JPH0580602U - 配管溶接ボス製作治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配管溶接ボスの溶接突き当て面に配管外径に
沿った面取り加工を容易にかつ精度良く旋盤で切削加工
可能に摺る。 【構成】 配管側壁に突き当て接合して溶接される配管
溶接ボスの先端面に前記配管の円弧に沿う面取り加工を
なすための旋盤用治具である。リング状の治具本体を設
け、この本体に半径方向に沿って前記配管溶接ボスの装
着部を形成する。治具本体には装着部に装着されたボス
の面取り加工面の突出量を設定する固定手段を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は配管溶接ボスの溶接突き当て面に配管の円弧に沿った面取り加工を 施すための治具に係り、特に旋盤加工によって溶接突き当て面の加工ができるよ うにした治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に配管に流体出入り用等のボスを取付ける場合、図３に示すように、配管 １の外周面に円筒状のボス２を突き当て、突き当て面の外周に沿って溶接を施す ようにしている。この場合、図３に示すように、配管１にボス２を溶接によって 取付ける場合、一般的にはボスに溶接突き当て面３に対して配管１の外径に倣う 面取り加工（いわゆるアール加工）は行われていない。このため、溶接精度が悪 いという欠点がある。また、高い製作精度が要求されるときには、図３（２）に 示すように、溶接突き当て面３に配管１の外径に見合った円弧状の面取り４が施 されるが、このような面取り加工する場合には通常ＮＣ工作機械を用いて行うよ うにしている。しかし、ＮＣ工作機械を用いる場合には工数、納期がかかるとい う欠点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、配管溶接ボスの溶接突き当 て面に配管外径に沿った面取り加工を容易にかつ精度良く旋盤で切削加工できる 治具を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る配管溶接ボス製作治具は、配管側壁 に突き当て接合して溶接される配管溶接ボスの先端面に前記配管の円弧に沿う面 取り加工をなすための旋盤用治具であって、リング状の治具本体を有し、この本 体に半径方向に沿って前記配管溶接ボスの装着部を形成し、前記本体には装着部 に装着されたボスの面取り加工面の突出量を設定する固定手段を設けたものであ る。

【０００５】

【作用】

上記構成によれば、配管溶接ボスの溶接突き当て面を治具本体の装着部に取付 けると、装着部は治具の半径方向に沿ってボスを配設するようになっているので 、円周上に数個、溶接突き当て面が内側になるように取付けられる。そして固定 手段によって、突き当て面の突出量を溶接対象の配管外径に一致するように調整 して固定する。次いでこの治具を旋盤に取付け、バイトにより治具の中心側から 半径方向に移動させて切削加工するのである。そして切削面が溶接対象の配管外 径に一致した時点で加工を停止することにより、ボスの溶接突き当て面は配管の 円弧に沿うアール面となるのである。このため、配管を製作する際に使用する部 品である溶接ボスに対し、ＮＣ工作機械にて切削加工を行う必要がなくなり、旋 盤加工によって簡単に鋼管と溶接する部分の面取り加工ができる。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案に係る配管溶接ボスの製作治具の具体的実施例を図面を参照して 詳細に説明する。なお、図２、３に示した構成と同一構成については同一番号を 付して説明を省略する。

【０００７】 実施例に係る治具１０を図１に示す。この図に示すように、当該治具１０はリ ング状に形成された治具本体１２を有しており、この外周面を多面体形状（実施 例では８角形）に形成し、中央部には円形孔１４を形成している。この治具本体 １２の背面部側には旋盤のチャックへの取付けリング部１６を一体に形成してい る。このような治具本体１２にはその半径方向に沿って貫通するボス装着孔１８ が穿設され、これは多面体の数だけ設けられている。ボス装着孔１８は加工対象 の配管溶接ボス２を挿入可能な内径に形成され、外面側から挿入して加工面を円 形孔１４から突出させるようにしている。そして、治具本体１２の前面部には前 記装着孔１８に達する固定ねじ２０が設けられ、これを螺進させることにより装 着された配管溶接ボス２の側面にねじ先端を突き当てて固定可能としている。ま た、治具本体１２の外面部には装着孔１８に装着固定されたボス２の後端面を保 持する押えフランジ２２が取付けねじ２４を介して固定されるようになっている 。

【０００８】 このように構成された本治具１０は本体１２に穿孔した円筒状の装着孔１８に 、溶接突き当て面３に面取り加工を行っていない図３（１）に示される配管溶接 ボス２を入れ、固定ねじ２０にてセットし、押えフランジ２２をフランジ取付ね じ２４にてセットする。

【０００９】 これを旋盤チャックに取付け、治具本体１２の円形孔１４側に旋盤のバイトを 挿入し、このバイトを半径方向に駆動して内周面から突出しているボス２の溶接 突き当て面３を切削加工し、図３（２）に示しているように溶接突き当て面３に 配管１に見合った面取り部４を加工形成するのである。

【００１０】 なお、治具本体１２の形状を変えなくとも、押えフランジ２２の形状を変える ことにより、異なるサイズの溶接ボス２を加工しても良い。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、配管側壁に突き当て接合して溶接され る配管溶接ボスの先端面に前記配管の円弧に沿う面取り加工をなすための旋盤用 治具であって、リング状の治具本体を有し、この本体に半径方向に沿って前記配 管溶接ボスの装着部を形成し、前記本体には装着部に装着されたボスの面取り加 工面の突出量を設定する固定手段を設けた構成としたので、配管溶接ボスの溶接 突き当て面に配管外径に沿った面取り加工を容易にかつ精度良く旋盤で切削加工 できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る配管溶接ボス製作治具の正面図と
断面図である。

【図２】溶接ボスの配管への取付け状態を示す断面図で
ある。

【図３】面取り加工のない配管溶接ボスの面取り加工を
施した配管溶接ボスの断面図である。

【符号の説明】

１ 配管 ２ 溶接ボス ３ 溶接突き当て面 １０ 治具 １２ 治具本体 １４ 円形孔 １６ リング部 １８ ボス装着孔 ２０ 固定ねじ ２２ 押えフランジ ２４ 取付けねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 配管側壁に突き当て接合して溶接される
   配管溶接ボスの先端面に前記配管の円弧に沿う面取り加
   工をなすための旋盤用治具であって、リング状の治具本
   体を有し、この本体に半径方向に沿って前記配管溶接ボ
   スの装着部を形成し、前記本体には装着部に装着された
   ボスの面取り加工面の突出量を設定する固定手段を設け
   たことを特徴とする配管溶接ボス製作治具。