JPH06100351B2

JPH06100351B2 - 電気蓄冷熱式冷暖房装置及び冷暖房方法

Info

Publication number: JPH06100351B2
Application number: JP2302807A
Authority: JP
Inventors: タイクチョイヨング
Original assignee: タイクチョイヨング
Priority date: 1989-11-13
Filing date: 1990-11-09
Publication date: 1994-12-12
Anticipated expiration: 2009-12-12
Also published as: DE4035626A1; DE4035626C2; US5038850A; KR910010127A; KR920003697B1; JPH03170732A; DE9017650U1

Description

【発明の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉この発明は、電気蓄冷熱式冷暖房装置及び冷暖房方法に
関するものである。

〈従来の技術〉従来の暖房方法は、各種の燃料を燃焼させた燃焼熱で水
を加熱し、加熱した水を媒体として室内の暖房を行って
いる。

水は、周知のように100℃で相変化して水蒸気となり、
比較的多くの熱を蓄熱することができる。

〈発明が解決しようとする問題点〉しかし、上記水（水蒸気）を用いた暖房は、水蒸気が高
圧であるため種々の問題が生じている。

一方、冷房する場合は、冷凍機で冷やした水を冷媒と
し、室内の空気を適度に冷却しているが、水の氷点は０
℃であるため、０℃以下に冷やすと管内で氷結してしま
うので循環させることができない。従って、水は冷運搬
能力が低く、所望の冷運搬能力を得るには多量の水が必
要となり、莫大な設備費等が掛かっているのが現状であ
る。

そして、水は相変換がない氷点と沸点との間でのみ利用
できるが、蓄冷熱面では多くの制約を受けるので、熱交
換媒体（蓄冷材或は蓄熱材）としては不適当である。

また、大小建築物用の冷房装置或は暖房装置としてヒー
トポンプを利用することも考えられるが、従来のヒート
ポンプは各種の付帯設備を設置しなければならないし、
冷房用の設備と暖房用の設備とが夫々必要である。従っ
て、設備費がかさむばかりではなく、設備の寿命が短
く、補修等が大変で非経済的である。また、各種燃料を
燃焼させるため、廃棄ガス等の公害、火災、爆発、或は
漏水等、不安定な要素が多く、更に燃焼廃棄物等の除去
が必要な不合理な状態で、快適な生活環境を提供してい
ない。

そこで、先進各国は無公害の生活環境を提供するため、
非燃焼性熱源である電気を利用した冷暖房方法の開発、
特に深夜電力を利用した蓄冷熱式冷暖房方法の開発を急
いでいる。

また、現在、工業の多様な発展、展望に伴う莫大な電力
需要を賄うため、原子力発電所が急速に増加中であり、
この発電所が供給する深夜電力を利用するためにも、深
夜電力の新規な需要創出は急務である。

そして、蓄冷熱式冷暖房システムの開発は、日中と夜間
のエネルギー需要の平衡を保つ上からも国家経済を大き
く発展させるものである。

〈問題点を解決するための手段〉本発明は上記した諸般の欠点を解決しようとしてなされ
たもので、断熱したチェンバー（１）の下部に電気ヒー
タ（５）を内装した加熱室（4,4a）を臨ませ、この加熱
室に開閉バルブ（2,2a）、供給管（3,3a）を装設し、こ
の加熱室の上部に多数の孔（6a）が穿設された対流抑制
層（６）を多重に設置し、これらの対流抑制層の間に蓄
冷熱材（７）を充填し、上記チェンバーの上部に冷凍機
（９）と給湯加熱器（13）とが連通する冷却室（８）を
設け、上記冷却室と冷凍機と給湯加熱器とを連通させる
供給菅の途中に冷凍機遮断バルブ（12）及び加熱器遮断
バルブ（15）を装着すると共に、上記冷却室には冷却コ
イル（11）を内装し、この冷却室に空気混合器（19,19
a）を介する供給管を連通させ、この供給管を各室（20,
24,27）へ連通させて循環回路を形成したことを特徴と
する電気蓄冷熱式冷暖房装置及び冷暖房方法である。

〈作用〉電力需要の低い深夜時間帯に、余剰の深夜電力を利用し
て電気ヒータ及び冷凍機を稼働させ、この熱エネルギー
を断熱構造のチェンバー内の蓄冷熱材に貯蔵しておき、
必要なときに放出させて、各室の冷房及び暖房をなすこ
とができる。

