JPH0582675B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は小径かつ極薄に形成された円盤状の磁
気デイスクシートをケース内に回転可能に収容し
てなる磁気デイスクカートリツジにおいて、前記
磁気デイスクシートのクリーニングを行なう方法
の改良に関するものである。

（従来技術） 従来より、フレキシブルポリエステルシート等
からなる円盤状のベースの両面に磁性体層が形成
され、回転されながら磁気ヘツドにより該磁性体
層に磁気記録がなされるフロツピーデイスクが提
供され、その取扱いの容易性、低コストといつた
利点から、コンピユータ用の記録媒体として広く
用いられている。

一方、このようなフロツピーデイスクの利点、
および記録媒体が再利用できるという、銀塩フイ
ルムにはない磁気記録特有の長所を活用し、更に
小型化して使い易さを改善したいわゆるマイクロ
フロツピーデイスクが実用化されている。これら
のマイクロフロツピーデイスクはハード化された
ケース内に回転可能に収容されて、磁気デイスク
カートリツジとして使用されるようになつてい
る。この種の磁気デイスクカートリツジのケース
内には、マイクロフロツピーデイスクすなわち磁
気デイスクシートの記録領域の内縁から外縁に至
る大きさをもち、シートの記録を行なう面と軽く
接して、磁気デイスクシートが回転するのに伴な
つてこの磁気デイスク表面に付着したゴミ、ホコ
リ等をクリーニングするレーヨン、ポリエステル
の不織布等からなるライナーが、前記磁気デイス
クシートとこのシートに対向するケース内壁面と
の間に設けられている。

さらに、前記内壁面とライナーの間には、一端
部が前記内壁面に固着され、他端部が斜め上方に
起立したリフターが設けられ、このリフターの他
端部がライナーを弾性的に押し上げて、ライナー
を、シートの記録領域の内縁から外縁にかけて十
分なクリーニング効果が得られるように、均一な
強さで接触せしめるようになつている。

ところで上記の磁気デイスクカートリツジにお
いて、磁気デイスクシートが一回転する間に記録
される情報量は、磁気デイスクシートの記録領域
の内周部分も外周部分も同一となつている。この
ため回転時の線速度は外周部分に比べ、内周部分
で遅くなり、内周部分における記録波長は相対的
に短いものとなる。従つて外周部分においてはほ
とんど問題とならない程度の大きさのゴミも内周
部分に付着すると、ドロツプアウト等の発生の原
因となつてしまうことがあり、このため、磁気デ
イスクシートの全面に亘つて均一な強度でクリー
ニングを行なつただけでは内周部分については十
分なレベルまでクリーニングを行なうことができ
ないという問題がある。また内周部分のクリーニ
ングを十分行なうことができるように、リフター
のライナー押圧力を全体に大きくしてライナーに
よるシート全面に亘るクリーニング強度を高める
と、磁気デイスクシートのランニングトルクが増
大してしまい、実用上好ましくない。

（発明の目的） 本発明は上記のような問題点に鑑みてなされた
ものであり、前記ライナーと、このライナーを磁
気デイスクシートに接触せしめるリフターによ
り、磁気デイスクシートのクリーニングを行なう
際に、磁気デイスクシートのランニングトルクを
増大させることなく、磁気デイスクシートの記録
領域の内周部分をより効果的にクリーニングする
ことのできる磁気デイスクカートリツジのクリー
ニング方法を提供することを目的とするものであ
る。

（発明の構成） 本発明の磁気デイスクカートリツジのクリーニ
ング方法は、リフターによりライナーを押圧し
て、ライナーを磁気デイスクシートの記録領域の
内縁から外縁に至る部分に接触せしめてシートの
クリーニングを行なう際に、前記リフターに、該
リフターの前記シートの外縁側に位置する外縁側
端部を弾性的に支持する外縁側脚部と、該リフタ
ーの前記シートの内縁側に位置する内縁側端部を
弾性的に支持する内縁側脚部との少なくとも２つ
の脚部を設けるとともに前記内縁側脚部の弾性支
持力を前記外縁側脚部の弾性支持力よりも強める
ことにより、前記ライナーをシートの外縁から内
縁方向に沿つて徐々に強く押圧することを特徴と
するものである。すなわち、リフターがライナー
を押圧する力を強くすれば、ライナーはシートと
強く接触し、シートのクリーニング効果を高める
ことができるので、内縁側脚部の弾性支持力を外
縁側脚部の弾性支持力よりも強めた本発明の方法
によればリフターによる押圧力の大きいシートの
内周部分を、シートの外周部分に比べてより効果
的にクリーニングすることが可能となる。なお、
上記にように内縁側脚部の弾性支持力を外縁側脚
部の弾性支持力よりも強めることのできる脚部の
構造についはて本発明の実施例において詳細に説
明するが、例えば、内縁側脚部のばね定数を外縁
側脚部のばね定数よりも大きくすることや、内縁
側脚部の高さを外縁側脚部の高さよりも高くなる
ようにして、ライナーが磁気デイスクシートを押
圧する際の内縁側脚部の変位量を外縁側脚部の変
位量よりも大きくなるようにすることなどが挙げ
られる。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。第１図は本発明の第１の実施例による
クリーニング方法が実施される磁気デイスクカー
トリツジの概要を示す分解斜視図である。

