JPH0589817A - 複合分析装置 - Google Patents
複合分析装置Info
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- JPH0589817A JPH0589817A JP3076886A JP7688691A JPH0589817A JP H0589817 A JPH0589817 A JP H0589817A JP 3076886 A JP3076886 A JP 3076886A JP 7688691 A JP7688691 A JP 7688691A JP H0589817 A JPH0589817 A JP H0589817A
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Landscapes
- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 二次イオン質量分析(SIMS)及びイオン
散乱分析(ISS)を複合することにより、試料の組成
の同定を容易とし、定量性も可能であり、高感度で効率
的な試料の分析を可能とする。 【構成】 質量分析装置では、イオン源1からのイオン
ビームが照射され、これによって固体試料2の表面から
散乱される散乱イオンは、入射レンズ部3と、アライン
メント・デフレクター部4及び四重極質量分析計5等の
二次イオン分離装置を介し、その後方側方に設けられた
二次イオン検出器6と、あるいは、後方に配置された散
乱イオン及び中性粒子検出器7に導入される。すなわ
ち、行なわれる分析の種類によって二次イオン質量分析
装置とイオン散乱分光装置とに切り替え、組成分析を行
うことが可能となる。
散乱分析(ISS)を複合することにより、試料の組成
の同定を容易とし、定量性も可能であり、高感度で効率
的な試料の分析を可能とする。 【構成】 質量分析装置では、イオン源1からのイオン
ビームが照射され、これによって固体試料2の表面から
散乱される散乱イオンは、入射レンズ部3と、アライン
メント・デフレクター部4及び四重極質量分析計5等の
二次イオン分離装置を介し、その後方側方に設けられた
二次イオン検出器6と、あるいは、後方に配置された散
乱イオン及び中性粒子検出器7に導入される。すなわ
ち、行なわれる分析の種類によって二次イオン質量分析
装置とイオン散乱分光装置とに切り替え、組成分析を行
うことが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体表面に形
成された薄膜層等の微量不純物等を分析するのに用いら
れる質量分析装置に関し、特に、二次イオン質量分析及
び低エネルギーイオン散乱分光によって固体試料の質量
分析の同定を容易にし、さらに、その定量性をも可能な
らしめる複合分析装置に関する。
成された薄膜層等の微量不純物等を分析するのに用いら
れる質量分析装置に関し、特に、二次イオン質量分析及
び低エネルギーイオン散乱分光によって固体試料の質量
分析の同定を容易にし、さらに、その定量性をも可能な
らしめる複合分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体表面に形成される薄膜層等の微量
不純物を高精度で検出するため方法として、一般に数百
eVから25keV程度の運動エネルギーを持つイオン
ビームを固体試料表面に照射し、その照射表面から散乱
される二次イオンを分析して固体試料表面の質量分析を
行う二次イオン質量分析(SIMS)は既に広く知られ
ており、また、多く実用化されている。
不純物を高精度で検出するため方法として、一般に数百
eVから25keV程度の運動エネルギーを持つイオン
ビームを固体試料表面に照射し、その照射表面から散乱
される二次イオンを分析して固体試料表面の質量分析を
行う二次イオン質量分析(SIMS)は既に広く知られ
ており、また、多く実用化されている。
【0003】また、固体試料表面の散乱イオンの散乱角
及び入射イオンのエネルギーと質量が既知のとき、散乱
イオンのエネルギーを測定することによって、固体表面
原子の組成を測定するイオン散乱分析(ISS)が知ら
れている。
及び入射イオンのエネルギーと質量が既知のとき、散乱
イオンのエネルギーを測定することによって、固体表面
原子の組成を測定するイオン散乱分析(ISS)が知ら
れている。
【0004】ところで、SIMSは、イオンのみの質量
分析を行う、つまり、試料表面からの2次イオンの質量
の分析が可能であり、これは、直接質量差で測定してい
るので、元素分析は確実である。しかしながら、定量性
に関しては期待することが出来ない。
分析を行う、つまり、試料表面からの2次イオンの質量
