JPH0610229A - 合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法 - Google Patents

合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法

Info

Publication number
JPH0610229A
JPH0610229A JP4191714A JP19171492A JPH0610229A JP H0610229 A JPH0610229 A JP H0610229A JP 4191714 A JP4191714 A JP 4191714A JP 19171492 A JP19171492 A JP 19171492A JP H0610229 A JPH0610229 A JP H0610229A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
pressure chamber
seal portion
tow
synthetic fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4191714A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3173669B2 (ja
Inventor
Takahisa Kida
貴久 木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Exlan Co Ltd
Original Assignee
Japan Exlan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP19171492A priority Critical patent/JP3173669B2/ja
Application filed by Japan Exlan Co Ltd filed Critical Japan Exlan Co Ltd
Priority to PCT/JP1993/000834 priority patent/WO1994000628A1/ja
Priority to EP93913552A priority patent/EP0617151B1/en
Priority to US08/170,161 priority patent/US5433914A/en
Priority to TW082104919A priority patent/TW226037B/zh
Priority to GB9400988A priority patent/GB2274854B/en
Priority to DE4392925T priority patent/DE4392925T1/de
Priority to DE4392925A priority patent/DE4392925C2/de
Publication of JPH0610229A publication Critical patent/JPH0610229A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3173669B2 publication Critical patent/JP3173669B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02JFINISHING OR DRESSING OF FILAMENTS, YARNS, THREADS, CORDS, ROPES OR THE LIKE
    • D02J13/00Heating or cooling the yarn, thread, cord, rope, or the like, not specific to any one of the processes provided for in this subclass
    • D02J13/001Heating or cooling the yarn, thread, cord, rope, or the like, not specific to any one of the processes provided for in this subclass in a tube or vessel

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成繊維トウ用連続熱処理機において、被熱
処理繊維の品質を劣化させることなく、熱媒蒸気洩れの
少ない、圧力室の圧力維持の安定性に優れた圧力維持方
法を提供する。 【構成】 圧力室出口シ−ル部の縦横寸法を圧力室入口
