JPH0582797U - 人力推進ボート - Google Patents

人力推進ボート

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JPH0582797U
JPH0582797U JP3120492U JP3120492U JPH0582797U JP H0582797 U JPH0582797 U JP H0582797U JP 3120492 U JP3120492 U JP 3120492U JP 3120492 U JP3120492 U JP 3120492U JP H0582797 U JPH0582797 U JP H0582797U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さな力で容易に漕ぐことができる人力推進
式ボートを提供する。 【構成】 乗員が入力アーム12,22を往復回動させ
ると往復回動ギア40が往復回動し、一方向の回動時に
は回転力が第1ラチェット機構32,34,36,38
で第1ギア60に伝達され、他方向の回動時には第2ラ
チェット機構42,44,46,58で第2ギア48に
伝達される。第1ギア60と第2ギア48とは互いに噛
み合わされ一方が回転すると他方は逆回転するので、往
復回動ギア40の往復回動により第1ギア60,第2ギ
ア48が互いに逆方向に連続して回転する。このいずれ
かの回転力が切換え接続機構50,52,54,62で
出力シャフト66に接続され、出力シャフト66に固定
されたスクリュー70が正逆転して、人力推進ボート2
が前後進する。入力アーム12,22は死点を通過させ
る必要がなく、また長くできるため、小さな力で容易に
漕ぐことができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、人力によってスクリューを回転させて、推進力を得る人力推進ボ ートに関する。
【0002】
【従来の技術】
人力によってスクリューを回転させて水面上を進むボートとして、従来ペダル 式のものが知られている。このペダル式人力推進ボートは、自転車のペダルと同 様のペダルをボートの座席部分に設けて、このペダルを乗員が漕ぐことによって ペダルシャフトが回転する。このペダルシャフトの回転が、ギアによってボート の後部下面に取り付けられたスクリューのシャフトに伝達されて、スクリューが 回転することによって推進力が得られるものである。 このようなペダル式人力推進ボートは、オール式の人力推進ボートに比べて操 作が簡単であり、また手で漕ぐオールと異なり足でペダルを回転させるので、よ り大きな力で漕ぐことができるという利点がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このペダル式人力推進ボートにおいては、ペダルをペダルシャ フトを中心として360度回転させるため、乗員から最も離れた点に死点が生じ る。この死点を通過させるために大きな力が必要になるとともに、ペダルをスム ースに回転させにくくなる。さらに、足でペダルを漕ぐためにペダルアームの長 さを余り長くできず、足の力を力学的に有利に推進力に変えることができない。 このため、短時間で足が疲労してしまうという問題点があった。 そこで本考案においては、死点を通過させる必要をなくすとともにアームの長 さを長くすることによって、乗員が疲労しにくく、小さな力で容易に漕ぐことが できる人力推進式のボートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 そこで本考案においては、上記課題を解決するために、人力によりスクリュー 等の船外推進器を回転させて推進力を得るボートであって、該ボートに中間部分 において回動自在に支持され、人力により往復回動させられる入力アームと、該 入力アームの往復回動により往復回動する往復回動ギアと、該往復回動ギアに対 して回転力伝達可能に接続されるとともに互いに噛み合わされた第1ギアおよび 第2ギアと、前記往復回動ギアが一方向に回動するときにのみ前記往復回動ギア の回転力を前記第1ギアに伝達する第1ラチェット機構と、前記往復回動ギアが 他方向に回動するときにのみ前記往復回動ギアの回転力を前記第2ギアに伝達す る第2ラチェット機構と、前記ボートに回転自在に取り付けられ、前記船外推進 器が固定された出力シャフトと、該出力シャフトと前記第1ギアあるいは前記第 2ギアのいずれかを回転力伝達可能に接続する切換え接続機構とを有する人力推 進ボートを創出した。
【0005】
【作用】
