JPH0579202B2 - - Google Patents
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- JPH0579202B2 JPH0579202B2 JP5846589A JP5846589A JPH0579202B2 JP H0579202 B2 JPH0579202 B2 JP H0579202B2 JP 5846589 A JP5846589 A JP 5846589A JP 5846589 A JP5846589 A JP 5846589A JP H0579202 B2 JPH0579202 B2 JP H0579202B2
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Landscapes
- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Fireproofing Substances (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、難燃化木材に関し、特にナンヨウス
ギ科のアガチスを用いたことにより、多量の難燃
化剤を含浸でき、難燃性が大幅に向上するように
したものである。 [従来の技術] 従来より木材の難燃化には、木材中に種々の難
燃化剤を含浸する方法が採られており、この難燃
化剤として、ハロゲン系難燃化剤や無機リン系難
燃化剤などがある。ところが、上記ハロゲン系難
燃化剤では、燃焼時に有毒ガスを発生するため、
安全衛生上好ましくない問題があり、また無機リ
ン系難燃化剤では、難燃効果が小さい欠点があつ
た。 そこでこのような難燃化剤に代わつて、近時木
材に難燃性を付与する難燃化剤として、ジシアン
アミド、リン酸、ホウ酸および水の部分反応生成
物が有効であることが知られるようになつた(特
開昭57−70178号公報、特開昭61−179242号公報
など)。このものは、木材への着火を防止すると
ともに、燃焼時には木材表層に硬い炭化層を形成
して木材の燃焼速度を遅らせる作用を有してい
る。 [発明が解決しようとする課題] ところが、上記難燃化剤は水に溶けにくいた
め、木材に含浸しにくい欠点があつた。このた
め、多量の難燃化剤を含浸でき高い難燃性を有す
る難燃化木材を得ることができず、未だ、建設省
の「不燃」あるいは「準不燃」グレードに合格し
た難燃化木材は実現していない。 そこで、本発明は上述の課題を解消し、充分な
難燃性を有する難燃化木材を提供することを目的
としている。 [課題を解決するための手段] 本発明は、ナンヨウスギ科のアガチスに、ジシ
アンジアミド、リン酸、ホウ酸および水の部分反
応生成物を、固形分量で木材1m3当たり100Kg以
上含浸させたことをその解決手段とした。 [作 用] このように木材としてナンヨウスギ科のアガチ
スを用いたことにより、上記ジシアンジアミド、
リン酸、ホウ酸および水の部分反応生成物の含浸
量が固形分量で木材1m3当たり100Kg以上と大幅
に増加し、これによつて難燃性が著しく向上し、
建設省の「準不燃」のグレードを満足する難燃化
木材が得られる。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において使用されるナンヨウスギ科のア
ガチスは、難燃化剤の含浸可能量が多くかつ含浸
状態または含浸濃度の部分的ばらつきがない点
で、優れている。またナンヨウスギはその木材中
に含まれているヤニ分が少ないので着火性が低く
好ましいが、希にヤニ分の含まれるものもあるの
で、難燃化剤を含浸する前にこれを選別しておく
ことが望ましい。またナンヨウスギ科の木材は、
異常組織が比較的少なく、規則的に揃つた乱れの
ない組織構造を有するものが多いので、燃焼時に
おいても木材炭化層の破壊が防止あるいは抑制さ
れるために好適に使用される。そしてこの木材に
は、心材あるいは辺材が使用されてよい。 また上記ジシアンジアミド、リン酸、ホウ酸お
よび水の部分反応生成物は、先に記載の通り特開
昭57−70178号公報および特開昭61−179242号公
報に記載の難燃化剤である。このものは、主とし
て、ジシアンアミドとリン酸との反応によつて生
成したリン酸グアニル尿素、およびこのリン酸グ
