JPH06103265B2 - マルチ流体変調方式による流体分析装置における相互干渉補正方法 - Google Patents

マルチ流体変調方式による流体分析装置における相互干渉補正方法

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JPH06103265B2
JPH06103265B2 JP62335864A JP33586487A JPH06103265B2 JP H06103265 B2 JPH06103265 B2 JP H06103265B2 JP 62335864 A JP62335864 A JP 62335864A JP 33586487 A JP33586487 A JP 33586487A JP H06103265 B2 JPH06103265 B2 JP H06103265B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マルチ流体変調方式(これは本発明者らの名
付けた名称である)という従来になかった特異な手法を
採用することによって、ただ1個の検出器を用いるだけ
でありながら、2つの(または2つの系に分流された)
サンプル流体を、同時にかつ連続的にしかも非常に精度
良く分析することができる、全く新規な流体分析装置に
おいて、より一層高い測定精度を得られるように、前記
2つのサンプル流体の間の相互干渉等による測定誤差を
補正する方法を提供せんとしてなされたものである。
〔従来の技術〕
例えば、サンプル流体の一例である大気中に含まれる自
動車排気ガスや工場排気ガスなどの有害成分(NOx,NyC
z、あるいは、COxなど)の濃度(ひいては量)を分析す
るような場合に使用される流体分析装置としては、従来
から、ケミカルルミネッセンス検出器(CLD)を備えた
分析装置とか、フレームイオン検出器(FID)を備えた
分析装置とか、あるいは、コンデンサマイクロフォン方
式またはマイクロフロー方式等によるニューマティック
型検出器やサーモパイルあるいは半導体等の固体検出器
を備えた非分散型赤外線分析装置(NDIR)など、各種の
検出器(センサー)を採用して成る流体分析装置が用い
られている。
ところで、前記のような流体分析を行うに際しては、例
えば、NOとNO2、あるいは、メタン(CH4)とメタン以外
のHC(NMHC)、あるいはまた、COとCO2というように、
サンプル流体中の2つの成分濃度を同時にかつ連続的に
測定する必要があることが多いが、従来一般の流体分析
装置によってそれを実現するためには、どうしても2個
の検出器(センサー)が必要であった。
即ち、NOとNO2とを同時連続測定する場合には、サンプ
ル流体を2つの測定系に分流し、一方の系にはサンプル
ガス中のNO濃度をそれ単独で測定するための第1NO検出
器を設け、他方の系にはサンプルガス中のNO2をNOに変
換する処理を施して生成された処理流体中の全NO濃度を
測定するための第2NO検出器を設ける、というように2
個のNO検出器が必要であり(NO2濃度は第2NO検出器によ
る全NO濃度検出値と第1NO検出器によるNO単独濃度検出
値との差として得られ、この手法は差量法と呼ばれ
る)、また、メタンとメタン以外のHC(NMHC)とを同時
連続測定する場合には、サンプル流体を2つの測定系に
分流し、一方の系にはサンプル流体中の全HC濃度(TH
C)を測定するための第1HC検出器を設け、他方の系には
サンプル流体中のメタン以外のHCを触媒燃焼させて除去
する処理を施して生成された処理ガス中のメタン濃度を
測定するための第2HC検出器を設ける、というように2
個のHC検出器が必要であり(この場合も差量法を用いて
おり、NMHCは第1HC検出器によるTHC濃度検出値と第2HC
検出器によるメタン濃度検出値との差として得られ
る)、また、サンプル流体中のCOとCO2とを同時連続測
定する場合には、サンプル流体を2つの測定系に分流
し、一方の系にはCO検出器を設け他方の系にはCO2検出
器を設けるというように、CO検出器とCO2検出器の2個
の異なる検出器が必要である。
そして、上記のように同一サンプル流体を2つの系に分
