JPH06103541A - 磁気ディスクとスライダ間の浮上量変動測定法及び測定装置 - Google Patents

磁気ディスクとスライダ間の浮上量変動測定法及び測定装置

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JPH06103541A
JPH06103541A JP12402292A JP12402292A JPH06103541A JP H06103541 A JPH06103541 A JP H06103541A JP 12402292 A JP12402292 A JP 12402292A JP 12402292 A JP12402292 A JP 12402292A JP H06103541 A JPH06103541 A JP H06103541A
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JP
Japan
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phase
slider
measurement
laser doppler
magnetic disk
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JP12402292A
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Megumi Yoshida
恵 吉田
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザドップラー振動計の測定光軸に位相シ
フタを設け、測定光の参照光に対する位相差を最適設定
することにより、レーザドップラー振動系の有する高性
能(高周波数応答性,高感度,高空間分解能,高測定安
定性)を活かし、高精度なスライダ浮上量変動測定を実
現する。 【構成】 レーザドップラー振動計の測定光と参照光の
位相差を相殺するため、測定光軸に位相シフタを設け
る。位相シフタの最適設定値は次のように決定される。
まず、測定光のスポット位置と参照光のそれとの距離か
ら見積られる位相に位相シフタを設定する。それを基準
としてそこから+−両方向に設定値Piを微小量変化さ
せる。その際、レーザドップラー振動計の出力信号のデ
ィスク回転周波数成分Adをモニタする。Piの関数と
して表わされるAdの最小値を与えるPiが最適位相差
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置にお
ける磁気ディスクとスライダ間の浮上量変動測定法とそ
の測定法を遂行する測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速回転する磁気ディスクと磁気ヘッド
を搭載するスライダと間には空気の流体力学的効果によ
って動圧力が発生する。その動圧力を利用してスライド
を磁気ディスク上に浮上させることにより、磁気ディス
クとスライダ間の隙間(以下、浮上量という)制御が行
われている。磁気ディスクの線記録密度を向上させるた
めには、この磁気ディスクとスライダ間の浮上量を微小
化することが必須の技術である。その一方では、浮上量
を微小化すれば磁気ディスクとスライダとが接触する危
険性も増し、装置の信頼制が著しく損なわれるという側
面も併せ持っている。
【0003】現在、スライダの浮上量は0.1μm以下
という究極の領域にまで達し、スライダの浮上安定制へ
の要求はより厳しくなっている。それに伴い、磁気ディ
スクとスライダ間の浮上量変動をより高速・高精度に測
定する技術が以前にも増して望まれている。
【0004】磁気ディスクとスライダ間の浮上量変動測
定の従来技術としては主に、静電気量法、光干渉
法、レーザドップラー法の3つが挙げられる。
【0005】の静電容量法は、電極を設けた特殊スラ
イダを用い、電極と磁気ディスク間の静電容量を検知し
て浮上量を測定する方法である。
【0006】の光干渉法は、スライダもしくは磁気デ
ィスクの何れか一方に透明な光学材料(一般にはガラ
ス)を用い、スライダ面反射光とディスク面反射光との
光路差により生じる干渉光強度の変化を検知して浮上量
を測定する方法である。
【0007】のレーザドップラー法は、振動物体表面
にレーザを照射したときに生じるレーザ周波数のドップ
ラー・シフト量を検知して浮上量を測定する方法であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した静電容量法や
光干渉法の有する応答周波数は、せいぜい数10kHz
である。これらの手法は、数10kHzの固有振動数を
有する空気軸受によって支持されているスライダの動的
挙動を計測するには不十分である。また、静電容量法や
光干渉法は、磁気ディスク表面内における電気的特性や
光学特性の空間的ばらつきの影響を受け易いという問題
点がある。更に、静電容量法では浮上量変動測定の空間
分解能は電極の面積により決まるが、特殊スライダの電
極サイズを小さくするのは非常に困難である。また、光
干渉法においては、スライダもしくは磁気ディスクの何
れかをガラスのような光の透過率の非常に高い光学材料
を使用しなければならない。従って、実際のスライダと
磁気ディスクを使用した系での浮上量変動を知ることが
できない。
【0009】一方、レーザドップラー法は、約1MH
zの高い応答周波数を有する、レーザのスポット系で
決まる測定の空間分解能が高い、160dB以上の広
いダイナミックレンジを有している、振動面の電気
的,光学的性質が測定データに与える影響が少ない、等
の他の測定法に比べ数々の優位性を持っている。
【0010】しかしながら、レーザドップラー法の最大
の欠点は、磁気ディスク表面とスライダとの相対運動で
定義される真の浮上量変動が測定できない点である。本
来、レーザドップラー法では、1つの光源から得られる
レーザをビームスプリッタにより2分し、一方を測定
光、他方を参照光として両者の反射光をヘテロダイン検
波することにより2振動物体の相対振動を測定すること