アニル尿素がホウ酸と反応して生じたリン酸グア
ニル尿素−ホウ酸生成物、および未反応のジシア
ンジアミド、リン酸、ホウ酸などを含むものであ
り、一例として濃度20重量%の水溶液として準備
されてなるものがあるが、ジシアンジアミド、リ
ン酸、ホウ酸および水の部分反応生成物の濃度は
20%に限定されるものではない。 ここでリン酸とは、リンの全てのオキシ酸を総
称しており、例えばH3PO4、H3PO3、H3PO4・
H2O、H4P2O7、H4P2O6、HPO3、ポリリン酸お
よびこれらの混合物などを含んでいる。またホウ
酸とは、B(OH)3、HBO2、HBO3、H2B4O7、
B2O3およびこれらの混合物を含んでいる。また
ここでいう部分反応生成物とは、各成分が全て化
学変化を受けるのではなくて、少なくとも50%、
好ましくは約80〜95%が反応していることを意味
している。 またこの難燃化剤中のジシアンジアミドとリン
酸の合計量とホウ酸の重量比(ジシアンジアミド
とリン酸/ホウ酸)は約60/40〜90/10である
が、生成するリン酸グアニル尿素がより高い溶解
性を有する点で、約65/35〜75/25程度が好まし
い。 そして、このジシアンジアミド、リン酸、ホウ
酸および水の部分反応生成物は、上記ナンヨウス
ギ科のアガチス中に、固形分量で木材1m3当たり
100Kg以上含浸され、特に高い難燃性が得られ
「準不燃」木材が達成でき、ムラなく含浸できる
点で、木材1m3当たり溶液として500Kg以上の含
浸が好ましい。100Kg未満であると、木材の難燃
性改善効果が充分に得られず好ましくない。 次に、この難燃化剤を上記木材中に含浸する方
法について説明する。 まず、含浸の前に木材を乾燥しておくことが好
ましい。乾燥は天然乾燥ででも人工乾燥でもよい
が、含水率9〜15%となるまで乾燥を行つておく
ことが、上記難燃化剤の含浸を円滑に行うことが
でき、難燃化剤が多量に含浸できる点で好まし
い。 含浸には、通常オートクレーブ等を用いた加圧
含浸法が採用される。具体的には、木材をオート
クレーブ内に入れ、一旦160mmHg(−600mmHg)
程度の減圧下で30分程度減圧処理した後、上記難
燃化剤をオートクレーブ内に注入して満たし、難
燃化剤液中に木材を浸漬させた状態で加圧して、
この難燃化剤を木材中に含浸する。この時上記範
囲の量の難燃化剤を木材へ円滑に含浸できるため
には、圧力1.2〜3.0MPa程度の条件とすることが
好ましい。 このように難燃化剤を含浸した後、さらに木材
を乾燥して、目的の難燃化木材を得る。この時乾
燥によつて、含浸された難燃化剤が揮発せずに水
分のみが除去され、かつ乾燥によつて木口割れ等
が生じないように、木材の木口を封止した状態で
乾燥を行うことが望ましい。木口の封止は通常の
方法によればよく、エポキシ樹脂系合成樹脂にタ
ールなどを配合した塗剤を塗布する手段などが好
適に用いられる。乾燥は、木材の含水率が8〜12
%程度となるように行えばよく、通常、真空度
0.1〜10Torr程度、温度60〜80℃程度の条件で真
空加熱乾燥が行なわれる。 以上のようにして得られた難燃化木材は、ナン
ヨウスギ科のアガチス中に上記難燃化剤が含浸さ
れているので、従来の難燃化木材に比べ、難燃化
剤の含浸量が大幅に増加し、従来の数倍の難燃化
剤を含浸することができる。またナンヨウスギは
木材中に含まれるヤニ分が少ないので着火性が低
い利点もある。またナンヨウスギ科の木材は、乱
れのない非常に規則的な組織構造を有しており、
このため燃焼時にあつても炭化層の破壊を防止あ
るいは抑制することができる。このように、ナン
ヨウスギ科のアガチスを用いてこれに上記難燃化
剤を多量に含浸したことによつて、高い難燃性を
有する難燃化木材を得ることができ、従来木材で
は達成し得なかつた「準不燃」グレードを満足し
た難燃化木材を得ることも可能である。このよう
な難燃化木材をドアや壁材、床材等の各種木製建
材などとして用いれば、火災時などの着火または
延焼を遅らせて、避難時間や消火活動時間を確保
することができるため、生命の安全または財産保
護などに大きく役立つものとなる。またこの難燃
化木材は、木材固有の利点(肌合い、美観、軽量
など)はそのまま保持しており、木質感豊かな建
材等としての利用性も高い。また有毒ガス発生等