流することにより、そのサンプル流体中の2つの成分の
同時連続分析を行う場合に限らず、2つの異なるサンプ
ル流体について夫々の中に含まれる特定成分の同時連続
分析を行おうとする場合にも、同様に2つの検出器(セ
ンサー)を必要とすることが明らかである。
しかしながら、上記したように、同一サンプル流体中の
2つの成分の同時連続分析、あるいは、2つの異なるサ
ンプル流体について夫々の中に含まれる特定成分の同時
連続分析を行うに際して、前記従来装置におけるように
2つの検出器を用いなければならないということは、 (ア)分析装置が大型化すると共に製造コストが高くつ
く、 という問題のみならず、 (イ)2つの検出器毎にゼロ・スパン調整などの調整を
必要とするので、測定に要する手間が大きく非常に面倒
である、 (ウ)各検出器の調整が十分で無く、2つの検出器の間
にゼロ調整誤差や感度差が存在する場合には、非常に大
きな測定誤差が生じることになる、といった種々の問題
を引き起こす。
そして、このような問題を避けるために、ただ1個の検
出器を備えた分析装置を用いて、同一サンプル流体中の
2つの成分を交互に測定するとか、あるいは、2つの異
なるサンプル流体を交互に測定するという、言わばバッ
チ的な分析方法によることも考えられるが、その場合に
は、同時連続測定を行えないために、測定データが不連
続になってしまうという欠点があり、特に、前述した差
量法を用いた分析を行う場合には、測定精度の大きな劣
化を招く虞れがある。従って、端に検出器の個数を節約
するためにのみ、このようなバッチ的分析方法を採用す
ることは、流体分析の本来の目的を大きく犠牲にするこ
とになりなねず、得策とは言えない。
そこで、かかる従来実情に鑑みて、本発明者らは、鋭意
研究の結果、マルチ流体変調方式という画期的な手法を
採用することによって、ただ1個の検出器を用いるだけ
でありながら、複数の(または複数の系に分流された)
サンプル流体を、同時にかつ連続的に分析することがで
きる、全く新規な流体分析方法ならびに流体分析装置を
開発するに至り、その基本的概念については、昭和62年
12月11日付け出願の特許願および昭和62年12月12日付け
出願の特許願等の先願により、既に提案しているところ
である。
即ち、そのマルチ流体変調方式による流体分析装置(方
法については、この装置において適用されている)と
は、第3図に示す基本的概念図および第4図に示す要部
具体的構成図に示すところから明らかなように、 複数(この例では2つ)のサンプル流体S1,S2(これら
は、もともと異なるものでも、あるいは、単一のサンプ
ル流体の2つの系に分流したものでもよい)を、夫々、
比較流体R1,R2により互いに異なる周波数F1,F2(ヘル
ツ)で流体変調するための流体変調手段V1,V2と、ただ
一個の検出器Dを有すると共に、前記流体変調された各
サンプル流体S1,S2が同時にかつ連続的に供給される分
析部Aと、 前記分析部Aにおける前記検出器Dからの出力信号O
を、適宜周波数分離手段および信号整流・平滑手段(第
4図においては概念的に示している)を用いて、前記各
サンプル流体S1,S2に対する各変調周波数F1,F2の信号成
分O1,O2に分離して夫々整流および平滑化処理すること
により、前記各サンプル流体S1,S2に関する分析値を得
るための信号処理手段Bとから成り、 更に、前記信号処理手段Bを構成するには、第4図に具
体的に示しているように、 前記検出器Dからの出力信号Oから、前記各変調周波数
F1,F2付近の帯域の信号のみを夫々通過させる2つのバ
ンドパスフィルターa1,a2を互いに並列的に設けると共
に、 前記各バンドパスフィルターa1(a2)の後段に、その通
過帯域周波数F1(F2)に対応する流体変調手段V1(V2)
による実際の流体変調動作に同期して、そのバンドパス
フィルターa1(a2)からの出力信号を検波整流する同期
検波整流器b1(b2)を設け、かつ、 前記各同期検波整流器b1(b2)の後段に、それからの出
力信号を平滑化するための平滑素子c1(c2)を設けてあ
る、 という特許を備えているものである。
つまり、かかる構成を有するマルチ流体変調方式による