さて、上記の構成を備えた本考案の人力推進ボートにおいては、人力による原 動力が以下のように伝達されてボートが前後進する。 まず、入力アームが人力により往復回動させられ、これによって往復回動ギア も往復回動させられる。この往復回動の際に、往復回動ギアが一方向に回動する ときには、往復回動ギアの回転力が第1ラチェット機構によって第1ギアに伝達 され、往復回動ギアが他方向に回動するときには第2ラチェット機構によって第 2ギアに伝達される。 ここで、第1ギアと第2ギアとは互いに噛み合わされているため、一方が回転 するときには他方は逆方向に回転する。このようにして、往復回動ギアの往復回 動によって第1ギアは一方向に、第2ギアは他方向に、それぞれ連続して回転す ることになる。
【0006】 この第1ギア,第2ギアのいずれかが、切換え接続機構によって出力シャフト に回転力伝達可能に接続される。これによって、出力シャフトが一方向あるいは 他方向に連続して回転し、出力シャフトに固定されたスクリュー等の船外推進器 が正転あるいは逆転して、人力推進ボートが前進あるいは後進する。 このように、入力アームをペダルのような回転運動ではなく往復回動させるこ とによって、スクリューが同一方向に連続的に回転して、ボートが推進される。 このため、死点を通過させる必要がなく、また入力アームの長さを充分に長くす ることができる。さらに、往復いずれの回動によっても回転力が取り出されるた め、人力が有効に推進力に変えられる。以上の作用により、漕ぐことが容易にな るとともに、小さな力でボートを推進させることができる。 このようにして、乗員が疲労しにくく、小さな力で容易に漕ぐことができる人 力推進式のボートとなるのである。
【0007】
【実施例】
次に、本考案を具現化した一実施例について図1〜図3を参照して説明する。 図1および図2は、本考案に係る人力推進ボートの一実施例の主要部分を示す図 であり、図3は人力推進ボートの操作部を示した図である。 まず図3を参照して、本実施例の人力推進ボート2の全体構成について説明す る。図3(A)は人力推進ボート2の操作部をボートの左側面から見た図で、図 3(B)は人力推進ボート2の座席から先端方向に向かって見た図である。 図3(B)において参照符号6が人力推進ボート2の本体であり、このボート 本体6の上に支持台8が固定され、この支持台8の上にギアボックス10が固定 されている。このギアボックス10内には、以下に説明するように、人力による 推進力を伝達するギア機構が収納されている。 ギアボックス10からは、図3(B)に示されるように、左右一対のハンドル シャフト16および26が外部に出ている。このハンドルシャフト16,26に は、それぞれ接続部材14および24を介して、左右一対のハンドルペダルアー ム12および22が固定されている。
【0008】 このハンドルペダルアーム12,22は、ハンドルシャフト16,26を中心 として上下にほぼ同じ長さだけ伸びた長尺のアームである。そして、ハンドルペ ダルアーム12,22の上端には、それぞれハンドル部12A,22Aが固定さ れており、また下端にはペダル部12B,22Bがそれぞれ固定されている。 人力推進ボート2を漕ぐためには、図示しない座席に着席した乗員が、左手で 左ハンドル部12Aを握るとともに左足を左ペダル部12Bに乗せ、右手で右ハ ンドル部22Aを握るとともに右足を右ペダル部22Bに乗せる。そして、手で ハンドル部12A,22Aを引っ張りながら足でペダル部12B,22Bを押し 、手でハンドル部12A,22Aを押しながら足でペダル部12B,22Bを引 っ張るという動作を繰り返す。 このようにして、左右のハンドルペダルアーム12,22を交互に往復回動さ せることにより、後述する機構によって人力推進ボート2が推進される。
【0009】 次に、前記ギアボックス10内に収納された、人力による推進力を伝達するた めのギア機構について、図1および図2を参照しつつ説明する。 なお、以下の説明において回転方向(時計回り,反時計回り)は、図1および 図3(B)の左方から(すなわち図3(A)の方向から)、あるいは図1および 図2(B)の下方から見た場合の回転方向を示している。 図1に示されるように、ギアボックス10に回転自在に取り付けられた前記ハ ンドルシャフト16,26の各々の内側先端には、左右一対のベベルギア18お よび28が固定されている。このベベルギア18,28は、共に往復回動ベベル ギア20に噛み合っている。この往復回動ベベルギア20は、往復回動シャフト 30の先端に固定されており、往復回動シャフト30はギアボックス10に回転 自在に取り付けられている。
【0010】 この往復回動シャフト30の他端(図1において下端)には、往復回動ギア4 0が固定されている。この往復回動ギア40は、ギアボックス10の外側(下方 )に位置しており、図3に示されている支持台8内に収納されている。以下に説 明する他のギア機構についても同様である。 図1に示されるように、往復回動ギア40には、左右一対のラチェット付きピ ニオンギア34および44が噛み合わされている。これらのラチェット付きピニ オンギア34,44は、左右一対のシャフト38および58にそれぞれ固定され ている。これらのシャフト38,58の両端は、前記ギアボックス10と図1の 下方に示されている支持プレート64とに回転自在に支持されている。この支持 プレート64は、図3に示される支持台8の内壁に固定されている。
