JPH0586187B2 - - Google Patents

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JPH0586187B2
JPH0586187B2 JP60033684A JP3368485A JPH0586187B2 JP H0586187 B2 JPH0586187 B2 JP H0586187B2 JP 60033684 A JP60033684 A JP 60033684A JP 3368485 A JP3368485 A JP 3368485A JP H0586187 B2 JPH0586187 B2 JP H0586187B2
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castor oil
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Norimasa Sato
Ichiro Ooeda
Ju Shimoyama
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T Hasegawa Co Ltd
Kanebo Ltd
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T Hasegawa Co Ltd
Kanebo Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は品質の改良されたヒマシ油の製造法に
関し、更に詳しくは医薬品、香粧品等の分野にお
いて好適に利用し得る実質的に無臭で品質に優れ
たヒマシ油を製造するための方法に関する。 ロ〔従来の技術〕 ヒマシ油は、通常の飲食品に利用されることは
少ないが、医薬品、化粧品として人の皮膚及び口
に触れる機会が多いにもかかわらず、従来は、減
圧脱臭処理程度の精製しか行われていなかつた。
その為、例えば瀉下薬として利用する場合におい
ては、オレンジ油などを矯味、矯臭剤として添加
した加香ヒマシ油(日本薬局方第10改正)として
利用されており、また、例えば、口紅、ステイツ
ク型ほほ紅、及び整髪料など、ヒマシ油を比較的
多量に配合する化粧料においても、ヒマシ油特有
の不快臭をマスキングするために、高価な香料を
通常の使用レベル以上に添加しなければならない
という欠点があつた。 更に、ヒマシ油の構成脂肪酸の90%を不飽和オ
キシ酸であるリシノール酸が占め、通常の植物油
脂と比較して、特異的に粘性が大きく、皮膚に対
して重いグリース的な感触を与えるという欠点が
ある。 従来、醗酵法γ−デカラクトンの製法に関し
て、特開昭59−82090号の提案が知られている。 この提案には、前述の如きヒマシ油それ自体の
品質の問題点を克服して、品質の改良されたヒマ
シ油を製造する技術については全く開示されてい
ないし、そのような技術的着想についても、全
然、言及されない。 この提案においては、酵母類に属する微生物を
包含して、カスターオイル(ひまし油)の存在下
においてカスターオイルを加水分解し得る微生物
も培養もしくは配置すること、そして得られた加
水分解物のβ−酸化を行ないγ−ハイドロキシデ
カン酸を生成することからなる光学活性γ−ハイ
ドロキシデカン酸の製法が記載され、該γ−ハイ
ドロキシデカン酸はその場でラクトン化されてγ
−デカラクトンを生成し、得られたγ−デカラク
トンを回収することが記載されている。そして、
培養は好気性条件下で行うのが好ましいと記載さ
れ、その具体例においても好気性条件が採用され
ており、嫌気性条件下の培養に関しては全く言及
されていない。 ハ〔発明が解決しようとする問題点〕 本願出願人は、先に、前述の如きヒマシ油それ
自体の品質上の技術的課題を克服して、品質の改
良されたヒマシ油を製造する技術として、特願昭
58−176728号(特開昭60−66991号)の方法を提
案した。 この同一出願人の出願に係わる先願発明におい
ては、酵母類に属し且つヒマシ油を基質としてγ
−デカラクトン生産能を有する菌株を用いヒマシ
油を処理し、処理したヒマシ油を分離採取するこ
とを特徴とする品質の改良されたヒマシ油の製法
が提案されている。そして、この先願発明提案に
おいては好気性条件下の培養例が示されている
が、嫌気性条件下での培養については言及されて
いない。 この先願提案の方法によれば、ヒマシ油特有の