流体分析装置においては、例えばロータリーバルブとか
3方切換電磁弁あるいは4方切換電磁弁などで構成され
る適宜流体変調手段V1,V2を用いて、比較流体R1,R2によ
り互いに異なる周波数F1,F2で夫々流体変調した2つの
(または2つの系に分流された)サンプル流体S1,S2
を、ただ一個の検出器Dを有する分析部Aへ、同時にか
つ連続的に供給することにより、先ず、そのただ一個の
検出器Dから、全てのサンプル流体S1,S2に対応する個
々の測定信号成分(O1,O2)が一括的に重畳されたひと
つの測定信号O(=O1+O2)を得る、という従来常識で
は全く考えられなかった特異な手法を採用すると共に、
次に、前記ただ一個の検出器Dからの出力信号Oを、例
えば、第3図に例示しているように適宜周波数分離手段
と信号整流・平滑手段とを組み合わせて構成された信号
処理手段Bを用いることにより、前記各サンプル流体S
1,S2に対する各変調周波数F1,F2の信号成分O1,O2に分離
して夫々整流および平滑化処理するという信号処理を行
うことにより、前記各サンプル流体S1,S2に関する分析
値を得るようにしてあるから、たとえ、同一サンプル流
体中の2つの成分の同時連続分析、あるいは、2つの異
なるサンプル流体について夫々の中に含まれる特定成分
の同時連続分析を行うに際しても、ただ1個の検出器
(センサー)を設けるだけで済み、従って、2つの検出
器を必要としていた従来一般の流体分析装置の場合に比
べて、装置全体の小型化および簡素化ならびにコスト低
減を容易に図れると共に、検出器の調整を容易かつ短時
間に行え、かつ、従来のように複数の検出器間のゼロ調
整誤差や感度差は生じ得ないことから、常に良好な測定
精度を確保できるという基本的に優れた利点を有してい
る。
しかも、前記信号処理手段Bとしては、例えばフーリエ
解析(周波数分離処理に相当する)および絶対値平均化
処理(整流・平滑化処理に相当する)などの数値解析の
演算処理が可能なコンピューターを用いるとか、あるい
は、ロックインアンプなどの電気回路を用いるというよ
うに、種々のソフトあるいはハードによる適宜手段を構
成することが可能であるが、上記流体分析装置において
は、特に第4図に示すように、バンドパスフィルターa1
(a2)と、同期検波整流器b1(b2)と、例えばローパス
フィルターやコンデンサーで構成される平滑素子c1(c
2)とを直列接続して成る信号処理系列を2系列並列に
設けた構成としてあるため、前記のようなコンピュータ
ーあるいはロックインアンプを用いる手段に比べて、非
常に簡単でかつ安価に構成できるのみならず、バンドパ
スフィルターa1(a2)のみでは不十分である虞れがある
周波数分離作用を同期検波整流器b1(b2)により補足し
てより一層精度の良い周波数分離を行えるように構成し
てあるから、例えば、ただ端にバンドパスフィルターの
みにより周波数分離した後で直ちに絶対値整流するだけ
の構成のものに比べて、格段に優れた信号処理性能(S/
N比)を得ることはができるという利点もある。
ところが、上記したように種々の有用な利点を備えてい
るマルチ流体変調方式による流体分析装置においても、
なお次のような問題が存在している。
即ち、前記第4図を用いて説明したように、前記信号処
理手段Bにおいては、プリアンプ2を介して検出器Dか
ら入力される測定信号Oを、先ず、バンドパスフィルタ
ーa1,a2によって、両サンプル流体S1,S2に対応する個々
の測定信号成分O1(周波数F1),O2(周波数F2)に分離
するのであるが、それら両流体変調周波数F1,F2を十分
に大きく異なるものに設定するとか、あるいは、両バン
ドパスフィルターa1,a2として相当に鋭い周波数カット
特性を有する高級なものを用いる、などといった実用上
非常に困難な対策を講じない限り、それらにより確実な
周波数分離結果を得ることはできず、従って、各バンド
パスフィルターa1(a2)を通過した信号には、本来の周
波数F1(F2)の信号O1以外に、どうしても他方の流体変
調周波数F2(F1)のノイズ成分が混入してしまう、とい
う相互干渉影響が生じることになる。
