JPH0588509A - 半導電性ロール - Google Patents

半導電性ロール

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JPH0588509A
JPH0588509A JP27688091A JP27688091A JPH0588509A JP H0588509 A JPH0588509 A JP H0588509A JP 27688091 A JP27688091 A JP 27688091A JP 27688091 A JP27688091 A JP 27688091A JP H0588509 A JPH0588509 A JP H0588509A
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resistance
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正明 犬伏
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隆史 山本
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三郎 林
Kazunobu Hashimoto
和信 橋本
Hiroyasu Kato
宏泰 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【構造】 芯金20の外周に導電性弾性体層21が円周
に沿つて形成され、この導電性弾性体層21の外周に第
1抵抗調整層22が、そしてこの第1抵抗調整層22の
外周に第2抵抗調整層23が、さらに第2抵抗調整層2
3の外周に保護層24が形成されている。上記第2抵抗
調整層23は、疎水性合成樹脂をマトリツクス成分と
し、このマトリツクス成分中に導電材を分散含有させた
疎水性合成樹脂組成物によつて構成されている。 【効果】 電気抵抗の耐環境依存性および均一性に優
れ、例えばプリンター等の高速の機種にも対応すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真方式を使用
した複写機,プリンター等に用いられる帯電ロール,現
像ロール等に用いられる半導電性ロールに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機は、感光ドラムの表面に
原稿像を静電潜像として形成し、これにトナーを付着さ
せてトナー像を形成し、このトナー像を複写紙に転写す
ることにより複写を行うものである。この場合、感光ド
ラム表面に対して静電潜像を形成させるには、予め感光
ドラム表面を帯電させ、その帯電部分に対して原稿像を
光学系を介して投射し、光の当たつた部分の帯電を消す
ことにより静電潜像をつくるということが行われてい
る。上記静電潜像の形成に先立つて感光ドラム表面を帯
電させる方式として、コロナ放電方式が一般的である。
上記コロナ放電方式は、感光ドラム表面に対してコロナ
放電器からコロナ放電を施し、帯電処理を施すものであ
る。この方式は、一般に、5〜10kVという高圧電源を
使用するため、万全な安全策をとる必要があるうえ、放
電に伴い有害なオゾンが発生するという難点がある。こ
のため、最近では、半導電性ロールを感光ドラム表面に
直接接触させて感光ドラム表面を帯電させるロール帯電
方式が注目されている。このようなロール帯電方式を応
用した電子写真複写機は、図3に示すように構成され、
つぎのようにして複写を行う。すなわち、軸1aを中心
に矢印方向に回転する感光ドラム1の外周面に導電性ロ
ールからなる帯電ロール2を上記感光ドラム1とつれ回
りさせ、部分的に弾性変形させながら摺接させる。3は
露光機構部でここを介して原稿光像のスリツト露光8が
感光ドラム1表面に到達し、原稿像に対応した静電潜像
が感光ドラム1表面に形成される。4は現像装置であ
り、上記静電潜像に対してトナーを付着させトナー像を
形成する。6は給紙機構ロールであり、複写紙11を感
光ドラム1表面に対して供給し、転写装置5を介してト
ナー像を複写紙11上に転写する。7はトナー像が形成
された複写紙11を通過させて定着する定着ロールであ
