JP3874800B2 - 圧縮行程にある燃焼エンジンの燃焼室を特定する方法、燃焼エンジンを始動する方法および燃焼エンジンのための装置 - Google Patents
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Description
本発明は請求項1の序説に記載された、圧縮行程にある燃焼エンジンの燃焼室を特定する方法に関するものである。更には、本発明は請求項3の序説に記載の、燃焼エンジンを始動する方法に関している。更にまた本発明は請求項9の序説に記載の、燃焼エンジンの装置に関するものである。
高電圧のディストリビュータおよびカムシャフトセンサを無くした、近代の電子点火システムを有する燃焼エンジンにおいては、適正なる点火順序および適正なる噴射順序はエンジンを始動する迄は決定することが出来ない。エンジンが始動後作動するにつれて、適正な点火順序は燃焼が発生したシリンダ内のイオン化電流を測定することによって決定することが可能である。例えばSE−B−442345に記載のこのような従来技術においては、測定電圧が点火コイルの2次巻線と測定コンデンサの間の接地接続された点火回路に添加され、この電圧がシリンダ内のイオン化電流となる。このイオン化電流は測定装置によって前記接地接続回路内において検出される。
良く知られているように、燃焼エンジンの燃焼室内の圧力と点火プラグの電極間隙内の(火花)放電電圧との間には相関がある。すなわち、圧力が高くなる程放電電圧は高くなる。このことは燃焼室が圧縮行程にある時の方が同室が排気行程にある時よりも放電電圧が高くなるということを意味している。更には、放電にまで至る電圧を得るのにはある程度の時間が必要なので、点火が開始された時期を基準とすれば、圧縮室が圧縮行程にある時の方が排気行程にある時よりも、火花放電は時間的により遅く発生するということなる。
EP−A−0 619 428に開示された火花システムは点火コイルの2次巻線のそれぞれの端部に接続された2つの点火プラグを有する誘導点火システムに関するものである。かくして、点火コイルの放電は反対の極性を有する電圧が両点火プラグの電極間隙を横切って同時に誘起される。両点火プラグ内の火花を検出し、火花間の時間差を計算することにより、エンジンの作動角度を決定することが出来る。
US−A−5 065 729は燃焼エンジンのための誘導電子点火システムを開示しており、同システムは1つの一次巻線および2つの二次巻線を有する点火コイルを有している。なお各巻線は電極間隙を形成する点火プラグへと直列的に接続されている。一次巻線はコントロールユニットによって制御された1つのトランジスタへの直列的に接続されている。かくして、両点火プラグにおいて同時に火花放電が開始される。火花が発生する電圧を検知するために、二次巻線およびその点火プラグの一方と直列的にすなわち高電圧側において1つの検出器が設けられている。放電電圧が圧力増大とともに増大するにつれて、圧縮行程に入っているシリンダを決定することが可能となり、この知見をもとに、例えばエンジン作動中における燃料噴射を制御することが可能となる。
EP−A−0 177 145は燃料噴射を同期化するために、圧縮行程にあるシリンダを決定するための装置を有する類似の点火システムを開示している。同装置は点火電圧を決定するための、高電圧側に静電的に接続された検出器を有している。
点火プラグの電極間隙内に火花を発生させるのに必要な電圧を測定出来るようにするため、例えばオシロスコープのような電圧を開示する測定機器に接続された高電圧プローブが通常必要とされる。前記高電圧プローブは点火システムの高電圧側に対して、点火コイルと点火プラグとの間に接続される。測定すべき電圧は点火システムによって供給される電圧のレベルに依存する。コンデンサ式点火システムにおいては電圧は35〜40kV程度の高いものとなる。そのような高い電圧を測定することにより、測定機器と、エンジンの周囲の金属部品間に電流の漏洩が生ずることによる問題がひんぱんに発生する。