不快臭がほぼ完全に除去され、しかも処理時に生
成するγ−デカラクトンに起因するミルク様の好
ましい芳香の付与されたヒマシ油が得られる。こ
のヒマシ油はまた流動特性の点でも改善されてお
り、ヒマシ油特有のねばつく様な感じがなくなり
極めて滑りのよいさらさらした皮感触を呈する。 これらの特性は化粧料あるいは医薬品用の原料
としてみた場合一般的に好ましいものであり、従
つて上記の方法によつて得られる精製ヒマシ油は
それらの目的に好適に使用し得るものであるが、
唯ミルク様の香気については、場合によつてはそ
の存在が配合上の難点となることがあつて、その
利用に制約を受ける点で不利益があり、この点の
改善が望まれるという新たな技術的課題がある。 従つて本発の目的は、ヒマシ油特有の不快臭が
なくかつ前記した好ましい流動特性を有すること
はもとより、さらに、前記γ−デカラクトンによ
る利用上の制を伴なうような香気成分を殆んど含
まず実質的に無臭であつて、化粧料、医薬品等へ
の適用に際して、一層改善された利用適性を示す
品質のさらに改良されたヒマシ油を提供すること
にある。 ニ〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等の研究によれば、前述の先願提案が
全然言及していない前記新たな技術的課題が、該
先願提案が具体的開示を欠く嫌気性条件下の培養
によつて有利に克服され、上記の目的が達成でき
ることが発見された。 すなわち、本発明者等の研究によれば、酵母類
に属し且つヒマシ油を基質として好気性条件下で
γ−デカラクトン生産能を有する菌株を、ヒマシ
油を基質とする培地中で嫌気性条件下に培養し、
培養処理したヒマシ油を分離採取することによつ
て、ヒマシ油特有の不快臭がなく、好ましい改善
された流動特性を有し且つγ−デカラクトンその
他の香気成分の副生による利用上の制約から解放
された実質的に無臭の優れた改善品質を有するヒ
マシ油が製造できることが発見された。 更に、本発明者等の研究によれば、後記実施例
1(嫌気性培養)及び比較例1(好気性培養)で得
られた改良ヒマシ油について、添付図1の(2)及び
(3)に、夫々、そのガスクロマトグラムを該図1の
(1)〔未処理ヒマシ油〕と対比して示したように、
本発明方法によれば、好気性培養で得られた改良
ヒマシ油ではなお認められる未処理ヒマシ油中の
異臭成分n−ヘプタナールによる吸収ピーク3が
実質的に消失し、且つ好気性培養で得られた改良
ヒマシ油に認められるγ−デカラクトンの生成を
示すピーク7が認められず、明らかに異なつた改
良ヒマシ油が得られることが発見された。 以下、本発明方法の実施の態様について、更に
詳しく説明する。 本発明方法で利用するヒマシ油としては、例え
ば日本農林規格、植物油脂の項に記載のひまし
油、精製ひまし油、及び脱臭ひまし油、及び第10
改正日本薬局記載のヒマシ油、即ちトウゴマ
〔Ricinus communis Linne(Suphorbiace−ae)〕
の種子を圧搾して得た脂肪油などを例示すること
ができる。 また、本発明では、酵母類に属し且つヒマシ油
を基質として好気性条件下でγ−デカラクトン生
産能を有する酵母類としては、サツカロミセス
(Sacchar尾myces)属、ハンゼヌラ
(Hansenura)属、キヤンデイダ(Candida)属
及びピキア(Pichia)属に属する群から選ばれる
酵母類を挙げることができる。 かかる酵母類の例としては、例えばサツカロミ
セス属に属する市販のパン酵母或いは
Saccharomyces cerevisiae AHU3034、同
AHU3033、同AHU3057、同AHU3039(以上北
海道大学農学部分譲菌)、Sacchromyces
cerevisiae RIB6001、同RIB6002、同RIB6004、
同RIB6600、同RIB6601、同RIB6852(以上国税
序醸造試験所分譲菌)、Saccharomyces che−
valieri IFO0210、ピキア属に属するPichia
farinosa IFO0459、キヤンデイダ属に属する
Chandida wtilis IFO0626(以上財団法人、醗酵
研究所分譲菌)、ハンゼヌラ属に属する
Hansenura anomala OUT6316(大阪大学工学部
分護菌)などの公知自由分譲菌を例示することが
できる。 本発明の好ましい一実施態様を例示すれば、前
