JPH0578709A - 複合部材 - Google Patents

複合部材

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JPH0578709A
JPH0578709A JP24597991A JP24597991A JPH0578709A JP H0578709 A JPH0578709 A JP H0578709A JP 24597991 A JP24597991 A JP 24597991A JP 24597991 A JP24597991 A JP 24597991A JP H0578709 A JPH0578709 A JP H0578709A
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JP
Japan
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side member
work
backup
isostatic pressing
hot isostatic
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Pending
Application number
JP24597991A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiaki Egashira
頭 通 鑑 江
Kiyohide Hayashi
清 英 林
Kiyoshi Takei
井 清 武
Michizo Yoshikawa
川 道 三 吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワーク面において要求される特性が十分であ
ると共に、ワーク面とバックアップ部位とで各々適切な
材質の選択が可能であってコスト的にも有利な複合部材
を得る。 【構成】 耐摩耗性,耐熱性,耐食性,耐薬品性,摺動
性,転動性,強度,耐力,耐疲労性等のワーク面に要求
される少なくとも一つの特性をそなえたワーク側部材7
5と、前記ワーク側部材75をバックアップするバック
アップ側部材72とを、適宜中間部材76を介して、熱
間静水圧加圧等により拡散接合して一体化した複合部材
70。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワーク面において特定
の性質が要求される部材、例えば、耐摩耗性が要求され
る工具類やロール,ローラー類、転動強度が要求される
軸および軸受類、耐熱・耐食性が要求される航空・宇宙
材料やバルブ類などに利用される複合部材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、各種機械構造物用部材(製品,部
品,材料等)は、そのワーク面に要求される特性をそな
えた材料を用いて全体を単一の材質により製造される場
合が多い。
【0003】このようにした場合、ワーク面は要求特性
をある程度ないしは十分にそなえていることから性能上
は問題ないとしても、ワーク面以外のところは要求特性
以上の性能を持つこととなるため、ワーク面以外のとこ
ろは過剰品質のものとなり、コスト面からも不利である
ことが多い。
【0004】また、製品の大きさによって、特に大きな
ものについては、要求特性を発揮させるために行う種々
の特殊処理、例えば焼入れ焼もどしなどの熱処理の効果
が小さくなることがあり、ワーク面にその効果が十分に
あらわれない場合も多く、場合によっては特殊処理によ
る効果をワーク面に具備させようとしたためにかえって
製品の全体に問題が発生したり、内部に残留する応力の
ために割れを生じたりする場合もあって、製品として不
十分なものとなることも多い。
【0005】そこで、このような製品の全体に特殊処理
を施さず、製品の全体を単一の材質で形成してワーク面
のみに特殊処理を施すことも行われている。そして、ワ
ーク面のみに特殊処理を施して表面改質する例として
は、特殊な材料やガス等を溶射したり、肉盛したり、貼
り付けたりする方法や特殊なガスを吸収させたりする方
法等が採用されることもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶射し
たり肉盛りしたりする場合には、ピットが形成された
り、必要な厚さを得るために何回も層状に形成する必要
があったり、層間で剥離を生じたりするなどの不具合が
起こることがあり、貼り付けによる場合も接合強度が十
分でなかったり剥離を生じたりすることもあった。
【0007】また、基材においてもある程度の特性を要
