JPH0583258B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【産業上の利用分野】 本発明は、注射、採血等
の使用した注射針や注射器本体を安全、衛生的に
収納、運搬し、処理できるようにした医療用ワゴ
ンに関する。

【0002】

【従来の技術】 病院、診療所等において患者の
診断、治療、回診等をする際、医師は、医療用ワ
ゴンに必要な注射器、注射針、診察用具その他の
機器を収納しておくことが多いが、近年注射針、
注射器本体等は第二次感染のおそれがあるため、
使用後の処置が問題になつている。

【0003】 ところが、従来のワゴンでは、使用済
の注射器は、注射針を外して看護婦がキヤツプを
先端にかぶせたりして、注射器本体とは別の袋に
入れ、ワゴンの周囲に設けた手摺りやハンドル等
の適当な部位にぶら下げたりしている。

【0004】 また、点滴用の針、管等も使用後は適
当にワゴンに載置したり、つり下げたりしている
ので、落下のおそれがあり、落下すると近辺に散
乱し一層危険であつた。

【0005】

【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的
は、そのような現状を改善するよう使用済の注射
針、注射器本体等を安全、衛生的に収納、運搬
し、処置できるようにした医療用ワゴンを提供す
ることである。

【0006】

【課題を解決するための手段】 本発明によれ
ば、底部にキヤスターを有するワゴン本体の上部
に挿入口を形成し、該挿入口に、上面に使用済注
射針の投入口を有する針収納箱体と使用済注射器
本体の投入口を有する注射器本体収納用箱体をそ
れぞれ着脱自在に挿入し、各収納用箱体の各投入
口をワゴン本体の上面に開口させたことを特徴と
する医療用ワゴンが提供され、上記目的が達成さ
れる。

【0007】

【実施例】 以下実施例と共に詳細に説明する。 図１，図２を参照し、ワゴン本体１は、底部に
キヤスター２を有し、周囲にハンドル３，４を設
け、側面部分に棚５や抽斗６等を形成し、上面に
は、ピンセツト、体温計その他の医療器具やボー
ルペン、シヤープペンシルその他の文房用具を挿
入できるスタンド部７，８、クリツプを有するメ
モ台９、医療器具等を載置する皿１０，１１その
他適宜の収納部等が形成されている。

【0008】 上記ワゴン本体１の上部には挿入口１
２，１３が形成され、該挿入口１２，１３に針収
納用箱体１４と注射器本体収納用箱体１５がそれ
ぞれ着脱可能に挿入されている。該挿入口は、ワ
ゴン本体１の上面に開口させ、上記各収納用箱体
を上方から挿入させるようにすることもできる
が、図においては、図２，図３に示すように、ワ
ゴン本体１の側面に開口させ、それぞれ水平方向
に挿入、取出しできるようにしてある。なお、上
記収納用箱体１４，１５が同形の場合は、１つの
挿入口を横方向に貫通させればよい。

【0009】 上記各収納用箱体１４，１５は、通常
の取扱い程度では注射針が通らないような丈夫な
板紙材料、合成樹脂フイルムをコートした紙材料
その他の焼却可能な材料で作り、もしくは硬質プ
ラスチツク、金属等で作り、そのまま、もしくは
内部に焼却可能なプラスチツク製の袋を入れ、こ
の中に注射針、注射器本体等を収納するようにし
てもよい。箱体は、図４に示すような直方体状に
作られている。

【0010】 上記注射器本体収納用箱体１５の上面
には、使用済の注射器本体を入れることができる
大きさの投入口１６を形成してある。該投入口１
６は、箱体１５の裏面側に薄いプラスチツクフイ
ルム１７を貼付け、切目１８を形成して開口可能
に塞いである。

【0011】 上記針収納用箱体１４の上面には、使
用済注射針の投入口１９が形成されている。該投
入口１９には、注射針を注射器本体から手を使わ
ずに取り外せるように針抜取部２０を設けるとよ
い。図に示す実施例では、注射器本体２１の針取
付部２２（図５参照）を挿入し得る大径の孔２３
とこれに連通し、上記本体の針取付部２２のみが
嵌合し得る幅狭の溝２４を設け、かつ該溝２４の
裏面に傾斜面２５を形成してある。

