JPH0585438B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、充填設備における空の容器、たとえ
ばプラスチツク製の大形ボトルなどの軽量で不安
定な容器を縦列搬送するのに特に適した搬送方法
および搬送装置に関する。

従来の技術 従来、空容器を充填機に搬送する搬送ラインで
は、一般に容器の両側部をガイド板に案内させる
とともに、容器の底部をベルトコンベヤで支持
し、１列または複数列縦隊で搬送する。

ところが近年、使用される容器はガラス製の壜
に換えてプラスチツク製ボトルが多用されるよう
になつてきている。このプラスチツク製のボトル
は軽量であるとともに、特に大形のものでは強度
と成形の関係上、底部が球面状に成形されて底部
接地外径が小さくかつ高さが高くなつてきわめて
安定性が悪い。このような不安定なボトルをベル
トコンベヤでたとえば１列縦隊で搬送すると、ベ
ルトコンベヤの起動、停止時にボトルが転倒して
将棋倒し状態となり、搬送ラインをストツプさせ
なければならなかつた。

そのため、たとえば実開昭59−183425号公報で
は、搬送方向に沿つて配設された左右一対の首部
支持板間により、ボトルの首部フランジを下方か
ら移動自在に支持し、ボトルの本体に搬送用エヤ
を吹付けてボトルを移動させるものが提案されて
いる。

発明が解決しようとする課題 上記従来構成によれば、既設の搬送ラインに大
幅な改良が必要となり、ボトルに首部フランジが
必要であつた。しかも、ガラス製容器とプラスチ
ツク製容器を共用することができず、共用するた
めには２つの搬送ラインが必要となり、きわめて
不経済であつた。

本発明は上記問題点を解決して、既設の充填設
備にに簡単な改良を加えるだけで低コストで実施
でき、しかも首部フランジも不要で、ガラス製容
器とプラスチツク製容器とを共用でき、安定した
容器の搬送が実現できる充填設備における容器の
搬送方法および搬送装置を提供することを目的と
する。

課題を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の容器の搬
送方法は、直立姿勢の空容器をコンベヤ装置によ
り搬入部から充填機に連続して縦列搬送するに際
し、搬入部で容器の底部に液体を注入し、充填機
の手前位置で容器内の液体を排出するものであ
る。

また容器の排出装置は、空容器の搬入装置と充
填機との間に、直立姿勢の容器を縦列搬送するコ
ンベヤ装置を設け、前記搬入装置の入口部または
出口部に各空容器内に所定量の液体を注入する液
体注入ノズルを設け、前記コンベヤ装置の充填機
手前位置に容器を反転して容器内の液体を排出す
る液体排出装置を設けたものである。

作用 上記構成によれば、空の容器内の底部に液体を
注入して容器の重心を低くすることにより、コン
ベヤ装置による搬送時の容器の安定性を大幅に向
上させることができ、直立姿勢の容器の転倒を防
止することができる。

実施例 以下本発明の一実施例を第１図〜第５図に基づ
いて説明する。

第２図において、１は搬入部、２は充填機で、
搬入部１と充填機２の間は第１、第２のベルトコ
ンベヤ３Ａ，３Ｂで接続される。搬入部１には、
パレツト４上に複数段に段積みされた多数の直立
姿勢のプラスチツク製ボトル５を順次第１ベルト
コンベヤ３Ａに１個づつ送出すボトル送出し装置
６（容器搬入装置の一例）が配設される。これら
ボトル５はたとえば第１図に示すように、円筒状
で底部５ａが縮径されるとともに、底部５ａに十
文字形の凹部５ｂが形成されており、容量が１
前後あるいは１を越える大形で高さの高い容器
である。

前記ボトル送出し装置６には、第２図〜第４図
に示すように、パレツト４上にセパレートシート
７を介して複数段に積層されたボトル群５Ａを順
次搬送するチエンコンベヤ８が接続されており、
このボトル送出し装置６は、チエンコンベヤ８の
ボトル取出部８ａから第１ベルトコンベヤ３Ａに
向つて昇降自在な支持プレート９と排出コンベヤ
１０とが順に配設され、さらにこれら支持プレー
ト９上方にはパレツト４またはセパレートシート
７上の一段のボトル群を四方から挾持可能な４本
のアーム１１ａを有するボトル保持枠１１が、チ
エンコンベヤ８のボトル取出部８ａと排出コンベ
ヤ１０との間を往復移動自在に配設される。上記
支持プレート９は支持プレート９近傍に立設され
た支柱１２に昇降自在に案内支持され、ボトル保
持枠１１は支柱１２に昇降自在に支持されたボト
ル移送方向の水平ビーム１３に移動自在に案内支
持されている。そして、前記ボトル保持枠１１に
は、アーム１１ａにより一定位置に保持された全
ボトル５にそれぞれ姿勢安定用の清水１４（液体
の一例）をボトル５の容量の約1/5程度供給する
ための複数の清水供給管１５が配設され、清水供
給管１５のボトル５の口部５ｃ対向位置に注入ノ
ズル１５ａが配設される。１６はボトル群５Ａ上
のセパレートシート７を取り外すシートスタツカ
ー、１７は取出したセパレートシート７を排出す
るシート排出部、１８は空パレツトの排出部であ
る。

