JPH0582995A - 広帯域電波吸収体 - Google Patents
広帯域電波吸収体Info
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- JPH0582995A JPH0582995A JP3239147A JP23914791A JPH0582995A JP H0582995 A JPH0582995 A JP H0582995A JP 3239147 A JP3239147 A JP 3239147A JP 23914791 A JP23914791 A JP 23914791A JP H0582995 A JPH0582995 A JP H0582995A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01Q—ANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
- H01Q17/00—Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems
- H01Q17/008—Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems with a particular shape
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- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 フィン型及びラティス型の電波吸収体のよう
に、規則的に空隙部とフェライト部の繰り返し構造を有
する電波吸収体を広い周波数に対応できるようにする。 【構成】 反射板M上に、磁性体桟Fを間隔Sで、格子
状に連続して配置する広帯域電波吸収体にあって、それ
ぞれの磁性体桟の厚みtmは、反射板から電波到来方向
に順次減少する階段状であり、反射板から電波到来方向
に計った磁性体桟に全体の高さをhとするとき、hを反
射板から電波到来方向に所定の数に分割して、それぞれ
の高さをh1、h2h3、・・hnとし、各高さに対応する
部分の磁性体の厚みがtm1、tm2、tm3、・・・t
mnであるとき、h=h1+h2+h3・・・+hn、h>
tm1、tm2、tm3、・・・tmnで、かつ間隔が、
S≧tm1の関係を満足する構成を有する。
に、規則的に空隙部とフェライト部の繰り返し構造を有
する電波吸収体を広い周波数に対応できるようにする。 【構成】 反射板M上に、磁性体桟Fを間隔Sで、格子
状に連続して配置する広帯域電波吸収体にあって、それ
ぞれの磁性体桟の厚みtmは、反射板から電波到来方向
に順次減少する階段状であり、反射板から電波到来方向
に計った磁性体桟に全体の高さをhとするとき、hを反
射板から電波到来方向に所定の数に分割して、それぞれ
の高さをh1、h2h3、・・hnとし、各高さに対応する
部分の磁性体の厚みがtm1、tm2、tm3、・・・t
mnであるとき、h=h1+h2+h3・・・+hn、h>
tm1、tm2、tm3、・・・tmnで、かつ間隔が、
S≧tm1の関係を満足する構成を有する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広帯域電波吸収体に関
し、特に、フェライト磁性体からなる電波吸収体の広帯
域化に関するものである。この広帯域電波吸収体は、電
子機器からの放射電磁波を測定するための電波暗室や、
建物からのTV電波の反射を防ぐための壁材として広く
使用するものである。
し、特に、フェライト磁性体からなる電波吸収体の広帯
域化に関するものである。この広帯域電波吸収体は、電
子機器からの放射電磁波を測定するための電波暗室や、
建物からのTV電波の反射を防ぐための壁材として広く
使用するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、単一磁性体層からなる電波吸収体
を広帯域化する方法として、例えばタイル状のフェライ
ト(磁性体)を、電波反射板から空気層で浮かして(実
際には発泡ポリウレタン板などを用いる。)配置する方
法が提案されている。
を広帯域化する方法として、例えばタイル状のフェライ
ト(磁性体)を、電波反射板から空気層で浮かして(実
際には発泡ポリウレタン板などを用いる。)配置する方
法が提案されている。
【0003】例えば、7mmのNiZn系焼結フェライト
タイルを反射板から8mm〜15mmの空気層を介して配置
すると、30MHz〜1,000MHzの電波に対して、
反射減衰量20dB以下の広帯域の電波吸収体が得られ
る。
タイルを反射板から8mm〜15mmの空気層を介して配置
すると、30MHz〜1,000MHzの電波に対して、
反射減衰量20dB以下の広帯域の電波吸収体が得られ
る。
【0004】また、同じく単一磁性体層からなる広帯域
の電波吸収体として、後述するフィン型及びラティス型
の広帯域電波吸収体が本発明者によって提案されてい
る。これらの特性は、例えばラティス型の広帯域電波吸
収体にあっては、厚さ7mm、高さ20mmのNiZn系焼
結フェライトをラティス状にすることにより、30MH
z〜700MHzの電波に対して反射減衰量20dB以下
の広帯域の電波吸収体が得られる。
の電波吸収体として、後述するフィン型及びラティス型
の広帯域電波吸収体が本発明者によって提案されてい
る。これらの特性は、例えばラティス型の広帯域電波吸
収体にあっては、厚さ7mm、高さ20mmのNiZn系焼
結フェライトをラティス状にすることにより、30MH
z〜700MHzの電波に対して反射減衰量20dB以下
の広帯域の電波吸収体が得られる。
【0005】図18は、金属導電反射板Mでタイル状の
焼結フェライトFを裏打ちした、最も基本的なフェライ
ト電波吸収体の断面構造図である。図18でフェライト
吸収体の表面における電界の反射係数をsとすると、吸
収体の電力吸収係数は、
焼結フェライトFを裏打ちした、最も基本的なフェライ
ト電波吸収体の断面構造図である。図18でフェライト
吸収体の表面における電界の反射係数をsとすると、吸
収体の電力吸収係数は、
【0006】
【数1】1−|s|2 ・・・・・・・・・・(1) で表される。従って、|s|が小さいほど良い吸収体と
言える。
言える。
【0007】普通は、その良さの一つの目安として
【0008】
【数2】|s|≦0.1 ・・・・・・・・・(2) すなわち、反射減衰量(−20log s dB)20dB
以下、吸収係数≧0.99を採用している。
以下、吸収係数≧0.99を採用している。
【0009】図18に示す吸収体の特性を横軸に周波数
f、縦軸に反射係数|s|の大きさを用いて示すと、典
型的には図19のようになる。この場合、|s|=0.
