JPH0610229A - 合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法 - Google Patents
合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法Info
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Abstract
処理繊維の品質を劣化させることなく、熱媒蒸気洩れの
少ない、圧力室の圧力維持の安定性に優れた圧力維持方
法を提供する。 【構成】 圧力室出口シ−ル部の縦横寸法を圧力室入口
シ−ル部の縦横寸法よりも小さくする。 【効果】 被熱処理繊維に与える損傷が少なく、熱媒蒸
気原単位が小さく操業安定性や熱処理の均一性に優れ
る。
Description
処理機の圧力室内の圧力維持方法に関するものである。
成繊維トウを、水蒸気等を満した圧力室を備えた熱処理
機に通して熱処理することは、合成繊維製造工程の1つ
として重用されて来ている。その圧力室に前記合成繊維
トウ(以下、捲縮繊維塊とも略称する)を、そのままで
若しくは引き延ばされた形状で仕込み、次いで圧力室か
ら引き出す際に圧力室内の圧力を維持する方法は幾つか
提案されてきている。
に装置されている圧力シ−ル部を、捲縮繊維塊で充填す
ることによって行なう、というものである。通常かかる
熱処理機では、上下1対の無端コンベアベルトに挟んで
捲縮繊維塊を移送するが、この圧力シ−ル方式では圧力
シ−ル部内において、該繊維塊と無端コンベアベルトと
の間に圧力室内圧に勝る摩擦抵抗が在って始めて成立す
る。
の水蒸気等の熱媒の漏洩を防止するためには、圧力室へ
仕込む際の捲縮繊維塊の見掛け密度を大きくする必要が
あった。ところが高い見掛け密度の捲縮繊維塊を圧力室
内に導入した場合は、無端コンベアベルト上の繊維充填
密度が大きく熱処理所要時間が長く必要になり、装置が
長大になる。また、圧力室内で熱処理が進むにつれ、捲
縮繊維塊は熱収縮を起こし、圧力室出口側圧力シ−ル部
を通過する時の捲縮繊維塊断面積は小さくなってくる。
ト間の摩擦抵抗は垂直抗力の減少によって低下する事に
なり、したがってそれまでに確保できていた内部圧力と
のバランスが失われ、捲縮繊維塊が出口側圧力シ−ル部
の外部へ吹き飛ばされる事態となって、安定した圧力室
の圧力維持は困難になるのが通例であった。これらの欠
点を改良するため、捲縮繊維塊を圧力室に仕込む際に引
き延ばしを行なうことも為されるが、この場合の熱処理
所要時間は引き延ばしの無い時よりも無端コンベアベル
ト上の繊維充填密度が小さいだけ短時間で完了できるも
のの、圧力室出口側圧力シ−ル部での被処理繊維の外部
への吹き出しトラブルや被処理繊維が損傷をこうむるな
どの問題は解消出来ていない。結局、入出両圧力シ−ル
部共に捲縮繊維塊で充填するという方法はあまり採用さ
れず、出口側圧力シ−ル部はラビリンスシ−ルとする方
法が用いられている。しかしラビリンス部と高温の被熱
処理繊維が直接擦過することによる繊維の損傷の多発、
捲縮を引き延した繊維しか通過させられない、高圧力に
なると長大なラビリンスシ−ルが必要になる、等の問題
で全面的に満足できる方法ではない。
らに改良された方法としては、入口側及び/又は出口側
圧力シ−ル部にロ−ラ−を配設して捲縮繊維塊を押さえ
つけながらシ−ルするいわゆるロ−ラ−シ−ル方式があ
る。ところが、特に出口側では高温に達している捲縮繊
維塊に対して高圧力を加えるため、複数の単糸が融着し
たり、単糸に損傷が発生して品質低下を起こす傾向があ
り、また出口側ロ−ラ−シ−ル部前部に冷却室を設け
て、いったん捲縮繊維塊を冷却してからシ−ルする改良
も実施されているが、設備が複雑化すると同時に設備が
長くなるばかりでなく、被処理繊維の品質面でも完全に
満足するものではなかった。このように、設備の長大化
を防ぎ、圧力室の圧力維持の安定性に優れ、かつ被熱処
理繊維の損傷等の品質も満足される方法は未だ見出され
ていない。
熱処理機における上述した現状の問題点を克服し、被熱
