JPH06100445A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH06100445A
JPH06100445A JP18692793A JP18692793A JPH06100445A JP H06100445 A JPH06100445 A JP H06100445A JP 18692793 A JP18692793 A JP 18692793A JP 18692793 A JP18692793 A JP 18692793A JP H06100445 A JPH06100445 A JP H06100445A
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JP
Japan
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lower alkyl
atom
arylalkyl
hydrogen atom
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JP18692793A
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English (en)
Inventor
Hajime Morishima
甫 森島
Kagari Fujita
かがり 藤田
Masato Nakano
真人 中野
Shugo Atsumi
修吾 厚海
Mitsuru Okubo
満 大久保
Masatoshi Kitagawa
雅敏 北川
Hidemi Matsumoto
秀美 松本
Akira Okuyama
彬 奥山
Takayoshi Okabe
隆義 岡部
Hiroyuki Suda
寛之 須田
Susumu Nishimura
暹 西村
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、一般式[I] 【化1】 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
はテトラヒドロピラニル基を、X1は水素原子、−CO
OR2、−CONHR3、−CON(R4)NH2または−
C(R5)(R5)OR6(ここにおいて、R2、R3
4、R5およびR6は水素原子、低級アルキル基、シク
ロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリー
ルアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味す
る)を、Y1およびZ1は同一または異なって、置換基を
有していてもよい、フェニル基または複素環基を意味す
る]で表される化合物またはその医薬として許容されう
る塩を有効成分とする抗腫瘍剤に関するものである。 【効果】一般式[I]で表される化合物は、cdc2キ
ナーゼ群を阻害し、癌細胞の増殖を強く抑制することか
ら、抗腫瘍剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬の分野で有用であ
る。さらに詳細には、細胞周期調節に係る酵素であるc
dc2キナーゼ群を阻害し、癌細胞の細胞周期および増
殖を抑制する作用機序を有する抗腫瘍剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法の分野においては、ブレオマ
イシン(Bleomycin)およびアドリアマイシン
(Adriamycin)等の多くの微生物代謝産物を
臨床的に応用することが試みられ、またこれらは実際に
臨床において使用されている。しかしながら、その細胞
毒性ゆえの副作用は重篤であり、新しい作用機序の薬剤
の開発が求められている。近年、細胞周期制御因子およ
び癌抑制遺伝子の研究が進み、cdc2キナーゼは細胞
周期調節に係る酵素であることが明らかとなった(Lo
hka,M.J., Hayes,M.K. & Ma
ller,J.L.,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,85,3009−3013(198
8))。従って、該酵素を阻害し、癌細胞の細胞周期お
よび増殖を阻止すれば抗腫瘍効果が期待できる。
【0003】しかしながら、現在のところ、細胞周期の
制御および癌抑制遺伝子産物の機能制御に注目した薬剤
は見当たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、細胞周
期調節酵素であるcdc2キナーゼ類を選択的に阻害
し、細胞周期を停止させるという新しい作用機序の抗腫
瘍剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
[I]
【0006】
【化50】 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
はテトラヒドロピラニル基を、X1は水素原子、−CO
OR2(ここにおいて、R2は水素原子、低級アルキル
基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
基を意味する)、−CONHR3(ここにおいて、R3
水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級ア
ルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシ
クロアルキルアルキル基を意味する)、−CON
(R4)NH2(ここにおいて、R4は水素原子、低級ア
ルキル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリ
ール基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアル
キル基を意味する)または−C(R5)(R5)OR
6(ここにおいて、R5およびR6は同一または異なっ
て、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
はシクロアルキルアルキル基を意味する)を、Y1およ
びZ1は同一または異なって、フェニル基、または硫黄
原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる
1ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環
基を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アル
キル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シク
ロアルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−O
7(ここにおいて、R7は水素原子、低級アルキル基、
低級アルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒ
ドロピラニル基を意味する)、−COOR8(ここにお
いて、R8は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
てもよい]で表される化合物について、マウスFM3A
由来のcdc2キナーゼをHPLCを用いて精製し、こ
のcdc2キナーゼの特異的な基質であるペプチド:A
KAKKTPKKAKK(ここにおいて、Aはアラニ
ン、Kはリジン、Pはプロリン、Tはスレオニンを示
す)を基質として用いた燐酸化反応に対する阻害作用を
検討した。その結果、当該化合物が優れたcdc2キナ
ーゼ阻害活性を有すること、更には、cdc2キナーゼ
類に選択的に作用し、細胞周期をG1期およびG2期に
停止する作用を持つことを見いだし、本発明を完成し
た。
【0007】本発明は、一般式[I]で表される化合物
もしくはその医薬として許容されうる塩を有効成分とす
る抗腫瘍剤または該化合物の製造法に関する。
【0008】更に本発明は、本発明者らが新たに合成し
た、一般式[I−a]
【0009】
【化51】 [式中、R10は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
はテトラヒドロピラニル基を、X2は−CONHR
11(ここにおいて、R11は水素原子、低級アルキル基、
シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
味する)、−CON(R12)NH2(ここにおいて、R
12は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
はシクロアルキルアルキル基を意味する)または−C
(R13)(R13)OR14(ここにおいて、R13およびR
14は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、
シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
味する)を、Y2およびZ2は同一または異なって、フェ
ニル基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子から
なる群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もし
くは6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該
複素環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリー
ルアルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低
級アルキル基、−OR15(ここにおいて、R15は水素原
子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアル
キル基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−
COOR16(ここにおいて、R16は水素原子、低級アル
キル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリー
ル基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキ
ル基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、
ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、
アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、
メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる
群より選ばれる1または2以上の置換基を有していても
よく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、
該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S
−ジオキシドを形成してもよい]、一般式[I−b]
【0010】
【化52】 [式中、R20は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
はテトラヒドロピラニル基を、W1はシクロアルキル
基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル
基またはシクロアルキルアルキル基を、Y3およびZ3
同一または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸
素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし
3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味
し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、
低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキ
ルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR21(こ
こにおいて、R21は水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
ラニル基を意味する)、−COOR22(ここにおいて、
22は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、
低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
たはシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ
基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、
ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基およ
び低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1または
2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫
黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシ
ド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成して
もよい]、一般式[I−c]
【0011】
【化53】 [式中、R30は低級アルケニル基、アリールアルキル
基、低級アルカノイル基またはテトラヒドロピラニル基
を、W2は低級アルキル基を、Y4およびZ4は同一また
は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR31(ここにおい
て、R31は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
を意味する)、−COOR32(ここにおいて、R32は水
素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
し、W2がエチル基かつY4およびZ4がともにフェニル
基または2−ニトロフェニル基の場合、R30はアセチル
基を意味しない)]、一般式[I−d]
【0012】
【化54】 [式中、R40は低級アルキル基を、W3は低級アルキル
基を、Y5およびZ5は同一または異なって、フェニル
基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる
群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もしくは
6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該複素
環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールア
ルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低級ア
ルキル基、−OR41(ここにおいて、R41は水素原子、
低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル
基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−CO
OR42(ここにおいて、R42は水素原子、低級アルキル
基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ
低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ア
ミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メ
チレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる群
より選ばれる1または2以上の置換基を有していてもよ
く、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該
複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−
ジオキシドを形成してもよい(但し、Y5およびZ5がと
もにフェニル基かつW3がメチル基またはエチル基の場
合、R40はメチル基またはエチル基を意味せず、Y5
よびZ5がともに4−ニトロフェニル基かつW3がメチル
基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5およびZ5
ともに2−ニトロフェニル基かつW3がメチル基または
エチル基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5が4
−メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)フェニ
ル基かつZ5が4−メトキシフェニル基かつW3がメチル
基の場合、R40はメチル基を意味しない)]、一般式
[I−e]
【0013】
【化55】 [式中、R50は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
はテトラヒドロピラニル基を、Y6およびZ6は同一また
は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR51(ここにおい
て、R51は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
を意味する)、−COOR52(ここにおいて、R52は水
素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
し、Y6およびZ6がともに4−ヒドロキシフェニル基の
場合、R50は水素原子を意味しない)]、一般式[I−
f]
【0014】
【化56】 [式中、W4は低級アルキル基を、Y7およびZ7は同一
または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR60(ここに
おいて、R60は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニ
ル基を意味する)、−COOR61(ここにおいて、R61
は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基または
シクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低
級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロ
キシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニト
ロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級ア
ルカノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の
置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子ま
たは窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スル
ホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい
(但し、Y7およびZ7がともにフェニル基の場合、W4
はメチル基またはエチル基を意味せず、Y7およびZ7
ともに2−ニトロフェニル基の場合、W4はメチル基ま
たはエチル基を意味せず、Z7が4−ヒドロキシフェニ
ル基かつW4がメチル基の場合、Y7は4−ヒドロキシフ
ェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブ
テニル)フェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチ
ル−2,3−エポキシブチル)フェニル基または4−ヒ
ドロキシ−3−(3−メチルブチル)フェニル基を意味
せず、Y7およびZ7がともに2−ピリジル N−オキシ
ド基、3−メチル−2−ピリジル N−オキシド基、4
−メチル−2−ピリジル N−オキシド基または4−ア
ミジノフェニル基の場合、W4はエチル基を意味しな
い)]または一般式[I−g]
【0015】
【化57】 [式中、R70は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
はテトラヒドロピラニル基を、Y8およびZ8は同一また
は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR71(ここにおい
て、R71は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
を意味する)、−COOR72(ここにおいて、R72は水
素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
し、Y8およびZ8がともにフェニル基の場合、R70は水
素原子、メチル基またはエチル基を意味せず、Y8およ
びZ8がともに2−ニトロフェニル基または4−ヒドロ
キシフェニル基の場合、R70は水素原子を意味しな
い)]で表される化合物またはその医薬として許容され
うる塩に関するものである。
【0016】本発明に係る化合物には2,5−ジヒドロ
フラン骨格の2位の不斉炭素に基づく立体異性体が存在
するが、本発明は全ての立体異性体およびそれらの混合
物をも包含する。
【0017】本明細書に記載された記号および用語につ
いて説明する。
【0018】低級アルキル基とは、炭素数1ないし6の
直鎖状または分岐状のアルキル基を意味し、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等が挙げられ、中でもメチル基、エチル
基等が好適である。
【0019】低級アルケニル基とは、炭素数2ないし6
の直鎖状または分岐状のアルケニル基を意味し、例えば
ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル
基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチルビニ
ル基、3−メチル−2−ブテニル基等が挙げられ、中で
もビニル基、アリル基、3−メチル−2−ブテニル基等
が好適である。
【0020】アリール基とは、炭素数6ないし12のア
リール基を意味し、例えばフェニル基、ナフチル基、4
−メトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、2,4
−ジニトロフェニル基等が挙げられ、中でもフェニル
基、4−メトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基等
が好適である。
【0021】アリールアルキル基とは、前記低級アルキ
ル基に前記アリール基が置換したアリールアルキル基を
意味し、例えばベンジル基、フェネチル基、4−メトキ
シベンジル基、4−ニトロベンジル基等が挙げられ、中
でもベンジル基等が好適である。
【0022】シクロアルキル基とは、炭素数3ないし8
の環状のアルキル基を意味し、例えばシクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等が挙げられ、中でもシクロプロピル基、シクロペ
ンチル基等が好適である。
【0023】シクロアルキルアルキル基とは、前記低級
アルキル基に前記シクロアルキル基が置換した、炭素数
4ないし14のシクロアルキルアルキル基を意味し、例
えばシクロプロピルメチル基、1−シクロプロピルエチ
ル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロペンチルメ
チル基、1−シクロペンチルエチル基、2−シクロペン
チルエチル基等が挙げられ、中でもシクロプロピルメチ
ル基、シクロペンチルメチル基等が好適である。
【0024】エポキシ低級アルキル基とは、エポキシ基
を有する前記低級アルキル基を意味し、例えばエポキシ
エチル基、1,2−エポキシプロピル基、2,3−エポ
キシプロピル基、2,3−エポキシブチル基、2,3−
エポキシ−3−メチルブチル基等が挙げられ、中でも
2,3−エポキシ−3−メチルブチル基等が好適であ
る。
【0025】低級アルキルアミノ基とは、アミノ基に前
記低級アルキル基がモノ置換したアルキルアミノ基を意
味し、例えばN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ
基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ
基、N−tert−ブチルアミノ基等が挙げられ、中で
もN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基等が好適で
ある。
【0026】ジ低級アルキルアミノ基とは、アミノ基に
前記低級アルキル基がジ置換したアルキルアミノ基を意
味し、例えばN,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエ
チルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N,
N−ジイソプロピルアミノ基等が挙げられ、中でもN,
N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等が
好適である。
【0027】ヒドロキシ低級アルキル基とは、前記低級
アルキル基にヒドロキシ基が置換したヒドロキシアルキ
ル基を意味し、例えばヒドロキシメチル基、1−ヒドロ
キシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキ
シプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロ
キシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げら
れ、中でもヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル
基等が好適である。
【0028】ハロゲン原子としては、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0029】低級アルカノイル基とは、炭素数1ないし
6のアルカノイル基を意味し、例えばホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等が挙
げられ、中でもアセチル基等が好適である。
【0030】複素環基としては、例えばピロリニル基、
ピロリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、
イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニ
ル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、オキサゾリル
基、イソキサゾリル基、フリル基、ピラニル基、チエニ
ル基、チアゾリル基、ピペリジル基、モルホリニル基、
チオモルホリニル基等が挙げられ、中でもイミダゾリル
基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリ
ダジニル基、オキサゾリル基等が好適である。
【0031】当該複素環基の複素原子が硫黄原子または
窒素原子の場合はN−オキシド、スルホキシドまたは
S,S−ジオキシドを形成してもよく、例としてはピリ
ジルN−オキシド基、チオモルホリニル S−オキシド
基、チオモルホリニル S,S−ジオキシド基等が挙げ
られ、中でもピリジル N−オキシド基等が好適であ
る。
【0032】当該複素環基の置換基は複素環上の置換可
能な任意の位置に1または2以上置換していてもよい。
【0033】医薬として許容されうる塩としては、医薬
として許容されうる慣用的なものを意味し、例えば本発
明に係る化合物上の任意のカルボキシル基、ヒドロキシ
基における塩基性付加塩、アミノ基またはイミノ基にお
ける酸付加塩の塩類を挙げることができる。
【0034】該塩基性付加塩としては、例えばナトリウ
ム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウ
ム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えば
アンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチ
ルアミン塩;ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールア
ミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン
塩、プロカイン塩等の脂肪族アミン塩;例えばN,N’
−ジベンジルエチレンジアミン等のアリールアルキルア
ミン塩;例えばピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、
イソキノリン塩等の複素環芳香族アミン塩;例えばテト
ラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリ
エチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウ
ム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルギニ
ン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0035】該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、りん酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸
塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸
塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、りんご酸
塩、くえん酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;例え
ばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸
塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性
アミノ酸塩等が挙げられる。
