JPH06102588B2 - 化合物半導体結晶の育成方法 - Google Patents

化合物半導体結晶の育成方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、気密容器を用いてGaAs等の化合物半導体結晶
を育成する方法に関するものである。
[従来の技術] GaAs結晶は、発光特性、磁電変換特性、電子の高速性な
ど、他の材料にない優れた特長を有しており、工業的価
値が極めて高い材料である。その結晶成長方法には多数
の方法が提案されており、工業的生産に用いられている
方法も幾つかある。その中で広く用いられているのがB2
O3等の不活性液体をGaAs融液に浮かべ、融液からのAsの
解離を防ぎつつ、融液に接触させた種結晶を核として、
回転しながら引き上げる液体封止引上げ法(LEC法)で
ある。この方法は比較的簡単に単結晶が得られる特長を
有し、工業生産性の高い方法であり、LSI用の半絶縁体G
aAs結晶などの用途で実用化されている。
ところで、B2O3の不活性液体をGaAs融液に浮かべると、
この部分の温度勾配が大きくなって、結晶が熱歪みを受
ける。GaAs結晶は、本来脆くて、熱歪みに弱い物質であ
るため、製造中に結晶が受ける熱歪みにより、転位と呼
ばれる結晶欠陥を発生したり、甚だしい場合には結晶に
クラックが生ずることがある。これらを改善するために
は、結晶全体の温度分布を均一にし、熱歪みを小さくす
ることが有効である。ただしこの場合には、結晶全体の
温度が上昇するため、引上げ中の結晶表面からのAsの解
離が生じ、結晶表面にGaの析出が生じたり、新たな転位
の発生源ともなる。
そこで、これらの問題を解決するためになされた一つの
試みが特公昭61−1397号公報記載の2重融液シール引上
法である(第3図)。これは、LEC法の引上げ装置を改
善したものである。るつぼ1の周囲を石英容器等から構
成した気密容器2で覆い、引上軸3と気密容器2との間
隙をB2O3液体封止剤4で塞ぐ。気密容器2の中をAs雰囲
気とすることにより、GaAs融液5表面からのAs解離を防
ぐことができ、熱歪みの小さな環境でGaAs結晶6を育成
するのに最適な方法である。なお、7は気密容器2を覆
う圧力容器、8は結晶成長温度を作るヒータである。
もう一つ別な熱歪みを低減する方法として、縦型ブリッ
ジマン法と呼ばれるものがある。これは第4図に示すよ
うに、縦長のるつぼ11にGaAs原料を入れてGaAs融液15を
作り、種結晶19を設けたるつぼ底から固化させて、GaAs
結晶16を製造するものである。この方法では、融液15か
らのAsの解離を防ぐ必要から、るつぼ11全体を気密容器
12で覆い、その中に配したAsを加熱ガス化してAs雰囲気
とする工夫がなされている(W.A.Gault他.J.Crystal Gr
owth 74,P491(1986年))。なお、17は高圧容器、18は
ヒータである。LEC法に比べて、るつぼ11全体の均熱化
が容易であり、転位の少ない結晶が得られる。
[発明が解決しようとする課題] 前述の2重融液シール引上げ法及びたて型ブリッジマン
法に共通な点は、結晶育成容器としてのるつぼ全体を気
密性の高い容器で覆う点である。この場合の問題点とし
て、気密容器内部のAsガス圧の制御が難しく、気密容器
の内外圧の圧力差により様々弊害が生じる。
例えば、第3図の2重融液シール法では、引上軸3と気
密容器2の摺動部にB2O3融液4などを流し込んで気密シ
ールとするが、圧力差が生ずるとB2O3融液4が吹きこぼ
れたり、逆に気密容器2の中へ吸い込まれたり、さらに
は気密容器2が破損することもある。
同様に、第4図の縦型ブリッジマン法でも圧力差により
気密容器12が破損してしまうことがある。
これらの改善の一例として、たて型ブリッジマン法で特
開平1−37497号公報に見られるように、気密容器に圧
力バランスのための細孔を設ける方法がある。この方法
では、圧力バランスの改善はされるものの、細孔からAs
ガスが噴き出すため、気密容器内部をAs雰囲気に保つこ
とが難しい。そこで、同公報ではAs供給源を備える工夫