円盤状の磁気デイスクシート１は、中心部をセ
ンターコア２により支持され上ハーフ３Ａおよび
下ハーフ３Ｂからなるケース内に回転可能に収容
されている。前記上ハーフ３Ａおよび下ハーフ３
Ｂの互いに対向する位置には磁気デイスクシート
１の半径方向に伸び、シートの一部を露出させ、
外部から磁気ヘツド（図示せず）が進入すること
を許すヘツド挿入用開口４Ａ，４Ｂが設けられて
いる。また前記ケース上には、ケース表面を矢印
Ｓ方向に摺動し、前記ヘツド挿入用開口４Ａ，４
Ｂを開閉する、シヤツタ５が設けられている。シ
ヤツタ５はカートリツジ不使用時には前記ヘツド
挿入用開口４Ａ，４Ｂを閉じる位置にあり、カー
トリツジ使用時には、シヤツタ５に設けられた窓
部６が前記ヘツド挿入用開口４Ａ，４Ｂと重な
り、ヘツド挿入用開口４Ａ，４Ｂを開く位置に移
動して外部から磁気ヘツドが進入することを許
す。ケース内に進入した磁気ヘツドはシート１に
当接し、高速回転するシート上を相対的に摺動し
て各種情報の記録再生が行なわれる。

前記磁気デイスクシート１と前記上下ハーフ３
Ａ，３Ｂのシート１と対向する内壁面３ａ，３ｂ
との間には、レーヨン、ポリエステル等の混紡よ
りなる不織布からなり、前記磁気デイスクシート
１を覆う略円形のクリーニング用ライナー７Ａ，
７Ｂがそれぞれ設けられている。このライナー７
Ａ，７Ｂは所々にヒートシール等により前記内壁
面３ａ，３ｂに固定されている。なおライナーの
形状は本実施例では略円形をしているが、少なく
とも磁気デイスクシート１の記録領域の内縁から
外縁に至る大きさを有していれば、形状、大きさ
共、任意のものを使用できる。またこのライナー
７Ｂと前記内壁面３ｂとの間には、ライナー７Ｂ
を前記シート１方向へ弾性的に押圧してライナー
７Ｂをシート１の記録領域の外縁から内縁にかけ
て接触せしめるリフター１８が設けられている。
このリフター１８の斜視図を第２図に示す。

第２図に示すリフター１８は、合成樹脂、金属
板等の中央部を、起立部１８ｂおよびこの起立部
１８ｂの前記シートの外縁側に位置する外縁側端
部を弾性的に支持する外縁側脚部１８ｄと、起立
部１８ｂの前記シートの内縁側に位置する内縁側
端部と支持する内縁側脚部１８ｅとが形成される
ように打ち抜き、周囲の部分を固着部１８ａとし
てケース内壁面両面接着テープ（図示せず）等の
接着手段によりに固着させ、前記起立部をケース
内壁面に対して角度αだけ傾くように起立させて
なるものである。このリフターを図示のように、
内縁側脚部１８ｅの高さを外縁側脚部１８ｄの高
さよりも高くなるようにして、磁気デイスクシー
トの記録領域の外縁から内縁方向に沿つて起立部
１８ｂが徐々に起立するように配せば、内縁側脚
部１８ｅの弾性支持力が外縁側脚部１８ｄの弾性
支持力よりも大きくなつて、磁気デイスクシート
のクリーニング効果を上記方向に向かつて徐々に
高めることができる。また上記のように、起立部
１８ｂの、シート内縁側端部とシート外縁側部が
それぞれ弾性を有する脚部により支持されている
場合には、第３図に示すように、起立部２８ｂを
斜めに起立させずに、固着部２８ａの上方に、固
着部と平行に位置させ、外縁側脚部２８ｄと内縁
側脚部２８ｅの太さを変化させることにより両脚
部２８ｄ，２８ｅのばね定数を変化させてライナ
ーの押圧力を調節することもできる。すなわち、
図示のようにシートの外縁側のバネ部２８ｄをシ
ートの内縁側のバネ部２８ｅよりも細く形成すれ
ば、起立部２８ｂはそのシート内縁側が外縁側に
比べて変位しにくくなるので、内縁側脚部１８ｅ
の弾性支持力が外縁側脚部１８ｄの弾性支持力よ
りも大きくなつて、シート内縁側を強く押圧する
ようになる。

