JPH0589461U - 紡績機械の自動停止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡績機械にトラブルが発生した場合に当該機
械を自動的に停止させるようにする。 【構成】 一定方向から移送されてくるスライバをバッ
クローラを経由してギルボックスに供給する紡績機械に
おいて、スライバの移動経路における前記バックローラ
よりも前の部分にスライバが切断したことを検出するス
ライバ切れ検出手段を設けるとともに、バックローラと
ギルボックス間でスライバが一定量以上盛り上がったこ
とを検出するスライバ詰まり検出手段を設け、かつ、こ
れらスライバ切れ検出手段およびスライバ詰まり検出手
段がトラブルを検出すると機台を停止させる停止手段と
を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、仕上インタ等の紡績機械において機台にトラブルが発生した場合に 当該機台を自動的に停止させる自動停止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図１に示す如く、複数本（３〜４本）のスライバをドラフトしつつ梳毛し、１ 本の均整化されたスライバ（トップ）に仕上げる紡績機械である。仕上インタ１ は、梳毛用のギルをギルボックス２の内部に備え、該ギルの前後に各一対のドラ フト用ローラがそれぞれ設けられている。ギルに対してスライバ経路の上手側の ドラフト用ローラがバックローラ、下手側のドラフト用ローラがフロントローラ である。ケンス３，…から引き出されるスライバ４，…はスライバ供給部５の複 数のガイドローラを経由してギルに連続的に供給される。仕上がったトップ６は トランペット７によって綾振り状に振り分けられ、ボビン８に巻き取られる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この工程では、スライバがバックローラによって強くドラフトされるため、特 にスライバが細い場合には、ケンスからバックローラに至るまでのスライバ供給 部でスライバが切れやすい。スライバ切れを放置しておくと仕上がったトップが ゲレン不足となったり、ギルへの導入部にスライバが詰まるというトラブルが生 じるためスライバ切れが発生した場合、即座に機械を停止させて適切な処置をと らねばらない。

【０００４】 しかしながら、従来は、作業者が担当持ち場を歩きながら多数の機械を監視し ていたので、スライバ切れやスライバ詰まりの発見が遅れることがあった。さら に、ある機械のトラブルを処置中に他の機械にトラブルが発生することもある。 このような場合、トラブルが発生したまま機械が運転されることとなり、ゲレン 変動等による品質低下の原因となっていた。また、処置が遅れるほど、処置に要 する時間が長くなるので、機械の稼働率が低下するという問題もある。

【０００５】 本考案は上記事情に鑑み、スライバ切れやスライバ詰まりが発生した場合に、 自動的にその機械を即座に停止させるようにすることを課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は次のように構成した。すなわち、本考案 にかかる自動停止装置は、一定方向から移送されてくるスライバをバックローラ を経由してギルボックスに供給する紡績機械において、スライバの移動経路にお ける前記バックローラよりも前の部分にスライバが切断したことを検出するスラ イバ切れ検出手段を設けるとともに、、バックローラとギルボックス間でスライ バが一定量以上盛り上がったことを検出するスライバ詰まり検出手段を設け、か つ、これらスライバ切れ検出手段およびスライバ詰まり検出手段がトラブルを検 出すると機台を停止させる停止手段とを設けたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】

スライバ切れ検出手段によって、スライバの経路における前記バックローラ以 前にスライバが切断したことを検出するとともに、スライバ詰まり検出手段によ って、ギルへの導入部にスライバ詰まりが発生したことを検出する。これらトラ ブルが発生すると、停止手段が機台を停止させる。

【０００８】

【実施例】

図２は図１に示す仕上インタ１の要部をあらわす図である。図中の１０はギル で、多数の針１１，…を植設した上下一対のフォーラ１２，１２がスライバの経 路を挟んで設けられており、該一対のフォーラが矢印方向に移動してスライバ４ の繊維を櫛けずるようになっている。また、１３はバックローラ、１４はフロン トローラで、これらドラフト用ローラは、スライバ４を挟持した状態で所定方向 に回転してスライバ４を牽伸する。

【０００９】 スライバ供給部５はガイドローラ１６〜１９を有し、ケンス３から引き出され るスライバ４を一旦上方へ引き上げて繊維の捩じれや絡み等を除去した後、ギル １０と同レベルまで下降させるようになっている。バックローラ１３，１３の後 方に水平なガイドプレート２０が設けられており、スライバ４はこのガイドプレ ート２０に沿ってバックローラ１３，１３の間隔部に送り込まれる。

【００１０】 前記ガイドプレート２０の後部延長上に光電管式のスライバ切れ検出手段２２ が設けられている。正常時は図２において実線で示す経路に沿ってスライバ４が 移送されるが、ガイドローラ１８よりも上流側でスライバ４が切断すると、スラ イバの切断端部４ａが鎖線で示す如く落下して光電管２２ａの光を遮るので、ス ライバ切れが検出されるのである。このスライバ切れ検出手段２２は各条のスラ イバ切れの検出に対応している。なお、ガイドローラ１８よりも下流側部分は、 スライバ４がほぼ直線状に移送されるので、スライバ切れはあまり生じない。

【００１１】 また、バックローラ１３，１３とギルボックス２の間には、光電管式のスライ バ詰まり検出手段２３が設けられている。この光電管２３ａはスライバの経路よ りも若干上方に位置しているので、スライバ４が正常に移送されている時は光電 管２３ａの光を遮断しないが、ギル１０への導入部でスライバ詰まりが発生する と、溜ったスライバ４がバックローラ１３，１３とギルボックス２の間で盛り上 がり、光電管２３ａの光を遮ることによりトラブルが検出されるのである。なお 、スライバ詰まりは、スライバが太すぎてフォーラ１２，１２の櫛けずり作用の 限界を超えた場合等に起こる。

【００１２】 上記スライバ切れ検出手段２２およびスライバ詰まり検出手段２３は機台を停 止させる停止手段２４に接続されており、これら検出手段２２，２３がスライバ 切れやスライバ詰まりを検出すると停止手段２４が働いて機台を自動的に停止さ せるようになっている。

【００１３】

【考案の効果】 以上に説明したように、本考案にかかる紡績機械の自動停止装置は、スライバ 切れやスライバ詰まり等のトラブルが発生した場合に、即座に機台を自動的に停 止させるので、仕上がったトップのゲレン変動を防止できるとともに、トラブル が発生しても短時間で処置でき、機械の稼働率が向上した。

【図面の簡単な説明】

【図１】仕上インタの全体斜視図である。

【図２】本考案を施した仕上インタの要部をあらわす図
である。

【符号の説明】

１ 仕上インタ（紡績機械） ２ ギルボックス ４ スライバ ７ ボビン １０ ギル １３ バックローラ（ドラフト用ローラ） １４ フロントローラ（ドラフト用ローラ） ２２ スライバ切れ検出手段 ２３ スライバ詰まり検出手段 ２４ 停止手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定方向から移送されてくるスライバを
   バックローラを経由してギルボックスに供給する紡績機
   械において、スライバの移動経路における前記バックロ
   ーラよりも前の部分にスライバが切断したことを検出す
   るスライバ切れ検出手段を設けるとともに、バックロー
   ラとギルボックス間でスライバが一定量以上盛り上がっ
   たことを検出するスライバ詰まり検出手段を設け、か
   つ、これらスライバ切れ検出手段およびスライバ詰まり
   検出手段がトラブルを検出すると機台を停止させる停止
   手段とを設けたことを特徴とする自動停止装置。