1となる下限周波数(周波数の低い方)をfL、上限周
波数(周波数高い方)をfHとすると、図から|s|≦
0.1を満足する周波数帯域幅Bは、
f、縦軸に反射係数|s|の大きさを用いて示すと、典
型的には図19のようになる。この場合、|s|=0.
1となる下限周波数(周波数の低い方)をfL、上限周
波数(周波数高い方)をfHとすると、図から|s|≦
0.1を満足する周波数帯域幅Bは、
【0010】
【数3】B=fH−fL ・・・・・・・・・・・(3) で表される。そこで、周波数帯域幅Bについて研究され
ていて、例えば、 (イ)下限周波数fLが30MHzとなるようにする場
合、用いるべきフェライトは、焼結型でNiZn系かM
nZn系のものである。そうすると、一般に上限周波数
fHが300MHz〜400MHzになってしまう。
ていて、例えば、 (イ)下限周波数fLが30MHzとなるようにする場
合、用いるべきフェライトは、焼結型でNiZn系かM
nZn系のものである。そうすると、一般に上限周波数
fHが300MHz〜400MHzになってしまう。
【0011】(ロ)下限周波数fLが90MHzとなる
ようにする場合、用いるべきフェライトは、やはり焼結
型のものであり、この場合、上限周波数fHは350M
Hz〜520MHzである。
ようにする場合、用いるべきフェライトは、やはり焼結
型のものであり、この場合、上限周波数fHは350M
Hz〜520MHzである。
【0012】一つの応用として前に述べた電子機器から
の放射電磁波を測定するための電波暗室の壁材の場合
は、fL=30MHzで、fHはひとまずfH=1000
MHzが要求されていて、(イ)のものでは特性が不十
分である。
の放射電磁波を測定するための電波暗室の壁材の場合
は、fL=30MHzで、fHはひとまずfH=1000
MHzが要求されていて、(イ)のものでは特性が不十
分である。
【0013】また、建物からのTV電波の反射を防ぐた
めの壁材の場合は、fL=90MHzでfH=800MH
zが要求されていて、(ロ)のものでは特性が不十分で
ある。
めの壁材の場合は、fL=90MHzでfH=800MH
zが要求されていて、(ロ)のものでは特性が不十分で
ある。
【0014】そこで、図18の形式のものを次のように
改良することがこれまでに提案されている。
改良することがこれまでに提案されている。
【0015】一つは、広帯域化の例として、図20に示
すようにフェライトFと金属板Mとの間に空気、誘電体
または損失誘電体Dを挿入したものがある。この場合
は、fL=30MHz、fH=1000MHzがようやく
得られる。
すようにフェライトFと金属板Mとの間に空気、誘電体
または損失誘電体Dを挿入したものがある。この場合
は、fL=30MHz、fH=1000MHzがようやく
得られる。
【0016】さらに、もう一つの広帯域化の例として図
21A(斜視図),図21B(図21AのA−A’線で
切った断面図)及び図22に示すような電波吸収体が本
発明者により提案されている(特願平02−16240
3参照)。すなわち、両図とも磁性体はタイル状の一様
なものでなく周期的な空隙部を有し、かつ厚みtよりも
高さhが大きいという特徴を持った焼結フェライトFを
電波の金属導電反射体Mの上に間隔Sで配置したもので
ある。
21A(斜視図),図21B(図21AのA−A’線で
切った断面図)及び図22に示すような電波吸収体が本
発明者により提案されている(特願平02−16240
3参照)。すなわち、両図とも磁性体はタイル状の一様
なものでなく周期的な空隙部を有し、かつ厚みtよりも
高さhが大きいという特徴を持った焼結フェライトFを
電波の金属導電反射体Mの上に間隔Sで配置したもので
ある。
【0017】便宜上、図21A,図21Bのものをフィ
ン型電波吸収体、図22のものをラティス型電波吸収体
と呼ぶことにするが、ラティス型電波吸収体は両偏波用
であり、フィン型電波吸収体はラティス型電波吸収体か
ら縦または横に走るフェライトを省略したもので単一偏
波用であるが両者ともその基本的動作に変わりはない。
ちなみに、このような電波吸収体の場合、図21A,図
21BのものでfH=2,400MHz、図22のもので
fH=700MHz〜1500MHzである。
ン型電波吸収体、図22のものをラティス型電波吸収体
と呼ぶことにするが、ラティス型電波吸収体は両偏波用
であり、フィン型電波吸収体はラティス型電波吸収体か
ら縦または横に走るフェライトを省略したもので単一偏
波用であるが両者ともその基本的動作に変わりはない。
ちなみに、このような電波吸収体の場合、図21A,図
21BのものでfH=2,400MHz、図22のもので
fH=700MHz〜1500MHzである。
【0018】今後、電子機器の動作周波数がより高くな
り、それにより発生する放射電波はより高い周波数に亘
るようになり、要求されるfHは必然的に高くならざる
を得ないと思われる。
り、それにより発生する放射電波はより高い周波数に亘
るようになり、要求されるfHは必然的に高くならざる
を得ないと思われる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、EMI
(Electro Magnetic Interference)に対する関心が
高く、電波吸収体のより広帯域化が望まれている。
(Electro Magnetic Interference)に対する関心が
高く、電波吸収体のより広帯域化が望まれている。
【0020】本発明は、これらに鑑みなされたものであ
り、本発明の目的は、空隙部とフェライト部が反射板上
で連続して繰り返し構造を有する電波吸収体において、
広い周波数に対応し得ることが可能な技術を提供するこ
とにある。
り、本発明の目的は、空隙部とフェライト部が反射板上
で連続して繰り返し構造を有する電波吸収体において、
広い周波数に対応し得ることが可能な技術を提供するこ
とにある。
