JPH0588295U - 根菜洗い機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人参や大根などの如き根菜類を所定の位置に
置くだけで、その根部を自動的に洗い上げる水洗機を提
供し、農作業に於ける水洗工程の近代化を図る。 【構成】 三角板状の送り具をコンベアーチェーンに装
着し、葉先を切り落とした根菜の葉の付け根付近を挾持
して、水洗室内に自動的に送り込み、根部に高圧水を吹
き付けながら洗い上げられるようにした事を特徴として
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

人参や大根、薬草、牛蒡などの如き根菜類の根部を水洗する洗い機に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

スポンジや束子などの洗浄具を用いて水洗していたが、近年では高圧水を噴霧 するスプレーガンを手にし、１本づつ洗い上げるようになって来ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

根菜類を所定の位置に置くだけで、根部を水洗室内に自動的に送り込み、自動 的に洗い上げる水洗機を提供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

三角板状の送り具をコンベヤーチェーンに装着し、葉先を切り落とした根菜の 茎付近を挾持して、水洗室内に自動的に送り込み、根部に高圧水を吹き付けなが ら、洗い上げられるようにして解決した。その詳細は、図に基づいて説明すると 、次の如くである。

【０００５】 図１は本考案に係る根菜洗い機の一例を示す正面図で、図２のＡ−Ａ断面で示 してある。図２は図１のＢ−Ｂ断面で示す側面図、図３はコンベアーチェーンに 装着した三角板状の送り具を示す斜視図である。図に於いて、根菜洗い機本体は 、形鋼などによる支柱１、梁２などで骨組構成され、水洗室はそれらの骨組構成 とカバーで覆われている。根菜洗い機の一側方にはコンベアーチェーン３が装架 してあり、４・４' はチェーンを回転させるギアー、５・５' はチェーンの側方 に装着した三角板状の送り具、６は押え具で、左右の送り具５・５' との間に、 根菜の葉の付け根付近を挾持出来るようになっている。なお、ギアー５または５ ' はエンジンまたはモーターなどを動力源とし、適宜減速して作動するようにな っている。

【０００６】 水洗室内には高圧水を噴霧するスプレーガン７・７' ・８・８' があって、エ ンジンまたはモーターなどによって得られた回転力をクランク機構などの方式を 用い、枢軸９・９' を軸とし、ガン先が進行左右方向に復動出来るようになって いる。図１のスプレーガン７・７' は左下方にガン先を向けたときの状態を示し 、８・８' は直上を向いたときの状態で示してある。なお、該スプレーガンは高 圧ホースなどを用い、高圧動力噴霧機に接続されている。１０・１０' はスプレ ーガンから高圧水を吹き付けたとき、根菜が高圧水によって吹き飛ばされるのを 抑止するネットである。１１は根菜の葉の付け根付近を送り具５・５' と押え具 ６の間に保持し、水洗室内に送り込んだとき、根部が下方に垂れ下がるのを防止 し、根菜の移動をスムースならしめるための保持ラインで、複数の鋼線や鋼棒な どで構成され、水洗室の前後方向に向けて張られている。１２は水洗汚水受けで ある。

【０００７】

【作用】

根菜は、その葉の付け根付近を水洗室入り口側の送り具５・５' 上に置くと、 チェーン３の回転に伴って、水洗室内に送り込まれる。このとき、葉の付け根付 近が左右前後の三角板状の送り具３・３' の間にあって、上方から押さえ具６で 押さえられているので、力学的に云う３点支持の状態になり、３点支持形式の張 出梁のような形になって、水洗室内に送り込まれる。したがって、水洗室内に入 った根部は、保持された葉の付け根部分の移動に遅れる事無く、保持ライン１１ 上を滑るようにして、出口方向へ移動する事が出来る。