求される場合には、単一の材質を用いてワーク面を部分
的に改善することとなるため、高価な基材を用いてその
上さらにワーク面の改質処理を行うこととなってコスト
面からの不利はまぬがれないこともあるという問題点が
あり、これらの問題点を低減ないしは解消することが課
題となっていた。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題にかんが
みてなされたもので、ワーク面に要求される特性を有す
る材料を用いて全体を単一の材質で製造した場合のよう
にコスト面での不利がなく、また、単一の材質で製造し
てその全体に熱処理などの特殊処理を施す場合において
とくに大型のものであるときのように特殊処理の効果が
十分でなくなるというおそれもなく、さらに全体を単一
の材質で製造したものにおいてワーク面にのみ溶射など
の表面改質処理を施す場合のように工程の繁雑さや剥離
などの不具合が生じがたく、ワーク面において要求され
る特性が十分であると共にワーク面とバックアップ部位
とで各々適切な材質の選択が可能であってコスト的にも
有利なものとすることが可能である複合部材を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる複合部材
は、耐摩耗性,耐熱性,耐食性,耐薬品性,摺動性,転
動性,強度,耐力,耐疲労性等のワーク面に要求される
少なくとも一つの特性をそなえたワーク側部材と、前記
ワーク側部材をバックアップするバックアップ側部材と
を接合一体化してなる構成のものとしたことを特徴とし
ている。
【0010】本発明に係わる複合部材において、前記ワ
ーク側部材とバックアップ側部材とを接合一体化するに
際しては、一軸圧接,摩擦圧接,冷間静水圧加圧(CI
P),爆着などを採用することが可能である。
【0011】本発明に係わる複合部材の実施態様におい
ては、耐摩耗性,耐熱性,耐食性,耐薬品性,摺動性,
転動性,強度,耐力,耐疲労性等のワーク面に要求され
る少なくとも一つの特性をそなえたワーク側部材と、前
記ワーク側部材をバックアップするバックアップ側部材
とを熱間静水圧加圧(HIP)により拡散接合して一体
化してなる構成のものとすることができる。
【0012】本発明に係わる複合部材の他の実施態様に
おいては、耐摩耗性,耐熱性,耐食性,耐薬品性,摺動
性,転動性,強度,耐力,耐疲労性等のワーク面に要求
される少なくとも一つの特性をそなえたワーク側部材
と、前記ワーク側部材をバックアップするバックアップ
側部材とを前記ワーク側部材とバックアップ側部材との
間に設けた中間薄肉材を介して熱間静水圧加圧により拡
散接合して一体化してなる構成のものとすることができ
る。
【0013】そして、本発明に係わる複合部材において
は、熱間静水圧加圧前のワーク側部材が固体であるもの
としたり、同じく熱間静水圧加圧前のバックアップ側部
材が固体であるものとしたり、同じく熱間静水圧加圧前
のワーク側部材が粉体であるものとしたり、同じく熱間
静水圧加圧前のバックアップ側部材が粉体であるものと
したりすることができる。
【0014】さらにまた、本発明に係わる複合部材の実
施態様においては、ワーク側部材とバックアップ側部材
との間に1以上の中間部材を設けて前記ワーク側部材と
1以上の中間部材とバックアップ側部材とを熱間静水圧
加圧により拡散接合して一体化してなる構成のものとす
ることが可能であり、この場合に、前記ワーク側部材か
ら1以上の中間部材を介してバックアップ側部材に至る
間で傾斜機能特性を有する構成のものとすることも可能
である。
【0015】本発明に係わる複合部材の具体的な応用例
としては、各種鋼板類,工具類,ダイス類,金型類,圧
延用等のロール類,コンベア用等のローラー類,軸類,
軸受類,ピストン類,シリンダー類,スパイラルスクリ
ュー類,バルブ類,サッシなどの建築材料,電磁波シー
ルド材料,航空宇宙機器材料などがある。
【0016】本発明に係わる複合部材において、ワーク
面に要求される少なくとも一つの特性をそなえたワーク
側部材と、前記ワーク側部材をバックアップするバック
アップ側部材とを接合するに際しては、一軸圧接,摩擦
圧接,冷間静水圧加圧,熱間静水圧加圧,爆着などを採
用することができる。
【0017】これらのうち、熱間でガス加圧して行う熱
間静水圧加圧(HIP)によれば、拡散接合が容昜に可
能となるため、接合界面での接合強度が著しく高いもの
となる。
【0018】このような拡散接合による効果を高めるた
めには、接合表面を平滑面とすることが良いが、接合面
積を増加させるためには、平坦な面状とせず、凹凸面と
したり、曲面としたりすることができ、さらには係合や
嵌合などの機械的な接合手段を併用することも可能であ
