JPH0587245U - 内燃機関の気筒判別装置及び内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の気筒判別装置及び内燃機関の燃料噴射制御装置

Info

Publication number
JPH0587245U
JPH0587245U JP3567292U JP3567292U JPH0587245U JP H0587245 U JPH0587245 U JP H0587245U JP 3567292 U JP3567292 U JP 3567292U JP 3567292 U JP3567292 U JP 3567292U JP H0587245 U JPH0587245 U JP H0587245U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
fuel injection
internal combustion
combustion engine
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3567292U
Other languages
English (en)
Inventor
隆 久木
茂樹 馬場
勇一 島崎
正毅 金広
卓司 石岡
茂 丸山
Original Assignee
本田技研工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 本田技研工業株式会社 filed Critical 本田技研工業株式会社
Priority to JP3567292U priority Critical patent/JPH0587245U/ja
Publication of JPH0587245U publication Critical patent/JPH0587245U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気筒判別用のCYLセンサ使用せずに気筒の
判別を行う内燃機関の気筒判別装置及びこれを用いてコ
ストの低減を可能とした内燃機関の燃料噴射制御装置を
提供することを目的とする。 【構成】 ステップS3で内燃機関の始動時において、
ある気筒(1番気筒#1)のみに燃料を噴射し、その
後、各気筒の燃焼状態をステップS5でモニタし、始動
後最初に燃焼が検出された気筒を前記1番気筒として設
定する。そして、前記1番気筒が設定された後にシーケ
ンシャル噴射制御に移行する(ステップS8)。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、内燃機関の各気筒を判別す内燃機関の気筒判別装置及びこれを使用 して燃料噴射を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料噴射制御装置は、上死点(TDC)信号、クランク角(CRK)信 号及び気筒判別(CYL)信号を用い、内燃機関の各気筒毎に設けられた燃料噴 射弁から噴射される燃料の噴射タイミングを制御している。ここで、TDC信号 は、各気筒の吸入行程開始時の上死点前の所定クランク角度位置で発生するパル ス信号であり、CRK信号は、所定クランク角毎、例えば45°のクランク角間 隔で発生されるパルス信号である。また、CYL信号は、特定の気筒の吸入行程 開始を示すTDC信号の発生位置よりも前の所定クランク角度位置で発生する気 筒判別用のパルス信号であり、例えば4気筒機関の場合、クランク軸が2回転す る間に1回発生する。これらのパルス信号は、例えば磁気ピックアップ、ホール 素子センサ並びにフォトダイオード等のタイミングセンサで発生される。
【0003】 このように、TDC信号、CRK信号及びCLY信号を使用して気筒別の燃料 噴射制御(シーケンシャル噴射制御)が行われる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料噴射制御装置では、タイミングセンサが高価で あり、従ってその分、燃料噴射制御装置自体がコスト高になるという問題があっ た。即ち、上記タイミングセンサのうち、最も安価な磁気ピックアップでさえ、 イグニッションコイルの誘導ノイズ対策、センサから電子制御ユニット(ECU )までのハーネスのシールド対策やさらにECUにおいて波形整形回路を設ける こと等を考慮するとかなりコスト高になっていた。
【0005】 本考案は上記従来の問題点に鑑み、気筒判別用のCYLセンサを使用せずに気 筒の判別を可能にする内燃機関の気筒判別装置及びこれを用いてコストの低減を 図った内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するために、第1の考案は、内燃機関の各気筒の燃焼 /失火状態を検出する燃焼状態検出手段と、前記機関の始動時に燃料噴射弁を制 御して任意の気筒に燃料噴射を行う燃料噴射制御手段と、前記燃焼状態検出手段 により始動後最初に燃焼が検出された気筒に基づいて特定の気筒を判別する気筒 判別手段とを備えたものである。