る。このようにして、複写体(コピー)が得られる。な
お、感光ドラム1表面はクリーナー9により転写残像や
残存トナーが除去される。12は上記帯電ロール2に対
して1〜3kV程度の電圧を印加する電源である。
【0003】上記ロール帯電方式に使用される帯電ロー
ルには、ロールが直接感光ドラムに接触しているため、
導電性ロールを使用すると感光層にピンホール等の欠陥
が生じた場合、ピンホール部に過大な電流が流れ込み、
帯電に必要な電圧を維持できず、ピンホール部軸方向全
長が帯電不良となる、また感材に流れる電流値が大きく
感光ドラムの寿命が短くなるという問題が生じる。この
ような問題を解決するために、帯電ロールの抵抗値を半
導電領域にすることが検討され、例えば本発明者らは、
半導電領域の帯電ロールである半導電性ロールを提案し
た(特願昭62−301107号,特願平1−1344
30号)。上記半導電性ロールは、図4に示すように、
軸体15の外周に導電性弾性体層16が形成され、上記
導電性弾性体層16の外周に半導電領域の抵抗調整層1
7が形成され、さらにこの抵抗調整層17の外周に保護
層18が形成されている。なお、上記導電性弾性体層1
6と抵抗調整層17の間に感材による移行防止層が形成
されている場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような半
導電性ロールは、上記抵抗調整層17に高誘電性弾性体
を使用しているため、電気抵抗の環境依存性が大きく、
電源の制約条件が厳しくなるという問題を有している。
すなわち、このロールでは、半導電性で、かつ高い絶縁
破壊電圧が要求され、さらに電気抵抗の均一性をも要求
されるため、弾性体中に導電性粒子を分散させた系(電
子導電系)では上記要求を満足させることができず、抵
抗調整層17には高誘電性弾性体自身の抵抗値を、要求
されるレベルに見合うよう設定した系(高誘電性弾性
体)が使用されている(イオン導電系)。そして、上記
半導電性ロールには、感光体と帯電部材との相互作用防
止のため保護層が設けられているが、上記抵抗調整層1
7がイオン導電系を利用しているため、環境変動(特に
湿度)による抵抗値の変化を抑えるには限界があり、実
際には抵抗値は2.0桁を超える程変化する。また、上
記半導電性ロールは、高速の機種には対応することがで
きないという問題を有している。すなわち、低温低湿下
において複写速度を上げるのに必要な電流量を流す抵抗
値を調整すると、高温高湿下では抵抗値が低くなり過ぎ
てしまい電源の容量が不足し帯電不良が生じる。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、耐環境依存性および抵抗の均一性に優れ、高
速の機種にも対応することのできる半導電性ロールの提
供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の半導電性ロールは、軸体の外周に導電性
弾性体層が円周に沿つて形成され、この導電性弾性体層
の外周に、円周に沿つて第1抵抗調整層が形成され、こ
の第1抵抗調整層の外周に、円周に沿つて第2抵抗調整
層が形成され、この第2抵抗調整層の外周に、円周に沿
つて保護層が一体的に形成された半導電性ロールであつ
て、上記第1抵抗調整層がイオン性半導電性物質によつ
て構成され、上記第2抵抗調整層が、疎水性合成樹脂を
マトリツクス成分とし、このマトリツクス成分中に導電
材を分散含有させた疎水性合成樹脂組成物によつて構成
され、上記保護層が半導電性樹脂組成物によつて構成さ
れているという構成をとる。
【0007】
【作用】すなわち、本発明者らは、電気抵抗値の耐環境
依存性の向上を目的に一連の研究を重ねた。その結果、
半導電性ロールの抵抗調整層を2層にし、このうち、外
層となる抵抗調整層(第2抵抗調整層)を疎水性合成樹
脂組成物によつて構成すると、環境条件の変動による電
気抵抗の変化を抑制することができることを見出しこの
発明に到達した。
【0008】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0009】この発明の半導電性ロールは、軸体と、そ
の外周に形成される導電性弾性体層と、その外周に形成
