいては、Fe
及びCr原子位置での↑/↓スピン電子のポテンシャ
ル、Co及びCr原子位置での↑/↓スピン電子のポテ
ンシャルの値は電子のエネルギーバンド計算の結果を用
いた(1991 J. Phys. Soc. Jpn. Vol. 60, p376)。
【0040】上記バンド計算の結果によると強磁性的配
置においては、↑スピン電子が強磁性原子位置と非強磁
性原子位置で受けるポテンシャル差は、↓スピン電子の
受けるポテンシャル差より非常に大きい。特徴的にはF
e/Cr系では、↓スピン電子の受けるポテンシャル差
は零であり、Co/Cr系では若干のポテンシャル差が
生じている。反強磁性的配置においては、↑(あるいは
↓)スピン電子は、強磁性的配置における↑スピン電子
の受けるポテンシャルと↓スピン電子の受けるそれを半
々に結合したようなポテンシャル場を受ける。
【0041】上記伝導理論を用いてp=0、10、2
0、30、40、50、60、70、80、90、10
0%に付いて、強磁性的配置および反強磁性的配置の場
合の↑/↓スピン電子の電気伝導度を数値計算した。こ
れから↑/↓スピン電子の電気抵抗率ρF ↑(↓)、ρ
AF↑(↓)を得、更に 1/ρF =1/ρF ↑+1/ρF ↓ 1/ρAF=1/ρAF↑+1/ρAF↓=2/ρAF↑ の関係式からρF とρAFを求め、磁性人工格子膜の磁気
抵抗比 MR=(ρAF−ρF )/ρF を得た。
【0042】計算例として、図5及び図6に、夫々Fe
/Cr系及びCo/Cr系における、p=0(図中a)
及び20%(図中b)についての各種電気抵抗率とバル
ク散乱因子γ/tとの関係を示す。ここでtは隣接原子
間の電子の飛び移りエネルギーである。なお、p=20
%のとき、ρAFの計算結果とρF にはあまり差が無いの
で、それらの拡大図を示した。
【0043】無限長の薄膜層状構造で、バルク散乱と混
合層による散乱が無い場合、層長方向の電子の運動量は
保存され、電気抵抗は零となるはずである。図5、6の
p=0の結果は、これを数値計算の結果として示してい
る。
【0044】混合層では、ある確率で強磁性原子と非強
磁性原子との混合が起こっており、ポテンシャルが入れ
替わるため、一般に、混合層内での散乱による残留抵抗
が発生することになる。しかし、Fe/Cr系の↓スピ
ン電子は、Fe及びCr原子位置でのポテンシャルレベ
ルが等しいため、混合層内でポテンシャルの乱れを感じ
ることがなく、従って、↓スピン電子の混合層内の散乱
による残留抵抗は発生しない。
【0045】一方、Co/Cr系での↓スピン電子には
若干のポテンシャル差が生じているため、混合層内の散
乱による残留抵抗が発生する。
【0046】図7及び図8に、夫々Fe/Cr系及びC
o/Cr系において、γ/tの値をパラメータとしたと
きの、pとMR(磁気抵抗変化率)との関係を与える。
これはMR値に対する混合層の影響のシミュレーション
である。pの値が0%から増加するに連れて、MR値も
一般的に増大する傾向にあるが、pが更に増大して10
0%に向かうに連れて再びMR値は減少する。
【0047】すなわち、磁性人工格子膜の磁気抵抗効果
にとって最適な混合層の原子混合の確率があり、pの最
適値はFe/Cr系、Co/Cr系ともに、30〜40
%にある。
【0048】MRの実験値は、Fe/Cr系において、
測定温度4.2Kで82%、及び室温で18%(Phys.R
ev. Lett., Vol. 61, p2472 (1988)) 、Co/Cr系で
において2.5%(測定温度不明)(Phys. Rev. Lett.
