JPH058401U - 曲面部用段差ゲージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基準となる測定面が曲面となっているワーク
の段差部の寸法を、簡単に、しかも測定誤差を生じるこ
となく測定できる段差ゲージを提供する。 【構成】 ワークの段差部の被測定部に接触させる測定
ロッドを取りつけたバーニヤを本尺にスライド自在に装
着した汎用の段差ゲージの、測定ロッドの反対側に位置
する本尺の下部側面に、調整シャフトをスライド自在に
設け、本尺に調整シャフトの突出量を示す調整目盛を設
けている。測定時は調整シャフトをワークの曲面に合わ
せて所定量突出させておき、本尺と調整シャフトをワー
クの曲面に当て、測定ロッドをワークの被測定部に当て
て測定を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ワークの曲面部の一部を基準として段差を測定する段差ゲージに 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図２に示す様に、対抗配置された第１ワーク（１）と第２ワーク（２）との間 に生じた段差の寸法（ａ）を測定する場合、通常は段差ゲージやノギスのデップ スにて測定している。

【０００３】 段差ゲージ（３）による測定は、図３に示す様に、本尺（４）の測定基準面（ ゲージ基準面）（５）を高さの高い第１ワーク（１）に接触させ、本尺（４）に 設けたバーニヤ（６）をおろして、バーニヤ（６）に取付けた測定ロッド（７） を第２ワーク（２）に接触させ、この状態で本尺（４）の目盛（１０）とバーニ ヤ（６）の目盛（１１）を読んで測定している。

【０００４】 また、ノギス（１２）による測定は、図４に示す様に、本尺（１３）のデップ スの基準面（１４）を高さの高い第１ワーク（１）に接触させ、デップスのさお （１５）を第２ワーク（２）に接触させて測定している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記測定では、例えば段差ゲージ（３）の場合、本尺（４）の測定面（５）が 平旦面に形成されているため、測定する第１ワーク（１）の測定面（１ａ）が平 旦面であれば、本尺（４）が安定するので、精度よく測定できる。しかし図５に 示す様に、第１ワーク（１）の測定面（１ａ）が曲面となっていると、測定時、 本尺（４）が第１ワーク（１）上で安定せず、本尺（４）の当て具合によって測 定誤差を生じる。

【０００６】 ノギス（１２）を用いた場合も、同様に測定誤差を生じる。

【０００７】 この考案は、基準となるワークの測定面が曲面となっていても、精度よく測定 できる段差ゲージを提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は、端面をワークの測定面に接触させる測定基準面とした本尺と、一 方の側面に被測定部位に接触させる測定ロッドを設け、前記本尺にスライド自在 に装着したバーニヤと、前記測定ロッドと反対側に位置する本尺の下部側面に本 尺の測定基準面から突出させ得るようにスライド自在に設けた調整シャフトと、 前記本尺とバーニヤとに設けた測定目盛と、前記本尺と調整シャフトとの間に設 けた調整シャフトの突出量を表示する調整目盛とで構成したものである。

【０００９】

【作用】

上記構成の段差ゲージは、測定を行うワークの曲面部に本尺の測定基準面を当 て、調整シャフトを本尺の測定基準面から所定量突出させてワークの曲面部に当 てて本尺を水平に保ち、この状態でバーニヤをスライドさせて、測定ロッドをワ ークの被測定部にあてがい、本尺とバーニヤに設けた測定目盛を読んで測定を行 う。

【００１０】 上記測定では、本尺の測定基準面と調整シャフトの二点をワークの曲面部に接 触させているので、本尺が安定し、測定誤差を生じない。

【００１１】 また、ワークの曲面部の曲率がわかっている場合には、予め調整目盛を見て調 整シャフトの突出量を調整しておけば、迅速に測定を行える。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図１を参照して説明する。

【００１３】 この考案の段差ゲージ（２０）は、図１に示す様に、本尺（２１）にバーニヤ （２２）をスライド自在に設け、バーニヤ（２２）に測定ロッド（２３）を取付 けた一般的な段差ゲージに、調整シャフト（２４）を付加したものである。