の安全性上の問題もなく、防蟻性および防腐性も
良好で、鉄腐性が吸湿性も素材と同等であるなど
の利点を有しているうえに、工業的にも量産可能
であるなど生産上の利点も大きい。 [実施例] 第1表に示した条件に従つて、木材への難燃化
剤の含浸を行つた。難燃化剤には、特開昭57−
70178号に記載されているものを使用し、木材に
は径50mmの心材を用いた。また含浸には、木材を
160mmHg(−600mmHg)で30分減圧した後、難燃
化剤中に浸漬して、圧力1.5MPaで4時間加圧す
ることによつて含浸させる方法を採つた。難燃化
剤の含浸量の測定結果は、数回の実験結果の平均
値である。
ギ科のアガチスを用いたことにより、多量の難燃
化剤を含浸でき、難燃性が大幅に向上するように
したものである。 [従来の技術] 従来より木材の難燃化には、木材中に種々の難
燃化剤を含浸する方法が採られており、この難燃
化剤として、ハロゲン系難燃化剤や無機リン系難
燃化剤などがある。ところが、上記ハロゲン系難
燃化剤では、燃焼時に有毒ガスを発生するため、
安全衛生上好ましくない問題があり、また無機リ
ン系難燃化剤では、難燃効果が小さい欠点があつ
た。 そこでこのような難燃化剤に代わつて、近時木
材に難燃性を付与する難燃化剤として、ジシアン
アミド、リン酸、ホウ酸および水の部分反応生成
物が有効であることが知られるようになつた(特
開昭57−70178号公報、特開昭61−179242号公報
など)。このものは、木材への着火を防止すると
ともに、燃焼時には木材表層に硬い炭化層を形成
して木材の燃焼速度を遅らせる作用を有してい
る。 [発明が解決しようとする課題] ところが、上記難燃化剤は水に溶けにくいた
め、木材に含浸しにくい欠点があつた。このた
め、多量の難燃化剤を含浸でき高い難燃性を有す
る難燃化木材を得ることができず、未だ、建設省
の「不燃」あるいは「準不燃」グレードに合格し
た難燃化木材は実現していない。 そこで、本発明は上述の課題を解消し、充分な
難燃性を有する難燃化木材を提供することを目的
としている。 [課題を解決するための手段] 本発明は、ナンヨウスギ科のアガチスに、ジシ
アンジアミド、リン酸、ホウ酸および水の部分反
応生成物を、固形分量で木材1m3当たり100Kg以
上含浸させたことをその解決手段とした。 [作 用] このように木材としてナンヨウスギ科のアガチ
スを用いたことにより、上記ジシアンジアミド、
リン酸、ホウ酸および水の部分反応生成物の含浸
量が固形分量で木材1m3当たり100Kg以上と大幅
に増加し、これによつて難燃性が著しく向上し、
建設省の「準不燃」のグレードを満足する難燃化
木材が得られる。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において使用されるナンヨウスギ科のア
ガチスは、難燃化剤の含浸可能量が多くかつ含浸
状態または含浸濃度の部分的ばらつきがない点
で、優れている。またナンヨウスギはその木材中
に含まれているヤニ分が少ないので着火性が低く
好ましいが、希にヤニ分の含まれるものもあるの
で、難燃化剤を含浸する前にこれを選別しておく
ことが望ましい。またナンヨウスギ科の木材は、
異常組織が比較的少なく、規則的に揃つた乱れの
ない組織構造を有するものが多いので、燃焼時に
おいても木材炭化層の破壊が防止あるいは抑制さ
れるために好適に使用される。そしてこの木材に
は、心材あるいは辺材が使用されてよい。 また上記ジシアンジアミド、リン酸、ホウ酸お
よび水の部分反応生成物は、先に記載の通り特開
昭57−70178号公報および特開昭61−179242号公
報に記載の難燃化剤である。このものは、主とし
て、ジシアンアミドとリン酸との反応によつて生
成したリン酸グアニル尿素、およびこのリン酸グ
アニル尿素がホウ酸と反応して生じたリン酸グア
ニル尿素−ホウ酸生成物、および未反応のジシア
ンジアミド、リン酸、ホウ酸などを含むものであ
り、一例として濃度20重量%の水溶液として準備
されてなるものがあるが、ジシアンジアミド、リ
ン酸、ホウ酸および水の部分反応生成物の濃度は
20%に限定されるものではない。 ここでリン酸とは、リンの全てのオキシ酸を総
称しており、例えばH3PO4、H3PO3、H3PO4・
H2O、H4P2O7、H4P2O6、HPO3、ポリリン酸お