【0021】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、反射板上に、磁性体桟を間隔Sで、格子
状に連続して配置する広帯域電波吸収体であって、それ
ぞれの磁性体桟の厚みtmは、反射板から電波到来方向
に順次減少する階段状であり、反射板から電波到来方向
に計った磁性体桟の全体の高さをhとするとき、hを反
射板から電波到来方向に所定の数に分割して、それぞれ
の高さをh1、h2、h3、・・hnとし、各高さに対応す
る部分の磁性体の厚みがtm1、tm2、tm3、・・・
tmnであるとき、 h=h1+h2+h3・・・+hn h>tm1、tm2、tm3、・・・tmn で、かつ間隔Sが、 S≧tm1 の関係を満足することを最も主要な特徴とする。
に、本発明は、反射板上に、磁性体桟を間隔Sで、格子
状に連続して配置する広帯域電波吸収体であって、それ
ぞれの磁性体桟の厚みtmは、反射板から電波到来方向
に順次減少する階段状であり、反射板から電波到来方向
に計った磁性体桟の全体の高さをhとするとき、hを反
射板から電波到来方向に所定の数に分割して、それぞれ
の高さをh1、h2、h3、・・hnとし、各高さに対応す
る部分の磁性体の厚みがtm1、tm2、tm3、・・・
tmnであるとき、 h=h1+h2+h3・・・+hn h>tm1、tm2、tm3、・・・tmn で、かつ間隔Sが、 S≧tm1 の関係を満足することを最も主要な特徴とする。
【0023】
【作用】前述の手段によれば、それぞれの磁性体桟の厚
みtmは、反射板から電波到来方向に順次減少する階段
状であり、反射板から電波到来方向に計った磁性体桟に
全体の高さをhとするとき、hを反射板から電波到来方
向に所定の数に分割して、それぞれの高さをh1、h2、
h3、・・hnとし、各高さに対応する部分の磁性体の厚
みがtm1、tm2、tm3、・・・tmnであるとき、 h=h1+h2+h3・・・+hn h>tm1、tm2、tm3、・・・tmn で、かつ間隔Sが、 S≧tm1 の関係を満足する構成、すなわち、電波吸収体の高さh
が比較的高いので、その高さの範囲内を区分し、それぞ
れの高さと実効誘電率、実効透磁率を変化させることに
より、広帯域な入力インピーダンス特性を容易に得るこ
とができる。
みtmは、反射板から電波到来方向に順次減少する階段
状であり、反射板から電波到来方向に計った磁性体桟に
全体の高さをhとするとき、hを反射板から電波到来方
向に所定の数に分割して、それぞれの高さをh1、h2、
h3、・・hnとし、各高さに対応する部分の磁性体の厚
みがtm1、tm2、tm3、・・・tmnであるとき、 h=h1+h2+h3・・・+hn h>tm1、tm2、tm3、・・・tmn で、かつ間隔Sが、 S≧tm1 の関係を満足する構成、すなわち、電波吸収体の高さh
が比較的高いので、その高さの範囲内を区分し、それぞ
れの高さと実効誘電率、実効透磁率を変化させることに
より、広帯域な入力インピーダンス特性を容易に得るこ
とができる。
【0024】また、電波吸収体に空隙部を有するため、
例えば反射板を金網又は細穴を有する金属板等にするこ
とにより、電波暗室用の吸収体壁材としたとき、室内の
照明、換気がしやすく、大電力にも強制空冷により耐え
得る壁材にすることができる。
例えば反射板を金網又は細穴を有する金属板等にするこ
とにより、電波暗室用の吸収体壁材としたとき、室内の
照明、換気がしやすく、大電力にも強制空冷により耐え
得る壁材にすることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
に説明する。
【0026】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0027】本発明の広帯域電波吸収体は、磁性体と空
隙部が金属導電反射体上で連続して繰り返す構造の電波
吸収体については成立するが、主として前述の電波吸収
体の代表的な構造である図21A(斜視図),図21B
(断面図)の電波吸収体の特性を用いて、本発明の実施
例を詳細に説明する。
隙部が金属導電反射体上で連続して繰り返す構造の電波
吸収体については成立するが、主として前述の電波吸収
体の代表的な構造である図21A(斜視図),図21B
(断面図)の電波吸収体の特性を用いて、本発明の実施
例を詳細に説明する。
【0028】また、以下に述べる本発明の実施例の特性
は、すべて図17A(縦断面図),図17B(横断面
図)に示すようなトリプレート線路を用い、TEM波に
よる実験結果を示している。なお、図17A,図17B
において、11は入力コネクター、12は外部導体平
板、13は内部導体平板、14は金属導電反射体、15
は測定試料である。このトリプレート線路の特性インピ
ーダンスは50オームである。
は、すべて図17A(縦断面図),図17B(横断面
図)に示すようなトリプレート線路を用い、TEM波に
よる実験結果を示している。なお、図17A,図17B
において、11は入力コネクター、12は外部導体平
板、13は内部導体平板、14は金属導電反射体、15
は測定試料である。このトリプレート線路の特性インピ
ーダンスは50オームである。
【0029】〔実施例1〕図1は、本発明に係る基本電
波吸収体の構成を示す断面図であり、前述の図21B
(断面図)の電波吸収体を説明の都合上、必要な符号を
入れて再掲したものである。また、同図1の電波吸収体
表面(aーa’)から反射板M方向を見込む入力インピ
ーダンスと周波数の関係を、高さhを5mmステップで可
変し測定し、測定に供した線路の特性インピーダンス
(50オーム)で正規化して示したのが図2である。
波吸収体の構成を示す断面図であり、前述の図21B
(断面図)の電波吸収体を説明の都合上、必要な符号を
入れて再掲したものである。また、同図1の電波吸収体
表面(aーa’)から反射板M方向を見込む入力インピ
ーダンスと周波数の関係を、高さhを5mmステップで可
変し測定し、測定に供した線路の特性インピーダンス
