JPH058276U - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアガイドの製作にかかるコストの低減化を
図るとともに、ガイド面を他の部品の取付け固定面など
として有効に利用する。 【構成】 径方向に分割できる２枚のプレートにより形
成されたヘッダタンクが、互いに平行に積層された複数
のチューブの両端に接続されたパラレルフロータイプの
熱交換器において、前記２枚のプレートのうち一方のプ
レートに、ヘッダタンクの軸方向に沿い且つ空気通流方
向に沿う板状のエアガイドを一体成形して設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、径方向に二分割されるヘッダタンクを有し、エアガイドが一体に備 えられたパラレルフロータイプの熱交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、熱交換器などの放熱部分は、車両前部のフロントグリルから取入れられ たエアを、エンジンファンやモータファンなどによって強制的に一方向へ吸引し 、この吸引されたエアが当該放熱部分を通過することによって冷やされていた。 しかし、これらエアの一部が、ファンなどにより吸引されているにもかかわらず 、例えば、放熱部分を全く避けて通流したり、或いは車両内の前方側に設置され たコンデンサの側面側から回り込んでコンデンサの後方側に設置されたラジエー タのみを冷却したりするなど、エアを放熱部分の冷却のために効率よく取込むこ とができず、熱交換器などの放熱能力を高めることができないという不具合があ った。そこで、走行風やエンジンファンなどによるエアを効率よく取込み、この エアが確実に熱交換器の放熱部分を通過するようにした熱交換器に、例えば、実 開昭６１−１８９１５４号に示されているものがある。この熱交換器は、図６に 示すように、ウレタンシール材などからなる板状のエアガイド１１が、熱交換器 の左右両端に設けられたプレート１８の長手方向に沿った両端部のうち、どちら か一方或いは双方に、エアガイド１１の広面がエアの通流方向に沿って取付けら れており、これによって、フロントグリルから取入れられたエアを効率よく熱交 換器の正面方向へ導いている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記エアガイドは別体の部材であるため、部品点数が増え組付けに 手間がかかり、そのぶんコストが割高になるという問題点がある。また、エアガ イドに用いられるウレタンシール材が安価でないことから、上述に加えさらにコ ストが上がるという問題点もある。

【０００４】 そこで、本考案は、エアガイドの製作にかかるコストの低減化を図るとともに 、そのガイド面を他の部品の取付け固定面などとして有効に利用する熱交換器を 提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の問題点を解決するために、本考案の熱交換器は、径方向に分割できる２ 枚のプレートにより形成されたヘッダタンクが、互いに平行に積層された複数の チューブの両端に接続されたパラレルフロータイプの熱交換器において、前記２ 枚のプレートのうち一方のプレートに、ヘッダタンクの軸方向に沿い且つ空気通 流方向に沿う板状のエアガイドを一体成形して設けた構成とされている。

【０００６】

【作用】

したがって、エアガイドがヘッダタンクに一体成形して設けられるので、高価 なウレタンシール材を使用する必要がなく部品点数も増えないことからコストの 低減化を図ることができる。また、エアガイドがヘッダタンクと同様の金属片な ので、そのガイド面を、配管或いはセンサなどの接続部品の取付け固定面とした り、熱交換器本体を車体パネルへ取付ける際などの取付け足の固定面としたりす ることができ有効に利用できる。さらに、エアガイドは、プレートの長手方向に 沿った両端部のどちら側にも一体成形して設けることが可能なので、必要に応じ てエアガイドを熱交換器の正面側及び背面側の双方に設けることで、例えば、フ ロントグリルから取込まれ車両前方側に設置されたコンデンサを通過したエアが コンデンサの後方に設置されたラジエータ正面の全面に導かれ、効率よく熱交換 器の放熱能力を維持できる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を図面に基づき説明する。本実施例の熱交換器１は、 図１に示すように、長さの等しい複数の偏平チューブ４が波状フィン３を介して 互いに平行に積層されたパラレルフロータイプに構成されており、これら偏平チ ューブ４群の両端にはヘッダタンク２が連通接続されている。また、各ヘッダタ ンク２の各端部開口は盲キャップ５により閉塞されている。さらに、一方のヘッ ダタンク２には冷媒を流入する入口継手６が連通接続され、他方のヘッダタンク ２には出口継手７が連通接続されており、各ヘッダタンク２内に設けられた仕切 板１７により、入口継手６と出口継手７との間で、流入された冷媒が所定の本数 の偏平チューブ４群単位で熱交換器１内を下方へ蛇行して通流される。なお、図 １中の８は補強用のサイドプレートを示し、盲キャップ５側又は出入口継手６， ７側の一方がグラッド材により被覆されたものとされている。