る。
【0019】また、ワーク面に要求される少なくとも一
つの特性をそなえたワーク側部材としては、耐摩耗性が
要求される場合に高速度工具鋼やダイス鋼や金型用鋼等
が使用され、耐食性が要求される場合にチタン系材料や
ステンレス鋼や高合金鋼ないしは高合金等が使用され
る。
【0020】また、ワーク側部材をバックアップするの
に用いるバックアップ側部材としては、例えば、前記ワ
ーク側部材よりも高強度であるものや、高靭性であるも
のや、軽量であるものや、加工性の良いものや、安価で
あるものなどが使用される。
【0021】さらに、ワーク側部材とバックアップ側部
材とを拡散接合等により一体化するに際しては、両者の
接合面に中間薄肉材(フィラー材,フォイル材,インサ
ート材等)を介在させることによって、ワーク側部材と
バックアップ側部材との接合強度を高めるようにするこ
とも可能である。
【0022】さらにまた、ワーク側部材とバックアップ
側部材との間に1以上の中間部材を介在させてこれらを
拡散接合により一体化させたものとすることも可能であ
り、ワーク側部材から中間部材を介してバックアップ側
部材にかけて特性が徐々に変化する傾斜機能特性をもた
せたものとすることも可能である。
【0023】さらにまた、ワーク側部材,バックアップ
側部材およびこれらを一体化した複合部材の形状として
は、円筒形状,円柱形状,円錐形状,楕円形状,球形
状,角形状(正方形断面,長方形断面,多角形断面
等),角錐形状(三角錐,四角錐等),部分曲面形状等
々の各種のものがあり、ワーク面としての必要な形状
や、バックアップ材としての強度上等において必要な形
状や、複合部材としての取付け上等において必要な形状
等々を考慮してこれらの形状を定めることができる。
【0024】さらに、ワーク側部材とバックアップ側部
材は、接合一体化する前の状態において、両方共が固体
である場合に限定されず、いずれか一方もしくは両方が
粉体であってもよいものである。
【0025】
【発明の作用】本発明に係わる複合部材は、耐摩耗性,
耐熱性,耐食性,耐薬品性,摺動性,転動性,強度,耐
力,耐疲労性等のワーク面に要求される少なくとも一つ
の特性をそなえたワーク側部材と、前記ワーク側部材を
バックアップするバックアップ側部材とを拡散接合等に
より接合して一体化してなる構成としたものであるか
ら、ワーク面に要求される所望の特性をそなえていると
共に、ワーク面に要求されるほどの特性を必要としない
バックアップ側の部分は加工性,比重,コスト等を考慮
した低級・低廉な材料で済むものとなる。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係わる複合部材の実施例を説
明する。
【0027】(実施例1)この実施例1は、複合部材が
圧延用ロールである場合を示すものであって、図1に示
すように、内径が124mmである円筒状カプセル11
の中に、機械構造用炭素鋼であるS45Cよりなる直径
100mmのロール基材(バックアップ側部材)12を
配置して、カプセル11の内壁面とロール基材12の外
表面との間に半径方向で約12mmの空間を形成した状
態にし、この空間内に、高速度工具鋼であるSKH51
よりなる粉末13を充填して、排気口14より粉末充填
部分を脱気したのちこの排気口14を閉じた。
【0028】次いで、カプセル11内にロール基材12
および粉末13を収容したまま熱間静水圧加圧(HI
P)装置に収容し、Ar雰囲気中において1200°C
の温度で1200Kgf/cmの加圧力により熱間静
水圧加圧を行った。
【0029】かくして、図2に示すようにバックアップ
側部材であるロール基材12の表面にワーク側部材であ
る厚さ10mmの高速度工具鋼製外張り15を拡散接合
により一体化した圧延用ロール(複合部材)10を得
た。
【0030】(実施例2)この実施例2は、複合部材が
海水用シリンダである場合を示すものであって、図3に
示すように、内径が276mm,外径が410mmであ
る円環状カプセル21の中に、機械構造用炭素鋼である
S25Cよりなる内径300mm,外径400mmのシ
リンダ基材(バックアップ側部材)22を配置して、カ
プセル21の内径側壁面とシリンダ基材22の内径側表
面との間に半径方向で約12mmの空間を形成した状態
にし、この空間内に、ステンレス鋼であるSUS316
よりなる粉末23を充填して、排気口24より粉末充填
部分を脱気したのちこの排気口24を閉じた。
【0031】次いで、カプセル21内にシリンダ基材2
2および粉末23を収容したまま熱間静水圧加圧(HI
P)装置に装入し、Ar雰囲気中において1200°C
の温度で1200Kgf/cmの加圧力により熱間静