【0011】 前記ラチェット付きピニオンギア34,44の下面には、ラチェット歯34a ,44aが設けられており、ラチェット付きピニオンギア34,44の下方には 、左右一対のラチェット付き出力伝達ギア36,46が配置されている。これら のラチェット付き出力伝達ギア36,46の上面にはラチェット歯36a,46 aが設けられ、前記ラチェット歯34a,44aに噛み合わされている。 これらのラチェット付き出力伝達ギア36,46は、それぞれ前記シャフト3 8,58に固定されており、シャフト38,58と一体に回転する。そして、前 記ラチェット付きピニオンギア34,44は、ラチェット付きピニオンギア34 ,44と前記ギアボックス10の間に嵌挿された押し込みスプリング32および 42によって、それぞれ前記ラチェット付き出力伝達ギア36,46の側に押し 付けられている。
【0012】 さらに、前記左シャフト38の下方には出力伝達ギア60が固定されており、 一方右シャフト58には出力伝達ギア48が固定されている。そして、これら左 右のシャフト38,58の中間の位置には出力シャフト66が配置されており、 前記支持プレート64に対して回転自在に取り付けられている。この出力シャフ ト66には、ラチェット付き出力受けギア50,62および52,54が回転自 在に挿入されている。 ラチェット付き出力受けギア50は、出力シャフト66に回転自在に挿入され ており、前記出力伝達ギア48に噛み合わされている。同様に、ラチェット付き 出力受けギア62も出力シャフト66に回転自在に挿入されており、前記出力伝 達ギア60に噛み合わされている。
【0013】 以上の各ギアの横方向配置について、図2(A)を参照して説明する。図2( A)は、図1,図2(B)の下方から見た各ギアの配置を示す図である。なお、 図において黒く塗りつぶされた部分は、ギア同士の噛み合いを示している。 図2(A)に示されるように、前記往復回動ベベルギア20および往復回動ギ ア40は、往復回動シャフト30に同心的に固定されており、往復回動ギア40 には、ラチェット付きピニオンギア34が噛み合わされている。このラチェット 付きピニオンギア34が回転自在に嵌合する左シャフト38には、上方にラチェ ット付き出力伝達ギア36、下方に出力伝達ギア60が固定されている(図にお いてラチェット付き出力伝達ギア36,出力伝達ギア60は重なっている)。
【0014】 同様に、往復回動ギア40にはラチェット付きピニオンギア44も噛み合わさ れ、ラチェット付きピニオンギア44が回転自在に嵌合する右シャフト58には 、ラチェット付き出力伝達ギア46,出力伝達ギア48が固定されている。 さらに、ラチェット付き出力伝達ギア36とラチェット付き出力伝達ギア46 は互いに噛み合わされている。また、出力伝達ギア60はラチェット付き出力受 けギア62と、出力伝達ギア48はラチェット付き出力受けギア50と、それぞ れ噛み合わされている。 そして、ラチェット付き出力受けギア50とラチェット付き出力受けギア62 は、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52,54とともに、出力シャフト66 に対して同心的に取り付けられている。
【0015】 図2(B)に示されるように、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52には、 出力シャフト66をロックして時計回り方向に回転させるワンウェイクラッチが 内蔵されている。そして、ラチェット付き出力受けギア50とワンウェイクラッ チ内蔵ラチェット52が結合されることによって、これらと一体に出力シャフト 66が時計回り方向に回転する。 同様に、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット54には出力シャフト66をロッ クし反時計回り方向に回転させるワンウェイクラッチが内蔵されている。そして 、ラチェット付き出力受けギア62とワンウェイクラッチ内蔵ラチェット54が 結合されることによって、出力シャフト66が反時計回り方向に回転する。 さらに、出力シャフト66の途中には、フライホイール68が固定されている 。このフライホイール68は、出力シャフト66を惰性で回転させるためのはず み車である。そして、出力シャフト66の先端には船外推進器としてのスクリュ ー70が固定されている。
