JPH058922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばグリドル等のように、複数の
炎口を横方向に並設して構成され、且つ、流量調
整可能な一次空気と燃料ガスとを予混合状態で前
記複数の炎口に導く構成のバーナを、容積制限さ
れた空間内に備え、複数の炎口の上方部位に平板
状の被加熱物体を備え、複数の炎口に形成される
燃焼炎に対して二次空気を空間の下方部位より流
量制限して供給するとともに、燃焼炎により生成
される排気を、被加熱物体の下方で、バーナより
も上方一側方位置に配設される排気部に導いて、
空間より排気する加熱装置に関する。

〔従来の技術〕

従来この構成の加熱装置にあつては、燃焼を良
好におこなわせる（特に不完全燃焼・リフト等を
抑制する）ために、一次空気量を少なくかつ二次
空気量を多くするように、燃焼用空気供給部を構
成していた（文献を示すことができない）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記の従来技術では、一次空気量が少
ない故に、炎が長くなつてバーナと被加熱物体の
間隔（燃焼室高さ）が大になると共に、炎の噴出
速度が小さくなり、燃焼ガスから被加熱物体への
対流電熱効果が悪くなり、その上、燃料ガスとの
混合効率が悪い二次空気の比率が大きい故に、完
全燃焼に必要な全空気供給量が多くなつて燃焼ガ
ス温度が低くなり、全体として加熱効率がかなり
低くなる欠点があつた。さらに、上述のバーナと
被加熱物体との間隔（燃焼室高さ）に関して説明
すると、上述のような構成の加熱装置において
は、排ガスと燃焼炎との干渉がおきやすく、燃焼
を不安定化させるとともに、加熱効率の低下を起
こすこととなる意味からも、上述の燃焼室高さを
かなり余裕をみて大きく選択する必要があつた。

本発明の目的は、燃焼空間が制限され、この燃
焼空間内において予混合状態の燃焼ガスに二次空
気を供給して被加熱物体を加熱する加熱装置を、
燃焼状態及び加熱効率が良好でコンパクトなもの
にする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、ガスバーナを電気絶縁状
態で装置本体に取り付け、アースされた被加熱物
体とガスバーナとの間隔を30mm〜40mmとするとと
もに、両者間に−3KV〜−8KVの直流電場を形
成する電源装置をガスバーナに接続してあること
にあり、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、各種実験の結果（実施例参照）、上述
のように被加熱物体とガスバーナとの間に直流電
場を形成すると、たとえば炭化水素分が多くて燃
焼速度の遅いガス、例えば都市ガス18A，12A，
11A，6AやLPG等であつても、一次空気量を十
分に多くしながら炎のリフトを十分にかつ保炎孔
やリフト抑え板無しで防止できることが判つた。

したがつて、二次空気量を速度に少なくしなが
らの一次空気量増大によつて、全空気量を減少さ
せて燃焼ガスを高温化できると共に、炎を短縮さ
せて燃焼室高さを減少でき、かつ、炎の噴出速度
を増大させて燃焼ガスの被加熱物体との衝突速度
に増大でき、全体として加熱効率を大巾に、例え
ば20％も向上できるようになつた。さらに、上述
の状況により、排ガスの機器内からの排出が従来
よりも効率的に起こるとともに、排ガスと燃焼炎
との干渉が起きにくくなり、燃焼状態を加熱効率
の高い状態で安定化させることができた。

〔考案の効果〕

その結果、炎のリフトや不完全燃焼の無い良好
なガスバーナの燃焼を確実に維持できると共に、
効率良く加熱できて、燃焼性能及び燃費のいずれ
においても優れた加熱装置を提供できるようにな
つた。