の分析が可能であり、これは、直接質量差で測定してい
るので、元素分析は確実である。しかしながら、定量性
に関しては期待することが出来ない。
【0005】一方、ISSでは、試料表面から散乱され
る散乱イオン及び散乱中性粒子も測定することが可能で
あるが、それは、飛行時間法を使うからである。すなわ
ち、飛行時間を測定する方法により、中性粒子でもイオ
ンでも、飛んでくる時間を測定するため、ディテクト出
来れば測定できる訳である。しかしながら、普通は、エ
ネルギー分析法としては、ビームを曲げてエネルギー分
析を行うため、イオンしか測定することが出来ない。
る散乱イオン及び散乱中性粒子も測定することが可能で
あるが、それは、飛行時間法を使うからである。すなわ
ち、飛行時間を測定する方法により、中性粒子でもイオ
ンでも、飛んでくる時間を測定するため、ディテクト出
来れば測定できる訳である。しかしながら、普通は、エ
ネルギー分析法としては、ビームを曲げてエネルギー分
析を行うため、イオンしか測定することが出来ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、試料の極表面の組成分析法として
は、ISSは非常に優れてはいるが、多重散乱や非弾性
散乱したものがデータに含まれる可能性があり、そのた
め、ISSのみによって試料の表面組成を議論すること
は非常に難しく、注意が必要である。そのため、場合に
よっては、さらに他の分析結果と比較しなくてはならな
い。また、SIMSも、感度は優れているが、得られる
データーは、試料の最表面の情報のみとは限らない。
従来技術においては、試料の極表面の組成分析法として
は、ISSは非常に優れてはいるが、多重散乱や非弾性
散乱したものがデータに含まれる可能性があり、そのた
め、ISSのみによって試料の表面組成を議論すること
は非常に難しく、注意が必要である。そのため、場合に
よっては、さらに他の分析結果と比較しなくてはならな
い。また、SIMSも、感度は優れているが、得られる
データーは、試料の最表面の情報のみとは限らない。
【0007】そこで、本発明は、これら両方のデータを
相補することで、試料の極表面組成分析をより確実なも
のとすることが可能となり、また、飛行時間法によるI
SSの測定により、中性粒子をも測定でき、さらには、
シャドーイング効果等をも考慮に入れられれば、その定
量性もある程度期待でき、当然、SIMSのデータも定
量的なデータを得る上で重要となるという発明者の認識
に基づいて提案されたものである。
相補することで、試料の極表面組成分析をより確実なも
のとすることが可能となり、また、飛行時間法によるI
SSの測定により、中性粒子をも測定でき、さらには、
シャドーイング効果等をも考慮に入れられれば、その定
量性もある程度期待でき、当然、SIMSのデータも定
量的なデータを得る上で重要となるという発明者の認識
に基づいて提案されたものである。
【0008】また、ISSは、主に散乱イオンのエネル
ギー分析を行って組成分析を行うものであり、イオンを
見る限りにおいては、極表面層のみの組成分析が行い得
る。さらに、ISSは、中性粒子も測定することが出来
る飛行時間法を採用することにより、その際にはシャド
ーイング効果とブロッキング効果の分離が必要となる
が、これによりある程度の定量性を期待することが出来
る。
ギー分析を行って組成分析を行うものであり、イオンを
見る限りにおいては、極表面層のみの組成分析が行い得
る。さらに、ISSは、中性粒子も測定することが出来
る飛行時間法を採用することにより、その際にはシャド
ーイング効果とブロッキング効果の分離が必要となる
が、これによりある程度の定量性を期待することが出来
る。
【0009】さらに、ISSは、散乱イオンを測定して
いる限りは固体試料の極表面に対する検出感度は最も優
れており、その上、中性粒子も測定できるならば、中性
化率を見積もることも可能となり、定量性も可能となっ
てくる。
いる限りは固体試料の極表面に対する検出感度は最も優
れており、その上、中性粒子も測定できるならば、中性
化率を見積もることも可能となり、定量性も可能となっ
てくる。
【0010】そこで、本発明の目的は、ISSとSIM
Sとを複合させることにより、固体試料の表面組成の同
定が容易で、かつ、その定量性も期待できる質量分析装
置を提供することである。
Sとを複合させることにより、固体試料の表面組成の同
定が容易で、かつ、その定量性も期待できる質量分析装
置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、イオンビームを発生照射するイオン源と、上記