シ−ル部の縦横寸法よりも小さくする。 【効果】 被熱処理繊維に与える損傷が少なく、熱媒蒸
気原単位が小さく操業安定性や熱処理の均一性に優れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成繊維トウ用連続熱
処理機の圧力室内の圧力維持方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】捲縮装置により仮の捲縮を付与された合
成繊維トウを、水蒸気等を満した圧力室を備えた熱処理
機に通して熱処理することは、合成繊維製造工程の1つ
として重用されて来ている。その圧力室に前記合成繊維
トウ(以下、捲縮繊維塊とも略称する)を、そのままで
若しくは引き延ばされた形状で仕込み、次いで圧力室か
ら引き出す際に圧力室内の圧力を維持する方法は幾つか
提案されてきている。
【0003】その1つは、圧力室前(入口)後(出口)
に装置されている圧力シ−ル部を、捲縮繊維塊で充填す
ることによって行なう、というものである。通常かかる
熱処理機では、上下1対の無端コンベアベルトに挟んで
捲縮繊維塊を移送するが、この圧力シ−ル方式では圧力
シ−ル部内において、該繊維塊と無端コンベアベルトと
の間に圧力室内圧に勝る摩擦抵抗が在って始めて成立す
る。
【0004】そのため、前記摩擦抵抗を高め、圧力室内
の水蒸気等の熱媒の漏洩を防止するためには、圧力室へ
仕込む際の捲縮繊維塊の見掛け密度を大きくする必要が
あった。ところが高い見掛け密度の捲縮繊維塊を圧力室
内に導入した場合は、無端コンベアベルト上の繊維充填
密度が大きく熱処理所要時間が長く必要になり、装置が
長大になる。また、圧力室内で熱処理が進むにつれ、捲
縮繊維塊は熱収縮を起こし、圧力室出口側圧力シ−ル部
を通過する時の捲縮繊維塊断面積は小さくなってくる。
【0005】結果として、該繊維塊と無端コンベアベル
ト間の摩擦抵抗は垂直抗力の減少によって低下する事に
なり、したがってそれまでに確保できていた内部圧力と
のバランスが失われ、捲縮繊維塊が出口側圧力シ−ル部
の外部へ吹き飛ばされる事態となって、安定した圧力室
の圧力維持は困難になるのが通例であった。これらの欠
点を改良するため、捲縮繊維塊を圧力室に仕込む際に引
き延ばしを行なうことも為されるが、この場合の熱処理
所要時間は引き延ばしの無い時よりも無端コンベアベル
ト上の繊維充填密度が小さいだけ短時間で完了できるも
のの、圧力室出口側圧力シ−ル部での被処理繊維の外部
への吹き出しトラブルや被処理繊維が損傷をこうむるな
どの問題は解消出来ていない。結局、入出両圧力シ−ル
部共に捲縮繊維塊で充填するという方法はあまり採用さ
れず、出口側圧力シ−ル部はラビリンスシ−ルとする方
法が用いられている。しかしラビリンス部と高温の被熱
処理繊維が直接擦過することによる繊維の損傷の多発、
捲縮を引き延した繊維しか通過させられない、高圧力に
なると長大なラビリンスシ−ルが必要になる、等の問題
で全面的に満足できる方法ではない。
【0006】第2の圧力維持方法であり、また前記のさ
らに改良された方法としては、入口側及び/又は出口側
圧力シ−ル部にロ−ラ−を配設して捲縮繊維塊を押さえ
つけながらシ−ルするいわゆるロ−ラ−シ−ル方式があ
る。ところが、特に出口側では高温に達している捲縮繊
維塊に対して高圧力を加えるため、複数の単糸が融着し
たり、単糸に損傷が発生して品質低下を起こす傾向があ
り、また出口側ロ−ラ−シ−ル部前部に冷却室を設け
て、いったん捲縮繊維塊を冷却してからシ−ルする改良
も実施されているが、設備が複雑化すると同時に設備が
長くなるばかりでなく、被処理繊維の品質面でも完全に
満足するものではなかった。このように、設備の長大化
を防ぎ、圧力室の圧力維持の安定性に優れ、かつ被熱処
理繊維の損傷等の品質も満足される方法は未だ見出され
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、連続
熱処理機における上述した現状の問題点を克服し、被熱
処理繊維の品質を劣化させることなく圧力室の圧力維持
の安定性に優れ、且つ多くの銘柄処理に対応できる圧力
維持方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上述の目的は、
捲縮された合成繊維トウを、上下1対の無端コンベアベ
ルトに挟んで大気圧以上の熱媒蒸気を満たした圧力室を
通して連続的に熱処理するに際し、捲縮装置から排出さ
れたトウを圧力室に仕込み、次いで熱処理済の合成繊維
トウを該圧力室から引出すとき、圧力室出口シ−ル部の
縦横寸法を圧力室入口シ−ル部の縦横寸法よりも小さく
する事を特徴とする合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力
