JPH0610031A - Ｖｏｄ装置のレードルカバー - Google Patents
Ｖｏｄ装置のレードルカバーInfo
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- JPH0610031A JPH0610031A JP16769092A JP16769092A JPH0610031A JP H0610031 A JPH0610031 A JP H0610031A JP 16769092 A JP16769092 A JP 16769092A JP 16769092 A JP16769092 A JP 16769092A JP H0610031 A JPH0610031 A JP H0610031A
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- Japan
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- wall
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ＶＯＤ装置のレードルカバーにスプラッシュの
付着を防止すると共に溶鋼の過冷却冷却を防止する。 【構成】レードルカバー１１は、側壁６を水冷構造とし
てスプラッシュが付着してもすぐ落下するようにし、天
井７は耐火物で構成して溶鋼からの放熱損失が大きくな
るのを抑制する。
付着を防止すると共に溶鋼の過冷却冷却を防止する。 【構成】レードルカバー１１は、側壁６を水冷構造とし
てスプラッシュが付着してもすぐ落下するようにし、天
井７は耐火物で構成して溶鋼からの放熱損失が大きくな
るのを抑制する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、合金鋼特にステンレス
鋼の製造に係わるＶＯＤ装置のレードルカバーに関する
ものである。
鋼の製造に係わるＶＯＤ装置のレードルカバーに関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】合金鋼特にステンレス鋼では、鋼中に含
有するＣｒやＭｎ等の易酸化元素の存在によって、一般
の炭素鋼に比べて炭素の除去が困難であるため、脱炭反
応によって生じるＣＯガスの分圧を低下させるために、
ＡＯＤ法やＶＯＤ法が採用されている。特に、減圧下で
脱炭させるＶＯＤ法は脱炭限界の炭素濃度が低く、昨今
の極低炭化のニーズによりますます設備能力の向上、特
に生産性の向上が求められている。
有するＣｒやＭｎ等の易酸化元素の存在によって、一般
の炭素鋼に比べて炭素の除去が困難であるため、脱炭反
応によって生じるＣＯガスの分圧を低下させるために、
ＡＯＤ法やＶＯＤ法が採用されている。特に、減圧下で
脱炭させるＶＯＤ法は脱炭限界の炭素濃度が低く、昨今
の極低炭化のニーズによりますます設備能力の向上、特
に生産性の向上が求められている。
【０００３】一般に、ＶＯＤ装置においては、真空を保
持するための外殻を溶鋼からの輻射熱から保護し、さら
に操業中に発生する溶鋼とスラグの混じったスプラッシ
ュが取鍋外へ飛散するのを防止する目的で、取鍋の上面
にレードルカバーと称する蓋を設けている。従来は、こ
のレードルカバーは耐火物で構成されていたため、取鍋
より飛散した溶鋼とスラグの混じったスプラッシュは、
レードルカバーに付着・成長する。特に合金の投入や、
酸素を溶鋼に供給するためのランスを通過させる目的
で、レードルカバーに設けている開孔部を閉塞させ、以
後の操業が困難になったり、その除去のためにレードル
カバーを交換せざるを得なかったり、付着した地金の除
去に時間を要したりして生産性を阻害するという問題が
あった。
持するための外殻を溶鋼からの輻射熱から保護し、さら
に操業中に発生する溶鋼とスラグの混じったスプラッシ
ュが取鍋外へ飛散するのを防止する目的で、取鍋の上面
にレードルカバーと称する蓋を設けている。従来は、こ
のレードルカバーは耐火物で構成されていたため、取鍋
より飛散した溶鋼とスラグの混じったスプラッシュは、
レードルカバーに付着・成長する。特に合金の投入や、
酸素を溶鋼に供給するためのランスを通過させる目的
で、レードルカバーに設けている開孔部を閉塞させ、以
後の操業が困難になったり、その除去のためにレードル