【0007】 また、第2の考案は、内燃機関の各気筒毎に設けられた燃料噴射弁を制御して 燃料噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記機関の各気筒の燃焼 /失火状態を検出する燃焼状態検出手段と、前記機関の始動時に燃料噴射弁を制 御して任意の気筒に燃料噴射を行う燃料噴射制御手段と、前記燃焼状態検出手段 により始動後最初に燃焼が検出された気筒に基づいて特定の気筒を判別する気筒 判別手段と、前記特定の気筒が判別された後に前記燃料噴射制御手段を前記各気 筒に所定の順序で燃料噴射を行うシーケンシャル噴射制御に移行させる制御切換 え手段とを備えたものである。
【0008】
【作用】
上記構成により本考案によれば、燃料噴射制御手段は内燃機関の始動時におい て、ある任意の気筒のみに燃料を噴射し、その後、燃焼状態検出手段は各気筒の 燃焼状態をモニタし、気筒判別手段は始動後最初に燃焼が検出された気筒に基づ いて特定の気筒を判別する。制御切換え手段は、前記特定の気筒が判別された後 にシーケンシャル噴射制御に移行させる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0010】 図1は、本考案の一実施例に係る内燃機関(以下単に「エンジン」という)及 びその制御装置の全体構成図であり、例えば4気筒のエンジン1の吸気管2の途 中にはスロットル弁3が設けられている。スロットル弁3にはスロットル弁開度 (θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気 信号を出力してエンジン制御用電子コントロールユニット(以下「ECU」とい う)5に供給する。
【0011】 燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間且つ吸気管2の図示しない 吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポ ンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの 信号により燃料噴射の開弁時間が制御される。
【0012】 エンジン1の各気筒の点火プラグ16はディストリビュータ15を介してEC U5に電気的に接続されており、ECU5からの点火指令信号θIGにより点火 時期が制御される。ディストリビュータ15と点火プラグ16とを接続する接続 線の途中には、その接続線と静電的に結合された(接続線と数pFのコンデンサ を形成する)点火電圧センサ17が設けられており、その検出信号はECU5に 供給される。
【0013】 一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管内絶対圧(PBA)センサ7が設 けられており、この絶対圧センサ7により電気信号に変換された絶対圧信号は前 記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温(TA)センサ8が取付け られており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給 する。
【0014】 エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ9はサーミスタ等 から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力し てECU5に供給する。TDCセンサ10及びCRKセンサ11はエンジン1の 図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲に取付けられている。エンジン回転数 センサ10はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位 置でパルス(以下「TDC信号パルス」という)を出力し、各気筒の吸入行程開 始時の上気筒判別センサ11は特定の気筒の所定のクランク角度位置で信号パル スを出力するものであり、これらのセンサから出力されるTDC信号及びCRK 信号はECU5に供給される。前述の従来技術と同様、TDC信号は、各気筒の 吸入行程開始時の上死点前の所定クランク角度位置で発生するパルス信号であり 、CRK信号は、所定クランク角毎、例えば45°のクランク角間隔で発生され るパルス信号である。
【0015】 三元触媒14はエンジン1の排気管13に配置されており、排気ガス中のHC ,CO,NOx等の成分の浄化を行う。排気ガス濃度検出器としての酸素濃度セ ンサ12は排気管13の三元触媒14の上流側に装着されており、排気ガス中の 酸素濃度を検出してその検出値に応じた信号を出力しECU5に供給する。酸素 濃度センサ12は、酸素濃度に比例した信号を出力するリニア型のものである。