維持方法、により好適に達成される。
【0009】また本発明では、圧力室出口シ−ル部の縦
寸法を小さくするのは上下1対の無端コンベアベルト間
のクリアランスを小さくする事で行い、横寸法を小さく
するのはトウの両サイドに存って少なくとも圧力室出口
シ−ル部分を走行する左右1対の無端ベルトを設け、該
コンベアベルトを内側に巾寄せすることで行なう。
【0010】かかる方法では、熱収縮の完了した捲縮繊
維塊が走行する圧力室出口側の矩形筒状シ−ル部の縦横
寸法が、圧力室入口側の該部の縦横寸法より小さくなっ
ており、被熱処理捲縮繊維塊と上下及び左右の無端コン
ベアベルト及び無端ベルト間の摩擦抵抗が再び発現し、
優れた圧力維持が達成され、被熱処理繊維塊が外部へ吹
き出すトラブルも無く、出口部の捲縮繊維塊寸法の変わ
った銘柄にも対応出来ることとなった。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
いう合成繊維トウ用連続熱処理機(以下、単に熱処理機
といい、また当該機による処理を熱処理という)とは、
トウが垂直に走行する縦型や水平に走行する横型、ある
いは斜めのものも含むが、一般的な横型について説明す
れば、中央部に大気圧以上の熱媒蒸気の満たされた圧力
室があり、その前後即ち入口及び出口側に被熱処理繊維
自体を充填することによって圧力室の圧力をシ−ルする
圧力シ−ル部を備えたものであって、被熱処理繊維の入
口圧力シ−ル部→圧力室→出口圧力シ−ル部の移動は上
下1対設けられた無端コンベアベルトに挟んで搬送され
る形式のものである。なお、該熱処理機への合成繊維ト
ウの仕込みは、入口側圧力シ−ル部直前に設けた捲縮装
置によって行なわれる。
【0012】本発明では、捲縮装置により仮に捲縮の付
与された合成繊維トウが、塊状で即ち前記した如く捲縮
繊維塊として、捲縮装置の排出力を利用して入口側圧力
シ−ル部内に仕込まれる。ここで「仮に」というのは、
後述するようにここで付与した捲縮を適宜引き延ばしす
ることも有るからである。
【0013】捲縮を付与された合成繊維トウは自身への
損傷をうけずに高い見掛け密度が得やすく、圧力シ−ル
部内での摩擦抵抗が大きくなり圧力のシ−ル性が良い。
ここでの捲縮は8ピッチ/inch〜12ピッチ/in
chが推奨される。これは、捲縮装置入口トウ速度が捲
縮装置を排出される捲縮繊維塊の速度の約10倍になっ
ていることを意味する。なお仮の捲縮が付与されていな
い合成繊維トウでは、別途圧力室内に引込み装置(例え
ば多段ロ−ラ−)が必要であり、また圧力シ−ル部で十
分なシ−ル性を発揮するのには極めて狭少な圧力シ−ル
部をくぐらせる必要があって繊維自身の損傷が避け難
い、等の不具合があり結局ロ−ラ−シ−ル方式との差異
が失われ発明が達成されない。
【0014】圧力室入口側圧力シ−ル部の寸法は、捲縮
装置で賦形された捲縮繊維塊の縦横寸法に合致すべきで
あり、本発明では縦方向は上下1対の無端コンベアベル
ト間のクリアランスを調整することにより行なう。横方
向の寸法は、上下からの挟み付けが十分であれば捲縮繊
維塊が横方向へ拡巾しようとするので、固定巾であって
も十分な摩擦抵抗が得られる。
【0015】もちろん、トウの両サイドを走行するよう
に設けた左右1対の無端ベルトを、出口側圧力シ−ル部
のみならず入口側圧力シ−ル部まで走行させ、該コンベ
アベルトを内側に巾寄せして横方向寸法を制御しても良
い。
【0016】かくして入口側シ−ル部を通過した捲縮繊
維塊は、上下1対の無端コンベアベルト、又は該ベルト
及び左右1対の無端ベルトにより挟まれ又は包まれて圧
力室内を搬送される。この時、捲縮装置から排出される
捲縮繊維塊の排出速度(Am/min)と前記したコン
ベアベルトの走行速度(搬送速度Bm/min)とは、
必ずしも同一である必要はなく、B≧Aであれば良い。
【0017】B>Aの場合が、引き延ばし有りの状態で
あり、BをAで除した値を引き延ばし比率と定義する。
この引き延ばし比率は、捲縮装置の排出速度と前記のコ
ンベアベルト走行速度の調整のみで容易に設定,制御出
来る。実際の運転にあたっては、熱処理で捲縮を固定
(セット)するのかどうか、必要な熱処理機滞留時間は
確保されているか、完全引き延ばしすると出口側圧力シ
−ル部での摩擦抵抗の低下が避け難い、等を勘案して引
き延ばし比率を設定するが、概ね1〜4がよく用いられ
る。
【0018】かくして前記したコンベアベルトにより、
適宜に引き延ばされた状態で上下を挟まれてあるいは上
下左右を包まれて圧力室内を搬送される捲縮繊維塊は、
熱媒蒸気により加熱され温度が上昇し、大抵の合成繊維
の場合、繊維軸方向に収縮し、捲縮繊維塊の見掛け密度
