JPH0591829A - 生物発光を触媒する酵素の遺伝子導入による形質転換動物 - Google Patents

生物発光を触媒する酵素の遺伝子導入による形質転換動物

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JPH0591829A
JPH0591829A JP3249460A JP24946091A JPH0591829A JP H0591829 A JPH0591829 A JP H0591829A JP 3249460 A JP3249460 A JP 3249460A JP 24946091 A JP24946091 A JP 24946091A JP H0591829 A JPH0591829 A JP H0591829A
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Kazuya Matsumoto
和也 松本
Kenji Miyata
堅司 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 未分化の細胞から分化した状態への過程、組
織、器官形成過程における分化や、さらにその分化に関
わる物質についての研究に有益な形質転換動物を提供す
る。 【構成】 細胞標識の一つである生物発光を触媒する酵
素、例えば、ホタル・ルシフェラーゼの遺伝子を、その
発現を制御するニワトリのβ−アクチンプロモータ配列
の制御下にもつ組換え遺伝子を、哺乳動物の生殖系列の
細胞等の分化全能性を有する細胞に外来遺伝子として導
入した形質転換動物を作出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物発光を触媒する酵
素の遺伝子導入により作成した形質転換動物及びそれよ
り派生する細胞に関するものである。
【0002】
【発明の背景と従来の技術】発生工学的技術の発展なら
びに分子生物学の知識の急激な蓄積に伴い、遺伝子を人
為的に操作し、さらに動物個体へ導入することが可能に
なつた(Gordon,JW.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,7
7:7380-7384,1980 )。
【0003】そして、従来その生物に備っていない外来
性の遺伝形質を人為的に付加、あるいは生物が持ってい
る内在性の遺伝形質の発現を抑制する方法も開発される
にいたり、様々な形質転換動物が作り出され形質転換動
物として報告されている。
【0004】このようななかで、遺伝子工学等技術によ
つて単離されクローン化された様々な遺伝子の機能を明
らかにする上で、形質転換動物の利用が重要なものとな
っている。つまり、これまで株化細胞や初代培養細胞な
ど体外培養細胞を用いていたため、得られる知見も限ら
れてきた遺伝子の機能解析について、個体レベルでの研
究が可能となつたのである。特に、クローン化された遺
伝子の生物体内での発生時期特異的並びに組織特異的発
現機構の解析に関しては、この形質転換動物を利用した
実験・研究は、盛んである。
【0005】こうした導入遺伝子の組織特異的発現の解
析には、生物組織内での発現を同定することが必須であ
る。現在、この発現検定のレポーター遺伝子として、大
腸菌由来のβ‐ガラクトシダーゼ(LacZ)もしくは
クロラムフエニコールアセチルトランスフエラーゼ(C
AT)の酵素をコードする遺伝子が使われている(Samb
rook et al.,In Molecular Coling 2nd Ed.,Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press,1989)。しかし、これらの
酵素を検出する操作の煩雑さ及びそのアッセイの感受性
の点、さらに定量・定性的な面からそれぞれ劣る所が認
められている。
【0006】一方、未分化の細胞から分化した状態への
過程、組織・器官形成過程に於ける分化や、さらにその
分化に関わる物質についての研究も、生物学的探求に限
らず医学的な面から急速に進歩している。このような個
体発生過程の研究上、細胞分化及び細胞系列に関する実
験では、細胞標識の技術が重要な役割を果している。こ
れまで、細胞を追跡する方法として、外来的に細胞にF
ITCなどの蛍光物質や西洋わさぴぺルオキシダーゼな
どの発色物質を注入し細胞を標識する方法、あるいは内
在的に時期・組織特異的発現をする遺伝子産物を利用す
る方法が取られてきた(Mintz,B and Illmensee,K.,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,72:3585-3589,1975 )。また、細
胞に外来性の遺伝子を導入して発現するタンパク質によ
って標識する実験法も示され、前述のLacZ、CAT
の遺伝子が使われている(花岡・鍋島,組織培養,16:5
25-529,1990 )。
【0007】このような中で、最近、ホタル・ルシフェ
ラーゼ、細菌性・ルシフェラーゼやオワンクラゲ・エク
オリンなどの生物発光を触媒する酵素が注目されてき
た。この酵素は、高い検出感度をもつこと、哺乳動物の
細胞には内在性に存在しないためバックグラウンドが無