WO−A−9 221 876は燃焼エンジンのコンデンサ式点火システムの電気的欠陥を検出するための診断装置を開示している。点火装置は1つの充電コンデンサと、点火プラグに直列的に接続されて電極間隙を形成している一次巻線および二次巻線を有する1つのコイルとを有している。前記診断装置は点火信号と点火の間の時間遅れを評価するようにされており、この評価はトリガ時点すなわち充電コンデンサの放電を開始する時点から、前記一次巻線中を通る電流が予め定められたしきい値に到達する時点迄の時間間隙を測定することによってなされる。このしきい値においては、電極間隙内に火花放電が発生するものと仮定されている。かくして、WO−A−9 221 876はトリガ時点と火花時点の間の時間間隔をいかに正確に決定するかの方法は教示していない。点火システムの状態を決定するためには、評価された遅延時間が幾つかのしきい値と比較される。
DE−A−3 041 498はトリガ時点と点火時点の間の時間遅延すなわち点火を開始する点火コントロール信号開始から火花の発生迄の時間遅延を決定するための1つの測定および規制装置を備えた通常の点火システムを開示している。火花は前記測定および規制装置における電圧の負の(波形)側部を検知することにより検出される。決定された時間遅延は点火時点を調節するのに利用される。
発明の概要
本発明の目的は始動プロセスのすでに最初の回転中において、圧縮行程にあり、点火されるべき燃焼室を決定し、なおかつ次の吸引行程のために燃料を供給されるべき燃焼室を決定するための改善された方法を提供することである。より具体的に言うならば、本発明は始動プロセスの最初の回転中において、燃焼エンジンを始動させることを可能とする方法および装置を提供することを目的としている。
本発明の目的は請求項1および請求項3の特徴を述べる部分においてそれぞれ記載された特徴を有する、最初に記載の方法によって達成される。更には、同目的は請求項9の特徴を述べる部分に記載された特徴を有する、最初に記載された装置によって達成される。
点火装置の点火電圧が増大する圧縮度とともに増大するので、最初のエンジン回転中において、全ての点火装置に対して高周波の高電圧パルスを順次供給し、各点火による点火電圧を測定することにより、圧縮行程にある燃焼室をきわめて迅速に決定することが可能である。特に、この段階はすでに最初のエンジン半回転中に実施することが可能である。というのも実際の燃焼室は下死点から上死点へと回転するからである。
好ましい実施例によると、圧縮室は決められた順番により圧縮行程に入っており、この順番および最初の室が圧縮行程にあるという情報に基づいて、燃料がこの圧縮室内に噴射され、かくして次の室が圧縮行程に入る。
かくして、本発明によれば、燃焼エンジンのきわめて迅速な始動が可能となる。このことは未燃焼ガスがエンジン中を通過する必要がなく、かくして大量の排出物が出る結果とならなくて済むことを意味している。
本発明の1つの実施例は放電の開始時点から十分な電圧が点火装置の電極間隙を横切って誘起され、火花が発生する瞬間迄にある長さの時間遅延が存在するという事実を利用している。点火の開始から、火花の発生を意味する瞬間的パルスの発生迄のこの時間間隔を測定することによって、点火電圧の大きさは容易に計算することが出来る。何故ならば、電極間隙を横切っての電圧は少なくとも火花発生に先立つ時間間隔中においては時間と直線的比例関係にあるからである。前記瞬間的パルスは十分に鋭いので極めて容易に検知することが可能である。すなわち何らの高度な測定機器は不必要である。好ましくは、前記点火システムは高電圧側部と低電圧側部を有しており、前記パルスは低電圧側部において検出される。したがって、高電圧側部には何らの配線をする必要はない。
1つの実施例によると、本発明はコンデンサ式点火システムであって、火花を発生するのに必要な電気的エネルギは充電コンデンサ内に蓄積される。そのような点火システムにおける点火電圧は通常の誘導点火システムにおけるより十分に高いので、高電圧側部への配線はずっと問題点の発生が多くなる。本発明は全てのよく用いられる点火システムに適用可能であり、しかも何らの困難無しに既存の燃焼エンジンに接続してやることが出来る。
付図の簡単な説明
次に本発明を付図に記載した実施例を参照してより詳細に説明しよう。
図1は燃焼エンジンのブロック線図を示す。
図2は点火システムの主要結線図を示す。
図3は点火電圧の測定法を例示するブロック線図を示す。
図4はトリガパルスと瞬間的パルスを例示した線図である。
図5〜図9は点火電圧の測定結果を示している。
図10は点火電圧、トリガパルスおよびエンジンの角度位置を時間の関数として例示した線図である。
異なる実施例の説明