は上昇し、容積は減少する。即ち圧力室出口部では捲縮
繊維塊の縦横寸法は圧力室入口部よりも小さくなる。
【0019】圧力シ−ル部の縦横寸法が入口側と出口側
と同一である従来の場合、この状態から出口側圧力シ−
ル部を経由しての熱媒蒸気や被熱処理繊維の吹き出しが
起こり圧力維持は基より必要な熱処理も行なえない。
【0020】本発明では、容積即ち縦横寸法の減少した
捲縮繊維塊の通過する出口側では、圧力室出口側圧力シ
−ル部の縦横寸法を入口側より小さくする事に特徴があ
り、これにより容積の減少した捲縮繊維塊と圧力シ−ル
部との上下左右に摩擦抵抗が発現し圧力シ−ルが出来る
のである。
【0021】出口側圧力シ−ル部の縦横寸法を小さくす
るにあたっては、はじめから小さい寸法に作製された圧
力シ−ル部を設置する外に、前記した入口側圧力シ−ル
部での説明と同じく、縦寸法は上下1対の無端コンベア
ベルト間のクリアランスを小さくすることで、横寸法は
左右1対の無端ベルトを内側に巾寄せすることでそれぞ
れ行なう。なおさきの説明と同じく、被熱処理捲縮繊維
塊の縦又は横の一方を挟み付ければ他方が大きくなるの
で、縦横寸法を小さくするのは縦又は横のいずれか一方
であっても良い。
【0022】上下1対の無端コンベアベルトは耐熱・耐
摩耗性でかつ熱媒蒸気通過性の良い材料で形成され、熱
処理機内を入口から出口まで貫通して走行している。左
右1対の無端ベルトは同じ様な特性が要求されるが、走
行する領域は入口側圧力シ−ル部から出口側圧力シ−ル
部まで、または出口側圧力シ−ル部のみでもよい。また
走行には必ずしも駆動系統を付設する必要はなく、例え
ば、上下1対の無端コンベアベルトの中間両端部に左右
1対の無端ベルトを挟み、それの通過する出口側又は出
口側及び入口側圧力シ−ル部に巾規制路を設けてもよ
い。
【0023】出口側圧力シ−ル部の縦横寸法を入口側の
縦横寸法に対しどの程度とすべきかは、被熱処理素材の
種類やト−タルデニ−ル,捲縮のピッチ数,設定する引
き延ばし率,素材の収縮率,印加する圧力室への熱媒蒸
気圧等の要素により変化するので一概には規定出来な
い。最も影響の大きい熱媒蒸気圧の関数として目安とな
る縦横それぞれの寸法の絞り率(出口寸法の入口寸法に
対する減少率%)を記せば以下のようである。
【0024】即ち、1kg/cm2 Gの辺りでは縦10
〜18%,横1〜3%位、2kg/cm2 Gでは夫々1
8〜22%,3〜7%、3kg/cm2 Gでは22〜2
5%,7〜12%である。
【0025】
【作用】以上詳述した方法では、被熱処理捲縮繊維塊の
縦横寸法が熱処理によって変わっても、出口側圧力シ−
ル部の縦横寸法を入口部より狭少にするため、熱媒蒸気
の漏洩する捲縮繊維塊との隙間が狭少になる。また捲縮
繊維塊を圧力シ−ル部に充填するため、捲縮繊維塊の左
右方向に空間が在るまま高圧で圧搾するロ−ラ−シ−ル
方式に較べ、繊維に印加される押圧力が大幅に低くても
圧力シ−ル効果が得られる。また同じ理由で、出口側に
長大なラビリンスシ−ル設備も不要となる。さらに、と
くに出口側圧力シ−ル部では熱処理済の捲縮繊維塊と固
設の中寄せ部材との間に左右1対の無端ベルトが介在す
ることから、捲縮繊維塊の左右両端面部の擦過作用が生
じない。
【0026】
【実施例】
【1】本発明の実施例である図に基づいて説明する。ま
ず図1は本発明を実施する連続熱処理機の縦断面図であ
り、被処理合成繊維トウ1(本実施例ではアクリル系8
8万ト−タルデニ−ルのトウ)は図上左から供給され捲
縮装置2にて進行速度12m/minの捲縮繊維塊3に
形成され、図上右に向かって18m/minで走行して
いる上下1対の無端コンベアベルト7に挟まれて右に運
ばれ、縦18mm,横200mmに設定された矩形断面
で筒状をなした圧力室入口シ−ル部4を通り、圧力室5
に搬送した。引き延ばし率は1.5になる。
【0027】図2はかかる入口シ−ル部4の、捲縮繊維
塊3の進行方向に垂直な面の断面図であるが、図示の如
く捲縮繊維塊3の左右を挟む左右1対の無端ベルトは設
けていない。捲縮繊維塊3と入口シ−ル部4の矩形内部
の上下左右には肉眼で認められる隙間は無かった。
【0028】圧力室出口シ−ル部6は入口シ−ル部と同
じ縦横寸法の矩形断面の筒状である。但し横寸法を狭め
るための巾寄せ部材8を固設しているし、さらに左右1
対の無端ベルト(ゴム製)9を走行するようにしている
ので該出口シ−ル部の実質の横寸法は190mmである
(図3参照のこと)。
【0029】圧力室5は室の上下から熱媒蒸気として飽
和水蒸気を導入し室の下底部から凝縮水を排出する構造
である(図1において水蒸気の導入孔,凝縮水の排出孔
は共に図示していない)。本実施例ではゲ−ジ圧2.0
kg/cm2 の水蒸気を導入したが熱処理の間中、圧力