このように、各バンドパスフィルターa1(a2)を通過し
た信号の中に、相互干渉影響による他方の流体変調手段
F2(F1)のノイズ成分が混入していると、下記のような
不都合が生じる。
つまり、前記両流体変調周波数F1,F2は、通常、任意に
設定され得るものであるが、その場合には、一般に、そ
の信号が同期検波整流器b1(b2)によって同期検波整流
された後においても、前記干渉ノイズ成分に対応した信
号が、測定誤差要因として残存してしまうことになる
(つまり、その平滑値が0にならない)。
このことは、例えば、一方の流体変調周波数F1を1Hz,他
方の流体変調周波数F2を3Hzとした場合の例を示した第
5図(イ),(ロ)から容易に理解されるであろう。
なお、上記のような相互干渉影響による測定誤差要因
は、特に、第5図(イ)から明らかなように、低い方の
周波数信号を測定とする系において非常に大きく現れる
が、第5図(ロ)から明らかなように、高い方の周波数
信号を測定信号とする系においてはそれほど大きく現れ
ない(つまり、高い方の周波数信号を測定信号とする系
側から低い方の周波数信号を測定信号とする系側への干
渉が大きい)という傾向があることが実験的に判明して
おり、また、それは上記第5図(イ),(ロ)のグラフ
から理論的にも検証することができる。
また、上記のような問題は、相互干渉影響によるノイズ
成分に限らず、例えば、前記流体変調手段V1(V2)の機
械的デューティのずれ等の他の要因に起因する他の系の
周波数F2(F1)のノイズ成分が混入している場合にも同
様に生じるものである。
そこで、本発明者らは、上記のような「一方の周波数信
号を測定信号とする系における他方の周波数信号の干渉
ノイズ成分等に起因する測定誤差」を可及的に低減させ
るために、更なる研究を続けた結果、下記のような技術
を開発し、それについては、昭和62年12月24日付け出願
の特許願により、既に提案しているところである。
それは、前述のような基本的構成を有するマルチ流体変
調方式による流体分析装置において、第6図に示すよう
に、前記両流体変調手段V1,V2を、それらによる流体変
調周波数F1,F2の比が偶数または偶数分の1になるよう
に設定する(F1=lHz,F2=2hlHzまたはその逆とする:h
は整数)、ということである。
即ち、かかる構成を採用することにより、例えば、両流
体変調周波数V1,V2を十分に大きく異なるものに設定し
たり、あるいは、信号処理手段Bにおける両バンドパス
フィルターa1,a2として鋭い周波数カット特性を有する
高級なものを用いる、といった実用上困難な手段を用い
ること無く、前述したような一方の周波数信号を測定信
号とする系における他方の周波数信号による干渉ノイズ
成分に起因する測定誤差等を、容易に低減させることが
できる。
つまり、例えば、一方(低い方)の流体変調周波数F1を
1Hz,他方(高い方)の流体変調周波数F2をその偶数倍
(2倍)の2Hzとした場合において、第7図(イ)に示
すように、低い方の周波数信号(1Hz)を測定信号とす
る系におけるバンドパスフィルターa1を通過した信号の
中に、本来の信号O1(1Hz)以外に、高い方の流体変調
周波数(2Hz)による干渉ノイズ成分が混入していたと
しても、その信号を同期検波整流器b1によって同期検波
整流すれば、前記ノイズ成分(2Hz)は、その後におけ
る平滑素子c1による平滑値がプラス/マイナス相殺され
て0になる形に同期検波整流されることになり、従っ
て、平滑素子c1からは、本来の信号O1(1Hz)のみに対
応する正しい測定信号が得られることになる。また、上
記とは逆に、高い方の周波数信号(2Hz)を測定信号と
する系においても、低い方の周波数信号(1Hz)による
干渉ノイズ成分が同様にその平滑値がプラズマ/マイナ
ス相殺されて0になり、やはり、測定誤差の無い正しい
測定信号が得られることが、第7図(ロ)から容易に理
解されよう。
なお、上記第7図(イ),(ロ)においては、互いに周
波数を異にする本来の信号と干渉ノイズ成分とが同一位
相である場合について例示しているが、第8図(イ),
(ロ)に示すように、それらの間に位相ずれθがある場
