JPH06100992A - 耐海水性非磁性材 - Google Patents

耐海水性非磁性材

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JPH06100992A
JPH06100992A JP25093192A JP25093192A JPH06100992A JP H06100992 A JPH06100992 A JP H06100992A JP 25093192 A JP25093192 A JP 25093192A JP 25093192 A JP25093192 A JP 25093192A JP H06100992 A JPH06100992 A JP H06100992A
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JP
Japan
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steel
magnetic material
concrete
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less
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Withdrawn
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JP25093192A
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English (en)
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Yoshiaki Sakakibara
義明 榊原
Takahide Ono
恭秀 大野
Michio Endo
道雄 遠藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海洋・海浜地帯に設置される磁気浮上式高速
鉄道、核融合施設、海洋機器・構造物で非磁性が望まれ
る構造物の劣化防止に役立つ耐海水性非磁性材料を得
る。 【構成】 重量比でC;1.0%以下、Si;0.25
%以下、Mn;2.0%以下、Al;20.0超〜3
7.3%、P;0.015%以下、S;0.005%以
下、Cu;20〜50%を含有し、必要に応じてTi,
V,Nb,W,Co,Mo,Bの1種又は2種以上をB
以外の元素では合計で0.01〜0.5%、Bは0.0
001〜0.005%含有し、さらにNi,Crの1種
又は2種以上を0.5〜9.0%含有し、残部鉄および
不可避的不純物からなる耐海水性非磁性材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼構造、コンクリート構
造物の中でも、特に磁気浮上式高速鉄道、核融合施設、
海洋機器、構造物で非磁性が望まれる用途に利用される
非磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、海洋、海浜地帯に設置された鋼構
造建造物、コンクリート建造物の劣化防止のために種々
の防止法が提案されたり、実施に移されている。
【0003】鋼構造物の劣化の最大の原因は海水自身に
よる腐食や、海塩粒子等による腐食によるものである
が、コンクリート劣化の最大の原因はコンクリート壁を
浸透してくる塩分によってコンクリート中に埋設された
鉄筋が腐食し、その体積が鉄の約2.2倍になるため、
その膨脹力に耐え切れなくなって埋設鉄筋に沿ったコン
クリートに亀裂が発生する。
【0004】その亀裂が0.2mm以上になると外部の腐
食因子たる酸素や塩分、空気中の炭酸ガスがこの亀裂を
通してより容易に内部の埋設鉄筋付近に浸透し、さらに
一層鉄の腐食を助長したり、コンクリートの中性化を促
進してコンクリートの劣化を早めることになる。
【0005】さて、最近、前記のように非磁性化を目的
としてMnを15%以上含有した鋼材の試作が行なわれ
ているが、いずれの鋼材においても僅少の塩分存在で発
錆が著しく、現行の普通鋼よりむしろ錆発生傾向が大き
く、腐食速度が大きいのが難点の一つになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】20年以上経過した鋼
構造物表面の錆層中には濃厚な塩分が蓄積しており、コ
ンクリート構造物中の埋設鋼材近傍のフリー塩分は、砂
中NaCl換算で約1.0%にも達して、埋設鋼材の著
しい腐食とそれに伴うコンクリートの亀裂発生、成長を
惹き起している事例もある。従ってきわめて高濃度の塩
分に曝らされても鋼構造物の腐食、コンクリートの亀裂
発生を殆んど完全に停止できることが望ましい。
【0007】本発明は最近、特に問題となってきた海浜
地帯の非磁性鋼材構造物の腐食と、非磁性鋼材を埋設し
たコンクリート構造物の劣化を完全に停止する耐海水性
非磁性材を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は重量比で
C;1.0%以下、Si;0.25%以下、Mn;2.