イオン源から照射されるイオンビームにより固体試料表
面から散乱する散乱イオン及び2次イオンを取り込む入
射レンズ部と、上記入射レンズ部の後方に設けられ、入
射された2次イオンの質量を分析する質量分析装置と、
得られた散乱イオンからイオン散乱分光によって上記固
体試料の組成分析を行うイオン散乱分光装置とを備えた
複合分析装置によって達成されることとなる。
よれば、イオンビームを発生照射するイオン源と、上記
イオン源から照射されるイオンビームにより固体試料表
面から散乱する散乱イオン及び2次イオンを取り込む入
射レンズ部と、上記入射レンズ部の後方に設けられ、入
射された2次イオンの質量を分析する質量分析装置と、
得られた散乱イオンからイオン散乱分光によって上記固
体試料の組成分析を行うイオン散乱分光装置とを備えた
複合分析装置によって達成されることとなる。
【0012】
【作用】すなわち、上記の本発明になる複合分析装置に
よれば、二次イオン質量分析(SIMS)を行う際に
は、固体試料表面から入射レンズ部を介して取り込まれ
たイオンを後方の二次イオン質量分析装置へ供給し、一
方、イオン散乱分析(ISS)を行う際には、固体試料
表面から入射レンズ部を介して取り込まれて得られた散
乱イオンから、飛行時間法によって上記固体試料の組成
分析を行うことから、高い感度で、かつ、定量性をも持
った組成分析が可能となり、測定試料の同定も容易にな
る。
よれば、二次イオン質量分析(SIMS)を行う際に
は、固体試料表面から入射レンズ部を介して取り込まれ
たイオンを後方の二次イオン質量分析装置へ供給し、一
方、イオン散乱分析(ISS)を行う際には、固体試料
表面から入射レンズ部を介して取り込まれて得られた散
乱イオンから、飛行時間法によって上記固体試料の組成
分析を行うことから、高い感度で、かつ、定量性をも持
った組成分析が可能となり、測定試料の同定も容易にな
る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照しながら詳細に説明する。添付の図1には、本発
明の一実施例である複合分析装置の構造が示されてお
り、図において、符号1は、いわゆる照射イオンを発生
するイオン源を示しており、エネルギーが数100eV
から数keVのイオンを、分析されるべき固体試料2の
表面上に照射する。この入射イオンビームは、固体試料
2の表面に照射すると、試料2を構成している原子との
力学的相互作用と電子的相互作用との2種類の衝突過程
を受けながら試料内に侵入し、ついには試料内で停止す
るか、試料表面で散乱される。
を参照しながら詳細に説明する。添付の図1には、本発
明の一実施例である複合分析装置の構造が示されてお
り、図において、符号1は、いわゆる照射イオンを発生
するイオン源を示しており、エネルギーが数100eV
から数keVのイオンを、分析されるべき固体試料2の
表面上に照射する。この入射イオンビームは、固体試料
2の表面に照射すると、試料2を構成している原子との
力学的相互作用と電子的相互作用との2種類の衝突過程
を受けながら試料内に侵入し、ついには試料内で停止す
るか、試料表面で散乱される。
【0014】試料原子は、入射イオンと弾性衝突の結
果、運動エネルギーをもらい受け、そのエネルギーが結
晶格子のポテンシャルエネルギー(通常、5〜25e
V)以上になると格子点からはじき出され、さらに近く
の試料原子と順次衝突を繰り返す。この衝突鎖が試料2
の表面に達し、背面方向成分のエネルギーが原子の結合
エネルギーを超えると、試料原子は真空中に放出される
こととなる。この放出された試料原子は、その大部分が
中性であるが、その一部は正または負のイオンとして、
上記固体試料2の情報を持って放出される。
果、運動エネルギーをもらい受け、そのエネルギーが結
晶格子のポテンシャルエネルギー(通常、5〜25e
V)以上になると格子点からはじき出され、さらに近く
の試料原子と順次衝突を繰り返す。この衝突鎖が試料2
の表面に達し、背面方向成分のエネルギーが原子の結合
エネルギーを超えると、試料原子は真空中に放出される
こととなる。この放出された試料原子は、その大部分が
中性であるが、その一部は正または負のイオンとして、
上記固体試料2の情報を持って放出される。
【0015】すなわち、二次イオン質量分析(SIM
S)では、試料2が一次イオンの照射を受けてその表面
から放出する二次イオンを、直接質量分析計にかけて元
素分析を行うものであり、一方、イオン散乱分析(IS
S)では、数100eVないし数keVの低速イオンを
照射した結果生じる試料表面での散乱イオンのエネルギ
ーを測定して組成分析するものである。
S)では、試料2が一次イオンの照射を受けてその表面