水圧加圧を行った。
【0032】かくして、図4に示すようにバックアップ
側部材であるシリンダ基材22の内面にワーク側部材で
ある厚さ7mmのステンレス鋼製内張り25を拡散接合
により一体化した海水用シリンダ(複合部材)20を得
た。
【0033】(実施例3)この実施例3は、複合部材が
アルミニウム溶解鍋である場合を示すものであって、熱
間静水圧加圧用の溶解鍋形状の中空カプセル31の中
に、機械構造用炭素鋼であるS30Cよりなる内径50
0mmの溶解鍋本体(バックアップ側部材)32を配置
して、カプセル31の内径側壁面および内径側底壁面と
溶解鍋本体32の内径側表面および内径側底面との間に
空間厚さ約12mmのカップ形空間を形成した状態に
し、この空間内に、熱間金型用工具鋼であるSKD61
よりなる粉末33を充填して、排気口34より粉末充填
部分を脱気したのち内部を封孔した。
【0034】次いで、このカプセル31内に溶解鍋本体
32および粉末33を収容したまま熱間静水圧加圧(H
IP)装置に収容し、Ar雰囲気中において1250°
Cの温度で1200Kgf/cmの加圧力により熱間
静水圧加圧を行った。
【0035】かくして、図6に示すようにバックアップ
側部材である溶解鍋本体32の内側表面にワーク側部材
である熱間金型工具鋼製内張り35を拡散接合により一
体化したアルミニウム溶解鍋(複合部材)30を得た。
【0036】(実施例4)この実施例4は、複合部材が
軽金属射出成形用金型である場合を示すものであって、
図7に示すように、寸法が465mm×302mm×2
02mmである長方体形状の中空カプセル41の中に、
機械構造用合金鋼であるSCM440よりなる450m
m×300mm×200mmの金型基材(バックアップ
側部材)42を配置して、カプセル41の片側の縦壁面
と金型基材42の一方の縦表面(すなわち、射出成形時
に軽金属溶湯が最初に当たる部分)との間に約15mm
の空間を形成した状態にし、この空間内に、熱間金型用
工具鋼であるSKD61よりなる粉末43を充填して、
排気口44より粉末充填部分を脱気したのち内部を封孔
した。
【0037】次いで、このカプセル41内に金型基材4
2および粉末43を収容したまま熱間静水圧加圧(HI
P)装置に収容し、Ar雰囲気中において1250°C
の温度で1200Kgf/cmの加圧力により熱間静
水圧加圧を行った。
【0038】かくして、図8に示すようにバックアップ
側部材である金型基材42の表面のうち射出成形時に軽
金属溶湯が最初に当たる部分の表面にワーク側部材であ
る熱間金型用工具鋼製補強部材45を拡散接合により一
体化した軽金属射出成形用金型(複合部材)40を得
た。
【0039】(実施例5)この実施例5は、複合部材が
粉粒体圧送用スパイラルスクリューである場合を示すも
のであって、図9に示すように、スパイラルスクリュー
と相似形状である中空状カプセル51の中に、機械構造
用合金鋼であるSCM440よりなるスパイラルスクリ
ュー本体(バックアップ側部材)52を配置して、カプ
セル51の内壁面とスパイラルスクリュー本体52の外
表面との間の空間内に、C含有量が2.5%であるステ
ライトNo.1相当材よりなる粉末53を充填し、排気
口54より粉末充填部分を脱気したのち封孔した。
【0040】次いで、カプセル51内にスパイラルスク
リュー本体52および粉末53を収容したまま熱間静水
圧加圧(HIP)装置に収容し、Ar雰囲気中において
1050°Cの温度で1200Kgf/cmの加圧力
により熱間静水圧加圧を行った。
【0041】かくして、図10に示すようにバックアッ
プ側部材であるスパイラルスクリュー本体52の表面に
ワーク側部材である高炭素鋼製耐摩耗層55を拡散接合
により一体化した粉粒体圧送用スパイラルスクリュー
(複合部材)50を得た。
【0042】(実施例6)この実施例6は、複合部材が
プラスチック成形用シリンダである場合を示すものであ
って、図3に示した同様に、内径が18mm,外径が5
2mmである円環状カプセル21の中に、機械構造用炭
素鋼であるS25Cよりなる外径40mmのシリンダ基
材(バックアップ側部材)22を配置して、カプセル2
1の内径側壁面とシリンダ基材22の内径側表面との間
に半径方向で約6mmの空間を形成した状態にし、この
空間内に、ステンレス鋼であるSUS440Cよりなる
粉末23を充填して、排気口24より粉末充填部分を脱
気したのち内部を密封した。
【0043】次いで、このカプセル21内にシリンダ基
材22および粉末23を収容したまま熱間静水圧加圧
(HIP)装置に収容し、Ar雰囲気中において110
0°Cの温度で1200Kgf/cmの加圧力により