処理繊維の品質を劣化させることなく圧力室の圧力維持
の安定性に優れ、且つ多くの銘柄処理に対応できる圧力
維持方法を提供することにある。
捲縮された合成繊維トウを、上下1対の無端コンベアベ
ルトに挟んで大気圧以上の熱媒蒸気を満たした圧力室を
通して連続的に熱処理するに際し、捲縮装置から排出さ
れたトウを圧力室に仕込み、次いで熱処理済の合成繊維
トウを該圧力室から引出すとき、圧力室出口シ−ル部の
縦横寸法を圧力室入口シ−ル部の縦横寸法よりも小さく
する事を特徴とする合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力
維持方法、により好適に達成される。
寸法を小さくするのは上下1対の無端コンベアベルト間
のクリアランスを小さくする事で行い、横寸法を小さく
するのはトウの両サイドに存って少なくとも圧力室出口
シ−ル部分を走行する左右1対の無端ベルトを設け、該
コンベアベルトを内側に巾寄せすることで行なう。
維塊が走行する圧力室出口側の矩形筒状シ−ル部の縦横
寸法が、圧力室入口側の該部の縦横寸法より小さくなっ
ており、被熱処理捲縮繊維塊と上下及び左右の無端コン
ベアベルト及び無端ベルト間の摩擦抵抗が再び発現し、
優れた圧力維持が達成され、被熱処理繊維塊が外部へ吹
き出すトラブルも無く、出口部の捲縮繊維塊寸法の変わ
った銘柄にも対応出来ることとなった。
いう合成繊維トウ用連続熱処理機(以下、単に熱処理機
といい、また当該機による処理を熱処理という)とは、
トウが垂直に走行する縦型や水平に走行する横型、ある
いは斜めのものも含むが、一般的な横型について説明す
れば、中央部に大気圧以上の熱媒蒸気の満たされた圧力
室があり、その前後即ち入口及び出口側に被熱処理繊維
自体を充填することによって圧力室の圧力をシ−ルする
圧力シ−ル部を備えたものであって、被熱処理繊維の入
口圧力シ−ル部→圧力室→出口圧力シ−ル部の移動は上
下1対設けられた無端コンベアベルトに挟んで搬送され
る形式のものである。なお、該熱処理機への合成繊維ト
ウの仕込みは、入口側圧力シ−ル部直前に設けた捲縮装
置によって行なわれる。
与された合成繊維トウが、塊状で即ち前記した如く捲縮
繊維塊として、捲縮装置の排出力を利用して入口側圧力
シ−ル部内に仕込まれる。ここで「仮に」というのは、
後述するようにここで付与した捲縮を適宜引き延ばしす
ることも有るからである。
損傷をうけずに高い見掛け密度が得やすく、圧力シ−ル
部内での摩擦抵抗が大きくなり圧力のシ−ル性が良い。
ここでの捲縮は8ピッチ/inch〜12ピッチ/in
chが推奨される。これは、捲縮装置入口トウ速度が捲
縮装置を排出される捲縮繊維塊の速度の約10倍になっ
ていることを意味する。なお仮の捲縮が付与されていな
い合成繊維トウでは、別途圧力室内に引込み装置(例え
ば多段ロ−ラ−)が必要であり、また圧力シ−ル部で十
分なシ−ル性を発揮するのには極めて狭少な圧力シ−ル
部をくぐらせる必要があって繊維自身の損傷が避け難
い、等の不具合があり結局ロ−ラ−シ−ル方式との差異
が失われ発明が達成されない。
装置で賦形された捲縮繊維塊の縦横寸法に合致すべきで
あり、本発明では縦方向は上下1対の無端コンベアベル
ト間のクリアランスを調整することにより行なう。横方
向の寸法は、上下からの挟み付けが十分であれば捲縮繊
維塊が横方向へ拡巾しようとするので、固定巾であって
も十分な摩擦抵抗が得られる。
に設けた左右1対の無端ベルトを、出口側圧力シ−ル部
のみならず入口側圧力シ−ル部まで走行させ、該コンベ
アベルトを内側に巾寄せして横方向寸法を制御しても良
い。
維塊は、上下1対の無端コンベアベルト、又は該ベルト
及び左右1対の無端ベルトにより挟まれ又は包まれて圧
力室内を搬送される。この時、捲縮装置から排出される
捲縮繊維塊の排出速度(Am/min)と前記したコン
ベアベルトの走行速度(搬送速度Bm/min)とは、
必ずしも同一である必要はなく、B≧Aであれば良い。
あり、BをAで除した値を引き延ばし比率と定義する。
この引き延ばし比率は、捲縮装置の排出速度と前記のコ