がされているが、Asを大量に放出してしまうため経済的
ではない。また細孔に固化したAsが付着することがあ
り、その場合、細孔が閉塞して容器が破損することがあ
る。
また、密閉容器に容器内外の圧力差をやわらげて容器内
のAsガスの外部への拡散を抑制する圧力緩衝通路を設け
る方法(特願平01−272542号明細書)も考えられている
が、容器内で蒸気化したAsガスの圧力が容器外圧以上に
なるとAsの放出量が増すばかりでなく容器破損の危険も
ある。
このことをもう少し説明する。容器内のAs分圧が、その
温度におけるAsの蒸気圧に等しくなると平衡状態に達す
るため、それ以上のAsの昇華は起こらない。よって、 容器外の圧力(Pout)≧容器内の圧力(Pin) の状態が保たれれば、容器内のAsは平行状態になってか
らはそれ以上昇華せず、Asの放出量は増えない。
逆に、 Pout<Asの蒸気圧PAS になっていれば容器内のAs分圧はAsの蒸気圧に達するこ
となく(平衡状態に達することなく)、Asは流出し続け
る。
Pout<<PAS の場合は、緩衝通路は細く、ガスの出入りはごくわずか
であるため、緩衝通路からのガスの流出だけでは流量が
不足し、容器内圧力が高まって容器破損の危険がある。
また、Asの流出量がない場合は緩衝通路内又はその周辺
でAsが析出し、通路が塞がれて容器内のガスが放出され
なくなり、内圧が高まって容器が破損する危険がある。
本発明の目的は化合物半導体を構成する元素のうち、蒸
気圧の高い元素のガス雰囲気中で結晶を育成する従来技
術の欠点を解消し、熱歪みの小さな環境で高品質な化合
物半導体結晶を安定かつ安全で、しかも経済的に育成す
ることのできる化合物半導体結晶の育成方法を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の化合物半導体結晶の育成方法は、気密容器に気
密容器内外の圧力差を和らげて容器内の元素ガスの外部
への拡散を抑制する圧力緩衝通路を備え、結晶を育成し
ている間は、気密容器外の不活性雰囲気ガスの圧力を、
気密容器内に収容された化合物半導体原料を構成する元
素のうち、蒸気圧の高い元素ガスの分圧以上の一定値に
常に保持するようにしたものである。
そして、元素ガスが気密容器外へ拡散排出されにくくす
るために、この圧力緩衝通路の位置を気密容器内の元素
ガスの偏在する位置から遠ざけることが好ましい。
なお、上記圧力バランスの保持を、結晶を育成している
間としたのは、結晶育成中に容器内の成分元素がある蒸
気圧を持ち得、昇温中又は冷却中のある温度以下では元
素ガスの分圧の和がゼロとなるからである。また、結晶
育成後に容器内の圧力が容器外の圧力よりも大きくなる
場合があり、炉の構造によってはその方がよい場合もあ
るので、それを排除しないようにするためである。
本発明方法に適用可能な化合物半導体はGaAs、InP、GaP
等のIII−V族化合物半導体やZnSe、CdTe等のII−VI族
化合物半導体の他、これらの三元素化合物が含まれる。
即ち、化合物半導体を構成する少なくとも1つ以上の元
素が、結晶育成に必要な温度下で揮散するのに充分な蒸
気圧を有する総ての化合物半導体に適用が可能である。
[作用] 本発明の前提として、気密容器に圧力緩衝通路が備えら
れ、気密容器内外が連通していることにより、気密容器
内にはこれに収容される化合物半導体原料を構成する元
素ガスと気密容器外の雰囲気である不活性ガスが満たさ
れる。
気密容器内の高い蒸気圧を有する元素ガスの圧力が、そ
の温度における飽和蒸気圧になっていれば、それ以上の
元素ガスの蒸発は抑制することができる。この飽和蒸気
圧は他の気体の共存によって影響されない。気体の全圧
力は、その気体を構成している各気体の分圧の和に等し
くなる。
よって、容器内に飽和蒸気が満たされて平衡状態になっ
ている時に、 容器内の圧力(不活性ガスの分圧+Σ元素ガスの分圧)
=容器外の圧力(不活性ガス圧力) (1) となっていなければ、元素ガスの容器外への排出を抑え
られない。即ち、容器外の不活性ガス圧力は常に各元素
ガスの分圧の和以上(上記(1)式で不活性ガスの分圧