【０００８】 水洗室内に入った根菜は、ガン先が左右方向に復動するスプレーガン７・７' ・８・８' から噴霧される高圧水に曝され、大根や牛蒡などの根菜はもとより、 根部が複雑に入り組んだ朝鮮人参などの如きも、それら入り組んだ根の間迄の泥 土を瞬時にして、完全に洗い落とす事が出来る。牛蒡の如き長尺の根菜には、上 方および下方のスプレーガンは、通常上下それぞれ２〜３個を要するが、朝鮮人 参の如きは１個のスプレーガンで十分であり、その他のガンは通水回路を閉じて おけばよい。水洗済みの汚水は汚水受け１２で集め、ろ過して再利用すれば、周 辺を水浸しにする事無く、小量の水で多くの根菜を自動的に洗う事が出来る。

【０００９】

【実施例】

図に於いて、上下それぞれに３個のスプレーガンを取着した根菜洗い機を試作 し、次の根菜に試用してその効果を調べた。試作機の根菜送り速度は毎分約３０ ｍ、水圧は２５〜４０Kg／cm² 、水量は毎分２０〜４０リットルで、水圧や水量 は根菜の状況に応じ、調整バルブによって適宜調整できる。なお、試作機の前後 には延長台をセットして使用した。

【００１０】 実施例１ 朝鮮人参の根部の水洗に試用した。スプレーガンは、チェーン３に最も近い上 下のスプレーガン７・８のみを作動させ、その他のガンは噴霧を休止させた。そ の結果、スプレーガンを用い、手作業で吹き付け、３〜４人が１日がかりで水洗 していた従来の作業が、２〜３人で僅か５０〜６０分で作業を終了する事が出来 た。

【００１１】 実施例２ 牛蒡の根部の水洗に試用した。スプレーガンは、取着の上下それぞれ３個を作 動させた。その結果、従来２〜３人で７日間程度を要していた水洗作業が、僅か の１日で終了出来た。また、牛蒡はその肌が滑らかでなく、美麗に洗い上げると 肌面が擦れて傷つき易い。このため、加工直前の場合を除き、通常の洗い上げは 粗雑であって、半洗いの状態で出荷されていた。しかし、本考案の根菜洗い機で 水洗した結果は、肌面に何らの傷も付けず、牛蒡本来の肌色を出すまでに洗い上 げ、商品価値を向上させる事が出来た。

【００１２】

【考案の効果】

試作の根菜洗い機を再三にわたって試用し、次の効果を確認した。 根菜類を極めて短時間に、しかも肌面に傷付けるなど無く、美麗に洗い上げ る事が出来る。 短時間に処理出来るので、根菜の鮮度を維持する事が出来る。 短時間に処理出来るので、その余剰時間を他の作業やレジャーのための時間 などに廻す事が出来る。 近年において、農作物の産地化事業が推進されつつあるが、本考案の根菜洗 い機は、それら事業の進展に大きく貢献出来るものと期待されている。 最も遅れていると云われる農作業の近代化に貢献し、若者の農業離れをくい 止め、新しい世代を醸成する事が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る根菜洗い機の一例を示す正面図
で、図２のＡ−Ａ断面で示してある。

【図２】図１のＢ−Ｂ断面で示す側面図である。

【図３】コンベアーチェーンに装着した三角板状の送り
具を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 梁 ３ コンベアーチェーン ４・４' ギアー ５・５' 三角板状の送り具 ６ 押え具 ７・７' スプレーガン ８・８' スプレーガン ９・９' 枢軸 １０・１０' ネット １１ 保持ライン １２ 汚水受け

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 形鋼などで骨組み構成した本体に、カバ
   ーなどで覆った水洗室を形成し、その一側方に、エンジ
   ンやモーターなどを動力源として回転するコンベアーチ
   ェーン３を装架して、該コンベアーチェーンの両側方に
   三角板状の送り具５・５' を装着すると共に、クランク
   機構などによってガン先が進行方向左右に復動する１個
   または複数個のスプレーガン７・７' ・８・８' を水洗
   室内の上下に設けてなる根菜洗い機。
2. 【請求項２】 コンベアーチェーンの両側方に三角板状
   の送り具５・５' を装着し、上下動出来る押え具６を挾
   装してなる送り機構を備えた請求項１記載の根菜洗い
   機。