される第1抵抗調整層と、その第1抵抗調整層の外周に
円周に沿つて形成される第2抵抗調整層と、さらにその
第2抵抗調整層の外周に円周に沿つて形成される保護層
によつて構成されている。
【0010】上記軸体としては、特に限定するものでは
なく、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空にく
り抜いた金属製の円筒体等が用いられる。
【0011】上記軸体の外周に形成される導電性弾性体
層は、低硬度〔アスカーC(スポンジ硬度計)60°以
下/1kg荷重〕で、電気抵抗が104 Ω以下に形成され
る。すなわち、感光ドラムに対する接触幅を大きくする
ことが好ましく、そのためには上記硬度以下に設定する
のが望ましく、またこの導電性弾性体層の外周に形成さ
れる第1および第2抵抗調整層を通して電流を流すため
には電気抵抗値を104 Ω以下に設定するのが好まし
い。そして、上記導電性弾性体層形成材料としては、マ
トリツクス成分としてエチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム(EPDM),ポリノルボルネンゴム,スチレン−ブ
タジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),
シリコンゴム等があげられ、これにカーボンブラツク等
の導電性粉体を配合した合成ゴム組成物が用いられる。
【0012】上記導電性弾性体層の外周に形成される第
1抵抗調整層は、半導電領域(105 〜108 Ω)の範
囲内に設定するのが好ましく、この第1抵抗調整層の外
周に形成される第2抵抗調整層とのバランスを考慮して
設定される。さらに、上記第1抵抗調整層は、耐絶縁破
壊性を有する必要があり、具体的には1500V以上、
好ましくは2000V以上の耐絶縁破壊性を有する。そ
して、上記第1抵抗調整層形成材料としては、エピクロ
ルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム,ポリウレ
タン樹脂等を主体とする高分子組成物に、イオン性導電
制御剤を配合したものがあげられる。上記イオン性導電
制御剤としては、トリメチルオクタデシルアンモニウム
クロリド,ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド,
トリオクチルプロピルアンモニウムブロミド,トリメチ
ルオクタデシルアンモニウムパークロレート等の第四級
アンモニウム化合物およびこれら第四級アンモニウム化
合物の安息香酸塩,亜硝酸塩,硫酸塩等があげられ、単
独でもしくは併せて用いられる。上記イオン性導電制御
剤の配合量は、上記高分子組成物中6.0重量%以下に
設定するのが好ましい。上記第1抵抗調整層は、イオン
導電性に基づくため、例えば環境条件が低温低湿から高
温高湿に変化すると、その抵抗値の変化はイオン性キヤ
リアー数の増加および易動度の増大により約1.5桁に
することができる。
【0013】上記第1抵抗調整層の外周に形成される第
2抵抗調整層は、その形成材料として疎水性合成樹脂に
導電性粉末を添加した疎水性合成樹脂組成物を用いて形
成される。上記疎水性合成樹脂としては、熱可塑性ウレ
タン樹脂,オレフイン系熱可塑性樹脂等があげられ、上
記導電性粉末としては、カーボンブラツク,金属複酸化
物等があげられ、特に酸化亜鉛と酸化アルミニウムの固
溶体,酸化スズと酸化アンチモンの固溶体,酸化インジ
ウムと酸化スズの固溶体等があげられ、それぞれ単独で
もしくは併せて用いられる。上記導電性粉末の添加量
は、用いる疎水性合成樹脂の熱膨張,吸湿膨張の性質を
利用して、低温低湿下では熱収縮により分散した導電性
粉末間の距離が短くなつて抵抗改善効果がみられるよ
う、また高温高湿下では熱膨張により導電性粉末間の距
離が長くなり導電性粉末自身による抵抗値の改善ではな
く、実質的に合成樹脂自身の抵抗値を示すように適宜調
整される。そして、導電性粉末の添加量は、上記環境依
存性による現象にもとづき合成樹脂と導電性粉末の組み
合わせによつて適宜設定される。例えば、合成樹脂とし
て熱可塑性ウレタン樹脂を用い、導電性粉末として酸化
チタン粒子表面に酸化スズと酸化アンチモンの固溶体を