合でも、同様に、干渉ノイズ成分はその平滑値がプラス
/マイナス相殺されて0になる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記したように、「両流体変調手段V1,V
2を、それらによる流体変調周波数F1,F2の比が偶数また
は偶数分の1になるように設定する」という工夫によっ
て、「一方の周波数信号F1を測定信号とする系における
他方の周波数(F2)の干渉ノイズ成分に起因する測定誤
差の低減」という目的は達成されたものの、なお、次の
ような問題が残っていることが判った。
先に述べたように、各流体変調手段V1,V2により流体変
調されるサンプル流体S1,S2の実際の変調周波数には、
前記流体変調手段V1,V2がどのような構成のものにせ
よ、製作誤差や駆動機構の駆動むらなどによる機械的デ
ィユーティーのずれとか、検出部Aに至るまでの流路差
などのに起因して、本来の流体変調周波数F1,F2以外の
周波数のノイズ成分が含まれることは避け得ない。つま
り、一方の流体変調手段V1によるサンプル流体S1の流体
変調周波数の中には、本来の流体変調周波数F1の他に、
他方の系の周波数F2やその他の高調波のノイズ成分が含
まれ、また、他方の流体変調手段V2によるサンプル流体
S2の流体変調周波数の中には、本来の流体変調周波数F2
の他に、他方の系の周波数F1やその他の高調波のノイズ
成分が含まれる。
これらのノイズ成分のうち高調波ノイズ成分について
は、前記信号処理部Bにおけるバンドパスフィルターa1
(a2)や平滑素子c1(c2)が有効に働いて除去されるこ
とになるが、一方の流体変調周波数F1(F2)の系におけ
る流体変調手段V1(V2)から発生する他方の流体変調手
段V1(V2)の流体変調周波数F2(F1)と同一の周波数を
有するノイズ成分は、例えば、一方の流体変調周波数F1
を1Hz,他方の流体変調周波数F2を2Hzとした場合の例を
示した第9図(イ),(ロ)から明らかなように、その
ノイズ成分の信号は、主として機械的な要因に起因する
ものであって、通常は、本来の信号と位相ずれθ(その
値は未知である)があるために、前記同期検波整流器b
1,b2の同期検波作用によっても有効に除去されず、従っ
て、その平滑値は0にならずに、測定誤差として残って
しまう。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、
その目的は、上記したような原因による測定誤差、即
ち、『一方の周波数信号を測定信号とする系における他
方の系からの同一周波数信号の干渉ノイズ成分に起因す
る測定誤差』を、容易にかつ確実に補正することができ
る方法を提供せんとすることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明によるマルチ流体変
調方式による流体分析装置における相互干渉補正方法
は、前述したような改良された基本的構成を有するマル
チ流体変調方式による流体分析装置、即ち、 2つの(また2つの系に分流された)サンプル流体を、
夫々、比較流体により互いに異なる周波数で流体変調す
るための流体変調手段と、 ただ一個の検出器を有すると共に、前記流体変調された
各サンプル流体が同時にかつ連続的に供給される分析部
と、 前記分析部における前記検出器からの出力信号を、前記
各サンプル流体に対する各変調周波数の信号成分に分離
して夫々整流および平滑化処理することにより、前記各
サンプル流体に関する分析値を得るために、前記検出器
からの出力信号から、前記各変調周波数付近の帯域の信
号のみを夫々通過させる2つのバンドパスフィルターを
互いに並列的に設けると共に、前記各バンドパスフィル
ターの後段に、その通過帯域周波数に対応する流体変調
手段による実際の流体変調動作に同期して、そのバンド
パスフィルターからの出力信号を検波整流する同期検波
整流器を設け、かつ、前記各同期検波整流器の後段に、
それからの出力信号を平滑化するための平滑素子を設け
て成る信号分析手段とから構成してあるマルチ流体変調
方式による流体分析装置において、 前記両流体変調手段を、夫々、サンプル流体の流入口,