ンベアベルト走行速度の調整のみで容易に設定,制御出
来る。実際の運転にあたっては、熱処理で捲縮を固定
(セット)するのかどうか、必要な熱処理機滞留時間は
確保されているか、完全引き延ばしすると出口側圧力シ
−ル部での摩擦抵抗の低下が避け難い、等を勘案して引
き延ばし比率を設定するが、概ね1〜4がよく用いられ
る。
適宜に引き延ばされた状態で上下を挟まれてあるいは上
下左右を包まれて圧力室内を搬送される捲縮繊維塊は、
熱媒蒸気により加熱され温度が上昇し、大抵の合成繊維
の場合、繊維軸方向に収縮し、捲縮繊維塊の見掛け密度
は上昇し、容積は減少する。即ち圧力室出口部では捲縮
繊維塊の縦横寸法は圧力室入口部よりも小さくなる。
と同一である従来の場合、この状態から出口側圧力シ−
ル部を経由しての熱媒蒸気や被熱処理繊維の吹き出しが
起こり圧力維持は基より必要な熱処理も行なえない。
捲縮繊維塊の通過する出口側では、圧力室出口側圧力シ
−ル部の縦横寸法を入口側より小さくする事に特徴があ
り、これにより容積の減少した捲縮繊維塊と圧力シ−ル
部との上下左右に摩擦抵抗が発現し圧力シ−ルが出来る
のである。
るにあたっては、はじめから小さい寸法に作製された圧
力シ−ル部を設置する外に、前記した入口側圧力シ−ル
部での説明と同じく、縦寸法は上下1対の無端コンベア
ベルト間のクリアランスを小さくすることで、横寸法は
左右1対の無端ベルトを内側に巾寄せすることでそれぞ
れ行なう。なおさきの説明と同じく、被熱処理捲縮繊維
塊の縦又は横の一方を挟み付ければ他方が大きくなるの
で、縦横寸法を小さくするのは縦又は横のいずれか一方
であっても良い。
摩耗性でかつ熱媒蒸気通過性の良い材料で形成され、熱
処理機内を入口から出口まで貫通して走行している。左
右1対の無端ベルトは同じ様な特性が要求されるが、走
行する領域は入口側圧力シ−ル部から出口側圧力シ−ル
部まで、または出口側圧力シ−ル部のみでもよい。また
走行には必ずしも駆動系統を付設する必要はなく、例え
ば、上下1対の無端コンベアベルトの中間両端部に左右
1対の無端ベルトを挟み、それの通過する出口側又は出
口側及び入口側圧力シ−ル部に巾規制路を設けてもよ
い。
縦横寸法に対しどの程度とすべきかは、被熱処理素材の
種類やト−タルデニ−ル,捲縮のピッチ数,設定する引
き延ばし率,素材の収縮率,印加する圧力室への熱媒蒸
気圧等の要素により変化するので一概には規定出来な
い。最も影響の大きい熱媒蒸気圧の関数として目安とな
る縦横それぞれの寸法の絞り率(出口寸法の入口寸法に
対する減少率%)を記せば以下のようである。
〜18%,横1〜3%位、2kg/cm2 Gでは夫々1
8〜22%,3〜7%、3kg/cm2 Gでは22〜2
5%,7〜12%である。
縦横寸法が熱処理によって変わっても、出口側圧力シ−
ル部の縦横寸法を入口部より狭少にするため、熱媒蒸気
の漏洩する捲縮繊維塊との隙間が狭少になる。また捲縮
繊維塊を圧力シ−ル部に充填するため、捲縮繊維塊の左
右方向に空間が在るまま高圧で圧搾するロ−ラ−シ−ル
方式に較べ、繊維に印加される押圧力が大幅に低くても
圧力シ−ル効果が得られる。また同じ理由で、出口側に
長大なラビリンスシ−ル設備も不要となる。さらに、と
くに出口側圧力シ−ル部では熱処理済の捲縮繊維塊と固
設の中寄せ部材との間に左右1対の無端ベルトが介在す
ることから、捲縮繊維塊の左右両端面部の擦過作用が生
じない。
ず図1は本発明を実施する連続熱処理機の縦断面図であ
り、被処理合成繊維トウ1(本実施例ではアクリル系8
8万ト−タルデニ−ルのトウ)は図上左から供給され捲
縮装置2にて進行速度12m/minの捲縮繊維塊3に
形成され、図上右に向かって18m/minで走行して
いる上下1対の無端コンベアベルト7に挟まれて右に運
ばれ、縦18mm,横200mmに設定された矩形断面
で筒状をなした圧力室入口シ−ル部4を通り、圧力室5
に搬送した。引き延ばし率は1.5になる。
塊3の進行方向に垂直な面の断面図であるが、図示の如
く捲縮繊維塊3の左右を挟む左右1対の無端ベルトは設
けていない。捲縮繊維塊3と入口シ−ル部4の矩形内部