【0016】 さらに、前記ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52,54の側面には、ワン ウェイクラッチ内蔵ラチェット52,54に嵌合して、正逆切換え部材56が上 下方向にスライド可能に設けられている。この正逆切換え部材56は、図示しな い伝達機構によって外部からスライドさせることができる。 この正逆切換え部材56を上下方向にスライドさせることによって、ワンウェ イクラッチ内蔵ラチェット52および54を、ラチェット付き出力受けギア50 と62のいずれに結合させるかを選択することができる。正逆切換え部材56を 上方にスライドさせれば、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52がラチェット 付き出力受けギア50と結合して、出力シャフト66が時計回り方向に回転する 。一方、正逆切換え部材56を下方にスライドさせれば、ワンウェイクラッチ内 蔵ラチェット54がラチェット付き出力受けギア62と結合して、出力シャフト 66を反時計回り方向に回転させることができる。 このようにして、正逆切換え部材56を操作することによって、出力シャフト 66の正転および反転を切り換えることができる。
【0017】 さて、以上のような構成を有する人力推進ボート2の操作方法と人力推進ボー ト2が推進される仕組みについて、図1〜図3を参照しながら説明する。 人力推進ボート2を漕ぐためには、図示しない座席(図3(A)においては右 側、図3(B)では手前側にある)に着席した乗員が、左手で図3に示される左 ハンドル部12Aを握るとともに左足を左ペダル部12Bに乗せ、また右手で右 ハンドル部22Aを握るとともに右足を右ペダル部22Bに乗せる。そして、手 でハンドル部12A,22Aを引っ張りながら足でペダル部12B,22Bを押 し、また手でハンドル部12A,22Aを押しながら足でペダル部12B,22 Bを引っ張るという動作を繰り返す。 このようにして、左右一対のハンドルペダルアーム12,22を交互に往復回 動させることによって、以下のようにして人力推進ボート2が推進される。
【0018】 まず、左ハンドルペダルアーム12のハンドル部12Aを手前にペダル部12 Bを前方に回動させると、左ハンドルペダルアーム12が図1の左方から見て時 計回り方向に回動する。これによって、左ハンドルペダルアーム12に左接続部 材14,左ハンドルシャフト16を介して固定されている左べベルギア18も時 計回り方向に回動する。 この結果、左べベルギア18と噛み合う往復回動べベルギア20が、図1の下 方から見て反時計回り方向に回動する。これによって、往復回動べベルギア20 と噛み合う右べベルギア28が反時計回り方向に回動し、右べベルギア28に右 ハンドルシャフト26,右接続部材24を介して固定されている右ハンドルペダ ルアーム22も反時計回り方向に回動する。すなわち、右ハンドルペダルアーム 22は、ハンドル部22Aが前方に、ペダル部22Bが手前に移動する方向に、 自動的に回動する。
【0019】 一方、右ハンドルペダルアーム22のハンドル部22Aを手前にペダル部22 Bを前方に回動させると、右ハンドルペダルアーム22が図1の左方から見て時 計回り方向に回動する。これによって、右べベルギア28も時計回り方向に回動 し、往復回動べベルギア20が図1の下方から見て反時計回り方向に回動する。 この結果、左べベルギア18が反時計回り方向に回動し、左ハンドルペダルアー ム12も反時計回り方向に回動する。すなわち、左ハンドルペダルアーム12は 、ハンドル部12Aが前方に、ペダル部12Bが手前に移動する方向に、自動的 に回動する。 このようにして、両手でハンドル部12A,22Aを交互に引き、両足でペダ ル部12B,22Bを交互に押す動作を繰り返すことによって、往復回動べベル ギア20が時計回り方向および反時計回り方向に往復回動する。
【0020】 このようにして往復回動ベベルギア20が往復回動することにより、ギアボッ クス10内のギア機構によって、以下のようにして回動力の伝達が行われる。 まず、往復回動ベベルギア20が時計回り方向に回動するときには、往復回動 シャフト30により固定された往復回動ギア40も一体に、時計回り方向に回動 する。この結果、往復回動ギア40に噛み合うラチェット付きピニオンギア34 とラチェット付きピニオンギア44が反時計回り方向に回動する。 ラチェット付きピニオンギア34とラチェット34a,36aにより連結され ているラチェット付き出力伝達ギア36は、ラチェット34aと36aが互いに 滑る方向に回転するため空転する。一方、ラチェット付きピニオンギア44とラ チェット44a,46aにより連結されているラチェット付き出力伝達ギア46 は、ラチェット44aと46aが互いに噛み合う方向に回転するため、反時計回 り方向に回動する。 このとき、ラチェット付き出力伝達ギア46と噛み合うラチェット付き出力伝 達ギア36も時計回り方向に回動するが、反時計回り方向に回動するラチェット 付きピニオンギア34とはラチェットが滑り、噛み合わない。