比較流体の流入口,前記分析部への流入口、排出口を備
えたハウジング内に所定周期で回転駆動可能な流路切り
換え用ローターを設けて成るロータリーバルブで構成す
ると共に、 それら両ロータリーバルブを、それらによる流体変調周
波数の比が偶数または偶数分の1になるように設定し、
かつ、 前記両ロータリーバルブのうちの少なくとも一方におけ
るハウジングとローターとの初期相対位置関係を調節設
定することにより、前記両ロータリーバルブの流体変調
動作の相対的位相関係を調整するという手法を用いて、 一方の周波数信号を測定信号とする系における他方の系
からの同一周波数信号の干渉ノイズ成分に起因する測定
誤差を補正する、 ようにした点に特徴がある。
〔作用〕
上記特徴ある手段を採用したことにより発揮される作用
は下記の通りである。
即ち、上記発明方法によれば、前述した第6図および第
4図の組み合わせで構成される改良された先行技術に係
るマルチ流体変調方式による流体分析装置を使用するの
で、「一方の周波数信号を測定信号とする系における他
方の周波数信号の干渉ノイズ成分等に起因する測定誤
差」を可及的に低減させ得るという基本的な作用が発揮
されることは勿論、両流体変調手段を、夫々、サンプル
流体の流入口,比較流体の流入口,前記分析部への流出
口、排出口を備えたハウジング内に所定周期で回転駆動
可能な流路切り換え用ローターを設けて成るロータリー
バルブで構成すると共に、それら両ロータリーバルブの
うちの少なくとも一方におけるハウジングとローターと
の初期相対位置関係を調節設定する、具体的には、例え
ば一方の測定系にのみサンプル流体としてスパン流体を
流した状態において、他方の系における測定値が、たと
え、前記第9図(イ)または(ロ)の下方のグラフに示
したような未知の位相ずれによる測定誤差が生じたとし
ても、その測定誤差が略々0になるように、指示計を見
ながら前記一方の系における流体変調手段(ロータリー
バルブ)のハウジングとローターとの初期相対的位置関
係を調節するという極く容易な操作を行うだけで、『一
方の周波数信号を測定信号とする系における他方の系か
らの同一周波数信号の干渉ノイズ成分に起因する測定誤
差』をも確実に補正することができる。
つまり、かかる調節操作を行うことによって、前記同一
周波数信号の干渉ノイズ成分は、第1図(イ)または
(ロ)に示すように、本来の信号との位相ずれが任意の
値θから90°(π/4)になるように補正されるのであ
り、以って、図示のように同期検波整流された結果、そ
の平滑値が0になるのである。
〔実施例〕
以下、本発明に係るマルチ流体変調方式による流体分析
装置における相互干渉補正方法の具体的実施例を図面
(第2図)に基づいて説明する。
なお、本発明においては、前述した第6図および第4図
の組み合わせで構成された、つまり、両流体変調周波数
V1,V2を、それらによる流体変調周波数F1,F2の比が偶数
または偶数分の1になるように設定する(F1=lHz,F2=
2hlHzまたはその逆とする:hは整数)、という改良され
た先行技術に係るマルチ流体変調方式による流体分析装
置を使用するが、その詳細構成については、既に説明済
みであるので、ここでは省略する。
而して、本発明方法においては、上記基本的構成を有す
るマルチ流体変調方式による流体分析装置において、前
記各流体変調手段V1(V2)を、夫々、サンプル流体S1
(S2)の流入口3,比較流体R1(R2)の流入口5,分析部A
への流出口6,排出流路への排出口4を備えたハウジング
H内に、後述する駆動機構により所定周期で回転駆動可
能な流路切り換え用ローターRを設けて成るロータリー
バルブで構成してある。
なお、それら両ロータリーバルブは、前記した通り、そ
れらによる流体変調周波数F1,F2の比が偶数または偶数
分の1になるように設定してある(例えば、F1=1Hz,F2
=2Hz)。
そして、前記両流体変調手段(ロータリーバルブ9V1,V2
のうちの少なくとも一方(この例ではV1)は、そのハウ
ジングHとローターRとの初期相対位置関係を調節設定
可能なように、そのハウジングHまたはローターRが位
置変更固定可能に、つまり、図中白抜き矢印Xで示して