第１ベルトコンベヤ３Ａは、第１図に示すよう
に、コンベヤベルト１９上に両側部を左右一対の
ガイド板２０，２０に案内されたたとえば一列縦
隊のボトル５を支持して矢印Ａ方向に搬送するも
のである。第２ベルトコンベヤ３Ｂも同一構成で
あるが、ボトル５内には姿勢安定用の清水１４は
排出されている。

第２図において、２１は第１ベルトコンベヤ３
Ａと第２ベルトコンベヤ３Ｂとの接続部で充填機
２の手前位置に配設された洗浄機（液体排出装置
の一例）で、ボトル５の反転機能を備えたたとえ
ばロータリ式のものが使用される。すなわちこの
洗浄機２１は、第２図、第５図に示すように、第
１ベルトコンベヤ３Ａからのボトル５を入口スタ
ーホイール２２を介して、垂直軸心回りに矢印Ｂ
方向に回転する回転円板２３に設けられたホルダ
ー２３に供給し、クランプ２４と支持板２５によ
りボトル５を支持させ、第１カム機構２６の作用
によりラツク・ピニオン２７を介して水平軸２８
回りにボトル５を180度反転し姿勢安定用の清水
１４をボトル５内から排出させる。そして、第２
カム機構２９により洗浄兼乾燥用ノズル３０を口
部５ｃからボトル５内に挿入して洗浄水と乾燥用
エヤを順次噴出させ、洗浄と乾燥とを行う。その
後、洗浄兼乾燥ノズル３０を抜き出すとともにボ
トル５を再び直立姿勢に戻し、出口スターホイー
ル３１を介して第２ベルトコンベヤ３Ｂに受け渡
すように構成される。なお、この洗浄機２１の洗
浄水を前記清水供給管１５に供給するようにして
もよい。

次にこの充填設備の作用を説明する。

搬入部１において、パレツト４上にセパレート
シート７を介して複数段に段積みされたボトル５
がチエンコンベヤ８に搬入されてボトル取出部８
ａまで移送されると、まずシートスタツカー１６
により最上段のボトル群５Ａ上のセパレートシー
ト７を取り除き、ボトル保持枠１１がボトル群５
Ａ周囲に下降される。そして、アーム１１ａを作
動して最上段のボトル群５Ａを挾持し、ボトル取
出部８ａから支持プレート９上に運んだ後、注入
ノズル１５ａから姿勢安定用の清水１４を全ボト
ル５にそれぞれ注入する。さらに、支持プレート
９の上面レベルが排出コンベヤ１０の上面と面一
になるように、支持プレート９とボトル保持枠１
１とを昇降移動させた後、ボトル保持枠１１を排
出コンベヤ１０側に移動してボトル群５Ａを排出
コンベヤ１０上に搬入する。そして、ボトル群５
Ａを解放した後、ボトル保持枠１１を上昇後退さ
せる。するとボトル５は、排出コンベヤ１０によ
り順次１個づつが第１コンベヤ３Ａに排出されて
矢印Ａ方向に搬送される。この時、各ボトル５は
第１図に示すように底部に姿勢安定用清水１４が
注入されていることから、ボトル５が軽量で高さ
が高くかつ底部接地外径が小さくても、重心位置
がかなり低くなつて安定度が格段に向上する。そ
のため、第１ベルトコンベヤ３Ａの起動、停止時
にボトル５が倒れることがない。その後、充填機
２手前位置で、洗浄機２１によりボトル５を反転
して姿勢安定用の清水をボトル５内から排出す
る。そして、ボトル５を洗浄、乾乾燥後、第２ベ
ルトコンベヤ３Ｂにより充填機２に搬入する。こ
の第２ベルトコンベヤ３Ｂは搬送距離が短く、ま
た整列用スクリユウ３２等を配置することによ
り、ボトル５が倒れる危険はない。

上記実施例によれば、ボトル５の底部に所定量
の清水１４を注入してボトル５の重心を低く下げ
るので、排出コンベヤ１０や第１ベルトコンベヤ
３Ａ上で安定して直立させ移送することができ
る。しかも、既設のボトル送出し装置６に、注入
ノズル１５ａを有する清水供給管１５を付加する
だけでよく、さらに清水１４の排出は既設の洗浄
機２１の反転機能を利用することができるので、
きわめて簡単で低コストですむ。しかも、プラス
チツク製のボトル５とガラス製壜とを共用するこ
ともできる。