室に設けた圧力計の変動はわずかに±0.06kg/c
2 であり、入口シ−ル部はもとより出口シ−ル部から
も水蒸気の洩れは肉眼でほとんど認められなかった。
【0030】圧力室5への水蒸気導入配管の途中に設け
た蒸気積算流量計での流量に対する、圧力室下底部から
排出される凝縮水積算流量計の流量は96.4重量%で
あった。この値は被熱処理捲縮繊維塊の持込み水分の影
響もうけるので完全ではないが、圧力シ−ル部からの水
蒸気の洩れの大小の目安となり、高度のシ−ル性が有る
ことを示している。
【0031】この圧力室出口シ−ル部6の様子は図2と
同じく進行方向に垂直な面の断面図として図3に示され
る。図3により被熱処理捲縮繊維塊3が上下は上下1対
の無端コンベアベルト7に挟まれ、左右は同じように巾
寄せされた左右1対の無端ベルト9に挟まれていること
が理解されよう。本実施例の実験終了時に走行物の駆動
を全て一勢停止し、出口シ−ル部を解体して確認したと
ころ、捲縮繊維塊3と出口シ−ル部6の矩形内部の上下
左右には肉眼で認められる隙間は無かった。
【0032】本実施例の被熱処理捲縮繊維塊は所定の後
処理ののち、繊維の物性値を評価した。評価項目は染着
度のトウの巾及び長さ方向のムラをあらわす染着度範囲
(染着度の最大値と最小値の差)と、熱処理後単繊維2
00本の顕微鏡観察により繊維直径以上の長さのクラッ
クを有する単繊維存在の比率(%)であらわした損傷
度、及び熱処理後捲縮繊維塊の左右両端面部のみから採
取した単繊維200本の顕微鏡観察により、切断又は擦
過損傷を被っている単繊維存在比率(%)であらわした
擦過度である。第1、第2評価項目共に、とくに出口側
圧力シ−ル部による圧力シ−ル性が良いと小さい値にな
る。これは圧力シ−ル性が悪く被熱処理繊維塊が広く変
動した圧力下に晒されたり吹き出したりすると、熱処理
の均一性が失われて染色性のムラになること、同様に高
温の繊維が強い衝撃力で器機壁等に叩き付けられると単
繊維に割れ,裂け等のクラックが発生することによるの
である。第3の擦過度は文字通り出口側圧力シ−ル部左
右壁での繊維のこすれを表し、これが小さい程優れてい
る。
【0033】評価結果は染着度範囲0.58%,損傷度
2.0%,擦過度1.1%であり、優れた圧力維持方法
であることが示され、さらに捲縮繊維塊左右両端面部も
含めて、高品質の熱処理繊維が得られていることが理解
される。
【0034】
【比較例】
【1】下側無端コンベアベルトを捲縮繊維塊の搬送用に
残し、入口シ−ル部,出口シ−ル部共にロ−ラ−シ−ル
装置に取り替えた外は実施例1と同じ熱処理機におい
て、実施例1の熱処理をロ−ラ−シ−ル方式で実施し
た。入出口側ロ−ラ−シ−ル装置からの水蒸気の洩れを
防止するのに、入口側は3kg/cm2 Gであったが出
口側のロ−ラ−シ−ル装置は5kg/cm2 Gのロ−ラ
−間面圧が必要であった。
【0035】圧力室内の圧力計の変動は±0.04kg
/cm2 ,凝縮水流量比は97.0重量%で、圧力維持
性、水蒸気の洩れは問題なかった。染着度範囲も0.5
0%で良好であったが、損傷度は30%に達し、出口ロ
−ラ−シ−ルでの損傷が激しいことが判る。擦過度は評
価対象となる捲縮繊維塊左右両端面と言える部分が無か
ったので評価出来なかった。
【0036】
【比較例】
【2】実施例1の熱処理機において、圧力室出口シ−ル
部6の巾寄せ部材8と左右1対の無端ベルト9とを取外
した外は実施例1と同じ条件での熱処理を行なった。間
欠的な出口シ−ル部からの水蒸気を伴った捲縮繊維塊の
吹き出しがあり、満足な操業が出来なかったが わずか
な量の試料は得られた。
【0037】本実験の成績は圧力計の変動±0.50k
g/cm2 ,凝縮水流量比63.4重量%,染着度範囲
2.58%,損傷度25%,擦過度8.0%であった。
肉眼観察とも合わせて熱処理が不均一で水蒸気の漏れが
激しく繊維も大きな損傷をこうむっていることが理解さ
れる。また、たまたま採集出来たこの実験試料でも、擦
過損傷が大きいことから、実施例1と較べて左右1対の
無端ベルトの擦過損傷防止効果が顕著であることが判
る。
【0038】
【実施例】
【2】実施例1の熱処理機において、圧力室出口シ−ル
部を実施例1と同一形状で縦14mm,横200mmに
設定されており、巾寄せ部材8を備えたものに取替え、
出口シ−ル部内を走行する左右1対の無端ベルトも撤去
した外は、実施例1と同じ条件での熱処理を行なった。
良好な操業が出来、十分な試料が得られた。水蒸気の洩
れは入口シ−ル部では認められず、出口シ−ル部で、わ
ずかに認められた。
【0039】本実験の成績は圧力計の変動±0.08k
g/cm2 ,凝縮水流量比93.7重量%,染着度範囲