【0036】カルボキシル基の保護基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t
ert−ブチル基等の低級アルキル基;例えば2,2,
2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエ
チル基等のハロ置換低級アルキル基;例えばアセトキシ
メチル基、プロピオニルオキシメチル基、ピバロイルオ
キシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオ
ニルオキシエチル基等の低級アルカノイルオキシアルキ
ル基;例えば1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル
基、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−
(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル基等の低級
アルコキシカルボニルオキシアルキル基;例えば2−プ
ロペニル基、2−クロロ−2−プロペニル基、3−メト
キシカルボニル−2−プロペニル基、2−メチル−2−
プロペニル基、2−ブテニル基、シンナミル基等の低級
アルケニル基;例えばベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、3,4−ジメトキシベンジル基、2−ニトロベン
ジル基、4−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビ
ス(4−メトキシフェニル)メチル基等のアリールアル
キル基;例えば(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソール−4−イル)メチル基等の(5−置換−2−
オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基;
例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチル
シリル基等の低級アルキルシリル基;インダニル基、フ
タリジル基、メトキシメチル基等が挙げられ、特に2−
プロペニル基、4−ニトロベンジル基、4−メトキシベ
ンジル基、ベンズヒドリル基、tert−ブチルジメチ
ルシリル基等が好ましい。
【0037】ヒドロキシ基の保護基としては、例えばト
リメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基
等の低級アルキルシリル基;例えばメトキシメチル基、
2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチ
ル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばベンジル
基、4−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベン
ジル基、2−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル
基、トリチル基等のアリールアルキル基;例えばホルミ
ル基、アセチル基等のアシル基;例えばtert−ブト
キシカルボニル基、2−ヨードエトキシカルボニル基、
2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の低級
アルコキシカルボニル基;例えば2−プロペニルオキシ
カルボニル基、2−クロロ−2−プロペニルオキシカル
ボニル基、3−メトキシカルボニル−2−プロペニルオ
キシカルボニル基、2−メチル−2−プロペニルオキシ
カルボニル基、2−ブテニルオキシカルボニル基、シン
ナミルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボ
ニル基;例えばベンジルオキシカルボニル基、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロベンジル
オキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル基等のアリールアルキルオキシカルボニル基等が挙
げられ、特に2−プロペニルオキシカルボニル基、4−
ニトロベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチル
ジメチルシリル基等が好ましい。
【0038】アミノ基、低級アルキルアミノ基、アミジ
ノ基またはグアニジノ基の保護基としては、慣用的なア
ミノ基またはイミノ基の保護基が用いられ、例えばベン
ジリデン基、4−クロロベンジリデン基、4−ニトロベ
ンジリデン基、サリチリデン基、α−ナフチリデン基、
β−ナフチリデン基等のアラルキリデン基;例えばベン
ジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシ
ベンジル基、2−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジ
ル基、ベンズヒドリル基、ビス(4−メトキシフェニ
ル)メチル基、トリチル基等のアリールアルキル基;例
えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基、オキサリル基、スクシニル基、ピバロイル基等の
低級アルカノイル基;例えばクロロアセチル基、ジクロ
ロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロア
セチル基等のハロ置換低級アルカノイル基;例えばフェ
ニルアセチル基、フェノキシアセチル基等のアリールア
ルカノイル基;例えばメトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブ
トキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;
例えば2−ヨードエトキシカルボニル基、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル基等のハロ置換低級アル
コキシカルボニル基;例えば2−プロペニルオキシカル
ボニル基、2−クロロ−2−プロペニルオキシカルボニ
ル基、3−メトキシカルボニル−2−プロペニルオキシ
カルボニル基、2−メチル−2−プロペニルオキシカル
ボニル基、2−ブテニルオキシカルボニル基、シンナミ
ルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル
基;例えばベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシ
カルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアリ
ールアルキルオキシカルボニル基;例えばトリメチルシ
リル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級ア
ルキルシリル基等が挙げられ、特に、2−プロペニルオ
キシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、
4−ニトロベンジルオキシカルボニル基等が好ましい。
【0039】本発明に係る化合物中、一般式[I−h]
【0040】
【化58】 [式中、Raは水素原子または−OR80(ここにおい
て、R80は水素原子、低級アルキル基または低級アルケ
ニル基を意味する)を、Rbは水素原子、低級アルキル
基、低級アルケニル基またはエポキシ低級アルキル基
を、Rcは水素原子または−OR81(ここにおいて、R
81は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、ア
リールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味
する)を、Rdは水素原子、低級アルキル基、アリール
アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を、X3は水
素原子、−COOR82(ここにおいて、R82は水素原子
または低級アルキル基を意味する)、−CONHR
83(ここにおいて、R83は水素原子または低級アルキル
基を意味する)、−CON(R84)NH2(ここにおい
て、R84は水素原子または低級アルキル基を意味する)
または−C(R85)(R85)OR86(ここにおいて、R
85およびR86は同一または異なって、水素原子または低
級アルキル基を意味する)を意味する]で表される化合
物が好適であり、更には、一般式[I−i]
【0041】
【化59】 [式中、Raは水素原子または−OR80(ここにおい
て、R80は水素原子、低級アルキル基または低級アルケ
ニル基を意味する)を、Rbは水素原子、低級アルキル
基、低級アルケニル基またはエポキシ低級アルキル基
を、Rcは水素原子または−OR81(ここにおいて、R
81は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、ア
リールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味
する)を、Rdは水素原子、低級アルキル基、アリール
アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を、X3は水
素原子、−COOR82(ここにおいて、R82は水素原子
または低級アルキル基を意味する)、−CONHR
83(ここにおいて、R83は水素原子または低級アルキル
基を意味する)、−CON(R84)NH2(ここにおい
て、R84は水素原子または低級アルキル基を意味する)
または−C(R85)(R85)OR86(ここにおいて、R
85およびR86は同一または異なって、水素原子または低
級アルキル基を意味する)を意味する]で表される化合
物がより好適である。
【0042】本発明に係る化合物の具体例を以下の表に
示す。尚、表における略号の意味を以下に示す。 Ac:アセチル基 Allyl:アリル基 Bz:ベンジル基 Et:エチル基 Me:メチル基 Ph:フェニル基 Pr:イソプロピル基 THP:2−テトラヒドロピラニル基
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】 上記化合物中、(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)、(7)、(8)、(11)、(1
2)、(13)、(15)、(17)、(18)、(1
9)、(21)、(24)、(26)、(86)、(8
8)、(89)、(90)、(93)、(114)、
(115)、(116)、(117)、(118)およ
び(119)の化合物は公知化合物であり、 ・Ann.Chim.(Paris)、9巻(7)、2
57頁(1917年) ・Ann.Chim.(Paris)、12巻(7)、
442頁、474頁(1917年) ・Ann.Chim.(Paris)、11巻(9)、
157頁、223頁(1938年) ・Bull.Chem.Soc.Jpn.、37巻、1
166頁(1964年) ・Bull.Chem.Soc.Jpn.、37巻、1
171頁(1964年) ・Chem.Pharm.Bull.、25巻(1
0)、2593頁 ・Chem.Pharm.Bull.、31巻(5)、
1528頁 ・Collect.Czech.Chem.Commu
n.、54巻(6)、1687頁(1989年) ・C.R.Hebd.Seances Acad.Sc
i.162巻、759頁(1916年) ・J.Chem.Soc.Chem.Commun.、
937頁(1968年) ・Liebigs Ann.Chem.、1巻、177
〜194頁 ・Pharmazie、31巻、279〜282頁(1
976年)等に記載されている。
【0055】しかしながら、当該化合物の抗腫瘍剤とし
ての有用性は全く記載されておらず、本発明によっては
じめて見出されたものである。
【0056】具体例中、特に好適な化合物としては、例
えば、(8)2−ベンジル−4−ヒドロキシ−5−オキ
ソ−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カル
ボン酸メチルエステル、(9)4−ヒドロキシ−2−
(4−ヒドロキシベンジル)−5−オキソ−3−フェニ
ル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエ
ステル、(10)2−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−
(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
ヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、(1
1)4−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジル)
−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,
5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、
(12)4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−
(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−
ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロ
フラン−2−カルボン酸メチルエステル、(13)2−
ベンジル−4−メトキシ−5−オキソ−3−フェニル−
2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
ル、(14)4−メトキシ−2−(4−メトキシベンジ
ル)−3−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−
2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
ル、(17)4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−
3−(3−メチルブチル)ベンジル]−3−(4−ヒド
ロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラ
ン−2−カルボン酸メチルエステル、(18)2−[3
−[(2R)−2,3−エポキシ−3−メチルブチル]
−4−ヒドロキシベンジル]−4−ヒドロキシ−3−
(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
ヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、(1
9)2−[3−[(2S)−2,3−エポキシ−3−メ
チルブチル]−4−ヒドロキシベンジル]−4−ヒドロ
キシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−
2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
ル、(20)4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−
3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−3−
(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
ヒドロフラン−2−カルボン酸、(29)4−ヒドロキ
シ−2−(4−ヒドロキシベンジル)−3−(4−ヒド
ロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラ
ン、(33)4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−
2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニ
ル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5
−オキソ−2,5−ジヒドロフラン、(40)2−(4
−アリルオキシ)ベンジル−3−(4−アリルオキシフ
ェニル)−4−ヒドロキシ−5−オキソ−2,5−ジヒ
ドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、(52)
4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
チル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−
2−(N−メチル)カルボキサミド、(58)4−ヒド
ロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2
−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−カル
ボヒドラジド、(77)4−ヒドロキシ−2−[4−ヒ
ドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジ
ル]−2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−3−
(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
ヒドロフラン、(121)4−ベンジルオキシ−3−
(4−ベンジルオキシフェニル)−2−[4−ヒドロキ
シ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−5
−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メ
チルエステル、(122)2−[4−ヒドロキシ−3−
(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−5−オキソ
−4−(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−3−[4
−(2−テトラヒドロピラニル)オキシフェニル]−
2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
ルまたは(123)4−ベンジルオキシ−3−(4−ベ
ンジルオキシフェニル)−2−ヒドロキシメチル−2−
[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)
ベンジル]−5−オキソ−2,5−ジヒドロフランが挙
げられ、特に、(12)4−ヒドロキシ−2−[4−ヒ
ドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジ
ル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−
2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
ルが好適である。
【0057】本発明に係る化合物の製造法について説明
する。
【0058】本発明に係る化合物は製造法A、B、C、
D、E、FまたはGを単独または組み合わせることによ
り製造することができる。
【0059】製造法A 本製造法は、一般式[II]
【0060】
【化60】 [式中、R20pはカルボキシル基の保護基、低級アルキ
ル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
基を、Y10pはフェニル基、または硫黄原子、酸素原子
および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR1s(ここにお
いて、R1sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基また
はテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COOR2s
(ここにおいて、R2sはカルボキシル基の保護基、水素
原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルケ
ニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシクロ
アルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級アル
キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低
級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但し、アミ
ノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル
基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護されていても
よい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基
および低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1ま
たは2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子
が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オ
キシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成
してもよい]で表される化合物と、一般式[II’]
【0061】
【化61】 [式中、R21pはカルボキシル基の保護基、低級アルキ
ル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
基を、Z10pはフェニル基、または硫黄原子、酸素原子
および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR3s(ここにお
いて、R3sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基また
はテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COOR4s
(ここにおいて、R4sはカルボキシル基の保護基、水素
原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルケ
ニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシクロ
アルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級アル
キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低
級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但し、アミ
ノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル
基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護されていても
よい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基
および低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1ま
たは2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子
が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オ
キシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成
してもよい]で表される化合物とを、塩基の存在下、反
応させ、一般式[I’−1]
【0062】
【化62】 [式中、R20p、Y10pおよびZ10pは前記の意味を有す
る]で表される化合物、一般式[I’−2]
【0063】
【化63】 [式中、R20pおよびY10pは前記の意味を有する]で表
される化合物、一般式[I’−3]
【0064】
【化64】 [式中、R21p、Y10pおよびZ10pは前記の意味を有す
る]で表される化合物および一般式[I’−4]
【0065】
【化65】 [式中、R21pおよびZ10pは前記の意味を有する]で表
される化合物とし、必要に応じ保護基を除去する工程お
よび当該化合物群を分離する工程から選ばれる1または
2の工程を行うことを特徴とする、一般式[I−1]
【0066】
【化66】 [式中、Rpは水素原子、低級アルキル基、シクロアル
キル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアル
キル基またはシクロアルキルアルキル基を、Ypおよび
pは同一または異なって、フェニル基、または硫黄原
子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1
ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基
を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキ
ル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロ
アルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR
5s(ここにおいて、R5sは水素原子、低級アルキル基、
低級アルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒ
ドロピラニル基を意味する)、−COOR6s(ここにお
いて、R6sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
てもよい]で表される化合物、一般式[I−2]
【0067】
【化67】 [式中、RpおよびYpは前記の意味を有する]で表され
る化合物、一般式[I−3]
【0068】
【化68】 [式中、R2pは水素原子、低級アルキル基、シクロアル
キル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアル
キル基またはシクロアルキルアルキル基を、Ypおよび
pは前記の意味を有する]で表される化合物または一
般式[I−4]
【0069】
【化69】 [式中、R2pおよびZpは前記の意味を有する]で表さ
れる化合物の製造法に関する。
【0070】一般式[II]の化合物と一般式[I
I’]の化合物との反応は、塩基の存在下、通常、水;
例えばエタノール、メタノール等のアルコール類;例え
ばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、ジグリム等のエーテル
類;例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン等の脂肪族炭化水素類;例えばベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素類;例えばアセトニトリル;N,N
−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド等の不
活性溶媒またはその混合溶媒中で行われる。反応温度は
10〜60℃、好ましくは15〜30℃にて、反応時間
は0.5〜24時間、好ましくは2〜12時間で行う。
【0071】塩基は、一般式[II]の化合物1モルに
対して2モル以上の過剰量使用する。塩基としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属水酸化物;例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の
アルカリ金属炭酸塩;例えば炭酸水素ナトリウム等のア
ルカリ金属炭酸水素塩;例えばピリジン、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DB
U)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5
−エン(DBN)等の有機塩基等が挙げられる。反応
は、例えばピリジン等の塩基化合物を過剰に用いて塩基
と溶媒を兼ねて使用することもできる。
【0072】反応終了後、反応液を濃塩酸等の酸で酸
性、好ましくはpH2とし、通常の処理を行い、一般式
[I’−1]、[I’−2]、[I’−3]および
[I’−4]で表される粗生成物を得ることができる。
【0073】Y10pおよびZ10pが同一の場合、一般式
[I’−1]、[I’−2]、[I’−3]および
[I’−4]は同一化合物を意味し、Y10pおよびZ10p
が異なる場合、一般式[I’−1]、[I’−2]、
[I’−3]および[I’−4]はそれぞれ異なる化合
物群を意味する。
【0074】一般式[I’−1]、[I’−2]、
[I’−3]および[I’−4]がそれぞれ異なる化合
物を意味するとき、当該化合物の混合物を分離し、また
は分離することなく脱保護反応に付すことができる。
【0075】混合物の分離は通常の処理法により、例え
ば溶媒抽出、結晶化またはシリカゲルもしくは吸着樹脂
等を用いるカラムクロマトグラフィー等により行うこと
ができる。
【0076】一般式[I’−1]、[I’−2]、
[I’−3]および[I’−4]は同一化合物を意味す
るとき、当該化合物を通常の処理法により精製し、また
は精製することなく脱保護反応に付すことができる。
【0077】脱保護反応の終了後、通常の処理法によ
り、例えば溶媒抽出、結晶化またはシリカゲルもしくは
吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィー等によ
り、一般式[I−1]、[I−2]、[I−3]または
[I−4]の化合物を精製することができる。精製条件
によって、一般式[I−1]、[I−2]、[I−3]
または[I−4]の化合物は、分子内塩、無毒性付加
塩、水和物の形で得られるが、これらは目的に応じて常
法により相互に変換することができる。
【0078】製造法B 本製造法は、一般式[I−5]
【0079】
【化70】 [式中、R22pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
たはシクロアルキルアルキル基を、R30pはヒドロキシ
基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニ
ル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基または
テトラヒドロピラニル基を、Y11pおよびZ11pは同一ま
たは異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子