記例示した如き酵母類、例えばSaccharomyces
cerevisiaseに属するパン酵母を例えば、PH約4
〜約7の無機塩培地もしくは又は、ポテトデキス
トロース培地等の天然培地に接種し、約10℃〜約
50℃、好ましくは約20℃〜約40℃にて、約12時間
〜72時間振盪もしくは撹拌条件下に前培養を行
う。次いで得られた培養液1重量部に対してヒマ
シ油を約0.1〜約5重量部を加え、嫌気性条件下
に、例えば10゜〜50℃、好ましくは20゜〜40℃にて
0.1時間〜10時間静置もしくは振盪或いは撹拌条
件下に培養処理する。 かかる嫌気培養条件の具体例としては、例えば
前記培養容器内を脱気し、真空もしくは減圧条件
下に培養処理するか、或いは容器内を脱気後、上
部空間を窒素ガス、炭酸ガス及びヘリウムガスな
どの不活性気体で置換する方法、或いはこれら不
活性気体を培養容器内に吹き込みながら培養処理
する等の如き嫌気性条件を例示することができ
る。 また上記例示のほかに実質的に無酸素条件下に
培養処理できる系であれば、任意の態様を採用す
ることができるが、実質的に酸素を含有しない不
活性気体雰囲気下の培養が好ましく、殊に不活性
気体の導入存在下に培養処理るのが好ましい。又
は、上記実施態様における酵母の前培養工程を省
略し、培地とヒマシ油の混合物に乾燥酵母や圧搾
酵母を添加して混合し、均一とした後、上記と同
様の条件によつて、嫌気性条件下に静置もしくは
振盪或いは撹拌培養処理することもできる。 更に上記の如き培養処理の際、所望により例え
ば界面活性剤などの乳化剤を添加することもでき
る。 次いで、上記培養処理液から、適宜な分離手
段、例えばデカンテーシヨン、遠心分離などによ
りヒマシ油を分離し、所望により更に飽和食塩
水、イオン交換水、などで洗浄し、分離したヒマ
シ油に芒硝、シリカゲル、粉紙などの任意の脱
水剤を添加して脱水処理するか、或いは真空乾燥
など適宜の手段を用いて脱処理することにより、
実質的に無臭で、保存安定が良く、著しく品質の
改良された本発明のヒマシ油を得ることができ
る。 以下実施例による本発明の数態様を更に詳しく
説明する。 ホ〔実施例〕 実施例 1 容量500mlの坂口フラスコに減菌生理食塩水
100g、市販ヒマシ油100g及びサツカロミセス・
セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属
する市販パン酵母(ニツト−イースト、オリエン
タル酵母製)5gを添加したのちフラスコ内を脱
気し窒素ガスで置換を行つた。次いで30℃にて
120往復/分の条件で2.5時間振盪培養した。培養
処理後、油層を採取し、水洗したのち芒硝で脱水
し、紙過を行つて精製ヒマシ油92gを得た
(本発明品)。 比較例 1 容量500mlの坂口フラスコに実施例1で用いた
と同じ減菌生理食塩水100g、市販ヒマシ油100g
及び市パン酵母(ニツト−イースト、オリエンタ
ル酵母)10gを加え、次いで30℃にて、120往
復/分の条件で48時間振盪し、好気的培養を行つ
た後、実施例1と同じ後処理を行つて、精製ヒマ
シ油90gを得た(比較例1)。 〔香気物の分析〕 実施例1及び比較例1でられた2種の精製ヒマ
シ油のヘツドスペースガスの分析を行つた。 〔分析方法〕 ヒマシ油30gをTENAX−GC吸着管を付けた
フラスコに入れ、これに窒素ガス(60ml/min)
を60分間吹き込んで香気成分を追い出し
TENAX−GC吸着管に捕集した。次いで該吸着
管を200℃に加熱し、香気成分を脱着させ液体窒
素でトラツプした。得られた香気成分を日立163
ガスクロマトグラフ(検出器FID、ガラスカラム
0.25mm(I.D)×50m、コーテイング剤PEG20M)
を用いて分析を行つた。結果を第1図に示した。 第1図に於て、(1)は未処理の市販ヒマシ油のガ
スクロマトグラムであり、(2)は上記比較例1(好
気性培養)で得られた改良ヒマシ油について、(3)
は前記実施例1(嫌気性培養)で得られた本発明
改良ヒマシ油についての同様なガスクロマトグラ
ムである。そして、図中、各ピークに付した数字
は、それぞれ、1.ペンタナール、2.ヘキサナ
ール、3.n−ヘプタナール、4.n−オクタナ
ール、5.n−ノナナール、6.n−ウンデカナ
ール、及び7.γ−デカンラクトンを示す。 上記第1図において、(1)の未処理市販ヒマシ油
のガスクロマトグラムと(2)の好気性培養で得られ
