JPH0580714A - 液晶表示装置の駆動回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は液晶表示装置の駆動回路に係り、特
に上下２画面分割方式または左右２画面分割方式等の単
純マトリクス型液晶表示装置の駆動回路に関し、液晶の
交流駆動電圧の極性切り換わり時に発生するスパイク状
のパネル充電電流を減少させ、結果として、電源容量を
小さくできる液晶表示装置の駆動回路を提供することを
目的とする。 【構成】 上下２画面分割形液晶パネル１と、交流化信
号発生回路６と、ディレイ回路７と、上画面用データ電
極ドライバ２と、上画面用走査電極ドライバ３Ａと、下
画面用データ電極ドライバ４と、下画面用走査電極ドラ
イバ３Ｂとを有して構成し、走査電極ドライバ及びデー
タ電極ドライバを分離し、同一周期で切り換わりタイミ
ングのずれた２相の交流化信号ＡＣＭ１、ＡＣＭ２を駆
動対象の分割画面毎にそれぞれの走査電極ドライバ及び
データ電極ドライバに供給して制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置の駆動回路
に係り、特に上下２画面分割方式または左右２画面分割
方式等の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動回路に関
する。

【０００２】液晶表示装置の液晶表示パネルには、アク
ティブマトリクス型と単純マトリクス型の２種類の表示
方式が実用化されているが、それぞれ、前者は高価であ
るが高コントラストで、広視野角で、高速な応答性を持
つ等非常に優れた表示性を能を有し、後者は表示性能で
は前者に劣るが量産性が良く安価であるという特徴を持
っており、どちらも今後の利用分野が益々広がる将来性
の有望な表示デバイスである。

【０００３】この内、単純マトリクス型では走査ライン
数が多くなるに従いコントラストが低下するため、これ
を改善する方法として、走査ライン数が多い大表示容量
のものは表示画面を上下２画面に分割して同時に走査を
行なう方法が採られている。

【０００４】

【従来の技術】先ず、従来の単純マトリクス型液晶パネ
ルについて説明する。図５（ａ）に従来の液晶パネルの
断面図を示す。液晶パネルは、２枚のガラス板５１及び
５２を数μｍの間隔で重ね合わせ、この間隔に液晶材料
５３を封止した構造になっており、各ガラス板５１及び
５２の液晶５３に面した表面には、酸化インジウム膜で
できた透明電極５４及び５５がお互いに直交する方向に
形成されている。そして、この電極５４及び５５に電圧
を印加して液晶分子の配列を制御することにより液晶５
３内を透過する光量を変化させ、各種の表示を行なう。
尚、５６及び５７は液晶５３を封入するためのシール材
である。

【０００５】また、図５（ｂ）は上下に２分割した液晶
パネルの電極であり、５８は走査電極、５９は上画面側
のデータ電極、６０は下画面側のデータ電極、走査電極
５８とデータ電極５９の交点６１はセル（画素）であ
る。このセル６１の部分では、２種類の電極が薄い液晶
層５３を挟んで対向しているため、一種のコンデンサ
（Ｃ）となっており、また、両電極５９及び６０は抵抗
分（Ｒ）を有しているため、液晶パネルはＣ、Ｒの分布
定数回路と見做すことができる。

【０００６】次に、従来の単純マトリクス型液晶ディス
プレイの表示駆動回路及び駆動方法について述べる。先
ず、図６に、従来の単純マトリクス型液晶ディスプレイ
の表示駆動回路の構成図を示す。同図において、表示駆
動回路は、外部電源１１と、６種類の駆動電圧を発生す
るバイアス電源回路１２、走査電極ドライバ３、上画面
側データ電極ドライバ２、下画面側データ電極ドライバ
４、及び液晶パネル１から構成されている。