および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR7s(ここにお
いて、R7sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基また
はテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COOR8s
(ここにおいて、R8sはカルボキシル基の保護基、水素
原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルケ
ニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシクロ
アルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級アル
キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低
級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但し、アミ
ノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル
基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護されていても
よい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基
および低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1ま
たは2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子
が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オ
キシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成
してもよい]で表される化合物と、一般式[III]
【0080】
【化71】 [式中、R23pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する]
で表される化合物とを反応させ、必要に応じ保護基を除
去することを特徴とする、一般式[I−6]
【0081】
【化72】 [式中、R31pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
たはテトラヒドロピラニル基を、Y2pおよびZ2pは同一
または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR9s(ここに
おいて、R9sは水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
ニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニ
ル基を意味する)、−COOR10s(ここにおいて、R
10sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、
低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
たはシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ
基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、
ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基およ
び低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1または
2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫
黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシ
ド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成して
もよく、R23pは前記の意味を有する]で表される化合
物の製造法に関する。
【0082】一般式[I−5]の化合物と一般式[II
I]の化合物との反応は、通常、水;例えばエタノー
ル、メタノール等のアルコール類;例えばジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジグリム等のエーテル類;例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族
炭化水素類;例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素類;例えばアセトニトリル;N,N−ジメチルホル
ムアミド;ジメチルスルホキシド等の不活性溶媒または
その混合溶媒中で行われる。一般式[I−5]の化合物
1モルに対し、一般式[III]の化合物1モル〜20
モル、好ましくは5〜10モルが用いられ、反応温度は
10〜60℃、好ましくは15〜30℃にて、反応時間
は3〜40時間、好ましくは12〜18時間で行う。
【0083】反応終了後、得られる粗生成物を常法によ
り精製し、または精製することなく脱保護反応に付し、
一般式[I−6]で表される化合物の粗生成物を得るこ
とができる。
【0084】脱保護反応の終了後、通常の処理法によ
り、例えば溶媒抽出、結晶化またはシリカゲルもしくは
吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィー等によ
り、一般式[I−6]の化合物を単離することができ
る。単離、精製条件によって、一般式[I−6]の化合
物は、分子内塩、無毒性付加塩、水和物の形で得られる
が、これらは目的に応じて常法により相互に変換するこ
とができる。
【0085】製造法C 本製造法は、一般式[I−7]
【0086】
【化73】 [式中、R24pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を、R32p
ヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低
級アルケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイ
ル基またはテトラヒドロピラニル基を、Y12pおよびZ
12pは同一または異なって、フェニル基、または硫黄原
子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1
ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基
を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキ
ル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロ
アルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR
11s(ここにおいて、R11sはヒドロキシ基の保護基、水
素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリール
アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味す
る)、−COOR12s(ここにおいて、R12sはカルボキ
シル基の保護基、水素原子、低級アルキル基、シクロア
ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味す
る)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキ
ルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、
グアニジノ基(但し、アミノ基、低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基またはグア
ニジノ基は保護されていてもよい)、ニトロ基、ハロゲ
ン原子、メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基
からなる群より選ばれる1または2以上の置換基を有し
ていてもよく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子
の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまた
はS,S−ジオキシドを形成してもよい]で表される化
合物を還元剤で処理し、必要に応じ保護基を除去するこ
とを特徴とする、一般式[I−8]
【0087】
【化74】 [式中、R33pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
たはテトラヒドロピラニル基を、Y3pおよびZ3pは同一
または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR13s(ここ
において、R13sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
ラニル基を意味する)、−COOR14s(ここにおい
て、R14sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
てもよい]で表される化合物の製造法に関する。
【0088】本製造法で用いられる還元剤としては、水
素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミ
ニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素テルル、
水素化ホウ素セシウム等の金属水素化物が挙げられる。
【0089】反応は、通常、還元剤が水素化リチウムア
ルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムの場合、
例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグリム等のエ
ーテル類;例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;例えばベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素類等の不活性溶媒またはその
混合溶媒中で行われる。還元剤が水素化ホウ素リチウ
ム、水素化ホウ素テルル、水素化ホウ素セシウムの場
合、水;例えばエタノール、メタノール等のアルコール
類;例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエ
タン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグリム等の
エーテル類;例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;例えばベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素類等の不活性溶媒またはそ
の混合溶媒中で行われる。溶媒として水を用いる場合、
中性またはアルカリ性とすることが好ましい。
【0090】一般式[I−7]で表される化合物1モル
に対し、還元剤は過剰量、好ましくは2〜5モルが用い
られ、反応温度は−15〜50℃、好ましくは0〜20
℃にて、反応時間は0.5〜24時間、好ましくは1〜
12時間で行う。
【0091】反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液
等の弱酸で過剰量の還元剤を中和し、得られる粗生成物
を常法により精製し、または精製することなく脱保護反
応に付し、一般式[I−8]で表される化合物の粗生成
物を得ることができる。
【0092】脱保護反応の終了後、通常の処理法によ
り、例えば溶媒抽出、結晶化またはシリカゲルもしくは
吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィー等によ
り、一般式[I−8]の化合物を単離することができ
る。単離、精製条件によって、一般式[I−8]の化合
物は、分子内塩、無毒性付加塩、水和物の形で得られる
が、これらは目的に応じて常法により相互に変換するこ
とができる。
【0093】製造法D 本製造法は、一般式[I−9]
【0094】
【化75】 [式中、R25pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
たはシクロアルキルアルキル基を、R34pはヒドロキシ
基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニ
ル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基または
テトラヒドロピラニル基を、Y13pおよびZ13pは同一ま
たは異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子
および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR15s(ここに
おいて、R15sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低
級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基
またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COO
16s(ここにおいて、R16sはカルボキシル基の保護
基、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
はシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、
低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒド
ロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但
し、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級
アルキル基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護され
ていてもよい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジ
オキシ基および低級アルカノイル基からなる群より選ば
れる1または2以上の置換基を有していてもよく、当該
複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子
はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシ
ドを形成してもよい]で表される化合物と、一般式[I
V]
【0095】
【化76】 [式中、R26pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
たはシクロアルキルアルキル基を、Xはハロゲン原子を
意味する]で表される化合物とを反応させ、必要に応じ
保護基を除去することを特徴とする、一般式[I−1
0]
【0096】
【化77】 [式中、R34pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
たはテトラヒドロピラニル基を、Y4pおよびZ4pは同一
または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR17s(ここ
において、R17sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
ラニル基を意味する)、−COOR18s(ここにおい
て、R18sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
てもよく、R26pは前記の意味を有する]で表される化
合物の製造法に関する。
【0097】反応は、通常、例えばジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチル
エーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジグリム等のエーテル類;例えばペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水
素類;例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類
等の不活性溶媒またはその混合溶媒中で行われる。また
本反応は窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で行
うことが好ましい。
【0098】一般式[I−9]で表される化合物1モル
に対し、一般式[IV]で表される化合物2〜5モルが
用いられ、反応温度は−20〜50℃、好ましくは5〜
30℃にて、反応時間は0.5〜8時間、好ましくは1
〜5時間で行う。
【0099】反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液
等の弱酸で処理後、得られる粗生成物を常法により精製
し、または精製することなく脱保護反応に付し、一般式
[I−10]で表される化合物の粗生成物を得ることが
できる。
【0100】脱保護反応の終了後、通常の処理法によ
り、例えば溶媒抽出、結晶化またはシリカゲルもしくは
吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィー等によ
り、一般式[I−10]の化合物を単離することができ
る。単離、精製条件によって、一般式[I−10]の化
合物は、分子内塩、無毒性付加塩、水和物の形で得られ
るが、これらは目的に応じて常法により相互に変換する
ことができる。
【0101】一般式[IV]で表される化合物は常法に
従い、一般式[IV’]
【0102】
【化78】 [式中、R26pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
たはシクロアルキルアルキル基を、Xはハロゲン原子を
意味する]で表される化合物と金属マグネシウムから製
造することができる。
【0103】製造法E 本製造法は、一般式[I−11]
【0104】
【化79】 [式中、R27pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
たはシクロアルキルアルキル基を、R35pはヒドロキシ
基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニ
ル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基または
テトラヒドロピラニル基を、Y14pおよびZ14pは同一ま
たは異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子
および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR19s(ここに
おいて、R19sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低
級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基
またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COO
20s(ここにおいて、R20sはカルボキシル基の保護
基、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
はシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、
低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒド
ロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但
し、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級
アルキル基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護され
ていてもよい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジ
オキシ基および低級アルカノイル基からなる群より選ば
れる1または2以上の置換基を有していてもよく、当該
複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子
はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシ
ドを形成してもよい]で表される化合物と、一般式
[V]
【0105】
【化80】 [式中、R28pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する]
で表される化合物とを反応させ、必要に応じ保護基を除
去することを特徴とする、一般式[I−12]
【0106】
【化81】 [式中、R36pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
たはテトラヒドロピラニル基を、Y5pおよびZ5pは同一
または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR21s(ここ
において、R21sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
ラニル基を意味する)、−COOR22s(ここにおい
て、R22sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
てもよく、R28pは前記の意味を有する]で表される化
合物の製造法に関する。
【0107】一般式[I−11]の化合物と一般式
[V]の化合物との反応は、通常、水;例えばエタノー
ル、メタノール等のアルコール類;例えばジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジグリム等のエーテル類;例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族
炭化水素類;例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素類;例えばアセトニトリル;N,N−ジメチルホル
ムアミド;ジメチルスルホキシド等の不活性溶媒または
その混合溶媒中で行われる。一般式[I−11]の化合
物1モルに対し、一般式[V]の化合物1モル〜20モ
ル、好ましくは2〜5モルが用いられ、反応温度は10
〜60℃、好ましくは15〜30℃にて、反応時間は3
〜20時間、好ましくは5〜12時間で行う。
【0108】反応終了後、得られる粗生成物を常法によ
り精製し、または精製することなく脱保護反応に付し、
一般式[I−12]で表される化合物の粗生成物を得る
ことができる。
【0109】脱保護反応の終了後、通常の処理法によ
り、例えば溶媒抽出、結晶化またはシリカゲルもしくは
吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィー等によ
り、一般式[I−12]の化合物を単離することができ
る。単離、精製条件によって、一般式[I−12]の化
合物は、分子内塩、無毒性付加塩、水和物の形で得られ
るが、これらは目的に応じて常法により相互に変換する
ことができる。
【0110】製造法F 本製造法は、一般式[I−13]
【0111】
【化82】 [式中、R29pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を、R37p
ヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低
級アルケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイ
ル基またはテトラヒドロピラニル基を、Y15pおよびZ
15pは同一または異なって、フェニル基、または硫黄原
子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1
ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基
を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキ
ル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロ
アルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR
23s(ここにおいて、R23sはヒドロキシ基の保護基、水
素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリール
アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味す
る)、−COOR24s(ここにおいて、R24sはカルボキ
シル基の保護基、水素原子、低級アルキル基、シクロア
ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味す
る)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキ
ルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、
グアニジノ基(但し、アミノ基、低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基またはグア
ニジノ基は保護されていてもよい)、ニトロ基、ハロゲ
ン原子、メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基
からなる群より選ばれる1または2以上の置換基を有し
ていてもよく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子
の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまた
はS,S−ジオキシドを形成してもよい]で表される化
合物をピリジン誘導体塩酸塩と共に加熱し、必要に応じ
保護基を除去することを特徴とする、一般式[I−1
4]
【0112】
【化83】 [式中、R38pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
たはテトラヒドロピラニル基を、Y6pおよびZ6pは同一
または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR25s(ここ
において、R25sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
ラニル基を意味する)、−COOR26s(ここにおい
て、R26sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
てもよい]で表される化合物の製造法に関する。
【0113】本製造法で用いられるピリジン誘導体塩酸
塩としては、ピリジン塩酸塩、α−ピコリン塩酸塩、β
−ピコリン塩酸塩、γ−ピコリン塩酸塩、コリジン塩酸
塩等が挙げられる。
【0114】反応は、通常、無溶媒で行われ、一般式
[I−13]で表される化合物1モルに対し、ピリジン
誘導体塩酸塩を過剰量、好ましくは10モルを混合し、
反応温度は200〜250℃、好ましくは200℃に加
熱し、反応時間は0.25〜3時間、好ましくは0.5
〜2時間で行う。
【0115】反応終了後、得られる粗生成物を常法によ
り精製し、または精製することなく脱保護反応に付し、
一般式[I−14]で表される化合物の粗生成物を得る
ことができる。
【0116】脱保護反応の終了後、通常の処理法によ
り、例えば溶媒抽出、結晶化またはシリカゲルもしくは
吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィー等によ
り、一般式[I−14]の化合物を単離することができ
る。単離、精製条件によって、一般式[I−14]の化
合物は、分子内塩、無毒性付加塩、水和物の形で得られ
るが、これらは目的に応じて常法により相互に変換する
ことができる。
【0117】製造法A、B、C、D、EまたはFにおけ
る脱保護反応は、常法に従って不活性溶媒中、酸または
塩基の存在下に加水分解または加溶媒分解により行われ
る。
【0118】当該不活性溶媒としては、例えば水、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラ
ンまたはこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0119】反応に使用する酸としては、例えば塩酸、
硫酸等が挙げられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;例え
ば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸
塩;例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の
アルカリ金属炭酸水素塩等が挙げられる。
【0120】製造法G 本発明に係る化合物が4−ヒドロキシ−2−[4−ヒド
ロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]
−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,
5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルの
場合、該化合物はアスペルギルス属に属する該化合物生
産菌を培地に培養し得られた培養物から公知の方法によ
り採取し、製造することができる。該化合物の製造に用
いる生産菌は、該化合物を生産するものであれば、いず
れでも良いが、例えば本発明者らが、新たに福岡県の山
林土壌より採取したアスペルギルス テレウス(Asp
ergillus terreus)F−25799株
を用いることができる。
【0121】F−25799株は下記の菌学的性状を有
する。 (1)形態 F−25799株の分生子頭は長円筒状である。分生子
柄は屈曲し、細胞壁は滑面、無色、そのサイズは140
〜280×6.2〜7.7μmである。分生子柄の先端
は肥大して頂嚢となり、頂嚢の直径は17.7〜19.