〈実施例〉以下、添付した図面について説明する。

外殻が断熱されているユニット或は蓄冷熱式チェンバー
１の下部に、開閉バルブ2,2aを設置した供給環収管3,3a
を装着して加熱室４を構成し、この加熱室４に非燃焼性
の電気ヒータ５を内装する。この加熱室４の上部には、
多数の孔6aを穿孔した対流抑制層６を多重に形成し、当
該チェンバー１の対流抑制層６間には、市販或は特別に
製造した必要にして充分な冷熱を蓄えることのできる固
体蓄冷熱材７を充填させる。また、上記蓄冷熱材７を充
填したチェンバー１の上部に冷却室８を形成する。この
冷却室８には、冷凍機９の冷却管10と連通させた冷却コ
イル11を内装し、該冷却コイル11と冷凍機９と連結す
る。上記冷却管10の一端には冷凍機遮断バルブ12を設
け、上記冷却管10の途中には給湯加熱器13の加熱コイル
14を連通させ、冷却管10と加熱コイル14との間に加熱器
遮断バルブ15を挿設する。また、上記給湯加熱器13には
給湯配管16及び水タンク17を設置する。そして、上記各
遮断バルブ12,15の操作により冷凍機９または給湯加熱
器13を選別的に作動させることができるように構成す
る。

上記冷却室８には開閉バルブ18,18aを装着し、更に供給
管3,3aと連通させる際に、冷却室８と加熱室４の供給管
3,3aとを連結する部分に、空気混合器19,19aを装設し、
上記チェンバー１の加熱室４と冷却室８との循環空気が
高温または低温の場合、この空気混合器19aを利用して
適度な温度に調整された循環空気を供給可能とする。そ
して、供給管3,3aを通じて各室20,24,27へ調整された循
環空気を送り、オンドル、グドル、換気口等を経て室内
空気と交換し、また供給管3,3aの開閉バルブ2,2a,18,18
aを通じて冷却室８及び加熱室４とを連通する空気の循
環回路を構成する。

上記空気の循環回路には、通常の加湿、除湿、温度感
知、消音、防音、送風装置、空気清浄装置、自動リレー
装置などを設置して、順逆両方向へ加熱空気或は冷却空
気が流れるように構成し、蓄冷熱材７を蓄冷または蓄熱
または放冷または放熱させて、各室において適正な空気
を供給する。

第８図ないし第10図は他の実施例であって、チェンバー
１の下方空部34aに、非燃焼性熱源であるヒータ５を内
蔵した加熱室4aを、供給管35を介して連通させ、チェン
バー１の上方空部34に、冷却管10と連通してある冷却コ
イル11を内蔵した冷却室8aを連通させる。上記チェンバ
ー１の加熱室4a及び冷却室8aは、当該加熱室4aと冷却室
8aの両側に開閉バルブ32,32a,33,33aを設けてある循環
管35,35a,36,36aを、チェンバー１の上方空部34及び下
方空部34aに連結して構成したものである。

尚、この実施例において説明していない符号は、第１図
ないし第７図の実施例の同一符号と同一構成なので説明
を省略する。

次に、上記のように構成した本発明の作用を説明する。

まず、蓄熱するときは、第１図において開閉バルブ2,2
a,18,18a,冷凍機遮断バルブ12を遮断して、加熱室４の
ヒータ５を加熱すれば、第２図に示すように一部分は加
熱室４で対流現象を起こし、対流抑制層６の孔6aを通じ
て蓄冷熱材７が充填してあるチェンバー１に上昇して、
複合的対流運動を行う（第２図参照）。そして、チェン
バー１内では、上記蓄冷熱材７が外殻層30から中心に向
かって徐々に加熱され、中心部31に熱伝導して蓄熱でき
る（第６図参照）。

一定の加熱時間、加冷時間、或は加冷熱する回数に従っ
て、蓄冷熱材７を累進的に加冷、加熱、蓄冷、蓄熱でき
るから、蓄冷熱材７の中心部31までも1000℃以上の高い
温度に蓄熱することができ、莫大な量のエネルギーを蓄
積することができる。また、一定時間蓄冷熱材７が適性
に加熱された後、非加熱時（即ち暖房時）には、必要に
よって、各開閉バルブ2,2a,18,18aを操作して自然或は
強制循環できるようにして、蓄冷熱材７により加熱され
た空気をチェンバー１から冷却室８の開閉バルブ18及び
空気混合器19を通じて供給管３に送る。加熱空気が熱い
ときは、空気混合器19によって適度な温度に調節して各
室20,24,27へ送ることができる。

従って、加熱空気は、供給管３を経て各室20,24,27の換
気口22,25,29から各室に入って暖房した後、温度が低下
した空気は各室の換気口23,26,28を経て、供給管3a,空
気混合器19a,開閉バルブ2aを通ってチェンバー１下部の
加熱室４に循環するようにしてある（第３図参照）。こ
の空気は、チェンバー１に充填されている蓄冷熱材７の
蓄冷熱されている熱を中心部31から外殻層30中に放熱す
る熱交換を行い、空気は暖かくなりながら上記と同じ循
環を行う。

