JPH0610146B2 - 直鎖第1級脂肪族高級アルコ−ルの抽出法 - Google Patents

直鎖第1級脂肪族高級アルコ−ルの抽出法

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JPH0610146B2
JPH0610146B2 JP60227535A JP22753585A JPH0610146B2 JP H0610146 B2 JPH0610146 B2 JP H0610146B2 JP 60227535 A JP60227535 A JP 60227535A JP 22753585 A JP22753585 A JP 22753585A JP H0610146 B2 JPH0610146 B2 JP H0610146B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は動・植物性天然ワックスをケン化分解した後得
られた高級脂肪酸塩と高級アルコールの混合物より直鎖
第1級脂肪族高級アルコールを抽出分離する方法に関す
る。さらに詳しくは亜臨界または超臨界状態の流体を抽
剤として、動・植物性天然ワックスをケン化分解して得
られた高級脂肪酸塩と高級アルコールの混合物より直鎖
第1級脂肪族高級アルコールを抽出分離する方法に関す
るものである。抽出対象としての直鎖第1級脂肪族高級
アルコールはC20からC36程度のものであるが、その中
でもC28のオクタコサノール、C30のトリアコンタノー
ルは生理活性物質として多方面での利用が期待される重
要な物質である。即ちオクタコサノールはCH(CH
26CHOHで表わされる分子量410.74、融
点83.2〜83.4℃、白色結晶の直鎖飽和1価アル
コールであり、自然界には植物性ワックスの1成分とし
て特に小麦の葉から抽出したロウ、リンゴの表皮を覆っ
ているロウ、カンデリラロウ、棉ロウ等に含まれてい
る。その他にも植物油、穀物、ナッツ類、植物の葉、
茎、果実等の表皮に広く存在しているが、しかしいずれ
の場合もその含有量は極微量である。
オクタコサノールには大きく分けて体力の増進と損傷し
た神経細胞の修復の二つの効果があることが知られてい
る。例えば、 耐久力、精力、体力の増進 反射、機敏性の向上 ストレスの影響に対する抵抗性の向上 性ホルモンの刺激、筋肉痙攣の低減 心筋を含む筋肉機能の良化 収縮期血圧の低下 基礎代謝力の向上 等といった作用効果が確認され、健康食品として、また
治療目的として使用されている。通常の体力増進目的に
は1mg/day程度が適当であるが、治療目的にはミネラ
ルやビタミン類に約40mg/day程度を添加服用するの
が良いとされている。
トリアコンタノールはメリシルアルコールとも呼ばれ、
CH(CH28CHOHで表わされる分子量43
8.80、融点86.5℃、白色結晶の直鎖飽和一価ア
ルコールである。自然界にはオクタコサノール同様、植
物性ワックスの1成分として極微量含有されている。ト
リアコンタノールはオクタコサノールと同様な効果が知
られているうえに、極めて著しい植物成長促進作用が認
められている。
(従来の技術) このように有用なオクタコサノールの取得法としては、
ベヘン酸CH(CH20COOHを出発物質として
化学的に合成する方法、シクロヘキサンとブタジエンか
ら得られる1.18−オクタデカンジカルボン酸モノエ
チルエステルとカプリン酸から電気化学的に合成する方
法があるが、天然植物油、ワックス等を原料とする抽出
法も行なわれている。天然植物油、ワックス等の中で特
に小麦胚芽油中に約100ppm含まれていることが知ら
れており、量的に商業ベースで抽出する原料としてはこ
れが最も良いとされている。トリアコンタノールは前記
オクタコサノールの電気化学的合成法と同様にカプリン
酸の代りにラウリン酸を使つて合成される。しかしなが
ら植物性ワックスからの抽出法は未だ商業的には実施さ
れていない。また、動・植物性天然ワックスの中にはこ
れ等高級アルコールが高級脂肪酸とエステルの形となっ
て含有されており、従ってこれ等ワックスをエタノール
・カセイアルカリ溶液中でケン化分解したのち、絶乾固
形物を得、これを無極性の溶媒で抽出して高級アルコー