0%以下、Al;20.0超〜37.3%、P;0.0
15%以下、S;0.005%以下、Cu;20〜50
%を含有し、必要に応じてTi,V,Nb,W,Co,
Mo,Bの1種又は2種以上をB以外の元素では合計で
0.01〜0.5%、Bは0.0001〜0.005
%、Ni,Crの1種又は2種以上を0.5〜9.0%
含有し残部鉄および不可避的不純物からなることを特徴
とする耐海水性非磁性材である。
【0009】本発明の材料で建設した鋼構造物ならびに
本鋼材をコンクリート中に埋設したコンクリート構造物
は材料自身の耐食性が良好なことから、海洋、海浜地帯
に設置される構造物の劣化防止にも役立つ。
【0010】本発明の最大の特徴は、鋼中のSi,S量
を下げかつ非磁性化を安定にするためにAlを比較的多
量添加する点にあり、又非磁性化の安定のためにMnを
比較的多量に添加した点である。
【0011】この原因としてはSi量を下げることによ
って錆の生成、成長を抑えると同時に、S量の低下に伴
ない錆発生点となるMnS量が著しく低下することによ
り、耐食性の劣化を小さくする。
【0012】又これと同時にAl量を比較的多量とする
ことにより、Mn含有量の比較的高い鋼材表面の不働態
被膜を強固にして、濃度の高い塩分に曝らされても不働
態被膜が破壊されず錆発生に至らないためと推測され
る。
【0013】以下に本発明で各成分を限定した理由を説
明する。
【0014】Cを1.0%以下に限定した理由はC量が
1.0%超では脆化を惹き起こすためである。なお、C
は熱処理により磁性を帯びた(Fe,Al)3 C等の複
合炭化物を生成し易いので、C量は低い方が望ましい。
好ましい範囲としてはC量0.001〜0.1%であ
る。
【0015】Siを0.25%以下とした理由は、Si
量を下げれば下げるほど錆生成量を飛躍的に低下させる
が、強度保証と介在物制御の目的でSiを添加させる必
要があるため、Si量を0.25%以下とした。より好
ましい範囲はSi0.05%以下である。
【0016】Mnを2.0%以下とした理由は2.0%
超では熱間圧延が困難になるためである。耐錆性の観点
から好ましい範囲は1.0%以下である。
【0017】Pを0.015%以下とした理由は、Pが
0.015%を超えるとコンクリートのようなアルカリ
性雰囲気で錆成長を抑制する効果がなく、むしろ助長す
る傾向があるためである。
【0018】Alは本発明鋼の化学成分の中で最も重要
な鍵を握る金属元素である。Alを20.0超〜37.
3%と限定した理由は20.0%以下では非磁性化が不
完全で、37.3%超ではAlとFeとの金属間化合物
が生成しやすく、鋼の脆化を惹き起こし熱間圧延不能に
なるためである。最も好ましい範囲は20.5〜28.
0%である。従って上記成分範囲に限定した。
【0019】Cuを20〜50%に限定した理由は、A
lが20%を超えると熱間の加工が困難となるが、Cu
を20%以上添加すると熱間加工性が改善され、50%
までその効果がある。
【0020】Sを0.005%以下とした理由は、錆の
発生起源であるMnS量を減らすことにあり、このS量
低下のために脱硫剤として使用されるCa、希土類元素
によりMnSが(Mn,Ca)S等に変化することによ
る耐食性向上効果も期待できる。
【0021】又鋼中のS量を低下するために上記のよう
な操業を行なうことは常識となっているので、若干のC
a,Ce等が混入してくることがあるが、これらの元素
は耐食性等に悪影響を及ぼすものではないのでCa,C
e等の少量の存在は差支えない。
【0022】又、本発明においては必要に応じてTi,
V,Nb,W,Co,Mo,B等を添加するが鋼の強
度、靭性向上のための公知の元素として添加するもの
で、1種又は2種以上を選択して添加し、B以外の元素
では合計で0.01〜0.5%、Bは0.0001〜
0.005%の添加量とするが、上記の目的としてはす
でに一般によく知られているものである。
【0023】又、熱間加工性向上のためにNi,Crの
1種又は2種以上を0.5〜9.0%添加する。なお、
必要に応じて例えばネジ付き鉄筋等で快削性が要求され
る場合には、Pbを0.01〜0.5%添加することも
できる。
【0024】本発明に従い前記の化学成分で構成された
鋼は転炉、電気炉等で溶製され、次いで造塊、分塊の工
程を経るか、あるいは連続鋳造後、圧延された後に、必
要に応じて焼き入れ、焼き戻し、あるいは焼準等の熱処
理が施されたり、パテンティング等の熱処理が施され、
線引きされて使用に供される。