【0016】 ECU5は各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベル に修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回 路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」という)5b、CPU5bで実行さ れる各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段5c、前記燃料噴射 弁6に駆動信号を供給する出力回路5d等から構成される。
【0017】 CPU5bは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づいて、酸素濃度センサ 12による理論空燃比へのフィードバック制御運転領域やオープンループ制御運 転領域等の種々のエンジン運転状態を判別し、エンジン運転状態に応じて燃料噴 射弁6の燃料噴射時間及び点火プラグ16の点火時期を演算するとともに、後述 するように点火電圧センサ17の出力に基づいた失火判定を行う。
【0018】 CPU5bは上述のようにして算出、決定した結果に基づいて、燃料噴射弁6 、点火プラグ16等を駆動する信号を、出力回路5dを介して出力する。
【0019】 図2は、図1の制御装置における失火判定に係る部分の構成を示す図であり、 電源電圧VBが供給される電源端子T1は一次側コイル47と二次側コイル48 とから成る点火コイル(点火手段)49に接続されている。一次側コイル47と 二次側コイル48とは互いにその一端で接続され、一次側コイル47の他端はト ランジスタ46のコレクタに接続され、トランジスタ46のベースは駆動回路5 1を介してCPU5bに接続され、そのエミッタは接地されている。トランジス タ46のベースには、CPU5bより通電指令信号Aが供給される。また、二次 側コイル48の他端は、ダイオード50のアノードに接続され、ダイオード50 のカソードはディストリビュータ15を介して点火プラグ16の中心電極16a に接続されている。点火プラグ16の接地電極16bは接地されている。
【0020】 点火電圧センサ17は、入力回路41に接続され、入力回路41の出力は、ピ ークホールド回路42及び比較器44の非反転入力に接続されている。ピークホ ールド回路42の出力は、比較レベル設定回路43を介して比較器44の反転入 力に接続されている。また、ピークホールド回路42のリセット入力には、CP U5bが接続されており、CPU5bから適切なタイミングでピークホールド値 をリセットするリセット信号が供給される。比較器44の出力はゲート回路45 を介して、CPU5bに入力される。ゲート回路45にはCPU5bからゲート 信号Gが供給され、所定のゲート期間中のみ比較器44の出力がCPU5bに入 力される。
【0021】 図3は、入力回路41、ピークホールド回路42及び比較レベル設定回路43 の具体的な構成を示す回路図であり、同図において入力端子T2は、抵抗415 を介して演算増幅器(以下「オペアンプ」という)416の非反転入力に接続さ れている。また入力端子T2は、コンデンサ411と抵抗412とダイオード4 14とを並列に接続した回路を介してアースに接続されるとともに、ダイオード 413を介して電源ラインVBSに接続されている。コンデンサ411は、例え ば104pF程度のものを使用し、前記点火電圧センサ17によって検出される 電圧を数千分の1に分圧する働きをする。また抵抗412は例えば500KΩ程 度のものを使用する。ダイオード413及び414は、オペアンプ416の入力 電圧がほぼ0〜VBSの範囲内に入るようにするために設けられている。オペア ンプ416の反転入力はその出力と接続されており、オペアンプ416はバッフ ァアンプ(インピーダンス変換回路)として動作する。
【0022】 入力回路41のオペアンプ416の出力は、比較器44の非反転入力及びオペ アンプ421の非反転入力に接続されている。オペアンプ421の出力はダイオ ード422を介してオペアンプ427の非反転入力に接続され、オペアンプ42 1及び427の反転入力はいずれもオペアンプ427の出力に接続されている。 従って、これらのオペアンプもバッファアンプとして動作する。
【0023】 オペアンプ427の非反転入力は抵抗423及びコンデンサ426を介して接 地され、抵抗423とコンデンサ426の接続点は、抵抗424を介してトラン ジスタ425のコレクタに接続されている。トランジスタ425のエミッタは接 地され、ベースにはリセット時高レベルとなるリセット信号RがCPU5bより 入力される。
【0024】 オペアンプ427の出力は、比較レベル設定回路43を構成する抵抗431及 び432を介して接地され、抵抗431と432の接続点が比較器44の反転入 力に接続されている。
