JPH0579469B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は岩石、コンクリート等を切削するため
に使用される高圧水ジエツト噴射装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来から、岩石やコンクリートを切削するには
ノズルから高圧水ジエツトを噴射させて行う方法
が広く採用されている。

そして、この高圧水ジエツトによる切削性を著
しく向上させる目的で、高圧水ジエツトにアブレ
イシブ（研磨材）を混合させる。所謂、アブレイ
シブジエツト工法が行われ、この工法に使用され
るジエツト噴射装置としては、第３図に示すよう
に、ノズル本体ａ内に混合室ｂを設けると共に該
混合室ｂに連通するアブレイシブ供給路ｃと高圧
水供給ノズルｄとを設け、さらに、このノズルｄ
の軸線上に混合室ｂを介して吐出ノズルｅを配設
した構造のものが広く採用されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、アブレイシブは空気又は水等の
流体に混入された状態にして前記アブレイシブ供
給路ｃから混合室ｂ内に供給されるものである
か、切削作業終了時において高圧水ジエツトとア
ブレイシブ混入流体の供給を停止させると、混合
室ｂ内でアブレイシブの沈降が生じ、沈降したア
ブレイシブがジエツトの吐出ノズルｅの入口に詰
まつてジエツト始動の際に作動が円滑に行われな
くなるという問題点がある。

そのため、切削作業が終了しても、アブレイシ
ブの供給ポンプやパイプ、混合室ｂ内に滞留して
いるアブレイシブが全て排除されるまでアブレイ
シブ供給ポンプに清水を送り込んで洗滌する必要
があり、アブレイシブの消耗と共に作業能率を低
下させることになる。

又、アブレイシブの粒径が大きい程、高圧水ジ
エツトによる切削能力が大きくなるが、粒径の大
きいものを使用すると従来のポンプでは摩損が激
しくて使用に耐えられなくなり、その上、一基の
ポンプ輸送では流体が脈動して定量供給ができな
くなるという問題点がある。

本発明はこのような問題点を解消することを目
的とした高圧水ジエツト噴射装置を提供するもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明の高圧水ジ
エツト噴射装置は、ノズル本体内に高圧水ジエツ
トとアブレイシブとを混合させる混合室を設け、
該混合室に高圧水ジエツトノズルを臨ませると共
にアブレイシブ供給路を連通させ、さらに、前記
高圧水ジエツトノズルの延長上に吐出ノズルを配
設すると共に前記混合室に高圧水ジエツトノズル
とアブレイシブ供給路とをシヤツタにより遮断可
遮断可能に構成したものである。

又、前記アブレイシブ混入流体の供給手段とし
ては、夫々のスクイズローラの回転位相をずらし
た２連のスクイズホースを有するスクイズポンプ
によつて行うことを特徴とするものである。

〔作用〕

ノズル本体内に設けた高圧水ジエツトとアブレ
イシブとの混合室において、切削作業終了時に該
混合室に設けたシヤツタを閉止させると、高圧水
ジエツトノズルとアブレイシブ供給路とが遮断さ
れ、この状態で高圧水ジエツトのみを吐出ノズル
から噴出させると該吐出ノズル入口側の混合室内
のアブレイシブが完全に除去され、吐出ノズルに
アブレイシブが詰まるのを防止できると共に、次
のジエツト始動の際の作動が円滑に行われる。

さらに、アブレイシブの供給手段として、スク
イズローラの回転位相をずらした２連のスクイズ
ホースを有するスクイズポンプを採用することに
より、脈動の発生をなくしてアブレイシブ混入流
体の円滑な定量送給が可能となる。

〔実施例〕

本発明の実施例を図面について説明すると、第
１図において、１はノズル本体で、その内部に高
圧水ジエツトとアブレイシブとの混合室２を設け
ていると共に下部に上端入口が該混合室２の底面
中央部に開口している吐出ノズル３を設けてあ
り、さらに、この吐出ノズル３の上方の延長上に
下端開口部が混合室２の上面中央部に開口した円
筒状のガイド孔４を設けてある。

５はノズル本体１の一側部を貫通して前記ガイ
ド孔４内にその先端部を配設した高圧水送水管
で、その先端に、開口端が前記吐出ノズル３の入
口に向けている高圧水ジエツトノズル６を装着し
てある。

７はノズル本体１の一側部から前記混合室２に
連通したアブレイシブ供給パイプである。

８は前記ガイド孔４に上下摺動自在に配設した
円筒状のシヤツタで、その開口下端を前記吐出ノ
ズル３の入口周縁に当接させることによつて混合
室２を高圧水ジエツトノズル６側とアブレイシブ
供給路を形成している供給パイプ７側とに遮断可
能にしているものである。このシヤツタ８は、そ
の上面に固着した螺子棒９をノズル本体１の上面
に回動自在に配設したナツト１０に螺連させ、該
ナツト１０を回動させることによつて上下に移動
するものである。

１１はシヤツタ７の一側部を長さ方向に穿設し
てなる長孔で、前記アブレイシブ供給パイプ７を
挿通させていると共にこのパイプ７によつてシヤ
ツタ７の回り止めを行つているものである。

１２はアブレイシブ供給機構で、並設した２連
のスクイズポンプ１３，１４の共通軸１５をモー
タ１６に回転させるようにしていると共に、該軸
１５に固着した夫々のスクイズポンプ１３，１４
のスクイズローラ１７，１７，１８，１８を直角
方向に回転位相をずらしてあり、さらに、これら
のスクイズポンプ１３，１４のスクイズホース１
９，２０の吐出側を前記供給パイプ７に、吸込側
をアブレイシブ混入流体貯溜タンク２１に連結、
連通させてある。