の上下左右には肉眼で認められる隙間は無かった。
じ縦横寸法の矩形断面の筒状である。但し横寸法を狭め
るための巾寄せ部材8を固設しているし、さらに左右1
対の無端ベルト(ゴム製)9を走行するようにしている
ので該出口シ−ル部の実質の横寸法は190mmである
(図3参照のこと)。
和水蒸気を導入し室の下底部から凝縮水を排出する構造
である(図1において水蒸気の導入孔,凝縮水の排出孔
は共に図示していない)。本実施例ではゲ−ジ圧2.0
kg/cm2 の水蒸気を導入したが熱処理の間中、圧力
室に設けた圧力計の変動はわずかに±0.06kg/c
m2 であり、入口シ−ル部はもとより出口シ−ル部から
も水蒸気の洩れは肉眼でほとんど認められなかった。
た蒸気積算流量計での流量に対する、圧力室下底部から
排出される凝縮水積算流量計の流量は96.4重量%で
あった。この値は被熱処理捲縮繊維塊の持込み水分の影
響もうけるので完全ではないが、圧力シ−ル部からの水
蒸気の洩れの大小の目安となり、高度のシ−ル性が有る
ことを示している。
同じく進行方向に垂直な面の断面図として図3に示され
る。図3により被熱処理捲縮繊維塊3が上下は上下1対
の無端コンベアベルト7に挟まれ、左右は同じように巾
寄せされた左右1対の無端ベルト9に挟まれていること
が理解されよう。本実施例の実験終了時に走行物の駆動
を全て一勢停止し、出口シ−ル部を解体して確認したと
ころ、捲縮繊維塊3と出口シ−ル部6の矩形内部の上下
左右には肉眼で認められる隙間は無かった。
処理ののち、繊維の物性値を評価した。評価項目は染着
度のトウの巾及び長さ方向のムラをあらわす染着度範囲
(染着度の最大値と最小値の差)と、熱処理後単繊維2
00本の顕微鏡観察により繊維直径以上の長さのクラッ
クを有する単繊維存在の比率(%)であらわした損傷
度、及び熱処理後捲縮繊維塊の左右両端面部のみから採
取した単繊維200本の顕微鏡観察により、切断又は擦
過損傷を被っている単繊維存在比率(%)であらわした
擦過度である。第1、第2評価項目共に、とくに出口側
圧力シ−ル部による圧力シ−ル性が良いと小さい値にな
る。これは圧力シ−ル性が悪く被熱処理繊維塊が広く変
動した圧力下に晒されたり吹き出したりすると、熱処理
の均一性が失われて染色性のムラになること、同様に高
温の繊維が強い衝撃力で器機壁等に叩き付けられると単
繊維に割れ,裂け等のクラックが発生することによるの
である。第3の擦過度は文字通り出口側圧力シ−ル部左
右壁での繊維のこすれを表し、これが小さい程優れてい
る。
2.0%,擦過度1.1%であり、優れた圧力維持方法
であることが示され、さらに捲縮繊維塊左右両端面部も
含めて、高品質の熱処理繊維が得られていることが理解
される。
残し、入口シ−ル部,出口シ−ル部共にロ−ラ−シ−ル
装置に取り替えた外は実施例1と同じ熱処理機におい
て、実施例1の熱処理をロ−ラ−シ−ル方式で実施し
た。入出口側ロ−ラ−シ−ル装置からの水蒸気の洩れを
防止するのに、入口側は3kg/cm2 Gであったが出
口側のロ−ラ−シ−ル装置は5kg/cm2 Gのロ−ラ
−間面圧が必要であった。
/cm2 ,凝縮水流量比は97.0重量%で、圧力維持
性、水蒸気の洩れは問題なかった。染着度範囲も0.5
0%で良好であったが、損傷度は30%に達し、出口ロ
−ラ−シ−ルでの損傷が激しいことが判る。擦過度は評
価対象となる捲縮繊維塊左右両端面と言える部分が無か
ったので評価出来なかった。
部6の巾寄せ部材8と左右1対の無端ベルト9とを取外
した外は実施例1と同じ条件での熱処理を行なった。間
欠的な出口シ−ル部からの水蒸気を伴った捲縮繊維塊の
吹き出しがあり、満足な操業が出来なかったが わずか
な量の試料は得られた。
g/cm2 ,凝縮水流量比63.4重量%,染着度範囲
2.58%,損傷度25%,擦過度8.0%であった。
肉眼観察とも合わせて熱処理が不均一で水蒸気の漏れが
激しく繊維も大きな損傷をこうむっていることが理解さ
れる。また、たまたま採集出来たこの実験試料でも、擦
過損傷が大きいことから、実施例1と較べて左右1対の
