JPH061039B2 - シールドライニングのコンクリート打設装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はシールドライニングのコンクリート打設装置に
関するものである。

〈従来の技術〉 従来のシールド掘進装置では既成のセグメントを組み立
てて、そのセグメントに反力をとってシールドを推進さ
せるものであった。

それに対して巻き立てた直後のコンクリートに反力をと
ってシールドを推進させる装置が存在する。

〈従来の装置の欠点〉 本発明は後者の方法に関するものであるが、コンクリー
トを加圧した場合にその内部に存在する余剰水を外部に
排出する場合に次のような欠点が存在した。

〈イ〉加圧して絞り出した余剰水が内側の型枠から構内
に流れ出るために、作業員は頭上からモルタルを含んだ
水が降ってくることになり、作業環境が悪くなる。

〈ロ〉余剰水は内側からは排出されるが、地山に接触す
る外側からは排出することができない。

したがってコンクリートの内部および外側の品質の改良
をすることができない。

〈ハ〉すべての内側の型枠には排水孔を開設する必要が
あり、特別の型枠を製造しなければならず、不経済であ
る。

〈ニ〉型枠の排水孔の目詰まりを防止するために多大な
手数を必要とする。

〈ホ〉排水は多数の排水孔から行われるから、その量を
正確に把握することはできず、充分なコンクリートの品
質の管理ができない。

〈本発明の目的〉 本発明は上記の点を改善するためになされたもので、加
圧したコンクリート内の余剰水を充分に排出することの
できるシールドライニングのコンクリート打設装置を提
供することを目的とする。

〈本発明の構成〉 つぎに本発明の一実施例を図面とともに説明する。

〈イ〉シールド掘進機の構造 本発明のシールド掘進機は二重の筒によって構成する。

すなわち掘進の際に前方に位置するフード筒１と、後方
に位置するテール筒２とである。

そしてフード筒１の内部に、テール筒２をスライド自在
に収納する。

フード筒１とテール筒２の間にはフード筒用ジャッキ１
１を位置させる。

このフード筒用ジャッキ１１の伸縮によって両筒１，２
は相互にスライドする。

〈ロ〉加圧装置 打設したコンクリートを加圧するために、テール筒２の
内側にはプレスリング３をスライド自在に位置させる。

このプレスリング３とテール筒２の間にはプレス用ジャ
ッキ３１を位置させる。

このプレス用ジャッキ３１の伸縮によってプレスリング
３を摺動させてコンクリートを圧縮する。

プレスリング３にはさらに鉄筋を挿入するための鉄筋孔
３２を開孔しておく場合がある。

〈ハ〉水抜き板 テール筒２の内側には水抜き板４を取り外し可能に取り
付け、テール筒２と一体に推進するよう構成する。

この水抜き板４は多数の排水口４１を開設した、曲面状
の板体である。

そして水抜き板４の外側にはテール筒２の中心軸と平行
に排水溝４２を刻設する。

この排水溝４２に、すべての排水口４１を連結してお
く。

この水抜き板４の取り付けはビス４３などで行う。

〈ニ〉内型枠 テール筒２の内側には内型枠５を位置させる。

この内型枠５によってテール筒２との間にコンクリート
を充填するための空間を形成することができる。

この内型枠５は従来の装置と異なり、排水孔を開設しな
い。

〈本発明装置を用いたトンネルの施工例〉 〈イ〉準備 テール筒２の内側の全面に水抜き板４を取り付ける。

その場合に、排水溝４２の一端は、プレスリング３の前
方に露出していることになる。

さらにその内側に鉄筋を組み立てる。

そのためにプレスリング３をフード筒１側に前進させて
おき空間を確保する。

もちろん鉄筋を設けないコンクリートの場合にはこの作
業は不要である。

〈ロ〉内型枠の前進 つぎに内型枠５を前進させテール筒２とプレスリング３
および内型枠５によって鉄筋Ｇ群を囲んだ空間を形成す
る。

〈ハ〉コンクリートの打設と排水 内型枠５、またはプレスリング３の一部から加圧したコ
ンクリートを圧入する。

〈ニ〉加圧と排水 圧入したコンクリートをプレス用ジャッキ３１で加圧し
つつ、テール筒２及び水抜き板４を一体に前進させる。

この時の圧力によってコンクリートの内部の余剰水は移
動を強制されて水抜き板４の排水口４１から排水溝４２
に集中し、外部に排出される。

このように余剰水が排出れることによって、コンクリー
トの水セメント比が改善される。

〈本発明の効果〉 〈イ〉プレスリングによりコンクリート内の余剰水を加
圧し、水抜き板を介して強制的に排水することができる
ため、積極的なコンクリートの品質改善を行える。

〈ロ〉コンクリートの地山側に水抜き板を設置するた
め、コンクリートの内部及び地山側の余剰水を良好に排
除することができる。

〈ハ〉内型枠は無孔のため、内部の作業員の頭上からモ
ルタル分の混合した水が降ってくることがなく、作業環
境を悪化させることがない。

〈ニ〉従来技術には、余剰水の排除と、コンクリートの
流失阻止という目的を実行するため、トンネルの全長に
亘ってシート状多孔体を敷設するものがある。

しかしこの場合、トンネル全長に亘る敷設量は極めて不
経済である。

それに対して本発明は、水抜き板をテール筒の内面にの
み装着してテール筒と一体に推進させることにより、シ
ールドトンネルの全施工中において、コンクリートの余
剰水の排出効果を得ることができる。

即ち、水抜き板は、テール筒の内面に装着するだけの量
で済む。

従って、本発明は、コンクリートの余剰水の排除という
目的を経済的に実施できる優れた発明であると言える。

【図面の簡単な説明】

第１図 本発明のシールド装置の一実施例の側面図。 第２，３図 要部の説明図。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スキンプレートのテール筒の内側に、テー
   ル筒の軸方向に移動可能に配置し、テール筒の内側に打
   設したまだ固まらないコンクリートを加圧するプレスリ
   ングと、 前記テール筒の内面に装着してテール筒と一体に推進す
   る、多数の排水孔とテール筒側の面に形成した排水溝と
   を有する水抜き板と、 前記プレスリングの内側に配置した無孔の内型枠とより
   なる、 シールドライニングのコンクリート打設装置