熱間静水圧加圧を行った。
【0044】かくして、図4に示したと同様にバックア
ップ側部材であるシリンダ基材22の内面にワーク側部
材であるステンレス鋼製内張り25を拡散接合により一
体化したプラスチック成形用シリンダ(複合部材)20
を得た。
【0045】(実施例7)この実施例7は、複合部材が
塩酸等の化学薬品送給用配管である場合を示すものであ
って、図11に示すように、内径壁と外形壁とを有する
円環状カプセル71の中に、機械構造用炭素鋼であるS
25Cよりなるパイプ基材(バックアップ側部材)72
の内側にあらかじめその内径側にAgの薄板や薄膜を配
置したステンレス鋼であるSUS304よりなる接合用
パイプ(中間部材)76をあらかじめ嵌合した複合パイ
プを配置して、カプセル71の内径側壁面と接合用パイ
プ76の内径側との間に空間を形成した状態にし、この
空間内に、純Ti粉末73を充填して、排気口74より
粉末充填部分を脱気したのち封孔した。
【0046】次いで、このカプセル71内にパイプ基材
72,接合用パイプ76および粉末73を収容したまま
熱間静水圧加圧(HIP)装置に収容し、Ar雰囲気中
において1100°Cの温度で1200Kgf/cm
の加圧力により熱間静水圧加圧を行った。
【0047】かくして、図12に示すようにバックアッ
プ側部材であるパイプ基材72の表面に、中間部材であ
る接合用パイプ76を介して、ワーク側部材であるチタ
ン製内張り75を拡散接合により一体化した化学薬品送
給用配管(複合部材)70を得た。
【0048】(実施例8)この実施例8は、複合部材が
ダイカスト用金型である場合を示すものであって、図1
3に示すように、205mm×265mm×465mm
である長方体形状の中空カプセル81の中に、機械構造
用合金鋼であるSCM440よりなる200mm×26
0mm×280mmの金型基材(バックアップ側部材)
82と、金型用鋼であるSKD61よりなる200mm
×260mm×を180mmの金型部材(ワーク側部
材)85とを収容したのち、内部を脱気して封孔した。
【0049】次いで、このカプセル81の中に金型基材
82および金型部材85を収容したまま静水圧加圧(H
IP)装置に装入し、Ar雰囲気中において1250°
Cの温度で1200Kgf/cmの加圧力により熱間
静水圧加圧を行った。
【0050】かくして、図14に示すようにバックアッ
プ側部材である金型基材82とワーク側部材である金型
部材85とを拡散接合により一体化したダイカスト用金
型(複合部材)80を得た。
【0051】
【発明の効果】本発明に係わる複合部材は、耐摩耗性,
耐熱性,耐食性,耐薬品性,摺動性,転動性,強度,耐
力,耐疲労性等のワーク面に要求される少なくとも一つ
の特性をそなえたワーク側部材と、前記ワーク側部材を
バックアップするバックアップ側部材とを接合一体化し
てなる構成を有するものであるから、ワーク面に要求さ
れる特性を有する材料を用いて全体を単一の材質で製造
した場合のようにコスト面での不利がなく、また、単一
の材質で製造してその全体に熱処理などの特殊処理を施
す場合においてとくに大型のものであるときのように特
殊処理の効果が十分でなくなるというおそれもなく、さ
らに全体を単一の材質で製造したものにおいてワーク面
にのみ溶射などの表面改質処理を施す場合のように工程
の繁雑さや剥離などの不具合が生じがたく、ワーク面に
おいて要求される特性が十分であると共にワーク面とバ
ックアップ部位とで各々適切な材質の選択が可能であっ
てコスト的にも有利なものとすることが可能であるとい
う著しく優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において採用した熱間静水圧
加圧前のカプセル形状およびその内部状況を示す断面説
明図である。
【図2】本発明の実施例1において製造した熱間静水圧
加圧後の圧延用ロール(複合部材)の断面説明図であ
る。
【図3】本発明の実施例2において採用した熱間静水圧
加圧前のカプセル形状およびその内部状況を示す断面説
明図である。
【図4】本発明の実施例2において製造した熱間静水圧
加圧後の海水用シリンダ(複合部材)の断面説明図であ
る。
【図5】本発明の実施例3において採用した熱間静水圧
加圧前のカプセル形状およびその内部状況を示す断面説
明図である。
【図6】本発明の実施例3において製造した熱間静水圧
加圧後のアルミニウム溶解鍋(複合部材)の断面説明図
である。
【図7】本発明の実施例4において採用した熱間静水圧
加圧前のカプセル形状およびその内部状況を示す断面説
明図である。
【図8】本発明の実施例4において製造した熱間静水圧
加圧後の軽金属射出成形用金型(複合部材)の断面説明