よびこれらの混合物などを含んでいる。またホウ
酸とは、B(OH)3、HBO2、HBO3、H2B4O7、
B2O3およびこれらの混合物を含んでいる。また
ここでいう部分反応生成物とは、各成分が全て化
学変化を受けるのではなくて、少なくとも50%、
好ましくは約80〜95%が反応していることを意味
している。 またこの難燃化剤中のジシアンジアミドとリン
酸の合計量とホウ酸の重量比(ジシアンジアミド
とリン酸/ホウ酸)は約60/40〜90/10である
が、生成するリン酸グアニル尿素がより高い溶解
性を有する点で、約65/35〜75/25程度が好まし
い。 そして、このジシアンジアミド、リン酸、ホウ
酸および水の部分反応生成物は、上記ナンヨウス
ギ科のアガチス中に、固形分量で木材1m3当たり
100Kg以上含浸され、特に高い難燃性が得られ
「準不燃」木材が達成でき、ムラなく含浸できる
点で、木材1m3当たり溶液として500Kg以上の含
浸が好ましい。100Kg未満であると、木材の難燃
性改善効果が充分に得られず好ましくない。 次に、この難燃化剤を上記木材中に含浸する方
法について説明する。 まず、含浸の前に木材を乾燥しておくことが好
ましい。乾燥は天然乾燥ででも人工乾燥でもよい
が、含水率9〜15%となるまで乾燥を行つておく
ことが、上記難燃化剤の含浸を円滑に行うことが
でき、難燃化剤が多量に含浸できる点で好まし
い。 含浸には、通常オートクレーブ等を用いた加圧
含浸法が採用される。具体的には、木材をオート
クレーブ内に入れ、一旦160mmHg(−600mmHg)
程度の減圧下で30分程度減圧処理した後、上記難
燃化剤をオートクレーブ内に注入して満たし、難
燃化剤液中に木材を浸漬させた状態で加圧して、
この難燃化剤を木材中に含浸する。この時上記範
囲の量の難燃化剤を木材へ円滑に含浸できるため
には、圧力1.2〜3.0MPa程度の条件とすることが
好ましい。 このように難燃化剤を含浸した後、さらに木材
を乾燥して、目的の難燃化木材を得る。この時乾
燥によつて、含浸された難燃化剤が揮発せずに水
分のみが除去され、かつ乾燥によつて木口割れ等
が生じないように、木材の木口を封止した状態で
乾燥を行うことが望ましい。木口の封止は通常の
方法によればよく、エポキシ樹脂系合成樹脂にタ
ールなどを配合した塗剤を塗布する手段などが好
適に用いられる。乾燥は、木材の含水率が8〜12
%程度となるように行えばよく、通常、真空度
0.1〜10Torr程度、温度60〜80℃程度の条件で真
空加熱乾燥が行なわれる。 以上のようにして得られた難燃化木材は、ナン
ヨウスギ科のアガチス中に上記難燃化剤が含浸さ
れているので、従来の難燃化木材に比べ、難燃化
剤の含浸量が大幅に増加し、従来の数倍の難燃化
剤を含浸することができる。またナンヨウスギは
木材中に含まれるヤニ分が少ないので着火性が低
い利点もある。またナンヨウスギ科の木材は、乱
れのない非常に規則的な組織構造を有しており、
このため燃焼時にあつても炭化層の破壊を防止あ
るいは抑制することができる。このように、ナン
ヨウスギ科のアガチスを用いてこれに上記難燃化
剤を多量に含浸したことによつて、高い難燃性を
有する難燃化木材を得ることができ、従来木材で
は達成し得なかつた「準不燃」グレードを満足し
た難燃化木材を得ることも可能である。このよう
な難燃化木材をドアや壁材、床材等の各種木製建
材などとして用いれば、火災時などの着火または
延焼を遅らせて、避難時間や消火活動時間を確保
することができるため、生命の安全または財産保
護などに大きく役立つものとなる。またこの難燃
化木材は、木材固有の利点(肌合い、美観、軽量
など)はそのまま保持しており、木質感豊かな建
材等としての利用性も高い。また有毒ガス発生等
の安全性上の問題もなく、防蟻性および防腐性も
良好で、鉄腐性が吸湿性も素材と同等であるなど
の利点を有しているうえに、工業的にも量産可能
であるなど生産上の利点も大きい。 [実施例] 第1表に示した条件に従つて、木材への難燃化
剤の含浸を行つた。難燃化剤には、特開昭57−
70178号に記載されているものを使用し、木材に
は径50mmの心材を用いた。また含浸には、木材を
160mmHg(−600mmHg)で30分減圧した後、難燃
化剤中に浸漬して、圧力1.5MPaで4時間加圧す
