JPH06101396B2 - 超高真空用複合ダクトおよびその製法 - Google Patents

超高真空用複合ダクトおよびその製法

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JPH06101396B2
JPH06101396B2 JP8727186A JP8727186A JPH06101396B2 JP H06101396 B2 JPH06101396 B2 JP H06101396B2 JP 8727186 A JP8727186 A JP 8727186A JP 8727186 A JP8727186 A JP 8727186A JP H06101396 B2 JPH06101396 B2 JP H06101396B2
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high vacuum
alloy
aluminum
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博史 高田
康充 筒井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、粒子加速器等において用いる超高真空用複合
ダクトの構造及び製造方法に関する。
[従来の技術] 超高真空用ダクトとしては、金属表面からのガス放出率
の少ないステンレスが一般に用いられている。近年、ダ
クトの軽量化およびガス放出率の減少の点から材料開発
がおこなわれており、超高真空用ダクトとして合金アル
ミニウムダクトが適用される様になってきた。
合金アルミニウムダクトがステンレスダクトに比して優
れている点を列挙すると、 押出成形により複雑な形状の断面を形成することがで
きる、 熱伝導率が良好であり、局所的な加熱に耐え得る、 表面からのガス放出が少なく、低い温度での加熱およ
び脱ガスが可能である、 残留放射能の減衰が早い、および 軽量である などの点である。
ところで、ガス放出率に関しては、純アルミニウムが合
金アルミニウムよりも優れている。ガス放出率は、例え
ば、合金アルミニウム6063で10-13トール・l/秒・cm2
度であるが、同一の酸化皮膜処理を行った純アルミニウ
ムダクトで10-14トール・l/秒・cm2程度である。しか
し、純アルミニウムでは構造物としての機械的強度に不
足する。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明によれば、機械的強度およびガス放出率などに優
れた超高真空用ダクトが提供される。
[問題点を解決するための手段] 内側に純アルミニウムを用い、純アルミニウムの外側に
あり純アルミニウムに固着した合金アルミニウムを用い
ることにより、ガス放出率が極めて小さく、機械的強度
が優れた超高真空用ダクトが得られることを見い出し
た。
即ち、本発明の1つの要旨は、 少なくとも2つの金属層を有する超高真空用複合ダクト
であって、 2つの金属層は、 1)ダクト内面として露出する酸化アルミニウム被覆表
面を有する純アルミニウム層、および 2)純アルミニウム層の外側にあり、純アルミニウム層
に固着している合金アルミニウム層であるダクトに存す
る。
本発明の超高真空用ダクトは、純アルミニウム層、およ
び純アルミニウムに固着された合金アルミニウム層から
なる2層を少なくとも有する。純アルミニウム層と合金
アルミニウム層の厚さの比は、ダクトの太さなどによっ
て異なるが、通常、1:1〜1:2である。
純アルミニウム層は、本発明の超高真空用ダクトの最内
層を構成する。純アルミニウム層の内面には、酸化アル
ミニウムの被覆が形成されている。
合金アルミニウム層は、純アルミニウム層の外側に設け
られている。ダクトの露出内面は全て純アルミニウム層
から成ることが好ましいが、一部分において合金アルミ
ニウム層がダクト内面として露出してもよい。合金アル
ミニウムは、Mg、Si、Cu、Zn等の金属との合金であって
もよいが、例えば、押出加工性が良好であるMg−Si系と
の合金であることが好ましい。
本発明の他の要旨は、1)ダクト内面として露出する酸
化アルミニウム被覆表面を有する純アルミニウム層、お
よび2)純アルミニウム層の外側にあり純アルミニウム
層に固着している合金アルミニウム層を少なくとも有す
る超高真空用複合ダクトの製法であって、 酸素を含む混合ガスに接触させることにより純アルミニ
ウム表面に緻密な酸化皮膜を形成しながら、予め形成さ
れた合金アルミニウムパイプ内側に純アルミニウムパイ
プを押出形成した後、内圧印加により両パイプを固着さ
せることを特徴とする製法に存する。
本発明の超高真空用複合ダクトの製造方法の概略は、以
下の通りである。
1)合金アルミニウムを予め所定の形状に押出してダク
ト形状のアルミニウム合金パイプを製造する。
2)酸素を含む混合ガスを供給することにより純アルミ