から放出する二次イオンを、直接質量分析計にかけて元
素分析を行うものであり、一方、イオン散乱分析(IS
S)では、数100eVないし数keVの低速イオンを
照射した結果生じる試料表面での散乱イオンのエネルギ
ーを測定して組成分析するものである。
【0016】本発明になる複合分析装置は、一体として
の装置により、上記の二次イオン質量分析(SIMS)
及び低エネルギーイオン散乱分析(ISS)を、適宜、
選択的に行うことを可能とするものであり、図にも示す
ように、表面の組成が測定される固体試料2に近接して
設けられた入射用の電子レンズ部3と、その後方に配置
されたアラインメント・デフレクター部4及び四重極質
量分析計5と、上記四重極質量分析計の後方に隣接して
側方に設けられた二次イオン検出器6と、上記四重極質
量分析計の後方に設けられた散乱イオン及び散乱中性粒
子検出器7とから構成されている。
の装置により、上記の二次イオン質量分析(SIMS)
及び低エネルギーイオン散乱分析(ISS)を、適宜、
選択的に行うことを可能とするものであり、図にも示す
ように、表面の組成が測定される固体試料2に近接して
設けられた入射用の電子レンズ部3と、その後方に配置
されたアラインメント・デフレクター部4及び四重極質
量分析計5と、上記四重極質量分析計の後方に隣接して
側方に設けられた二次イオン検出器6と、上記四重極質
量分析計の後方に設けられた散乱イオン及び散乱中性粒
子検出器7とから構成されている。
【0017】このアラインメント・デフレクター部4
は、入射された散乱イオンを整列すると共に、散乱イオ
ンのカットオフ等に使用されるものである。また、上記
の実施例では、二次イオン検出器6としては、いわゆ
る、2次電子増倍管が採用されており、さらに、散乱イ
オン及び散乱中性粒子検出器7としては、ダリー・ディ
テクタが採用されている。このダリー・ディテクターの
原理は、印加したAl板にイオンが照射されることで電
子が発生し、この電子をシンチレーション検出器に誘導
して測定するというものである。また、図中の符号8
は、いわゆるドリフト・チューブを示し、符号9は引き
出し電極を示している。このドリフトチューブ8の前段
部にはスリットプレート10が配置され、このスリット
プレート10は、スイッチ11によってAモード及びB
モードが切り替え可能になっている。さらに、上記の入
射用の電子レンズ部3にはセクタ電極31が設けられ、
やはり、スイッチ32によってAモードあるいはBモー
ドが切り替えられる様になっており、また、上記引き出
し電極9もスイッチ91の働きによってAモードあるい
はBモードに切り替えられる。
は、入射された散乱イオンを整列すると共に、散乱イオ
ンのカットオフ等に使用されるものである。また、上記
の実施例では、二次イオン検出器6としては、いわゆ
る、2次電子増倍管が採用されており、さらに、散乱イ
オン及び散乱中性粒子検出器7としては、ダリー・ディ
テクタが採用されている。このダリー・ディテクターの
原理は、印加したAl板にイオンが照射されることで電
子が発生し、この電子をシンチレーション検出器に誘導
して測定するというものである。また、図中の符号8
は、いわゆるドリフト・チューブを示し、符号9は引き
出し電極を示している。このドリフトチューブ8の前段
部にはスリットプレート10が配置され、このスリット
プレート10は、スイッチ11によってAモード及びB
モードが切り替え可能になっている。さらに、上記の入
射用の電子レンズ部3にはセクタ電極31が設けられ、
やはり、スイッチ32によってAモードあるいはBモー
ドが切り替えられる様になっており、また、上記引き出
し電極9もスイッチ91の働きによってAモードあるい
はBモードに切り替えられる。
【0018】添付の図2には、上記アラインメント・デ
フレクター部4のアラインメント部分の電極41、41
…の構造が、添付の図3には四重極質量分析計5の電極
51、51…の構造が、それぞれ、断面図で示されてい
る。
フレクター部4のアラインメント部分の電極41、41
…の構造が、添付の図3には四重極質量分析計5の電極
51、51…の構造が、それぞれ、断面図で示されてい
る。
【0019】以上に説明した本発明になる複合分析装置
によれば、まず、二次イオン質量分析(SIMS)を行
う場合、イオン源1で、イオンビームを固体試料1の表
面上に照射する。一方、装置のスイッチ、引き出し電極
9のスイッチ91、セクタ電極31のスイッチ32及び
スリットプレート10のスイッチ11がAモード側に切
り替えられる。これにより、固体試料1の表面からの2
次イオンは、図中で実線で示されるように、負の電界が
印加される引き出し電極9やセクタ電極31、さらに