【０００８】 上記各ヘッダタンク２は、図１及び図２に示すように、それぞれタンクプレー ト９とエンドプレート１０とによって径方向に二分割された構造となっている。 タンクプレート９は、図２に示すように、横断面が略楕円形の曲面に形成されて おり、その両端縁部に段部９ａよりなる結合部９ｂが形成されている。また、一 方の結合部９ｂのヘッダタンク２の軸方向に沿った端部には、平板状のエアガイ ド１１が、空気の通流方向（図２中の矢印）に沿ってタンクプレート９に、プレ ス成形によって一体成形して設けられている。エンドプレート１０は、タンクプ レート９と同様にその横断面が略楕円形の曲面に形成されており、この両端縁部 がタンクプレート９の結合部ａの内側に差込まれ一体ろう付けなどにより結合さ れている。エンドプレート１０の周面には、偏平チューブ４が挿入される長円形 状の挿入孔１２が長手方向に多数設けられており、この挿入孔１２に各偏平チュ ーブ４が連通接続され一体ろう付けなどにより結合されている。

【０００９】 上記熱交換器は、エアガイド１１がタンクプレート９に一体成形して設けられ ているので、別体として製作する必要が無く、部品点数も増えず、組付けの手間 もかからない。それゆえ、コストの低減化をも期待できる。また、エアガイド１ １がタンクプレート９と同一の金属片なので、図３に示すように、そのガイド面 を、出口継手７に接続された出口パイプ１５を取付ける際の取付け固定面とした り、熱交換器１本体を車体パネルへ取付ける際などの取付け足１６の固定座面と して有効に利用できる。

【００１０】 図４及び図５に示した第２実施例では、車両内に前方からコンデンサ１３、ラ ジエータ１４の順に熱交換器が設置された場合において、エアガイド１１をヘッ ダタンク２の軸方向に沿ったタンクプレート９の両端部の双方に設けたものであ る。この場合、プレス成形によれば、エアガイドをヘッダタンクの径方向に対し 空気の通流方向に沿う任意の向きに、容易に形成できる。したがって、例えば、 車両などのフロントグリルから取込まれ車両前方側に設置されたコンデンサ１３ を通過したエアをコンデンサ１３の後方に設置されたラジエータ１４正面の全面 に導くことができ、効率よく熱交換器群の放熱能力を維持できる。

【００１１】 なお、実施例では、エアガイドをタンクプレート側に設けているが、エンドプ レート側に設けてもよい。また、ヘッダタンクの構成は、２枚のプレートによる ものに限らず、一枚のプレートで構成されているものでもかまわない。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、エアガイドがヘッダタンクを形成する一 方のプレートに一体成形して設けられているので、別体としてエアガイドを製作 する必要が無く、部品点数も増えず組付けの手間もかからないことからコストの 低減化が図れる。また、エアガイドがヘッダタンクと同一の金属片なので、その ガイド面を、配管或いはセンサなどの接続部品の取付け固定面としたり、熱交換 器本体を車体パネルへ取付ける際などの取付け足固定面としたりするなど有効に 利用することができる。さらに、エアガイドは、プレートの長手方向に沿った両 端部のどちら側にも一体成形で設けることが可能なので、必要に応じてエアガイ ドを熱交換器の正面側及び背面側の双方に設けることで、車両のフロントグリル から取込まれ熱交換器を通過したエアが熱交換器の後方に設置された他の放熱部 正面の全面に導かれ、効率よく熱交換器群の放熱能力を維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係り、熱交換器を示す正面
図である。

【図２】エアガイドを示す断面図である。

【図３】エアガイドを示す斜視図である。

【図４】本考案の第２実施例に係り、エアガイドを示す
断面図である。

【図５】本考案の第２実施例に係り、エアガイドを示す
斜視図である。

【図６】従来例に係り、エアガイドを示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 熱交換器 ２ ヘッダタンク ３ 波状フィン ４ 偏平チューブ ９ タンクプレート ９ｂ 結合部 １０ エンドプレート １１ エアガイド

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 径方向に分割できる２枚のプレートによ
   り形成されたヘッダタンクが、互いに平行に積層された
   複数のチューブの両端に接続されたパラレルフロータイ
   プの熱交換器において、 前記２枚のプレートのうち一方のプレートに、ヘッダタ
   ンクの軸方向に沿い且つ空気通流方向に沿う板状のエア
   ガイドを一体成形して設けたことを特徴とする熱交換
   器。