0.66%,損傷度4.0%,擦過度4.3%であり、
水蒸気洩れの少ない安定な圧力維持が出来、均一で損傷
の少ない熱処理が行なわれたことが判る。但し左右1対
の無端ベルトが無いため、実施例1より幾分擦過損傷が
起こっている。
【0040】
【実施例】
【3】実施例1の熱処理機において、圧力室出口シ−ル
部内の上下に、上下1対の無端コンベアベルト間クリア
ランスを小さくする目的で、上下調整部材10を併設
(圧力室出口シ−ル部の捲縮繊維塊進行方向に垂直な面
の断面図である図4を参照)した外は、実施例1と同じ
条件での熱処理を行なった。極めて安定した操業性が得
られ肉眼での水蒸気の洩れは入・出口シ−ル部共に認め
られなかった。
【0041】本実験の成績は圧力計の変動±0.03k
g/cm2 ,凝縮水流量比97.7重量%,染着度範囲
0.43%,損傷度0.5%,擦過度0.6%と評価さ
れ圧力維持、熱処理繊維の品質共に特に優れている。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法は被熱
処理繊維にクラックや擦過傷、切断等の大きな損傷を与
えることなく、熱処理用熱媒蒸気圧力の安定維持が出来
る方法であり、熱処理むら例えば染着度むらの少ない、
操業安定性の高い方法であることや、熱処理後捲縮繊維
塊の寸法の変わる多くの銘柄が処理出来ることも派生す
る効果である。しかも熱媒蒸気洩れの少ない即ち熱媒蒸
気原単位に優れることも一つには省エネルギ−の方法で
あること、及び作業場に熱媒蒸気が洩れ出さないので衛
生的な作業環境となるなど、工業的意義の大なるものが
ある。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法の一実施例を示す、連続熱
処理機の縦断面図である。熱処理される合成繊維トウ1
が図上左から供給され、捲縮装置2にて捲縮繊維塊3に
形成され、圧力室入口シ−ル部4、圧力室5、圧力室出
口シ−ル部6内を貫通して右に走行する上下1対の無端
コンベアベルト7に該捲縮繊維塊3が挟まれて右に搬送
される状態を示す。
【図2】図2は図1の圧力室入口シ−ル部4の、捲縮繊
維塊3の進行方向に垂直な面の断面図である。入口シ−
ル部内には、捲縮繊維塊3の上下を挟んで上下1対の無
端コンベアベルト7が在ることを示す。
【図3】図3は図1の圧力室出口シ−ル部6の、捲縮繊
維塊3の進行方向に垂直な面の断面図である。出口シ−
ル部内には、捲縮繊維塊3の上下には上下1対の無端コ
ンベアベルト7が、左右には左右1対の無端ベルト9と
その外側に位置して固設された巾寄せ部材8が存ること
を示す。
【図4】図4は本発明の別の実施態様の出口シ−ル部6
を示す断面図である。出口シ−ル部内には、上下に上下
調整部材10と上下1対の無端コンベアベルト7が、左
右には左右1対の無端ベルト9とその外側に位置して固
設された巾寄せ部材8が存ることを示す。
【0044】
【符号の説明】
1 合成繊維トウ 2 捲縮装置 3 捲縮繊維塊 4 入口シ−ル部 5 圧力室 6 出口シ−ル部 7 上下1対の無端コンベアベルト 8 巾寄せ部材 9 左右1対の無端ベルト 10 上下調整部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 捲縮された合成繊維トウを、上下1対の
    無端コンベアベルトに挟んで大気圧以上の熱媒蒸気を満
    たした圧力室を通して連続的に熱処理するに際し、捲縮
    装置から排出されたトウを圧力室に仕込み、次いで熱処
    理済の合成繊維トウを該圧力室から引出すとき、圧力室
    出口シ−ル部の縦横寸法を圧力室入口シ−ル部の縦横寸
    法よりも小さくする事を特徴とする合成繊維トウ用連続
    熱処理機の圧力維持方法。
  2. 【請求項2】 トウの両サイドを少なくとも圧力室出口
    シ−ル部分で走行する左右1対の無端ベルトを設け、該
    無端ベルトを内側に巾寄せすることを特徴とする請求項
    1記載の合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法。
  3. 【請求項3】 圧力室出口シ−ル部分において、前記上
    下1対の無端コンベアベルト間クリアランスを小さくす
    る事を特徴とする請求項1、又は請求項2記載の合成繊
    維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法。