【０００７】次に、液晶パネル１の駆動方法では、６種
類の電源を用いた電圧平均化法によるものが実用化され
ている。６種類の電源を、高電位のものから順にＶ0 、
Ｖ1、Ｖ2 、Ｖ3 、Ｖ4 、Ｖ5 とした時に、Ｖ0 −Ｖ1
＝Ｖ1 −Ｖ2 ＝Ｖ3 −Ｖ4 ＝Ｖ4 −Ｖ5 （＝ＶNS＞０）
なる関係がある。ここで、Ｖ0 は正極性時のデータ電極
の点灯電圧且つ負極性時の走査電極の選択電圧、Ｖ1 は
正極性時の走査電極の非選択電圧、Ｖ2 は正極性時のデ
ータ電極の非点灯電圧、Ｖ3 は負極性時のデータ電極の
非点灯電圧、Ｖ4 は負極性時の走査電極の非選択電圧、
Ｖ5 は負極性時のデータ電極の点灯電圧及び正極性時の
走査電極の選択電圧である。また一般的に、走査電極の
選択は上画面と下画面同時に先頭の走査電極から順番に
選択される。

【０００８】従って、縦方向４００ラインの液晶ディス
プレイでは、１ライン目と２０１ライン目が先ず選択さ
れ、次に、２ライン目と２０２ライン目が選択される。
そして、２００ライン目と４００ライン目が選択される
と、次には先頭のラインに戻り、１ライン目と２０１ラ
イン目が選択され、以上の順次選択が繰り返して行なわ
れる。尚、この順次選択においては、常に上下画面１ラ
インずつ１組の走査電極のみが選択され、それ以外の走
査電極は非選択状態となっている。

【０００９】これを図示すると、図７（１）〜（４）の
如くなる。同図（１）は走査電極への印加電圧波形例、
（２）はデータ電極への印加電圧波形例であり、その結
果、同図（３）に示すような（１）と（２）の２電圧の
差分の電圧がその交点の液晶セルに印加される。また、
同図（４）は交流化信号である。

【００１０】従って、走査電極が非選択の時は、ＶNSま
たは−ＶNSが印加されることになり、また、本例は該当
セルが点灯の場合であるので、走査電極選択時にＶS1
（＝Ｖ0 −Ｖ5 ）または−ＶS1が印加されているが、非
点灯の場合はＶS0（＝Ｖ2 −Ｖ5 ＝Ｖ0 −Ｖ5 ）または
−ＶS0が印加される。

【００１１】尚、液晶セル６１への印加電圧をこのよう
に交流化信号によって周期的に切り換える理由は、液晶
に直流電圧を長時間印加すると特性が劣化してしまうと
いう欠点があることから、各セルの印加電圧を交流化し
て平均電圧を０Ｖにする必要があるためである。

【００１２】ところで、各セル６１は前述の如く一種の
コンデンサであるから、印加電圧が変化する度にセル６
１に対して充電電流が流れるが、特に交流化による極性
切り換わり部分では、パネル１内の全てのセルにおいて
印加電圧が極性が切り換わり、充電現象が生じ、外部電
源より周期的に充電電流が流れ、しかもそのピーク電流
は数百ｍＡから数Ａとなる。

【００１３】また図８（１）に交流化信号、同図（２）
に外部電源の供給電流のそれぞれの波形を示す。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】このようなスパイク状
の大電流は、ノイズ源として液晶ユニット内の回路や装
置側の回路の誤動作を引起し、また上記の外部電源１１
からの供給電流も平均電流としては僅か十数ｍＡ程度で
あるため、一般的には電流容量の小さな電源が用意され
ており、このような大電流を流す能力が無い為、電源出
力が瞬間的に低下する等の問題が生じていた。