カバーを交換せざるを得なかったり、付着した地金の除
去に時間を要したりして生産性を阻害するという問題が
あった。
【０００４】近年、この問題点を解決するために全水冷
式のレードルカバーが開発された。これは、レードルカ
バーの冷却を強化することにより、スプラッシュを急速
に冷却・凝固させることによって、レードルカバーへの
スプラッシュの付着・成長を防止しようとするものであ
った。この技術は、スプラッシュの付着防止という意味
では効果があったが、取鍋の上面を冷却面で覆うため、
溶鋼からの輻射その他による熱の損失が多く、処理中の
溶鋼の温度降下が著しく、別の手段によって溶鋼の温度
を上昇しなければならないという欠点があった。
式のレードルカバーが開発された。これは、レードルカ
バーの冷却を強化することにより、スプラッシュを急速
に冷却・凝固させることによって、レードルカバーへの
スプラッシュの付着・成長を防止しようとするものであ
った。この技術は、スプラッシュの付着防止という意味
では効果があったが、取鍋の上面を冷却面で覆うため、
溶鋼からの輻射その他による熱の損失が多く、処理中の
溶鋼の温度降下が著しく、別の手段によって溶鋼の温度
を上昇しなければならないという欠点があった。
【０００５】図６は従来のレードルカバー５を用いたＶ
ＯＤ装置の断面を示す。図６において、取鍋１は溶鋼及
び溶融スラグ２を収納する。真空を保持する外殻下部
（真空チャンバー）３と外殻上部（真空容器上蓋）４は
真空室を形成する。耐火物製レードルカバー５には合金
投入口８、酸素ランス挿入口９が設けられている。ＶＯ
Ｄ装置はこの他にもランス底吹きプラグ及びその配管等
の付属設備が多数あるが、図６では省略している。
ＯＤ装置の断面を示す。図６において、取鍋１は溶鋼及
び溶融スラグ２を収納する。真空を保持する外殻下部
（真空チャンバー）３と外殻上部（真空容器上蓋）４は
真空室を形成する。耐火物製レードルカバー５には合金
投入口８、酸素ランス挿入口９が設けられている。ＶＯ
Ｄ装置はこの他にもランス底吹きプラグ及びその配管等
の付属設備が多数あるが、図６では省略している。
【０００６】この従来の耐火物製レードルカバー５を使
用すると、耐火物の表面は高温であるため、溶鋼及び溶
融スラグ２より飛散したスプラッシュはレードルカバー
５の表面に付着した後、冷却されることがないため、付
着性を保ち続け、落下することなく次第に成長してい
く。この点を考慮して、開発された水冷構造のレードル
カバー５ａを図７に示す。この水冷構造のレードルカバ
ー５ａパイプあるいはジャケット構造で構成されてお
り、内側に水を通すことにより冷却を行うものである。
この水冷構造のレードルカバー５ａは、側壁と天井とか
ら成り、側壁を鋼製構造物で製作できるため、天井を浴
鋼表面より遠くすることができ、スプラッシュの天井へ
の到達率を低くすることができると同時に、飛散したス
プラッシュは一旦レードルカバー５ａの内面に付着する
が、すぐに冷却されて凝固・収縮して付着性を失い、落
下する。従って付着成長することがない。ただ、溶鋼の
表面を冷却面で覆うことによって溶鋼からの輻射熱を奪
うため、溶鋼の温度降下が大きく、冶金上、操業上での
問題点があった。
用すると、耐火物の表面は高温であるため、溶鋼及び溶
融スラグ２より飛散したスプラッシュはレードルカバー
５の表面に付着した後、冷却されることがないため、付
着性を保ち続け、落下することなく次第に成長してい
く。この点を考慮して、開発された水冷構造のレードル
カバー５ａを図７に示す。この水冷構造のレードルカバ
ー５ａパイプあるいはジャケット構造で構成されてお
り、内側に水を通すことにより冷却を行うものである。
この水冷構造のレードルカバー５ａは、側壁と天井とか
ら成り、側壁を鋼製構造物で製作できるため、天井を浴
鋼表面より遠くすることができ、スプラッシュの天井へ
の到達率を低くすることができると同時に、飛散したス
プラッシュは一旦レードルカバー５ａの内面に付着する
が、すぐに冷却されて凝固・収縮して付着性を失い、落
下する。従って付着成長することがない。ただ、溶鋼の
表面を冷却面で覆うことによって溶鋼からの輻射熱を奪
うため、溶鋼の温度降下が大きく、冶金上、操業上での
問題点があった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来技
