JPH0578475A - コポリアミドおよびその製造方法 - Google Patents
コポリアミドおよびその製造方法Info
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- JPH0578475A JPH0578475A JP3346984A JP34698491A JPH0578475A JP H0578475 A JPH0578475 A JP H0578475A JP 3346984 A JP3346984 A JP 3346984A JP 34698491 A JP34698491 A JP 34698491A JP H0578475 A JPH0578475 A JP H0578475A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 透明性、耐熱性、機械強度、対沸水性、耐薬
品性に優れた新規なコポリアミドおよびその製造方法の
提供。 【構成】式[I]の繰り返し単位と、式[II]の繰り返
し単位とからなるコポリアミド。 〔R1〜R8は水素、ハロゲン、OH、炭素含有基、
X’は炭化水素基〕 〔Y,X2は炭化水素基〕このコポリアミドは、対応す
る脂環族ジカルボン酸、ジカルボン酸とジアミンとを接
触させて得られる。
品性に優れた新規なコポリアミドおよびその製造方法の
提供。 【構成】式[I]の繰り返し単位と、式[II]の繰り返
し単位とからなるコポリアミド。 〔R1〜R8は水素、ハロゲン、OH、炭素含有基、
X’は炭化水素基〕 〔Y,X2は炭化水素基〕このコポリアミドは、対応す
る脂環族ジカルボン酸、ジカルボン酸とジアミンとを接
触させて得られる。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、透明性および耐熱性に優
れるとともに耐薬品性、耐沸水性さらに機械強度に優れ
た新規なコポリアミドおよびこのコポリアミドの製造方
法に関する。
れるとともに耐薬品性、耐沸水性さらに機械強度に優れ
た新規なコポリアミドおよびこのコポリアミドの製造方
法に関する。
【0002】
【発明の技術分野】ポリアミドは、優れた強靱性、耐熱
性、自己潤滑性、振動吸収性および耐油性を有するとと
もに加工性に優れた樹脂として知られている。このよう
なポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン12などの脂肪族系ポリアミ
ド、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、テレフタ
ル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる芳香族系ポリ
アミドなどが挙げられ、これらは一般的に結晶性であ
る。
性、自己潤滑性、振動吸収性および耐油性を有するとと
もに加工性に優れた樹脂として知られている。このよう
なポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン12などの脂肪族系ポリアミ
ド、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、テレフタ
ル酸とヘキサメチレンジアミンとからなる芳香族系ポリ
アミドなどが挙げられ、これらは一般的に結晶性であ
る。
【0003】このような結晶性ポリアミドは、上記のよ
うな優れた特性を利用してエンジニアリングプラスチッ
クあるいは繊維などの用途に広汎に使用されている。し
かし、上記のような結晶性ポリアミドは、透明性に劣っ
たり、成形収縮率および吸水率が高く、成形体の寸法安
定性に劣るという問題点がある。
うな優れた特性を利用してエンジニアリングプラスチッ
クあるいは繊維などの用途に広汎に使用されている。し
かし、上記のような結晶性ポリアミドは、透明性に劣っ
たり、成形収縮率および吸水率が高く、成形体の寸法安
定性に劣るという問題点がある。
【0004】このような問題点を解消するために、種々
の透明性に優れた非晶性ポリアミドが検討されている。
たとえば、特公昭49−21115号公報には、ヘキサ
メチレンジアミンとイソフタル酸との重縮合により得ら
れるポリアミドあるいはトリメチルヘキサメチレンジア
ミンとテレフタル酸との重縮合により得られるポリアミ
ドが開示され、また、特開昭57−21420号公報に
は、ジアミン成分単位としてビス(4-アミノシクロヘキ
シル)メタンなどから誘導される脂環式ジアミン成分単
位を有するポリアミドが開示されている。
の透明性に優れた非晶性ポリアミドが検討されている。
たとえば、特公昭49−21115号公報には、ヘキサ
メチレンジアミンとイソフタル酸との重縮合により得ら
れるポリアミドあるいはトリメチルヘキサメチレンジア
ミンとテレフタル酸との重縮合により得られるポリアミ
ドが開示され、また、特開昭57−21420号公報に
は、ジアミン成分単位としてビス(4-アミノシクロヘキ
シル)メタンなどから誘導される脂環式ジアミン成分単
位を有するポリアミドが開示されている。
【0005】しかしながら、これらの非晶性ポリアミド
は、透明性、耐熱性、エタノールなどの薬品に対する耐
薬品性、耐沸水性、吸水性、成形体を製造する際の寸法
安定性および成形性などの特性に関してはさらに改良の
余地があった。
は、透明性、耐熱性、エタノールなどの薬品に対する耐
薬品性、耐沸水性、吸水性、成形体を製造する際の寸法
安定性および成形性などの特性に関してはさらに改良の
余地があった。
【0006】本発明者らは、これらの点について研究
し、先に特願平2−249282号において、3,5-トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸から誘導
される非晶性ポリアミドを提案した。このポリアミド
は、透明性に優れ、しかも耐熱性、耐薬品性にも優れて
いるが、用途によってはさらに耐薬品性、耐沸水性、機
械強度の向上が望まれている。
し、先に特願平2−249282号において、3,5-トリ
シクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸から誘導
される非晶性ポリアミドを提案した。このポリアミド
は、透明性に優れ、しかも耐熱性、耐薬品性にも優れて
いるが、用途によってはさらに耐薬品性、耐沸水性、機
械強度の向上が望まれている。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、透明で、耐熱性に優れ、しかも
機械強度に優れた新規なコポリアミドおよびこのような