【００１５】本発明は、上記問題点を解決するもので、
走査電極ドライバ或いはデータ電極ドライバを分離する
ことにより、液晶の交流駆動電圧の極性切り換わり時に
発生するスパイク状のパネル充電電流を減少させ、結果
として、電源容量を小さくできる液晶表示装置の駆動回
路を提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第１の特徴の液晶表示装置の駆動回路は、
図１に示す如く、一の極性または逆の極性で上下２画面
分割形液晶パネル１を駆動する液晶表示装置の駆動回路
であって、前記２つの極性を切り換える交流化信号ＡＣ
Ｍ１を生成する交流化信号発生回路６と、前記交流化信
号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd ずらした信号ＡＣＭ２を出
力するディレイ回路７と、前記交流化信号ＡＣＭ１また
はずらした信号ＡＣＭ２の何れかの信号の制御の基に上
画面側液晶パネルのデータ電極を駆動する上画面用デー
タ電極ドライバ２と、前記上画面用データ電極ドライバ
２と同一の交流化信号の制御の基に上画面側液晶パネル
の走査電極を駆動する上画面用走査電極ドライバ３Ａ
と、前記上画面用データ電極ドライバ２と別の交流化信
号の制御の基に下画面側液晶パネルのデータ電極を駆動
する下画面用データ電極ドライバ４と、前記下画面用デ
ータ電極ドライバ４と同一の交流化信号の制御の基に下
画面側液晶パネルの走査電極を駆動する下画面用走査電
極ドライバ３Ｂとを有して構成する。

【００１７】また本発明の第２の特徴の液晶表示装置の
駆動回路は、図２に示す如く、一の極性または逆の極性
で左右２画面分割形液晶パネル１Ａを駆動する液晶表示
装置の駆動回路であって、前記２つの極性を切り換える
交流化信号ＡＣＭ１を生成する交流化信号発生回路６
と、前記交流化信号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd ずらした
信号ＡＣＭ２を出力するディレイ回路７と、前記交流化
信号ＡＣＭ１またはずらした信号ＡＣＭ２の何れかの信
号の制御の基に左画面側液晶パネルのデータ電極を駆動
する左画面用データ電極ドライバ２Ａと、前記左画面用
データ電極ドライバ２Ａと同一の交流化信号の制御の基
に左画面側液晶パネルの走査電極を駆動する左画面用走
査電極ドライバ３と、前記左画面用データ電極ドライバ
２Ａと別の交流化信号の制御の基に右画面側液晶パネル
のデータ電極を駆動する右画面用データ電極ドライバ２
Ｂと、前記右画面用データ電極ドライバ２Ｂと同一の交
流化信号の制御の基に右画面側液晶パネルの走査電極を
駆動する右画面用走査電極ドライバ５とを有して構成す
る。

【００１８】更に本発明の第３の特徴の液晶表示装置の
駆動回路は、図３に示す如く、一の極性または逆の極性
で上下左右４画面分割形液晶パネル１Ｂを駆動する液晶
表示装置の駆動回路であって、前記２つの極性を切り換
える交流化信号ＡＣＭ１を生成する交流化信号発生回路
６と、前記交流化信号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd1だけず
らした信号ＡＣＭ２を出力する第１ディレイ回路７と、
前記交流化信号ＡＣＭ１をＴd1と異なる所定の時間Ｔd2
だけずらした信号ＡＣＭ３を出力する第２ディレイ回路
７Ａと、前記交流化信号ＡＣＭ１をＴd1、Ｔd2と異なる
所定の時間Ｔd3だけずらした信号ＡＣＭ４を出力する第
３ディレイ回路７Ｂと、前記交流化信号ＡＣＭ１または
ずらした信号ＡＣＭ２、ＡＣＭ３、またはＡＣＭ４の何
れかの信号の制御の基に左下画面側液晶パネルのデータ
電極を駆動する左下画面用データ電極ドライバ４Ａと、
前記左下画面用データ電極ドライバ４Ａと同一の交流化
信号の制御の基に左下画面側液晶パネルの走査電極を駆
動する左下画面用走査電極ドライバ３Ｂと、前記左下画
面用データ電極ドライバ４Ａと別の交流化信号の制御の
基に左上画面側液晶パネルのデータ電極を駆動する左上
画面用データ電極ドライバ２Ａと、前記左上画面用デー
タ電極ドライバ２Ａと同一の交流化信号の制御の基に左
上画面側液晶パネルの走査電極を駆動する左上画面用走
査電極ドライバ３Ａと、前記左下画面用データ電極ドラ
イバ４Ａ及び左上画面用データ電極ドライバ２Ａと別の
交流化信号の制御の基に右上画面側液晶パネルのデータ
電極を駆動する右上画面用データ電極ドライバ２Ｂと、
前記右上画面用データ電極ドライバ２Ｂと同一の交流化
信号の制御の基に右上画面側液晶パネルの走査電極を駆
動する右上画面用走査電極ドライバ５Ａと、前記左下画
面用データ電極ドライバ４Ａ、左上画面用データ電極ド
ライバ２Ａ、及び右上画面用データ電極ドライバ２Ｂと
別の交流化信号の制御の基に右下画面側液晶パネルのデ
ータ電極を駆動する右下画面用データ電極ドライバ４Ｂ
と、前記右下画面用データ電極ドライバ４Ｂと同一の交
流化信号の制御の基に右下画面側液晶パネルの走査電極
を駆動する右下画面用走査電極ドライバ５Ｂとを有して
構成する。

