JPH06100464A - カルシトニン類の経肺投与用組成物 - Google Patents

カルシトニン類の経肺投与用組成物

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JPH06100464A
JPH06100464A JP4147121A JP14712192A JPH06100464A JP H06100464 A JPH06100464 A JP H06100464A JP 4147121 A JP4147121 A JP 4147121A JP 14712192 A JP14712192 A JP 14712192A JP H06100464 A JPH06100464 A JP H06100464A
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JP
Japan
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calcitonin
composition
powder
units
elcatonin
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JP4147121A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Okumura
勝彦 奥村
Fusao Komada
富佐夫 駒田
Nakayuki Yamamoto
仲行 山本
Hideo Sakakibara
秀夫 榊原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルシトニン類を有効成分とし、少なくとも
水溶性の基剤を含有し、かつ該組成物の平均粒子径の1
0ミクロン以下の粒子分布が60%以上で、粉末状であ
るカルシトニン類の経肺投与用粉末組成物。 【効果】 カルシトニン類の経肺投与用粉末組成物は、
肺胞粘膜より安全にカルシトニン類を効率よく吸収せし
めることができ、また粉末製剤であるので有効成分の安
定性に優れ、したがってカルシトニン類の注射剤にかわ
る投与剤の実用化を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルシトニン類を有効
成分とし、少なくとも水溶性の基剤を含有し、かつ該組
成物の平均粒子径の10ミクロン以下の粒子分布が60
%以上で、粉末状であることを特徴とするカルシトニン
類の経肺投与用粉末組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在治療薬として用いられている生理活
性ペプチド類の中でカルシトニン類は、血清カルシウム
・リン酸低下作用および骨吸収抑制作用、抗潰瘍作用を
有するペプチドホルモンとして一般に知られている。臨
床的には各種高カルシウム血症および骨ペ−ジェット
病、骨粗鬆症に対する治療薬として使用されている。し
かしながらカルシトニンは親水性であり分子量が約3,
400程度のペプチドであるため、膜透過性が低くまた
消化管内で酵素分解され易いことから経口投与では体内
に吸収させることは極めて困難であることが知られてい
る。
【0003】したがって、従来は皮下、筋肉内注射およ
び静脈内注射に限られてきた。しかしながら、注射は苦
痛を伴うために鼻、直腸、肺、膣、眼、口腔粘膜、皮膚
等の投与方法が多く試みられているが、膜透過性、蛋白
分解酵素による分解などによる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、カルシトニンに
噴射剤を使用した肺吸収用エアゾ−ルが提案されている
(特開昭60−161924号)。この噴射剤は一般に
比較的低毒性で不活性ガスである液化フッ化炭化水素
(フロン)を使用するため大気中に廃棄されることによ
り地球環境を破壊する原因であることからフロンの使用
は好ましくなく、そこでフロンを使用しないで肺胞に均
一に吸入投与することにより安全でしかも効率よくカル
シトニン類が吸収されるより好適なカルシトニン類の経
肺投与用粉末組成物を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の発明者ら
はフロンのような噴射剤を使用しないでより簡便で且つ
咽頭部でのカルシトニン類の付着を防ぎ、効果が確実に
発現する経肺投与用カルシトニン類の投与剤型について
鋭意研究した結果、カルシトニン類を含有する水溶性の
基剤を含有する混合物の組成物を10ミクロン以下に微
粉砕することにより、経肺投与から効率良く全身にカル
シトニン類が吸収することを見出した。
【0006】本発明は上記の知見に基づいて完成された
もので、カルシトニン類を有効成分とし、少なくとも水
溶性の基剤を含有し、かつ該組成物の平均粒子径の10
ミクロン以下の粒子分布が60%以上で、粉末状である
ことを特徴とするカルシトニン類の経肺投与用粉末組成
物である。
【0007】本発明の有効成分であるカルシトニン類
は、血清カルシウム・リン酸低下作用および骨吸収抑制
作用、抗潰瘍作用を有するポリペプチドホルモンとして
一般に知られている。臨床的には各種高カルシウム血症
および骨ペ−ジェット病、骨粗鬆症に対する治療薬とし
て使用されている。カルシトニン類には天然型または合
成による誘導体が知られており、天然型カルシトニンの
例としてはウナギカルシトニン、サケカルシトニン、ブ
タカルシトニン、ヒトカルシトニン、ニワトリカルシト
ニン等が挙げられ、また合成カルシトニンとしては、好
適には天然型カルシトニンの1.7位ジスルフィド結合
をアミノスベリン酸にてエチレン結合に置換した誘導体
であり、例えば〔ASU1.7 〕ウナギカルシトニン(W