図である。
【図9】本発明の実施例5において採用した熱間静水圧
加圧前のカプセル形状およびその内部状況を示す断面説
明図である。
【図10】本発明の実施例5において製造した熱間静水
圧加圧後の粉粒体圧送用スパイラルスクリュー(複合部
材)の断面説明図である。
【図11】本発明の実施例7において採用した熱間静水
圧加圧前のカプセル形状およびその内部状況を示す断面
説明図である。
【図12】本発明の実施例7において製造した熱間静水
圧加圧後の化学薬品送給用配管(複合部材)の断面説明
図である。
【図13】本発明の実施例8において採用した熱間静水
圧加圧前のカプセル形状およびその内部状況を示す断面
説明図である。
【図14】本発明の実施例8において製造した熱間静水
圧加圧後のダイカスト用金型(複合部材)の断面説明図
である。
【符号の説明】
10 圧延用ロール(複合部材) 12 ロール基材(バックアップ側部材) 15 外張り(ワーク側部材) 20 海水用シリンダ,プラスチック成形用シリンダ
(複合部材) 22 シリンダ基材(バックアップ側部材) 25 内張り(ワーク側部材) 30 アルミニウム溶解鍋(複合部材) 32 溶解鍋本体(バックアップ側部材) 35 内張り(ワーク側部材) 40 軽金属射出成形用金型 42 金型基材(バックアップ側部材) 45 補強部材(ワーク側部材) 50 粉粒体圧送用スパイラルスクリュー(複合部材) 52 スパイラルスクリュー本体(バックアップ側部
材) 55 耐摩耗層(ワーク側部材) 70 化学薬品送給用配管(複合部材) 72 パイプ基材(バックアップ側部材) 75 内張り(ワーク側部材) 76 接合用パイプ(中間部材) 80 ダイカスト用金型(複合部材) 82 金型基材(バックアップ側部材) 85 金型部材(ワーク側部材)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗性,耐熱性,耐食性,耐薬品性,
    摺動性,転動性,強度,耐力,耐疲労性等のワーク面に
    要求される少なくとも一つの特性をそなえたワーク側部
    材と、前記ワーク側部材をバックアップするバックアッ
    プ側部材とを接合一体化してなることを特徴とする複合
    部材。
  2. 【請求項2】 耐摩耗性,耐熱性,耐食性,耐薬品性,
    摺動性,転動性,強度,耐力,耐疲労性等のワーク面に
    要求される少なくとも一つの特性をそなえたワーク側部
    材と、前記ワーク側部材をバックアップするバックアッ
    プ側部材とを熱間静水圧加圧により拡散接合して一体化
    してなることを特徴とする複合部材。
  3. 【請求項3】 耐摩耗性,耐熱性,耐食性,耐薬品性,
    摺動性,転動性,強度,耐力,耐疲労性等のワーク面に
    要求される少なくとも一つの特性をそなえたワーク側部
    材と、前記ワーク側部材をバックアップするバックアッ
    プ側部材とを前記ワーク側部材とバックアップ側部材と
    の間に設けた中間薄肉材を介して熱間静水圧加圧により
    拡散接合して一体化してなることを特徴とする複合部
    材。
  4. 【請求項4】 熱間静水圧加圧前のワーク側部材が固体
    である請求項2または3に記載の複合部材。
  5. 【請求項5】 熱間静水圧加圧前のバックアップ側部材
    が固体である請求項2,3または4に記載の複合部材。
  6. 【請求項6】 熱間静水圧加圧前のワーク側部材が粉体
    である請求項2,3または5に記載の複合部材。
  7. 【請求項7】 熱間静水圧加圧前のバックアップ側部材
    が粉体である請求項2,3,4または6に記載の複合部
    材。
  8. 【請求項8】 ワーク側部材とバックアップ側部材との
    間に1以上の中間部材を設けて前記ワーク側部材と1以
    上の中間部材とバックアップ側部材とを熱間静水圧加圧
    により拡散接合して一体化してなることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の複合部材。
  9. 【請求項9】 ワーク側部材とバックアップ側部材との
    間に1以上の中間部材を設けて前記ワーク側部材と1以
    上の中間部材とバックアップ側部材とを熱間静水圧加圧
    により拡散接合して一体化してなり、ワーク側部材から
    1以上の中間部材を介してバックアップ側部材に至る間
    で傾斜機能特性を有する請求項1ないし8のいずれかに
    記載の複合部材。
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