【００１９】

【作用】本発明の第１の特徴の液晶表示装置の駆動回路
では、図１に示す如く、一の極性または逆の極性で上下
２画面分割形液晶パネル１を駆動する液晶表示装置の駆
動回路において、交流化信号発生回路６で生成した交流
化信号ＡＣＭ１を、ディレイ回路７で所定の時間Ｔd だ
けずらして信号ＡＣＭ２を出力する。上画面側液晶パネ
ルを駆動する上画面用データ電極ドライバ２及び上画面
用走査電極ドライバ３Ａには一方の交流化信号を供給
し、下画面側液晶パネルを駆動する下画面用データ電極
ドライバ４及び下画面用走査電極ドライバ３Ｂには、他
方の交流化信号を供給するようにしている。

【００２０】従って、一度に半分の液晶パネルを駆動す
ることとなり、液晶の交流駆動電圧の極性切り換わり時
に発生するスパイク状のパネル充電電流を従来の２分の
１に減少させることができる。

【００２１】また本発明の第２の特徴の液晶表示装置の
駆動回路では、図２に示す如く、一の極性または逆の極
性で左右２画面分割形液晶パネル１Ａを駆動する液晶表
示装置の駆動回路において、交流化信号ＡＣＭ１と、交
流化信号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd ずらした交流化信号
ＡＣＭ２を生成し、左画面側液晶パネルを駆動する左画
面用データ電極ドライバ２Ａ及び左画面用走査電極ドラ
イバ３には一方の交流化信号を供給し、右画面側液晶パ
ネルを駆動する右画面用データ電極ドライバ２Ｂ及び右
画面用走査電極ドライバ５には、他方の交流化信号を供
給するようにしている。

【００２２】従って、一度に半分の液晶パネルを駆動す
ることとなり、液晶の交流駆動電圧の極性切り換わり時
に発生するスパイク状のパネル充電電流を従来の２分の
１に減少させることができる。

【００２３】更に本発明の第３の特徴の液晶表示装置の
駆動回路では、図３に示す如く、一の極性または逆の極
性で上下左右４画面分割形液晶パネル１Ｂを駆動する液
晶表示装置の駆動回路において、交流化信号ＡＣＭ１、
交流化信号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd1だけずらした交流
化信号ＡＣＭ２、交流化信号ＡＣＭ１をＴd1と異なる所
定の時間Ｔd2だけずらした交流化信号ＡＣＭ３、並びに
交流化信号ＡＣＭ１をＴd1、Ｔd2と異なる所定の時間Ｔ
d3だけずらした交流化信号ＡＣＭ４の４種の交流化信号
を生成し、左下画面側液晶パネルを駆動する左下画面用
データ電極ドライバ４Ａ及び左下画面用走査電極ドライ
バ３Ｂには例えば交流化信号ＡＣＭ１を、左上画面側液
晶パネルを駆動する左上画面用データ電極ドライバ２Ａ
及び左上画面用走査電極ドライバ３Ａには例えば交流化
信号ＡＣＭ２を、また右上画面側液晶パネルを駆動する
右上画面用データ電極ドライバ２Ｂ及び右上画面用走査
電極ドライバ５Ａには例えば交流化信号ＡＣＭ３を、更
に右下画面側液晶パネルを駆動する右下画面用データ電
極ドライバ４Ｂ及び右下画面用走査電極ドライバ５Ｂに
は、例えば交流化信号ＡＣＭ４という具合に別々の交流
化信号を供給するようにしている。