【0012】 上記傾斜面２５は、図に示す実施例で
は溝２４の周縁に金属材料、プラスチツク材料等
で形成したくさび状のブロツク片２６を貼着して
あるが、ばね材料を屈曲して作り、大径の孔２３
の孔縁の裏側に貼着する等により設けてもよい。
上記傾斜面２５の傾斜角は、約20度程度に形成す
ると、針の離脱が容易であつた。傾斜面２５は箱
素材に型押し、切起し等により一体的に形成して
もよい。

【0013】 上記針収納用箱体１４の投入口１９の
裏側には薄いプラスチツクフイルム２７を貼着し
てあり、切目２８を形成して開口可能に塞いであ
る。なお、該針収納用箱体１４及び注射器本体収
納用箱体１５の各投入口１９，１６に、上記プラ
スチツクフイルムに代えて適宜の開閉可能なシヤ
ツターを設けることもできる。

【0014】 上記針収納用箱体１４及び注射器本体
収納用箱体１５を、上記挿入口１２，１３にそれ
ぞれ挿入した際、上記各投入口１９，１６がワゴ
ン本体１の上面に開口するよう該ワゴン本体１に
は開口２９，３０が設けられている（図２，図
３）。

【0015】 上記針収納用箱体の投入口１９の近く
のワゴン本体１の上面には、カーゼ、脱脂綿等に
浸潤させた消毒部材３１を設けてある。なお、こ
のような消毒部材を上記各収納用箱体１４，１５
の内部底面に設けておくこともできる。

【0016】 而して注射器を使用後は、図５に示す
ように針取付部２２を大径の孔２３に差し込み、
溝２４に沿つて移動させると、傾斜面２５のカム
作用により針３２の大径の取付部３２′は取付部
２２から脱落し、針収納用箱体１４内に落下す
る。注射器本体２１は投入口１６から注射器本体
収納用箱体１５内に投入、収納すればよく、ワゴ
ン本体１により安全に運搬することができる。

【0017】 各収納用箱体１４，１５が一杯になつ
たら、図３に示すようにそれぞれワゴン本体１の
挿入口１２，１３から取り出し、処理業者に手渡
したり、適宜の廃棄物処理機械で処理すればよ
い。

【0018】

【発明の効果】 本発明は以上のように構成さ
れ、使用済の注射器本体及び注射針を別々に収納
用箱体に収納でき、ワゴンを移動させても落下す
るおそれもなく、安全で衛生的であり、その後の
処理もきわめて容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】ワゴン本体の挿入口部分を示す部分縦断
側面図である。

【図４】針収納用箱体及び注射器本体収納用箱体
の斜視図である。

【図５】注射器を投入する状態を示す針収納用箱
体の投入口の一部の拡大断面図である。

【符号の説明】

１……ワゴン本体 ２……キヤスター １２，１３……挿入口 １４……針収納用箱体 １５……注射器本体収納用箱体 １６，１９……投入口 ２０……針抜取部 ２１……注射器本体 ２２……針取付部 ２３……大径の孔 ２４……溝 ２５……傾斜面 ２９，３０……開口 ３１……注射針。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部にキヤスターを有するワゴン
   本体１の上部に挿入口を形成し、該挿入口に、上
   面に使用済注射針の投入口を有する針収納用箱体
   １４と使用済注射器本体の投入口を有する注射器
   本体収納用箱体１５をそれぞれ着脱自在に挿入
   し、各収納用箱体の各投入口をワゴン本体１の上
   面に開口させたことを特徴とする医療用ワゴン。
2. 【請求項２】 上記各収納用箱体１４，１５は焼
   却可能な材料で作られ、上記各投入口は開口可能
   なプラスチツクフイルムで塞がれている請求項１
   に記載の医療用ワゴン。
3. 【請求項３】 上記針収納用箱体１４の投入口
   は、注射器本体の針取付部を挿通し得る大径の孔
   と該孔に連通し上記針取付部のみが嵌合し得る幅
   狭の溝から成り、該溝の裏面には傾斜面を有する
   針抜取部２０を具備する請求項１又は２に記載の
   医療用ワゴン。