〔実施例〕

次に、第１図により実施例を示す。

上部が開口した箱状の装置本体１を鉄板２で蓋
し、望ましくは開口量変更可能な二次空気孔３を
装置本体１の下部に形成し、空気流入制限が可能
であるとともに、その容積が制限されている空間
４を形成し、その空間４にガスバーナＢを設ける
と共に排気部としての排気筒１４を接続し、もつ
て、家庭用や業務用のグルドルを構成してある。

ガスバーナＢにおいて、上向炎口５を並設した
パイプ６の適当数を設け、ゴムホース７に接続し
たノズル８からの燃料ガスと開閉調節具９付一次
空気孔１０からの燃焼用空気とを混ぜる混合管１
１をパイプ６に接続してある。

導電性のガスバーナＢと装置本体１との間に電
気絶縁材１２を介装して、ガスバーナＢを電気絶
縁状態で取付け、直流電源装置１３のマイナス極
をガスバーナＢにかつプラス極を鉄板２に夫々接
続し、鉄板２をアースし、もつて、鉄板２とガス
バーナＢとの間隔を30mm〜40mmとするとともに、
その間に−3KV〜−8KVの直流電場を形成する
ように構成してある。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

ガスバーナＢ、その装置本体１への取付構成、
電源装置１３、その他の具体構成は適当に変更で
きる。

電源装置１３のプラス極をアースさせるための
構成は自由に変更できる。

鉄板２に代えて各種の加熱対象を設置でき、そ
れらを被加熱物体２と総称する。

加熱装置の用途や燃料ガスの種類は不問であ
る。

〔実施例〕

次に実験結果を示す。

実施例に示したものに類似したグリドルを用
い、都市ガス13Aを、圧力調整器を介してガスバ
ーナに供給し、一次空気孔の開度と燃料ガス供給
圧を変更しながら、安定燃焼域を調べた。

燃焼室高さが30mmの場合、−3KV〜−8KVの直
流電場をガスバーナと鉄板の間に形成すると、第
２図イの斜視部分が安定燃焼域となり、直流電場
が無いと、第２図ロの斜線部分が安定燃焼域であ
つた。

また、燃焼室高さが40mmの場合、同様に直流電
場を形成すると第３図イの斜線部分が、かつ、直
流電場が無いと第３図ロの斜線部分が夫々安定燃
焼域であつた。即ち、第２図ロ、第３図ロの場
合、一次空気孔１０の開度を夫々２又は４以上に
すると、リフトを起こして安定燃焼しない。

以上から、直流電場を形成すると一次空気量を
大巾に増大できることが判つた。

そして、直流電場の電位差を変化させたとこ
ろ、電位差が8KVよりも大きいとスパークし、
電位差が3KVより小さいとリフト防止効果が不
十分であつた。

また、燃焼室高さが30mm未満であると、排気不
良による不完全燃焼が生じた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例を示す概略縦断面図
であり、第２図及び第３図は実験結果を示すグラ
フである。 １……装置本体、２……被加熱物体、１３……
電源装置、Ｂ……ガスバーナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の炎口５を横方向に並設して構成され、且
   つ、流量調整可能な一次空気と燃料ガスとを予混
   合状態で前記複数の炎口５に導く構成のバーナＢ
   を、容積制限された空間４内に備え、前記複数の
   炎口５の上方部位に平板状の被加熱物体２を備
   え、前記複数の炎口５に形成される燃焼炎に対し
   て二次空気を前記空間４の下方部位より流量制限
   して供給するとともに、前記燃焼炎により生成さ
   れる排気を、前記被加熱物体２の下方で、前記バ
   ーナＢよりも上方一側方位置に配設される排気部
   に導いて、前記空間４より排気する加熱装置であ
   つて、前記ガスバーナＢを電気絶縁状態で装置本
   体１に取り付け、アースされた前記被加熱物体２
   と前記ガスバーナＢとの間隔を30mm〜40mmとする
   とともに、両者間に−3KV〜−8KVの直流電場
   を形成する電源装置１３を前記ガスバーナＢに接
   続してある加熱装置。