２２は混合室２の他側上端部からノズル本体１
の他側外部に連通させた通気兼オーバフロー孔で
ある。

以上のように構成したので、アブレイシブ供給
機構１２のモータ１６を始動させると、スクイズ
ポンプ１３，１４のスクイズローラ１７，１８が
回転して貯溜タンク２１内の水等の液体とアブレ
イシブとの混合流体２４がスクイズホース１９，
２０を通じて供給パイプ７に圧送される。

この時、スクイズポンプ１９，２０を２連に配
し且つこれらのスクイズポンプ１９，２０のロー
ラ１７，１８の回転位相をずらしているので、ア
ブレイシブ混入流体２４を供給パイプ７に脈動を
生じさせることなく定量的に連続供給することが
できる。

供給パイプ７からノズル本体１の混合室２内に
送給されたアブレイシブ混入流体２４は、高圧水
を送水管５に圧送することによつてジエツトノズ
ル６から噴出する高圧水ジエツト２５と混合し、
吐出ノズル３からアブレイシブジエツト２６とし
て岩石やコンクリート等の被切削物に吹き付けら
れ、切削が行われるものである。

切削が完了すると、ナツト１０を回動してシヤ
ツタ８を下動させることによりその下端を吐出ノ
ズル３の入口周辺に当接させてアブレイシブ混入
流体供給パイプ７と吐出ノズル３間を遮断し、シ
ヤツタ８内の流体２４を高圧水ジエツト２５によ
つて吐出ノズル３から排出したのち、高圧水とア
ブレイシブ混入流体２４の供給を停止する。

シヤツタ８内の流体２４が排出される間、アブ
レイシブ混入流体２４はシヤツタ８外の混合室２
内に供給されるが、充満した流体２４は通気兼オ
ーバフロー孔２２から外部に排出される。

なお、この場合、シヤツタ８を下動させる前に
アブレイシブ混入流体２４の供給を停止してもよ
い。

次いで、切削作業を行う場合には、シヤツタ８
を閉止した状態で高圧水ジエツトノズル６から高
圧水を吐出ノズル３から噴射させ、しかるのち、
シヤツタ８を開放してアブレイシブ混入流体２４
を混合室２内に供給することにより上記同様に吐
出ノズル３からアブレイシブジエツトを噴射する
ものである。

なお、通気兼オーバフロー孔２２に圧力調節弁
を取付けておけば、混合室２内のアブレイシブ混
入流体２４を一定の圧力状態にすることができ、
その圧力を検出することによつてスクイズポンプ
１３，１４の稼動を制御することができる。

又、アブレイシブ混合流体としては、ベントナ
イトやポリマー系粘性剤等の高粘度を有するグリ
ース状ないしはゲル状物質に、粒径が１mm前後の
大径の硅砂、又は鉄粉等のアブレイシブ２３を無
数に混入させてなる流動物を使用してもよく、こ
のような流動物によれば、アブレイシブが高粘度
物質により包持されるように保持されて供給パイ
プ７中においても沈降することがないと共に均一
な混合状態に散在させることができて一層良好な
定量供給が可能となるものである。

〔発明の効果〕

以上のように本発明の高圧水ジエツト噴射装置
によれば、ノズル本体内に高圧水ジエツトとアブ
レイシブとを混合させる混合室を設け、該混合室
に高圧水ジエツトノズルを臨ませると共にアブレ
イシブ供給路を連通させ、さらに、前記高圧水ジ
エツトノズルの延長上に吐出ノズルを配設すると
共に前記混合室に高圧水ジエツトノズルとアブレ
イシブ供給路とをシヤツタにより遮断可能に構成
しているので、切削作業終了時に混合室に設けた
シヤツタを閉止させることによつて高圧水ジエツ
トノズルとアブレイシブ供給路とを遮断すること
ができ、従つて、遮断して状態で高圧水ジエツト
のみを吐出ノズルから噴出させることによつて該
吐出ノズル入口側の混合室内のアブレイシブを完
全に除去して吐出ノズルにアブレイシブが詰まる
のを確実に防止できると共に、次のジエツト始動
の際の作動を停滞なく円滑に行うことができて作
業能率の向上を計ることができるものである。

又、アブレイシブの供給手段として、スクイズ
ローラの回転位相をずらした２連のスクイズホー
スを有するスクイズポンプを採用することによ
り、脈動の発生をなくしてアブレイシブ混入流体
の円滑な定量送給が可能となり、その上、大径の
アブレイシブを使用してもスクイズポンプが殆ど
磨損することがないので、岩石やコンクリート等
の切削作業が一層能率良く行えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す一部を縦断した
簡略正面図、第２図はスクイズポンプの簡略断面
図、第３図は従来の高圧水ジエツト噴射装置の断
面図である。 １……ノズル本体、２……混合室、３……吐出
ノズル、６……高圧水ジエツトノズル、７……ア
ブレイシブ供給パイプ、８……シヤツタ、１３，
１４……スクンズポンプ、１７，１８……スクイ
ズローラ、１９，２０……スクイズホース。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ノズル本体内に高圧水ジエツトとアブレイシ
   ブとを混合させる混合室を設け、該混合室に高圧
   水ジエツトノズルを臨ませると共にアブレイシブ
   供給路を連通させ、さらに、前記高圧水ジエツト
   ノズルの延長上に吐出ノズルを配設すると共に前
   記混合室に高圧水ジエツトノズルとアブレイシブ
   供給路とを遮断可能にするシヤツタを設けたこと
   を特徴とするジエツト噴射装置。 ２ アブレイシブ混入流体を夫々のスクイズロー
   ラの回転位相をずらした２連のスクイズホースを
   有するスクイズポンプによつて前記アブレイシブ
   供給路に供給するように構成した請求項１記載の
   ジエツト噴射装置。