(50オーム)で正規化して示したのが図2である。
【0030】使用した磁性体材料は、直流時の透磁率
2,200のNiZn系焼結フェライトFであり、t=
7.5mm、h=5〜25mm、S=20mmである。
2,200のNiZn系焼結フェライトFであり、t=
7.5mm、h=5〜25mm、S=20mmである。
【0031】この場合に、反射減衰量が20dB以下と
なる範囲で最も広帯域になったのが図3であり、図3の
定在波比(SWR:Standing Wave Ratio)=1.2
の円内にあるのが周波数帯域である。この周波数帯域は
50メガヘルツ(MHz)〜2,400MHzである。
なる範囲で最も広帯域になったのが図3であり、図3の
定在波比(SWR:Standing Wave Ratio)=1.2
の円内にあるのが周波数帯域である。この周波数帯域は
50メガヘルツ(MHz)〜2,400MHzである。
【0032】図2及び図3に示す特性は、測定に際して
トリプレート線路を用いた。図4は、電波吸収体を概念
的に示した図であり、空間に媒質が存在するとしてい
る。そして、各媒質はそれぞれ比透磁率がμr1〜μr
n,比誘電率がεr1〜εrnをもち、それぞれの厚みが
d1〜dnのものが反射板Mから電波到来方向に重畳して
いる。
トリプレート線路を用いた。図4は、電波吸収体を概念
的に示した図であり、空間に媒質が存在するとしてい
る。そして、各媒質はそれぞれ比透磁率がμr1〜μr
n,比誘電率がεr1〜εrnをもち、それぞれの厚みが
d1〜dnのものが反射板Mから電波到来方向に重畳して
いる。
【0033】ここで、平面波を問題にしている場合に
は、このように空間内にある媒質の問題もその振る舞い
は分布定数回路上の電圧、電流の伝搬状態に近似できる
ので、分布線路上の問題として扱って良いことが知られ
ている。
は、このように空間内にある媒質の問題もその振る舞い
は分布定数回路上の電圧、電流の伝搬状態に近似できる
ので、分布線路上の問題として扱って良いことが知られ
ている。
【0034】分布線路上の一つの問題として、図5に示
すように、特性インピーダンスZc1線路に、負荷イン
ピーダンスをZd0を接続して、負荷からの距離d1だけ
離れた点(aーa’)から負荷側を見込む入力インピー
ダンスをZd1とすると、電気工学で周知のごとく、
すように、特性インピーダンスZc1線路に、負荷イン
ピーダンスをZd0を接続して、負荷からの距離d1だけ
離れた点(aーa’)から負荷側を見込む入力インピー
ダンスをZd1とすると、電気工学で周知のごとく、
【0035】
【数4】
【0036】で表現される。ここで、γ1は線路の伝搬
定数、Zc1は線路の特性インピーダンスである。
定数、Zc1は線路の特性インピーダンスである。
【0037】いま、(4)式において、Zd0が反射板
のように短絡状態にある場合、Zd0=0であるから、
のように短絡状態にある場合、Zd0=0であるから、
【0038】
【数5】 Zd1=Zc1 tanhγ1d1 ・・・・・・・・・・・(5) となる。実は、図2に示す特性は、この(5)式におい
て、d1を変化した場合に等価であり、その様子は、図
6Aに図1の一部と対応させて示している。
て、d1を変化した場合に等価であり、その様子は、図
6Aに図1の一部と対応させて示している。
【0039】また、図6Bに示すように、図6Aに示す
構成の後にさらに特性の異なる線路を接続し、bーb’
面から反射板M方向を見た時の入力インピーダンスZd
2は、(4)式と同様に、
構成の後にさらに特性の異なる線路を接続し、bーb’
面から反射板M方向を見た時の入力インピーダンスZd
2は、(4)式と同様に、
【0040】
【数6】
【0041】となり、同様にして、図6Cに示すよう
に、さらに線路を重ねて接続し、cーc’面から反射板
M方向を見た時の入力インピーダンスZd3は、
に、さらに線路を重ねて接続し、cーc’面から反射板
M方向を見た時の入力インピーダンスZd3は、
【0042】
【数7】
【0043】となる。
【0044】以下、同様にして多段に何段接続したとし
ても、次々にその前段までの入力インピーダンスZdn-
1を表す式を(4)式に代入していけば求めることがで
きる。すなわち、n段接続したときの入力インピーダン
スZdnは、
ても、次々にその前段までの入力インピーダンスZdn-
1を表す式を(4)式に代入していけば求めることがで
きる。すなわち、n段接続したときの入力インピーダン
スZdnは、
【0045】
【数8】
【0046】ここで、Zdnはn段目の入力インピーダ
ンス、Zdn-1は前段n−1での入力インピーダンス、
Zcnはn段目の線路の特性インピーダンス、γnはn段
目の線路の伝搬定数、dnはn段目の線路の長さであ
る。
ンス、Zdn-1は前段n−1での入力インピーダンス、
Zcnはn段目の線路の特性インピーダンス、γnはn段
目の線路の伝搬定数、dnはn段目の線路の長さであ
る。
【0047】いま、(5)式を(6)式に代入して、
【0048】
【数9】
【0049】(9)式を(7)式に代入して、
【0050】
【数10】
【0051】が得られるが、以上の(5)式,(9)
式,(10)式が図6A,図6B,図6Cの入力インピ
ーダンスに対応している。
式,(10)式が図6A,図6B,図6Cの入力インピ
ーダンスに対応している。
【0052】電波吸収体の場合、図4に示すように、反
射板M上にある特定の媒質があり、その媒質の有する比
透磁率をμr、比誘電率εrとすると、
射板M上にある特定の媒質があり、その媒質の有する比
透磁率をμr、比誘電率εrとすると、
【0053】
【数11】
【0054】
【数12】
【0055】とおけるから、分布定数線路で扱うため
(5)式(11)式,(12)式を代入して、
(5)式(11)式,(12)式を代入して、
【0056】
【数13】
【0057】が得られ、以下同様の手法で、2段,3段
の時も、
の時も、
【0058】
【数14】
【0059】
【数15】