Vol., 64, p2304 (1990))である。
【0049】γの主な起源として格子振動が考えられる
ので、温度上昇に連れて、γの値は増加していく。従っ
て、Fe/Cr系の計算結果は、実験結果と比べて、大
きさ、温度傾向ともに説明していることが分かる。Co
/Cr系に対しては、実験、計算結果ともに、Fe/C
r系に比べてかなり小さなMR値となっている。
【0050】図7及び8の結果より、混合層の強磁性原
子濃度分布と、MR値には相関があり、混合層の内、磁
性層に近い原子層の強磁性原子の濃度を60〜70%、
比磁性層に近い原子層の磁性原子の濃度を30〜40%
とするとき大きなMR値が得られることが分かった。
【0051】実際にこのモデルに基づいて、Fe/Cr
系及びCo/Cr系の積層体を製造して実験を行ったと
ころ、上記シミュレーションモデルと同様の結果が得ら
れた。
【0052】なお、このような関係は非磁性層の原子に
よらず、非磁性層としてCu、Ag、Au等を用いた場
合においても同様な結果が得られた。 (実施例2)ここでは磁性層にCo,非磁性層にCu,
混合層の強磁性元素にCo,非強磁性元素にCuを用
い、第1の態様に基づく磁気抵抗効果素子を作製した。
【0053】イオンビームスパッタ装置を用い、先ずM
gO(110)基板と、Co、Cuターゲットの相対位
置を設定した後、チャンバーを真空度5×10-7Torrま
で排気し、イオンガンにArガスを分圧が1.3×10
-4Torrになるまで導入した。これをイオン化して加速電
圧400eV、600eV、1keV、1.4eVと変
化させ、ターゲット電流値を30mAとしてスパッタリ
ングを行った。
【0054】加速電圧により2つのターゲットから交互
にスパッタされる原子の持つエネルギが変化し、混合層
の原子層単位の濃度勾配が異なり、かつ加速電圧
(Vb )が夫々400eV、600eV、1keV、
1.4eVに対応したa、b、c、d4種類の積層体を
得た。厚さ20Aの(磁性層/混合層/非磁性層)のセ
ットは100 セットとした。得られた膜の配向面は(11
0)であった。
【0055】これら4種の積層体の混合層中の磁性元素
の濃度分布は、NMRにより測定された。用いたNMR
装置は標準型のパルス法NMRスペクトロメータであ
る。測定温度は4.2Kで、先ず試料に直接コイルを巻き付
けてテフロンテープで固定し、スピンエコー信号を観測
し、その周波数スペクトルを得た。なお、スピンエコー
信号強度を正確に測定するため、スピン−スピン緩和の
測定を行い、強度補正を行った。
【0056】図9乃至12にa〜dそれぞれの59Co核
スピンエコー強度の周波数依存性を示す。なおスピンエ
コーの強度は周波数の2乗の強度補正がなされている。
【0057】これらの図から明らかなように、加速電圧
を高くすると、低周波数領域の信号強度が大きくなって
いることが確認された。図中実線は6個のガウシアンで
スピンエコースペクトルを最小2乗法により計算した結
果である(このときガウシアンの幅は6つとも一定とし
た)。
【0058】fcc構造は、12個の最隣接原子が存在
する。上述の6つのガウシアンラインは、高い周波数か
ら順番に、Coのまわりが全て12個のCoで囲まれてい
るサイト、Coのまわりが11個のCoと1 個のCuで囲
まれているサイト、……Coのまわりが7 個のCoで5
個のCuで囲まれているサイトに対応している。そして
それぞれの強度比がサイトか図の比に相当する。正確に
はこの強度比はT2 (スピン−スピン緩和)で補正しな
ければならない。そこでT2 を測定したところ高い周波
数から順番に29μsec 、32μsec 、33μsec 、3
4μsec 、 37μsec 、39μsec となった。これら
の測定結果より求められたそれぞれのサイト数の比を表
1〜4に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】 表1〜4より共鳴周波数はほぼ15MHz毎に分布して
いることが分かる。この内部磁場分布より混合層の磁性
原子濃度分布を求めた。
【0063】ここで内部磁場分布を与える重要な物理量
は、混合層の各原子層における磁性原子濃度分布と混合