ることによつて含浸させる方法を採つた。難燃化
剤の含浸量の測定結果は、数回の実験結果の平均
値である。
【表】
第1表より明らかなように、木材としてナンヨ
ウスギ科のアガチスを用いた際に非常に多量の難
燃化剤を含浸できることが判明し、しかもアガチ
スを用いた場合には、数回の実験によるばらつき
も少なかつた。これに対し、ナンヨウスギ科以外
の木材を使用した比較例1〜8にあつては、難燃
化剤の含浸量は少なかつた。 一般に、木材への難燃化剤の含浸は木材の空〓
率および浸透性によつて左右され、空〓率の大き
いものは難燃化剤の含浸量を多くすることができ
るとされている。通常空〓率は、含水率を一定と
すれば比重に比例する。したがつてナンヨウスギ
科のアガチスと同程度の比重を有する比較例1〜
7の樹種においても難燃化剤の浸透性に差が無け
ればナンヨウスギ科のアガチスと同程度の含浸量
となるはずであるが、実験結果からはナンヨウス
ギ科のアガチスとこの特開昭57−70178号に記載
の難燃化剤との組み合わせが特異的な挙動を示す
ことがわかる。 また難燃化剤として特開昭57−70178号に記載
の薬剤以外の薬剤を使用した比較例9では、木材
にアガチスを使用しても難燃化剤の含浸量が少な
く、充分な難燃性を得ることはできなかつた。 また「南洋材」第41頁(須藤彰司著、地球出
版)などによれば、アガチスなどのナンヨウスギ
科の木材は、薬剤の含浸性の良好なものには分類
されておらず、このことからもアガチスと特開昭
57−70178号公報に開示された難燃化剤との組み
合わせが特異的なものであることが理解できる。 (試験例) 実験例1においてアガチスに特開昭57−70178
号公報に記載の難燃化剤を含浸させた難燃化木材
を用いて、「準不燃」試験を行つた。この試験は、
建設省告示第1231号、第1372号に記載の方法によ
り行つた。 試験結果から、この難燃化木材は「準不燃」グ
レードを満足するものであつた。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明の難燃化木材は、
ナンヨウスギ科のアガチスに、ジシアンジアミ
ド、リン酸、ホウ酸および水の部分反応生成物
を、固形分量で木材1m3当たり100Kg以上含浸さ
せたものであるので、多量の難燃化剤を含浸する
ことができ、高い難燃性を得ることができる利点
がある。このため、従来木材では達成し得なかつ
た「準不燃」グレードの難燃化木材を実現できる
ようになる。また木材固有の利点(肌合い、美
観、軽量など)はそのまま保持しているので、質
感を損なうことなく難燃性を高めた木製建材など
として、その利用性が大幅に広がる。またヤニ分
の少ないナンヨウスギ科のアガチスを使用してい
るので着火性も低く、またナンヨウスギが規則的
に揃つた異常組織の少ない組織構造を有している
ために燃焼時の組織破壊を防止あるいは抑制でき
る利点をも有している。また難燃化剤の優れた特
徴に起因して安全性上の問題もなく、防蟻性およ
び防腐性も良好であつて鉄腐性や吸湿性も素材と
同等であるうえに、工業的にも量産可能であるな
どの利点も有している。
ウスギ科のアガチスを用いた際に非常に多量の難
燃化剤を含浸できることが判明し、しかもアガチ
スを用いた場合には、数回の実験によるばらつき
も少なかつた。これに対し、ナンヨウスギ科以外
の木材を使用した比較例1〜8にあつては、難燃
化剤の含浸量は少なかつた。 一般に、木材への難燃化剤の含浸は木材の空〓
率および浸透性によつて左右され、空〓率の大き
いものは難燃化剤の含浸量を多くすることができ
るとされている。通常空〓率は、含水率を一定と
すれば比重に比例する。したがつてナンヨウスギ
科のアガチスと同程度の比重を有する比較例1〜
7の樹種においても難燃化剤の浸透性に差が無け
ればナンヨウスギ科のアガチスと同程度の含浸量
となるはずであるが、実験結果からはナンヨウス
ギ科のアガチスとこの特開昭57−70178号に記載
の難燃化剤との組み合わせが特異的な挙動を示す
ことがわかる。 また難燃化剤として特開昭57−70178号に記載
の薬剤以外の薬剤を使用した比較例9では、木材
にアガチスを使用しても難燃化剤の含浸量が少な
く、充分な難燃性を得ることはできなかつた。 また「南洋材」第41頁(須藤彰司著、地球出
版)などによれば、アガチスなどのナンヨウスギ