【００２４】従って、一度に全体の４分の１の液晶パネ
ルのみを駆動することとなり、液晶の交流駆動電圧の極
性切り換わり時に発生するスパイク状のパネル充電電流
を従来の４分の１に減少させることができる。

【００２５】

【実施例】次に、本発明に係る実施例を図面に基づいて
説明する。第１実施例 図１に本発明の第１実施例に係る液晶表示装置の駆動回
路の構成図を示す。同図において、図６（従来例）と重
複する部分には同一の符号を附して説明を省略する。

【００２６】本実施例の液晶表示装置の駆動回路は、駆
動対象の上下２画面分割形液晶パネル１と、交流化信号
ＡＣＭ１を生成する交流化信号発生回路６と、交流化信
号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd だけ遅らせた交流化信号Ａ
ＣＭ２を出力するディレイ回路７と、交流化信号ＡＣＭ
２の制御の基に上画面側液晶パネルのデータ電極を駆動
する上画面用データ電極ドライバ２と、上画面用データ
電極ドライバ２と同一の交流化信号ＡＣＭ２の制御の基
に上画面側液晶パネルの走査電極を駆動する上画面用走
査電極ドライバ３Ａと、上画面用データ電極ドライバ２
と別の交流化信号ＡＣＭ１の制御の基に下画面側液晶パ
ネルのデータ電極を駆動する下画面用データ電極ドライ
バ４と、下画面用データ電極ドライバ４と同一の交流化
信号ＡＣＭ１の制御の基に下画面側液晶パネルの走査電
極を駆動する下画面用走査電極ドライバ３Ｂとから構成
されている。

【００２７】尚、ディレイ回路７の遅れ時間Ｔd は任意
であるが、液晶パネル１への充電が完了するまでの時間
より長くする設定する必要がある（図４参照）。また、
交流化信号発生回路６及びディレイ回路７は、図６の従
来の液晶表示装置の駆動回路の構成において、制御回路
１３に含まれるものであり、図１では交流化信号に係わ
る部分のみを示すものとし、外部電源１１、バイアス電
源回路１２等についても省略している。

【００２８】本実施例では、液晶パネル１が上下２画面
に分割された構成となっていることを利用して、上画面
用のデータ電極ドライバ２及び走査電極ドライバ３Ａ、
並びに下画面用のデータ電極ドライバ４及び走査電極ド
ライバ３Ｂという具合に分離している。また、図４
（１）及び（２）に示すように、同一周期で切り換わり
タイミングのずれた２相の交流化信号ＡＣＭ１（図４
（１））及びＡＣＭ２（図４（２））を発生する回路、
即ち交流化信号発生回路６及びディレイ回路７を設け
る。更に、上画面側液晶パネルを駆動する上画面用デー
タ電極ドライバ２及び上画面用走査電極ドライバ３Ａに
は一方の交流化信号ＡＣＭ２を供給し、下画面側液晶パ
ネルを駆動する下画面用データ電極ドライバ４及び下画
面用走査電極ドライバ３Ｂには、他方の交流化信号ＡＣ
Ｍ１を供給する。

【００２９】従って、一度に上下何れかの画面、即ち全
体の半分の液晶パネルを駆動することとなり、必ず画面
の極性が半分ずつ切り換わり、従来の全画面が同時に切
り換わる方式に比べ、液晶の交流駆動電圧の極性切り換
わり時に発生するスパイク状のパネル充電電流を約２分
の１に減少させることができる（図４（３）及び（４）
参照）。

【００３０】第２実施例 図２に本発明の第２実施例に係る液晶表示装置の駆動回
路の構成図を示す。同図において、図６（従来例）及び
図１（第１実施例）と重複する部分には同一の符号を附
して説明を省略する。