層における原子の短距離秩序である。強磁性層に隣接す
る原子層からi番目の原子層での磁性原子濃度をXiと
すると、磁性原子の最近接サイトに磁性原子が存在する
確率P(Xi)は、以下の(2)式で与えられる。
【0064】 P(Xi)=Xi+αi(1−Xi) ……(2) 混合層においては、着目する原子の周辺には異なった磁
気モーメントを持った原子が存在し、それらからの内部
磁場の寄与が存在する。このような場合には内部磁場H
hfは、以下の(3)式に示すようになる。
【0065】 Hhf=aμself+bΣμn1 ……(3) ここで第1項は、着目する原子自身の磁気モーメントμ
selfからの寄与で、第2項は周りの原子からの寄与であ
り、通所は最近接原子サイトの磁気モーメントの和に比
例するとする。
【0066】(2)式の2つのパラメータを考慮して、
(3)式を用いて混合層の磁性原子濃度分布を求める
と、図13〜16のようになる。なお、図中aは各原子
層の磁性原子濃度Xi、α値を説明する図、bは各原子
層の原子配列を説明する図である。この図から、これら
積層膜の混合層におけるαは、-0.3≦α1 ≦0.3 であ
り、加速電圧が600 eV、1k eV のb、cについては、C
o層に一番近い原子層の磁性原子濃度X1 %と、Cu層
に一番近いn番目の原子層の磁性原子濃度Xn %の比、
2×X1 /Xn /nが1.1 より大きく、X1 >60%、ま
たは、Xn <40%である、すなわち混合層での1原子単
位の濃度勾配が急であることが分かる。
【0067】一方、このようにして混合層の状態を解析
した積層膜a〜dについて、磁化容易軸方向の磁気抵抗
効果を図17〜20に示す。
【0068】これら図に明確に示されるように、加速電
圧が400eV、1.4eVのa、dについては、磁気
抵抗変化率(MR値:△ρ/ρ)が数%と非常に小さい
のに対し、加速電圧が600eV、1keVのb、cに
ついては、数10%以上もの大きなMR値が得られてい
ることが分かる。
【0069】以上の結果より、混合層の磁性原子濃度分
布と、MR値には相関があり、混合層の濃度勾配が急で
あると大きなMR値が得られることが分かる。
【0070】なお、このような相関は、非磁性層の原子
によらず、CuAu、Au、Agなどにおいても同様の
相関が得られた。
【0071】(実施例3)ここでは、磁性層にCo、非
磁性層の母金属にCu、その添加元素としてNiを用い
て第2の態様に係る磁気抵抗効果素子を作製した。
【0072】イオンビームスパッタ装置を用いて、基板
上にCoとCu1-x Nix とからなる人工格子膜を作製
した、先ずチャンバー内を真空度2×10-7Torrま
で排気した後、イオンガンにArガスを分圧が1×10
-4Torrになるまで導入し、これをイオン化して70
0eVに加速しターゲットに照射した。ターゲットには
Co及びCu1-x Nix からなる2種類のターゲットを
用意し、これらを所定の時間ごとに交互に回転させるこ
とによってCo層およびCu1-x Nix 層の各膜厚を変
化させた人工格子膜を作成した。なお、Cu1-x Nix
としては、xが0.1のものと0.3のものの2種類を
用いた。基板としてはMgO(110)を用い、基板温
度は室温とした。
【0073】以下、膜構造の表記方法として、Coの膜
厚をt Co、Cu1-x Nix の膜厚をt Cu、Co層とCu
1-x Nix 層を1ペアとした時の繰り変し数をnとし、
この人工格子膜を(CotcoCu1-x Nix cun
表示することにする。
【0074】図21(a)に(Co10A /Cu0.7 Ni
0.3 14A )16の磁気抵抗効果曲線を示す。比較のため、
同図(b)にNiを添加しない(Co11A /Cu11A)16
の磁気抵抗効果曲線を示した。磁気抵抗変化△ρは(C
o11A /Cu11A)16が7.3μΩ・cm、(Co10A /C
0.7 Ni0.3 14A)16が5.4μΩ・cmと(Co10A/
Cu0.7 Ni0.3 14A )16のほうが若干小さくなってい
るものの、飽和磁場は(Co11A /Cu11A)16が2.7
5kOe,(Co10A /Cu0.7 Ni0.3 14A) 16が1.