【0060】と順次段数が増加していっても、正規化入
力インピーダンスは、全て媒質の界インピーダスηとそ
の長さd並びに伝搬定数γで表現される。したがって、
本発明は、任意の段数において最も広帯域になるように
各段の媒質の比透磁率μrと比誘電率εrとの長さの組
み合せを選択することになる。
力インピーダンスは、全て媒質の界インピーダスηとそ
の長さd並びに伝搬定数γで表現される。したがって、
本発明は、任意の段数において最も広帯域になるように
各段の媒質の比透磁率μrと比誘電率εrとの長さの組
み合せを選択することになる。
【0061】一般に、磁性体の比透磁率μr,比誘電率
εrは、
εrは、
【0062】
【数16】 μr=μr1−jμr2 εr=εr1−jεr2 ・・・・・・・・・・・・(16) で表すことができ、かつ周波数分散特性を持っている。
そこで、媒質の定数がどの程度変化させ得るかを検討し
ておく必要がある。
そこで、媒質の定数がどの程度変化させ得るかを検討し
ておく必要がある。
【0063】NiZn系焼結フェライトの比透磁率μr
は、直流時の値でμr1=10〜2,500程度の値が得
られ、μr2の値もμr1が大きければ大きく、小さけれ
ば小さいのが一般的である。ところが、図1のように、
空隙をもたせることによって、同図1のaーa’点から
反射板M方向を見たときの比透磁率μrは、磁性体を充
填したときの比透磁率から、その厚みと高さによって見
かけ上の比透磁率(実効比透磁率)が変化する。このこ
とはμr2についても同様である。勿論、同じ高さの時
は厚さtが薄くなるに従って低くなり、厚さtが間隔S
に等しい(t=S)の時は2,500となり最高値を示
す。
は、直流時の値でμr1=10〜2,500程度の値が得
られ、μr2の値もμr1が大きければ大きく、小さけれ
ば小さいのが一般的である。ところが、図1のように、
空隙をもたせることによって、同図1のaーa’点から
反射板M方向を見たときの比透磁率μrは、磁性体を充
填したときの比透磁率から、その厚みと高さによって見
かけ上の比透磁率(実効比透磁率)が変化する。このこ
とはμr2についても同様である。勿論、同じ高さの時
は厚さtが薄くなるに従って低くなり、厚さtが間隔S
に等しい(t=S)の時は2,500となり最高値を示
す。
【0064】また、見かけ上の比誘電率(実効比誘電
率)も同じであり、tm=Sの時が最高で約15、間隔
Sを20mmとしたとき、t=6.5mmで約εr1=1.2
まで低下させることができる。ただし、これを格子状に
組み合せた図24に示すような構造にすると、厚みと高
さが同じ条件として、比透磁率についてはほとんど図2
1A,図21Bの場合と変わらないが実効比誘電率はε
r1=4.0になる。また、フェライト間に導電材料を介
在させることにより実効比誘電率は大幅に増加させ得
る。
率)も同じであり、tm=Sの時が最高で約15、間隔
Sを20mmとしたとき、t=6.5mmで約εr1=1.2
まで低下させることができる。ただし、これを格子状に
組み合せた図24に示すような構造にすると、厚みと高
さが同じ条件として、比透磁率についてはほとんど図2
1A,図21Bの場合と変わらないが実効比誘電率はε
r1=4.0になる。また、フェライト間に導電材料を介
在させることにより実効比誘電率は大幅に増加させ得
る。
【0065】なお、NiZn系焼結フェライトの比誘電
率εrについて、εr1の値は周波数に対してほとんど
一定と見なしてよく、εr2の値は非常に小さいのが普
通である。本発明の要旨は、まさにこの点にあり、空隙
部と磁性体部が規則的に配置することにより、フェライ
トタイルなどの磁性体層の誘電率が約15と比較的高い
値であるのに対して所望の値にコントロールして利用す
るところにある。
率εrについて、εr1の値は周波数に対してほとんど
一定と見なしてよく、εr2の値は非常に小さいのが普
通である。本発明の要旨は、まさにこの点にあり、空隙
部と磁性体部が規則的に配置することにより、フェライ
トタイルなどの磁性体層の誘電率が約15と比較的高い
値であるのに対して所望の値にコントロールして利用す
るところにある。
【0066】図7は、本発明の実施例1のフィン型広帯
域電波吸収体の構成を示す断面図である。本実施例1の
フィン型広帯域電波吸収体は、図7に示すように、反射
板Mからそれぞれ高さh1,h2、厚さtm1,tm2の焼
結フェライトFを2段重ねとした構成になっている。前
記焼結フェライトFとしては、直流時の比透磁率1.5
00のNiZn系の材料を使用する。tm1=9.5mm、
tm2=6.5mm、h1=7mm、h2=12mm、間隔S=2
0mmのときのフェライト表面における正規化インピーダ
ンスを図8に示す。
域電波吸収体の構成を示す断面図である。本実施例1の
フィン型広帯域電波吸収体は、図7に示すように、反射
板Mからそれぞれ高さh1,h2、厚さtm1,tm2の焼
結フェライトFを2段重ねとした構成になっている。前
記焼結フェライトFとしては、直流時の比透磁率1.5
00のNiZn系の材料を使用する。tm1=9.5mm、
tm2=6.5mm、h1=7mm、h2=12mm、間隔S=2
0mmのときのフェライト表面における正規化インピーダ
ンスを図8に示す。
【0067】本実施例1によれば、図8に示すように、
30MHz〜3000MHzの周波数に亘り、SWR
1.2以下になっている。
30MHz〜3000MHzの周波数に亘り、SWR
1.2以下になっている。
【0068】〔実施例2〕図9Aは、本発明の実施例2
のラティス型広帯域電波吸収体の構成を示す斜視図であ
り、図9Bは、図9AのAーA’線における断面を示す
図である。本実施例2のラティス型広帯域電波吸収体
は、図9A及び図9Bに示すように、反射板Mからそれ
ぞれ高さh1,h2,h3、厚さtm1,tm2,tm3の焼
結フェライトFを3段重ねとした構成になっている。そ
して、前記焼結フェライトFとしては、直流時の比透磁