JP19171492A 1992-06-24 1992-06-24 合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法 Expired - Fee Related JP3173669B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19171492A JP3173669B2 (ja) 1992-06-24 1992-06-24 合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法
EP93913552A EP0617151B1 (en) 1992-06-24 1993-06-22 Method of maintaining pressure of continuous heat-treating machine for synthetic fiber tow
US08/170,161 US5433914A (en) 1992-06-24 1993-06-22 Method for maintaining pressure in continuous heat treating machine for synthetic fiber tow
TW082104919A TW226037B (ja) 1992-06-24 1993-06-22
PCT/JP1993/000834 WO1994000628A1 (en) 1992-06-24 1993-06-22 Method of maintaining pressure of continuous heat-treating machine for synthetic fiber tow
GB9400988A GB2274854B (en) 1992-06-24 1993-06-22 Method of maintaining pressure of continuous heat-treating machine for synthetic fiber tow
DE4392925T DE4392925T1 (de) 1992-06-24 1993-06-22 Verfahren zur Aufrechterhaltung des Drucks in einer kontinuierlichen Wärmebehandlungsmaschine für Synthesefaserkabel
DE4392925A DE4392925C2 (de) 1992-06-24 1993-06-22 Wärmebehandlungsmaschine für Synthesefaserkabel sowie Verfahren zur Herstellung eines gekräuselten Synthesefaserkabels

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19171492A JP3173669B2 (ja) 1992-06-24 1992-06-24 合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0610229A true JPH0610229A (ja) 1994-01-18
JP3173669B2 JP3173669B2 (ja) 2001-06-04

Family

ID=16279260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19171492A Expired - Fee Related JP3173669B2 (ja) 1992-06-24 1992-06-24 合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US5433914A (ja)
EP (1) EP0617151B1 (ja)
JP (1) JP3173669B2 (ja)
DE (2) DE4392925T1 (ja)
GB (1) GB2274854B (ja)
TW (1) TW226037B (ja)
WO (1) WO1994000628A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6009952A (en) * 1998-04-29 2000-01-04 Porteous; Don D. Method of protecting a horse's hoof and product
ITMI20130821A1 (it) * 2013-05-21 2013-08-20 M A E S P A Apparecchiatura per lo stiro di fibre acriliche in atmosfera di vapore in pressione e dispositivo automatico di incorsamento per detta apparecchiatura.
