JPH0597112U - アンテナ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビル壁面や広告塔などに容易に取付けられ、
かつ美観を損なわない。 【構成】 指向性アンテナ１１に取付けられた垂直回動
軸の上，下端を取付具１４，１９により回動自在に支持
されたアンテナ装置１０において、前記垂直回動軸は、
互いに分離された上部回動軸１２ａと中空の下部回動軸
１２ｂからなり、前記下部回動軸１２ｂの中空部には前
記指向性アンテナ１１に給電するための同軸管１６が配
設され、かつ前記上，下端取付具１４，１９を反射板１
５に固着するとともに、前記上端取付具１４及び前記指
向性アンテナ１１を内部に収容するように、レドーム２
３を前記反射板１５に覆設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、陸上移動通信用基地局用アンテナ装置の好適な取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車電話等の陸上移動通信には８００ＭＨｚ帯の周波数が用いられ、 その基地局用アンテナには、鉄塔上部に無指向性アンテナを配置するか、又は鉄 塔側面に指向性アンテナを複数個配置し、これを合成することにより無指向性の 指向特性を得ていた。

【０００３】 しかし、近年の陸上移動通信の発達はめざましく、特に大都市では８００ＭＨ ｚ帯を使用したシステムでは、近い将来に移動局の増加に対応できなくなること が予想され、新しい周波数帯、例えば１．５ＧＨｚ帯への移行が検討されている 。

【０００４】 そして、従来のオムニゾーンに対し、移動局増加に対応しやすい６セクター方 式のゾーン構造が考えられ、基地局用アンテナも水平面内指向性が６０度ビーム の指向性アンテナが必要となる。

【０００５】 従来、この種の６０度ビームの指向性アンテナには、コーナ反射板アンテナや 平面アンテナが多く用いられ、各アンテナの主ビーム方向はそれぞれ６０度方向 に向けられ６台のアンテナで全周３６０度をカバーしている。このため、アンテ ナの取付けにはある程度自由にアンテナの主ビーム方向を可変できる構造が必要 のため図５及び図６に示すように、指向性アンテナ１は鉄塔２の側面やビル３の 屋上に支持構造物４を介して取付けられていた。

【０００６】 図７は前記指向性アンテナ１とその支持構造物４を示す斜視図で、指向性アン テナ１はアンテナ本体５とレドーム６とからなり、支持構造物４は、支持柱７、 アンテナ取付金具８ａ，８ｂ（８ｂは図示省略）及び壁面取付金具９ａ，９ｂと からなる。

【０００７】 ところで、最近の陸上移動局の増加に対し、最適な場所に陸上移動局用基地局 用鉄塔やビル屋上を確保することは困難となっている。そのため、ビル壁側面や ビル屋上の広告塔側面を利用して基地局用の前記アンテナ１を取付けることが考 えられている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記支持構造物４を介して基地局用アンテナ１を取付ける場合 、アンテナ１の質量より支持構造物４の質量が大きい場合も有り、支持構造物４ のビル壁側面や広告塔への取付けには強固な構造の架台が必要となる。このため 、壁面や広告塔の強度によっては取付けられないという問題点があった。 又、取付面より支持構造物４を介してアンテナ１を取付けるため、取付面から の突出部分が大きくなり、ビルや広告塔の美観を損ねるという問題点もあった。

【０００９】 本考案はかかる点に鑑みなされたもので、その目的は前記問題点を解消し、ビ ル壁側面や広告塔などに容易に取付けられ、なおかつ美観を損ねないアンテナ装 置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案の構成は、指向性アンテナに取付けられた垂 直回動軸の上，下端を取付具により回動自在に支持されたアンテナ装置において 、次のとおりである。

【００１１】 （１） 前記垂直回動軸は、互いに分離された上部回動軸と中空の下部回動軸か らなり、前記下部回動軸の中空部には前記指向性アンテナに給電するための同軸 管が配設されるとともに、該同軸管端にコネクタが接続されており、他方、前記 上，下端取付具を反射板に固着するとともに、前記下端取付具を除き、前記上端 取付具及び前記指向性アンテナを内部に収容するように、断面が半円形状のレド ームを前記反射板に覆設したことを特徴とする。

