JPH059307U - バツクル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルトストッパーをバックル本体に軸着した
タイプのバックルにおいて、軸孔がバックルの外表面に
現れない、体裁のよいバックルを単純な組立操作によっ
て製作する。 【構成】 バックル本体１にベルトストッパー部材３を
軸着する際、バックル本体１の裏面の両側縁部２に凹陥
部８を設け、この凹陥部８に嵌め込まれる保持部材９を
別途設け、凹陥部８にベルトストッパー部材３の支持軸
４を横架した後に、支持軸４を覆うように保持部材９を
凹陥部８に嵌め込み、バックル本体１に突設された突起
６、７などを加締めることによって保持部材９をバック
ル本体１に固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、トレンチコート、スキーウエア、リュックサック、ショルダーバ ッグなどのベルトの止め具として使用するバックルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種のバックルに関し、バックル本体にベルトストッパー部材を装着す る手段として知られている一例は、バックル本体の両側壁に設けた軸孔の一端部 周縁に薄肉連結部を介してベルトストッパー部材の支持軸を連結した状態で、バ ックル本体とベルトストッパー部材とを一体成形し、後に支持軸を回動して支持 軸両端の薄肉連結部を捩り切ってバックル本体とベルトストッパー部材とに分離 したバックル（実開昭６２−９８５０７号公報参照）が知られている。

【０００３】 また、他の先行例としては、バックル本体の両側壁に設けた凹孔にベルトスト ッパー部材の支持軸を軸着する際、まずバックル本体の両側壁を外方に拡げ、そ の状態で凹孔に支持軸を嵌挿させ、その後で側壁を復元させてバックル本体にベ ルトストッパー部材を軸着させたバックル（実公昭５５−９２１２号公報参照） が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前項で述べた公知のバックルについて、まず第一例のバックルは、バックル本 体の両側壁外表面にベルトストッパー部材の支持軸を軸支するための軸孔が現出 されており、バックルの外観上体裁がよくない。またベルトストッパー部材の支 持軸はバックル本体から捩り切って分離するので、往々にして連結薄片が残留し 支持軸の回動が円滑に行えない場合がある。

【０００５】 また、第二の公知例のバックルは、バックル本体にベルトストッパー部材の支 持軸を装着する場合、バックル本体の両側壁をまず外方に拡げ、その状態で支持 軸を凹孔に嵌挿し、しかる後に両側壁を復元させなければならない。従ってバッ クルの組立上、あらゆる方向から加工操作をしなければならず、一定方向からの 加工が不可能であるので、いきおい組立加工操作が煩雑である。

【０００６】 この考案は、上述の問題点を解消するため考案されたもので、バックルの使用 時に、ベルトストッパー部材を支持する支持軸の軸孔がバックルの外表面に現れ ず、体裁のよいバックルを単純な組立操作、すなわちバックルの裏側からの組立 加工によって容易に製作できるバックルを提供することが目的である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、この考案のバックルは、バックル本体の裏面両側 縁部に、ベルトストッパー部材の支持軸を軸支する凹部を備えた凹陥部をバック ル本体の外表面に現れないように凹設し、この凹陥部に嵌合でき、かつベルトス トッパー部材の支持軸を軸支する凹部を備えた保持部材を凹陥部に嵌装し、前記 支持軸が軸支された状態で保持部材をバックル本体に固定したことである。

【０００８】 そして保持部材をバックル本体に固定する手段として、バックル本体の凹陥部 において、ベルトストッパー部材の支持軸を軸支する凹部を挟んで突起を対向的 に突設し、この突起に挿嵌できる孔部を穿設した保持部材を凹陥部に嵌合し、突 起の先端を拡開変形させて保持部材をバックル本体に固定させたことである。

【０００９】 さらに他の固定手段として、バックル本体において、凹陥部に面した縁部の一 部に隆起部を形成し、この隆起部に対応して端縁部に凹窪部を形成した保持部材 を凹陥部に嵌合し、隆起部を凹窪部に向け変形させて保持部材をバックル本体に 固定させたことである。

【００１０】

【作用】

この考案のバックルは、上述のような構成であり、バックル本体の裏面両側縁 部に、押圧タイプまたは止ピンタイプのベルトストッパー部材を軸着する。その 際ベルトストッパー部材に備えられている支持軸を、バックル本体の外表面に現 出しないよう補助部材すなわち保持部材を使用して軸着する。ベルトストッパー 部材は、バックル本体に軸支された支持軸を中心として回動し、ベルトを自由に 所定の個所で係止するものである。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案のバックルの実施例について図面を参照しながら具体的に説明 する。

【００１２】 この考案に関するバックルの第一実施例は、図１から図４に示すとおり、金属 製または合成樹脂製の環状のバックル本体１の裏面両側縁部２，２に押圧タイプ のベルトストッパー部材３の略中央に配設された支持軸４，４を軸着する。軸着 するに際しては、バックル本体１の縁部２，２に支持軸４，４を軸支するための 凹部５，５を備え、かつこの凹部５，５を挟んで突起６，６、７，７を対向して 突設した凹陥部８，８をバックル本体１の外表面に現出しないように凹設する。

【００１３】 一方この凹陥部８，８に嵌合する保持部材９，９を作製し、保持部材９，９は前 記ベルトストッパー部材３の支持軸４，４を軸支するための凹部１０，１０を備 え、かつ前記突起６，６、７，７に嵌挿することができ、しかも口縁部分が拡大 した形状の孔部１１，１１、１２，１２を対設してある。この保持部材９，９を 前記凹陥部８，８に嵌合し、ベルトストッパー部材３の支持軸４，４を軸支させ るとともに、孔部１１，１１、１２，１２に突起６，６、７，７を嵌挿して突起 ６，６、７，７の先端を図４で示すとおり、工具１３などで押圧して拡開し加締 める。この加締操作によって保持部材９，９をバックル本体１に固定する。なお 合成樹脂製のバックル本体１の場合は、工具１３を加熱し加圧することによって 突起６，６、７，７の先端を変形させ、保持部材９，９をバックル本体１の凹陥 部８，８に固定する。