図1は4ストローク型式で4つの燃焼室およびマイコンにより制御された点火システム2を有する燃焼エンジン1を示しており、燃焼室は以下シリンダC1、C2、C3、C4であらわす。このシステムは制御ユニット3と充電回路4を有している。制御ユニット3はワイヤ5a、5b、5cを介してエンジン1上に設けたクランクシャフトセンサ6、吸入圧力を検出するためのセンサ8およびエンジン温度を検出するためのセンサ8に接続されている。この明細書には記述されていない更に別のセンサーがあっても良い。点火システム2は記載例においてはコンデンサ式のものであり、更にはそれぞれのシリンダC1、C2、C3、C4の点火プラグ11〜14の形態をした点火装置のための放電回路9および点火回路10を有している。図より、いかにして信号がクランクシャフトセンサ6からワイヤ5aを経て点火システム2へと伝送されるかが明らかであろう。制御ユニット3においては、マイコンがそれぞれのシリンダC1、C2、C3、C4における点火のための時点を、クランクシャフトセンサ6、取入口圧力センサ7、エンジン温度センサ8および更に別のセンサからの入力データにもとづいて決定している。シリンダ対C1、C3内の一方のシリンダC1のピストンが4ストロークサイクルの圧縮行程にある時には、他方のシリンダC3のピストンは排気行程にある。しかしながら、シリンダ対C1、C3の一方のピストンは他方のシリンダ対C2、C4のピストンに対して180℃の差異を以って回転しており、このことはシリンダ対の一方C1、C3のピストンが上死点にある時には、他方のシリンダ対C2、C4のピストンが下死点にあるということを意味している。かくしてシリンダC1、C2、C3、C4は構造的に決定される点火順番により圧縮行程に入る。
図2においては、図1における点火プラグ11〜14のうちの点火プラグ11、13のみが論議されている。点火プラグ11および13は各々が対応する数の点火コイル17、18の該当する二次巻線15、16に接続されている。点火コイル17、18の一次巻線21、22は各々が例示の記載ではトライアックであるそれぞれの電流ブレーク部材23、24へと直列的に接続されている。各一次巻線21、22およびトライアック23、24は放電回路25、26を形成しており、これらの回路はワイヤ27の点火コンデンサ20へと並列接続されている。コンデンサ20にはまたコイル28が並列接続されている。コイル28はワイヤ31のダイオード29へと直列接続されている。点火コンデンサ20を有したワイヤ27並びにこれと並列接続された全てのワイヤ25、26、31は一方において例えばトランジスタであり、別のダイオード32並びにワイヤ34の抵抗器33へと並列接続されている第2の電流ブレーク部材30へと接続されており、他方においては、点火スイッチキー37を有するワイヤ36を経て好ましくは12Vの電池である直流源35へと接続されている。ダイオード29、32はトランジスタ30が通電のため開口された時電流が電池35からワイヤ31、32を経て地面へと流れるように作動する。
前記トライアック23、24およびトランジスタ30はそれぞれ制御ユニット3からワイヤ44、45を介して移送される信号によって制御されている。ワイヤ5a、5b、5cを経て伝送される図1に記載の入力信号に加えて、電池35の電圧レベルに関する入力信号がワイヤ47を経て制御ユニット3へと供給される。ワイヤ48は制御ユニット3をトランジスタ30および抵抗器33の間においてワイヤ34へと接続するとともに、充電電流に対応する電圧を制御ユニット3へと移送する。抵抗器42およびダイオード43を有するワイヤ49を経て制御ユニット3はまた誘導コンデンサ20の電圧に対応する信号を受信する。
図2に係る点火システムは基本的に次の様に作動する。エンジンを始動すると、スイッチ37がワイヤ36を閉じ、電池35がコイル28、ダイオード29、32、トランジスタ30および抵抗器33からなる充電回路31、34を介して直流をアースへと供給する。かくして、制御ユニット3はトライアック23、24を閉じたままに保持し、一方トランジスタ30は開口して電流が流れる。ワイヤ48の充電電流およびそれに対応する電圧が所定のレベルに到達した時には、制御ユニット3はトランジスタ30中を流れる電流を遮断(ブレーク)する。そうすることにより、コイル28内に充電されたエネルギは充電コンデンサ20へと伝送され、該コンデンサは約400Vの電圧へと充電される。