率1.500のNiZn系の材料を使用する。h1=4m
m,tm1=10mm、h2=5mm,tm2=6.5mm、h3=
5mm,tm3=4.5mm、間隔S=20mmのときのフェラ
イト表面における正規化インピーダンスを図10に示
す。
のラティス型広帯域電波吸収体の構成を示す斜視図であ
り、図9Bは、図9AのAーA’線における断面を示す
図である。本実施例2のラティス型広帯域電波吸収体
は、図9A及び図9Bに示すように、反射板Mからそれ
ぞれ高さh1,h2,h3、厚さtm1,tm2,tm3の焼
結フェライトFを3段重ねとした構成になっている。そ
して、前記焼結フェライトFとしては、直流時の比透磁
率1.500のNiZn系の材料を使用する。h1=4m
m,tm1=10mm、h2=5mm,tm2=6.5mm、h3=
5mm,tm3=4.5mm、間隔S=20mmのときのフェラ
イト表面における正規化インピーダンスを図10に示
す。
【0069】本実施例2によれば、図10に示すよう
に、SWR1.2以内に30MHz〜2600MHzま
で整合することができる。
に、SWR1.2以内に30MHz〜2600MHzま
で整合することができる。
【0070】〔実施例3〕図11は、本発明の本実施例
3の他のフィン型広帯域電波吸収体の構成を示す断面図
である。本実施例3のフィン型広帯域電波吸収体は、図
11に示すように、反射板Mからそれぞれ高さh1,
h2,h3、厚さtm1,tm2,tm3の焼結フェライト
Fを3段重ねとした構成になっている。そして、前記焼
結フェライトFとしては、直流時の比透磁率1.500
のNiZn系の材料を使用する。h1=6mm,tm1=8
mm、h2=6mm,tm2=7mm、h3=5mm,tm3=6.
5mm、間隔S=20mmのときのフェライト表面における
正規化インピーダンスを図12に示す。
3の他のフィン型広帯域電波吸収体の構成を示す断面図
である。本実施例3のフィン型広帯域電波吸収体は、図
11に示すように、反射板Mからそれぞれ高さh1,
h2,h3、厚さtm1,tm2,tm3の焼結フェライト
Fを3段重ねとした構成になっている。そして、前記焼
結フェライトFとしては、直流時の比透磁率1.500
のNiZn系の材料を使用する。h1=6mm,tm1=8
mm、h2=6mm,tm2=7mm、h3=5mm,tm3=6.
5mm、間隔S=20mmのときのフェライト表面における
正規化インピーダンスを図12に示す。
【0071】本実施例3によれば、図12に示すよう
に、30MHz〜3000MHzまで反射量−20dB
以下の吸収特性が得られた。
に、30MHz〜3000MHzまで反射量−20dB
以下の吸収特性が得られた。
【0072】〔実施例4〕図13Aは、本発明の実施例
4の他のフィン型広帯域電波吸収体の構成を示す斜視図
であり、図13Bは、図13AのAーA’線における断
面を示す図である。本実施例4のフィン型広帯域電波吸
収体は、図13A及び図13Bに示すように、前記焼結
フェライトFの形状をテーパー状にしたものである。つ
まり、焼結フェライトFの分割した各部の高さh1,
h2,h3,・・・・hnを十分細かくし、各部の厚みを
電波到来方向に従って極僅かづつ減少させて行くと、極
限においてはテーパー状になる。そして、前記焼結フェ
ライトFとしては、直流時の比透磁率2.500のNi
Zn系の材料を使用する。tm1=10mm、tm2=4m
m、h=20mm、間隔S=20mmのときのフェライト表
面における正規化インピーダンスを図14に示す。
4の他のフィン型広帯域電波吸収体の構成を示す斜視図
であり、図13Bは、図13AのAーA’線における断
面を示す図である。本実施例4のフィン型広帯域電波吸
収体は、図13A及び図13Bに示すように、前記焼結
フェライトFの形状をテーパー状にしたものである。つ
まり、焼結フェライトFの分割した各部の高さh1,
h2,h3,・・・・hnを十分細かくし、各部の厚みを
電波到来方向に従って極僅かづつ減少させて行くと、極
限においてはテーパー状になる。そして、前記焼結フェ
ライトFとしては、直流時の比透磁率2.500のNi
Zn系の材料を使用する。tm1=10mm、tm2=4m
m、h=20mm、間隔S=20mmのときのフェライト表
面における正規化インピーダンスを図14に示す。
【0073】本実施例4によれば、図14に示すよう
に、30MHz〜3000MHzまで反射量−20dB
以下の吸収特性が得られた。
に、30MHz〜3000MHzまで反射量−20dB
以下の吸収特性が得られた。
【0074】以上の説明からわかるように、前記本発明
の実施例1〜4によれば、フィン型電波吸収体またはラ
ティス型電波吸収体のように、規則的に空隙の繰り返し
構造を有する電波吸収体(焼結フェライトF)であり、
電波吸収体の高さhが比較的高いので、その高さの範囲
内を区分し、それぞれの高さと実効誘電率、実効透磁率
を変化させることにより、広帯域な入力インピーダンス
特性を容易に得ることができる。
の実施例1〜4によれば、フィン型電波吸収体またはラ
ティス型電波吸収体のように、規則的に空隙の繰り返し
構造を有する電波吸収体(焼結フェライトF)であり、
電波吸収体の高さhが比較的高いので、その高さの範囲
内を区分し、それぞれの高さと実効誘電率、実効透磁率
を変化させることにより、広帯域な入力インピーダンス
特性を容易に得ることができる。
【0075】また、電波吸収体に空隙部を有するので、
例えば反射板を金網又は細穴を有する金属板等にするこ
とにより、電波暗室用の吸収体壁材としたとき、室内の
照明、換気がしやすく、大電力にも強制空冷により耐え
得る壁材にすることができる。
例えば反射板を金網又は細穴を有する金属板等にするこ
とにより、電波暗室用の吸収体壁材としたとき、室内の
照明、換気がしやすく、大電力にも強制空冷により耐え
得る壁材にすることができる。
【0076】また、本発明の広帯域電波吸収体は、これ
単独での利用は勿論のこと、図15に示すように、その