一方、必要に応じて給湯を行う場合は、冷却コイル11と
冷凍機９の冷却管10とで連通している冷媒循環回路の冷
凍機遮断バルブ12を閉止すると共に、加熱器遮断バルブ
15を開き、冷却コイル11と連通させた加熱コイル14を内
装してある給湯加熱器13に、水タンク17から供給する水
を流し、この水を加熱コイル14で加熱して給湯配管16よ
り温水を得ることができるように、チェンバー１の冷却
コイル11と加熱コイル14の間に循環回路を形成する。従
って、本発明によれば各室20,24,27の暖房をしながら温
水を供給することができる。

また、蓄冷するときは、ヒータ５の加熱を止め、冷凍機
遮断バルブ12を開くと共に、各開閉バルブ2a,2,18,18a,
及び加熱器遮断バルブ15を閉じて、冷凍機９を稼働させ
ることにより冷媒循環回路に冷媒を循環させ、冷却コイ
ル11と接触している空気がチェンバー１内で蓄熱と反対
に急速に冷却収縮され、下降しながら冷却室８と加熱室
４のと間で、第４図に示すように、対流現象によりチェ
ンバー１内に内装されている蓄冷熱材７の外殻層30から
中心部31に向かってに少しづつ累進的に冷却される（第
６図参照）。

そして、加冷時間、加冷回数に従い中心部31は−200℃
以下の極めて低い温度にまで冷却され、これを蓄冷する
ことができるから、少ない体積に莫大なエネルギーを蓄
積することができる。

よって、冷房を行うときは、加熱室４にある空気を開閉
バルブ2,供給管３及び空気混合器19を経て、自然或は強
制的に循環回路で循環させ（第５図参照）、各室の換気
口23,26,28を通じて各室20,24,27を冷房して暖かくなっ
た空気は、各室の換気口22,25,29を通じて供給管3a,空
気混合器19及び開閉バルブ18aを通過して、冷却室８に
還元され、チェンバー１内の蓄冷熱材７で熱交換され、
この空気は再び加冷されて上記のように構成した循環回
路を循環して各室を冷房する。

第８図ないし第10図の実施例において蓄熱する場合に
は、開閉バルブ2,2a,18,18a,及び冷凍機遮断バルブ12を
遮断して、循環管35,35aに設置された開閉バルブ32,32a
を通って循環するように当該バルブを開く。そして、チ
ェンバー１の下部に設置した加熱室4aのヒータ５を加熱
したら、第９図のとおり、加熱された空気は、循環管35
及び開閉バルブ32を経てチェンバー１の下方空部34aに
流入され、対流抑制層６の孔6aを通じて蓄冷熱材７が充
填されたチェンバー１から、当該チェンバー１の中で複
合的な対流現象を行いながら、蓄冷熱材７に蓄熱した
後、チェンバー１の上方空部34に上昇して、再び開閉バ
ルブ32a,循環管35aを経て加熱室4aに循環しながらチェ
ンバー１に蓄熱するものである。

また、冷凍機９に連通してある冷凍機遮断バルブ12を閉
じると共に加熱器遮断バルブ15を開いて、水タンク17か
ら水が供給される給湯加熱器13に内装されている加熱コ
イル14と、対流抑制層６に温水を供給する冷却コイル11
との間に形成した循環回路を稼働させて、給湯加熱器13
の水を加熱し、冷房を行いながら温水を供給することが
できる。

一方、蓄冷の時には、開閉バルブ2,2a,18,18a,32,32a,
及びに加熱器遮断バルブ15を閉じると共に、循環管36,3
6aに設けてある開閉バルブ33,33a及び冷凍機遮断バルブ
12を開いて、冷凍機９を稼働させる。従って、冷媒循環
回路を循環する冷媒によって、冷却室8a内に内装してあ
る冷却コイル11に接触する空気が冷却され、循環管36,3
6aを通じてチェンバー１の上方空部34に流入されてチェ
ンバー１で冷却された空気は、蓄冷熱材７を蓄冷させ
て、下方空部34a、開閉バルブ33、循環管36を通じて冷
却室8aに再び戻ってくる。そして、冷房時は、開閉バル
ブ2,18aを開いて、第10図に示すように循環回路を形成
し、この循環回路に冷却空気を循環させて各室に供給
し、各室で昇温して暖かくなった空気をチェンバー１に
おいて蓄冷熱材７で熱交換させる。