が可能である。ところが、スライダとディスク間の相対
振動を測定する場合においては、スライダ直下の磁気デ
ィスク面はスライダの陰になっているため、両者を同位
相で測定することは不可能である。また、2つのビーム
をできる限り近接させても、両ビーム間に僅かでも位相
差があれば、これらの差分情報にはスライダの絶対信号
の99%を占める磁気ディスク面振れ成分が残留し、磁
気ディスクに対するスライダの相対振動成分の抽出が不
可能となる。
【0011】本発明の目的は、これらの課題を解決する
ために、レーザドップラー振動計の測定光軸に位相シフ
タを設け、測定光の参照光に対する位相差を最適に設定
することにより、磁気ディスクとスライダ間の浮上量変
動に対し、高周波数帯域にわたり高精度及び高感度の測
定を可能にすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザドップ
ラー振動計の測定光の参照光に対する位相差を最適化し
て測定する方法であって、 (A)測定光と参照光との未知の位相差に対して両者ス
ポット位置のおおよその距離差から見積った初期値を設
定し、その初期値を元に前記測定光の位相を位相シフタ
により前記測定光と前記参照光との位相差が相殺させる
方向にずらし (B)設定した初期位相を基準として前記位相シフタの
設定を+方向及び−方向に微小量へ変動させ (C)このとき、前記レーザドップラー振動計から得ら
れる信号の磁気ディスク回転周波数成分をモニタし、そ
の振幅値Adと設定位相Piとの関係を求め、前記振幅
値Adを設定位相Piの関数として表わした場合の最小
値を与える設定位相Piを位相差の最適設定値とするこ
とを特徴とする。
【0013】また、この磁気ディスクとスライダ間の浮
上量変動測定法を可能にする測定装置は、レーザドップ
ラー振動計と、その測定光軸に配設する位相シフタとを
備えている。
【0014】次に、上述した手順によって得られる最適
設定値が妥当性を有する根拠について説明する。
【0015】「1988年11月,アイ・イー・イー・
イー・トランザクション・オン・マグネティクス,第2
4巻,第6号,2739〜2741頁(IEEE TR
ANSACTIONS ON MAGNETICS,V
OL.24,NO.6,2739−2741,NOVE
MBER,1988)」において、定常浮上状態におけ
るスライダ浮上量変動はディスクランナウトの幾何学的
要因によって励起されたものが支配成分となり、その浮
上量変動関数Y1 は次式で近似されることが報告されて
いる。
【0016】 Y1 =(L2 /12)y″…………(1) ここで、Lはスライダ長であり、y″はディスクランナ
ウトの位置に関する2階微分である。(1)式は、スラ
イダ浮上量変動波形がディスクの回転周期を基本周期と
した周期関数となることを示唆している。そして、ある
周波数fにおけるディスクランナウト成分をRsin
(2πft)とすると、ディスクランナウトに追従する
スライダの絶対振動Y2 は、 Y2 =Rsin(2πft)−(L2 /12)Rsin(2πft)…(2) と書ける。これは、レーザドップラー振動計の測定光が
検出する振動成分である。参照光は測定光に対して位相
βだけ遅れたRsin(2πft−β)を検出する。従
って、レーザドップラー振動計の測定光と参照光を混合
して検出される相対振動成分Y3 は、 Y3 =Rsin(2πft)−(L2 /12)Rsin(2πft) −Rsin(2πft−β) =−(L2 /12)Rsin(2πft)+R{(1−cosβ) sin(2πft)+sinβcos(2πft)}………(3) と表わされる。ここで、β〈〈2πであれば(3) 式は次
のように近似できる。
【0017】 Y3 =−(L2 /12)Rsin(2πft) +βRcos(2πft) ………(3)′ (3)′式において、第1項がスライダ浮上量変動成分
であり、第2項が測定光と参照光との位相差のために生
じたディスクランナウトの残留成分である。また、第1
項と第2項との位相差はπ/2であるため、βが有限の
値を有する限りY3 全体(合成関数)の振幅は、第1項
のスライダ浮上量変動節分の振幅よりも大きくなる。従
って、位相差β=0のときY3 は最小振幅を示す。ディ
スクランナウトの大部分はディスク回転周波数成分が占
めるため、位相シフタの設定値とレーザドップラー振動
計の出力信号の振幅値との関係を求める場合には、周波
数fとしてディスク回転周波数を選んだ方がより著しい
変化が得られる。
【0018】
【作用】磁気ディスク装置のスライダ浮上量変動測定に
おいて、レーザドップラー振動計の測定光軸に位相シフ
タを設け、測定光の参照光に対する位相差を最適に設定
することにより、次の効果をもとらすことができる。
【0019】従来レーザドップラー振動計ではスライ
ダの絶対振動のみ測定可能であったが、測定光と参照光
の位相差をなくすことにより、スライダの絶対振動より
ディスクランナウト成分を除去し、スライダ浮上量変動
成分のみを抽出することが可能になる。
【0020】それに伴い、静電容量や光干渉法におけ
る問題点が克服される。具体的には実スライダ及び実デ
ィスクを用いた測定が可能となり、100kHzを優に
超える周波数帯域のスライダ浮上量変動が高感度でしか
も高空間分解能で測定できる。
【0021】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。
【0022】図1は本発明の一実施例の測定光軸に位相
シフタを設けたレーザドップラー振動計の光学系の概略
を示す図である。図中、1がレーザ発振管で本装置では
1mWのHe−Neレーザを用いている。2がビームス
プリッタで発振されたレーザはここで測定光と参照光の
2本に分離される。3がブラッグセルと呼ばれる周波数
シフタであって、振動の方向(+−)を区別するため、
これにより予め測定光の周波数を参照光に対して高周波
側にシフトさせておく。4がレンズ系、5が本発明によ
り新たに設置された位相シフタであり、6がディテクタ
である。
【0023】そして、この測定は5インチ・スパッタカ
ーボン保護膜付磁気ディスクを用い、ディスク回転速度