【００３１】本実施例の液晶表示装置の駆動回路は、駆
動対象の左右２画面分割形液晶パネル１Ａと、交流化信
号ＡＣＭ１を生成する交流化信号発生回路６と、交流化
信号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd 遅らせた交流化信号ＡＣ
Ｍ２を出力するディレイ回路７と、交流化信号ＡＣＭ２
の制御の基に左画面側液晶パネルのデータ電極を駆動す
る左画面用データ電極ドライバ２Ａと、交流化信号ＡＣ
Ｍ２の制御の基に左画面側液晶パネルの走査電極を駆動
する左画面用走査電極ドライバ３と、交流化信号ＡＣＭ
１の制御の基に右画面側液晶パネルのデータ電極を駆動
する右画面用データ電極ドライバ２Ｂと、交流化信号Ａ
ＣＭ１の制御の基に右画面側液晶パネルの走査電極を駆
動する右画面用走査電極ドライバ５とから構成されてい
る。

【００３２】本実施例においても第１実施例と同様に、
一度に左右何れかの画面、即ち全体の半分の液晶パネル
を駆動することとなり、液晶の交流駆動電圧の極性切り
換わり時に発生するスパイク状のパネル充電電流を従来
の約２分の１に減少させることができる。

【００３３】第３実施例 図３に本発明の第３実施例に係る液晶表示装置の駆動回
路の構成図を示す。同図において、図６（従来例）、図
１（第１実施例）、及び図２（第２実施例）と重複する
部分には同一の符号を附して説明を省略する。

【００３４】本実施例の液晶表示装置の駆動回路は、駆
動対象の上下左右４画面分割形液晶パネル１Ｂと、交流
化信号ＡＣＭ１を生成する交流化信号発生回路６と、交
流化信号ＡＣＭ１を所定の時間Ｔd1だけ遅らせた交流化
信号ＡＣＭ２を出力する第１ディレイ回路７と、交流化
信号ＡＣＭ１をＴd1と異なる所定の時間Ｔd2ずらした交
流化信号ＡＣＭ３を出力する第２ディレイ回路７Ａと、
交流化信号ＡＣＭ１をＴd1、Ｔd2と異なる所定の時間Ｔ
d3ずらした交流化信号ＡＣＭ４を出力する第３ディレイ
回路７Ｂと、交流化信号ＡＣＭ１の制御の基に左下画面
側液晶パネルのデータ電極を駆動する左下画面用データ
電極ドライバ４Ａと、交流化信号ＡＣＭ１の制御の基に
左下画面側液晶パネルの走査電極を駆動する左下画面用
走査電極ドライバ３Ｂと、交流化信号ＡＣＭ２の制御の
基に左上画面側液晶パネルのデータ電極を駆動する左上
画面用データ電極ドライバ２Ａと、交流化信号ＡＣＭ２
の制御の基に左上画面側液晶パネルの走査電極を駆動す
る左上画面用走査電極ドライバ３Ａと、交流化信号ＡＣ
Ｍ３の制御の基に右上画面側液晶パネルのデータ電極を
駆動する右上画面用データ電極ドライバ２Ｂと、交流化
信号ＡＣＭ３の制御の基に右上画面側液晶パネルの走査
電極を駆動する右上画面用走査電極ドライバ５Ａと、交
流化信号ＡＣＭ４の制御の基に右下画面側液晶パネルの
データ電極を駆動する右下画面用データ電極ドライバ４
Ｂと、交流化信号ＡＣＭ４の制御の基に右下画面側液晶
パネルの走査電極を駆動する右下画面用走査電極ドライ
バ５Ｂとから構成されている。

【００３５】本実施例においても、一度に上下左右何れ
かの画面、即ち全体の４分の１の液晶パネルを駆動する
こととなり、液晶の交流駆動電圧の極性切り換わり時に
発生するスパイク状のパネル充電電流を従来の約４分の
１に減少させることができる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
走査電極ドライバ或いは及びデータ電極ドライバを分離
し、同一周期で切り換わりタイミングのずれた２相或い
は４相の交流化信号を駆動対象の分割画面毎にそれぞれ
の走査電極ドライバ及びデータ電極ドライバに供給して
制御することにより、液晶の交流駆動電圧の極性切り換
わり時に発生するスパイク状のパネル充電電流を減少さ
せ、結果として、小さい電源容量の液晶表示装置の駆動
回路を提供することができる。