無端ベルトの擦過損傷防止効果が顕著であることが判
る。
部を実施例1と同一形状で縦14mm,横200mmに
設定されており、巾寄せ部材8を備えたものに取替え、
出口シ−ル部内を走行する左右1対の無端ベルトも撤去
した外は、実施例1と同じ条件での熱処理を行なった。
良好な操業が出来、十分な試料が得られた。水蒸気の洩
れは入口シ−ル部では認められず、出口シ−ル部で、わ
ずかに認められた。
g/cm2 ,凝縮水流量比93.7重量%,染着度範囲
0.66%,損傷度4.0%,擦過度4.3%であり、
水蒸気洩れの少ない安定な圧力維持が出来、均一で損傷
の少ない熱処理が行なわれたことが判る。但し左右1対
の無端ベルトが無いため、実施例1より幾分擦過損傷が
起こっている。
部内の上下に、上下1対の無端コンベアベルト間クリア
ランスを小さくする目的で、上下調整部材10を併設
(圧力室出口シ−ル部の捲縮繊維塊進行方向に垂直な面
の断面図である図4を参照)した外は、実施例1と同じ
条件での熱処理を行なった。極めて安定した操業性が得
られ肉眼での水蒸気の洩れは入・出口シ−ル部共に認め
られなかった。
g/cm2 ,凝縮水流量比97.7重量%,染着度範囲
0.43%,損傷度0.5%,擦過度0.6%と評価さ
れ圧力維持、熱処理繊維の品質共に特に優れている。
処理繊維にクラックや擦過傷、切断等の大きな損傷を与
えることなく、熱処理用熱媒蒸気圧力の安定維持が出来
る方法であり、熱処理むら例えば染着度むらの少ない、
操業安定性の高い方法であることや、熱処理後捲縮繊維
塊の寸法の変わる多くの銘柄が処理出来ることも派生す
る効果である。しかも熱媒蒸気洩れの少ない即ち熱媒蒸
気原単位に優れることも一つには省エネルギ−の方法で
あること、及び作業場に熱媒蒸気が洩れ出さないので衛
生的な作業環境となるなど、工業的意義の大なるものが
ある。
処理機の縦断面図である。熱処理される合成繊維トウ1
が図上左から供給され、捲縮装置2にて捲縮繊維塊3に
形成され、圧力室入口シ−ル部4、圧力室5、圧力室出
口シ−ル部6内を貫通して右に走行する上下1対の無端
コンベアベルト7に該捲縮繊維塊3が挟まれて右に搬送
される状態を示す。
維塊3の進行方向に垂直な面の断面図である。入口シ−
ル部内には、捲縮繊維塊3の上下を挟んで上下1対の無
端コンベアベルト7が在ることを示す。
維塊3の進行方向に垂直な面の断面図である。出口シ−
ル部内には、捲縮繊維塊3の上下には上下1対の無端コ
ンベアベルト7が、左右には左右1対の無端ベルト9と
その外側に位置して固設された巾寄せ部材8が存ること
を示す。
を示す断面図である。出口シ−ル部内には、上下に上下
調整部材10と上下1対の無端コンベアベルト7が、左
右には左右1対の無端ベルト9とその外側に位置して固
設された巾寄せ部材8が存ることを示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 捲縮された合成繊維トウを、上下1対の
無端コンベアベルトに挟んで大気圧以上の熱媒蒸気を満
たした圧力室を通して連続的に熱処理するに際し、捲縮
装置から排出されたトウを圧力室に仕込み、次いで熱処
理済の合成繊維トウを該圧力室から引出すとき、圧力室
出口シ−ル部の縦横寸法を圧力室入口シ−ル部の縦横寸
法よりも小さくする事を特徴とする合成繊維トウ用連続
熱処理機の圧力維持方法。 - 【請求項2】 トウの両サイドを少なくとも圧力室出口
シ−ル部分で走行する左右1対の無端ベルトを設け、該
無端ベルトを内側に巾寄せすることを特徴とする請求項
1記載の合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法。 - 【請求項3】 圧力室出口シ−ル部分において、前記上
下1対の無端コンベアベルト間クリアランスを小さくす
る事を特徴とする請求項1、又は請求項2記載の合成繊
維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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