JPH059604U - ろ過機のケ−キ排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろ過容器の下部をホッパ状に縮径させてケ−
キ排出部を形成し、その排出口にバタフライ弁を設けた
ろ過機において、ケ−キを安定して排出させる手段を設
ける。 【構成】 本考案はろ過容器１の下部をホッパ状に縮径
させて形成されたケ−キ排出部２と、このケ−キ排出部
２の排出口４にこれを開閉すべく回動自在に設けられた
バタフライ弁１２と、このバタフライ弁１２の直上部か
ら上方へ上記容器１のケ−キ生成部へ鉛直方向に沿って
延出され、バタフライ弁１２の全開位置でその弁面と連
続したケ−キ案内面を構成する案内板１７とを備えたも
のである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は原液から固形微粒を分離させて清澄ろ液とケ−キとを作りだすため のろ過機に係り、特にケ−キの排出構造を改良したろ過機のケ−キ排出装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

原液から固形微粒を分離させて清澄ろ液とろ滓とを作りだすためのろ過機（フ ィルタ装置）には従来種々のもの案出されているが、遠心分離式や水平ろ葉式加 圧機などのように、その多くはろ過のためのフィルタを特別な動力装置で回転さ せるような構造としていたため、価格面，メンテナンス面で問題があった。そこ で従来、ろ過機から動力装置を取り除くために、ろ過容器を耐圧構造としてこれ に原液を加圧して送り込みその圧力をろ布に作用させて固形微粒をろ布に付着さ せ、ろ過された清澄なろ液はろ液排出用の配管を介して圧力容器外へ送り出せる ようにした加圧分離・逆洗型のろ過機が開発され、市場に提供されている。

【０００３】 図２は加圧分離・逆洗型のろ過機を示す構造図である。ろ過容器１はその上部 に、加圧された原液を、ろ過容器１内に送りこむための原液入口管部３を有し、 ケ−キ排出部２の排出口４にスライドゲ−ト弁５を有している。ケ−キ生成部た るろ液排出管６は上記ろ過容器１内に、その半径方向に間隔を有して複数配置さ れかつ、それぞれが鉛直方向に沿うようにして設けられている。各ろ液排出管６ は、具体的には図３(A),(B) に示す如く、一本の中心管７を芯としてその外周に 複数本（図示例では６本）のスリット管８を束ねるように配置させ、これらをろ 布ホ−ス９に挿入することによって一体化されている。なおろ布ホ−ス９と中心 管７，スリット管８との一体化はホ−スバンド（図示せず）によってなされてい る。中心管７は、スリット管８と同様に軸方向に間隔をおいてスリット１０を多 数有し、その下流側は、図２に示すようにろ過容器１の上部に半径方向に貫通さ せて挿入されたレジスタ−パイプ１１に連通接続されている。

【０００４】 図３(A) はろ過時の状態を示しており、ポンプ（図示せず）によって圧送され た原液は、ろ過容器１内に入り、ろ布ホ−ス９によりろ過され、スリット管８内 に流入してその下流側へ流れ、さらに中心管７に集められて上方へ押出されレジ スタパイプ１１に回収される。ろ布ホ−ス９は、ろ過圧力により、スリット管８ に密着して星形となり、その上にケ−キが形成される。

【０００５】 図３(B) はケ−キの排出を示している。この場合はろ過の場合とは逆にレジス タパイプ１１を介して中心管７内に圧力空気を送り込みそのバックブロ−により 通風乾燥させてケ−キを剥離させる。スリット管８に星形に密着していたろ布ホ ース９は、バックブロ−によって次第に丸くふくらみ、ケ−キは剥離して排出口 ４へと落下する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで本出願人等はさらなる低価格化を実現するために上記加圧分離・逆洗 型のろ過機の見直しを行い、従来、排出口に使用されていたスライドゲ−ト弁が 装置のコストバランス上高価格であるため、これを一般に普及しているバタフラ イ弁と交換し、その排出性能をテストしたみたところ、バタフライ弁の全開位置 において、ろ布ホースから剥離し落下したケ−キが図１の想像線Ｘのようにバタ フライ弁の端縁とケ−キ排出部の傾斜状の内面とにブリッジ状に掛け渡されてし まう場合が多々あり、その後の滞積など、ケ−キの排出性において信頼性が低か った。