いるように、対応するローターRの回転軸芯周りに回転
・固定可能に構成されている。
ところで、前記両ロータリーバルブのローターR,Rに対
する駆動機構は下記の通りである。
即ち、この例においては、高い方の流体変調周波数(2H
z)を持つ流体変調手段V2を構成するロータリーバルブ
のローターRを、回転数が2Hzに制御されたモーター7
で直接回転駆動する一方、低い方の流体変調周波数(1H
z)を持つ流体変調手段V1を構成するロータリーバルブ
のローターRを、前記モーター7の回転数を1/2に減速
する減速ギア機構8により回転駆動するようにしてあ
る。そして、前記モーーター7からぞれぞれ対応するロ
ーターRに至る回転軸系、および、前記減速ギア機構8
からそれに対応するローターRに至る回転軸系には、夫
々、前記信号処理部Bにおける同期検波整流器b1,b2に
対して、各流体変調手段V1,V2による実際の変調動作を
表す周波数信号を生成して供給するための、例えば光学
式(フォトインターラプターなど)の同期信号発生器9
a,9bが設けられている。なお、前記両ロータリーバルブ
のローターR,Rを互いに回転数の異なる2つのモーター
を用いて各別に駆動しても差し支え無いことは言うまで
もない。
さて、上記のように構成されたマルチ流体変調方式によ
る流体分析装置において、前記のように調節可能とされ
た一方の流体変調手段(ロータリーバルブ)の測定系に
のみサンプル流体としてスパン流体を流した状態におい
て、指示計を見ながら試行錯誤的に、他方の系における
測定値が0になるように、前記ロータリーバルブのハウ
ジングまたはローターの初期位置を調節設定して、それ
らハウジングとローターとの初期相対位置関係を調節す
るという極く容易な操作を行えば、前述の〔作用〕の欄
で詳細に説明したように、「一方の周波数信号を測定信
号とする系における他方の周波数信号の干渉ノイズ成分
等に起因する測定誤差」を可及的に低減させ得るのみな
らず、『一方の周波数信号を測定信号とする系における
他方の系からの同一周波数信号の干渉ノイズ成分に起因
する測定誤差』をも確実に補正することができるのであ
る。
〔発明の効果〕
以上詳述したところから明らかなように、本発明に係る
マルチ流体変調方式による流体分析装置における相互干
渉補正方法によれば、前述した改良された先行技術に係
るマルチ流体変調方式による流体分析装置において、両
流体変調手段を、夫々、サンプル流体の流入口,比較流
体の流入口,前記分析部への流出口,排出口を備えたハ
ウジング内に所定周期で回転駆動可能な流路切り換え用
ローターを設けて成るロータリーバルブで構成すると共
に、それら両ロータリーバルブのうちの少なくとも一方
におけるハウジングとローターとの初期相対位置関係を
調節設定するようにしたので、「一方の周波数信号を測
定信号とする系における他方の周波数信号の干渉ノイズ
成分等に起因する測定誤差」を可及的に低減させ得ると
いう基本的な作用が発揮されることは勿論、『一方の周
波数信号を測定信号とする系における他方の系からの同
一周波数信号の干渉ノイズ成分に起因する測定誤差』を
も確実に補正することができ、以って、より一層優れた
測定精度を得ることができる、という顕著な効果が発揮
される。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ),(ロ)は、夫々、本発明に係るマルチ流
体変調方式による流体分析装置における相互干渉補正方
法の作用の説明図を示す。 そして、第2図は、本発明方法を適用したマルチ流体変
調方式による流体分析装置の一実施例における要部の模
式的構成図を示す。 また、第3図ないし第9図は本発明の技術的背景ならび
に先行技術における問題点を説明するためのものであっ
て、第3図および第4図は、先行技術にかかるマルチ流
体変調方式による流体分析装置の基本的概念、および、
その要部の具体的構成の説明図、第5図(イ),(ロ)
は夫々その問題点の説明図を示し、また、第6図はその
問題点を改良したマルチ流体変調方式による流体分析装
置の全体概略構成図、第7図(イ),(ロ)および第8
図(イ),(ロ)は夫々その作用効果の説明図、更に、