をゼロとすると、Σ元素ガスの分圧≦不活性ガス圧力と
なる)になっている必要がある。これを更に詳述する。
昇温前の状態では、 容器内の圧力(Pin)=容器外の圧力(Pout)=不活性G
aAs圧力 となっている。
結晶成長のため容器内を昇温すると、蒸気圧の高い元素
ガスが昇華又は蒸発して分圧を持つようになる。そのた
め、 Pin=不活性ガスの圧力+Σ元素ガスの分圧 Pout=不活性ガスの圧力 となり、不活性ガスも膨張して圧力は上昇するが、全体
として、 Pin>Pout となって平衡状態が崩れる。平衡状態が崩れると容器内
のガスは緩衝通路を通じて容器外に流出し、 Pin=Pout の平衡状態に達しようとする。このときPoutがその温度
における各元素ガスの分圧(蒸気圧)の和以下だと、容
器内のガスは流出し続けることになってしまう。本発明
は、この流出を防止するために結晶育成中の容器内圧力
を Pin≦Pout となるように規定しているのである。
なお、 Pout>(Σ元素ガスの分圧) となるように不活性ガスの初期圧力を設定して容器内を
封じきって成長を行なう場合でも、昇温中の非平衡状態
で Pin≧Pout の状態ができ、容器内のガスはある程度容器外へ流出す
る。しかし、成長中は Pin=Pout又はPin≦Pout(容器内を降温した場合) となり、容器内のガスは流出しない。
従って、昇温中常に、 Pout≧Pin となるように、元素ガスの分圧に合せて容器内圧力(=
Pout)を調節(加圧)する場合には、容器内のガスの流
出はほとんど皆無に等しくすることができる。
なお、このように結晶育成中にPout≧Pinに設定した場
合に、実質的には、昇温中にPout<Pin,育成中にPout=
Pinが保たれるため、結晶育成環境中に不純物が混入す
ることもなく、高純度な結晶が得られる。ここで、育成
中にPout=Pinが保たれるとしたのは、結晶育成中は、
炉内温度を変化させるため、厳密に言えば平衡状態には
ならない。しかし、温度変化が非常に緩慢であるため、
ガス圧力に関しては平衡状態とみなしても構わないこと
による。
ところで、容器内の圧力が上記平衡状態に達する過程に
おいては、既述したように元素ガスの蒸発により容器内
の圧力が容器外の圧力より高くなる。容器内の圧力が高
まれば、容器内のガスは容器に設けられた圧力緩衝通路
を通して容器外に排出された最終的には平衡状態に至
る。この過程で、蒸発した元素ガスが極力容器外に排出
されず、不活性ガスが優先的に排出されるようにするに
は、各ガスの比重の差を利用するのが良い。例えば、Ar
ガス中でGaAs結晶を成長する場合、Arガスの分子量は3
9.95であり、またGaAsから蒸発するAsガスはAs4という
形になるため、分子量は299.68である。従ってAsガスは
容器内の下方に滞留するので、不活性ガスを優先的に排
出するためには緩衝通路は容器の上方に設置すれば良
い。
このように緩衝通路の位置が限定されていると、成分元
素ガスよりも不活性ガスが流出しやすくなるので、成分
元素ガスの放出量が最小限になる。また、平衡状態にあ
る時には、成分ガスの容器外への流出は緩衝通路を通し
ての拡散だけとなる。通路の位置の限定は、このときの
成分ガスの拡散を最小限に抑える働きもする。このよう
にして、非平衡,平衡のどちらの場合においても、容器
内における緩衝通路付近の成分ガス濃度が小さくなる。
平衡状態に達するまでの過程における蒸発と平衡状態下
における拡散とにより、高い蒸気圧を有する元素は少し
ではあるが失われることになる、従ってこれを補償する
ために該元素は初めに補償分だけ別にチャージしておく
必要がある。補償に必要な元素の量は、容器の内容積及
び圧力緩衝通路の大きさによって異なるため、一律に規
定することはできない。
[実施例] 以下、GaAsに適用した本発明に係る化合物半導体結晶の
育成方法の実施例を第1図、第2図を用いて説明する。
(実施例1) 第1図に示すようなLEC法の引上装置を用いた。Asガス
雰囲気を作るために、るつぼ1の周囲を気密容器2で覆
い、この気密容器2をさらに不活性ガスで充填した高圧