いこと、さらにその検出操作が簡便でかつ検出が短時間
であり、かつ定量的な結果を得るのに優れており、さら
に細胞群においてその酵素の空間的分布を視認できる特
徴を持っている(Schauer,AT,TIBTEH,6:23-27,1988)。
【0008】つまり、細胞標識の新しい酵素として、組
織特異的発現の同定及び細胞追跡ヘの応用が期待されて
いる。実際、植物に於いて、ホタル・ルシフェラーゼの
遺伝子を導入したタバコが作り出されており(Ow,Dw.et
al.,Science,234:856-859,1986、Barnes,WN.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,87:9183-9187,1990、Schneider,M.,Plan
t.Mol.Sci.,14:935-947,1990)、そのレポーター遺伝子
としての有効性について検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この本発明の目的は、
発現の検出が鋭敏で容易な生物発光を触媒する酵素の遺
伝子を導入することで、該酵素を内在性に産生する形質
転換動物及びその動物に由来する細胞を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決する手段及び作用】本発明者は上記の目的
を達成するために特許請求の範囲の各請求項に記載の発
明を完成した。
【0011】本発明において、生物発光を触媒する酵素
の遺伝子としては、例えば北米産ホタルPhotinus pyral
isのルシフェラーゼの遺伝子を例示することができ、ま
たその遺伝子の組織特異的発現をするプロモーター配列
としては、代表的にはニワトリのβ‐アクチン遺伝子プ
ロモーターを例示することができるとした。
【0012】上記において北米産ホタルPhotinus Pyral
isのルシフェラーゼの遺伝子とは、北米産ホタルPhotin
us pyralisの発光器から得られたルシフェラーゼのcD
NAをいう(de Wet,J.R.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,82:7870-7873,1986)。このルシフェラーゼは、19
56年に初めて精製、結晶化された分子量62000 の単一
鎖のタンパク質で(Green,A.A.and McElroy,W.D.,Bioch
im,Biophys.Acta,20:170-178,1956 )、これが触媒する
発光反応は、ルシフェリンを基質とした2段階の反応で
あり、最終的に黄緑光(最大波長560nm)の光を放
出する。
【0013】一方、β−アクチンは、あらゆる細胞に存
在し、細胞骨格の維持等多くの細胞機能に関係する細胞
質性のアクチンタンパク質のひとつである。そして、こ
の蛋自質のアミノ酸配列は、真核生物全般に良く保存さ
れており、その構造構伝子のホモロジーも著しく高いこ
とが知られているが、プロモーター領域については、各
生物種間で類似性が低いことが示されている。それらの
なかで、特にニワトリのβ−アクチン遺伝子のプロモー
ターは、各種の培養細胞で強い発現効率を有しているこ
とが認められている。
【0014】本発明によれば、既存の遺伝子には本来存
在しない生物発光を触媒する酵素の遺伝子を染色体上に
新たに組み込ませた動物が作成される。そして、その形
質転換動物及びそれに由来する細胞には、生物発光を触
媒する酵素が産生されるため、生物発光を標識として組
織内での細胞の分布や状態の解析が可能となる。したが
って、動物の個体発生の研究上、特に細胞の多様性を生
みだす過程である細胞分化、個々の細胞が分化し発生し
てきた系譜を作りだしていく細胞系列の基礎研究に於い
て、生物発光を触媒する酵素の遺伝子を導入した形質転
換動物は、付加価値の高い細胞を提供することが期待で
きる。さらに、新しくクローン化された遺伝子の組織特
異的発現並びに発生時期特異的な発現を解析する上で、
動物への遺伝子導入の際に生物発光を触媒する酵素の遺
伝子をレポーター遺伝子として用いることは優れた手段
となりうる。そして、これらの研究から得られた知見
は、人への医学へ応用が予期され、臓器移植などの臨床
への貢献が期待される。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、発現の検出が鋭敏で容
易な生物発光を触媒する酵素の遺伝子を導入すること
で、該酵素を内在性に産生する形質転換動物及びその動
物に由来する細胞を提供することができるという効果が
ある。
【0016】
【実施例】以下に実施例を示す。ただし、以下の実施例
は、上記の特許の請求範囲を制限するものではない。
【0017】実施例1:導入用遺伝子を含むプラスミッド(pβact−Lu
c)の構築及び導入用遺伝子断片(βact−Luc)
の調製 導入用遺伝子断片(ニワトリ・β−アクチン/ホタル・
ルシフェラーゼ遺伝子:βact−Luc)の作成過程
の工程図を第1図に示す。
【0018】(l)pUCβactの構築 ニワトリ・β―アクチン遺伝子のプロモーター部分がク
ロ−ン化されているpβact‐cat9(Fregien,N.