その後、制御ユニット3がワイヤ5、41の入力信号に反応して、制御ユニット3内において決定された点火時点において、例えばトライアック23への出力信号を提供した時には、トライアック23が開口し、充電コンデンサ20が一次巻線21を経て放電される。かくして、二次コイル15内には点火電圧が生成され、その結果点火プラグ11の電極間隙内には点火火花が形成される。充電コンデンサ20の電圧はワイヤ49を介して制御ユニット3によって検出され、この電圧が所定の値以下へと低下した時には、制御ユニットは出力信号をワイヤ46を介してトランジスタ30へと提供し、該トランジスタを開くことにより新しい充電サイクルを開始する。同時に、トライアック23は再びワイヤ25を閉じ電流を流す。その後、制御ユニット3は叙上と同様の態様により再び充電コンデンサ20の充電および放電を行なう。
出力部50、51において、制御ユニット3からのトリガ信号を検出することが出来る。すなわちトライアック23、24を開口し、かくして充電コンデンサ20の放電を開始する信号が検出され、出力部52においては充電コンデンサ20における電圧レベルを検出することが出来る。
図2は火花放電電圧のレベルを決定するための回路53を開示している。図3を参照してより詳細に述べる回路53は出力部50、51に接続されるべき入力部54と、出力部52に接続されるべき入力部55とを有している。入力部54と直列接続されて信号処理ユニット56が設けられている。そこから、処理された信号はD−フリップ−フロップ57、バイナリカウンタ58へと移送され、カウンタがゼロへとリセットされる。D−フリップ−フロップ57からパルスはオシレータ59を経てカウンタ58へと移送され、カウンタが始動される。入力部55と直列接続され別の信号処理ユニット60が設けられており、ここからパルスがD−フリップ−フロップ57を経てカウンタ58へと伝送され、カウンタが停止される。かくして、カウンタ58によりある時間値が得られ、その値から火花放電電圧のレベルを処理ユニット61によって計算することが出来る。カウンタ58からのディジタル値はD/Aコンバータ62によってアナログ値へと変換してやることが可能である。なおコンバータ62は該当値が読み出された時にトリガユニット63によって起動される。別の処理ユニット64を介して、その後の火花電圧のアナログ値を読み出すことが出来る。処理ユニット61によって計算された火花電圧の値はワイヤ5dを経てコントロールユニット3へと戻され、以下に説明する態様によって始動プロセス並びに燃料噴射をコントロールするのに利用される。
開示した例においては、トライアック23、24はある電圧がワイヤ44、45に添加された時に、それらが電流を通すべく閉じられるという風に配設されている。この電圧が無くなると、すなわち電圧波形の負の側部65(図4参照)において、点火システムが起動され、トライアック23、24は開口し、充電コンデンサ20の放電が開始され、出力部50、51並びに回路53を介してカウンタ58が始動される。火花が発生し、瞬間パルス66があらわれてくると、パルス66は回路53によって出力部52経由登録され、カウンタ58が停止される。電圧が再びワイヤ44、45に添加されると、すなわち電圧波形の正の側部67においては、この電圧が回路53によって出力部50、51経由検出され、カウンタ58がゼロへと戻される。ここで注意すべきは、電流ブレーク部材23、24もまた正のパルスに反応して開口し、負のパルスに反応して開口するようにしてやることが可能である。
図5〜図9は火花電圧の測定の結果を示している。図5において、上側のカーブ68は点火コイル17、18の二次巻線15、16上の電圧と時間の関係を、下側のカーブ69は充電コンデンサ上の電圧と時間の関係をそれぞれ示している。かくして、火花発生と同時に瞬間パルス66が発生し、誘起されていた電圧が減少するのを観察することが出来る。通常は約400Vの電圧が充電コンデンサ20に印加されるが、図5〜図9の線図においては電圧は100等分されており、線図内の電圧は放電前において4Vである。カーブ68内において開示されている2次電圧はこの測定実験においては高電圧プローブによって得られている。2次電圧の上昇必要時間は点火コイル17、18の巻線データによって構造的に決定される。図5に開示されたように、2次電圧の時間関数は少なくとも最初の約2.8μs後においては線形的特徴を有している。すなわち10kVを超えた電圧を示す。図6〜図9は異なる時間尺度においてワイヤ44、45上のトリガパルスを例示する上側カーブ70と、充電コンデンサ20上の電圧を例示している下側カーブ71を開示している。図6〜図8は1.4mmの電極間隙を有する点火プラグと関連する測定結果を開示している。火花のトリガから火花の実際発生迄に約6.0μsかかっており、これは33.6kVの火花放電電圧に対応することが見てとれよう。図9においては、対応する電極間隙は0.8mmである。時間間隔はこの場合約4.1μsであり、これは19.8kVの火花放電電圧に対応している。