【００１２】 （２） 前記下端取付具に前記下部回動軸をロックするロック装置を設け、前記 指向性アンテナの回動をロックすることを特徴とする。

【００１３】 （３） 前記下部回動軸の下端に、前記指向性アンテナを回動させるための取手 を設けたことを特徴とする。

【００１４】 （４） 前記（３）の取手の先端に、前記指向性アンテナの主ビーム方向を示す 指針を設けるとともに、該指針に対応する前記レドームの底面に角度目盛を設け たことを特徴とする。

【００１５】 （５） 前記上部回動軸と前記上端取付具との間に、電気的に接触しないように 、誘電体のスペーサを配設したことを特徴とする。

【００１６】

【作用】

前記のように構成されたアンテナ装置は、支持柱を介して固定されていないた め、取付面からの突出部分が小さくなり、小形で低姿態のレドーム内に指向性ア ンテナを収納できる。又、該指向性アンテナの主ビーム方向に無関係にレドーム の外観は同じであるため、前記アンテナの主ビーム方向を変更する場合もレドー ム下部の取付具とロック装置により、容易、かつ簡単に前記アンテナの主ビーム 方向を変更，固定することができる。

【００１７】

【実施例】

以下、図面に基づいて本考案の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。 図１ないし図４は、本考案のアンテナ装置の一実施例で、主として取付構造を 示す。図１は一部を破断した斜視図、図２は図１のＢ部の拡大分解図、図３は図 １の下端取付具の斜視図、図４は図１の底面図である。

【００１８】 図において、アンテナ装置１０は、指向性アンテナ本体１１の上部及び下部に 、垂直回動軸として互いに分離された上部回動軸１２ａ、中空の下部回動軸１２ ｂが設けられ、一方の前記上部回動軸１２ａの端部は、後述する理由により誘電 体スペーサ１３を介して、上端取付具１４に回動自在に支持されるとともに、該 上端取付具１４により反射板１５に固定される。

【００１９】 他方の前記下部回動軸１２ｂの中空部には、前記指向性アンテナ本体１１に放 射電力を供給するための同軸管１６が配設されており、該同軸管１６は前記下部 回動軸１２ｂの端部から若干延出され、その端にコネクタ１７が接続されている 。

【００２０】 前記下部回動軸１２ｂの端部付近はロック装置１８付の下端取付具１９に回動 自在に支持されるとともに、該下端取付具１９により前記反射板１５に固定され る。前記下端取付具１９は該ロック装置１８のロックボルト２０を締結すること により、前記指向性アンテナ本体１１を所定方向に向いた状態でロックすること ができる。

【００２１】 又、前記下部回動軸１２ｂの端には、前記指向性アンテナ本体１１を、手動に より容易に回動させるために、取手２１が取付けられており、該取手２１の先端 には、前記指向性アンテナ本体１１の主ビーム方向を示す指針２２が設けられて いる。

【００２２】 そして、前記下端取付具１９を除き、前記上端取付具１４を含む前記指向性ア ンテナ本体１１全体を内部に収容しながら覆うように、水平断面がほぼ半円形状 の開口側面部を平坦にしたレドーム２３が前記反射板１５に配設，固着される。

【００２３】 前記レドーム２３の底面には、図４に示すように、前記取手２１の指針２２に 対応した角度目盛板２４が固着されている。そして、前記反射板１５と前記レド ーム２３との取付部分には、前記アンテナ装置１０をビルなどの建造物の壁面に 取付けるための取付穴２５が設けられている。

【００２４】 なお、図２に示すように、前記上部回動軸１２ａと前記上端取付具１４との間 に、誘電体スペーサ１３を配設する理由は、該上部回動軸１２ａ及び上端取付具 １４が金属製の場合、高周波電磁界により該上部回動軸１２ａに誘導電圧が発生 するためである。

【００２５】 すなわち、この誘導電圧は、通常、前記上端取付具１４及び前記反射板１５を 通して、大地に放散されるが、前記上部回動軸１２ａと前記上端取付具１４との 間の不完全接触により雑音が発生する。これを防止するため、該誘電体スペーサ １３を挿入して、事前に両者間を直流的に絶縁しておくのが好ましい。

【００２６】 他方、下端取付具１９はロック装置１８を備えているので、下部回動軸１２ｂ と下端取付具１９との間は、完全に接触されており、前記下部回動軸１２ｂに発 生する誘導電圧は、前記下端取付具１９及び前記反射板１５を通して、大地に放 散される。

【００２７】 なお、本考案の技術は前記実施例における技術に限定されるものではなく、同 様な機能を有する他の態様の手段によってもよく、また本考案の技術は前記構成 の範囲内において種々の変更，付加が可能である。

【００２８】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように本考案のアンテナ装置によれば、指向性アンテ ナの上，下端取付具を反射板に固着するとともに、該指向性アンテナなどを内部 収容するようにレドームを前記反射板に覆設したので、ビル壁側面や広告塔など の取付面に対し突出部分が少ない低姿態の構造で指向性アンテナを容易に取付け られ、かつ、指向性アンテナの方向に関係無く外観は同一で、美観を損なうこと はない。

【００２９】 又、従来のアンテナに比べ小形な構造となるため、壁面等の強度の制約を小さ くできるとともに、指向性アンテナの主ビーム方向の設定も、ロック手段と目盛 合わせにより容易、かつ簡単に行うことができる。そして、指向性アンテナの上 部回動軸は、誘電体スペーサにより、該回動軸と取付具間での接触による雑音の 発生を除去できるため、信頼性の高い基地局用のアンテナ装置を提供することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のアンテナ装置の一実施例を示す一部破
断した斜視図である。

【図２】図１のＢ部の拡大分解図である。

【図３】図１の下端取付具１９の斜視図である。

【図４】図１の底面図である。

【図５】従来のアンテナ装置の鉄塔側面への取付図であ
る。

【図６】従来のアンテナ装置のビル屋上への取付図であ
る。

【図７】従来のアンテナ装置とその支持構造物を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１０ アンテナ装置 １１ 指向性アンテナ本体 １２ａ 上部回動軸 １２ｂ 下部回動軸 １３ 誘電体スペーサ １４ 上端取付具 １５ 反射板 １６ 同軸管 １７ コネクタ １８ ロック装置 １９ 下部取付具 ２０ ロックボルト ２１ 取手 ２２ 指針 ２３ レドーム ２４ 角度目盛板

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 指向性アンテナに取付けられた垂直回動
   軸の上，下端を取付具により回動自在に支持されたアン
   テナ装置において、 前記垂直回動軸は、互いに分離された上部回動軸と中空
   の下部回動軸からなり、前記下部回動軸の中空部には前
   記指向性アンテナに給電するための同軸管が配設される
   とともに、該同軸管端にコネクタが接続されており、 他方、前記上，下端取付具を反射板に固着するととも
   に、前記下端取付具を除き、前記上端取付具及び前記指
   向性アンテナを内部に収容するように、断面が半円形状
   のレドームを前記反射板に覆設したことを特徴とするア
   ンテナ装置。
2. 【請求項２】 前記下端取付具に前記下部回動軸をロッ
   クするロック手段を設け、前記指向性アンテナの回動を
   ロックすることを特徴とする請求項１のアンテナ装置。
3. 【請求項３】 前記下部回動軸の下端に、前記指向性ア
   ンテナを回動させるための取手を設けたことを特徴とす
   る請求項１又は２のアンテナ装置。
4. 【請求項４】 前記取手の先端に、前記指向性アンテナ
   の主ビーム方向を示す指針を設けるとともに、該指針に
   対応する前記レドームの底面に角度目盛を設けたことを
   特徴とする請求項３のアンテナ装置。
5. 【請求項５】 前記上部回動軸と前記上端取付具との間
   に、電気的に接触しないように、誘電体のスペーサを配
   設したことを特徴とする請求項１ないし請求項４のいず
   れかのアンテナ装置。