【００１４】 次に図５、６、７は、保持部材の固定手段についての変形例を示したもので、 バックル本体１４の裏面両側縁部１５に凹設された凹陥部１６は、その縁部の端 部寄りに隆起部１７、１８が形成されている。そしてこの凹陥部１６に嵌合する 保持部材１９は、前記隆起部１７、１８に対応して端縁部に凹窪部２０、２１が 形成されている。その他の構成は第一実施例の構成と同一である。この保持部材 １９は凹陥部１６に嵌合され、しかる後にバックル本体１４に突設された隆起部 １７、１８を凹窪部２０、２１に対して加圧変形させる。すなわち加締めること によって保持部材１９をバックル本体１４の凹陥部１６に固定する。

【００１５】 図８、９、１０は、止ピンタイプのバックルの実施例を示したもので、環状の バックル本体２２の裏面両側縁部２３，２３に、止ピン２４を備えたベルトスト ッパー部材２５の支持軸２６，２６を軸支するための凹部２７，２７を備え、か つ凹部２７，２７を挟んで突起２８，２８、２９，２９を対設した凹陥部３０， ３０をバックル本体２２の外表面に現出しないように凹設した構成、およびこの 凹陥部３０，３０に嵌合され、ベルトストッパー部材２５の支持軸２６，２６を 軸支するための凹部３１，３１を備え、かつ前記対設された突起２８，２８、２ ９，２９に嵌挿することができる孔部３２，３２、３３，３３を穿設した保持部 材３４，３４の各構成は前記第一実施例の構成と同様である。そして保持部材３ ４，３４を凹陥部３０，３０に嵌合するとともに、孔部３２，３２、３３，３３ に突起２８，２８、２９，２９を嵌挿して、突起２８，２８、２９，２９の先端 を変形させて保持部材３４，３４をバックル本体２２の凹陥部３０，３０に固定 する。

【００１６】 以上説明した保持部材の固定手段は、バックル本体に配設された突起あるいは 隆起部の変形による固定であるが、保持部材と凹陥部とを接着剤で固定してもよ く、また前記加締などの固定手段と接着剤による固定手段とを併用することもで きる。

【００１７】

【考案の効果】

この考案のバックルは、以上説明したとおりの構成であり、バックル本体の裏 面側に凹陥部を設け、かつ凹陥部はバックル本体の外表面に現出しないよう形成 し、この凹陥部にベルトストッパー部材の支持軸を軸支するための凹部を備えた 保持部材を嵌装して、支持軸を軸支した状態で保持部材を固定したので、ベルト ストッパー部材の支持軸を軸着する組立加工がきわめて簡易であり、しかも固定 個所がバックル本体の外表面に現れない裏面側であるから、バックルの外観上の 体裁を損うことがなく、体裁のよいバックルを提供することができる。

【００１８】 また、バックル本体の裏面側において、バックル本体に突設した突起または隆 起部を加締などの手段によって変形させ、ベルトストッパー部材を一方向からの 組立加工によって装着できるので、一連の機械加工工程で自動的に組立加工がで きるから、品質の均一なバックルを安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】バックルの一実施例の背面図である。

【図２】同上のバックルの使用状態を示した縦断面図で
ある。

【図３】図１におけるＡ−Ａ線の断面図である。

【図４】図１におけるＢ−Ｂ線の断面図である。

【図５】バックルの他の実施例における要部の背面図で
ある。

【図６】図５におけるＣ−Ｃ線の断面図である。

【図７】図５におけるＣ−Ｃ線に相当する部分の加工前
の要部斜視図である。

【図８】バックルのさらに他の実施例の背面図である。

【図９】図８におけるＤ−Ｄ線の縦断面図である。

【図１０】図８におけるＥ−Ｅ線の断面図である。

【符号の説明】

１ バックル本体 ２ 縁部 ３ ベルトストッパー部材 ４ 支持軸 ５ 凹部 ６、７ 突起 ８ 凹陥部 ９ 保持部材 10 凹部 11、12 孔部 14 バックル本体 15 縁部 16 凹陥部 17、18 隆起部 19 保持部材 20、21 凹窪部 22 バックル本体 23 縁部 25 ベルトストッパー部材 26 支持軸 27 凹部 28、29 突起 30 凹陥部 31 凹部 32、33 孔部 34 保持部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バックル本体の裏面両側縁部に、ベルト
   ストッパー部材の支持軸を軸支する凹部を備えた凹陥部
   を外表面に現出しないよう凹設し、この凹陥部に嵌合で
   き、かつ支持軸を軸支する凹部を備えた保持部材を凹陥
   部に嵌装し、支持軸が軸支された状態で保持部材をバッ
   クル本体に固定したことを特徴とするバックル。
2. 【請求項２】 バックル本体の凹陥部において、凹部を
   挟んで突起を対設し、この突起に嵌挿できる孔部を穿設
   した保持部材を凹陥部に嵌合し、突起を変形させて保持
   部材をバックル本体に固定した請求項１記載のバック
   ル。
3. 【請求項３】 バックル本体において、凹陥部に面した
   縁部の一部に隆起部を形成し、この隆起部に対応して端
   縁部に凹窪部を形成した保持部材を凹陥部に嵌合し、隆
   起部を変形させて保持部材をバックル本体に固定した請
   求項１記載のバックル。