術の耐火物製のレードルカバーではレードルカバーへの
スプラッシュの付着・成長が過大で操業に支障が生じ、
生産性が阻害される。全水冷壁のレードルカバーではス
プラッシュの付着・成長を防止できるが、溶鋼の温度低
下が大きすぎるという問題が生じていた。
術の耐火物製のレードルカバーではレードルカバーへの
スプラッシュの付着・成長が過大で操業に支障が生じ、
生産性が阻害される。全水冷壁のレードルカバーではス
プラッシュの付着・成長を防止できるが、溶鋼の温度低
下が大きすぎるという問題が生じていた。
【０００８】本発明は、これらの問題点を解消し、スプ
ラッシュの付着が少く、かつ溶鋼の温度降下を最小とす
るレードルカバーを提供しようとするものである。
ラッシュの付着が少く、かつ溶鋼の温度降下を最小とす
るレードルカバーを提供しようとするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、水冷壁と耐火
物壁とを組合せたことを特徴とするＶＯＤ装置のレード
ルカバーである。具体的には、側壁を水冷壁とし、天井
を耐火物壁としたり、さらにこれに加えて、合金投入口
及びランス挿入口の周囲に水冷構造を形成したり、又は
側壁及び天井部を円周方向に多分割し、内壁を交互に水
冷構造と耐火物構造とする。この円周方向多分割したも
のでは水冷構造の幅を２００ｍｍ以上とすることが好ま
しく、耐火物壁の外面を水冷構造とすると好適である。
物壁とを組合せたことを特徴とするＶＯＤ装置のレード
ルカバーである。具体的には、側壁を水冷壁とし、天井
を耐火物壁としたり、さらにこれに加えて、合金投入口
及びランス挿入口の周囲に水冷構造を形成したり、又は
側壁及び天井部を円周方向に多分割し、内壁を交互に水
冷構造と耐火物構造とする。この円周方向多分割したも
のでは水冷構造の幅を２００ｍｍ以上とすることが好ま
しく、耐火物壁の外面を水冷構造とすると好適である。
【００１０】
【作用】従来の耐火物製レードルカバーにおける問題点
は、付着したスプラッシュが成長し大塊となってしまう
こと、一方、スプラッシュの付着を抑制するために全面
を水冷壁とした場合には過大な溶鋼温度降下が生ずるこ
とである。このことに着目した発明者らは結論として、
スプラッシュの成長を抑制するためには、耐火物壁と水
冷壁を組合せて構成すれば耐火物壁に付着したスプラッ
シュも水冷壁の部分までは成長しなくなり大塊となるこ
とを防ぐことができること、また水冷壁まで成長するこ
とがあっても、水冷壁ではスプラッシュの剥離性が良い
ために自重で落下し、結局大塊となることを防ぐことが
できることに到達した。
は、付着したスプラッシュが成長し大塊となってしまう
こと、一方、スプラッシュの付着を抑制するために全面
を水冷壁とした場合には過大な溶鋼温度降下が生ずるこ
とである。このことに着目した発明者らは結論として、
スプラッシュの成長を抑制するためには、耐火物壁と水
冷壁を組合せて構成すれば耐火物壁に付着したスプラッ
シュも水冷壁の部分までは成長しなくなり大塊となるこ
とを防ぐことができること、また水冷壁まで成長するこ
とがあっても、水冷壁ではスプラッシュの剥離性が良い
ために自重で落下し、結局大塊となることを防ぐことが
できることに到達した。
【００１１】従来の耐火物製レードルカバーでのスプラ
ッシュ付着状況を観察すると、 （１）レードルカバーの最下端からその上方の凹形の部
分にスプラッシュや膨れ上がった溶鋼やスラグが付着・
成長し、取鍋とレードルカバーの接合部の取外しを困難
としたり、後に続く処理でのシール性を阻害し、処理の
続行を不能とする場合 （２）レードルカバー天井部に設けた合金投入口あるい
はランス挿入口付近にスプラッシュが付着・成長し、合
金の投入あるいはランスの挿入を困難にし、処理の続行
を不能とする場合 がほとんどであることが判明した。
ッシュ付着状況を観察すると、 （１）レードルカバーの最下端からその上方の凹形の部
分にスプラッシュや膨れ上がった溶鋼やスラグが付着・
成長し、取鍋とレードルカバーの接合部の取外しを困難
としたり、後に続く処理でのシール性を阻害し、処理の
続行を不能とする場合 （２）レードルカバー天井部に設けた合金投入口あるい
はランス挿入口付近にスプラッシュが付着・成長し、合