は、アラインメント・デフレクター部4及び四重極質量
分析計5の働きにより質量分析され、ドリフトチューブ
前段の正の電界が印加されたスリットプレート10によ
って側方に偏向され、もって、二次イオン検出器6とし
ての2次電子増倍管に直接導入され、この二次イオンに
よって発生する電荷パルスを検出することにより元素分
析が行われる。また、四重極質量分析計5は、イオンの
質量分析を行うのみであり、以下に説明するISSモー
ドの時は、ダリー・ディテクターの手前の電位は全て0
Vにする。但し、その際には、デフレクターのみ印加す
る場合がある。
によれば、まず、二次イオン質量分析(SIMS)を行
う場合、イオン源1で、イオンビームを固体試料1の表
面上に照射する。一方、装置のスイッチ、引き出し電極
9のスイッチ91、セクタ電極31のスイッチ32及び
スリットプレート10のスイッチ11がAモード側に切
り替えられる。これにより、固体試料1の表面からの2
次イオンは、図中で実線で示されるように、負の電界が
印加される引き出し電極9やセクタ電極31、さらに
は、アラインメント・デフレクター部4及び四重極質量
分析計5の働きにより質量分析され、ドリフトチューブ
前段の正の電界が印加されたスリットプレート10によ
って側方に偏向され、もって、二次イオン検出器6とし
ての2次電子増倍管に直接導入され、この二次イオンに
よって発生する電荷パルスを検出することにより元素分
析が行われる。また、四重極質量分析計5は、イオンの
質量分析を行うのみであり、以下に説明するISSモー
ドの時は、ダリー・ディテクターの手前の電位は全て0
Vにする。但し、その際には、デフレクターのみ印加す
る場合がある。
【0020】一方、低エネルギーイオン散乱分析(IS
S)を行う場合には、まず、イオン源1から、一般に数
百eVから数keV程度の運動エネルギーを持つイオン
ビームを固体試料1の表面上に照射する。一方、上記の
装置の引き出し電極9のスイッチ91、セクタ電極31
のスイッチ32及びスリットプレート10のスイッチ1
1は、Aモード側からBモード側に切り替えられる。B
モードは接地側で、固体試料1の表面から散乱される散
乱イオンは、図中に破線で示すように、何の障害もな
く、ドリフトチューブ8を通過して散乱イオン及び散乱
中性粒子検出器7であるダリー・ディテクタに導入さ
れ、その飛行時間が計測されて組成分析が行われること
となる。但し、場合によっては、デフレクターまたはダ
リー・ディテクターへの印加電位によって、中性粒子と
イオンとが分別される。すなわち、ダリー・ディテクタ
ーは、電位(−10kV)を掛けた場合、イオンが入射
した時の電子の発生効率と中性粒子が衝突した時の電子
の発生効率では2桁から3桁違うので、電位印加時のシ
グナル強度と、中性時のシグナル強度との比較により、
中性粒子の場合とイオンの場合のシグナル強度の違いを
比較できる。また、デフレクターに電位を印加してイオ
ンを曲げてもよい。
S)を行う場合には、まず、イオン源1から、一般に数
百eVから数keV程度の運動エネルギーを持つイオン
ビームを固体試料1の表面上に照射する。一方、上記の
装置の引き出し電極9のスイッチ91、セクタ電極31
のスイッチ32及びスリットプレート10のスイッチ1
1は、Aモード側からBモード側に切り替えられる。B
モードは接地側で、固体試料1の表面から散乱される散
乱イオンは、図中に破線で示すように、何の障害もな
く、ドリフトチューブ8を通過して散乱イオン及び散乱
中性粒子検出器7であるダリー・ディテクタに導入さ
れ、その飛行時間が計測されて組成分析が行われること
となる。但し、場合によっては、デフレクターまたはダ
リー・ディテクターへの印加電位によって、中性粒子と
イオンとが分別される。すなわち、ダリー・ディテクタ
ーは、電位(−10kV)を掛けた場合、イオンが入射
した時の電子の発生効率と中性粒子が衝突した時の電子
の発生効率では2桁から3桁違うので、電位印加時のシ
グナル強度と、中性時のシグナル強度との比較により、
中性粒子の場合とイオンの場合のシグナル強度の違いを
比較できる。また、デフレクターに電位を印加してイオ
ンを曲げてもよい。
【0021】また、図において、上記二次イオン検出器
6としての2次電子増倍管と上記散乱イオン及び散乱中
性粒子検出器7であるダリー・ディテクタ内に設けられ
たスイッチ61及び71は、散乱イオンを検出するCモ
ードと、散乱中性粒子を検出するDモードを切り替える
ためのスイッチである。
6としての2次電子増倍管と上記散乱イオン及び散乱中
性粒子検出器7であるダリー・ディテクタ内に設けられ
たスイッチ61及び71は、散乱イオンを検出するCモ
ードと、散乱中性粒子を検出するDモードを切り替える