【００１４】 本尺（２１）は、端面に平旦な測定基準面（２５）を形成し、バーニヤ（２２ ）のスライド部に測定目盛（２６）を設けてある。またバーニヤ（２２）には、 一方の側面に支持ロッド（２７）を突設し、支持ロッド（２７）に測定ロッド（ ２３）をスライド自在に取付けてある。従って測定ロッド（２３）は、本尺（２ １）に対して平行移動でき、本尺（２１）との幅寸法を調整できるようになって いる。前記バーニヤ（２２）及び測定ロッド（２３）は、それぞれ止めねじ（３ ０）（３１）にて任意の位置で固定できるようになっている。またバーニヤ（２ ２）にも測定目盛（３２）を設けてある。本尺（２１）の測定目盛（２６）とバ ーニヤ（２２）の測定目盛（３２）とは、本尺（２１）の測定基準面（２５）と 測定ロッド（２３）の端面が一致したときに、それぞれの０が一致するようにな っている。

【００１５】 調整シャフト（２４）は、測定ロッド（２３）と反対側に位置する本尺（２１ ）の下部側面に配置させ、本尺（２１）に取付けたシャフトホルダ（３３）にス ライド自在に保持させてある。この調整シャフト（２４）は本尺（２１）の測定 基準面（２５）から突出するようになっており、上端に形成したストッパ（３４ ）がシャフトホルダ（３３）に当って抜け止めを行う。またシャフトホルダ（３ ３）に設けた止めねじ（３５）にて調整シャフト（２４）を任意の位置に固定で きるようになっている。

【００１６】 また、本尺（２１）の調整シャフト（２４）がスライドする部分には、調整シ ャフト（２４）の突出量を示す調整目盛（３６）を形成してある。調整目盛（３ ６）は、調整シャフト（２４）の突出量を直接示す目盛でもよいが、他に例えば ワークの曲率半径に合わせた目盛としてもよい。即ち、本尺（２１）の測定基準 面（２５）の角部（３７）を基準点として、この基準点（３７）と突出した調整 シャフト（２４）とに接する曲率半径を示す目盛としてもよい。このようにすれ ば、測定するワークの曲率半径がわかっている場合、その曲率半径の目盛に合わ せて調整シャフト（２４）をスライドさせることにより、簡単に突出量を調整で きる。

【００１７】 尚、調整シャフト（２４）は上端面（４０）を調整基準とし、下端面が本尺（ ２１）の測定基準面（２５）と一致したとき、上端面（４０）が調整目盛（３６ ）の０（もしくは無限大）と一致するようになっている。

【００１８】 上記段差ゲージ（２０）は、測定に際して、第１ワーク（１）の曲率半径に合 わせて調整シャフト（２４）を所定量突出させ、止めねじ（３５）にて固定して おく。そして、本尺（２１）の測定基準面（２５）と調整シャフト（２４）とを 第１ワーク（１）に当て、バーニヤ（２２）をスライドさせて、測定ロッド（２ ３）を第２ワーク（２）に当て、この時の本尺（２１）の測定目盛（２６）とバ ーニヤ（２２）の測定目盛（３２）とを読んで段差の寸法を測定する。

【００１９】 また、第１ワーク（１）の測定面が平端面であれば、調整シャフト（２４）を 本尺（２１）の測定基準面（２５）より内側へ退入させて従来と同様に測定すれ ばよい。

【００２０】

【考案の効果】

この考案によれば、測定するワークの基準となる測定面が曲面となっていても 、その曲面に合わせて、本尺に設けた調整シャフトを所定量突出させて測定する だけで簡単に測定できる。しかも本尺をワークに対して常に一定の状態で安定さ せて測定でき、測定誤差を生じない。

【００２１】 また、基準となる測定面が平旦なワークの測定も簡単に測定でき、あらゆる形 状のワークにおける段差の測定を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる段差ゲージの正面図

【図２】測定するワークの段差の一例を示す断面図

【図３】従来の段差ゲージによる測定を示す一部破断正
面図

【図４】ノギスのデップス部による測定を示す一部破断
正面図

【図５】従来の段差ゲージによる測定の問題点を示す一
部破断正面図

【符号の説明】

２０ 段差ゲージ ２１ 本尺 ２２ バーニヤ ２３ 測定ロッド ２４ 調整シャフト ２６ 測定目盛 ３２ 測定目盛 ３６ 調整目盛

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 端面をワークの測定面に接触させる測定
   基準面とした本尺と、一方の側面に被測定部位に接触さ
   せる測定ロッドを設け、前記本尺にスライド自在に装着
   したバーニヤと、前記測定ロッドと反対側に位置する本
   尺の下部側面に本尺の測定基準面から突出させ得るよう
   にスライド自在に設けた調整シャフトと、前記本尺とバ
   ーニヤとに設けた測定目盛と、前記本尺と調整シャフト
   との間に設けた調整シャフトの突出量を表示する調整目
   盛とで構成したことを特徴とする曲面部用段差ゲージ。