【００３７】特に、ラップトップ型パーソナルコンピュ
ータ等の小型化が必須の設計目標となっている分野で
は、電源の容積を小型化でき、有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る液晶表示装置の駆動
回路の構成図である。

【図２】本発明の第２実施例に係る液晶表示装置の駆動
回路の構成図である。

【図３】本発明の第３実施例に係る液晶表示装置の駆動
回路の構成図である。

【図４】本発明の第１実施例の液晶表示装置の駆動回路
における交流化信号（同図（１）及び（２））、及び供
給電流（同図（３）及び（４））の波形図である。

【図５】従来の液晶パネルの断面図（同図（ａ））、及
び従来の上下２画面分割形液晶パネルの構成図（同図
（ｂ））である。

【図６】従来の液晶表示装置の駆動回路の構成図であ
る。

【図７】液晶表示装置の駆動回路のドライバに供給され
る各信号の電圧波形図である。

【図８】従来の液晶表示装置の駆動回路における交流化
信号（同図（１））、及び供給電流（同図（２））の波
形図である。

【符号の説明】

１…上下２画面分割形液晶パネル １Ａ…左右２画面分割形液晶パネル １Ｂ…上下左右４画面分割形液晶パネル ２…上画面用データ電極ドライバ ２Ａ…左画面用データ電極ドライバ（左上画面用データ
電極ドライバ） ２Ｂ…右画面用データ電極ドライバ（右上画面用データ
電極ドライバ） ３…左画面用走査電極ドライバ（走査電極ドライバ） ３Ａ…上画面用走査電極ドライバ（左上画面用走査電極
ドライバ） ３Ｂ…下画面用走査電極ドライバ（左下画面用走査電極
ドライバ） ４…下画面用データ電極ドライバ ４Ａ…左下画面用データ電極ドライバ ４Ｂ…右下画面用データ電極ドライバ ５…右画面用走査電極ドライバ ５Ａ…右上画面用走査電極ドライバ ５Ｂ…右下画面用走査電極ドライバ ６…交流化信号発生回路 ７…ディレイ回路（第１ディレイ回路） ７Ａ…第２ディレイ回路 ７Ｂ…第３ディレイ回路 ＡＣＭ１、ＡＣＭ２、ＡＣＭ３、ＡＣＭ４…交流化信号 １１…外部電源 １２…バイアス電源回路 １３…制御回路 ５１、５２…ガラス板 ５３…液晶材料 ５４、５５…透明電極 ５６、５７…シール材 ５８…走査電極 ５９…上画面側のデータ電極 ６０…下画面側のデータ電極 ６１…セル（画素）