前方(入射波方向)に誘電体膜又は低透磁率磁性体膜R
Fを追加してさらに広帯域化をはかることが可能であ
る。また、図16に示すように、同じくその前方に損失
誘電体DLを付加して使用することができる。いずれの
場合も、本発明の電波吸収体がすでに相当高い周波数ま
で広帯域化されているので、付加する誘電体膜や磁性体
膜の位置、損失誘電体の高さは、最大でも本発明の電波
吸収体の最高使用周波数の2分の1波長以内であるから
従来の磁性体膜や誘電体膜の付加した吸収体に較べ大幅
に全体の高さが低くできる。
単独での利用は勿論のこと、図15に示すように、その
前方(入射波方向)に誘電体膜又は低透磁率磁性体膜R
Fを追加してさらに広帯域化をはかることが可能であ
る。また、図16に示すように、同じくその前方に損失
誘電体DLを付加して使用することができる。いずれの
場合も、本発明の電波吸収体がすでに相当高い周波数ま
で広帯域化されているので、付加する誘電体膜や磁性体
膜の位置、損失誘電体の高さは、最大でも本発明の電波
吸収体の最高使用周波数の2分の1波長以内であるから
従来の磁性体膜や誘電体膜の付加した吸収体に較べ大幅
に全体の高さが低くできる。
【0077】以上、本発明を実施例にもとづき具体的に
説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能であることは言うまでもない。
説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能であることは言うまでもない。
【0078】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、フィン型又はラティス型の電波吸収体のように、規
則的に空隙部とフェライト部の繰り返し構造を有する電
波吸収体をその高さの範囲内を区分し、それぞれの高さ
と実効誘電率、実効透磁率を変化させることにより、広
帯域な入力インピーダンス特性を容易に得ることができ
る。
ば、フィン型又はラティス型の電波吸収体のように、規
則的に空隙部とフェライト部の繰り返し構造を有する電
波吸収体をその高さの範囲内を区分し、それぞれの高さ
と実効誘電率、実効透磁率を変化させることにより、広
帯域な入力インピーダンス特性を容易に得ることができ
る。
【図1】 本発明に係る基本電波吸収体の構成を示す断
面図、
面図、
【図2】 図1の広帯域電波吸収体の線路の特性インピ
ーダンスで正規化したスミスチャート、
ーダンスで正規化したスミスチャート、
【図3】 本実施例1の最も特性の良かった高さの場合
の特性の中心部を拡大したスミスチャート、
の特性の中心部を拡大したスミスチャート、
【図4】 本実施例1のフィン型広帯域電波吸収体の線
路の特性インピーダンスで正規化したスミスチャート、
路の特性インピーダンスで正規化したスミスチャート、
【図5】 分布線路上の問題を説明するための図、
【図6A】 本発明の原理を説明するための図、
【図6B】 本発明の原理を説明するための図、
【図6C】 本発明の原理を説明するための図、
【図7】 本発明の本実施例1のフィン型広帯域電波吸
収体の構成を示す断面図、
収体の構成を示す断面図、
【図8】 本実施例のフェライト表面における正規化イ
ンピーダンスを示す図、
ンピーダンスを示す図、
【図9A】 本発明の実施例2のラティス型広帯域電波
吸収体の構成を示す斜視図、
吸収体の構成を示す斜視図、
【図9B】 図9AのAーA’線における断面図、
【図10】 本実施例2のフェライト表面における正規
化インピーダンスを示す図、
化インピーダンスを示す図、
【図11】 本発明の本実施例3の他のフィン型広帯域
電波吸収体の構成を示す断面図、
電波吸収体の構成を示す断面図、
【図12】 本実施例3のフェライト表面における正規
化インピーダンスを示す図、
化インピーダンスを示す図、
【図13A】 本発明の実施例4の他のフィン型広帯域
電波吸収体の構成を示す斜視図、
電波吸収体の構成を示す斜視図、
【図13B】 図13AのAーA’線における断面図、
【図14】 本実施例4のフェライト表面における正規
化インピーダンスを示す図、
化インピーダンスを示す図、
【図15】 本発明の応用例の構成を示す断面図、
【図16】 本発明の他の応用例の構成を示す断面図、
【図17A】 試料測定に用いられるトリプレート線路
の構成を示す縦断面図、
の構成を示す縦断面図、
【図17B】 図17Aの横断面図、
【図18】 基本的なフェライト電波吸収体の断面構造
図、
図、
【図19】 図18に示すフェライト電波吸収体の特性
を示す図、
を示す図、
【図20】 広帯域化したフェライト電波吸収体の例を
示す断面図、
示す断面図、
【図21A】 広帯域化したフェライト電波吸収体の他
の例を示す斜視図、
の例を示す斜視図、
【図21B】 図21Aの断面図、
【図22】 広帯域化したフェライト電波吸収体の他の
例を示す斜視図。
例を示す斜視図。
M…金属導体反射板、F…フェライト磁性体、S…フェ
ライト磁性体の間隔、h…フェライト磁性体の全体の高
さ、h1〜hn…フェライト磁性体の各部の高さ、tm…
フェライト磁性体の厚さ、tm1〜tmn…フェライト磁
性体の各部の厚さ。
ライト磁性体の間隔、h…フェライト磁性体の全体の高
さ、h1〜hn…フェライト磁性体の各部の高さ、tm…
フェライト磁性体の厚さ、tm1〜tmn…フェライト磁
性体の各部の厚さ。
Claims (9)
- 【請求項1】 反射板上に、磁性体桟を間隔Sで、格子
状に連続して配置する広帯域電波吸収体であって、それ
ぞれの磁性体桟の厚みtmは、反射板から電波到来方向
に順次減少する階段状であり、反射板から電波到来方向
に計った磁性体桟の全体の高さをhとするとき、その高
さhを反射板から電波到来方向に所定の数に分割して、
それぞれの高さをh1、h2、h3、・・hnとし、各高さ
に対応する部分の磁性体の厚みがtm1、tm2、t