被覆した金属複酸化物を用いる場合、導電性粉末の含有
量は、合成樹脂中21〜25容積%の範囲に設定するの
が好ましく、特に好ましくは22〜24容積%である。
【0014】このように、上記第2抵抗調整層を疎水性
合成樹脂にて、上記環境依存性を示すように導電性粉末
の添加量を調整すると、前記第1抵抗調整層の抵抗の環
境依存性と全く逆の傾向を示し、積層状態にすると抵抗
の環境依存性は、第1抵抗調整層および第2抵抗調整層
単独形成の場合に比べて大幅に改善される。
【0015】上記第2抵抗調整層の外周に形成され最外
層となる保護層は、表面抵抗を107 Ω/□以上に設定
するのが好ましい。すなわち、表面抵抗が低過ぎると、
例えば感光ドラム表面にピンホール等の欠陥部分が存在
し、ロール表面と欠陥部分が接触する場合、ロール表面
上を電流が流れており、感光ドラム欠陥部分に接する部
分とその近傍のロール表面電位が下がり、帯電不良とな
る。この帯電不良現象は、画像不具合部分が欠陥部分に
限定されず、欠陥部分以上に拡大された画像が形成され
るという重大な問題を引き起こす要因となる。さらに、
表面抵抗が105 Ω/□以下では、感光ドラムの軸方向
上に1個所でも欠陥部分が存在すると軸方向全面に不具
合な画像が拡大形成されることとなる。このため、上記
第2抵抗調整層の外周に半導電性を有し、表面抵抗が1
×107 Ω/□以上で、かつ感光ドラムに対して悪影響
を与えない層形成材料を用いて保護層が形成される。上
記保護層形成材料としては、8−ナイロン(N−メトキ
シメチル化ナイロン)が好適に用いられる。上記N−メ
トキシメチル化ナイロンは、6−ナイロンのアミド基を
メトキシメチル化することによつて得られるものであ
り、そのメトキシ化率を高くすることによつてアルコー
ルに対する溶解性が向上する。また、上記表面抵抗を満
足する範囲内において導電性粉末を添加してもよく、導
電性粉末の添加により保護層の抵抗値を下げることで、
環境依存性に与える影響も最小限に抑えることができ
る。
【0016】この発明の半導電性ロールは、例えばつぎ
のようにして製造される。すなわち、まず導電性弾性体
層形成材料を作製し、これを軸体(芯金)が配設された
成形金型内に充填し加硫することにより導電性弾性体層
を形成する。ついで、第1抵抗調整層形成材料を作製
し、上記導電性弾性体層の外周面にデイツピング等によ
りコーテイングし加熱加硫する。つぎに、熱可塑性ウレ
タン樹脂溶液に導電材を添加し、分散機により凝集塊の
生じないよう充分に分散させた後、所定の粘度に調整し
て第2抵抗調整層形成材料する。そして、上記第1抵抗
調整層の外周面にデイツピング等によりこの第2抵抗調
整層形成材料をコーテイングし加熱乾燥する。さらに、
保護層形成材料として、N−メトキシメチル化ナイロン
のメタノール溶液に導電材を添加し、分散機により充分
分散させて粘度を調整した後デイツピング等によつて上
記第2抵抗調整層表面にこの保護層形成材料をコーテイ
ングし加熱架橋を行い保護層化させる。このようにし
て、図1に示すような半導電性ロールが得られる。図に
おいて、20は芯金、21は導電性弾性体層、22は第
1抵抗調整層、23は第2抵抗調整層、24は保護層で
ある。
【0017】上記半導電性ロールにおいて、各層の厚み
は、導電性弾性体層21は3.0mm、第1抵抗調整層2
2は120μm、第2抵抗調整層23は20μm、保護
層24は3〜30μmの範囲に設定することが好まし
い。例えば、保護層24の厚みが3μm以下では耐久信
頼性に乏しく、30μmを超えると電気抵抗の環境依存
性が増大するからである。
【0018】なお、この発明の半導電性ロールでは、図
2に示すように、導電性弾性体層21と第1抵抗調整層
22との間に、感材による内部への汚染を防止する目的
で移行防止層25を形成してもよい。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明の半導電性ロー
ルは、抵抗調整層が2層構造に形成され、しかも第2抵
抗調整層が疎水性合成樹脂組成物によつて形成されてい
る。このため、電気抵抗に対する耐環境依存性が向上
し、例えば低温低湿下でも低電圧で帯電に必要な電流を