【0025】 図3の回路によれば、検出された点火電圧V(オペアンプ416の出力)のピ ーク値がピークホールド回路42によって保持され、そのピークホールド値が比 較レベル設定回路43により、値1より小さい所定数倍され、比較レベルVCO MPとして比較器44に供給される。従って、端子T4にはV>VCOMPが成 立するとき高レベルとなるパルス信号(比較判定パルス)が出力される。
【0026】 以上のように構成される失火検出装置の動作を図4を用いて説明する。同図( a),(b)はそれぞれ通電制御信号A及びゲート信号Gを示す。また、同図( c)〜(e)は燃料混合気の正常燃焼時の特性を示し、同図(f)〜(h)は燃 料系の原因に係る失火(以下「FI失火」という)時の特性を示す。
【0027】 同図(a)に示すように、本実施例では、点火指令信号θIGを時刻t0に発 生させた後(点火に必要な期間一次側コイル2に通電し、時刻t0において電流 を遮断した後)、時刻t1からt2の間再度通電を行う(以下「再通電」という )。再通電は時刻t2において、点火プラグ16の電極間に放電が発生しない程 度の値(所定印加電圧値)の電圧を印加し、点火プラグ16及びその周辺回路の 浮遊容量に電荷を蓄える(チャージする)ために行うものである。以下、時刻t 2に点火プラグ16に印加される電圧を再チャージ電圧(再チャージ指令信号) という。
【0028】 同図(c)及び(f)は、検出した点火電圧(入力回路41の出力電圧)V( B,B′)及び比較レベルVCOMP(C,C′)の推移を示している。まず、 同図(c)を参照して正常燃焼時の点火電圧特性について説明する。
【0029】 同図(c)において、点火指令信号θIGが発生する時刻t0の直後において は点火電圧Vは燃料混合気(点火プラグの放電ギャップ間)の絶縁を破壊する値 まで上昇し、絶縁破壊後は、絶縁破壊前の容量放電状態(数百アンペア程度の電 流による非常に短い時間の放電状態)から放電電圧が略一定の誘導放電状態へと 移行する(数十ミリアンペア程度の電流により、数ミリ秒程度の放電期間)。誘 導放電電圧は、時刻t0以降の圧縮行程に伴う気筒内の圧力が上昇することによ り上昇する。これは、圧力が高くなると誘導放電に必要な電圧も高くなるためで ある。誘導放電の最後の段階においては点火コイルの誘導エネルギーの減少によ り誘導放電を維持するための電圧よりも点火プラグ電極間の電圧が低くなり、誘 導放電は消失して容量放電状態(後期の容量放電状態)へ移行する。容量放電状 態においては点火プラグ電極間の電圧は燃料混合気の絶縁を再度破壊するため上 昇するが、点火コイル49の残余のエネルギーが少なく電圧上昇はわずかである 。これは、燃焼が発生した場合は、プラグギャップ間の電気抵抗が低いためであ り、燃焼時の燃料混合気がイオン化していることに起因する。
【0030】 なお、ダイオード50と点火プラグ16との間の浮遊容量に蓄えられた電荷( 電極間で放電しきれずに残った電荷)は、ダイオード50があるため、点火コイ ル49側へは放電されないが、点火プラグ16の電極近傍に存在するイオンによ って中和されるため、容量放電終了時の点火電圧Vは速やかに減少する。
【0031】 その後、時刻t2において再チャージ電圧が印加されると、点火電圧Vは上昇 するが、このときチャージされる電荷は、前述した後期容量放電終了直後と同様 に、点火プラグ16の電極近傍に存在するイオンによって中和されるため、速や かに減少する。
【0032】 一方、比較レベルVCOMPは、図示例では、時刻t5までは前回リセットさ れた後における点火電圧Vのピーク値に応じた値となっており、リセット信号R により、時刻t5〜t2において所定低レベル(>0)固定状態とされ、時刻t 2においてその状態が解除される(以下、所定低レベル固定状態を解除する時点 を「リセット(初期化)タイミング」という)。したがって、時刻t2以後は再 チャージ電圧によってピーク値となった点火電圧Vに応じた値(本実施例ではピ ーク値の2/3程度の値としている)となる。その結果、点火電圧Vと比較レベ ルVCOMPとの比較を行う比較器44の出力は同図(d)に示すように、時刻 t0付近、時刻t6〜t7及び時刻t2〜t8において高レベルとなるが、ゲー ト回路45の出力は、ゲート信号Gが低レベルであるゲート期間TG中の時刻t 3〜t7及び時刻t2〜t8においてのみ高レベルとなる。