and Davidson,N.,Gene,48:1-11,1986 )を制限酵素Sc
aI及びHindIIIで処理して、ニワトリ・β−アク
チンのプロモーター領域の遺伝子を含む断片(約4K
b)を0.8%アガロースゲルで電気泳動後単離、精製
した。次に、この断片をT4DNAリガーゼによつてプ
ラスミッドベクターpUC118のScaI−Hind
IIIの領域に挿入した。このプラスミッドDNAによっ
て、コンピテント状態の大腸菌JM109株を形質転換
させて、得られた形質転換体をアンピシリンプレートで
選択した。個々のコロニーごとにLB培地(Trypton 10
g/l ,Yeast Extract 5g/l,NaCl 10g/l)で一晩増殖さ
せ、ミニプラスミッド調整を行なった。そして、抽出し
たプラスミッドDNAを種々の制限酵素を使って消化し
た後にアガロース電気泳動することで、挿入断片のサイ
ズ及び位置方向を調ベた。その結果、正しい方向に組み
込まれているコロニーについて、pUCβactと称し
た。
【0019】(2)pβact−PAの構築 Simian Virus40の初期プロモーターのス
プライシング領域及びポリアデニレーションシグナル領
域を含む断片(約850bP)を、pMAMneo−l
uc(CLONTECH Lab,Inc.,#6171-1 )を制限酵素Sal
I及びBamHIで消化し、アガロースで電気泳動させ
て精製、単離した。そして、この断片に上記(1)で構
築したpUCβactを同じ2つの制限酵素で消化して
得た断片(約5,8Kb)を連結させた。得られたプラ
スミッドで大腸菌JM109を形質転換させた後、ミニ
プラスミッド調整を行なって、得られたプラスミッドD
NAについて位置方向を検討して、目的のものをpβa
ct−PAとした。
【0020】(3)pβact−Lucの構築 pMAMneo−lucをSalIで消化後、アガロー
スで電気泳動して精製してルシフェラーゼの相補DNA
を含む断片(約l.9Kb)を得た。これを、T4DN
Aポリメラーゼ処理することで両末端を平滑化した後、
エタノール沈殿して緩衝液を変えてから、さらに仔牛小
腸由来のアルカリフォスファターゼ(CIAP)で処理
して脱リン酸化し、フェノール/クロロフオルム抽出及
びエタノール沈殿処理を行ない精製した。最後に、これ
にリン酸化したHindIII リンカーをT4DNAリガ
ーゼによつて連結させた断片をHindIII 及びXho
Iで消化し、1%アガロースゲル電気泳動をして精製
し、末端がHindIII ならびにXhoIであるルシフ
ェラーゼの相補DNAを含む挿入断片を調製した。
【0021】次に、すでに上記(2)で構築したプラス
ミッドpβact−PAをHindIII 及びXhoI制
限酵素部位で消化し、その後アガロースゲルで精製した
断片(約7.6Kb)を得た。この断片と既得のルシフ
ェラーゼの相補DNAを含む挿入断片を混合した後、T
4DNAリガーゼによつて連結環状化させたプラスミッ
ドを大腸菌JM109の形質転換に用いた。そして、ミ
ニプラスミッド調整を行ない、制限酵素を用いた検定に
よって形質転換体を選択し、ニワトリのβ−アクチンの
プロモーターの下流域にホタルのルシフェラーゼの相補
DNAが位置しているプラスミッドを、pβact−L
ucと称した。
【0022】(4)導入用遺伝子断片(βact−Lu
c)の調製 pβact−Lucで形質転換している大陽菌JM10
9よりLB培地を用いて、プラスミッド調製を行い、更
にこのプラスミッドを塩化セシウム密度勾配を用いた遠
心法によつて精製させた。得られた精製プラスミッドD
NA5μgを制限酵素PstI及びPvuII消化後、1
%アガロースゲル電気泳動し、ニワトリのβ−アクチン
のプロモーターとホタルのルシフェラーゼの相補DNA
連結しているDNA断片(約4,8Kb)を含むゲルを
分離した。このゲルより、DNAをガラス粒子(Gene C
LEAN II,FUNAKOSI,Co.)に吸着させて精製し、エタノー
ル沈殿処理して、TE緩衝液(10mM Tris-HCl ,1mM EDT
A ,pH7.4)で100μg/mlに調製した導入用遺伝子