3μm、その上部2/3よりメトレを形成し、更にその
メトレ上にフィアライドを形成する。メトレ、フィアラ
イドのサイズはそれぞれ、6.2〜7.7×2.3〜
3.1μm、6.2〜8.5×1.5〜2.3μmであ
る。分生子はフィアライドの先端から連鎖状に形成され
て、無色、球形、直径は2.3〜3.1μmである。 (2)培養性状 種々の寒天培地を用い、25℃で10日間培養した場合
の生育的特徴を下記表に示す。表中の色はメツエン・ハ
ンドブック・オブ・カラー[(MethuenHand
book of Colour)、第3版、1984
年]による色名を基準とした。
【0122】
【表13】 いずれの培地でも、分生子形成は非常に良好で、分泌液
は認められず、37℃で培養した生育は、25℃の場合
よりも速い。
【0123】F−25799株は13℃から41℃の温
度範囲で生育可能で、至適生育温度は34℃である。ま
た、培養開始時の培地の初発pHが1.5から11を越
える範囲で生育が可能で、至適pHは7.3である。
【0124】以上の結果から、F−25799株をアス
ペルギルス テレウス(Aspergillus te
rreus)として同定し(K.B. Raper a
ndD.I.Fennell, The genus
Aspergillus,568頁, William
s & Wilkins,1965年 参照)、アスペ
ルギルス テレウス F−25799(Aspergi
llus terreus F−25799)と命名し
た。
【0125】尚、本菌株は通商産業省工業技術院微生物
工業技術研究所に寄託されており、その微工研受託番号
は微工研菌寄第13047号(FERM P−1304
7)である。
【0126】該化合物を製造するにあたり、該化合物の
生産菌株を栄養源含有培地に接種して好気的に発育させ
ることにより、該化合物を含む培養物が得られる。栄養
源としては、真菌の栄養源として公知のものが使用でき
る。例えば、炭素源としては、市販されているブドウ
糖、グリセリン、麦芽糖、デンプン、庶糖、糖蜜または
デキストリンなどが単独または混合物として用いられ
る。窒素源としては、市販されている大豆粉、コーンス
ティープリカー、肉エキス、酵母エキス、綿実粉、ペプ
トン、小麦胚芽、魚粉、無機アンモニウム塩または硝酸
ナトリウムなどが単独または混合物として用いられる。
無機塩としては、市販されている炭酸カルシウム、塩化
ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウムまたは各
種リン酸塩などを使用することができる。その他必要に
応じて、鉄、マンガンまたは亜鉛などの重金属塩を微量
添加することもできる。また、発泡の著しい時には、消
泡剤として、例えば大豆油または亜麻仁油等の植物油、
オクタデカノール等の高級アルコール類、各種シリコン
化合物等を適宜添加しても良い。これらのもの以外で
も、該生産菌が利用し、該化合物の生産に役立つもので
あれば、いずれも使用することができる。
【0127】培養方法としては、一般の微生物代謝産物
の生産方法と同様に行えばよく、固体培養でも液体培養
でもよい。液体培養の場合は、静置培養、攪拌培養、振
盪培養または通気培養などのいずれを実施してもよい
が、特に振盪培養または深部通気攪拌培養が好ましい。
培養温度は20℃〜37℃が適当であるが、好ましくは
25℃〜36℃である。好ましい培地のpHは4〜8の
範囲で、培養時間は24時間〜192時間、好ましくは
48時間〜144時間である。
【0128】培養物から目的とする該化合物を採取する
には、微生物の生産する代謝物を培養物から採取するの
に通常使用される分離手段が適宜利用される。
【0129】該化合物は主に菌体中に存在するので、菌
体より通常の分離手段、例えば溶媒抽出法、イオン交換
樹脂法または吸着もしくは分配クロマトグラフィー法お
よびゲル濾過法等を単独または組合せて行うことにより
精製できる。また高速液体クロマトグラフィーや薄層ク
ロマトグラフィーなども抽出精製に利用可能である。
【0130】製造法A、B、C、D、E、FまたはGに
よって得られる化合物がヒドロキシ基を有する場合、塩
基の存在下、当該化合物と、一般式[VI]
【0131】
【化84】 [式中、Rは低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
ルキル基またはテトラヒドロピラニル基を、Xはハロゲ
ン原子を意味する]で表される化合物とを反応させ該ヒ
ドロキシ基を修飾することができる。
【0132】本反応で用いられる塩基としては、水素化
リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアル
カリ金属水素化物;tert−ブトキシカリウム等のア
ルカリ金属アルコキシド;ブチルリチウム等が挙げられ
る。
【0133】反応は、通常、塩基がアルカリ金属アルコ
キシドの場合、例えばエタノール、メタノール、ter
t−ブタノール等のアルコール類;例えばジメチルエー
テル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジグリム等のエーテル類;例えばペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族
炭化水素類;例えばベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素類等の不活性溶媒またはその混合溶媒中で行われ
る。塩基がアルカリ金属水素化物、ブチルリチウム等の
場合、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシ
エタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグリム等
のエーテル類;例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;例えばベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素類等の不活性溶媒また
はその混合溶媒中で行われる。
【0134】ヒドロキシ基を有する化合物1モルに対
し、一般式[VI]の化合物を過剰量、好ましくは5モ
ル〜6モルが用いられ、反応温度は−20〜50℃、好
ましくは0〜30℃にて、反応時間は1〜20時間、好
ましくは5〜18時間で行う。
【0135】反応終了後得られる粗生成物は常法に従い
精製することができる。
【0136】また製造法A、B、C、D、E、Fまたは
Gによって得られる化合物がヒドロキシ基を有する場
合、常法に従い該ヒドロキシ基を低級アルカノイル基
で、またはトリメチルシリルジアゾメタン等のメチル化
剤で修飾することもできる。
【0137】以下に試験例を挙げ、本発明化合物の抗腫
瘍剤としての有用性を示す。 試験例1cdc2キナーゼに対する作用 製造例1の化合物のcdc2キナーゼに対する作用は、
前記のスクリーニングに用いたマウスFM3A細胞より
精製したcdc2キナーゼを用いて測定した。活性測定
には、反応液として20mM トリス塩酸(pH7.
5)、10mM塩化マグネシウム、4.5mM 2−メ
ルカプトエタノール、1mM EGTA、0.01μg
/mlペプチド[AKAKKTPKKAKK(ここにお
いて、Aはアラニン、Kはリジン、Pはプロリン、Tは
スレオニンを示す)]、50μMATPおよび2μCi
32P]ATPを用いた。製造例1の化合物と酵素を反
応液に加え、30℃で30分間反応させ、基質であるペ
プチドへの燐酸の取り込みをワットマンP−81濾紙に
吸着させ75mM燐酸で洗浄後、32Pのカウントを測定
した。精製した製造例1の化合物のマウスcdc2キナ
ーゼに対するIC50値は0.285μg/mlであっ
た。また、特異抗体を用いた免疫沈降法により精製した
ヒトcdc2キナーゼおよびヒトcdk2キナーゼに対
しても同様の阻害効果を示した。
【0138】同様にして各製造例で得られた化合物を用
いて下記表に示す結果を得た。
【0139】
【表14】 試験例2cdc2キナーゼ以外のキナーゼに対する作用 製造例1の化合物のcdc2キナーゼ類以外のキナーゼ
に対する作用を決定するため、ブタ睾丸より精製したカ
ゼインキナーゼIおよびII(基質:カゼイン)、マウ
ス脳より部分精製したプロテインキナーゼC[基質:ペ
プチド:RKRTLRRL(ここにおいて、Kはリジ
ン、Lはロイシン、Rはアルギニン、Tはスレオニンを
示す)]、ヒトA431より部分精製したMAPキナー
ゼ(基質:ミエリン塩基性蛋白質)、ヒトA431より
部分精製したEGF受容体チロシンキナーゼ(基質:ポ
リグルタミルチロシン)、市販ウシサイクリックAMP
依存性プロテインキナーゼA(基質:ヒストン)を用い
て測定した。活性測定は、50μM ATPおよび2μ
Ci[32P]ATPで、30℃で30分反応させ基質へ
の燐酸の取り込みをワットマンP−81濾紙に吸着させ
75mM燐酸で洗浄後、32Pのカウントを測定すること
により行なった。製造例1の化合物の上記キナーゼに対
するIC50値はそれぞれ、250μg/ml以上、10
4μg/ml、66.5μg/ml、40.0μg/m
l、250μg/ml以上、108μg/mlであっ
た。以上より、製造例1の化合物がcdc2キナーゼ以
外のキナーゼより少なくとも140倍以上cdc2キナ
ーゼ類に強く作用することが判明した。 試験例3細胞周期に対する作用 製造例1の化合物の癌細胞の細胞周期に対する作用を決
定するため、in vitro試験を行なった。癌細胞
はマウスFM3A細胞およびヒト神経芽細胞腫IMR3
2細胞を使用した。細胞培養用培地は、FM3Aには牛
胎児血清10%含有ES培地を、IMR32細胞には牛
胎児血清10%含有DMEM培地を用いた。細胞周期阻
害作用の検定は、5×104個の癌細胞を含む細胞培養
用培地5mlを35mlの組織培養用フラスコに分注
し、37℃で24時間、5%CO2下で培養した後、製
造例1の化合物を加え、37℃で更に18時間、5%C
2下で培養した。FM3AはPBSで洗浄し、50μ
g/mlプロピジウムヨーダイド、0.1%くえん酸ナ
トリウム、0.2%ノニデット−P40、0.25mg
/mlRNaseで37℃で10分間処理し、IMR3
2はトリプシン処理およびPBS洗浄した後、50μg
/mlプロピジウムヨーダイド、0.2%くえん酸ナト
リウム、0.1%ノニデット−P40、0.25mg/
mlRNase液で37℃で10分間処理し、フローサ
イトメーターで細胞周期を解析した。その結果、製造例
1の化合物は対照群と比較し、FM3A細胞に対し、1
0μg/mlでG1/S期阻害、20μg/mlでG2
/M期阻害を示し、IMR32細胞に対しては、10μ
g/mlでG1/S期阻害、30μg/mlでG2/M
期阻害を示した。 試験例4癌抑制遺伝子産物RB蛋白質の細胞内燐酸化に対する作
製造例1の化合物の癌抑制遺伝子産物RB蛋白質の癌細
胞内における燐酸化に対する作用を決定するため、in
vitro試験を行なった。細胞はヒト神経芽細胞腫
IMR32を使用し、細胞培養用培地には、牛胎児血清
10%含有DMEM培地を用いた。細胞周期阻害作用の
検定では、5×104 個のIMR32細胞を含む細胞培
養用培地5mlを35mlの組織培養用フラスコに分注
し、37℃で24時間、5%CO2下で培養した後、製
造例1の化合物を加え、37℃で更に18時間、5%C
2下で培養した。その後、トリプシン処理およびPB
S洗浄し、50mMヘペス(pH7.0)、250mM
塩化ナトリウム、0.1%ノニデット−P40、1mM
フェニルメチルスルフォニルクロリド、5μg/mlロ
イペプチン、5μg/mlアンチパイン、5μg/ml
キモスタチン、5μg/mlペプスタチン、5μg/m
lE−64、5μg/mlメシル酸ナファモスタット、
2mMバナジン酸ナトリウム、10mMピロ燐酸ナトリ
ウムおよび10mMフッ化ナトリウムを含んだ水溶液に
懸濁し、細胞抽出液を得た。この細胞抽出液をSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、ニトロセルロ
ース膜に電気的に移し、抗RB蛋白質抗体およびホース
ラディシュパーオキシダーゼ結合抗マウスIgG抗体を
用いたウェスタンブロッティング法でRB蛋白質を染色
した。その結果、対照群と比較して10μg/ml以上
の製造例1の化合物で処理した細胞においては、SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で移動度の速い非燐酸
化型RB蛋白質が増加し、移動度の遅い燐酸化型RB蛋
白質が減少していた。以上より、製造例1の化合物が癌
抑制遺伝子産物RB蛋白質の癌細胞内での燐酸化を阻害
することが判明した。 試験例5培養癌細胞に対する作用 製造例1の化合物の癌細胞に対する増殖阻止作用を決定
するため、in vitro試験を行なった。細胞はマ
ウスFM3A細胞およびヒト神経芽細胞腫IMR32細
胞を使用した。細胞培養用培地には、FM3Aには牛胎
児血清10%含有ES培地を、IMR32細胞には牛胎
児血清10%含有DMEM培地を用いた。細胞増殖阻害
作用の検定は、5×103個の癌細胞を含む細胞培養用
培地100μlを96穴マイクロプレートに分注し、3
7℃で24時間、5%CO2下で培養した後、製造例1
の化合物を加え、37℃で更に72時間、5%CO2
で培養した後、5μg/mlの3−(4,5−ジメチル
チアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾ
リウムブロミドを1穴あたり10μl分注し、37℃で
2時間染色した。遠心し、上清を除去後、染色された細
胞から150μlのジメチルスルフォキサイドを用いて
色素を抽出し、540nmにおける吸光度を測定して対
照群と比較した。その結果、製造例1の化合物はFM3
A細胞に対して8.7μg/mlのIC50を示し、IM
R32細胞に対して29.0μg/mlのIC50を示し
た。
【0140】以上の結果より、本発明に係る化合物が選
択的にcdc2キナーゼを阻害し、細胞周期をG1期お
よびG2期に停止する作用を有することにより、癌細胞
増殖抑制作用を示すことが判明した。従って、本発明に
係る化合物は抗腫瘍剤として有用である。
【0141】本発明に係る化合物は腫瘍細胞の増殖を阻
害し、制癌効果を有するが、本発明化合物を抗腫瘍剤と
して使用する際の投与形態としては各種の形態を選択で
き、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤もしくは液
剤等の経口剤または例えば溶液もしくは懸濁液等の殺菌
した液状の非経口剤が挙げられる。
【0142】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤または粉末の形態として製造することもでき
るが、適当な添加物を使用して製造することもできる。
そのような添加物としては、例えば乳糖もしくはブドウ
糖等の糖類、例えばトウモロコシ、小麦もしくは米等の
澱粉類、例えばステアリン酸等の脂肪酸、例えばメタケ
イ酸アルミン酸マグネシウムもしくは無水リン酸カルシ
ウム等の無機塩、例えばポリビニルピロリドンもしくは
ポリアルキレングリコール等の合成高分子、例えばステ
アリン酸カルシウムもしくはステアリン酸マグネシウム
等の脂肪酸塩、例えばステアリルアルコールもしくはベ
ンジルアルコール等のアルコール類、例えばメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロー
スもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合
成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチン、タルク、
植物油、アラビアゴム等通常用いられる添加物が挙げら
れ、これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤および粉末等の
固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、好ましく
は5〜100重量%の有効成分を含む。
【0143】液状製剤は、水、アルコール類または例え
ば大豆油、ピーナツ油もしくはゴマ油等の植物由来の油
等液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用
し、懸濁液、シロップ剤もしくは注射剤等の形態として
製造される。
【0144】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注射
または皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、
例えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注
射用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静
脈内注射用液体(例えばくえん酸およびくえん酸ナトリ
ウム等の水溶液)もしくは電解質溶液(点滴静注および
静脈内注射用)等、またはこれらの混合溶液が挙げられ
る。
【0145】これらの注射剤は予め溶解したものの他、
粉末のまま或いは適当な添加物を加えたものを用時溶解
する形態もとり得る。これらの注射液は、通常0.1〜
10重量%、好ましくは1〜5重量%の有効成分を含
む。
【0146】また、経口投与の懸濁剤またはシロップ剤
等の液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0147】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、配合された組成物の種類、適用頻度および治療すべ
き特定部位、腫瘍によって変化することに注意すべきで
ある。例えば、1日当りの成人1人当りの投与量は、経
口投与の場合、10〜500mgであり、非経口投与、
好ましくは静脈内注射の場合、1日当り10〜100m
gである。なお、投与回数は投与方法および症状により
異なるが、1回ないし5回である。
【0148】
【実施例】以下に製造例および実施例を挙げて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら
限定されるものではない。
【0149】NMR測定における略号の意味を以下に示
す。 s:シングレット d:ダブレット t:トリプレット qr:カルテット br:ブロード m:マルチプレット J:カップリング定数 Hz:ヘルツ 製造例14−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
チル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−
2−カルボン酸メチルエステル
【0150】
【化85】 斜面寒天培地に培養した真菌F−25799株をポリペ
プトン0.3%、グルコース1%、小麦胚芽1.0%、
グルテンミール0.5%、麦芽エキス0.3%、マルト
ース3.0%、塩化ナトリウム0.2%、硝酸ナトリウ
ム0.1%、リン酸一カリウム0.1%、硫酸マグネシ
ウム0.05%、硫酸第一鉄0.0002%、塩化第二
銅0.00004%、塩化マンガン0.00004%、
塩化コバルト0.00004%、硫酸亜鉛0.0000
8%、ホウ酸ナトリウム0.00008%およびモリブ
デン酸アンモニウム0.00024%からなる培地(p
H.6.0)100mlを含む500ml容の三角フラ
スコ2本に接種し、28℃で72時間、回転振盪機(毎
分180回転)上で培養した。この培養液を2mlず
つ、上記の培地を100ml含む500ml容の三角フ
ラスコ50本に接種し、28℃で72時間、回転振盪機
(毎分180回転)上で培養した。
【0151】得られた培養液(約5L)を90℃で10
分間加熱処理した後、濾過法により濾過し、得られた菌
体にメタノール(4L)を加えて室温で1時間撹拌し
た。濾過法により抽出液を得た。メタノール抽出液を減
圧下に濃縮し、メタノールを除去し、得られた濃縮液
(約600ml)を酢酸エチル(600ml)で2回抽
出した。酢酸エチル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムを
用いて脱水した後、濃縮乾固した。このものをクロロホ
ルム(100ml)に溶かし、110gのシリカゲル
(メルク社製キーゼルゲル60)のカラムに吸着させ、
クロロホルム−メタノール(20:1)の混液で溶出し
た。目的物質を含む分画を集め、濃縮乾固し、得られた
粗物質をメタノール(10ml)に溶解し、セファデッ
クスTMLH−20(ファルマシア社製)のカラム(2.