45kOeであり、(Co10A /Cu0.7 Ni0.3 14A)
16の飽和磁界が(Co11A /Cu11A)16の飽和磁界の約
1/2となることが確認された。
【0075】図22は(Cotco/Cu1-x Ni
x cun においてNi量xを変化させた時の層間の相
互作用Jおよび磁気抵抗変化△ρ(=飽和磁場下の比抵
抗−磁場ゼロ時の比抵抗)を示したものである。このと
き各Co層の厚さtcoは10〜11Aであり、Cu1-x Ni
x 層の厚さtcuは磁気抵抗変化率が最大となる厚さとし
た。△ρはxが10原子%のとき界面の磁気的乱雑さに
伴い最大値を示し、xが大きくなるにつれて減少してい
る。一方、Jはxが20原子%程度でほぼ飽和してい
る。通常、飽和磁場はJの大きさに比例することから、
Ni添加量を制御することにより、磁気抵抗変化率を低
下させることなく、飽和磁場を小さくすることができる
ことがわかる。
【0076】図23に磁気抵抗効果の非磁性層層厚依存
性を示す。(a)は参考のために示したCo/Cu人工
格子のもので、(b)(c)はCo/CuNi人工格子
のものである。Ni添加によって第一ピーク位置がシフ
トし、振動周期も変化している。これにより、添加元素
によって、磁気抵抗効果を得るに適した膜厚を任意に変
えることが出来ることがわかる。
【0077】(実施例4)ここでは第3の態様に対応す
る実施例を示す。
【0078】イオンビームスパッタ装置を用いてCo/
Cu1-x Nix /Cu/Cu1-x Nix から成る人工格
子膜を作製した。先ずチャンバー内を真空度2×10-7
Torrまで排気した後、イオンガンにArガスを分圧
が1×10-4Torrになるまで導入し、これをイオン
化して700eVに加速しターゲットに照射した。ター
ゲットにはCo、Cu及びCu1-x Nix からなる4種
類のターゲットを用意し、これらを所定の時間ごとに交
互に回転させることによって16×(Co/Cu1-x
x /Cu/Cu1-x Nix )の積層構造を有する人工
格子膜を作製した。なお、Cu1-x Nix としては、x
が0.14のものと0.23のものの2種類を用いた。
また、基板としてはMgO(110)を用い、基板温度
は室温とした。
【0079】各Co層の厚さを10Aとし、Cu1-x
x /Cu/Cu1-x Nix のトータル厚さが反強磁性
的結合の第1ピークになるようにして各Cu1-x Nix
の厚さを0〜6Aまで変化させた場合の77Kにおける
△ρの変化を図24に示す。図中、Cu1-x Nix の厚
さがゼロになっているのは非磁性層がCu層単層であり
場合であり、Cu0.86Ni0.145.5 Aは非磁性層がCu
0.86Ni0.14層単層である場合を示す。同様に、Cu
0.77Ni0.236Aは非磁性層がCu0.77Ni0.23層単層
である場合を示す。
【0080】X=0.14、0.23いずれの濃度のC
uNi合金ともに、合金層が2A程界面に挿入されると
△ρはCo/Cuのそれ(△ρCu)よりも増大し、特に
X=0.14の場合には△ρCuの1.3倍以上にも達し
た。
【0081】合金層が2Aを越えると、Ni濃度が低い
場合には高い△ρを維持できるが、Ni濃度が高い場合
には△ρは序々に減少していった。
【0082】(実施例5)実施例4と同様の方法を用い
て、16×[Co(10A)/Cu1-x x (2A)/
Cu(5A〜7A)/Cu1-x x (2A)]の積層構
造を有する人工格子膜を作製した。非磁性層中の添加元
素ZとしてはFe、Co、Pt、Pdの4種類を選び、
いずれも10〜20原子%程添加した。各人工格子膜の
△ρをCo/Cu△ρ、(△ρCu) で規格化した結果を
表5に示す。いずれの場合もCo/Cuの△ρより増大
しており、不純物添加非磁性層の挿入が有効であること
がわかる。
【0083】
【表5】
【0084】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば大きな磁
気抵抗変化率が得られる磁気抵抗効果素子、及び低い飽
和磁場を有し、小さな磁場変化で大きな磁気抵抗変化率
を得ることができる磁気抵抗効果素子が提供され、工業
的な寄与が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る磁気抵抗効果素子の
層構造を示す図。