流すことができる。また、ドラムに欠陥部があつても帯
電不良が生じず、高速の機種にも適用可能である。
【0020】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0021】
【実施例1〜7】下記に示す各成分を配合することによ
り導電性弾性体層形成材料を作製した。 イソプレンゴム(クラレ社製、クラレIR−10) 40 重量部 液状イソプレンゴム(クラレ社製、CIR−290) 60 重量部 ケツチエンブラツクEC 13 重量部 酸化亜鉛 5 重量部 ステアリン酸 1 重量部 加硫促進剤〔DM(ジベンゾチアゾールジスルフイド)、ソクシノールDM(住 友化学社製)〕 2 重量部 加硫促進剤〔PZ(ジンクジメチルジチオカーバメート)、ソクシノールPZ( 住友化学社製)〕 0.6重量部 イオウ 0.5重量部 ついで、芯金を配設した成形金型内に上記導電性弾性体
層形成材料を充填し加熱加硫することにより約3.0mm
の導電性弾性体層(アスカーC硬度58°)を形成し
た。この導電性弾性体層の外周に、エピクロルヒドリン
−エチレンオキサイドゴムを主成分とし、これにトリオ
クチルプロピルアンモニウムパークロレート(イオン性
導電率制御剤)を添加した第1抵抗調整層形成材料をデ
イツピングにより厚み120μmでコーテイングしオー
ブンによつて加熱架橋した。つぎに、熱可塑性ウレタン
樹脂(大日本インキ社製,パンデツクスT6990)溶
液に、酸化チタン表面に酸化スズ−酸化アンチモン固溶
体を被覆した導電性粉末(石原産業社製,ET−500
W)の配合量を下記の表1に示す割合で添加し、分散機
にて凝集塊が形成されないように充分に分散した後、所
定の粘度に調整して厚み20μmの第2抵抗調整層形成
材料を作製した。この第2抵抗調整層形成材料をデイツ
ピングにて上記第1抵抗調整層外周面にコーテイングし
加熱乾燥することにより第2抵抗調整層を形成した。さ
らに、N−メトキシメチル化ナイロン(帝国化学社製,
トレジンEF30T)のメタノール溶液に、固形分換算
で14容積%になるように酸化スズ−酸化アンチモン固
溶体(三菱マテリアル社製,T−1)を添加し分散機に
掛けた後、所定量の架橋剤(クエン酸)を加えて粘度を
調整することにより膜厚5〜30μmの保護層形成材料
を作製した。この保護層形成材料をデイツピングにて上
記第2抵抗調整層の外周面にコーテイングし加熱乾燥す
ることにより保護層を形成した。このようにして図1に
示すような半導電性ロールを製造した。
【0022】
【表1】
【0023】
【比較例1〜3】下記の表2に示す各成分を同表に示す
割合で配合し、各層の形成材料を作製した。これら形成
材料を用い実施例1と同様にして半導電性ロールを製造
した。
【0024】
【表2】
【0025】このようにして得られた実施例品および比
較例品の半導電性ロールを用いて、低温低湿下から高温
高湿下までの電気抵抗値の変化、画像出しテストおよび
感光ドラム表面の汚染の度合いを測定し評価した。その
結果を下記の表3および表4に示す。
【0026】〔電気抵抗値の測定法〕図5に示すよう
に、半導電性ロール30の所定部分(斜線部分)Aにロ
ール表面に接触するよう幅10mmのアルミブロツク(図
示せず)を配設し、抵抗値を測定した。
【0027】〔画像出しテスト〕レーザーシヨツトA4
04(キヤノン製)中の感光ドラムに、予め直径1.0
mmの欠陥部分を作製し、半導電性ロールを組み込んだ。
そして、温度および湿度を変えて実際に画像出しを行
い、それを評価した。画像不良の大きさが欠陥部分の大
きさと同じものを○、欠陥部分の大きさの1.2倍以上
のものを×、欠陥部分の大きさの1〜1.2倍のものを
△とした。
【0028】〔感光ドラム表面の汚染〕画像出しを行
い、感光ドラム表面を目視し汚染されたものを×、汚染
されなかつたものを○とした。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】表3,表4および表5の結果から、比較例
1品は感光ドラム表面に汚染が発生し、比較例2品は電
気抵抗値が環境条件(温度および湿度)により大きく変
動した。また、比較例3品は高温高湿下で電気抵抗値が
下がりすぎ画像不良が発生した。これに対して、実施例