ルを得る方法が提案されている。(特開昭60−155
143) (発明が解決しようとする問題点) 化学合成的に得られるオクタコサノールは効果上は天然
物と同様と思われるが、例えば原料として使用されるベ
ヘン酸自体の取得が困難であり、電気化学的手法も合成
過程、精製工程などが複雑で結果的には高価なものにつ
き、また、あくまで合成化学品としての人体への服用の
安全上の懸念が残る。天然オクタコサノールの抽出は最
も含有量の多いとされる小麦胚芽油中でも100ppm程
度であり、その他の場合は更に極微量の含有でしかな
い。これに加えてオクタコサノールは水に不溶であり、
有機溶剤に対しても溶解度が小さいため、その抽出は困
難であり、従つて非常に高価なものとなつている。トリ
アコンタノールについても略同様で非常に高価である。
動・植物性天然ワックスをケン化分解した後、高級アル
コールを無極性溶媒で抽出分離取得する方法は、比較的
高級アルコールが濃縮された形で存在するため原料的な
面としては効率的であるといえる。唯この方法ではワッ
クスを溶媒に溶かしたのち、エタノール・カセイアルカ
リを加えて還流下にケン化分解と行なうが、大過剰の溶
媒及び完全分解する為に数次にわたり大過剰のエタノー
ル・カセイアルカリの添加が必要で非常に容積効率が悪
く、未分解ワックスが残存するとあとの溶媒抽出時に高
級アルコール成分へ抽出され除去が困難となる。また、
脱溶媒・脱水を完全に行なわないと無極性溶媒での抽出
工程で、高級脂肪酸塩が可溶化され、高級アルコールと
一緒に抽出されるため、分離精製工程が繁雑になり最終
生成物の純度と収率を下げる可能性が大きい。その他、
エネルギー消費が大きいことおよび、抽出を有機溶媒で
実施するため脱溶媒等の後処理工程を要する等操作が繁
雑で問題点が多い。
(問題を解決するための手段) そこで本発明者らは天然に存在する原料よりオクタコサ
ノール、トリアコンタノール等の直鎖第1級脂肪族高級
アルコールを工業的に有利に抽出分離する方法について
鋭意検討した結果、亜臨界または超臨界状態の流体を抽
剤として用いれば動・植物性天然ワックスをエタノール
・カセイアルカリを用いてケン化分解した後得られた高
級脂肪酸塩と脂肪族高級アルコールの混合物より、これ
ら高級アルコールのみを抽出分離することを発見し本発
明に到達した。さらに原料の種類、抽剤の種類、抽出分
離条件等についても検討を加え本発明を完成するに至つ
た。
以下本発明の構成について説明する。
原料の動・植物性天然ワックスとしては、カルナバ・ワ
ックス、カンデリラ・ワックス、ライスブラン・ワック
ス、ビー・ワックス、シエラック・ワックス、シュガー
ケーン・ワックス等が挙げられる。これらのワックスは
高級脂肪酸と脂肪族高級アルコールのエステルであるが
カセイアルカリによるケン化反応によって、高級脂肪酸
塩と脂肪族高級アルコールに分解される。分解は予め原
料を還流下エタノール中に溶解させておき、そこへ過剰
のエタノール・カセイアルカリ溶液(添加アルカリ量は
原料ワックスに対し約3〜5倍モル)を数度に分けて添
加することにより行なう。ここでカセイアルカリとして
はカセイカリを用いると好結果が得られるが勿論カセイ
ソーダを用いることもできる。ワックスの分解の進行の
程度はガスクロマトグラフィーによって未分解ワックス
のピーク面積を測定し面積の減少度から推定する。未分
解のワックスが認められなくなるまで分解するのが理想
的であるが、抽剤として亜臨界超臨界の流体を用いる本
発明の方法ではガスクロマトグラフィーに未分解のワッ
クスのピークが認められても、エタノールおよびエタノ
ール・カセイアルカリ溶液調製時に用いた若干の水を留
去、乾燥した後、微量の未分解のワックスを含んだま
ま、即ち分解が不完全でも次の抽出工程に移ることがで
きる。
従来行なわれているn−ヘキサン、n−ペンタン等の無
極性溶媒を用いる高級脂肪酸塩と高級アルコールの混合
物から高級アルコールを分離する方法(特開昭60−1
55143)では未分解のワックスが残存すると、溶媒
抽出時にワックスが高級アルコール成分へ抽出され、除
去が困難となり、純度・収率低下の原因となる。しかし
本発明の方法では亜臨界、超臨界の流体の種類ならびに