5cm×80cm)に付し、メタノールで展開した。目
的物質を含む分画を集め濃縮乾固し、クロロホルム(1
0ml)から再結晶を行うことにより、白色粉末153
mgを得た。
【0152】該白色粉末は下記の物理化学的性状を有す
る。 (1)分子量(FABマススペクトルの測定による): 424 (m/z):425[M+H]+ (2)分子式:C24247 (3)紫外線吸収スペクトル λ max(メタノール)n
m(ε): 223(14900,sh),308(20400) (4)赤外線吸収スペクトル(薄膜法) νmax(cm
-1):3382,3034,2932,2860,17
43,1614,1518,1443,1392,12
63,1185,1116,1068,1038,84
0,759 (5)1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ
H(ppm):1.53(3H,s),1.63(3
H,s),2.99(2H,d),3.34(2H,
s),3.74(3H,s),5.00(1H,m),
6.36(1H,d),6.47(1H,dd),6.
52(1H,d),6.87(2H,d),7.49
(2H,d),9.12(1H,s),9.92(1
H,s),10.52(1H,s) (6)13C−NMR(75MHz,DMSO−d6)δC
(ppm):17.5,25.5,27.5,38.
0,53.4,84.6,113.9,115.6,1
15.6,120.9,122.1,122.9,12
6.3,127.3,128.2,128.6,12
8.6,130.7,131.1,137.8,15
3.5,157.6,167.6,169.5 (7)酸性、中性、塩基性物質の区別:弱酸性物質 (8)Rf値:0.27[メルク社製、キーゼルゲル6
0F254使用、展開溶媒;クロロホルム/メタノール
(20:1)] (9)比旋光度:[α] 15=+98.4°(c=
1.00,エタノール)以上の結果より、本製造法によ
り得られた化合物は前記のケミカル・ファーマシューテ
ィカル・ブレティン[Chem.Pharm.Bul
l.、25巻、2593〜2601頁、1977年]に
記載のブチロラクトンIと同一物質であると同定した。
【0153】製造例2 (1)2−ベンジル−4−ヒドロキシ−5−オキソ−3
−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸
メチルエステル、(2)2−ベンジル−4−ヒドロキシ
−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,
5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル
(3)4−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジ
ル)−5−オキソ−3−フェニル−2,5−ジヒドロフ
ラン−2−カルボン酸メチルエステルおよび(4)4−
ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジル)−3−
(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
ヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル
【0154】
【化86】 フェニルピルビン酸(500mg)および4−ヒドロキ
シフェニルピルビン酸(500mg)をベンゼン(35
ml)とメタノール(10ml)の混合溶媒に溶解し、
トリメチルシリルジアゾメタンの10%ヘキサン溶液
(14ml)を加え、室温下、30分間攪拌した。減圧
乾固後、残渣を飽和炭酸ナトリウム水溶液(35ml)
に溶解し、室温下、2時間攪拌した。反応液を濃塩酸で
pH2とし酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水
で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾固した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−
酢酸エチル=5:1)で精製し、2−ベンジル−4−ヒ
ドロキシ−5−オキソ−3−フェニル−2,5−ジヒド
ロフラン−2−カルボン酸メチルエステルを70mg、
2−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシ
フェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2
−カルボン酸メチルエステルおよび4−ヒドロキシ−2
−(4−ヒドロキシベンジル)−5−オキソ−3−フェ
ニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチル
エステルの混合物を174mg、4−ヒドロキシ−2−
(4−ヒドロキシベンジル)−3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−
カルボン酸メチルエステルを120mg得た。2−ベン
ジル−4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−カル
ボン酸メチルエステルおよび4−ヒドロキシ−2−(4
−ヒドロキシベンジル)−5−オキソ−3−フェニル−
2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
ルの混合物は、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルムーメタノール=150:1)で精製
し、2−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロ
キシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン
−2−カルボン酸メチルエステルを90mg、4−ヒド
ロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジル)−5−オキソ
−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボ
ン酸メチルエステルを57mg得た。 (1)2−ベンジル−4−ヒドロキシ−5−オキソ−3
−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸
メチルエステル; 融点:159.5−162.0℃ H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.46
(1H,d,J=14.7Hz),3.63(1H,
d,J=14.7Hz),3.81(3H,s),6.
85(2H,dd,J=2.0Hz,7.7Hz),
7.09−7.20(3H,m),7.40−7.50
(3H,m),7.52−7.60(2H,m) (2)2−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−(4−ヒド
ロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラ
ン−2−カルボン酸メチルエステル; H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):3.5
0(1H,d,J=13.7Hz),3.56(1H,
d,J=13.7Hz),3.75(3H,s),6.
75−6.82(2H,m),6.88(2H,d,J
=9.3Hz),7.14(3H,dd,J=1.8H
z,5.1Hz),7.52(2H,d,J=9.3H
z),9.95(1H,s),10.60(1H,s) (3)4−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジ
ル)−5−オキソ−3−フェニル−2,5−ジヒドロフ
ラン−2−カルボン酸メチルエステル; H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):3.3
8(1H,d,J=15.0Hz),3.46(1H,
d,J=15.0Hz),3.75(3H,s),6.
49(2H,d,J=8.7Hz),6.57(2H,
d,J=8.7Hz),7.36−7.54(2H,
m),7.63(2H,d,J=9.0Hz),9.2
3(1H,s),11.05(1H,s) (4)4−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジ
ル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−
2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
ル; H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):3.3
8(1H,d,J=13.5Hz),3.45(1H,
d,J=13.5Hz),3.73(3H,s),6.
49(2H,d,J=8.7Hz),6.57(2H,
d,J=8.7Hz),6.86(2H,d,J=9.
0Hz),7.50(2H,d,J=9.0Hz),
9.21(1H,s),9.93(1H,s),10.
56(1H,s) 製造例34−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
チル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−
2−(N−メチル)カルボキサミド
【0155】
【化87】 製造例1で得られた化合物(42.4mg)をメチルア
ミンの40%メタノール溶液(3ml)に溶解し、室温
で12時間放置する。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:
水=65:35:6)にて精製し、標記化合物19.0
mgを白色粉末として得た。 融点:62.0−64.0℃ H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5
3(3H,s),1.62(3H,s),2.57(3
H,d,J=4.7Hz),2.98(2H,d−li
ke,J=6.6Hz),3.27(2H,s).5.
01(1H,t−like,J=6.6Hz),6.3
3(1H,d,J=2.0Hz),6.42(1H,d
d,J=2.0Hz,8.3Hz),6.49(1H,
d,J=8.3Hz),6.83(2H,d,J=8.
7Hz),7.64(2H,d,J=8.7Hz),
8.06(1H,qr,J=4.7Hz),9.05
(1H,s),9.81(1H,s),10.27(1
H,s)FAB−MS(glycerine);(C24
25NO6+H)+として424 製造例44−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
チル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−
2−カルボヒドラジド
【0156】
【化88】 製造例1で得られた化合物(42.4mg)をメタノー
ル(3ml)に溶解し、抱水ヒドラジン(0.5ml)
を加え、室温で16時間攪拌した。減圧濃縮後、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール:水=65:35:6)にて精製し、標記化
合物21.7mg(収率51%)を白色粉末として得
た。 融点:76.0−81.0℃ HR−FABMS; Calcd for C232426+H:425.1
712 Found:425.1739 H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5
3(3H,s),1.60(3H,s),2.97(2
H,d−like,J=6.8Hz),3.28(2
H,s),4.35(2H,br s),4.99(1
H,t−like,J=6.8Hz),6.30(1
H,d,J=2.0Hz),6.41(1H,dd,J
=2.0Hz,8.9Hz),6.48(1H,d,J
=8.9Hz),6.81(2H,d,J=8.8H
z),7.61(2H,d,J=8.8Hz),9.0
5(1H,s),9.53(1H,s),9.79(1
H,s),10.14(1H,br s) 製造例54−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
チル−2−ブテニル)ベンジル]−2−(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)
−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン
【0157】
【化89】 アルゴン雰囲気下で製造例1で得られた化合物(42.
4mg)を乾燥テトラヒドロフラン(1ml)に溶解
し、0℃で攪拌しながら0.92M臭化メチルマグネシ
ウム−テトラヒドロフラン溶液(1.09ml)を加え
た。0℃で30分間、室温で3時間攪拌後、飽和塩化ア
ンモニア水(5ml)を加えて、クロロホルムで抽出し
た。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製
し、標記化合物19.2mg(収率45%)を無色油状
物質として得た。 HR−FABMS; Calcd for (C25286+H)+:425.
1964 Found:425.1944 H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):0.9
3(3H,s),1.23(3H,s),1.52(3
H,s),1.60(3H,s),3.00(2H,d
−like,J=7.5Hz),3.30(2H,
s),5.04(1H,t−like,J=7.5H
z),5.09(1H,s),6.49(1H,d,J
=8.3Hz),6.57(1H,d,J=2.0H
z),6.58(1H,dd,J=2.0Hz,8.3
Hz),6.77(2H,d,J=8.7Hz),7.
83(2H,d,J=8.7Hz),8.99(1H,
s),9.63(1H,s),9.66(1H,s) 製造例64−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−[4−ヒ
ドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジ
ル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−
2,5−ジヒドロフラン
【0158】
【化90】 製造例1で得られた化合物(42.4mg)をエタノー
ル(5ml)に溶解し、室温で水素化ホウ素リチウム
(22mg)を少量ずつ加えた。室温で2時間攪拌した
後、5%KHSO4水溶液(2ml)を加え、減圧濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ
ロホルム:メタノール=9:1)で精製し、標記化合物
30mg(収率76%)を白色粉末として得た。 融点:72.0−73.5℃ HR−FABMS; Calcd for(C23246+H)+:397.1
651 Found:397.1659 H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5
2(3H,s),1.62(3H,s),2.98(2
H,d−like,J=7.0Hz),3.28(2
H,s),3.82(1H,dd,J=4.5Hz,1
0.5Hz),3.86(1H,dd,J=4.5H
z,10.5Hz),5.02(1H,t−like,
J=6.8Hz),5.12(1H,t,J=3.5H
z),6.45−6.57(3H,m),6.81(2
H,d,J=8.8Hz),7.61(2H,J=8.
8Hz),9.05(1H,s),9.74(1H,
s),9.86(1H,s) 製造例72−(4−アリルオキシ)ベンジル−3−(4−アリル
オキシフェニル)−4−ヒドロキシ−5−オキソ−2,
5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル
【0159】
【化91】 4−ヒドロキシフェニルピルビン酸メチルエステル(5
41mg)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解
し、室温撹拌下、炭酸カリウム(455mg)および臭
化アリル(300mg)を加え、一晩撹拌した。ジメチ
ルホルムアミドを減圧留去して得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー
ル=9:1)で精製し、標記化合物220mgを白色粉
末として得た。 融点:32−35℃ H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):3.3
5(1H,d,J=12Hz),3.35(3H,
s),3.44(1H,d,J=12Hz),3.72
(3H,s),4.57(2H,d,J=7.5H
z),4.58(2H,d−like,J=7.5H
z),4.63(2H,d,J=7.5Hz),5.0
8(1H,dd,J=0.5Hz,10Hz),5.1
4(1H,dd,J=1.0Hz,16Hz),5.2
8(1H,dd,J=0.5Hz,10Hz),5.4
2(1H,dd,J=1.0Hz,16Hz),5.5
8−5.72(1H,m),5.98−6.13(1
H,m),6.52(2H,d,J=7.5Hz),
6.58(2H,d,J=7.5Hz),7.11(2
H,d,J=8.0Hz),7.58(2H,d,J=
8.0Hz),9.28(1H,s) 製造例84−ベンジルオキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−
ブテニル)ベンジル]−5−オキソ−2,5−ジヒドロ
フラン−2−カルボン酸メチルエステル
【0160】
【化92】 製造例1で得られた化合物(51mg)をジメチルホル
ムアミド(3ml)に溶解し、室温で攪拌下、60%水
素化ナトリウム鉱油懸濁物(5.3mg)を加えた。水
素の発生が停止した後、臭化ベンジル(48μl)を加
え、2時間攪拌した。メタノール(0.5ml)および
水(10ml)を加え、クロロホルムで抽出した。有機
層を乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=
9:1)で精製し、標記化合物57mg(収率78%)
を無色油状物質として得た。 HR−FABMS;(C38367+H)+として605 H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.4
8(3H,s),1.54(3H,s),3.01(2
H,d−like,J=6.8Hz),3.35(2
H,s),3.72(3H,s),4.94(1H,
d,J=12.0Hz),5.08(1H,d,J=1
2.0Hz),5.14(2H,s),6.37(1
H,d,J=2.0Hz),6.47(1H,dd,J
=2.0Hz,8.3Hz),6.57(1H,d,J
=8.3Hz),7.08−7.56(14H,m),
9.22(1H,s) 製造例94−ベンジルオキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)−2−ヒドロキシメチル−2−[4−ヒドロキシ−
3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−5−オ
キソ−2,5−ジヒドロフラン
【0161】
【化93】 製造例7で得られた化合物(48mg)をメタノール
(3ml)に溶解し、室温攪拌下、水素化ホウ素リチウ
ム(17mg)を加え、1時間攪拌した。5%KHSO
4水溶液(5ml)を加え、減圧濃縮後、酢酸エチルで
抽出した。有機層を乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=9:1)で精製し、標記化合物14.
8mg(収率33%)を無色油状物質として得た。 FABMS;(C37366+H)+として577 H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.4
2(3H,s),1.48(3H,s),2.82−
3.03(4H,m),3.75(1H,dd,J=
4.5Hz,10.5Hz),3.83(1H,dd,
J=4.5Hz,10.5Hz),4.72(1H,
d,J=12Hz),4.83(1H,d,J=12H
z),4.94(1H,t−like,J=7Hz),
5.08(2H,s),5.17(1H,t,J=4.