【図2】本発明の第2の態様に係る磁気抵抗効果素子の
層構造を示す図。
【図3】本発明の第3の態様に係る磁気抵抗効果素子の
層構造を示す図。
【図4】本発明の第1の態様を計算機シミュレーション
するための計算モデルと計算方法を示す図。
【図5】上記計算機シミュレーションの計算例として、
Fe/Cr系における各種電気抵抗率とバルク散乱因子
との関係を示す図。
【図6】上記計算機シミュレーションの計算例として、
Co/Cr系における各種電気抵抗率とバルク散乱因子
との関係を示す図。
【図7】Fe/Cr系において、MR値に対する混合層
の影響のシミュレーション結果を示す図。
【図8】Co/Cr系において、MR値に対する混合層
の影響のシミュレーション結果を示す図。
【図9】実施例2における積層膜aの59Co核スピンエ
コー強度の周波数依存性を示す図。
【図10】実施例2における積層膜bの59Co核スピン
エコー強度の周波数依存性を示す図。
【図11】実施例2における積層膜cの59Co核スピン
エコー強度の周波数依存性を示す図。
【図12】実施例2における積層膜dの59Co核スピン
エコー強度の周波数依存性を示す図。
【図13】実施例2における積層膜aの磁性原子濃度分
布を示す図。
【図14】実施例2における積層膜bの磁性原子濃度分
布を示す図。
【図15】実施例2における積層膜cの磁性原子濃度分
布を示す図。
【図16】実施例2における積層膜dの磁性原子濃度分
布を示す図。
【図17】実施例2における積層膜aの磁界に対するM
Rの変化率を示す図。
【図18】実施例2における積層膜bの磁界に対するM
Rの変化率を示す図。
【図19】実施例2における積層膜cの磁界に対するM
Rの変化率を示す図。
【図20】実施例2における積層膜dの磁界に対するM
Rの変化率を示す図。
【図21】実施例3におけるCo/Cu1-x Nix 人工
格子膜の磁気抵抗効果を示す図。
【図22】実施例3におけるCo/Cu1-x Nix 人工
格子膜のNi濃度に対する磁気抵抗変化△ρ及び層間に
働く負の相互作用Jを示す図。
【図23】実施例3における磁気抵抗効果の非磁性層層
厚依存性を示す図。
【図24】実施例4において、Cu1-x Nix /Cu/
Cu1-x Nix のトータル厚さが反強磁性的結合の第1
ピークになるようにして各Cu1-x Nix の厚さを0〜
6Aまで変化させた場合の77Kにおける△ρの変化を
示す図。
【符号の説明】
1……磁性層、2……混合層、3……非磁性層、4,1
3,24……基板、5,14,25……積層体、11…
…磁性層、12……非磁性層、21……磁性層、22…
…第1の非磁性層、23……第2の非磁性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 義則 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性層と、強磁性元素と非強磁性元素との
    混合層と、非磁性層とが磁気抵抗効果を発揮するように
    順次積層された積層体を具備する磁気抵抗効果素子であ
    って、前記混合層の原子層数をnとし、その中の磁性層
    に一番近い原子層の強磁性元素の原子濃度をX1 %、非
    磁性層に一番近いn番目の原子層の強磁性元素の原子濃
    度をXn %とした場合に、2×(X1 /Xn )/nが1.
    1 より大きいことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 磁性層と、非強磁性材料からなる母金属
    中に前記磁性層の存在によりその中で磁気分極する金属
    元素又はその合金を含有する非磁性層とが、磁気抵抗効
    果を発揮するように積層された積層体を具備することを
    特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 磁性層と、第1の非磁性層と、これらの
    間に設けられ、非強磁性材料からなる母金属中に前記磁
    性層の存在によりその中で磁気分極する金属元素又はそ
    の合金を含有する第2の非磁性層とが、磁気抵抗効果を
    発揮するように積層された積層体を具備することを特徴
    とする磁気抵抗効果素子。
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