フロントページの続き (72)発明者 伊藤 高英 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一の極性または逆の極性で上下２画面分
   割形液晶パネル（１）を駆動する液晶表示装置の駆動回
   路であって、 前記２つの極性を切り換える交流化信号（ＡＣＭ１）を
   生成する交流化信号発生回路（６）と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）を所定の時間（Ｔd ）ずら
   した信号（ＡＣＭ２）を出力するディレイ回路（７）
   と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）またはずらした信号（ＡＣ
   Ｍ２）の何れかの信号の制御の基に上画面側液晶パネル
   のデータ電極を駆動する上画面用データ電極ドライバ
   （２）と、 前記上画面用データ電極ドライバ（２）と同一の交流化
   信号の制御の基に上画面側液晶パネルの走査電極を駆動
   する上画面用走査電極ドライバ（３Ａ）と、 前記上画面用データ電極ドライバ（２）と別の交流化信
   号の制御の基に下画面側液晶パネルのデータ電極を駆動
   する下画面用データ電極ドライバ（４）と、 前記下画面用データ電極ドライバ（４）と同一の交流化
   信号の制御の基に下画面側液晶パネルの走査電極を駆動
   する下画面用走査電極ドライバ（３Ｂ）とを有すること
   を特徴とする液晶表示装置の駆動回路。
2. 【請求項２】 一の極性または逆の極性で左右２画面分
   割形液晶パネル（１Ａ）を駆動する液晶表示装置の駆動
   回路であって、 前記２つの極性を切り換える交流化信号（ＡＣＭ１）を
   生成する交流化信号発生回路（６）と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）を所定の時間（Ｔd ）ずら
   した信号（ＡＣＭ２）を出力するディレイ回路（７）
   と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）またはずらした信号（ＡＣ
   Ｍ２）の何れかの信号の制御の基に左画面側液晶パネル
   のデータ電極を駆動する左画面用データ電極ドライバ
   （２Ａ）と、 前記左画面用データ電極ドライバ（２Ａ）と同一の交流
   化信号の制御の基に左画面側液晶パネルの走査電極を駆
   動する左画面用走査電極ドライバ（３）と、 前記左画面用データ電極ドライバ（２Ａ）と別の交流化
   信号の制御の基に右画面側液晶パネルのデータ電極を駆
   動する右画面用データ電極ドライバ（２Ｂ）と、 前記右画面用データ電極ドライバ（２Ｂ）と同一の交流
   化信号の制御の基に右画面側液晶パネルの走査電極を駆
   動する右画面用走査電極ドライバ（５）とを有すること
   を特徴とする液晶表示装置の駆動回路。
3. 【請求項３】 一の極性または逆の極性で上下左右４画
   面分割形液晶パネル（１Ｂ）を駆動する液晶表示装置の
   駆動回路であって、 前記２つの極性を切り換える交流化信号（ＡＣＭ１）を
   生成する交流化信号発生回路（６）と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）を所定の時間（Ｔd1）だけ
   ずらした信号（ＡＣＭ２）を出力する第１ディレイ回路
   （７）と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）をＴd1と異なる所定の時間
   （Ｔd2）だけずらした信号（ＡＣＭ３）を出力する第２
   ディレイ回路（７Ａ）と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）をＴd1、Ｔd2と異なる所定
   の時間（Ｔd3）だけずらした信号（ＡＣＭ４）を出力す
   る第３ディレイ回路（７Ｂ）と、 前記交流化信号（ＡＣＭ１）またはずらした信号（ＡＣ
   Ｍ２、ＡＣＭ３、またはＡＣＭ４）の何れかの信号の制
   御の基に左下画面側液晶パネルのデータ電極を駆動する
   左下画面用データ電極ドライバ（４Ａ）と、 前記左下画面用データ電極ドライバ（４Ａ）と同一の交
   流化信号の制御の基に左下画面側液晶パネルの走査電極
   を駆動する左下画面用走査電極ドライバ（３Ｂ）と、 前記左下画面用データ電極ドライバ（４Ａ）と別の交流
   化信号の制御の基に左上画面側液晶パネルのデータ電極
   を駆動する左上画面用データ電極ドライバ（２Ａ）と、 前記左上画面用データ電極ドライバ（２Ａ）と同一の交
   流化信号の制御の基に左上画面側液晶パネルの走査電極
   を駆動する左上画面用走査電極ドライバ（３Ａ）と、 前記左下画面用データ電極ドライバ（４Ａ）及び左上画
   面用データ電極ドライバ（２Ａ）と別の交流化信号の制
   御の基に右上画面側液晶パネルのデータ電極を駆動する
   右上画面用データ電極ドライバ（２Ｂ）と、 前記右上画面用データ電極ドライバ（２Ｂ）と同一の交
   流化信号の制御の基に右上画面側液晶パネルの走査電極
   を駆動する右上画面用走査電極ドライバ（５Ａ）と、 前記左下画面用データ電極ドライバ（４Ａ）、左上画面
   用データ電極ドライバ（２Ａ）、及び右上画面用データ
   電極ドライバ（２Ｂ）と別の交流化信号の制御の基に右
   下画面側液晶パネルのデータ電極を駆動する右下画面用
   データ電極ドライバ（４Ｂ）と、 前記右下画面用データ電極ドライバ（４Ｂ）と同一の交
   流化信号の制御の基に右下画面側液晶パネルの走査電極
   を駆動する右下画面用走査電極ドライバ（５Ｂ）とを有
   することを特徴とする液晶表示装置の駆動回路。