抽出条件を選べば、高級脂肪酸塩と高級アルコールの混
合物から高級アルコールのみを選択的に抽出することが
可能となるのも本発明の従来法よりすぐれた点である。
一般的に亜臨界または超臨界状態の流体を用いて有機化
合物を、それを含有する混合物から分離する方法は例え
ば特公昭54−10539号公報に記載のとおり公知で
ある。亜臨界または超臨界状態の流体とは臨界温度およ
び臨界圧力付近あるいはそれを超える状態にある流体を
指す。例えばエチレン(9.9℃,50atm)、二酸化
炭素(31.0℃,72.9atm)のように臨界状態付
近またはそれ以上の状態にある流体であって液体に近い
密度とガス体に近い大きな拡散係数を有している。この
特性の為に種々の化合物を速やかにかつ大量に効率よく
抽出でき、しかも抽剤の分離が容易であるという特徴を
有する。また圧力や温度をわずかに変化させるだけで種
々の化合物に対する溶解能力が大きく変化するため、選
択的な抽出をも行なえるという特徴がある。本発明にお
いては一般に前記、亜臨界または超臨界状態にある流体
のいずれも使用可能であるが、一般的に高級脂肪酸塩と
直鎖第1級脂肪族高級アルコールとの分離能が優れてい
ることや、比較的低温での処理が可能で取扱いおよび操
作が簡単で経済的に有利であること等の理由から、通常
抽剤としては二酸化炭素を用いる。
前記n−ヘキサン、n−ペンタン等の溶媒を用いる抽出
法では、抽出液は着色しており、かつアルカリ成分を含
んでいる。その為、温水による脱アルカリ、脱水、脱色
工程を経なければ無色の高級アルコールを得ることがで
きないが、超臨界または亜臨界の二酸化炭素を抽剤に用
いた場合、抽出相から抽剤に用いたCOを分離すると
後に無色の脂肪族第1級高級アルコールが単離され、脱
アルカリ、脱水、脱色等の面倒な後操作は不要となる。
以下本発明の実施態様をフローシートに基づいて説明す
る。第1図においてCOシリンダー1より圧縮機2を
用いて所定の圧力まで圧縮したCOを熱交換器3を通
して所定の抽出温度にし、亜臨界または超臨界状態にし
て抽出塔4へ導入する。抽出塔4には動・植物性天然ワ
ックスをケン化分解して得られた高級脂肪酸塩と高級ア
ルコールの混合物(乾燥固形物)を仕込んでおき、亜臨
界又は超臨界のCOを接触させて抽出操作を行なう。
次いで抽出物を含んだCO相を減圧弁5を通して減圧
し、セパレーター6に導き抽出物をCOから分離す
る。抽出物と分離されたCOはコンデンサー7で冷却
液化され圧縮機2を経てリサイクルする。上記プロセス
に於いて抽出塔内のCOの圧力は50〜500kg/cm
2、好ましくは60〜300kg〜cm2、温度は25〜10
0℃好ましくは25〜70℃の範囲に保つて抽出するこ
とが必要である。低すぎると液化COとなるため抽剤
と抽出物との分離にもエネルギーを要する。逆に高すぎ
ると装置費が嵩み経済性に問題の出る他、熱劣化等の悪
影響の現われる場合もある。セパレーター6において抽
出相より抽出物分離する際の条件は圧力が1〜200kg
/cm2、温度30〜100℃の範囲で定めるのが好まし
い結果が得られる。なお抽出塔に抽剤を段階的に圧力を
上げて導入し、段階的抽出を行なうこともできる。また
抽剤との分離は上記減圧法の他、温度変化法によっても
よく、またセパレーターを複数個直列に設け段階的に圧
力を下げて分別分離を行なうことも可能である。第1図
に示したプロセスにおいてセパレーター6より経時的に
抽出物を分離するが、分取の仕方によつて得られる抽出
物の成分が異なってくるので目的とする有効成分の分割
抽出を行なうこともできる。
(実施例) 以下実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 酸価(AV)9.5ケン化価(SV)89.4沃素価
(IV)4.8融点(m.p.)81.2℃の精製米糖
ロウ(ライスブラン・ワックス)350gを2のエタ
ノールを仕込んでおいた10の4ツ口フラスコに撹拌
下添加し、1時間エタノール還流下に溶解させた。エタ
ノール・カセイカリ溶液は200gの固形カセイカリに
少量の水を加え湿潤状態にしたものを2のエタノール
に溶解させて調製した。このエタノール・カセイカリ溶