【0033】 次に、燃料混合気が燃料供給系の異常等によりリーン状態やカット状態となり FI失火が発生したとき(燃焼が発生しなかったとき)の点火電圧特性について 説明する。同図(f)において、点火指令信号θIGの発生時刻t0の直後にお いては点火電圧V(B′)は点火プラグ電極間の燃料混合気の絶縁を破壊する値 まで上昇するが、このときの絶縁破壊電圧の値は、燃料混合気に占める空気の割 合が正常時よりも多く含まれており、燃料混合気の絶縁耐力が大きくなり、また 、燃焼が発生していないため、燃料混合気がイオン化しておらず、プラグギャッ プ間の電気抵抗が高くなる傾向にあることから、正常燃焼時の電圧値よりも高く なる。この後、正常燃焼時と同様に誘導放電状態へ移行するが、放電抵抗も正常 燃焼時よりも大きいことにより正常燃焼時よりも早く容量放電状態へ移行するが 、放電抵抗も正常燃焼時よりも大きいことにより正常燃焼時よりも早く容量放電 状態へ移行する傾向を示す。誘導放電の最後の段階で発生する容量放電(後期の 容量放電)の値は、燃料混合気の絶縁破壊電圧が正常燃焼時よりも大きいことに より、正常燃焼時に比べて非常に大きくなる。
【0034】 このとき、点火プラグ16の電極近傍にほとんどイオンが存在しないため、ダ イオード50と点火プラグ16との間に蓄えられた電荷は、イオンによって中和 されず、またダイオード50によって点火コイル49へ逆流することもできない ためそのまま保持され、気筒内圧力が低下して放電要求電圧がこの電荷により印 加されている電圧と等しくなった時に、点火プラグ16の電極において放電され るが、点火電圧Vが高いときには比較的早期に放電されてしまう。
【0035】 その後、時刻t2において再チャージ電圧が印加されると、点火電圧Vは再び 上昇し、前述と同様にプラグ電極間のイオンによる中和がなく、またダイオード 50の作用により、高電圧状態が継続する。そして、気筒内圧力がさらに低下し て放電要求電圧が点火電圧Vと等しくなったときに、プラグ電極間で放電される (時刻t11)。
【0036】 一方、比較レベルVCOMP(C′)は、図示例では時刻t9までは前回リセ ットされた後における点火電圧Vのピーク値に応じた値となっており、時刻t9 以後、点火電圧Vの上昇とともに上昇し、ピーク値に対応したレベルを時刻t5 まで保持する。時刻t5〜t2において所定低レベル固定状態され、時刻t2以 後は再チャージ電圧によってピーク値となった点火電圧Vに対応した値を保持す る。
【0037】 その結果、比較器44の出力は同図(g)に示すように、時刻t0近傍、時刻 t9の少し前、時刻t9〜t10及び時刻t2〜t11において高レベルとなる が、ゲート回路45の出力は、ゲート期間TG中に高レベルとなった期間内のみ 高レベルとなる。
【0038】 従って、図4の(d)と(g)とを比較すれば明らかなように、ゲート回路4 5から出力される比較判定パルスのパルス幅を計測し、基準値と比較することに よって、失火を判定することができる。
【0039】 図5は、比較判定パルスに基づいて、失火判定を行うプログラムのフローチャ ートであり、本プログラムはCPU5bにおいて一定時間毎に実行される。
【0040】 まず、モニタ条件が成立しているか否かを判別する(ステップS1)。ここで 、モニタ条件は、エンジン運転パラメータセンサの異常及び燃料噴射時間等の制 御パラメータ値の異常が発生しておらず、かつエンジンが失火判定を実行すべき 運転状態にあるとき、例えば機関回転数、吸気管内絶対圧を機関を搭載した車輌 の速度等が夫々の中庸の範囲内にあるとき成立する条件であり、この条件が成立 していない(ステップS1の答が否定(No))のときには、直ちに本プログラ ムを終了する。
【0041】 ステップS1の答が肯定(Yes)のときには、IGフラグ(FlagIG) が「1」であるか否かを判別する(ステップS2)。このIGフラグは点火指令 信号の発生(時刻t0)とともに「1」に設定されるフラグである。ステップS 2の答が否定(No)、即ちIGフラグが「0」のときには、リセットタイマの 計測値tRを値0として(ステップS3)本プログラムを終了する。ステップS 2の答が肯定(Yes)、即ちIGフラグが「1」のときには、リセットタイマ の計測値tRが所定時間tRESETより小さいか否かを判別する(ステップS 4)。IGフラグが「0」から「1」となった直後は、この答が肯定(Yes) となり、比較判定パルス、即ちゲート回路45の出力パルスが有るか否かを判別 る(ステップS7)。この答が否定(No)であれば直ちに本プログラムを終了 し、肯定(Yes)であれば、カウンタのカウント値CPを値1だけインクリ( ステップS8)、そのカウント値CPが基準値CPREFより小さいか否かを判 別する(ステップS9)。
【0042】 ステップS9の答が肯定(Yes)、即ちCP<CPREFのときには、正常 燃焼と判定し、フラグFMISを「0」とする(ステップS10)一方、ステッ プS9の答が否定(No)、即ちCP≧CPREFのときには、FI失火と判定 し、フラグFMISを「1」とし(ステップS11)、本プログラムを終了する 。
【0043】 前記ステップS4の答が否定(No)、即ちtR>tRESETとなったとき には、カウンタのカウント値CP及びIGフラグを値0にリセットし(ステップ S5,S6)、前記ステップS10に進む。