3600rpmで半径50mmの位置にIBM3380
タイプスライダを浮上させて行った。また、測定光はス
ライダ背面のトレーリングエッヂに照射し、参照光は測
定光と同トラックの近接したディスク面に照射した。
【0024】次に、本発明の測定装置による浮上量測定
方の手順は、以下の通りである。
【0025】まず、測定光と参照光との未知の位相差
に対し、両者スポット位置のおおよその距離差から見積
った初期値を設定する。そして、その初期値に従って参
照光と参照光との位相差が相殺される方向に参照光の位
相を位相シフタによってずらす。
【0026】設定した初期位相を基準として、位相シ
フタの設定を+方向と−方向にそれぞれ微小量変動させ
る。
【0027】このとき、レーザドップラー振動計から
得られる信号のディスク回転周波数成分をモニタし、そ
の振幅値Adと設定位相Piの関係を得る。そして、振
幅値Adと設定位相Piの関係として現わした場合の最
小値を与えるPiが位相差の最適設定値となる。
【0028】本実施例における位相シフタの最適設定値
は、本発明による手順に従い5.26μsecと決定さ
れた。
【0029】次に、比較のために図1の位相シフタ5を
全く機能させずに、通常のレーザドップラー振動計によ
る測定を行った。
【0030】これによると、実施例より得られたスライ
ダ浮上量変動波形は、最大振幅が10nm程度で振幅1
nm以下の空気軸受による20kHz〜30kHzの固
有振動成分も顕在化している。一方、比較例として観測
されたスライダ浮上量変動波形は最大振幅が200nm
程度もあり、磁気ディスク回転周波数と同じ60Hzの
振動成分が支配的であり、他の周波数成分はほとんど見
られない。比較例の測定条件下において、約200nm
の平均浮上量を有するスライダが定常浮上状態で200
nmの変動幅で振動するのは明らかに異常現象であり、
この振動の主要周波数成分が60Hzであることから考
え併せても、間違いなく比較例で観測されているのはデ
ィスクランナウトの残留成分である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザド
ップラー振動計の測定光軸に位相シフタを設け、測定光
の参照光に対する位相差を最適設定することにより、ス
ライダの絶対振動成分よりディスクランナウト成分の除
去が可能となる。これにより、レーザドップラー振動計
の有する高性能を活かしつつ、高精度なスライダ浮上量
変動測定が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定光軸に位相シフタを設けたレーザ
ドップラー振動計の光学系の概略図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振管 2 ビームスプリッタ 3 ブラッグセル 4 レンズ系 5 位相シフタ 6 ディテクタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザドップラー振動計の測定光の参照
    光に対する位相差を最適化して測定する方法であって、 (A)測定光と参照光との未知の位相差に対して両者ス
    ポット位置のおおよその距離差から見積った初期値を設
    定し、その初期値を元に前記測定光の位相を位相シフタ
    により前記測定光と前記参照光との位相差が相殺させる
    方向にずらし (B)設定した初期位相を基準として前記位相シフタの
    設定を+方向及び−方向に微小量へ変動させ (C)このとき、前記レーザドップラー振動計から得ら
    れる信号の磁気ディスク回転周波数成分をモニタし、そ
    の振幅値Adと設定位相Piとの関係を求め、前記振幅
    値Adを設定位相Piの関数として表わした場合の最小
    値を与える設定位相Piを位相差の最適設定値とするこ
    とを特徴とする磁気ディスクとスライダ間の浮上量変動
    測定法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気ディスクとスライダ
    間の浮上量変動測定法を可能にする測定装置であって、
    レーザドップラー振動計と、その測定光軸に配設する位
    相シフタとを備えることを特徴とする測定装置。
JP12402292A 1992-05-18 1992-05-18 磁気ディスクとスライダ間の浮上量変動測定法及び測定装置 Pending JPH06103541A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7724462B2 (en) 2008-08-01 2010-05-25 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. System, method and apparatus for direct head-disk clearance measurement by slider vibration and fly height calibration
JP2013080546A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Nhk Spring Co Ltd 姿勢角測定方法及び装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7724462B2 (en) 2008-08-01 2010-05-25 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. System, method and apparatus for direct head-disk clearance measurement by slider vibration and fly height calibration
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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19981208