次に図10を参照して本発明をより詳細に説明しよう。エンジン1を始動する時には高電圧パルス72が順次全ての点火プラグ11〜14に供給される。すなわち、高電圧パルス72が図10の線73〜76のよってあらわされる各点火プラグ11〜14へと順次供給される。このことはそのような高電圧パルス72は4つ目毎に同一点火プラグへと供給される。高電圧パルス72は例えば100〜500Hz、好ましくは200〜400Hzの極めて高い周波数によって供給されている。図10において、各パルス間の時間間隔は5msである。すなわち200Hzの周波数である。図からもわかるように、パルスの供給はすでに約15ms後に開示しており、これは約9°のクランクシャフト回転に相当している。クランクシャフトの回転はクランクシャフトセンサ6によって検出されており、カーブ77によって例示されている。カーブ77において各下側節間の距離は6°の回転角度をあらわしている。高電圧パルス72の供給と同時に、点火プラグ11〜14の電極間隙内の火花放電電圧が前述の方法によって測定される。火花電圧のレベルはカーブ78によって図式的に開示されている。これからもわかるように、圧縮がゼロである時には火花電圧は約4kVである。更には、火花電圧は、カーブ74によってもわかるように、シリンダC2に高電圧パルス72が供給される度毎に増大して行くように見える。かくしてシリンダC2は最初に圧縮行程に入るシリンダであるという事が明らかである。したがって制御ユニット3は点火順序を知ることが出来、これによって燃料噴射を制御することが可能となる。図10にも示されているように、上死点の10°以前において燃料を噴射することが可能であり、点火はシリンダC2内で発生する。かくすればクランクシャフトは約112°回転したことになる。すなわち1回転の単に1/4である。
説明した実施例はコンデンサ式点火システムに関してであったが、本発明はまた誘導点火システムにも適用可能である。そのようなシステムにおいてもまた点火プラグの電極間隙内に火花放電が発生する時には、点火システムの低電圧側において瞬間パルスを検出することが可能である。更には、本発明は4ストロークエンジンのみならず2ストロークエンジンにも適用可能である。
更には、前記点火装置は点火プラグ以外の手段、例えば電極間隙を形成する電極の1つがピストンの頂部上に設けられている点火装置によって実現されることが可能となることに注目されたい。
Claims (16)
- 圧縮行程にある燃焼エンジンの燃焼室を特定する方法であって、前記燃焼エンジンは少なくとも2つの燃焼室と、各燃焼室のために電極間隙を形成している点火装置を有する点火システムとを有している方法において、該方法は
エンジン始動の最初の一回転目中に高周波、高電圧パルスを順次全ての火花点火装置へと供給する段階と、
各火花について各点火装置の電極間隙の火花電圧を測定する段階と、
異なる点火装置の測定された火花電圧の助けを借りて、最初に圧縮行程に入る燃焼室を決定する段階とを有することを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法において、最初に圧縮行程に入る燃焼室として、前記点火電圧が増大する値を示す燃焼室を記録する段階を有することを特徴とする方法。
- 所定の順序で圧縮行程に入る少なくとも2つの燃焼室と、各燃焼室に対して電極間隙を形成する点火装置を持つ点火システムとを有する燃焼エンジンを始動させる方法において、該方法は
最初のエンジン回転中に高周波数、高電圧のパルスを順次全ての火花点火装置に供給してやる段階と、
各点火装置の電極間隙の火花電圧を各火花について測定する段階と、
異なる点火装置の測定された火花電圧の助けにより、最初に圧縮行程に入る燃焼室を決定する段階と、