金の投入あるいはランスの挿入を困難にし、処理の続行
を不能とする場合 がほとんどであることが判明した。
【００１２】これらの問題点のうち、（１）の問題点に
関しては、レードルカバーの取鍋天端との接触部を含め
た側壁を水冷構造とすることで解決可能である。しか
も、側壁の傾斜を垂直近くまで直立させることによっ
て、、溶鋼表面との輻射係数を小さくすることができる
ため、溶鋼からの熱損失を小さくすることができる。す
なわち、レードルカバーを側壁と天井からなる形状に形
成し、側壁を水冷壁とし天井を耐火物壁とすることでよ
い。水冷化した側壁を高くしてレードルカバー天井まで
の距離を大きくすることによって、レードルカバー天井
のスプラッシュの到達率を小さくすることができ、
（１）の問題に対する改善は可能である。
関しては、レードルカバーの取鍋天端との接触部を含め
た側壁を水冷構造とすることで解決可能である。しか
も、側壁の傾斜を垂直近くまで直立させることによっ
て、、溶鋼表面との輻射係数を小さくすることができる
ため、溶鋼からの熱損失を小さくすることができる。す
なわち、レードルカバーを側壁と天井からなる形状に形
成し、側壁を水冷壁とし天井を耐火物壁とすることでよ
い。水冷化した側壁を高くしてレードルカバー天井まで
の距離を大きくすることによって、レードルカバー天井
のスプラッシュの到達率を小さくすることができ、
（１）の問題に対する改善は可能である。
【００１３】次に上記（２）の問題点については、開孔
部はガスの排出口でもあるため、排ガスの流れに乗った
スプラッシュによって開孔部付近へのスプラッシュ付着
とそのための開孔部の閉塞を完全に回避することは不可
能であり、一方で輻射の原理から考えても、溶鋼表面と
正対している天井部からの熱損失はレードルカバー全体
の熱損失の大部分を占めるため、全面を水冷化すること
は溶鋼の温度降下という問題点を解決することができな
い。そこで、（２）の問題点を解決するために、レード
ルカバー天井の内面の大部分を耐火物で構成することに
よって熱損失を防止するとともに、開孔部周辺のみを水
冷化し、開孔部へのスプラッシュ付着とそれによる閉塞
を防止する。
部はガスの排出口でもあるため、排ガスの流れに乗った
スプラッシュによって開孔部付近へのスプラッシュ付着
とそのための開孔部の閉塞を完全に回避することは不可
能であり、一方で輻射の原理から考えても、溶鋼表面と
正対している天井部からの熱損失はレードルカバー全体
の熱損失の大部分を占めるため、全面を水冷化すること
は溶鋼の温度降下という問題点を解決することができな
い。そこで、（２）の問題点を解決するために、レード
ルカバー天井の内面の大部分を耐火物で構成することに
よって熱損失を防止するとともに、開孔部周辺のみを水
冷化し、開孔部へのスプラッシュ付着とそれによる閉塞
を防止する。
【００１４】次に、本発明の他の好適な技術構成である
水冷壁と耐火物壁とを交互に配列することについて説明
する。側壁及び天井を円周方向に多分割し、内壁を交互
に水冷構造と耐火物構造としたレードルカバーは耐火物
壁でスプラッシュが付着成長しても水冷壁に達する大き
さになると急冷されて落下するので塊の大きさが限定さ
れる。この場合、水冷構造の幅を２００ｍｍ以上とし、
耐火物構造の外面を水冷構造とすると、塊の成長が抑止
され、一方水冷による鋼の過冷却が抑制される。
水冷壁と耐火物壁とを交互に配列することについて説明
する。側壁及び天井を円周方向に多分割し、内壁を交互
に水冷構造と耐火物構造としたレードルカバーは耐火物
壁でスプラッシュが付着成長しても水冷壁に達する大き
さになると急冷されて落下するので塊の大きさが限定さ
れる。この場合、水冷構造の幅を２００ｍｍ以上とし、
耐火物構造の外面を水冷構造とすると、塊の成長が抑止
され、一方水冷による鋼の過冷却が抑制される。
【００１５】
〔実施例１〕図１は本発明の第１の実施例を示すもの
で、レードルカバー１１はスプラッシュの付着の比較的
に多い側壁６を水冷構造とし、熱の損失の大きい天井７
を耐火物で構成した。
で、レードルカバー１１はスプラッシュの付着の比較的
に多い側壁６を水冷構造とし、熱の損失の大きい天井７
を耐火物で構成した。
【００１６】スプラッシュの飛散の状況を観察するとレ
ードルカバーが菅笠状の形状のものについては、スプラ