容器7で覆う構造になっている。
気密容器2は、その下部にるつぼ1が載置され、その底
部に気密容器2を回転させるための回転軸9が取り付け
られる。また、気密容器2の上部は引上軸3等を気密容
器2内に挿入するために開口している。引上軸3の挿入
されたこの開口にB2O3液体封止剤4が流し込まれて、開
口が塞がれるようになっている。このように気密容器2
が密閉することにより、気密容器2の中をAs雰囲気とし
て、るつぼ1内に溜られるGaAs融液5の表面からのAs解
離を防ぐように構成されている。また、GaAs結晶6を成
長させる成長温度を与えるためのヒータ8が気密容器2
の外周に設けられる。
上記気密容器2の上部と下部との間は縮径され、この縮
径部に、気密容器2内外の圧力バランスを取りつつ、気
密容器2内のAsガスの漏れるのを可能な範囲で防止する
ラビリンス構成物の基本構造をなす細管10が、外部に向
けて突設されている。
Asガスは、不活性ガスとして用いるアルゴンガス(Arガ
ス)よりも比重が大きいため、本実施例では細管10を気
密容器2の上方に設けることとした。
次に、上述した引上装置を用いて結晶育成を行った具体
例を述べる。るつぼ1はパイロリティックBN製(PBN
製)の200mm径るつぼを使用し、気密容器2には石英ガ
ラス容器を、また高圧容器7には、ステンレス製容器を
それぞれ使う。ラビリンス構造物としての細管10は内径
2mm,長さ150mmの直状の石英管で構成し、この石英管を
石英ガラス容器に溶接して取り付ける。
るつぼ1に、Asモル比50.7%の組成を有するGaAs多結晶
12000gを入れて融液化した後、このGaAs融液5に4mm角
のGaAs種結晶を接触させ、引上法により10mm/hrの引上
速度で<100>方位の100mm径アンドープ半絶縁性GaAs単
結晶6の育成を行った。
高圧容器7内の雰囲気は、常にArガス20気圧とした。12
回の結晶育成を行った結果、As揮散は非常に少なく、当
初のAsモル比50.7%が50.3〜50.4%に低下したにとどま
った。半絶縁性のGaAs単結晶を育成するには、50%以上
のAsが必要であり、それを満たすことができた。転位密
度は、通常のLEC結晶の5〜10万/cm2に対し、1〜2万
/cm2に減少して、非常に良好であった。
(実施例2) 第2図に示すように、縦型ブリッジマン法とによる装置
を用いた。
縦型ブリッジマン法による場合も、Asガス雰囲気を作る
ために、るつぼ11全体を気密容器12で覆い、GaAs融液15
からのAsの解離を防ぐために、気密容器12の中に配した
Asを加熱ガス化してAs雰囲気としている。そして、この
気密容器12をさらに高圧容器17で覆う構造になってい
る。気密容器12の外周にはヒータ18が配設され、気密容
器12内部のたて長のるつぼ11全体を均熱化している。
気密容器12内に納めたたて長のるつぼ11の底部には、Ga
As種結晶19が載置される。このGaAs種結晶19の上にGaAs
融液15を入れ、るつぼ底から固化させてGaAs結晶16を得
る。
上記したような気密容器12の頂部に、気密容器12内外の
圧力バランスを取りつつ、気密容器12内のAsガスの漏れ
るのを可能な範囲で防止するラビリンス構造物31を設け
る。このラビリンス構造物31は、気密容器12に設けた口
金状の開口32と、この口金状の開口32を塞ぐキャップ33
とから構成される。開口32の外周には開口32を囲む円形
の溝34が設けられている。キャップ33は同心円状に配列
された円形歯片を持ち、直径断面がちょうど櫛歯型をし
ている。その中央歯片が開口32に噛み合わされ、となり
の歯片が円形溝34と噛み合うように被冠する。これによ
り蛇行通路が形成される。
次に、上述した縦型ブリッジマン装置を用いて結晶育成
を行なった具体例を述べる。気密容器12はBN(ボロンナ
イトライド)で作り、たて長の4インチ径PBN製るつぼ1
1の底部に<100>GaAs種結晶19を置き、Asモル比50.7%
の組成を有するGaAs多結晶12000gから4インチ径の<10
0>アンドープGaAs結晶16を育成した。高圧容器17内の