m3、・・・tmnであるとき、 h=h1+h2+h3・・・+hn h>tm1、tm2、tm3、・・・tmn で、かつ間隔Sが、 S≧tm1 の関係を満足することを特徴とする広帯域電波吸収体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の広帯域電波吸収体にお
いて、前記磁性体桟は、直流時の透磁率500以上の焼
結フェライトであり、h1は15mm以下、h2は30mm以
下の高さで、tm1>tm2の2段の階段状からなること
を特徴とする広帯域電波吸収体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の広帯域電波吸収体にお
いて、前記磁性体桟は、直流時の透磁率500以上の焼
結フェライトであり、h1は15mm以下、h2は30mm以
下、h3は30mm以下の高さで、tm1>tm2>tm3の
3段の階段状からなることを特徴とする広帯域電波吸収
体。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の各項に記載の広帯域電
波吸収体において、分割した高さの各部に厚みの異なる
誘電体または導電性物質を対向する磁性体桟間に介在さ
せたことを特徴とする広帯域電波吸収体。 - 【請求項5】 請求項4に記載の広帯域電波吸収体にお
いて、磁性体桟の厚みは各部で同一(tm1=tm2=t
m3・・・=tmn)であることを特徴とする広帯域電波
吸収体。 - 【請求項6】 請求項1に記載の広帯域電波吸収体にお
いて、反射板から電波到来方向に向かって磁性体桟の厚
みが連続して減少することを特徴とする広帯域電波吸収
体。 - 【請求項7】 請求項1乃至6の各項に記載の広帯域電
波吸収体のうち少なくとも2つ以上を組み合せてなるこ
とを特徴とする広帯域電波吸収体。 - 【請求項8】 請求項1乃至7の各項に記載の広帯域電
波吸収体において、格子状の磁性体桟のうち、同一方向
に配置された磁性体桟の一部または全部を省略してなる
ことを特徴とする広帯域電波吸収体。 - 【請求項9】 請求項1乃至8の各項に記載の広帯域電
波吸収体において、該広帯域電波吸収体の前面に損失誘
電体または磁性体膜を付加したことを特徴とする広帯域
電波吸収体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3239147A JP2500160B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 広帯域電波吸収体 |
US07/976,373 US5394150A (en) | 1991-09-19 | 1992-11-13 | Broad-band radio wave absorber |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3239147A JP2500160B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 広帯域電波吸収体 |
US07/976,373 US5394150A (en) | 1991-09-19 | 1992-11-13 | Broad-band radio wave absorber |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0582995A true JPH0582995A (ja) | 1993-04-02 |
JP2500160B2 JP2500160B2 (ja) | 1996-05-29 |
Family
ID=26534101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3239147A Expired - Lifetime JP2500160B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 広帯域電波吸収体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5394150A (ja) |
JP (1) | JP2500160B2 (ja) |
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JP3030453B2 (ja) * | 1995-12-27 | 2000-04-10 | 道晴 高橋 | 広帯域電波吸収体 |
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1991
- 1991-09-19 JP JP3239147A patent/JP2500160B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1992
- 1992-11-13 US US07/976,373 patent/US5394150A/en not_active Expired - Fee Related
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JPS555719A (en) * | 1978-06-28 | 1980-01-16 | Suzuki Yasuo | Centrifuge |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010278351A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Tdk Corp | 電波暗室 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2500160B2 (ja) | 1996-05-29 |
US5394150A (en) | 1995-02-28 |
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