JPH0594042U - マスタシリンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスタシリンダの軸方向長さの短縮を図るこ
と。 【構成】 取付用フランジ１８に切欠１８ｂを形成し、
液体リザーバ用コネクタ１４を外嵌係合させるボス１２
の外周面の仕上げ加工用空間を確保した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はマスタシリンダに関するもので、詳しくは、独立した液体リザーバを 接続するためのコネクタを備え、かつ端部に取付用フランジを備えたマスタシリ ンダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４および図５は、従来のマスタシリンダを示している。このマスタシリンダ は、ハウジング１とは独立した液体リザーバ２，２を備えている。そして、それ らの液体リザーバ２，２は、車体の適宜個所に設置され、ホース３，３を介して ハウジング１のシリンダ４内に接続される。また、このマスタシリンダでは、ハ ウジング１の一端部に該ハウジング１を倍力装置のケーシング５に締結するため のフランジ６を有している。そして、ハウジング１は、フランジ６に形成した孔 ６ａを使用し、ボルト７ａおよびナット７ｂによって倍力装置のケーシング５に 締結される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このようなマスタシリンダでは、ハウジング１の外周面にボス１ａ を立設し、このボス１ａにコネクタ８の一端８ａを被せ、その外周にクランプ９ を取付けてコネクタ８をハウジング１に係止させている。そして、液体リザーバ ２のホース３をコネクタ８の他端に装着させ、コネクタ８の通路８ｃおよびボス １ａに形成した孔１ｂを経て液体リザーバ２の液体をハウジング１のシリンダ４ 内に供給させている。

【０００４】 したがって、このようなマスタシリンダでは、コネクタ８の一端８ａを受入れ るために、ボス１ａの外周面に仕上げ加工を施す必要がある。そのため、ボス１ ａの周囲、特にボス１ａとフランジ６との間に加工作業が行える空間を確保しな ければならず、それだけマスタシリンダの軸方向長さが長くなってしまう。

【０００５】 本考案の目的は、フランジに工夫を施し、それによって軸方向長さの短縮を画 ったマスタシリンダを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のマスタシリンダでは、ハウジングの一端に、該ハウジングを倍力装置 のケーシング等に締結するためのフランジを有し、かつ上記ハウジングの外周面 に、液体リザーバ用コネクタを外嵌係合させるボスを有するマスタシリンダにお いて、上記フランジを上記ボスに重合または近接させて配置するとともに、上記 フランジの上記ボスの周囲に相対する部分に切欠を形成して、上記ボスの外周面 加工用空間を確保している。

【０００７】

【作用】

本考案のマスタシリンダでは、フランジがボスの加工に障害とならないため、 フランジをボスに重合させることもでき、軸方向長さを短縮することができる。

【０００８】

【実施例】

図１乃至図３は、本考案に係るマスタシリンダを示している。このマスタシリ ンダは、ハウジング１１の外周面にボス１２，１２を有している。ボス１２には 上端面に開口する凹部１２ａが形成されており、該凹部１２ａはハウジング１１ に形成した孔１１ａ，１１ｂを介してシリンダ１３に連通されている。このボス １２の外周面には、コネクタ１４の一端１４ａが嵌着されており、コネクタ１４ はその一端１４ａに巻付けたクランプ１５によってボス１２に係止されている。 そして、コネクタ１４の他端１４ｂにはホース１６の一端が連結され、該ホース １６の他端は液体リザーバ１７に連結される。

【０００９】 また、このマスタシリンダは、一端部にフランジ１８を有している。このフラ ンジ１８は、ボス１２と重合するようにして配置されている。このフランジ１８ は矩形状をなしており、４隅にはボルト挿通孔１８ａが形成されている。さらに 、このフランジ１８には、ボス１２の周囲に相対する部分に段状の切欠１８ｂが 形成されている。この切欠１８ｂは、ボス１２の外周面の仕上加工を行うために 必要なものである。そして、ボス１２の外周面と切欠１８ｂとの間には、工具を 差込むに十分な空間が確保されている。そして、ハウジング１１は、その端部を 倍力装置のケーシング１９の凹部１９ａ内に挿嵌させ、フランジ１８をケーシン グ１９に当接させ、ケーシング１９に固定したボルト２０ａをフランジ１８の孔 １８ａに挿通させ、該ボルト２０ａの先端に螺合させたナット２０ｂによって倍 力装置のケーシング１９に締結される。このように締結されたマスタシリンダは 、段状の切欠１８ｂの凸状部１８ｃを含むフランジ１８の端面がケーシング１９ の凹部１９ａの開口を塞ぎ、塵埃等がケーシング１９内に侵入するのを防止する 。

【００１０】 なお、上記実施例では、コネクタ１４をホース１６を介して液体リザーバ１７ に接続する方式のマスタシリンダを示したが、本考案は液体リザーバ１７に直接 コネクタ１４の他端を連接させる方式のマスタシリンダにも適用できることは言 うまでもない。

【００１１】 また、上記実施例では、ハウジング１１を倍力装置のケーシング１９に締結し ているが、本考案に係るマスタシリンダは車体に締結することもできる。

【００１２】

【考案の効果】

上記したように、本考案に係るマスタシリンダでは、取付用フランジをボスに 重合または近接させても、ボス外周面の仕上げ加工ができる。したがって、マス タシリンダの軸方向長さを短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るマスタシリンダの縦断面図であ
る。

【図２】本考案に係るマスタシリンダの平面図である。

【図３】本考案に係るマスタシリンダを端面方向から示
した正面図である。

【図４】従来のマスタシリンダを示した縦断面図であ
る。

【図５】従来のマスタシリンダの正面図である。

【符号の説明】

１１ ハウジング １２ ボス １４ コネクタ １５ クランプ １７ 液体リザーバ １８ フランジ １８ａ ボルト挿通孔 １８ｂ 切欠 １９ ケーシング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングの一端に、該ハウジングを倍
   力装置のケーシング等に締結するためのフランジを有
   し、かつ上記ハウジングの外周面に、液体リザーバ用コ
   ネクタを外嵌係合させるボスを有するマスタシリンダに
   おいて、上記フランジを上記ボスに重合または近接させ
   て配置するとともに、上記フランジの上記ボスの周囲に
   相対する部分に切欠を形成して、上記ボスの外周面加工
   用空間を確保したことを特徴とするマスタシリンダ。