ッシュはレードルカバーの側壁に付着するものがほとん
どである。また、輻射伝熱の原理から考えて、面積が大
きくかつ湯面と正対している天井からの熱損失が一番大
きい。実施例１はこれらの考察に基づき、上記構成とす
ることによって、スプラッシュの付着が少なく、かつ熱
損失も許容できるようようにおさえたものである。
ードルカバーが菅笠状の形状のものについては、スプラ
ッシュはレードルカバーの側壁に付着するものがほとん
どである。また、輻射伝熱の原理から考えて、面積が大
きくかつ湯面と正対している天井からの熱損失が一番大
きい。実施例１はこれらの考察に基づき、上記構成とす
ることによって、スプラッシュの付着が少なく、かつ熱
損失も許容できるようようにおさえたものである。
【００１７】〔実施例２〕図２に第２の実施例を示し
た。実施例１と同様に、スプラッシュの飛散が多く一旦
スプラッシュが付着すると取鍋１の上端との剥離性・シ
ール性の維持が困難となり、一方、溶鋼表面からの輻射
熱損失の比較的少ない側壁６は水冷構造としスプラッシ
ュの付着を防止した。この側壁６を鋼製構造物で製作す
ることによってレードルカバー１１の天井７を高くし
て、天井７へのスプラッシュ到達率を相対的に下げた。
また、溶鋼からの輻射熱損失の大きいレードルカバー天
井７は、内面の大部分を耐火物製として輻射熱損失を抑
制した。さらに、排ガスの通路でガス流れの速い合金投
入口８及びランス挿入口９においてはスプラッシュの付
着を抑制する目的から最小限の水冷構造１０を採用し
た。これによって、水冷壁からの熱損失を最小にしつ
つ、操業上問題となるスプラッシュ付着を防止すること
ができる。
た。実施例１と同様に、スプラッシュの飛散が多く一旦
スプラッシュが付着すると取鍋１の上端との剥離性・シ
ール性の維持が困難となり、一方、溶鋼表面からの輻射
熱損失の比較的少ない側壁６は水冷構造としスプラッシ
ュの付着を防止した。この側壁６を鋼製構造物で製作す
ることによってレードルカバー１１の天井７を高くし
て、天井７へのスプラッシュ到達率を相対的に下げた。
また、溶鋼からの輻射熱損失の大きいレードルカバー天
井７は、内面の大部分を耐火物製として輻射熱損失を抑
制した。さらに、排ガスの通路でガス流れの速い合金投
入口８及びランス挿入口９においてはスプラッシュの付
着を抑制する目的から最小限の水冷構造１０を採用し
た。これによって、水冷壁からの熱損失を最小にしつ
つ、操業上問題となるスプラッシュ付着を防止すること
ができる。
【００１８】〔実施例３〕図３に水冷壁と耐火物壁とを
交互に設けた例を示した。図３に示すように、レードル
カバー１１を円周方向に多分割し、内壁を交互に耐火物
壁１３と水冷壁１２とする。分割のピッチは水冷壁にま
たがって耐火物壁に付着したスプラッシュを合体・成長
させないために、水冷壁１２の幅を２００ｍｍ以上とす
る。また、耐火物壁１３の構造は図４に示すように、全
てを耐火物壁１３で構成してもよいし、図５に示すよう
に水冷構造の内壁に耐火物壁１３を貼着施工したもので
もよい。これによって、水冷壁からの熱損失を最小にし
つつ、操業上問題となるスプラッシュの成長を防止する
ことができる。
交互に設けた例を示した。図３に示すように、レードル
カバー１１を円周方向に多分割し、内壁を交互に耐火物
壁１３と水冷壁１２とする。分割のピッチは水冷壁にま
たがって耐火物壁に付着したスプラッシュを合体・成長
させないために、水冷壁１２の幅を２００ｍｍ以上とす
る。また、耐火物壁１３の構造は図４に示すように、全
てを耐火物壁１３で構成してもよいし、図５に示すよう
に水冷構造の内壁に耐火物壁１３を貼着施工したもので
もよい。これによって、水冷壁からの熱損失を最小にし
つつ、操業上問題となるスプラッシュの成長を防止する
ことができる。
【００１９】表１には図１、３に示したレードルカバー
を使用して処理した場合の連続操業可能チャージ数を示
した。また従来例を併せて示した。表１よりわかるよう
に、従来の図６に示す耐火物製レードルカバーでは１０
〜２０チャージの処理で合金投入口８が閉塞したり、レ
ードルカバー下端付近に成長したスプラッシュによって
取鍋１との接触が不良になったりして操業中断を余儀な
くされたが、水冷構造の図１、３のレードルカバーでは
５００チャージ以上の連続操業が可能であった。実験は
５００チャージで一旦中止したが、それ以上継続できる