【0044】 図5のプログラムによれば、図4(e),(h)に示すように、燃焼時には、 カウント値CPが基準値CPREFを越えないのに対し、失火時には、時刻t1 2に基準値CPREFを越えるので、失火が検出される。失火検出時には、後述 する始動時気筒判別処理で使用するフラグFMFを1にセットする。
【0045】 次に、図6及び図7を用いて本考案の特徴を成す始動時気筒判別処理を説明す る。なお、図6は始動時気筒判別処理のプログラムを示すフローチャートであり 、図7は本実施例の燃料噴射タイミングを示すタイムチャートである。この始動 時気筒判別処理はTDC信号の発生毎に繰り返し実行される。
【0046】 スタータスイッチIGNがオンした後(図7の時刻t0)最初のTDC信号が 入力される時刻t1前に、後述する判別フラグFAとFBを共に“0”にセット しておく。最初のTDC信号で開始される図6のプログラムのステップS1では 判別フラグFBが“1”であるか否かを判別する。この場合、その答は否定(N O)となり、続くステップS2における判別フラグFAが“1”であるか否かを 判別する。この答も否定(NO)となってステップS3へ進む。
【0047】 この始動時(時刻t1以前)において、ステップS3では、任意気筒(例えば 1番気筒#1)の燃料噴射弁の駆動信号をオンにして燃料を噴射する。その後、 ステップS4で、ステップS3の処理が終了したことを示す判別フラグAを“1 ”にセットする。
【0048】 最初のTDC信号の発生時(時刻t1)では、ステップS1の判別処理の答は 前回と同様に否定(NO)、即ちFBは“1”でないものの、続くステップS2 では前回のステップS4でFAを“1”にセットしたので、その答は肯定(YE S)、即ちFA=1となり、ステップS5に進む。
【0049】 このステップS5では、上述したフラグFMFが“1”、即ち失火状態である か否かを判別する。即ち、図7中の点火指令信号θIGは、その立上がりタイミ ングで例えば4番気筒#4、2番気筒#2、1番気筒#1、3番気筒#3の順に 順次点火プラグ16を点火させる。従って、最初の点火時期である時刻t1では 4番気筒#4に、次の点火時期の時刻t2では2番気筒#2にそれぞれ点火が行 われる。ところが、4番気筒#4及び2番気筒#2に未だ燃料が噴射されておら ず、その結果、時刻t2,t3においては、それぞれ4番気筒#4及び2番気筒 #2の失火が上述の図5に示した失火判定処理によって検出される。これにより 、図6に示す本ルーチンを終了する。
【0050】 その後、時刻t4になると、時刻t3に点火した1番気筒#1の失火判定処理 の判定結果が得られる。この1番気筒#1には既に時刻t1以前に燃料が噴射さ れており、この燃料が時刻t3における点火で燃焼し、この燃焼状態が時刻t4 で検出される。これにより、始動時から最初の燃焼が行われる気筒が1番気筒# 1であることが判明する。そして、このTDC周期においては、ステップS5の 判別処理の答が否定(NO)、即ちフラグFMFが“0”となり、ステップS6 で噴射すべき気筒の更新を行う(本実施例では4番気筒#4)。その後、ステッ プS7で判別フラグFBを“1”にセットして本ルーチンを終了する。
【0051】 時刻t4以降では、既に判別フラグFBが“1”にセットされているので、ス テップS8へ進む。このステップS8では、既に1番気筒#1が判別され、4番 気筒#4、2番気筒#2、1番気筒#1、3番気筒#3の順に燃料噴射を行うべ きことも既に設定されているので、全ての気筒の判別が可能となり、4番気筒# 4、2番気筒#2、1番気筒#1、3番気筒#3の順に燃料噴射を行う通常のシ ーケンシャル噴射制御へ移行する。
【0052】 このように、始動時において、ある特定気筒(例えば1番気筒#1)のみに燃 料を噴射し、その後、図5の失火判定ルーチンにより最初に燃焼状態が検出され た時の気筒が最初に噴射した1番気筒#1であるので、これによって気筒判別が 可能となり、従来のように、気筒判別用のCLYセンサを設けなくとも、シーケ ンシャル噴射制御が可能となる。
【0053】 なお、本考案は図示の実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば 上記実施例では始動後最初に噴射する気筒を1番気筒#1としたが、これに限ら ず、任意の気筒であればよく、2番気筒#2でも3番気筒#3でもよい。
【0054】
【考案の効果】
以上に説明したように、本考案によれば、内燃機関の各気筒の燃焼/失火状態 を検出する燃焼状態検出手段と、前記機関の始動時に燃料噴射弁を制御して任意 の気筒に燃料噴射を行う燃料噴射制御手段と、前記燃焼状態検出手段により始動 後最初に燃焼が検出された気筒に基づいて特定の気筒を判別する気筒判別手段と を備えたので、失火検出装置を利用することにより気筒判別が可能となり、従来 気筒判別用に使用していたCYLセンサを省略できる。従って、CYLセンサに 関連するシールド線及び波形整形回路等も省略できる。また、気筒判別手段を用 いることにより、燃料噴射制御装置のシーケンシャル制御が可能となり、燃料噴 射制御装置としても大幅なコストの低減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る内燃機関及びその制御