【０００７】 本考案の目的は、ろ過容器の下部をホッパ状に縮径させてケ−キ排出部を形成 し、その排出口にバタフライ弁を設けたろ過機において詰まりなくケ−キを排出 させる構造としたろ過機のケ−キ排出装置を提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案はろ過容器下部をホッパ状に縮径させて形 成されたケ−キ排出部と、このケ−キ排出部の排出口にこれを開閉すべく回動自 在に設けられたバタフライ弁と、このバタフライ弁の直上部から上方の上記容器 のケ−キ生成部へ鉛直方向に沿って延出され、バタフライ弁の全開位置でその弁 面と連続したケ−キ案内面を構成する案内板とを備えたものである。

【０００９】

【作用】

ケ−キを排出口から排出させるためにバタフライ弁を全開とすると、バタフ ライ弁の弁面は、その上方に設けられた案内板と協同して連続したケ−キ案内面 を構成する。このため、ケ−キはブリッジとなることなくスム−スに排出口へ案 内されろ過容器外へ排出される。

【００１０】

【実施例】

以下加圧分離・逆洗型ろ過機に適用した本考案の好適一実施例を添付図面に基 づいて説明するが、従来と同一の構成については同一符号のみを付しその詳細な 説明は省略する。

【００１１】 図１に示すようにろ過容器１の下部は、ブロ−により上方から剥離落下するケ −キを集合させて良好に排出させるためにホッパ状に絞られてケ−キ排出部２を 構成しており、そのケ−キ排出部２の最も絞られた排出口４には、これを開閉す るためのバタフライ弁１２が設けられている。

【００１２】 バタフライ弁には種々の形式のものがあるが、本考案では図２に示す如き構造 のバタフライ弁１２が用いられている。このバタフライ弁１２は、排出口４と同 等な口径の開閉口１３を有して上記排出口４に同軸的にかつ一体的に取り付けら れている弁ハウジング１４と、その開閉口１３を開閉すべく円板状に形成された 弁体１５と、この弁体１５に一体的に取り付けられかつその両軸端が弁ハウジン グ１４に対して回転可能に枢支された弁軸１６と、弁軸１６を回転させて弁体１ ５を開閉作動させるための弁駆動機構とから構成されている。弁駆動機構（図示 せず）は例えばウォ−ムとウォ−ムホイ−ルとから成り、ウォ−ムは上記ハウジ ング１４を貫通させた弁軸１６の一端に一体的に、ウォ−ムホイ−ルは、ハウジ ング１４の一端側に回転自在に組み込まれている。

【００１３】 一方、ろ過容器１には、弁体１５の全開位置において、ケ−キのブリッジを防 止して排出口４からケ−キが円滑に排出されるようにするために、上記ろ過容器 １には、その弁体１５の直上部から上記スリット管８の直下の部位まで鉛直方向 に沿わせて案内板１７が取り付けられている。このため、ケ−キ排出のために弁 駆動機構を作動して弁体１５を全開位置に作動した際、弁体１５の弁面は案内板 １７と連続したケ−キ案内面を構成するようになり、弁体１５とケ−キ排出部２ の内面とによって従来ブリッジとなっていたケ−キは、そのケ−キ案内面の案内 によってブリッジとなることなく排出口４からスム−スに排出される。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したことから明らかなように本考案によれば次の如き優れた効果を発 揮する。

【００１５】 ろ過容器下部をホッパ状に縮径させて形成されたケ−キ排出部と、このケ− キ排出部の排出口にこれを開閉すべく回動自在に設けられたバタフライ弁と、こ のバタフライ弁の直上部から上方へ上記容器のケ−キ生成部へ鉛直方向に沿って 延出され、バタフライ弁の全開位置でその弁面と連続したケ−キ案内面を構成す る案内板とを備えたので、ケ−キのブリッジをなくし、ケ−キをスム−ズに排出 させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るろ過機のケ−キ排出装置の好適一
実施例を示す図である。

【図２】従来の加圧分離形ろ過機を示す図である。

【図３】従来の加圧分離形ろ過機のろ過状態と逆洗状態
とを示す図である。

【符号の説明】

１ ろ過容器 ２ ケ−キ排出部 ４ 排出口 ６ ろ液排出管（ケ−キ生成部） １２ バタフライ弁 １７ 案内板

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ろ過容器下部をホッパ状に縮径させて形
   成されたケ−キ排出部と、該ケ−キ排出部の排出口にこ
   れを開閉すべく回動自在に設けられたバタフライ弁と、
   該弁の直上部から上方の上記容器のケ−キ生成部へ鉛直
   方向に沿って延出され、バタフライ弁の全開位置でその
   弁面と連続したケ−キ案内面を構成する案内板とを備え
   たことを特徴とするろ過機のケ−キ排出装置。