なお、上記実施例において、ボトル送出し装置
６にボトル保持枠１１を有するものを使用した
が、プツシヤー形式のものでもよく、この場合の
清水供給管１５はプツシヤー配設する。

また、洗浄機２１には円弧経路を移動するロー
タリ式を採用したが、ボトル５の反転機能を有す
るものであれば、他の形式でもよい。

第６図〜第７図は搬入部１のボトル送出し装置
６に換えて、ボトル整列装置４１（容器搬入装置
の一例）を配設した他の実施例を示す。

このボトル整列装置４１は、ボトル成形設備か
らアランダムに搬入されてくる多数のボトル５を
整列させ、たとえば直立姿勢の１列縦隊で排出コ
ンベヤ４２供給するものである。そして、このボ
トル整列装置４１の出口部の排出コンベヤ４２上
方に清水供給管４３が配設される。

すなわち、このボトル整列装置４１は、第８図
に示すようにボトル投入ホツパ４４の下方に、ボ
トル５を一個づつ保持するキヤリヤトレイ４５ａ
を有する複数列のキヤリヤコンベヤ４５と、この
キヤリヤコンベヤ４５上部から上下方向のボルト
５を転倒させて受け取り下方に滑落させる複数列
のシユーター４６と、このシユーター４６の下部
に配設されたキヤツチヤー４７により受け止めら
れたボトル５を直接または反転板４８を介して直
立姿勢で送り出す排出筒４９とを備え、ボトル５
を排出筒４９からステツパー５０を介して複数列
ごとに排出コンベヤ４２上に投下するように構成
される。そして投下された複数ボトル５は、側部
コンベヤ５１とガイド板５２に案内されるととも
に排出コンベヤ４２に支持されて１回整列分ずつ
間欠移動され、次の停止位置で上方に配設された
清水供給管４３の注入ノズル４３ａから所定量の
姿勢安定用の清水１４がボトル５内に注入され
る。そして第１ベルトコンベヤ３Ａに受渡され
る。

上記実施例によれば、先の実施例とほぼ同一の
効果を得ることができる。

発明の効果 以上に述べたごとく本発明によれば、空容器の
底部に液体を注入して容器の重心を低くするの
で、軽量で高さが高く、底部接地外径の小さい不
安定なたとえばプラスチツク製ボトルであつて
も、安定性を大幅に向上でき、容器を直立姿勢で
コンベヤ装置により搬入部から充填機に搬送中
に、停止や起動による力が加わつても転倒するこ
とがない。また、液体排出装置を転倒機能を有す
る洗浄装置で兼用させた場合には、既設の設備で
搬入部の搬入装置に液体注入ノズルを設けるだけ
でよく、きわめて簡単かつ低コストに実施するこ
とができる。しかも、ガラス製容器等にも従来と
同様に使用することができ、容器の材質、形状を
問わず広範囲に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の一実施例を示し、第
１図は搬送状態のボトルを示す一部切欠き側面
図、第２図は搬送経路を示す概略平面図、第３図
はボトル送出し装置の背面図、第４図はボトル保
持枠の平面図、第５図は洗浄機の一部側面断面
図、第６図〜第８図は他の実施例を示し、第６図
は搬送経路を示す概略平面図、第７図、第８図は
ボトル整列装置の正面図および概略構成図であ
る。 １…搬入部、２…充填機、３Ａ…第１ベルトコ
ンベヤ、３Ｂ…第２ベルトコンベヤ、５…ボト
ル、５ａ…底面、６…ボトル送出し装置（搬入装
置）、１１…ボトル保持枠、１４…清水（液体）、
１５…清水水供給管、１５ａ…注入ノズル、２１
…洗浄機、２３…ホルダー、２７…ラツクピニオ
ン、３０…洗浄兼乾燥ノズル、４１…ボトル整列
装置（搬入装置）、４２…排出コンベヤ、４３…
清水供給管、４３ａ…注入ノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 直立姿勢の空容器をコンベヤ装置により搬入
   部から充填機に連続して縦列搬送するに際し、搬
   入部で容器の底部に液体を注入し、充填機の手前
   位置で容器内の液体を排出することを特徴とする
   充填設備における容器の搬送方法。 ２ 空容器の搬入装置と充填機との間に、直立姿
   勢の容器を縦列搬送するコンベヤ装置を設け、前
   記搬入装置の入口部または出口部に各空容器内に
   所定量の液体を注入する液体注入ノズルを設け、
   前記コンベヤ装置の充填機手前位置に容器を反転
   して容器内の液体を排出する液体排出装置を設け
   たことを特徴とする充填設備における容器の搬送
   装置。