液を二等分し、一部を上記米糖ロウのエタノール溶液に
徐々に滴下しながら還流下5時間撹拌し、分解反応を行
なった。さらに残りのエタノール・カセイカリ溶液を上
記と同様にフラスコ中に滴下し、還流下に5時間反応を
行ない分解反応を終了した。分解生成物の一部を採取
し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ未分
解のロウ成分がわずかに認められたが、そのまま、ロー
タリーエバポレーターにて真空下、脱エタノールおよび
脱水を行なった。乾燥固形物の収量は380gであっ
た。この固形物を粉砕したものを原料とし第1図に示す
プロセスにて200kg/cm2温度40℃の超臨界CO
を抽剤として抽出を行ない、常温、大気圧下で抽出物を
分離し102gの白色固形物を得た。この白色固形物を
ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、高純度の
高級アルコール組成物であることが判明し、その中に存
在する原料ロウおよび高級脂肪酸塩はごくわずかであっ
た。ガスクロマトグラフィーによる高級アルコール組成
物の分析結果を示す。
24: 5.5%,C26: 7.2%,C28:16.5% C30:24.3%,C34:18.0%,C36: 3.8% 実施例2 実施例1で用いたのと同じ米糖ロウ350gを実施例1
と同様の分解処理を行なつた後、やはり実施例1と同様
に脱エタノール、脱水を行ない378gの乾燥固形物を
得た。この固形物を粉砕したものを原料として第1図に
示すプロセスにて250kg/cm2温度40℃の超臨界C
を抽剤として抽出を行ない、200kg/cm240℃
にて未分解のロウを含む抽出物を部分的に分離した後1
40kg/cm2、35℃にて高級アルコールの分離を行な
い97gの白色固形物を得た。この白色固形物をガスク
ロマトグラフィーにより分析したところ、原料ロウおよ
び脂肪酸の存在は検出されず非常に高純度の高級アルコ
ール組成物であることが分った。ガスクロマトグラフィ
ーによる高級アルコール製成物の分析結果を次に示す。
24: 3.7%,C26: 8.3%,C28:21.6%, C30:28.4%,C32:19.1%,C34:15.3%, C36: 1.5% 実施例3 キューバより輸入した砂糖ロウ(シュガーケーン・ワッ
クス)200gを実施例1に準じた方法で約3時間アル
カリ分解し、得られた分解溶液をやはり実施例1と同様
の方法で乾燥して乾燥固形物213gを得た。この乾燥
固形物を粉砕したものを原料として第1図に示すプロセ
スにて圧力220kg/cm2、温度38℃の超臨界CO
を抽剤として抽出を行ない150kg/cm2、35℃にて
抽出物を分離し、35gの白色微粉末を得た。この微粉
末をガスクロマトグラフィーにより分析したところC
28のオクタコサノールを主成分とする高純度の高級脂
肪族アルコール組成物であることが分った。抽出物のガ
マクロマトグラフィーによる分析結果を次に示す。
24: 3.4%,C26: 7.6%,C28:70.3%, C30:12.1%,C32: 2.2%, 実施例4 AV2.0,SV80.3,IV11.5,m.p8
7.8℃のカルナバワックス250gを実施例1に準じ
てケン化分解後、乾燥して乾燥固形物265gを得た。
この乾燥固形物を粉砕したものを原料として第1図に示
すプロセスにて圧力200kg/cm2、温度40℃の超臨
界COを抽剤として抽出を行ない常温、大気圧下で分
離し87gの白色微粉末を得た。この抽出物をガスクロ
マトグラフィー分析したところ、原料ロウおよび脂肪酸
の存在は極わずかで高純度の高級アルコール組成物であ
ることが分った。高級アルコール成分の分析結果を下に
示す。
22: 1.2%,C24: 2.5%,C26: 7.1%, C28: 7.3%,C30:17.8%,C32:43.5%, C36:15.7%,その他 4.9% [発明の効果] 本発明の方法により工業的に有利にオクタコサノール、
トリアコンタノール等の有用な直鎖第1級脂肪族高級ア
ルコールを得ることが出来、従来法に比して下記の優れ
た効果が奏せられる。
従来法では動・植物性天然ワックスをエタノール・カ
セイアルカリによるケン化反応で、ほぼ完全に高級脂肪