HO、一般名:エルカトニン)、〔ASU1.7 〕サケカ
ルシトニン、〔ASU1.7 〕ニワトリカルシトニンまた
は〔ASU1.7 〕ヒトカルシトニン等が挙げられる。特
にエルカトニンは本発明で用いる最も好適なカルシトニ
ンである。
【0008】本発明に用いられる水溶性の基剤として
は、水溶性の糖類、デキストリン類、およびアミノ酸類
である。糖類としてはたとえば単糖類、二糖類や多糖類
が挙げられるが好ましくはD−マンニト−ル、ブドウ
糖、乳糖、果糖、トレハロ−ス、イノシト−ル、ショ糖
であり、多糖類としてのデキストリン類は好ましくはα
−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、
γ−サイクロデキストリン等が挙げられる。アミノ酸類
としてグリシン、タウリン等が挙げられる。
【0009】本発明の経肺投与用粉末組成物の調製は公
知の凍結乾燥および混合、粉砕に順じて行うことができ
る。
【0010】例えば、均一なカルシトニンの経肺投与用
粉末組成物を得るには、有効量の微量なカルシトニン類
と水溶性の基剤とを一旦蒸留水に溶解し、凍結乾燥して
固体とし、さらに微粉砕するために例えばボ−ルミル粉
砕機およびジェットミル粉砕機を用いて微粉末に調製す
ることができる。また必要に応じて凍乾物に必要量の増
量剤を添加して混合粉砕することにより目的の濃度およ
び量に調製することができる。
【0011】さらに、本発明の経肺投与用粉末組成物の
粒子径は10ミクロン以下の粒度分布が60%以上であ
ることが好ましい。10ミクロン以上では吸入しても肺
胞まで届かずに気管支等に付着してカルシトニンの吸収
率が低下する。そのため、本発明の組成物は少なくとも
10ミクロン以下の粒子が60%以上、好ましくは75
%以上である。
【0012】本発明の組成物中のカルシトニン類の濃度
としては、一般に0.1単位/mg〜100単位/mg
の濃度で、好ましくは1単位〜50単位/mgであり、
このカルシトニン類の濃度を勘案してカルシトニン類と
水溶性の基剤との配合を調整すればよい。
【0013】また本発明の経肺投与用粉末組成物の1回
の投与量は組成物として10〜100mgが好ましく、
1日の投与回数は1〜3回が好適である。この組成物に
おける経肺投与方法としては特に限定されるものではな
く、例えばカプセルに組成物を充填し、使用時に吸入器
(スピンヘラ−)に装着して組成物を肺内に吸入する方
法により効率よく肺からカルシトニン類を吸収させるこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下に実施例および実験例を挙げて、本発明
を更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0015】
【実施例1】エルカトニン40mgとD−マンニト−ル
2gをビ−カ−に取り、蒸留水50mlを加えて溶解し
た後、溶液を凍結乾燥し乳鉢で粉砕して均一なエルカト
ニン100単位/mgを含有する凍乾粉末を得た。この
ようにして得られたエルカトニン100単位/mgを含
有する凍乾粉末1.2gとD−マンニト−ル28.8g
をよく混合し、ジェットミル(パウレック社製)を使用
して微粉砕した。このようにして得られた粉末製剤はエ
ルカトニンを4.5単位(液体クロマトグラフィーによ
る実測値)/mg含有したドライパウダ−として調製さ
れた。このドライパウダ−として調製された経肺投与用
粉末組成物の粒度分布を粒度分布測定装置(SACT−
2:島津製作所)により測定した結果、5ミクロン以下
61.6%、5〜10ミクロン13.4%、10〜20
ミクロン4.0%、20ミクロン以上21.0%であっ
た。
【0016】実験1:動物実験 (a)ラットにおけるエルカトニンの経肺投与後の血中
Ca濃度の影響 ペントバルビタ−ル麻酔下、露出させたラット気管切開
部位より、肺に実施例1で調製したエルカトニン4.5
単位/mgを含有するドライパウダ−を15単位/K
g、30単位/Kg、75単位/Kg加圧式インヘラ−
にて経肺投与(n=3〜4)した。投与前および投与後
30分、1時間、2時間、3時間、4時間毎に採血して
血中のカルシウム濃度を測定した。 (b)結果 エルカトニン経肺投与後の血中カルシウム濃度を測定し
た結果を図1(縦軸は血中カルシウム濃度(mg/d
l)、横軸は投与後時間(Hr)を示す)に示した。こ
の図1から明らかな通り、本発明の経肺投与用粉末組成
物の投与量が15単位(図中、●で示す)、30単位
(図中、▲で示す)、75単位(図中、■で示す)と高
くなるに従い用量依存的に投与後の血中カルシウム濃度
の低下が観察され、図1から明らかなように、エルカト
ニンが肺より効率よく吸収されたことを示している。
【0017】
【実施例2】エルカトニン40mgとトレハロース2g
をビ−カ−に取り、蒸留水50mlを加えて溶解した
後、溶液を凍結乾燥し乳鉢で粉砕して均一なエルカトニ
ン100単位/mgを含有する凍乾粉末を得た。このよ
うにして得られたエルカトニン100単位/mgを含有
する凍乾粉末1.2gとトレハロース28.8gをよく
混合した粉末をジェットミル(パウレック社製)を使用
して微粉砕した。このようにして得られた組成物はエル
カトニンを4.3単位/mg含有したドライパウダ−の
経肺投与用粉末組成物として調製された(粒度分布;5
ミクロン以下65.4%、5〜10ミクロン16.6
%、10〜20ミクロン5.3%、20ミクロン以上1
2.7%)。次いで、得られたドライパウダ−を2号カ
プセルに24mg充填することにより、1カプセル当た
りエルカトニン100単位を含有する製剤を得ることが
できる。更にそのカプセルを吸入装置(スピンヘラ−)