前記順序並びに最初に圧縮行程に入る燃焼室の知識に基づいて、次に圧縮行程に入る燃焼室内に燃料を噴射してやる段階とを有することを特徴とする方法。 - 請求項1から請求項3のいづれか1項に記載の方法において、高周波が100〜500Hz、好ましくは200〜400Hzであることを特徴とする方法。
- 請求項1から請求項4のいづれか1項に記載の方法において、前記点火システムは電極間隙内に火花を発生させるのに必要な電気的エネルギを堆積するようにされた充電部材を有しており、火花電圧は前記充電部材の放電の開始から火花発生を示す瞬間的パルスの発生迄の時間間隔を測定することにより決定されており、この測定された時間間隔が火花電圧のレベルを計算するのに利用されていることを特徴とする方法。
- 請求項5に記載の方法において、前記点火システムが高電圧側と低電圧側とを有しており、前記パルスが低電圧側において検出されることを特徴とする方法。
- 請求項6に記載の方法において、前記充電部材は点火システムの低電圧側内に設けられた充電コンデンサを有しており、前記パルスは該充電コンデンサにおいて検出されることを特徴とする方法。
- 請求項1から請求項7のいづれか1項に記載の方法において、充電部材の放電は制御パルスによって開始されており、この制御パルスが検出され、この制御パルスが検出されると前記時間測定が開始されることを特徴とする方法。
- 少なくとも2つの燃焼室(C1、C2、C3、C4)と、各燃焼室のために電極間隙を形成する少なくとも1つの火花点火装置(11〜14)並びに前記電極間隙内に火花を発生させるために必要な電気エネルギを堆積するための充電部材(20)とを有する点火システムとを有する燃焼エンジン(1)のための装置において、前記点火システムは前記充電部材(20)に接続され、高周波の高電圧パルス(72)を始動プロセスの最初のエンジン回転中に順次全ての点火装置(11〜14)へと供給するようにされた電子制御ユニット(3)を有しており、測定ユニット(53)が設けられ、各火花について各火花点火装置(11〜14)の電極間隙内の火花電圧を測定するようにされており、前記電子制御ユニット(3)は異なる点火装置の測定された火花電圧の助けによって、最初に圧縮行程に入る燃焼室を決定するようにされていることを特徴とする装置。
- 請求項9に記載の装置において、前記制御ユニット(3)は、各新規の高電圧パルス(72)に対して火花電圧が増大値を示す燃焼室(C1、C2、C3、C4)をして最初に圧縮行程に入る燃焼室として記録するようにされていることを特徴とする装置。
- 請求項9および請求項10のいづれか1項に記載の装置において、前記測定ユニット(53)は充電部材(20)の放電開始から電極間隙内に火花が発生したことを示す、瞬間パルス(66)の発生迄の時間間隔を測定するようにされており、計算部材(61)は前記測定された時間間隔に基づいて火花電圧の大きさを計算するようにされていることを特徴とする装置。
- 請求項11に記載の装置において、前記充電部材(20)は、一次回路を経由して電源(28、35)に接続されている一次巻線(21、22)と、火花点火装置(11〜14)に接続されている二次巻線(15、16)とを備えたコイル装置(17、18)を有しており、前記瞬間パルス(66)は前記一次回路内において検出されていることを特徴とする装置。
- 請求項11および請求項12のいづれか1項に記載の装置において、前記充電装置は充電コンデンサ(20)を有しており、前記時間測定部材(53)は、時間測定部材が充電コンデンサの充電にしたがって同コンデンサの電圧を検出し、火花が発生した時にあらわれる前記瞬間パルス(66)を検出するように、充電コンデンサに接続されていることを特徴とする装置。
- 請求項12および請求項13に記載の装置において、前記放電コンデンサ(20)は前記一次回路内に設けられていることを特徴とする装置。
- 請求項9から請求項14のいづれか1項に記載の装置において、前記電子制御ユニット(3)は制御パルスによって前記放電部材(20)の放電を開始し、測定ユニット(53)が前記制御ユニット(3)に接続されて前記制御パルスを検出するようにされていることを特徴とする装置。
- 請求項9から請求項15のいづれか1項に記載の装置において、前記測定ユニット(53、61)は電子制御ユニット(3)に接続(5d)され、各燃焼室(C1、C2、C3、C4)内の火花電圧の値を伝達するようにされていることを特徴とする装置。
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