【0025】最終製品としては鋼管、H形鋼、鋼矢板、
鉄筋棒鋼、ワイヤー、鋼板等の形状で供給され、必要に
応じて亜鉛メッキ、有機被覆を施すこともできる。
【0026】
【実施例】
実施例1 表1に記載した成分の鋼を真空溶解炉で溶製し、造塊、
分塊後、熱間圧延した鋼と従来鋼からなる鋼との成分お
よび腐食試験結果を示した。
【0027】準備した鋼板の中央部より幅25mm×長さ
60mm×厚さ2mmの試片を採取し、機械研削して表面を
研磨した。
【0028】他方、海浜地帯、海水中での鋼の腐食を実
験室で促進ないし再現する環境として人工海水を準備し
た。しかる後、前記のように表面研削し、側面と裏面を
シリコンレジンで被覆した試片を脱脂後、乾燥し、直ち
に上記の人工海水中に浸漬した。この人工海水液は7日
毎に変えて50日間連続浸漬し、錆の発生状況を観察し
た。
【0029】次に又、コンクリート中の埋設鉄筋の塩分
による腐食を促進ないし再現するために、コンクリート
の主成分であるCaOを3.6%NaCl水溶液中に溶
解させてpH12のCa(OH)2 +NaCl水溶液を
準備した。
【0030】しかる後、前記のように表面研削し、側面
と裏面をシリコンレジンで被覆した試片を脱脂後、乾燥
し、直ちに上記のCa(OH)2 +3.6%NaCl水
溶液中に浸漬した。なお試験中は液の表面を流動パラフ
ィンでシールし、3日毎に液を置換して20日間連続浸
漬し、錆の発生状況を観察した。これらの結果を表1に
示す。
【0031】実施例2 表1の成分からなる熱延鋼板の表面を研削後、海浜地帯
に1年間曝露し、発錆状況を調べた。又、NaClを
1.0%含んだ砂、ポルトランドセメント、水、砂利か
らなるコンクリートモルタルに表1の成分からなる熱延
鉄筋(9mmφ)を埋め込み、28日間常温養生した後、
海浜地帯に1年間曝露した。
【0032】なお、コンクリートの水セメント比は0.
60、カブリ厚さは2cmとした。1年間曝露後コンクリ
ートを破砕して鉄筋の発錆状況を調べた。これらの調査
結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】表1の結果から本発明の鋼は海水中でも錆
発生が皆無で、コンクリート中の塩分が砂中NaCl換
算で1.0%の高濃度、水中で3.6%NaClの高濃
度でも錆発生が皆無であることが明瞭に認められ、錆発
生、錆成長に伴なうコンクリートの劣化を完全に停止で
きることがわかった。従って極めて厳しい海洋環境にお
いても鋼構造物、コンクリート構造物いずれもその劣化
を完全に抑止することが推定される。
【0038】
【発明の効果】本発明は塩害に曝らされる非磁性材、な
らびに非磁性材埋設のコンクリート構造物の耐久性を維
持するのに飛躍的に有効な材料、コンクリート用材料と
して役立つものであり、海浜地帯等塩害に曝らされる磁
気浮上鉄道等の非磁性を必要とする広範囲の用途に使用
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で C ;1.0%以下、 Si;0.25%以下、 Mn;2.0%以下、 Al;20.0超〜37.3%、 P ;0.015%以下、 S ;0.005%以下、 Cu;20〜50%、 残部鉄および不可避的不純物からなる耐海水性非磁性
    材。
  2. 【請求項2】 Ti,V,Nb,W,Co,Mo,Bの
    1種又は2種以上をB以外の元素では合計で0.01〜
    0.5%、Bは0.0001〜0.005%含有する請
    求項1記載の耐海水性非磁性材。
  3. 【請求項3】 Ni,Crの1種又は2種以上を0.5
    〜9.0%含有する請求項1記載の耐海水性非磁性材。
  4. 【請求項4】 Ti,V,Nb,W,Co,Mo,Bの
    1種又は2種以上をB以外の元素では合計で0.01〜
    0.5%、Bは0.0001〜0.005%含有し、さ
    らにNi,Crの1種又は2種以上を0.5〜9.0%
    含有する請求項1記載の耐海水性非磁性材。
JP25093192A 1992-09-21 1992-09-21 耐海水性非磁性材 Withdrawn JPH06100992A (ja)

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Date Code Title Description
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Effective date: 19991130