ニウムパイプ内にアルミニウムの酸化皮膜を形成しなが
ら、純アルミニウムパイプを合金アルミニウムパイプの
内側に押出成形する。混合ガスは、酸素ガスおよびアル
ゴンガスからなることが好ましく、純アルミニウムパイ
プ先端が閉じられた状態で供給されることが好ましい。
3)混合ガス圧を上昇させ、純アルミニウムパイプを拡
管させ、合金アルミニウムパイプに固着させる。固着に
要する圧力は、純アルミニウムパイプの厚さによって異
なるが、通常、10〜20気圧である。
[発明の好ましい態様] 以下に添付図面を参照して本発明を説明する。尚、本発
明が以下の態様に限定されないことはいうまでもない。
第1図は、本発明の超高真空用複合ダクトの横断面図で
ある。本発明の超高真空用複合ダクト1は、内部表面に
酸化アルミニウム被覆を有する純アルミニウム層2、お
よび純アルミニウム層2に固着した合金アルミニウム層
3を有する。
第2図は、第1図の超高真空用ダクトの製造を示す断面
図である。合金アルミニウムパイプ3が予め押出成形さ
れている。純アルミニウムの押出機10において、アルゴ
ン及び酸素からなる混合ガスをガス供給孔11よりダイス
12に向かって供給する。一方、溶融した純アルミニウム
をビレット13よりダイス12に向かって供給し、ダイス12
とポイント14の間の環状空間に通過させることにより純
アルミニウムパイプ2を合金アルミニウムパイプ3内で
(図面の矢印方向に)押出成形する。第3図は、押出し
た直後の2つのパイプを示す横断面図である。純アルミ
ニウムパイプ2と合金アルミニウムパイプ3の間には空
間が存在するが、この空間の厚さは、通常、1.0〜4.0mm
である。
純アルミニウムパイプ2は、ポイント14から出た直後
に、アルゴン及び酸素の混合ガスと接触し、緻密かつ薄
い酸化アルミニウムの皮膜が純アルミニウムパイプ内面
に形成する。次に、純アルミニウムパイプを所定長さに
押出した時点で、上記混合ガスのガス圧を上昇させる
(第3図参照)ことにより、純アルミニウムパイプ2を
合金アルミニウムパイプ3方向に拡管しこの両パイプを
固着させる。
以上の様に合金アルミニウムパイプの内面に、酸化皮膜
処理させた純アルミニウムパイプを押出し、ガス圧で拡
管することにより、任意形状の超高真空用ダクトを製造
することができる。
この複合ダクトは、ガス放出率の極めて少なくかつ機械
的強度にも優れた超高真空用ダクトとして用いることが
できる。
[発明の効果] 本発明によれば、ガス放出率の極めて少ない(例えば、
10-14トール・l/秒・cm2以下)超高真空用複合ダクトが
得られる。又、本発明の方法において、酸素含有ガスの
使用により酸化皮膜を形成することができるとともに、
これらのガス圧を印加するだけで所定のダクト断面形状
を得ることができる。
本発明のダクトは電子蓄積リングなどの粒子加速器にお
いて特に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の超高真空用ダクトの横断面図、 第2図は、第1図の超高真空用ダクトの製造を示す断面
図、および 第3図は、押出直後で固着前における第1図の超高真空
用ダクトの横断面図である。1…超高真空用ダクト、2
…純アルミニウム層、 3…合金アルミニウム層、10…押出機、 11…ガス供給孔、12…ダイス、 13…ビレット、14…ポイント。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2つの金属層を有する超高真空
    用複合ダクトであって、 2つの金属層は、 1)ダクト内面として露出する酸化アルミニウム被覆表
    面を有する純アルミニウム層、および 2)純アルミニウム層の外側にあり、純アルミニウム層
    に固着している合金アルミニウム層 であるダクト。
  2. 【請求項2】1)ダクト内面として露出する酸化アルミ
    ニウム被覆表面を有する純アルミニウム層、および2)
    純アルミニウム層の外側にあり純アルミニウム層に固着
    している合金アルミニウム層を少なくとも有する超高真
    空用複合ダクトの製法であって、 酸素を含む混合ガスに接触させることにより純アルミニ
    ウム表面に緻密な酸化皮膜を形成しながら、予め形成さ
    れた合金アルミニウムパイプ内側に純アルミニウムパイ
    プを押出成形した後、内圧印加により両パイプを固着さ
    せることを特徴とする製法。
JP8727186A 1986-04-15 1986-04-15 超高真空用複合ダクトおよびその製法 Expired - Lifetime JPH06101396B2 (ja)

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JPS62243297A JPS62243297A (ja) 1987-10-23
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