た改良ヒマシ油についてのガスクロマトグラムを
対比してわかるように、この改良ヒマシ油では異
臭成分n−ヘプタナールによる吸収ピーク3は減
少するがなお認められ且つγ−デカラクトン(ピ
ーク7)が形成される。これに対して、(3)の本発
明嫌気性培養で得られた改良ヒマシ油において
は、異臭成分n−ヘプタナールによる吸収ピーク
3が実質的に消失し且つγ−デカラクトンの生成
を示すピーク7が認めれず、好気性培養により得
られたものに比して明らかに異なつた改良ヒマシ
油が得られることがわかる。以下に更に詳しく分
析する。 〔分析結果〕 未処理のヒマシ油:全香気成分(ガスクロマト
グラム上の全ピーク面積)に対してC5〜C9の低
級〜中級脂肪族アルデヒドの占める割合が約70%
に達し;またその90%以上がn−ヘプタナールで
あつた。一方ガスクロマトグラフイーと併せて行
つた官能検査の結果、このn−ヘプタナールがヒ
マシ油特有の不快臭の主たる原因物質であること
が確認された。 比較例1の精製ヒマシ油:低級〜中級脂肪族ア
ルデヒドは検出されかつたが、微量のγ−デカラ
クトンの生成が認められ、官能検査によつてもミ
ルク様の芳香を確認した。 本発明例の精製ヒマシ油:低級〜中級脂肪族ア
ルデヒド、γ−デカラクトンのいずれも検出され
ず、官能検査に於ても実質的に無臭であることが
確認された。 なお、以上の未処理ヒマシ油、比較例1の精製
ヒマシ油および本発明の精製ヒマシ油の特性値を
第1表に示す。
【表】 実施例 2 実施例1(本発明例)において、生理食塩水
100gに代えて、(NH42HPO4 2%、K2HPO4
0.2%、MgSO4・7H2O 0.03%及び酵母エキス0.2
%からなるPH7.0の無機塩培地100gを使用したほ
かは全て同一条件によつて、実施例1で用いたと
同じヒマシ油100gを培養処理し、品質の改良さ
れた無臭のヒマシ油95gを得た。得られた改質ヒ
マシ油を実施例1で行つたと同じ方法でガスクロ
マトグラフを用いて分析したところ、脂肪族アル
デヒド類、γ−デカラクトン等の香気成分は検出
されなかつた。 実施例 3 500ml容の坂口フラスコに、グルコース2%、
ペプトン0.5%、酵母エキス0.2%、KH2PO40.1%
及びMgSO4・7H2O 0.05%、からなるPH5.7に調
整した無機塩培地50mlを採り、これにサツカロミ
セス・ヒレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
AHU 3034前培養液を2%接種し、30℃にて24
時間培養した。次いでこの培養液に実施例1で用
いたと同じ市販ヒマシ油50gを加え、フラスコ内
を脱気し、窒素ガスで3回置換し、窒素ガスを封
入した後、30℃にて120゜往復/分の条で2時間振
盪培養し、培養処理後、実施例1と同様の後処理
を行つて、無臭で感触の改良されたヒマシ油45g
を得た。 得られた改質ヒマシ油を実施例1と同じ方法で
ガスクロマトグラフによる分析を行つたところ、
脂肪族アルデヒド、γ−デカラクトン等の香気成
分は検出されなかつた。 実施例 4 容量2のミニジヤーに減菌生理食塩水1及
び市販パン酵母(ニツト−イースト、オリエンタ
ル酵母製)200gを加えて分散させ、次いで実施
例1で用いたと同じ市販ヒマシ油1Kgを加えて密
閉し、通気孔より窒素ガスを吹き込みジヤー内の
空気を窒素で置換し、引き続き窒素ガスを吹き込
みながら600rpmで撹拌を行い、30℃、1時間培
養処理した。処理後、油を分離採取後イオン交換
水で洗浄し、得られた油相に粉末紙を添加して
過し、次いで100mmHg、80℃にて減圧脱水し、
無臭で感触の改良されたヒマシ油955gを得た。
得られたヒマシ油を実施例1と同様の方法により
香気分析を行つたところ、低級〜中級脂肪アルデ
ヒド類、γ−デカラクトン等の香気成分は検出で
きなかつた。 実施例 5 実施例3のサツカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AHU3034の代り
にサツカロミセス・セレビシエ(Saccaromyces
cervisiae)RIB6001を使用する他は、実施例3
と同様にして無臭で皮膚感触の改良されたヒマシ
油45gを得た。得られたヒマシ油を実施例1と同
様に香気成分の分析を行つたところ、低級〜中級
脂肪族アルデヒド類、γ−デカラクトン等の香気