雰囲気は、常にArガス20気圧となるよう制御した。6回
の結晶育成を行った結果、As揮散は非常に少なく、当初
のAsモル比50.7%が50.4〜50.5%となるにとどまり、再
現性も良好であった。育成結晶の転位密度は実施例1よ
りもさらに低い4000〜6000/cm2であった。
なお、実施例1、2では原料にあらかじめ合成した多結
晶を用いたが、Ga元素及びAs元素を原料として結晶を育
成することも可能である。この場合において、GaとAsを
るつぼ内で同時に加熱して反応させるとき、高圧容器7
又は17内の不活性ガス圧力は、Asの反応温度における蒸
気圧である35気圧以上に保持することが必要である。
またAsを気密容器内の別の場所に置き、加熱してAsガス
を発生させ、るつぼ内のGaと反応させる場合には、Asの
加熱温度に応じた蒸気圧が生じるため、不活性ガス圧力
は常にこの蒸気圧以上となるように保持しなければなら
ない。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば次の効果を発揮する。
(1)請求項1に記載の化合物半導体結晶の育成方法に
よれば、圧力緩衝通路を備えると共に、気密容器内外の
圧力バランスをとることにより、気密容器内の元素ガス
の漏れを最小限に抑えるようにしたので、所望の元素ガ
ス雰囲気を再現性良く安定に維持することができ、この
結果、育成結晶の組成制御が容易になり、従来のように
気密容器の破損や元素ガスの大量揮散を伴うことなく、
熱歪みの小さな環境で化合物半導体結晶を安定かつ安全
に育成することができる。
また、既に提案されている装置に何ら新しい装置を加え
ることなく高品質な結晶を安定に育成することができる
ため経済的に優れている。
(2)請求項2に記載の化合物半導体結晶の育成方法に
よれば、不活性ガスが優先的に排出されるので、元素ガ
スの排出を極力抑えることができ、当該元素の解離をよ
り有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するための第1実施例による
引上装置の概略構成図、第2図は本発明方法を実施する
ための第2実施例による縦型ブリッジマン装置の概略構
成図、第3図は従来例の2重融液シール引上装置の概略
構成図、第4図は従来例の縦型ブリッジマン装置の概略
構成図である。 1はるつぼ、2は気密容器、3は引上軸、4はB2O3液体
封止剤、5はGaAs融液、6はGaAs結晶、7は高圧容器、
8はヒータ、9は回転軸、10は圧力緩衝通路を構成する
細管、11はるつぼ、12は気密容器、15はGaAs融液、16は
GaAs結晶、17は高圧容器、18はヒータ、19はGaAs種結
晶、31は圧力緩衝通路を構成するラビリンス構造物、32
は開口、33はキャップ、34は溝である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体原料を収容したるつぼ全体を
    気密容器で覆い、この気密容器内を前記化合物半導体原
    料を構成する少なくとも1つ以上の元素ガスを含む雰囲
    気とし、前記化合物半導体原料から化合物半導体結晶を
    育成させる化合物半導体結晶の育成方法において、 前記気密容器に容器内外の圧力差を緩和して容器内の元
    素ガスの外部への拡散を抑制する圧力緩衝通路を備え、 前記気密容器外の雰囲気を不活性ガスとし、その不活性
    ガスの圧力を化合物半導体結晶を育成している間、気密
    容器内の前記元素ガスの分圧の和以上の一定値とする ことを特徴とする化合物半導体育成方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物半導体結晶の育成
    方法において、 前記気密容器における圧力緩衝通路が、前記元素ガスの
    比重が前記不活性ガスの比重に較べて大きいときは気密
    容器の上方位置に、小さいときは気密容器の下方位置に
    備えられている ことを特徴とする化合物半導体結晶の育成方法。
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