ことは容易に類推できた。
を使用して処理した場合の連続操業可能チャージ数を示
した。また従来例を併せて示した。表１よりわかるよう
に、従来の図６に示す耐火物製レードルカバーでは１０
〜２０チャージの処理で合金投入口８が閉塞したり、レ
ードルカバー下端付近に成長したスプラッシュによって
取鍋１との接触が不良になったりして操業中断を余儀な
くされたが、水冷構造の図１、３のレードルカバーでは
５００チャージ以上の連続操業が可能であった。実験は
５００チャージで一旦中止したが、それ以上継続できる
ことは容易に類推できた。
【００２０】また、表２には、図１〜３で示したレード
ルカバーを使用して処理した場合の処理中の溶鋼温度降
下の増加分を示した。表よりわかるように、図７に示す
全水冷構造のレードルカバーを使用した場合は図６に示
す従来の耐火物製レードルカバーを使用した場合と比較
して、約５０℃の温度降下増大が認められ、金属Ａｌを
使用した溶鋼昇熱操業を余儀なくされたが、図１〜３に
示す本発明のレードルカバーを使用すると、図６に示す
耐火物製レードルカバーを使用した場合に比べて若干の
温度降下はあるが、その程度は約１５℃であり、操業上
問題となるレベルではなかった。
ルカバーを使用して処理した場合の処理中の溶鋼温度降
下の増加分を示した。表よりわかるように、図７に示す
全水冷構造のレードルカバーを使用した場合は図６に示
す従来の耐火物製レードルカバーを使用した場合と比較
して、約５０℃の温度降下増大が認められ、金属Ａｌを
使用した溶鋼昇熱操業を余儀なくされたが、図１〜３に
示す本発明のレードルカバーを使用すると、図６に示す
耐火物製レードルカバーを使用した場合に比べて若干の
温度降下はあるが、その程度は約１５℃であり、操業上
問題となるレベルではなかった。
【００２１】
【表１】
【００２２】
【表２】
【００２３】
【発明の効果】本発明によれば、ＶＯＤ装置のレードル
カバーにおいて、水冷壁と耐火物壁の組合わせとしたこ
とによって、溶鋼からの熱損失が少なく、かつ操業の連
続に支障をきたすようなスプラッシュの付着がなくなっ
た。これによって、冶金特性に悪影響を与えることなく
ＶＯＤ装置のメンテナンス負荷を大幅に改善することが
できた。
カバーにおいて、水冷壁と耐火物壁の組合わせとしたこ
とによって、溶鋼からの熱損失が少なく、かつ操業の連
続に支障をきたすようなスプラッシュの付着がなくなっ
た。これによって、冶金特性に悪影響を与えることなく
ＶＯＤ装置のメンテナンス負荷を大幅に改善することが
できた。
【図１】実施例のＶＯＤ装置断面図である。
【図２】実施例のＶＯＤ装置断面図である。
【図３】本発明の他の実施例のレードルカバーの斜視図
である。
である。
【図４】レードルカバーの部分断面図である。
【図５】レードルカバーの部分断面図である。
【図６】ＶＯＤ装置の縦断面図である。
【図７】従来の水冷レードルカバーの説明図である。
１ 取鍋 ２ 溶鋼及び溶融スラグ ３ 真空を保持する外殻下部（真空チャンバー） ４ 真空を保持する外殻上部（真空容器上蓋） ５ 従来の耐火物製レードルカバー ５ａ 従来の水冷製レードルカバー ６ 側壁 ７ 天井 ８ 合金投入口 ９ ランス挿
入口 １０ 水冷構造 １１ レードル
カバー １２ 水冷壁 １３ 耐火物壁 １４ 水冷構造
入口 １０ 水冷構造 １１ レードル
カバー １２ 水冷壁 １３ 耐火物壁 １４ 水冷構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 俊二 千葉市中央区川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 山田 純夫 千葉市中央区川崎町１番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内
Claims (6)
- 【請求項１】 水冷壁と耐火物壁とを組合せたことを特
徴とするＶＯＤ装置のレードルカバー。 - 【請求項２】 側壁を水冷壁とし、天井を耐火物壁とし
たことを特徴とするＶＯＤ装置のレードルカバー。 - 【請求項３】 側壁を水冷壁とし、天井を耐火物壁とす
ると共に合金投入口及びランス挿入口の周囲に水冷構造
を形成したことを特徴とするＶＯＤ装置のレードルカバ