【0021】 一方、往復回動ベベルギア20が反時計回り方向に回動すると、往復回動ギア 40が噛み合うラチェット付きピニオンギア34とラチェット付きピニオンギア 44が、共に時計回り方向に回動する。この場合には、ラチェット付きピニオン ギア34とラチェット付き出力伝達ギア36のラチェット34a,36aが噛み 合うため、ラチェット付き出力伝達ギア36が時計回り方向に回動する。 一方、ラチェット付きピニオンギア44とラチェット付き出力伝達ギア46は ラチェット44a,46aが滑るため、ラチェット付き出力伝達ギア46は空転 する。しかし、ラチェット付き出力伝達ギア36と噛み合っているため、ラチェ ット付き出力伝達ギア46も反時計回り方向に回動する。このとき、ラチェット 付き出力伝達ギア46と時計回り方向に回動するラチェット付きピニオンギア4 4とは、ラチェット44a,46aが滑って空転するため問題はない。 以上のようにして、往復回動ベベルギア20が往復回動することによって、ラ チェット付き出力伝達ギア36が時計回り方向に、ラチェット付き出力伝達ギア 46が反時計回り方向に、それぞれ連続的に回動することになる。
【0022】 これによって、ラチェット付き出力伝達ギア36とともに左シャフト38に固 定される出力伝達ギア60も、ラチェット付き出力伝達ギア36と同じく時計回 り方向に連続的に回転する。また、ラチェット付き出力伝達ギア46とともに右 シャフト58に固定される出力伝達ギア48も、ラチェット付き出力伝達ギア4 6と同じく反時計回り方向に連続的に回転する。 従って、出力伝達ギア48と噛み合うラチェット付き出力受けギア50は時計 方向に連続的に回転し、出力伝達ギア60と噛み合うラチェット付き出力受けギ ア62は、反時計回り方向に連続的に回転する。 これらのラチェット付き出力受けギア50,62のいずれかが、正逆切換え部 材56のスライド位置に応じて、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52,54 によって出力シャフト66に接続される。これによって、ラチェット付き出力受 けギア50および62の連続的な回転のいずれかが、出力シャフト66に伝達さ れて、スクリュー70が一方向に連続的に回転する。
【0023】 すなわち、図2(B)に示されるように正逆切換え部材56が上方のスライド 位置にあるときには、ラチェット歯50aと52aとが噛み合うことにより、ラ チェット付き出力受けギア50とワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52が結合 している。一方、ラチェット歯54aと62aとは離れて、ラチェット付き出力 受けギア62とワンウェイクラッチ内蔵ラチェット54が切り離されている。 これによって、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52は、ラチェット付き出 力受けギア50と一体に時計方向に連続的に回転し、内蔵されたワンウェイクラ ッチによって、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52が出力シャフト66をロ ックして時計回り方向に回転させる。 従って、この状態で乗員が左右のハンドルペダルアーム12,22を動かせば 、出力シャフト66が時計回り方向に回転してスクリュー70が正転するため、 人力推進ボート2は前進する。
【0024】 一方、正逆切換え部材56が下方にスライドした場合には、ラチェット付き出 力受けギア50とワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52が切り離され、ラチェ ット付き出力受けギア62とワンウェイクラッチ内蔵ラチェット54が結合して いる。これによって、ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット54がラチェット付き 出力受けギア62と一体に反時計方向に連続的に回転し、内蔵されたワンウェイ クラッチが出力シャフト66をロックして、反時計回り方向に回転させる。 従って、この状態でハンドルペダルアーム12,22が操作されると、出力シ ャフト66が反時計回り方向に回転してスクリュー70が反転し、人力推進ボー ト2は後進する。 このように、人力推進ボート2の前後進の切換え、すなわちスクリュー70の 正転および反転の切換えは、乗員が図示しない伝達機構によって正逆切換え部材 56を上下へスライドさせることによって行われる。