いずれの場合にも本発明のクリーニング方法に
よれば、リフターにより、ライナーをシートの外
縁から内縁方向に沿つて徐々に強く押圧すること
により、ランニングトルクを大きく増大させるこ
となく、特に強力なクニーリングが必要とされる
シートの内周部分を効果的にクリーニングするこ
とができる。

なお、本発明の方法は、上記効果を達成するた
めにライナーの押圧力を変化させることを主旨と
するものであるから、本発明の方法を実施するた
めの、リフターの具体的な構造は前記各実施例に
おいて示したものに限られるものではないことは
いうまでもない。また、上記実施例においては、
リフターは下ハーフの内壁面上にのみ設けられて
いるが、前記上ハーフの内壁面とライナーの間に
も設けるようにしてもよく、また、スチルカメラ
用磁気デイスクカートリツジのように磁気デイス
クシートの片面のみに記録を行なうものは記録面
側のみにライナーおよびリフターを設けてもよ
い。

（発明の効果） 以上詳細に説明したように、本発明の磁気デイ
スクカートリツジのクリーニング方法によれば、
リフターに、該リフターの前記シートの外縁側に
位置する外縁側端部を弾性的に支持する外縁側脚
部と、該リフターの前記シートの内縁側に位置す
る内縁側端部を弾性的に支持する内縁側脚部との
少なくとも２つの脚部を設けるとともに前記内縁
側脚部の弾性支持力を前記外縁側脚部の弾性支持
力よりも強めることにより、ライナーをシートの
外縁から内縁方向に沿つて徐々に強く押圧するよ
うにしたことにより、シートのランニングトルク
を大きく増大させることなくシートの記録領域の
内周部分のクリーニング効果を特に高めることが
できる。さらに、リフターにより、ライナーをシ
ートの外縁から内縁方向に沿つて徐々に強く押圧
するのにあたり、リフターの外縁側端部を支持す
る外縁側脚部と、リフターの内縁側端部を支持す
る内縁側脚部との弾性支持力の差を用いるため、
リフターの両端を両脚部によりそれぞれ支持する
構成としたので、同様の効果を得るにあたり、リ
フターの片側のみを支持するような構成とした場
合には起こり得る、リフターのへたりを防止する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を実施する磁気
デイスクカートリツジの概要を示す分解斜視図、
第２図は上記実施例におけるリフターを示す斜視
図、第３図は本発明の第２の実施例におけるリフ
ターを示す斜視図である。 １……磁気デイスクカートリツジ、３Ａ……上
ハーフ、３Ｂ……下ハーフ、７Ａ，７Ｂ……ライ
ナー、１８，２８……リフター、１８ｄ，２８ｅ
……外縁側脚部、１８ｅ，１８ｅ……内縁側脚
部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円盤状の磁気デイスクシートをケース内に回
   転可能に収容してなる磁気デイスクカートリツジ
   内の、前記シートとこのシートに対向する前記ケ
   ースの内壁面の間に、少なくとも前記シートの記
   録領域の内縁から外縁に至る大きさをもつクリー
   ニング用ライナーを設け、さらに前記内壁面と前
   記ライナーとの間にリフターを設け、このリフタ
   ーにより前記ライナーを押圧して該ライナーを前
   記シートの内縁から外縁に至る部分に接触せしめ
   てシート表面のクリーニングを行なう磁気デイス
   クカートリツジのクリーニング方法において、前
   記リフターに、該リフターの前記シートの外縁側
   に位置する外縁側端部を弾性的に支持する外縁側
   脚部と、該リフターの前記シートの内縁側に位置
   する内縁側端部を弾性的に支持する内縁側脚部と
   の少なくとも２つの脚部を設けるとともに前記内
   縁側脚部の弾性支持力を前記外縁側脚部の弾性支
   持力よりも強めることにより、前記ライナーを前
   記シートの外縁から内縁方向に沿つて徐々に強く
   押圧することを特徴とする磁気デイスクカートリ
   ツジのクリーニング方法。