ー。 - 【請求項４】 側壁及び天井を円周方向に多分割し、内
壁を交互に水冷構造と耐火物構造としたことを特徴とす
るＶＯＤ装置のレードルカバー。 - 【請求項５】 水冷構造の幅を２００ｍｍ以上としたこ
とを特徴とする請求項４記載のＶＯＤ装置のレードルカ
バー。 - 【請求項６】 耐火物構造の外面を水冷構造としたこと
を特徴とする請求項４記載のＶＯＤ装置のレードルカバ
ー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16769092A JPH0610031A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | Ｖｏｄ装置のレードルカバー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16769092A JPH0610031A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | Ｖｏｄ装置のレードルカバー |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0610031A true JPH0610031A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=15854431
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16769092A Withdrawn JPH0610031A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | Ｖｏｄ装置のレードルカバー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0610031A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6036915A (en) * | 1997-07-09 | 2000-03-14 | Sms Schloemann-Siemag Aktiengesellschaft | Water-cooled ladle hood |
| JP2006214647A (ja) * | 2005-02-03 | 2006-08-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 取鍋精錬用の水冷蓋および精錬処理方法 |
| CN102719624A (zh) * | 2012-06-27 | 2012-10-10 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种吹氧脱碳真空精炼炉防溅罩 |
| CN102851450A (zh) * | 2011-06-28 | 2013-01-02 | 鞍钢股份有限公司 | 一种防止铁水脱硫喷溅的方法 |
-
1992
- 1992-06-25 JP JP16769092A patent/JPH0610031A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6036915A (en) * | 1997-07-09 | 2000-03-14 | Sms Schloemann-Siemag Aktiengesellschaft | Water-cooled ladle hood |
| JP2006214647A (ja) * | 2005-02-03 | 2006-08-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 取鍋精錬用の水冷蓋および精錬処理方法 |
| CN102851450A (zh) * | 2011-06-28 | 2013-01-02 | 鞍钢股份有限公司 | 一种防止铁水脱硫喷溅的方法 |
| CN102719624A (zh) * | 2012-06-27 | 2012-10-10 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种吹氧脱碳真空精炼炉防溅罩 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990831 |