品は全て環境条件が変化しても電気抵抗値は大きく変動
せず、画像出しテストでも良好な結果が得られ、感光ド
ラム表面の汚染も生じなかつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導電性ロールの実施例を示す横断
面図である。
【図2】この発明の半導電性ロールの他の実施例を示す
横断面図である。
【図3】半導電性ロールを組み込んだ電子写真複写機の
構成図である。
【図4】従来例を示す横断面図である。
【図5】電気抵抗値の測定法の説明図である。
【符号の説明】
20 芯金 21 導電性弾性体層 22 第1抵抗調整層 23 第2抵抗調整層 24 保護層
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】上記ロール帯電方式に使用される帯電ロー
ルには、ロールが直接感光ドラムに接触しているため、
導電性ロールを使用すると感光層にピンホール等の欠陥
が生じた場合、ピンホール部に過大な電流が流れ込み、
帯電に必要な電圧を維持できず、ピンホール部軸方向全
長が帯電不良となる、また感材に流れる電流量が大きく
感光ドラムの寿命が短くなるという問題が生じる。この
ような問題を解決するために、帯電ロールの抵抗値を半
導電領域にすることが検討され、例えば本発明者らは、
半導電領域の帯電ロールである半導電性ロールを提案し
た(特願昭62−301107号,特願平1−1344
30号)。上記半導電性ロールは、図4に示すように、
軸体15の外周に導電性弾性体層16が形成され、上記
導電性弾性体層16の外周に半導電領域の抵抗調整層1
7が形成され、さらにこの抵抗調整層17の外周に保護
層18が形成されている。なお、上記導電性弾性体層1
6と抵抗調整層17の間に感材による移行防止層が形成
されている場合もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 和信 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東海 ゴム工業株式会社内 (72)発明者 加藤 宏泰 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東海 ゴム工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周に導電性弾性体層が円周に沿
    つて形成され、この導電性弾性体層の外周に、円周に沿
    つて第1抵抗調整層が形成され、この第1抵抗調整層の
    外周に、円周に沿つて第2抵抗調整層が形成され、この
    第2抵抗調整層の外周に、円周に沿つて保護層が一体的
    に形成された半導電性ロールであつて、上記第1抵抗調
    整層がイオン性半導電性物質によつて構成され、上記第
    2抵抗調整層が、疎水性合成樹脂をマトリツクス成分と
    し、このマトリツクス成分中に導電材を分散含有させた
    疎水性合成樹脂組成物によつて構成され、上記保護層が
    半導電性樹脂組成物によつて構成されていることを特徴
    とする半導電性ロール。
  2. 【請求項2】 第1抵抗調整層が、エピクロルヒドリン
    −エチレンオキサイド共重合ゴムを主体として構成され
    ている請求項1記載の半導電性ロール。
  3. 【請求項3】 第2抵抗調整層が、熱可塑性ウレタン樹
    脂およびオレフイン系熱可塑性樹脂の少なくとも一方を
    マトリツクス成分とし、このマトリツクス成分中に導電
    材として酸化亜鉛と酸化アルミニウムとの固溶体,酸化
    スズと酸化アンチモンとの固溶体および酸化インジウム
    と酸化スズとの固溶体の少なくとも一つを主成分とする
    導電性粉末が分散含有されている樹脂組成物により構成
    されている請求項1または2記載の半導電性ロール。
  4. 【請求項4】 保護層が、N−メトキシメチル化ナイロ
    ンを主体とする熱可塑性樹脂によつて構成されている請
    求項1〜3のいずれか一項に記載の半導電性ロール。
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