【0025】 以上のようにして、左右一対のハンドルペダルアーム12,22を、交互に往 復回動させることによって、ギアボックス10内のギア機構によりスクリューが 回転して、人力推進ボート2が推進されるのである。 これによって、従来のペダルのように死点を通過させる必要がなく、またハン ドルペダルアーム12,22の長さを充分に長くすることができるため、より容 易にかつ小さい力で推進させることができる。
【0026】 さらに、出力シャフト66の回転速度がワンウェイクラッチ内蔵ラチェット5 2の回転速度を上回ったときには、ワンウェイクラッチが滑ることによって、フ ライホイール68に蓄えられた惰力が取り出されて、出力シャフト66の回転が 継続される。同様に、出力シャフト66の回転速度がワンウェイクラッチ内蔵ラ チェット54の回転速度を上回ったときにも、ワンウェイクラッチが滑ることに よって惰力を得ることができる。 これによって、ハンドルペダルアーム12,22から入力された推進力を有効 に利用することができ、乗員の負担が軽減される。
【0027】 本実施例においては、入力アームとしてのハンドルペダルアーム12,22を 手と足を同時に使って操作する方式としているが、入力アームは手のみまたは足 のみで往復回動させる方式としてもよい。この場合でも、死点を通過させる必要 がなく、またアーム長さを長くとれることから、従来のペダル式よりも小さな力 で容易に漕ぐことができる。 また、左右一対のハンドルペダルアーム12,22を設けて、左右の手足で交 互に往復回動させる方式としたが、入力アームは一本だけでもよく、また三本以 上の入力アームを設けて複数の乗員が操作する方式としてもよい。 さらに、ラチェット付きピニオンギア34,44,ラチェット付き出力伝達ギ ア36,46,ワンウェイクラッチ内蔵ラチェット52,54等の構造について も、本実施例以外の構造とすることもできる。 人力推進ボートの他の部分の構造,材質,配置,数量,大きさ等についても、 本実施例に限定されるものではない。
【0028】 また、本実施例に固有の効果として、入力アームとしてのハンドルペダルアー ム12,22を手と足で同時に操作する方式としたため、より小さな力でより容 易に漕ぐことができる。さらに、左右一対のハンドルペダルアーム12,22を 設けたことによって、左右の手足で交互に往復回動させることができ、操作のし 易さが一層向上している。
【0029】
【考案の効果】
本考案においては、人力で往復回動させる入力アームと、この往復回動の各方 向の回転力のみを連続的に取り出すラチェット機構と、この回転力によって船外 推進器を回転させる接続機構とを有する人力推進ボートを創出したために、ペダ ルのように死点を通過させる必要がなく、また入力アームの長さを充分に長くす ることができる。 これによって、乗員が疲労しにくく、小さな力で容易に漕ぐことができる人力 推進式のボートとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る人力推進ボートの一実施例の主要
部分を示す図である。
【図2】人力推進ボートの一実施例の主要部分を示す図
である。
【図3】人力推進ボートの一実施例の操作部を示す図で
ある。
【符号の説明】
2 人力推進ボート 12,22 入力アーム 32,34,36,38 第1ラチェット機構 40 往復回動ギア 42,44,46,58 第2ラチェット機構 48 第2ギア 50,52,54,62 切換え接続機構 60 第1ギア 66 出力シャフト 70 船外推進器

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人力によりスクリュー等の船外推進器を
    回転させて推進力を得るボートであって、 該ボートに中間部分において回動自在に支持され、人力
    により往復回動させられる入力アームと、 該入力アームの往復回動により往復回動する往復回動ギ
    アと、 該往復回動ギアに対して回転力伝達可能に接続されると
    ともに互いに噛み合わされた第1ギアおよび第2ギア
    と、 前記往復回動ギアが一方向に回動するときにのみ前記往
    復回動ギアの回転力を前記第1ギアに伝達する第1ラチ
    ェット機構と、 前記往復回動ギアが他方向に回動するときにのみ前記往
    復回動ギアの回転力を前記第2ギアに伝達する第2ラチ
    ェット機構と、 前記ボートに回転自在に取り付けられ、前記船外推進器
    が固定された出力シャフトと、 該出力シャフトと前記第1ギアあるいは前記第2ギアの
    いずれかを回転力伝達可能に接続する切換え接続機構、 とを有する人力推進ボート。
JP3120492U 1992-04-13 1992-04-13 人力推進ボート Expired - Lifetime JPH0711037Y2 (ja)

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