酸塩と脂肪族高級アルコールに分解し、反応物より高級
アルコールのみをn−ヘキサン、n−ペンタン等の無極
性溶媒を用いて抽出分離していた。しかし本発明の方法
では、温度、圧力、の変化だけで種々の有機化合物に対
する溶解能が変化する、亜臨界または超臨界の流体、就
中二酸化炭素を抽剤に用いているので、ケン化分解が完
全に行なわれていなくても反応混合物から、直鎖第1級
脂肪族高級アルコールのみを選択的に抽出することがで
きる。また、同様に、分解反応後のエタノール、若干の
水の留去が不完全でも、前記と同様な理由で直ちに抽出
工程に移ることができる。
従来法では例えばn−ヘキサンを用いて抽出した場
合、抽出液は着色し、多量のアルカリ分を含んでいるの
で、洗浄、脱水、脱色の煩雑な工程を経た後、抽剤を留
去して目的物を分離していた。しかし本発明の方法では
抽剤として亜臨界または超臨界の流体を用いているので
抽出物と抽剤の分離が非常に簡単で、分離後には目的物
のみが得られる。その為、従来法のように面倒な後処理
工程が不要となり、簡単な工程で効率よく直鎖第1級脂
肪族高級アルコールを分離することができる。また従来
法のように大量の有機溶媒を使用することがないので操
作上の危険性、環境の汚染等の問題がない。
低温および不活性雰囲気中での抽出操作の為変質がな
く、また抽出物への有機溶媒の残留の問題もないので高
純度の直鎖第1級脂肪族高級アルコールを抽出分離する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様を示すフローシートである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動・植物性天然ワックスをケン化分解した
    後得られた高級脂肪酸塩と高級アルコールの混合物よ
    り、高級アルコールを分離するに際し、抽剤として亜臨
    界または超臨界状態の流体を用いることを特徴とする直
    鎖第1級脂肪族高級アルコールの抽出法。
  2. 【請求項2】動・植物性天然ワックスがカルナバ・ワッ
    クス(Carnaba Wax)、カンデリラ・ワックス(Candeli
    lla Wax)、ライスブラン・ワックス(Rice‐Bran Wa
    x)、ビー・ワックス(Bees Wax)、シェラック・ワッ
    クス(Shellac Wax)、シュガーケーン・ワックス(Sug
    ar Cane Wax)である特許請求の範囲(1)記載の方法。
  3. 【請求項3】ケン化分解をエタノール・カセイアルカリ
    溶液で行なう特許請求の範囲(1)記載の方法。
  4. 【請求項4】亜臨界または超臨界状態の流体が二酸化炭
    素である特許請求の範囲(1)記載の方法。
  5. 【請求項5】亜臨界または超臨界状態の流体が、圧力6
    0〜300kg/cm2温度、25〜100℃の二酸化炭素
    である特許請求の範囲(4)記載の方法。
  6. 【請求項6】抽出相より抽出物を分離する際の条件とし
    て、圧力が1〜200kg/cm2、温度が30〜100℃
    である特許請求の範囲(1)(4)または(5)記載の方法。
  7. 【請求項7】抽出工程において、段階的に抽出を行なう
    か、または分離工程において分別的に分離を行なうこと
    により、抽出成分を分割して得る特許請求の範囲(1)(4)
    (5)または(6)記載の方法。
  8. 【請求項8】抽出分離する直鎖第1級脂肪族高級アルコ
    ールの主成分が、オクタコサノール(Octacosanol)で
    ある特許請求の範囲(1)〜(7)記載の方法。
  9. 【請求項9】抽出分離する直鎖第1級脂肪族高級アルコ
    ールの主成分が、トリアコンタノール(Triacontanol)
    である特許請求の範囲(1)〜(7)記載の方法。
JP60227535A 1985-10-12 1985-10-12 直鎖第1級脂肪族高級アルコ−ルの抽出法 Expired - Lifetime JPH0610146B2 (ja)

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