に装着してヒトの肺に確実に噴霧できる。
【0018】
【実施例3】エルカトニン40mgとグリシン2gをビ
−カ−に取り、蒸留水50mlを加えて溶解した後、溶
液を凍結乾燥し乳鉢で粉砕して均一なエルカトニン10
0単位/mgを含有する凍乾粉末を得た。このようにし
て得られたエルカトニン100単位/mgを含有する凍
乾粉末1.2gとグリシン28.8gをよく混合した粉
末をジェットミル(パウレック社製)を使用して微粉砕
した。このようにして得られた組成物はエルカトニンを
4単位/mg含有したドライパウダ−の経肺投与用粉末組
成物として調製された(粒度分布;5ミクロン以下5
4.4%、5〜10ミクロン20.8%、10〜20ミ
クロン8.2%、20ミクロン以上16.4%)。
【0019】
【実施例4】エルカトニン40mgとグリシン2gをビ
−カ−に取り、蒸留水50mlを加えて溶解した後、溶
液を凍結乾燥し乳鉢で粉砕して均一なエルカトニン10
0単位/mgを含有する凍乾粉末を得た。このようにし
て得られたエルカトニン100単位/mgを含有する凍
乾粉末2.4gとグリシン27.6gをよく混合した粉
末をジェットミル(パウレック社製)を使用して微粉砕
した。このようにして得られた組成物はエルカトニンを
8単位/mg含有したドライパウダ−の経肺投与用粉末
組成物として調製された(粒度分布;5ミクロン以下6
6.9%、5〜10ミクロン15.3%、10〜20ミ
クロン10.2、20ミクロン以上7.6 %)。次い
で、このドライパウダ−を2号カプセルに25mg充填
することにより、1カプセル当たりエルカトニン200
単位を含有する製剤を得ることができる。更にそのカプ
セルを吸入装置(スピンヘラ−)に装着してヒトの肺に
確実に噴霧できる。
【0020】
【実施例5】合成サケカルシトニン134mgとD−マ
ンニト−ル2gをビ−カ−に取り、蒸留水50mlを加
えて溶解した後、溶液を凍結乾燥し乳鉢で粉砕して均一
な合成サケカルシトニン200単位/mgを含有する凍
乾粉末を得た。このようにして得られた合成サケカルシ
トニン200単位/mgを含有する凍乾粉末1.2gと
D−マンニト−ル28.8gをよく混合した粉末をジェ
ットミル(パウレック社製)を使用して微粉砕した。こ
のようにして得られた組成物は合成サケカルシトニンを
8単位/mg含有したドライパウダ−の経肺投与用粉末
組成物として調製された(粒度分布;5ミクロン以下5
7.3%、5〜10ミクロン18.6%、10〜20ミ
クロン10.2、20ミクロン以上13.9%)。次い
で、このドライパウダ−を2号カプセルに25mg充填
することにより、1カプセル当たり合成サケカルシトニ
ン200単位を含有する製剤を得ることができる。更に
そのカプセルを吸入装置(スピンヘラ−)に装着してヒ
トの肺に確実に噴霧できる。
【0021】
【発明の効果】本発明のカルシトニン類の経肺投与用粉
末組成物は、肺胞粘膜より簡単で安全にカルシトニン類
を効率よく吸収せしめることができる。また粉末製剤で
あるので有効成分の安定性に優れている。したがって本
発明により、カルシトニン類の注射剤にかわる投与剤の
実用化が可能になった。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られたドライパウダ−を
各々15単位/Kg、30単位/Kg、75単位/Kg
加圧式インヘラ−にて経肺投与したときの血中カルシウ
ム濃度の変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/18 B 7433−4C 47/26 B 7433−4C 47/36 B 7433−4C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシトニン類を有効成分とし、少なく
    とも水溶性の基剤を含有し、かつ該組成物の平均粒子径
    の10ミクロン以下の粒子分布が60%以上で、粉末状
    であることを特徴とするカルシトニン類の経肺投与用粉
    末組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性の基剤が、水溶性の糖類、デキス
    トリン類およびアミノ酸類からなる群より選ばれた1種
    または2種以上である請求項1記載の経肺投与用粉末組
    成物。
  3. 【請求項3】 カルシトニン類が、該組成物1mgにつき
    0.1〜100単位含有してなる請求項1記載の経肺投
    与用粉末組成物。
JP4147121A 1992-06-08 1992-06-08 カルシトニン類の経肺投与用組成物 Pending JPH06100464A (ja)

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JP4147121A Pending JPH06100464A (ja) 1992-06-08 1992-06-08 カルシトニン類の経肺投与用組成物

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6204256B1 (en) * 1996-11-01 2001-03-20 Polymed Acylated cyclodextrin derivatives

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6204256B1 (en) * 1996-11-01 2001-03-20 Polymed Acylated cyclodextrin derivatives

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021112