装置の構成図である。
【図2】失火検出を行うための回路構成を示す図であ
る。
【図3】図2の回路の一部の具体的な構成を示す回路図
である。
【図4】図2の回路の動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図5】始動時気筒判別処理のフローチャートである。
【図6】基準値(CPREF)の算出を行うプログラム
のフローチャートである。
【図7】燃料噴射タイミングを示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 内燃機関 5 電子コントロールユニット(燃焼状態検出手段、
燃料噴射制御手段、気筒設定手段、制御切換手段) 6 燃料噴射弁 15 ディストリビュータ 10 TDCセンサ 11 CRKセンサ 16 点火プラグ 17 点火電圧センサ 47 一次側コイル 48 二次側コイル 49 点火コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金広 正毅 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)考案者 石岡 卓司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)考案者 丸山 茂 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の各気筒の燃焼/失火状態を検
    出する燃焼状態検出手段と、 前記機関の始動時に燃料噴射弁を制御して任意の気筒に
    燃料噴射を行う燃料噴射制御手段と、 前記燃焼状態検出手段により始動後最初に燃焼が検出さ
    れた気筒に基づいて特定の気筒を判別する気筒判別手段
    とを備えたことを特徴とする内燃機関の気筒判別装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の各気筒毎に設けられた燃料噴
    射弁を制御して燃料噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御
    装置において、 前記機関の各気筒の燃焼/失火状態を検出する燃焼状態
    検出手段と、 前記機関の始動時に燃料噴射弁を制御して任意の気筒に
    燃料噴射を行う燃料噴射制御手段と、 前記燃焼状態検出手段により始動後最初に燃焼が検出さ
    れた気筒に基づいて特定の気筒を判別する気筒判別手段
    と、 前記特定の気筒が判別された後に前記燃料噴射制御手段
    を前記各気筒に所定の順序で燃料噴射を行うシーケンシ
    ャル噴射制御に移行させる制御切換え手段とを備えたこ
    とを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
JP3567292U 1992-04-28 1992-04-28 内燃機関の気筒判別装置及び内燃機関の燃料噴射制御装置 Pending JPH0587245U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3567292U JPH0587245U (ja) 1992-04-28 1992-04-28 内燃機関の気筒判別装置及び内燃機関の燃料噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3567292U JPH0587245U (ja) 1992-04-28 1992-04-28 内燃機関の気筒判別装置及び内燃機関の燃料噴射制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0587245U true JPH0587245U (ja) 1993-11-26

Family

ID=12448373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3567292U Pending JPH0587245U (ja) 1992-04-28 1992-04-28 内燃機関の気筒判別装置及び内燃機関の燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0587245U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997032123A1 (fr) * 1996-03-01 1997-09-04 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Dispositif pour evaluer un cylindre de moteur a explosion