断片(βact−Luc)を得た(第2図)。
【0023】実施例2:導入用遺伝子(βact−Luc)のマウス受精卵への
注入及びその受精卵の移植 (1)導入用遺伝子(βact−Luc)のマウス受精
卵への注入 実験動物として、C57BL/6系マウス及びICR系
マウスを用いた。4〜5週齢のC57BL/6系雌マウ
スにPMSGを5IU、その48時問後にhCGを5I
U投与することで過排卵誘起を行い、hCG注射後直ち
にICR系雄マウスと同居させて交配した。翌日に、交
配をした雌個体から、卵管から、M2培養液(Quinn,P.
et al.,J.Reprod.Fertil.66:161-168,1982)を用いて前
核期の受精卵を回収し、遺伝子導入の実験に供した。
【0024】導入用遺伝子には、注入操作直前にTE緩
衝液(10mM Tris-HCl ,1mM EDTA ,pH7.4)で4μg/m
lに再調製したものを用いた。受精卵への遺伝子の注入
は、既報(Hogan,B.et al.,In Manipulating the Mouse
Embryo.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,198
6)に従って行なった。すなわち、M2培養液中で受精
卵を保持用ガラスピペットで保定後、微小ガラスピペッ
トを用いて遺伝子溶液を雄性前核に注入した。
【0025】(2)遺伝子注入をした受精卵の移植 注入操作後、受精卵は、精管結紮した成熟ICR系雄マ
ウスと交配した偽妊娠1日目の成熟ICR系雌マウスの
卵管へ移植した。卵管移植後19日目に剖検より胎児を
取り出し、ICR系雌マウスの里親に授乳させた。
【0026】実施例3:遺伝子導入マウスに於ける導入遺伝子の同定 剖検3週間後に、里親より離乳させ、このマウスの尾部
の先端部分約1cmを麻酔下で切断し採取した。尾部の
細胞より高分子DNAを抽出・精製した後、サザンブロ
ッティング法及びフィルタ−ハイブリダイゼイシヨン法
によって、導入した遺伝子断片がマウスの染色体上に組
み込まれていることを調ベた。つまり、制限酵素Bam
HIで完全に消化させた10μgの高分子DNAを1%
アガロース電気泳動した後、ナイロンフィルタ−(Hibo
ndN,Amersham)にDNAを転写した。フィルタ−は、風
乾後UV照射を行ないDNAを固定させて、フィルタ−
ハイブリダイゼイシヨンに供した。フィルタ−ハイブリ
ダイゼイションは、ECLGENE DETECTION SYSTEM (RP
N 2101,Amersham )によって行ない、アマシヤム社製の
フィルム(Hyperfilm-ECL )に1〜3時問露光させるこ
とで、導入した遺伝子断片のマウス染色体への組み込み
を確認した。
【0027】これら結果を、表1に示した。遺伝子注入
を行なった受精卵95個を移植した所、17匹の胎児を
得た。しかし、3匹が死亡もしくは食殺されたため、離
乳期まで迎えた14匹のマウスについて導入遺伝子の検
定を行ない、うち3匹のマウスにおいて遺伝子導入され
ていることが確認された。
【0028】
【表1】
【0029】実施例4:遺伝子導入マウスに於ける産生されたルシフェラーゼ活
性の測定 遺伝子導入マウスから各組織を取り出し洗浄後、300
μlの細胞抽出用液(100mM Potassium phoshate,1mM D
ithiothreitol,pH7.5 )を加え氷中においてl分間ホモ
ジナズした。次に、この細胞懸濁液を遠心処理して、上
清を回収し細胞抽出液とした。
【0030】ルシフェラーゼ活性は、ルミノメーター
(ルミフォトメーターTD−4000、LABO SCIENSE.C
o.)を用いて測定した。つまり、得られた細胞抽出液か
ら20μlを取り、350μlの反応液(25mM Glycylg
lycine,5mM ATP ,15mM MgSO4,pH7.5 )に加え、ルミノ
メーターにセツトする。1mMのルシフェリンを100
μl急激に混和させることで反応を開始させ、開始後1
0秒の発光量を測定した。なお、ルシフェラーゼの活性
は、ピーク時の測定値を各抽出液中の総蛋白量で補正し
て得られた。表2には、各遺伝子導入マウスにおける導