以上、本発明を図面の実施例について説明したが、本発
明は上記した実施例に限定されるものではなく、特許請
求の範囲に記載した構成を逸脱しない限り適宜に実施で
きる。

〈発明の効果〉本発明は一つの蓄冷熱材を一つのチェンバーに内装して
一つのシステムを形成し、余剰の深夜電力を利用してヒ
ータ或は冷凍機を稼働させ、蓄冷熱材及び供給管などを
もって、加冷、加熱、放熱、冷房或は暖房等の違う種類
のシステム役割をなすことができるようにしたので、従
来必要であった蓄熱槽は勿論、雑多で様々な付帯設備の
除去された極めて簡単な単一構成システム、ユニット、
或は施設を提供することができ、占有空間が極めて少な
くて経済的である。しかも、蓄冷熱材の蓄冷熱範囲が、
−200℃の低温から＋1000℃の高温に亙って可能であ
る。

また、必要な温度を選択して或は選択可能であり、深夜
電力を利用して、蓄冷、蓄熱しているので、便利、安全
であり、且つ非燃焼性熱源であるから、蓄冷熱材を加熱
及び放熱する際に大気汚染、騒音、公害がない。

更に、本発明は冷房システムを加熱システムに転換して
別の加熱装置なしに給湯もできるので極めて経済性の高
い画期的なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例を示し、第１図は本発明の構造及び熱の流
れを示す系統図、第２図は加熱時のチェンバー内の空気
の流れを示す系統図、第３図は暖房時の空気の流れを示
す系統図、第４図は加冷時の熱の流れを示す系統図、第
５図は冷房時の空気の流れを示す系統図、第６図は蓄冷
熱材に加冷加熱するときの燃伝達段階を示す原理図、第
７図は蓄冷熱材が放冷放熱するときの熱伝達段階を示す
原理図、第８図は本発明の他の実施例の構造及び熱の流
れを示す系統図、第９図は加熱時の空気及び熱の還流を
示す系統図、第10図は冷却時の空気及び熱の還流を示す
系統図である。図中、１はチェンバー、２は開閉バルブ、３は供給管、
４は加熱室、５は電気ヒータ、６は対流抑制層、７は蓄
冷熱材、８は冷却室、９は冷凍機、10は冷却管、11は冷
却コイル、12は冷凍機遮断バルブ、13は給湯加熱器、14
は加熱コイル、15は加熱器遮断バルブ、19は空気混合
器、20,24,27は室である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】断熱したチェンバー（１）の下部に電気ヒ
ータ（５）を内装した加熱室（4,4a）を臨ませ、この加
熱室に開閉バルブ（2,2a）、供給管（3,3a）を装設し、
この加熱室の上部に多数の孔（6a）が穿設された対流抑
制層（６）を多重に設置し、これらの対流抑制層の間に
蓄冷熱材（７）を充填し、上記チェンバーの上部に冷凍
機（９）と給湯加熱器（13）とが連通する冷却室（８）
を設け、上記冷却室と冷凍機と給湯加熱器とを連通させ
る供給管の途中に冷凍機遮断バルブ（12）及び加熱器遮
断バルブ（15）を装着すると共に、上記冷却室には冷却
コイル（11）を内装し、この冷却室に空気混合器（19,1
9a）を介する供給管を連通させ、この供給管を各室（2
0,24,27）へ連通させて循環回路を形成したことを特徴
とする電気蓄冷熱式冷暖房装置。
【請求項２】断熱したチェンバー（１）の下部に電気ヒ
ータ（５）を内装した加熱室（4,4a）を臨ませ、この加
熱室に開閉バルブ（2,2a）、供給管（3,3a）を装設し、
この加熱室の上部に多数の孔（6a）が穿設された対流抑
制層（６）を多重に設置し、これらの対流抑制層の間に
蓄冷熱材（７）を充填し、上記チェンバーの上部に冷凍
機（９）と給湯加熱器（13）とが連通する冷却室（８）
を設け、上記冷却室と冷凍機と給湯加熱器とを連通させ
る供給管の途中に冷凍機遮断バルブ（12）及び加熱器遮
断バルブ（15）を装着すると共に、上記冷却室には冷却
コイル（11）を内装し、この冷却室に空気混合器（19,1
9a）を介する供給管を連通させ、この供給管を各室（2
0,24,27）へ連通させて循環回路を形成し、この循環回
路に空気を自然或は強制循環させると共に、上記ヒータ
及び冷凍機を稼働させ、上記蓄冷熱材を加冷、蓄冷、加
熱、蓄熱、放冷、放熱させて冷房及び暖房並びに給湯す
ることを特徴とする電気蓄冷熱式冷暖房方法。