科の木材は、薬剤の含浸性の良好なものには分類
されておらず、このことからもアガチスと特開昭
57−70178号公報に開示された難燃化剤との組み
合わせが特異的なものであることが理解できる。 (試験例) 実験例1においてアガチスに特開昭57−70178
号公報に記載の難燃化剤を含浸させた難燃化木材
を用いて、「準不燃」試験を行つた。この試験は、
建設省告示第1231号、第1372号に記載の方法によ
り行つた。 試験結果から、この難燃化木材は「準不燃」グ
レードを満足するものであつた。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明の難燃化木材は、
ナンヨウスギ科のアガチスに、ジシアンジアミ
ド、リン酸、ホウ酸および水の部分反応生成物
を、固形分量で木材1m3当たり100Kg以上含浸さ
せたものであるので、多量の難燃化剤を含浸する
ことができ、高い難燃性を得ることができる利点
がある。このため、従来木材では達成し得なかつ
た「準不燃」グレードの難燃化木材を実現できる
ようになる。また木材固有の利点(肌合い、美
観、軽量など)はそのまま保持しているので、質
感を損なうことなく難燃性を高めた木製建材など
として、その利用性が大幅に広がる。またヤニ分
の少ないナンヨウスギ科のアガチスを使用してい
るので着火性も低く、またナンヨウスギが規則的
に揃つた異常組織の少ない組織構造を有している
ために燃焼時の組織破壊を防止あるいは抑制でき
る利点をも有している。また難燃化剤の優れた特
徴に起因して安全性上の問題もなく、防蟻性およ
び防腐性も良好であつて鉄腐性や吸湿性も素材と
同等であるうえに、工業的にも量産可能であるな
どの利点も有している。
Claims (1)
- 1 ナンヨウスギ科のアガチスに、ジシアンジア
ミド、リン酸、ホウ酸および水の部分反応生成物
を、固形分量で木材1m3当たり100Kg以上含浸さ
せてなることを特徴とする難燃化木材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5846589A JPH02235704A (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 難燃化木材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5846589A JPH02235704A (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 難燃化木材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02235704A JPH02235704A (ja) | 1990-09-18 |
JPH0579202B2 true JPH0579202B2 (ja) | 1993-11-01 |
Family
ID=13085179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5846589A Granted JPH02235704A (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 難燃化木材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02235704A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1075760C (zh) * | 1997-10-08 | 2001-12-05 | 东北林业大学 | 木材阻燃剂的合成方法 |
JP5498804B2 (ja) * | 2010-01-18 | 2014-05-21 | 住友林業株式会社 | 木材の乾燥方法 |
-
1989
- 1989-03-10 JP JP5846589A patent/JPH02235704A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02235704A (ja) | 1990-09-18 |
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