入遺伝子のコピー数及び尾部組織から抽出したルシフェ
ラーゼ活性を示した。
【0031】
【表2】
【0032】つまり、いずれの個体も、ホタル・ルシフ
ェラーゼを産生していることが認められた。また、遺伝
子導入されたマウスの個体に於ける各組織の細胞のルシ
フェラーゼ活性を表3に示した。その結果、全組織の細
胞抽出液にルシフェラーゼ活性が検出された。したがっ
て、全組織の細胞中にホタル・ルシフェラーゼを産生し
ている形質転換マウスが得られたことが示された。
【0033】
【表3】
【0034】実施例5:染色体上における導入遺伝子の組み込み部位に関してホ
モ状態であるマウスの作出 得られた3系統の遺伝子導入マウス(Fo Luc9102121 、F
o Luc9102191 、Fo Luc9102192 )を、遺伝子導入してい
ないC57BL/6系統のマウスと交配し第一世代の子
孫を得た。このうち遺伝子の組み込みを確認された子孫
は、ホタル・ルシフェラーゼを含む導入遺伝子断片の組
み込み部位に関してヘテロの状態で保持されている個体
である。次ぎに、これらヘテロである雄及び雌個体を交
配させて兄弟交配を行ない、第二世代の子孫を作った。
この子孫の各個体において、抽出したDNAを使った記
述のサザンブロッティング法及びフィルターハイブルダ
イゼイション法の解析より、導入した遺伝子断片のマウ
スの染色体上で組み込まれたコピー数を決定した。その
結果、そのコピー数がヘテロ状態である親のマウスより
2倍であるマウスが得られた。したがって、このマウス
は導入した遺伝子断片部位が染色体に組み込まれた部位
に関して、ホモの状態であるマウスを作出したことが示
された。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、導入用遺伝子断片(ニワトリ・β−
アクチン/ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子:βact−
Luc)の作成過程の工程図である。
【図2】第2図は、導入用遺伝子断片(ニワトリ・β−
アクチン/ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子:βact−
Luc)の基本的な構造図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生物発光を触媒する酵素の遺伝子を、動
    物の分化全能性を有する細胞に導入したことを特徴とす
    る形質転換動物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、動物が哺乳動物であ
    る形質転換動物。
  3. 【請求項3】 請求項1において、生物発光を触媒する
    酵素の遺伝子を導入した細胞が、生殖系列の細胞である
    形質転換動物。
  4. 【請求項4】 請求項1において、遺伝子導入された生
    物発光を触媒する酵素の遺伝子が、組織特異的発現をす
    るプロモーター配列の制御下にある形質転換動物。
  5. 【請求項5】 請求項4において、組織特異的発現をす
    るプロモーター配列が、ニワトリのβ−アクチン遺伝子
    プロモーターである形質転換動物。
  6. 【請求項6】 請求項1において、生物発光を触媒する
    酵素の遺伝子が、ホタルのルシフェラーゼを発現する遺
    伝子である形質転換動物。
  7. 【請求項7】 請求項1において、生物発光を触媒する
    酵素の遺伝子が、へテロ状態で保持されている形質転換
    動物。
  8. 【請求項8】 請求項1において、生物発光を触媒する
    酵素の遺伝子が、ホモ状態で保持されている形質転換動
    物。
  9. 【請求項9】 請求項1の形質転換動物から、分離・採
    取した、生物発光を触媒する酵素の遺伝子が導入されて
    いる生細胞。
  10. 【請求項10】 請求項9の生細胞から系統化された組
    織細胞。
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