CN113293475A (zh) * 2020-12-25 2021-08-24 河南省西峡开元冶金材料有限公司 一种陶瓷纤维预处理方法以及陶瓷纤维衬垫的制造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3098260A (en) * 1962-02-08 1963-07-23 Monsanto Chemicals Annealing apparatus
JPS4728247A (ja) * 1971-01-05 1972-10-31 Polymar Kako Kenyusho Kk
JPS60476B2 (ja) * 1977-02-14 1985-01-08 鐘淵化学工業株式会社 捲縮トウ塊の連続熱処理方法ならびにその装置
JPS607062B2 (ja) * 1981-01-27 1985-02-22 株式会社山東鉄工所 糸、紐、スライバ−状繊維製品の連続湿熱処理方法及び装置
JPS607062A (ja) * 1983-06-23 1985-01-14 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 鉛蓄電池用陰極板の製造法
JPS6039470A (ja) * 1983-08-10 1985-03-01 株式会社高分子加工研究所 連続繊維熱処理方法及び装置
DE3538871A1 (de) * 1985-11-02 1987-05-07 Bayer Ag Verfahren zur behandlung eines endlosen faserkabels
JPH0258386A (ja) * 1988-08-24 1990-02-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd レーザ装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE4392925C2 (de) 2002-08-01
GB2274854B (en) 1996-12-18
US5433914A (en) 1995-07-18
EP0617151A4 (en) 1994-11-17
WO1994000628A1 (en) 1994-01-06
DE4392925T1 (de) 1994-10-20
TW226037B (ja) 1994-07-01
GB2274854A (en) 1994-08-10
EP0617151A1 (en) 1994-09-28
GB9400988D0 (en) 1994-05-11
EP0617151B1 (en) 1997-10-29
JP3173669B2 (ja) 2001-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3783649A (en) Apparatus for continuously treating fibrous materials under pressure
US4565524A (en) Sealed yarn heating chamber
EP0449630A1 (en) Apparatus for crimping tow including stuffer box, crimping rollers and molding rollers
GB1227249A (ja)
EP0459826B1 (en) Method for heating crimped fibres
US7543463B2 (en) Heat setting machine with sealing head
JPH0610229A (ja) 合成繊維トウ用連続熱処理機の圧力維持方法
US2986912A (en) Textile treating apparatus
US5575048A (en) Apparatus for treating traveling textile material having expansion chambers
US4641504A (en) Yarn heating chamber
FI86997C (fi) Fixeringsanordning
US8096029B2 (en) Device for maintaining the crimping of textile fibers or filaments during subsequent setting
KR100271785B1 (ko) 합성 섬유 토우용 연속 열 처리기의 압력 유지 방법
US3763527A (en) Process for producing crimped fibers by continuous wet heat setting and apparatus therefor
US3545058A (en) Stuffer crimper with cooling fluid wretreatment means
JPS60476B2 (ja) 捲縮トウ塊の連続熱処理方法ならびにその装置
US2697851A (en) Method and apparatus for treating plastic web
WO2002070808A1 (en) Improved steam seal for textile production
CN1044141C (zh) 保持合成纤维束连续热处理机内压力的方法
US7219516B2 (en) Heat setting machine with sealing head
US3781951A (en) Method and apparatus for compressively crimping textile strands
US3500516A (en) Apparatus for strand treatment
WO1982001410A1 (en) Method and apparatus for changing the temperature of a moving continuous web
EP0089790A1 (en) Conductor roll for electrotreating of metal strip
US3830421A (en) Strand treatment apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees