JPH0594292U - タフト針 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】めど（７）の上部縁部（９）の、針の尖端（１
３）から最も離れている領域（２０）は、めど（７）の
中心軸線（８）に対して斜面（６）の方向へずれてい
る。 【効果】めど（７）のなかにある糸の大部分は、針とル
ーパー（２）とが協働する際傾斜滑面（１４）にはな
い。従って、糸が引張荷重を受けてルーパー（２）の方
向へ変位することはない。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】 本考案は、タフト針に関するもので、より厳密には、ピストンに結合している 軸部が平坦に形成され、糸みぞと、針の尖端付近に針の軸線方向に延びる縦長の めどとを有し、該めどが針の尖端とは逆の側の端部に湾曲した上部縁部を有し、 その際軸部の側面が、斜面によって針の１つの縦稜に対して傾斜し、めどの領域 へ達している傾斜滑面によって針の他の縦稜に対して傾斜しているタフト針に関 するものである。 【０００２】 【従来の技術】 この種のタフト針は、適宜に配分してそれぞれ１つの針棒に固定されるか、も しくはいくつかの同じ針が、針棒に固定される針モジュールに統合される。 【０００３】 この種のタフト針を使用する場合、タフト針は基布を貫通し、処理される糸は 針のめどを貫通する。タフト針が基布を貫通した後、ルーパーは針の軸線に対し てほぼ横になされる運動によって針の側面と糸の間へ係入し、その結果針が後退 運動する際に糸が固持され、このようにして糸のループが形成される。続いてこ のループは、所望の商品の種類に応じて切断される。 【０００４】 それぞれの針に付設されるルーパーは、針が下方へ運動する際針に対して横に 旋回し、その際針に設けられた斜面により、ルーパーと針が協働する際の摩擦を 可能な限り少なくさせることができる。続いて針が上方へ運動すると、ルーパー はめどの領域にある傾斜滑面を介して下方へ滑動する。この傾斜滑面は、針が後 退する際に針とルーパーが協働することにより生じる針の湾曲を阻止するために 用いられる。このような針の湾曲は、ルーパーを跳躍させ強い荷重を与えること がある。 【０００５】 特に針が基布を貫通し下方へ運動する際、針のめどのなかにある糸に対して、 針の軸線に平行にかなりの引張力が作用する。この引張力により、ルーパーの作 用領域で糸が傾斜滑面によってルーパーの運動方向に後方へ変位し、同時に部分 的にルーパーの軌道内に侵入する。このため、ルーパーが針と糸の間に到達せず 、ルーパーが糸を分裂させることになる。従って、糸の一部はルーパーによって 巻き付けられるものの、糸の他の部分は針が戻る際にルーパーによって保持され ないことになる。タフト商品の欠陥はこれに起因するものである。 【０００６】 【考案が解決しようとする課題】 本考案の課題は、タフティングマシンが特に迅速に稼動する場合でもこの種の 欠陥を排除するようなタフト針をつくることである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】 上記の課題は、冒頭でも述べた種類のタフト針の場合、本考案によれば、めど の上部縁部の、針の尖端から最も離れている領域が、めどの中心軸線に対して斜 面の方向へずれていることによって解決される。 【０００８】 本考案によるタフト針は、めどの上部縁部の、針の尖端から最も離れている領 域が、めどの中心軸線に対してめどの幅の１０％ないし３５％だけ斜面の方向へ ずれているように形成することができる。 【０００９】 この場合、上部縁部に関する針のめどの最適な構成は、とりわけ使用される糸 に依存している。 【００１０】 本考案によれば、タフト針は、めどの上部縁部の、針の尖端から最も離れてい る領域が、めどの中心軸線に対してめどの幅の２０％だけ斜面の方向へずれてい るように形成することも可能である。 【００１１】 これから得られるめどの上部縁部の構成は、これまでの実験によれば、慣用さ れている多くの糸に対して最適であることが判明した。 【００１２】 【実施例】 次に、本考案によるタフト針の１つの実施例を添付の図面を用いて説明する。 【００１３】 図１のタフト針は、軸部１を有する。軸部１は、針がルーパー２と協働する領 域にみぞ３を有する。ルーパー２は、針が下方へ動く際に矢印４の方向へ動き、 針の軸部１と糸５の間に達する。みぞ３は、斜面６の前に設けられている。この 斜面６により、図１に図示した針側面は、ルーパー２の運動方向に見てやや上向 きになっている。 【００１４】 さらに、針の軸部１はめど７を具備する。めど７は、針の軸線８の方向に延び 、該軸線８に対して対称に形成されている。めど７は、湾曲した上部縁部９と、 前部縁部１０と、後部縁部１１と、下部縁部１２とを有する。前部縁部１０と後 部縁部１１の間隔は、めど７の幅に対応している。 【００１５】 軸部１は、針尖端１３で終わっている。 【００１６】 めど７と針尖端１３の領域には、傾斜滑面１４が設けられている。この滑面１ ４は、めど７の領域から針の後部縦稜まで延びる斜面である。この傾斜滑面１４ により、針が上方へ動く際ルーパー２は跳躍することなしに、或は、衝突するこ となしにみぞ３から針尖端１３の領域へ滑動する。この場合、滑面１４が傾斜し ているため、針がねじれて針側面がルーパー２に対して傾くことはない。しかし この傾斜滑面は、この種の場合公知の構成であり、本考案に係わるものではない 。 【００１７】 図２ないし図６に図示した本考案の実施例は、めどの上部縁部９を除けば前述 した公知のタフト針に対応している。従って、図１ないし図６に図示した実施例 を詳細に説明することはしない。 【００１８】 本考案による実施例では、めどの上部縁部９は針の軸線８に対して対称ではな い。この上部縁部９は、従来のごとく湾曲に形成されているが、最高地点を或は 針の尖端１３から最も離れている領域２０を偏心的に有し、即ち前部縁部１０の 方向へ或は斜面６の方向へずれている。このずれは、実施例では２０％であり、 即ち領域２０は、めどの幅の２０％だけ前部縁部１０の方向へ或は斜面６の方向 へずれている。これに対応して、糸５もめどの幅の２０％だけ同じ方向にずれて いる。これは、糸５が傾斜滑面１４の上に位置しないことを意味している。前述 した公知のタフト針では、傾斜滑面１４により糸がルーパー２の方向へずれるこ とがあった。このようなずれをなくすことにより、糸がルーパーの経路内へ侵入 し、ルーパーによって分裂されることが阻止される。 【００１９】 特に使用される糸に依存して、領域２０のずれがめどの幅の１０％ないし３５ ％の範囲にあるのが有利であることが判明した。 【００２０】 本考案によるタフト針は、単針として針棒と結合可能であり、或はモジュール に統合されることができる。 【００２１】 さらに本考案によるタフト針は、ピストンとして形成することができ、特に丸 形ピストン或は平形ピストンとして形成することができる。また楕円形ピストン として形成することも可能である。 【００２２】 【考案の効果】 本考案によるタフト針のめどの構成により、めどのなかにある糸の大部分は、 針とルーパーとが協働する際傾斜滑面にはない。従って、糸が引張荷重を受けて ルーパーの方向へ変位することはない。

【図面の簡単な説明】 【図１】糸とルーパーを併せて示した従来のタフト針の
下部軸部の側面図である。 【図２】本考案によるタフト針の図１に対応する図であ
る。 【図３】図２の線３−３による断面図である。 【図４】図２の線４−４による断面図である。 【図５】本考案によるタフト針の縦断面図である。 【図６】本考案によるタフト針の図２に示した面に対向
する側の側面である。 【符号の説明】 ６……斜面 ７……めど ９……めどの上部縁部 １３……針の尖端

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 592208323 ホセ ユングベッカー ドイツ連邦共和国 アーヘン ロース・シ ュトラーセ ９−13 (72)考案者 ヴァルター バイヤー ドイツ連邦共和国 エシュヴァイラー パ ッテルンホーフ 30 (72)考案者 ヨアヒム バイヤー ドイツ連邦共和国 アーヘン グナイゼナ ウシュトラーセ 11

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１）ピストンに結合している軸部が平坦に形成され、
   糸みぞと、針の尖端付近に針の軸線方向に延びる縦長の
   めどとを有し、該めどが針の尖端とは逆の側の端部に湾
   曲した上部縁部を有し、その際軸部の側面が、斜面によ
   って針の１つの縦稜に対して傾斜し、めどの領域へ達し
   ている傾斜滑面によって針の他の縦稜に対して傾斜して
   いるタフト針に於て、前記上部縁部（９）の、針の尖端
   （１３）から最も離れている領域（２０）が、めど
   （７）の中心軸線（８）に対して前記斜面（６）の方向
   へずれていることを特徴とするタフト針。 （２）前記上部縁部（９）の、針の尖端（１３）から最
   も離れている領域（２０）が、めど（７）の中心軸線
   （８）に対してめどの幅の１０％ないし３５％だけ前記
   斜面（６）の方向へずれていることを特徴とする、実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載のタフト針。 （３）前記上部縁部（９）の、針の尖端（１３）から最
   も離れている領域（２０）が、めど（７）の中心軸線
   （８）に対してめどの幅の２０％だけ前記斜面（６）の
   方向へずれていることを特徴とする、実用新案登録請求
   の範囲第２項に記載のタフト針。