第9図(イ),(ロ)は夫々その別の問題点の説明図を
示している。 S1,S2:サンプル流体、 R1,R2:比較流体、 F1,F2:流体変調周波数、 V1,V2:流体変調手段、(ロータリーバルブ)、 H:ハウジング、 R:ローター、 3:サンプル流体S1(S2)の流入口、 4:排出口、 5:比較流体R1(R2)の流入口、 6:検出部Aへの流出口、 A:分析部、 D:検出器、 B:信号処理手段、 O:検出器Dからの出力信号、 O1,O2:各サンプル流体S1,S2に対する各変調周波数F1,F2
の信号成分、 a1,a2:バンドパスフィルター、 b1,b2:同期検波整流器、 c1,c2:ローパスフィルター。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの(また2つの系に分流された)サン
    プル流体を、夫々、比較流体により互いに異なる周波数
    で流体変調するための流体変調手段と、 ただ一個の検出器を有すると共に、前記流体変調された
    各サンプル流体が同時にかつ連続的に供給される分析部
    と、 前記分析部における前記検出器からの出力信号を、前記
    各サンプル流体に対する各変調周波数の信号成分に分離
    して夫々整流および平滑化処理することにより、前記各
    サンプル流体に関する分析値を得るために、前記検出器
    からの出力信号から、前記各変調周波数付近の帯域の信
    号のみを夫々通過させる2つのバンドパスフィルターを
    互いに並列的に設けると共に、前記各バンドパスフィル
    ターの後段に、その通過帯域周波数に対応する流体変調
    手段による実際の流体変調動作に同期して、そのバンド
    パスフィルターからの出力信号を検波整流する同期検波
    整流器を設け、かつ、前記各同期検波整流器の後段に、
    それからの出力信号を平滑化するための平滑素子を設け
    て成る信号分析手段とから構成してあるマルチ流体変調
    方式による流体分析装置において、 前記両流体変調手段を、夫々、サンプル流体の流入口,
    比較流体の流入口,前記分析部への流出口,排出口を備
    えたハウジング内に所定周期で回転駆動可能な流路切り
    換え用ローターを設けて成るロータリーバルブで構成す
    ると共に、 それら両ロータリーバルブを、それらによる流体変調周
    波数の比が偶数または偶数分の1になるように設定し、
    かつ、 前記両ロータリーバルブのうちの少なくとも一方におけ
    るハウジングとローターとの初期相対位置関係を調節設
    定することにより、前記両ロータリーバルブの流体変調
    動作の相対的位相関係を調整するという手法を用いて、 一方の周波数信号を測定信号とする系における他方の系
    からの同一周波数信号の干渉ノイズ成分に起因する測定
    誤差を補正する、 ことを特徴とするマルチ流体変調方式による流体分析装
    置における相互干渉補正方法。
JP62335864A 1987-12-11 1987-12-26 マルチ流体変調方式による流体分析装置における相互干渉補正方法 Expired - Lifetime JPH06103265B2 (ja)

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EP19880120269 EP0319887B1 (en) 1987-12-11 1988-12-05 Method and apparatus for analyzing fluids by multi-fluid modulation modes
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US07/820,146 US5255072A (en) 1987-12-11 1992-01-13 Apparatus for analyzing fluid by multi-fluid modulation mode

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