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997032123A1 (fr) * 1996-03-01 1997-09-04 Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha Dispositif pour evaluer un cylindre de moteur a explosion

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5215067A (en) Misfire-detecting system for internal combustion engines
US5067462A (en) Control device and method for multicylinder engine with a cylinder discrimination function
US5411006A (en) Engine ignition and control system
US20040084021A1 (en) Method for reducing pin count of an integrated ignition coil with driver and ionization detection circuit by multiplexing ionization and coil charge current feedback signals
US20040084036A1 (en) Ignition coil with integrated coil driver and ionization detection circuitry
US20040085068A1 (en) Device to provide a regulated power supply for in-cylinder ionization detection by using a charge pump
US5226394A (en) Misfire-detecting system for internal combustion engines
US5349299A (en) Fuel supply misfire-detecting system for internal combustion engines
US7062373B2 (en) Misfire detection apparatus of internal combustion engine
US7055372B2 (en) Method of detecting cylinder ID using in-cylinder ionization for spark detection following partial coil charging
US5606118A (en) System and method for detecting misfire in an internal combustion engine
US6971372B2 (en) Method and device for detecting a phase of a four-stroke gasoline engine
US6813932B2 (en) Misfire detection device for internal combustion engine
JP3874800B2 (ja) 圧縮行程にある燃焼エンジンの燃焼室を特定する方法、燃焼エンジンを始動する方法および燃焼エンジンのための装置
US5406921A (en) Misfire detection method
WO2009116303A1 (ja) 内燃機関の燃焼状態判定方法
US6691555B2 (en) Firing state discrimination system for internal combustion engines
JP2019210827A (ja) 内燃機関用制御装置
JP2754507B2 (ja) 内燃機関の失火検出装置
JPH0587245U (ja) 内燃機関の気筒判別装置及び内燃機関の燃料噴射制御装置
JP3716947B2 (ja) 内燃機関の気筒判別装置
US5365905A (en) Misfire-detecting system for internal combustion engines
US5832908A (en) Cylinder-discriminating device for internal combustion engines
JP3572498B2 (ja) 内燃機関の気筒判別装置
US5353769A (en) Fuel supply control system for internal combustion engines