成分は検出されなかつた。 実施例 6 実施例3のサツカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AHU3034の代え
て、サツカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)RIB6852を使用す
る他は、実施例3と同様にして、無臭で感触の改
良されたヒマシ油46gを得た。得られたヒマシ油
を実施例1と同様に香気分析を行つたところ、低
級〜中級脂肪族アルデヒド類、γ−デカンラクト
ン等の香気成分は検出されなかつた。 実施例 7 実施例3のサツカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AHU3034の代り
に、サツカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)RIB6601を使用す
る他は、実施例3と同様にして無臭で感触の改良
されたヒマシ油44gを得た。得られたヒマシ油を
実施例1と同じ方法により香気成分を捕集し、ガ
スクロマトグラフにより分析した結果、低級〜中
級脂肪族アルデヒド類、γ−デカラクトン等の香
気成分は検出されなかつた。 実施例 8,9,10 実施例3のサツカロミセス・セレビシエ
(Saccharomyces Cerevisiae)AHU3034の代り
に、Candida Utilis IFO 0626(実施例8)、
Pichia farinosa IFO 0459(実施例9)、または
Hansenura anomala OUT 6316(実施例10)を
使用するほかは実施例3と同様にしてそれぞれ精
製ヒマシ油44g、46gおよび42gを得た。こゝ で
得られた精製ヒマシ油は、いずれもヒマシ油特有
の不快臭が除去されておりまた肌に対する感触も
良好なものであつた。 更に夫々の精製ヒマシ油のヘツドスペースガス
を実施例1と同じ方法で分析した結果、何れの精
製ヒマシ油からも脂肪族低級〜中級アルデヒド類
及びγ−デカラクトン等の香気成分は検出されな
かつた。 ヘ〔発明の効果〕 本発明によつて得られた品質の改良されたヒマ
シ油は、原料ヒマシ油の不快臭の原因物質である
n−ヘプタナールをはじめその他のカルボニル化
合物等の揮発性成分が完全に除去された実質的に
無臭のものになつており更に加えてさらりとした
口当り及び皮膚感触を与える顕著に改良された好
ましい特性を有し、例えば市販脱臭精製ヒマシ油
に混合して品質改良剤として利用することもでき
るし、そのまま例えば医薬品、香粧品の油性基
材、或いは塗料、印刷用、繊維加工用、製紙用、
皮革用、合成樹脂用、金属加工用などの広い産業
分野にわたつて効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
添付図面第1図は、実施例1〔図中3〕で得た
改良ヒマシ油、比較例1〔図中2〕で得た改良ヒ
マシ油及びこら例で用いた原料の未処理市販ヒマ
シ油〔図中1〕についてのヘツドスペースのガス
クロマトグラムを示すチヤートである。図中、数
字を付したピークはそれぞれ1.ペンタナール、
2.ヘキサナール、3.n−ヘプタナール、4.
n−オクタナール、5.n−ノナナール、6.n
−ウンデカナール及び7.γ−デカンラクトンを
示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 サツカロミセス(Saccharomyces)属、ハ
    ンゼヌラ(Hansenura)属、キヤンデイダ
    (Candida)属及びピキア(Pichia)属に属する
    群から選ばれる、酵母類に属し且つヒマシ油を基
    質として好気性条件でγ−デカラクトン生産能を
    有する菌株を、ヒマシ油を基質とする培地中で嫌
    気性条件下に培養し、培養処理したヒマシ油を分
    離採取することを特徴とする品質の改良されたヒ
    マシ油の製法。 2 嫌気性条件下の培養が、実質的に酸素を含有
    しない不活性気体雰囲気下で行われる特許請求の
    範囲第1項記載の製法。
JP60033684A 1985-02-23 1985-02-23 品質の改良されたヒマシ油の製造法 Granted JPS61195693A (ja)

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