ためのスイッチである。
【0022】
【発明の効果】上記の詳細な説明からも明かな様に、本
発明になる複合分析装置によれば、二次イオン質量分析
(SIMS)及びイオン散乱分析(ISS)を複合する
ことにより、固体試料の表面組成の同定が容易で、か
つ、その定量性をも可能にし、高感度で効率的な試料の
分析が可能となると共に、装置の設置場所も少なくて済
み、その製造コストも共用化により著しく低減できると
いう極めて優れた効果を発揮することとなる。
発明になる複合分析装置によれば、二次イオン質量分析
(SIMS)及びイオン散乱分析(ISS)を複合する
ことにより、固体試料の表面組成の同定が容易で、か
つ、その定量性をも可能にし、高感度で効率的な試料の
分析が可能となると共に、装置の設置場所も少なくて済
み、その製造コストも共用化により著しく低減できると
いう極めて優れた効果を発揮することとなる。
【0023】
【図1】本発明になる質量分析装置の全体構成を示す概
略図。
略図。
【図2】上記図1のアラインメント電極構造を示すE−
E断面図。
E断面図。
【図3】上記図1の四重極質量分析計の電極構造を示す
F−F断面図。
F−F断面図。
1 イオン源 2 固体試料 3 入射用の電子レンズ部 4 アラインメント・デフレクター部 5 四重極質量分析計 6 二次イオン検出器 7 散乱イオン及び散乱中性粒子検出器 8 ドリフトチューブ 9 引き出し電極 10 スリットプレート
Claims (2)
- 【請求項1】 イオンビームを発生照射するイオン源
と、上記イオン源から照射されるイオンビームにより固
体試料表面から散乱する散乱イオン及び2次イオンを取
り込む入射レンズ部と、上記入射レンズ部の後方に設け
られ、入射された2次イオン及び散乱イオンの質量を分
析する質量分析装置と、得られた散乱イオンからイオン
散乱分光によって上記固体試料の組成分析を行うイオン
散乱分光装置とを備えたことを特徴とする複合分析装
置。 - 【請求項2】 上記請求項1において、上記質量分析装
置は四重極質量分析計であることを特徴とする複合分析
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3076886A JPH0589817A (ja) | 1991-03-16 | 1991-03-16 | 複合分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3076886A JPH0589817A (ja) | 1991-03-16 | 1991-03-16 | 複合分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0589817A true JPH0589817A (ja) | 1993-04-09 |
Family
ID=13618122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3076886A Pending JPH0589817A (ja) | 1991-03-16 | 1991-03-16 | 複合分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0589817A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5199094A (ja) * | 1974-03-25 | 1976-09-01 | Max Planck Gesellschaft | |
JPS5214481A (en) * | 1975-06-27 | 1977-02-03 | Minnesota Mining & Mfg | Ion diffusion spectrometer using two analyzers in combination |
-
1991
- 1991-03-16 JP JP3076886A patent/JPH0589817A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5199094A (ja) * | 1974-03-25 | 1976-09-01 | Max Planck Gesellschaft | |
JPS5214481A (en) * | 1975-06-27 | 1977-02-03 | Minnesota Mining & Mfg | Ion diffusion spectrometer using two analyzers in combination |
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