5Hz),6.40−6.58(3H,m),6.98
(2H,d,J=8.8Hz),7.04−7.42
(10H,m),7.57(2H,d,J=8.8H
z),9.05(1H,s) 製造例104−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
チル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−
2−カルボン酸
【0162】
【化94】 製造例1で得られた化合物(42.5mg)を1規定水
酸化ナトリウム(1ml)に溶解し、室温で12時間撹
拌した。2規定塩酸でpH3とした後、酢酸エチル(1
0ml)で3回抽出した。有機層を乾燥後、減圧濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(クロロホルム:メタノール=5:1)で精製し、標
記化合物20mgを白色粉末として得た。 融点:190−195℃ H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5
3(3H,s),1.62(3H,s),2.98(2
H,d−like,J=7Hz),3.27(2H,
s),5.01(1H,t−like,J=7Hz),
6.33(1H,d,J=2.0Hz),6.42(1
H,dd,J=2.0Hz,8.3Hz),6.49
(1H,d,J=8.3Hz),6.83(2H,d,
J=8.7Hz),7.64(2H,d,J=8.7H
z),9.05(1H,s),9.81(1H,s),
10.27(1H,s) 製造例114−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジル)−3
−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−
ジヒドロフラン
【0163】
【化95】 製造例2−(4)の化合物(57mg)およびピリジン
塩酸塩(320mg)の混合物を200℃で50分間加
熱した。反応混合物を水(5ml)で希釈した後、酢酸
エチル(15ml)で3回抽出した。有機層を水および
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:アセトン=3:2)で精製
し、標記化合物32mgを白色粉末として得た。 H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.7
9(1H,dd,J=6.3Hz,15Hz),3.2
1(1H,dd,J=3.7Hz,15Hz),5.4
3(1H,dd,J=3.7Hz,6.3Hz),6.
59−6.64(2H,m),6.77−6.84(2
H,m),6.87−6.93(2H,m),7.48
−7.55(1H,s),7.77(1H,s),8.
13(1H,s),8.45(1H,s) 製造例124−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
チルブチル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−カル
ボン酸メチルエステル
【0164】
【化96】 製造例1で得られた化合物(100mg)をメタノール
(4ml)に溶解し、10%パラジウム炭素(20m
g)を加え、1気圧の水素圧下で12時間撹拌した。触
媒を濾去した後、濾液を減圧濃縮し、残渣をエーテル−
ヘキサンで再沈し、標記化合物84mgを白色固体とし
て得た。H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.90(6H,d),1.28(2H,m),1.5
0(1H,m),2.39(2H,m),3.50(3
H,m),3.79(3H,s),6.51(2H,
m),6.58(1H,dd,J=1.5Hz,8.4
Hz),6.92(2H,m),7.63(2H,m) 製造例132−[3−(2,3−エポキシ−3−メチルブチル)−
4−ヒドロキシベンジル]−4−ヒドロキシ−3−(4
−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒド
ロフラン−2−カルボン酸メチルエステル
【0165】
【化97】 製造例1で得られた化合物(34mg)をクロロホルム
(1ml)に懸濁させ、m−クロロ過安息香酸(30m
g)を加えた。5℃で48時間撹拌した後、減圧濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ベンゼン:酢酸エチル=2:1)で精製し、標記化
合物19mgを微黄色固体として得た。 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.58
(1H,m),2.90(1H,m),3.50(2
H,m),3.75(1H,m),3.78(3H,
s),6.51(1H,s),6.58(2H,m),
6.92(2H,m),7.60(2H,m) 製造例142−ベンジル−4−メトキシ−5−オキソ−3−フェニ
ル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエ
ステル
【0166】
【化98】 製造例2−(1)の化合物をメタノールおよびアセトニ
トリルの混合溶媒(0.13ml:1.2ml)に溶解
し、ジイソプロピルエチルアミン(80μl)およびト
リメチルシリルジアゾメタンの10%ヘキサン溶液を加
えた。室温で終夜撹拌後、溶媒を留去した。残渣を酢酸
エチルに溶解し、1規定塩酸、水および飽和食塩水で順
次洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、標記
化合物46.9mgを無色油状物質として得た。 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.46
(1H,d,J=14.7Hz),3.63(1H,
d,J=14.7Hz),3.81(3H,s),6.
85(2H,dd,J=2.0Hz,7.7Hz),
7.10−7.22(3H,m),7.40−7.50
(3H,m),7.52−7.60(2H,m) 製造例154−メトキシ−2−(4−メトキシベンジル)−3−
(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒ
ドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル
【0167】
【化99】 製造例2−(4)の化合物を用い、製造例14と同様に
して、標記化合物を得た。 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.42
(1H,d,J=14.4Hz),3.56(1H,
d,J=14.4Hz),3.72(3H,s),3.
80(3H,s),3.82(3H,s),3.89
(3H,s),6.65−6.70(2H,m),6.
75−6.80(2H,m),6.95−7.00(2
H,m),7.55−7.62(2H,m) 製造例162−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニ
ル)ベンジル]−5−オキソ−4−(2−テトラヒドロ
ピラニル)オキシ−3−[4−(2−テトラヒドロピラ
ニル)オキシフェニル]−2,5−ジヒドロフラン−2
−カルボン酸メチルエステル
【0168】
【化100】 製造例1で得られた化合物(42.5mg)を塩化メチ
レン(1ml)に懸濁させ、2,3−ジヒドロピラン
(32μl)およびピリジニウムp−トルエンスルホナ
ート(15mg)を加え、室温で12時間撹拌した。反
応液にエーテル(5ml)を加え、水および飽和食塩水
で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、
標記化合物50mgを無色油状物質として得た。 H−NMR(CDCl3)δ(ppm):3.18
(2H,m),3.40−4.00(10H,m),
5.09(1H,m),5.32(1H,m),5.4
9(1H,m),6.14(brs,1H)6.52
(1H,m),6.62(1H,m),6.71(1
H,m),6.83(1H,m),7.13(2H,
d,J=9.0Hz),7.65(2H,m) 実施例1 製造例1で得られた化合物1部に乳糖98部を加え、よ
く混合して100倍散を製造する。この粉末にヒドロキ
シプロピルセルロース1部に精製水を加えて製した練合
液を加えて練合し、造粒する。20メッシュ篩を通して
整粒し、乾燥した後、一定粒度に篩分けし顆粒剤とす
る。
【0169】実施例2 製造例1で得られた化合物1部に乳糖20部、コーンス
ターチ5部を加え、よく混合する。常法によりエタノー
ルで造粒乾燥整粒し、これに0.5%のステアリン酸マ
グネシウムを加え、混合した後、常法により、1錠に製
造例1の化合物10mgを含有する錠剤とする。
【0170】実施例3 製造例1で得られた化合物1重量部、乳糖22重量部お
よびトウモロコシデンプン6.8重量部を混合し、コー
ンスターチ糊液(トウモロコシデンプン4.0重量部に
水30mlを加えて、加熱撹拌して調製)3.4重量部
を加えて練合した後、押出式造粒機で造粒し、50℃で
4時間減圧で乾燥する。得られた乾燥物をフィッミルで
整粒し、粒径20〜35メッシュの顆粒32重量部を得
た。この顆粒32重量部をコーティングパンに入れ、オ
イドラギッドLのアルコール溶液を用いて、常法によ
り、スプレー・コーティングを行い、製造例1の化合物
の腸溶性顆粒33重量部を得た。
【0171】
【発明の効果】本発明に係る化合物は、cdc2キナー
ゼ群を阻害し、癌細胞の増殖を強く抑制することから、
抗腫瘍剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/495 9360−4C 31/505 9360−4C C07D 307/60 Z 307/68 405/06 8829−4C 407/06 8829−4C (72)発明者 厚海 修吾 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 大久保 満 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 北川 雅敏 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 松本 秀美 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 奥山 彬 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 岡部 隆義 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 須田 寛之 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内 (72)発明者 西村 暹 茨城県つくば市大久保3番 萬有製薬株式 会社つくば研究所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式中、R1は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、X1は水素原子、−CO
    OR2(ここにおいて、R2は水素原子、低級アルキル
    基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
    基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
    基を意味する)、−CONHR3(ここにおいて、R3
    水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシ
    クロアルキルアルキル基を意味する)、−CON
    (R4)NH2(ここにおいて、R4は水素原子、低級ア
    ルキル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリ
    ール基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアル
    キル基を意味する)または−C(R5)(R5)OR
    6(ここにおいて、R5およびR6は同一または異なっ
    て、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
    級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
    はシクロアルキルアルキル基を意味する)を、Y1およ
    びZ1は同一または異なって、フェニル基、または硫黄
    原子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる
    1ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環
    基を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アル
    キル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シク
    ロアルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−O
    7(ここにおいて、R7は水素原子、低級アルキル基、
    低級アルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒ
    ドロピラニル基を意味する)、−COOR8(ここにお
    いて、R8は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
    ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
    ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
    よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
    は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
    硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
    シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
    てもよい]で表される化合物またはその医薬として許容
    されうる塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
  2. 【請求項2】一般式[I−a] 【化2】 [式中、R10は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、X2は−CONHR
    11(ここにおいて、R11は水素原子、低級アルキル基、
    シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
    味する)、−CON(R12)NH2(ここにおいて、R
    12は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
    級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
    はシクロアルキルアルキル基を意味する)または−C
    (R13)(R13)OR14(ここにおいて、R13およびR
    14は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、
    シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
    味する)を、Y2およびZ2は同一または異なって、フェ
    ニル基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子から
    なる群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もし
    くは6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該
    複素環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリー
    ルアルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低
    級アルキル基、−OR15(ここにおいて、R15は水素原
    子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアル
    キル基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−
    COOR16(ここにおいて、R16は水素原子、低級アル
    キル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリー
    ル基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキ
    ル基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、
    ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、
    アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、
    メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる
    群より選ばれる1または2以上の置換基を有していても
    よく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、
    該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S
    −ジオキシドを形成してもよい]、一般式[I−b] 【化3】 [式中、R20は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、W1はシクロアルキル
    基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル
    基またはシクロアルキルアルキル基を、Y3およびZ3
    同一または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸
    素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし
    3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味
    し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、
    低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキ
    ルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR21(こ
    こにおいて、R21は水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
    ラニル基を意味する)、−COOR22(ここにおいて、
    22は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ
    基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、
    ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ
    基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基およ
    び低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1または
    2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫
    黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシ
    ド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成して
    もよい]、一般式[I−c] 【化4】 [式中、R30は低級アルケニル基、アリールアルキル
    基、低級アルカノイル基またはテトラヒドロピラニル基
    を、W2は低級アルキル基を、Y4およびZ4は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR31(ここにおい
    て、R31は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR32(ここにおいて、R32は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、W2がエチル基かつY4およびZ4がともにフェニル
    基または2−ニトロフェニル基の場合、R30はアセチル
    基を意味しない)]、一般式[I−d] 【化5】 [式中、R40は低級アルキル基を、W3は低級アルキル
    基を、Y5およびZ5は同一または異なって、フェニル
    基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる
    群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もしくは
    6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該複素
    環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールア
    ルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低級ア
    ルキル基、−OR41(ここにおいて、R41は水素原子、
    低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル
    基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−CO
    OR42(ここにおいて、R42は水素原子、低級アルキル
    基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
    基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
    基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ
    低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ア
    ミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メ
    チレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる群
    より選ばれる1または2以上の置換基を有していてもよ
    く、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該
    複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−
    ジオキシドを形成してもよい(但し、Y5およびZ5がと
    もにフェニル基かつW3がメチル基またはエチル基の場
    合、R40はメチル基またはエチル基を意味せず、Y5
    よびZ5がともに4−ニトロフェニル基かつW3がメチル
    基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5およびZ5
    ともに2−ニトロフェニル基かつW3がメチル基または
    エチル基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5が4
    −メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)フェニ
    ル基かつZ5が4−メトキシフェニル基かつW3がメチル
    基の場合、R40はメチル基を意味しない)]、一般式
    [I−e] 【化6】 [式中、R50は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、Y6およびZ6は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR51(ここにおい
    て、R51は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR52(ここにおいて、R52は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、Y6およびZ6がともに4−ヒドロキシフェニル基の
    場合、R50は水素原子を意味しない)]、一般式[I−
    f] 【化7】 [式中、W4は低級アルキル基を、Y7およびZ7は同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR60(ここに
    おいて、R60は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニ
    ル基を意味する)、−COOR61(ここにおいて、R61
    は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
    アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基または
    シクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低
    級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロ
    キシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニト
    ロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級ア
    ルカノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の
    置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子ま
    たは窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スル
    ホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい
    (但し、Y7およびZ7がともにフェニル基の場合、W4
    はメチル基またはエチル基を意味せず、Y7およびZ7
    ともに2−ニトロフェニル基の場合、W4はメチル基ま
    たはエチル基を意味せず、Z7が4−ヒドロキシフェニ
    ル基かつW4がメチル基の場合、Y7は4−ヒドロキシフ
    ェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブ
    テニル)フェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチ
    ル−2,3−エポキシブチル)フェニル基または4−ヒ
    ドロキシ−3−(3−メチルブチル)フェニル基を意味
    せず、Y7およびZ7がともに2−ピリジル N−オキシ
    ド基、3−メチル−2−ピリジル N−オキシド基、4
    −メチル−2−ピリジル N−オキシド基または4−ア
    ミジノフェニル基の場合、W4はエチル基を意味しな
    い)]または一般式[I−g] 【化8】 [式中、R70は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、Y8およびZ8は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR71(ここにおい
    て、R71は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR72(ここにおいて、R72は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、Y8およびZ8がともにフェニル基の場合、R70は水
    素原子、メチル基またはエチル基を意味せず、Y8およ
    びZ8がともに2−ニトロフェニル基または4−ヒドロ
    キシフェニル基の場合、R70は水素原子を意味しな
    い)]で表される化合物を有効成分とする請求項1記載
    の抗腫瘍剤。
  3. 【請求項3】一般式[I−h] 【化9】 [式中、Raは水素原子または−OR80(ここにおい
    て、R80は水素原子、低級アルキル基または低級アルケ
    ニル基を意味する)を、Rbは水素原子、低級アルキル
    基、低級アルケニル基またはエポキシ低級アルキル基
    を、Rcは水素原子または−OR81(ここにおいて、R
    81は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、ア
    リールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味
    する)を、Rdは水素原子、低級アルキル基、アリール
    アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を、X3は水
    素原子、−COOR82(ここにおいて、R82は水素原子
    または低級アルキル基を意味する)、−CONHR
    83(ここにおいて、R83は水素原子または低級アルキル
    基を意味する)、−CON(R84)NH2(ここにおい
    て、R84は水素原子または低級アルキル基を意味する)
    または−C(R85)(R85)OR86(ここにおいて、R
    85およびR86は同一または異なって、水素原子または低
    級アルキル基を意味する)を意味する]で表される化合
    物を有効成分とする請求項1記載の抗腫瘍剤。
  4. 【請求項4】一般式[I−i] 【化10】 [式中、Raは水素原子または−OR80(ここにおい
    て、R80は水素原子、低級アルキル基または低級アルケ
    ニル基を意味する)を、Rbは水素原子、低級アルキル
    基、低級アルケニル基またはエポキシ低級アルキル基
    を、Rcは水素原子または−OR81(ここにおいて、R
    81は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、ア
    リールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味
    する)を、Rdは水素原子、低級アルキル基、アリール
    アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を、X3は水
    素原子、−COOR82(ここにおいて、R82は水素原子
    または低級アルキル基を意味する)、−CONHR
    83(ここにおいて、R83は水素原子または低級アルキル
    基を意味する)、−CON(R84)NH2(ここにおい
    て、R84は水素原子または低級アルキル基を意味する)
    または−C(R85)(R85)OR86(ここにおいて、R
    85およびR86は同一または異なって、水素原子または低
    級アルキル基を意味する)を意味する]で表される化合
    物を有効成分とする請求項1記載の抗腫瘍剤。
  5. 【請求項5】4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−
    3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−3−
    (4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
    ヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、2−ベ
    ンジル−4−ヒドロキシ−5−オキソ−3−フェニル−
    2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステ
    ル、2−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロ
    キシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン
    −2−カルボン酸メチルエステル、4−ヒドロキシ−2
    −(4−ヒドロキシベンジル)−5−オキソ−3−フェ
    ニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチル
    エステル、4−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベン
    ジル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ
    −2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエス
    テル、4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−
    (3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−
    ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロ
    フラン−2−(N−メチル)カルボキサミド、4−ヒド
    ロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2
    −ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−カル
    ボヒドラジド、4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ
    −3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−2−
    (2−ヒドロキシ−2−プロピル)−3−(4−ヒドロ
    キシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラ
    ン、4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−[4
    −ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベン
    ジル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ
    −2,5−ジヒドロフラン、2−(4−アリルオキシ)
    ベンジル−3−(4−アリルオキシフェニル)−4−ヒ
    ドロキシ−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−
    カルボン酸メチルエステル、4−ベンジルオキシ−3−
    (4−ベンジルオキシフェニル)−2−[4−ヒドロキ
    シ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−5
    −オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン酸メ
    チルエステル、4−ベンジルオキシ−3−(4−ベンジ
    ルオキシフェニル)−2−ヒドロキシメチル−2−[4
    −ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベン
    ジル]−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン、4−ヒ
    ドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−
    2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキシフェ
    ニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2−カ
    ルボン酸、4−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシベン
    ジル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ
    −2,5−ジヒドロフラン、4−ヒドロキシ−2−[4
    −ヒドロキシ−3−(3−メチルブチル)ベンジル]−
    3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5
    −ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、2
    −[3−(2,3−エポキシ−3−メチルブチル)−4
    −ヒドロキシベンジル]−4−ヒドロキシ−3−(4−
    ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロ
    フラン−2−カルボン酸メチルエステル、2−ベンジル
    −4−メトキシ−5−オキソ−3−フェニル−2,5−
    ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、4−
    メトキシ−2−(4−メトキシベンジル)−3−(4−
    メトキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフ
    ラン−2−カルボン酸メチルエステルまたは2−[4−
    ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジ
    ル]−5−オキソ−4−(2−テトラヒドロピラニル)
    オキシ−3−[4−(2−テトラヒドロピラニル)オキ
    シフェニル]−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン
    酸メチルエステルを有効成分とする請求項1記載の抗腫
    瘍剤。
  6. 【請求項6】2−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−(4
    −ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒド
    ロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、4−ヒドロ
    キシ−2−(4−ヒドロキシベンジル)−5−オキソ−
    3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カルボン
    酸メチルエステル、4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロ
    キシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−
    3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5
    −ジヒドロフラン−2−(N−メチル)カルボキサミ
    ド、4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(3
    −メチル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒド
    ロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラ
    ン−2−カルボヒドラジド、4−ヒドロキシ−2−[4
    −ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベン
    ジル]−2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−3−
    (4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
    ヒドロフラン、4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
    −2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテ
    ニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−
    5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン、2−(4−アリ
    ルオキシ)ベンジル−3−(4−アリルオキシフェニ
    ル)−4−ヒドロキシ−5−オキソ−2,5−ジヒドロ
    フラン−2−カルボン酸メチルエステル、4−ベンジル
    オキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−
    [4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)
    ベンジル]−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン−2
    −カルボン酸メチルエステル、4−ベンジルオキシ−3
    −(4−ベンジルオキシフェニル)−2−ヒドロキシメ
    チル−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−
    ブテニル)ベンジル]−5−オキソ−2,5−ジヒドロ
    フランまたは2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル
    −2−ブテニル)ベンジル]−5−オキソ−4−(2−
    テトラヒドロピラニル)オキシ−3−[4−(2−テト
    ラヒドロピラニル)オキシフェニル]−2,5−ジヒド
    ロフラン−2−カルボン酸メチルエステルを有効成分と
    する請求項1記載の抗腫瘍剤。
  7. 【請求項7】4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−
    3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−3−
    (4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
    ヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルを有効成
    分とする請求項1記載の抗腫瘍剤。
  8. 【請求項8】一般式[II] 【化11】 [式中、R20pはカルボキシル基の保護基、低級アルキ
    ル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
    基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
    基を、Y10pはフェニル基、または硫黄原子、酸素原子
    および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
    素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
    フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
    キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR1s(ここにお
    いて、R1sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級ア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基また
    はテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COOR2s
    (ここにおいて、R2sはカルボキシル基の保護基、水素
    原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシクロ
    アルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級アル
    キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低
    級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但し、アミ
    ノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル
    基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護されていても
    よい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基
    および低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1ま
    たは2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子
    が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オ
    キシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成
    してもよい]で表される化合物と、一般式[II’] 【化12】 [式中、R21pはカルボキシル基の保護基、低級アルキ
    ル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
    基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
    基を、Z10pはフェニル基、または硫黄原子、酸素原子
    および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
    素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
    フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
    キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR3s(ここにお
    いて、R3sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級ア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基また
    はテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COOR4s
    (ここにおいて、R4sはカルボキシル基の保護基、水素
    原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシクロ
    アルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級アル
    キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低
    級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但し、アミ
    ノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル
    基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護されていても
    よい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基
    および低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1ま
    たは2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子
    が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オ
    キシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成
    してもよい]で表される化合物とを、塩基の存在下、反
    応させ、一般式[I’−1] 【化13】 [式中、R20p、Y10pおよびZ10pは前記の意味を有す
    る]で表される化合物、一般式[I’−2] 【化14】 [式中、R20pおよびY10pは前記の意味を有する]で表
    される化合物、一般式[I’−3] 【化15】 [式中、R21p、Y10pおよびZ10pは前記の意味を有す
    る]で表される化合物および一般式[I’−4] 【化16】 [式中、R21pおよびZ10pは前記の意味を有する]で表
    される化合物とし、必要に応じ保護基を除去する工程お
    よび当該化合物群を分離する工程から選ばれる1または
    2の工程を行うことを特徴とする、一般式[I−1] 【化17】 [式中、Rpは水素原子、低級アルキル基、シクロアル
    キル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアル
    キル基またはシクロアルキルアルキル基を、Ypおよび
    pは同一または異なって、フェニル基、または硫黄原
    子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1
    ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基
    を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロ
    アルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR
    5s(ここにおいて、R5sは水素原子、低級アルキル基、
    低級アルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒ
    ドロピラニル基を意味する)、−COOR6s(ここにお
    いて、R6sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
    ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
    ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
    よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
    は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
    硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
    シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
    てもよい]で表される化合物、一般式[I−2] 【化18】 [式中、RpおよびYpは前記の意味を有する]で表され
    る化合物、一般式[I−3] 【化19】 [式中、R2pは水素原子、低級アルキル基、シクロアル
    キル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアル
    キル基またはシクロアルキルアルキル基を、Ypおよび
    pは前記の意味を有する]で表される化合物または一
    般式[I−4] 【化20】 [式中、R2pおよびZpは前記の意味を有する]で表さ
    れる化合物の製造法。
  9. 【請求項9】一般式[I−5] 【化21】 [式中、R22pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を、R30pはヒドロキシ
    基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニ
    ル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基または
    テトラヒドロピラニル基を、Y11pおよびZ11pは同一ま
    たは異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子
    および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
    素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
    フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
    キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR7s(ここにお
    いて、R7sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級ア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基また
    はテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COOR8s
    (ここにおいて、R8sはカルボキシル基の保護基、水素
    原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシクロ
    アルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級アル
    キルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低
    級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但し、アミ
    ノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル
    基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護されていても
    よい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基
    および低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1ま
    たは2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子
    が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オ
    キシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成
    してもよい]で表される化合物と、一般式[III] 【化22】 [式中、R23pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
    ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する]
    で表される化合物とを反応させ、必要に応じ保護基を除
    去することを特徴とする、一般式[I−6] 【化23】 [式中、R31pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
    たはテトラヒドロピラニル基を、Y2pおよびZ2pは同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR9s(ここに
    おいて、R9sは水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニ
    ル基を意味する)、−COOR10s(ここにおいて、R
    10sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ
    基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、
    ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ
    基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基およ
    び低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1または
    2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫
    黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシ
    ド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成して
    もよく、R23pは前記の意味を有する]で表される化合
    物の製造法。
  10. 【請求項10】一般式[I−7] 【化24】 [式中、R24pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
    ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を、R32p
    ヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイ
    ル基またはテトラヒドロピラニル基を、Y12pおよびZ
    12pは同一または異なって、フェニル基、または硫黄原
    子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1
    ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基
    を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロ
    アルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR
    11s(ここにおいて、R11sはヒドロキシ基の保護基、水
    素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリール
    アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味す
    る)、−COOR12s(ここにおいて、R12sはカルボキ
    シル基の保護基、水素原子、低級アルキル基、シクロア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
    ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味す
    る)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキ
    ルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、
    グアニジノ基(但し、アミノ基、低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基またはグア
    ニジノ基は保護されていてもよい)、ニトロ基、ハロゲ
    ン原子、メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基
    からなる群より選ばれる1または2以上の置換基を有し
    ていてもよく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子
    の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまた
    はS,S−ジオキシドを形成してもよい]で表される化
    合物を還元剤で処理し、必要に応じ保護基を除去するこ
    とを特徴とする、一般式[I−8] 【化25】 [式中、R33pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
    たはテトラヒドロピラニル基を、Y3pおよびZ3pは同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR13s(ここ
    において、R13sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
    ラニル基を意味する)、−COOR14s(ここにおい
    て、R14sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
    ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
    ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
    よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
    は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
    硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
    シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
    てもよい]で表される化合物の製造法。
  11. 【請求項11】一般式[I−9] 【化26】 [式中、R25pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を、R34pはヒドロキシ
    基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニ
    ル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基または
    テトラヒドロピラニル基を、Y13pおよびZ13pは同一ま
    たは異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子
    および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
    素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
    フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
    キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR15s(ここに
    おいて、R15sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低
    級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基
    またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COO
    16s(ここにおいて、R16sはカルボキシル基の保護
    基、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
    級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
    はシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、
    低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒド
    ロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但
    し、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級
    アルキル基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護され
    ていてもよい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジ
    オキシ基および低級アルカノイル基からなる群より選ば
    れる1または2以上の置換基を有していてもよく、当該
    複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子
    はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシ
    ドを形成してもよい]で表される化合物と、一般式[I
    V] 【化27】 [式中、R26pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を、Xはハロゲン原子を
    意味する]で表される化合物とを反応させ、必要に応じ
    保護基を除去することを特徴とする、一般式[I−1
    0] 【化28】 [式中、R34pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
    たはテトラヒドロピラニル基を、Y4pおよびZ4pは同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR17s(ここ
    において、R17sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
    ラニル基を意味する)、−COOR18s(ここにおい
    て、R18sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
    ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
    ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
    よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
    は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
    硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
    シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
    てもよく、R26pは前記の意味を有する]で表される化
    合物の製造法。
  12. 【請求項12】一般式[I−11] 【化29】 [式中、R27pは低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を、R35pはヒドロキシ
    基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低級アルケニ
    ル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基または
    テトラヒドロピラニル基を、Y14pおよびZ14pは同一ま
    たは異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子
    および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複
    素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該
    フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアル
    キル基、エポキシ低級アルキル基、−OR19s(ここに
    おいて、R19sはヒドロキシ基の保護基、水素原子、低
    級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基
    またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−COO
    20s(ここにおいて、R20sはカルボキシル基の保護
    基、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
    級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
    はシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、
    低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒド
    ロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基(但
    し、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級
    アルキル基、アミジノ基またはグアニジノ基は保護され
    ていてもよい)、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジ
    オキシ基および低級アルカノイル基からなる群より選ば
    れる1または2以上の置換基を有していてもよく、当該
    複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子
    はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシ
    ドを形成してもよい]で表される化合物と、一般式
    [V] 【化30】 [式中、R28pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
    ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する]
    で表される化合物とを反応させ、必要に応じ保護基を除
    去することを特徴とする、一般式[I−12] 【化31】 [式中、R36pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
    たはテトラヒドロピラニル基を、Y5pおよびZ5pは同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR21s(ここ
    において、R21sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
    ラニル基を意味する)、−COOR22s(ここにおい
    て、R22sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
    ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
    ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
    よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
    は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
    硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
    シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
    てもよく、R28pは前記の意味を有する]で表される化
    合物の製造法。
  13. 【請求項13】一般式[I−13] 【化32】 [式中、R29pは水素原子、低級アルキル基、シクロア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
    ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を、R37p
    ヒドロキシ基の保護基、水素原子、低級アルキル基、低
    級アルケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイ
    ル基またはテトラヒドロピラニル基を、Y15pおよびZ
    15pは同一または異なって、フェニル基、または硫黄原
    子、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1
    ないし3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基
    を意味し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロ
    アルキルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR
    23s(ここにおいて、R23sはヒドロキシ基の保護基、水
    素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリール
    アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味す
    る)、−COOR24s(ここにおいて、R24sはカルボキ
    シル基の保護基、水素原子、低級アルキル基、シクロア
    ルキル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールア
    ルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意味す
    る)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキ
    ルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、
    グアニジノ基(但し、アミノ基、低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基またはグア
    ニジノ基は保護されていてもよい)、ニトロ基、ハロゲ
    ン原子、メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基
    からなる群より選ばれる1または2以上の置換基を有し
    ていてもよく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子
    の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまた
    はS,S−ジオキシドを形成してもよい]で表される化
    合物をピリジン誘導体塩酸塩と共に加熱し、必要に応じ
    保護基を除去することを特徴とする、一般式[I−1
    4] 【化33】 [式中、R38pは水素原子、低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基ま
    たはテトラヒドロピラニル基を、Y6pおよびZ6pは同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR25s(ここ
    において、R25sは水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
    ラニル基を意味する)、−COOR26s(ここにおい
    て、R26sは水素原子、低級アルキル基、シクロアルキ
    ル基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキ
    ル基またはシクロアルキルアルキル基を意味する)、ア
    ミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
    基、ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジ
    ノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基お
    よび低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1また
    は2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が
    硫黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキ
    シド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成し
    てもよい]で表される化合物の製造法。
  14. 【請求項14】一般式[I−a] 【化34】 [式中、R10は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、X2は−CONHR
    11(ここにおいて、R11は水素原子、低級アルキル基、
    シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
    味する)、−CON(R12)NH2(ここにおいて、R
    12は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
    級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
    はシクロアルキルアルキル基を意味する)または−C
    (R13)(R13)OR14(ここにおいて、R13およびR
    14は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、
    シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
    味する)を、Y2およびZ2は同一または異なって、フェ
    ニル基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子から
    なる群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もし
    くは6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該
    複素環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリー
    ルアルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低
    級アルキル基、−OR15(ここにおいて、R15は水素原
    子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアル
    キル基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−
    COOR16(ここにおいて、R16は水素原子、低級アル
    キル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリー
    ル基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキ
    ル基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、
    ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、
    アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、
    メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる
    群より選ばれる1または2以上の置換基を有していても
    よく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、
    該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S
    −ジオキシドを形成してもよい]、一般式[I−b] 【化35】 [式中、R20は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、W1はシクロアルキル
    基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル
    基またはシクロアルキルアルキル基を、Y3およびZ3
    同一または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸
    素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし
    3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味
    し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、
    低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキ
    ルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR21(こ
    こにおいて、R21は水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
    ラニル基を意味する)、−COOR22(ここにおいて、
    22は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ
    基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、
    ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ
    基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基およ
    び低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1または
    2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫
    黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシ
    ド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成して
    もよい]、一般式[I−c] 【化36】 [式中、R30は低級アルケニル基、アリールアルキル
    基、低級アルカノイル基またはテトラヒドロピラニル基
    を、W2は低級アルキル基を、Y4およびZ4は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR31(ここにおい
    て、R31は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR32(ここにおいて、R32は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、W2がエチル基かつY4およびZ4がともにフェニル
    基または2−ニトロフェニル基の場合、R30はアセチル
    基を意味しない)]、一般式[I−d] 【化37】 [式中、R40は低級アルキル基を、W3は低級アルキル
    基を、Y5およびZ5は同一または異なって、フェニル
    基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる
    群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もしくは
    6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該複素
    環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールア
    ルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低級ア
    ルキル基、−OR41(ここにおいて、R41は水素原子、
    低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル
    基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−CO
    OR42(ここにおいて、R42は水素原子、低級アルキル
    基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
    基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
    基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ
    低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ア
    ミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メ
    チレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる群
    より選ばれる1または2以上の置換基を有していてもよ
    く、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該
    複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−
    ジオキシドを形成してもよい(但し、Y5およびZ5がと
    もにフェニル基かつW3がメチル基またはエチル基の場
    合、R40はメチル基またはエチル基を意味せず、Y5
    よびZ5がともに4−ニトロフェニル基かつW3がメチル
    基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5およびZ5
    ともに2−ニトロフェニル基かつW3がメチル基または
    エチル基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5が4
    −メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)フェニ
    ル基かつZ5が4−メトキシフェニル基かつW3がメチル
    基の場合、R40はメチル基を意味しない)]、一般式
    [I−e] 【化38】 [式中、R50は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、Y6およびZ6は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR51(ここにおい
    て、R51は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR52(ここにおいて、R52は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、Y6およびZ6がともに4−ヒドロキシフェニル基の
    場合、R50は水素原子を意味しない)]、一般式[I−
    f] 【化39】 [式中、W4は低級アルキル基を、Y7およびZ7は同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR60(ここに
    おいて、R60は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニ
    ル基を意味する)、−COOR61(ここにおいて、R61
    は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
    アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基または
    シクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低
    級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロ
    キシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニト
    ロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級ア
    ルカノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の
    置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子ま
    たは窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スル
    ホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい
    (但し、Y7およびZ7がともにフェニル基の場合、W4
    はメチル基またはエチル基を意味せず、Y7およびZ7
    ともに2−ニトロフェニル基の場合、W4はメチル基ま
    たはエチル基を意味せず、Z7が4−ヒドロキシフェニ
    ル基かつW4がメチル基の場合、Y7は4−ヒドロキシフ
    ェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブ
    テニル)フェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチ
    ル−2,3−エポキシブチル)フェニル基または4−ヒ
    ドロキシ−3−(3−メチルブチル)フェニル基を意味
    せず、Y7およびZ7がともに2−ピリジル N−オキシ
    ド基、3−メチル−2−ピリジル N−オキシド基、4
    −メチル−2−ピリジル N−オキシド基または4−ア
    ミジノフェニル基の場合、W4はエチル基を意味しな
    い)]または一般式[I−g] 【化40】 [式中、R70は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、Y8およびZ8は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR71(ここにおい
    て、R71は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR72(ここにおいて、R72は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、Y8およびZ8がともにフェニル基の場合、R70は水
    素原子、メチル基またはエチル基を意味せず、Y8およ
    びZ8がともに2−ニトロフェニル基または4−ヒドロ
    キシフェニル基の場合、R70は水素原子を意味しな
    い)]で表される化合物またはその医薬として許容され
    うる塩。
  15. 【請求項15】一般式[I−a] 【化41】 [式中、R10は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、X2は−CONHR
    11(ここにおいて、R11は水素原子、低級アルキル基、
    シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
    味する)、−CON(R12)NH2(ここにおいて、R
    12は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低
    級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基また
    はシクロアルキルアルキル基を意味する)または−C
    (R13)(R13)OR14(ここにおいて、R13およびR
    14は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、
    シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール基、ア
    リールアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を意
    味する)を、Y2およびZ2は同一または異なって、フェ
    ニル基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子から
    なる群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もし
    くは6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該
    複素環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリー
    ルアルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低
    級アルキル基、−OR15(ここにおいて、R15は水素原
    子、低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアル
    キル基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−
    COOR16(ここにおいて、R16は水素原子、低級アル
    キル基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリー
    ル基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキ
    ル基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、
    ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、
    アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、
    メチレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる
    群より選ばれる1または2以上の置換基を有していても
    よく、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、
    該複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S
    −ジオキシドを形成してもよい]で表される請求項14
    記載の化合物。
  16. 【請求項16】一般式[I−b] 【化42】 [式中、R20は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、W1はシクロアルキル
    基、低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル
    基またはシクロアルキルアルキル基を、Y3およびZ3
    同一または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸
    素原子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし
    3の複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味
    し、該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、
    低級アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキ
    ルアルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR21(こ
    こにおいて、R21は水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルケニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピ
    ラニル基を意味する)、−COOR22(ここにおいて、
    22は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、
    低級アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基ま
    たはシクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ
    基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、
    ヒドロキシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ
    基、ニトロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基およ
    び低級アルカノイル基からなる群より選ばれる1または
    2以上の置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫
    黄原子または窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシ
    ド、スルホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成して
    もよい]で表される請求項14記載の化合物。
  17. 【請求項17】一般式[I−c] 【化43】 [式中、R30は低級アルケニル基、アリールアルキル
    基、低級アルカノイル基またはテトラヒドロピラニル基
    を、W2は低級アルキル基を、Y4およびZ4は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR31(ここにおい
    て、R31は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR32(ここにおいて、R32は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、W2がエチル基かつY4およびZ4がともにフェニル
    基または2−ニトロフェニル基の場合、R30はアセチル
    基を意味しない)]で表される請求項14記載の化合
    物。
  18. 【請求項18】一般式[I−d] 【化44】 [式中、R40は低級アルキル基を、W3は低級アルキル
    基を、Y5およびZ5は同一または異なって、フェニル
    基、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子からなる
    群より選ばれる1ないし3の複素原子を含む5もしくは
    6員環の複素環基を意味し、該フェニル基または該複素
    環基は低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールア
    ルキル基、シクロアルキルアルキル基、エポキシ低級ア
    ルキル基、−OR41(ここにおいて、R41は水素原子、
    低級アルキル基、低級アルケニル基、アリールアルキル
    基またはテトラヒドロピラニル基を意味する)、−CO
    OR42(ここにおいて、R42は水素原子、低級アルキル
    基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、アリール
    基、アリールアルキル基またはシクロアルキルアルキル
    基を意味する)、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ
    低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ア
    ミジノ基、グアニジノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、メ
    チレンジオキシ基および低級アルカノイル基からなる群
    より選ばれる1または2以上の置換基を有していてもよ
    く、当該複素原子が硫黄原子または窒素原子の場合、該
    複素原子はN−オキシド、スルホキシドまたはS,S−
    ジオキシドを形成してもよい(但し、Y5およびZ5がと
    もにフェニル基かつW3がメチル基またはエチル基の場
    合、R40はメチル基またはエチル基を意味せず、Y5
    よびZ5がともに4−ニトロフェニル基かつW3がメチル
    基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5およびZ5
    ともに2−ニトロフェニル基かつW3がメチル基または
    エチル基の場合、R40はメチル基を意味せず、Y5が4
    −メトキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)フェニ
    ル基かつZ5が4−メトキシフェニル基かつW3がメチル
    基の場合、R40はメチル基を意味しない)]で表される
    請求項14記載の化合物。
  19. 【請求項19】一般式[I−e] 【化45】 [式中、R50は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、Y6およびZ6は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR51(ここにおい
    て、R51は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR52(ここにおいて、R52は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、Y6およびZ6がともに4−ヒドロキシフェニル基の
    場合、R50は水素原子を意味しない)]で表される請求
    項14記載の化合物。
  20. 【請求項20】一般式[I−f] 【化46】 [式中、W4は低級アルキル基を、Y7およびZ7は同一
    または異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原
    子および窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の
    複素原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、
    該フェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級
    アルケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルア
    ルキル基、エポキシ低級アルキル基、−OR60(ここに
    おいて、R60は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニ
    ル基を意味する)、−COOR61(ここにおいて、R61
    は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
    アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基または
    シクロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低
    級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロ
    キシ低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニト
    ロ基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級ア
    ルカノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の
    置換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子ま
    たは窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スル
    ホキシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい
    (但し、Y7およびZ7がともにフェニル基の場合、W4
    はメチル基またはエチル基を意味せず、Y7およびZ7
    ともに2−ニトロフェニル基の場合、W4はメチル基ま
    たはエチル基を意味せず、Z7が4−ヒドロキシフェニ
    ル基かつW4がメチル基の場合、Y7は4−ヒドロキシフ
    ェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブ
    テニル)フェニル基、4−ヒドロキシ−3−(3−メチ
    ル−2,3−エポキシブチル)フェニル基または4−ヒ
    ドロキシ−3−(3−メチルブチル)フェニル基を意味
    せず、Y7およびZ7がともに2−ピリジル N−オキシ
    ド基、3−メチル−2−ピリジル N−オキシド基、4
    −メチル−2−ピリジル N−オキシド基または4−ア
    ミジノフェニル基の場合、W4はエチル基を意味しな
    い)]で表される請求項14記載の化合物。
  21. 【請求項21】一般式[I−g] 【化47】 [式中、R70は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、アリールアルキル基、低級アルカノイル基また
    はテトラヒドロピラニル基を、Y8およびZ8は同一また
    は異なって、フェニル基、または硫黄原子、酸素原子お
    よび窒素原子からなる群より選ばれる1ないし3の複素
    原子を含む5もしくは6員環の複素環基を意味し、該フ
    ェニル基または該複素環基は低級アルキル基、低級アル
    ケニル基、アリールアルキル基、シクロアルキルアルキ
    ル基、エポキシ低級アルキル基、−OR71(ここにおい
    て、R71は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル
    基、アリールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基
    を意味する)、−COOR72(ここにおいて、R72は水
    素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アル
    ケニル基、アリール基、アリールアルキル基またはシク
    ロアルキルアルキル基を意味する)、アミノ基、低級ア
    ルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ
    低級アルキル基、アミジノ基、グアニジノ基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、メチレンジオキシ基および低級アル
    カノイル基からなる群より選ばれる1または2以上の置
    換基を有していてもよく、当該複素原子が硫黄原子また
    は窒素原子の場合、該複素原子はN−オキシド、スルホ
    キシドまたはS,S−ジオキシドを形成してもよい(但
    し、Y8およびZ8がともにフェニル基の場合、R70は水
    素原子、メチル基またはエチル基を意味せず、Y8およ
    びZ8がともに2−ニトロフェニル基または4−ヒドロ
    キシフェニル基の場合、R70は水素原子を意味しな
    い)]で表される請求項14記載の化合物。
  22. 【請求項22】一般式[I−h] 【化48】 [式中、Raは水素原子または−OR80(ここにおい
    て、R80は水素原子、低級アルキル基または低級アルケ
    ニル基を意味する)を、Rbは水素原子、低級アルキル
    基、低級アルケニル基またはエポキシ低級アルキル基
    を、Rcは水素原子または−OR81(ここにおいて、R
    81は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、ア
    リールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味
    する)を、Rdは水素原子、低級アルキル基、アリール
    アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を、X3は水
    素原子、−COOR82(ここにおいて、R82は水素原子
    または低級アルキル基を意味する)、−CONHR
    83(ここにおいて、R83は水素原子または低級アルキル
    基を意味する)、−CON(R84)NH2(ここにおい
    て、R84は水素原子または低級アルキル基を意味する)
    または−C(R85)(R85)OR86(ここにおいて、R
    85およびR86は同一または異なって、水素原子または低
    級アルキル基を意味する)を意味する]で表される請求
    項14記載の化合物。
  23. 【請求項23】一般式[I−i] 【化49】 [式中、Raは水素原子または−OR80(ここにおい
    て、R80は水素原子、低級アルキル基または低級アルケ
    ニル基を意味する)を、Rbは水素原子、低級アルキル
    基、低級アルケニル基またはエポキシ低級アルキル基
    を、Rcは水素原子または−OR81(ここにおいて、R
    81は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、ア
    リールアルキル基またはテトラヒドロピラニル基を意味
    する)を、Rdは水素原子、低級アルキル基、アリール
    アルキル基またはテトラヒドロピラニル基を、X3は水
    素原子、−COOR82(ここにおいて、R82は水素原子
    または低級アルキル基を意味する)、−CONHR
    83(ここにおいて、R83は水素原子または低級アルキル
    基を意味する)、−CON(R84)NH2(ここにおい
    て、R84は水素原子または低級アルキル基を意味する)
    または−C(R85)(R85)OR86(ここにおいて、R
    85およびR86は同一または異なって、水素原子または低
    級アルキル基を意味する)を意味する]で表される請求
    項14記載の化合物。
  24. 【請求項24】2−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−
    (4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジ
    ヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、4−ヒ
    ドロキシ−2−(4−ヒドロキシベンジル)−5−オキ
    ソ−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−カル
    ボン酸メチルエステル、4−ヒドロキシ−2−[4−ヒ
    ドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)ベンジ
    ル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−
    2,5−ジヒドロフラン−2−(N−メチル)カルボキ
    サミド、4−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−
    (3−メチル−2−ブテニル)ベンジル]−3−(4−
    ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロ
    フラン−2−カルボヒドラジド、4−ヒドロキシ−2−
    [4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニル)
    ベンジル]−2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−
    3−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−2,5
    −ジヒドロフラン、4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメ
    チル−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−
    ブテニル)ベンジル]−3−(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン、2−(4
    −アリルオキシ)ベンジル−3−(4−アリルオキシフ
    ェニル)−4−ヒドロキシ−5−オキソ−2,5−ジヒ
    ドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル、4−ベン
    ジルオキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニル)−2
    −[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−2−ブテニ
    ル)ベンジル]−5−オキソ−2,5−ジヒドロフラン
    −2−カルボン酸メチルエステル、4−ベンジルオキシ
    −3−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−ヒドロキ
    シメチル−2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メチル−
    2−ブテニル)ベンジル]−5−オキソ−2,5−ジヒ
    ドロフランまたは2−[4−ヒドロキシ−3−(3−メ
    チル−2−ブテニル)ベンジル]−5−オキソ−4−
    (2−テトラヒドロピラニル)オキシ−3−[4−(2
    −テトラヒドロピラニル)オキシフェニル]−2,5−
    ジヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルである
    請求項14記載の化合物。
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