特性を有するコポリアミドの製造方法を提供することを
目的としている。
てなされたものであり、透明で、耐熱性に優れ、しかも
機械強度に優れた新規なコポリアミドおよびこのような
特性を有するコポリアミドの製造方法を提供することを
目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るコポリアミドは、下記一般
式[I]で表される繰り返し単位:99〜1モル%と、
下記一般式[II]で表される繰り返し単位:1〜99モ
ル%とからなることを特徴としている。
式[I]で表される繰り返し単位:99〜1モル%と、
下記一般式[II]で表される繰り返し単位:1〜99モ
ル%とからなることを特徴としている。
【0009】
【化10】
【0010】〔式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素含有基
(この炭素含有基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を
有していてもよい。)であり、X1 は二価の炭化水素基
である〕。
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素含有基
(この炭素含有基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を
有していてもよい。)であり、X1 は二価の炭化水素基
である〕。
【0011】
【化11】
【0012】〔式中、Yは、二価の芳香族炭化水素基、
二価の脂肪族炭化水素基または二価の脂環族炭化水素基
(ただしこの二価の脂環族炭化水素基は、式[I]にお
ける脂環族炭化水素基と異なる。)であり、これらの芳
香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水
素基は置換基を有していてもよい。X2は二価の炭化水
素基であり、X1と同一であってもよい〕。
二価の脂肪族炭化水素基または二価の脂環族炭化水素基
(ただしこの二価の脂環族炭化水素基は、式[I]にお
ける脂環族炭化水素基と異なる。)であり、これらの芳
香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水
素基は置換基を有していてもよい。X2は二価の炭化水
素基であり、X1と同一であってもよい〕。
【0013】本発明に係るコポリアミドでは、上記一般
式[II]で表される繰り返し単位が、下記一般式[II
I]で表されることが好ましい;
式[II]で表される繰り返し単位が、下記一般式[II
I]で表されることが好ましい;
【0014】
【化12】
【0015】〔式中、Ar1は下記の群より選ばれる二価
の芳香族炭化水素基であり、この芳香環は置換基を有し
ていてもよい。またX2は二価の炭化水素基である〕。
の芳香族炭化水素基であり、この芳香環は置換基を有し
ていてもよい。またX2は二価の炭化水素基である〕。
【0016】
【化13】
【0017】さらに本発明に係るコポリアミドでは、一
般式[II]で表される繰り返し単位が、特に下記一般式
[IV]で表されることが好ましく、かつ一般式[I]で
表される繰り返し単位が99〜40モル%の量で、一般
式[IV]で表される繰り返し単位が1〜60モル%の量
で存在していることが好ましい。
般式[II]で表される繰り返し単位が、特に下記一般式
[IV]で表されることが好ましく、かつ一般式[I]で
表される繰り返し単位が99〜40モル%の量で、一般
式[IV]で表される繰り返し単位が1〜60モル%の量
で存在していることが好ましい。
【0018】
【化14】
【0019】〔ただし上記式[IV]において、Ar2は下
記の群より選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表す。ま
たX2 は二価の炭化水素基であり、X1と同一であって
もよい〕。
記の群より選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表す。ま
たX2 は二価の炭化水素基であり、X1と同一であって
もよい〕。
【0020】
【化15】
【0021】本発明に係るコポリアミドの製造方法は、
下記式[A]で表される脂環族ジカルボン酸と、下記式
[B]で表されるジカルボン酸と、下記式[C]で表さ
れるジアミンとを接触させることを特徴としている。
下記式[A]で表される脂環族ジカルボン酸と、下記式
[B]で表されるジカルボン酸と、下記式[C]で表さ
れるジアミンとを接触させることを特徴としている。
【0022】
【化16】
【0023】〔式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素含有基
(この炭素含有基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を
有していてもよい。)である〕。
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素含有基
(この炭素含有基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を
有していてもよい。)である〕。
【0024】 HOOC−Y−COOH …[B] 〔式中、Yは、二価の芳香族炭化水素基、二価の脂肪族
炭化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの
二価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭
化水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。〕。
炭化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの
二価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭
化水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。〕。
【0025】 H2N−X−NH2 …[C] 〔式中、Xは二価の炭化水素基であり、X1またはX2と
同一である〕。本発明では、上記式[B]で表されるジ
カルボン酸として下記式[B-1]で表されるジカルボン
酸を用いることが好ましい; HOOC−Ar1−COOH …[B-1] 〔ただし上記式[B-1]において、Ar1は、下記の群よ
り選ばれる二価の芳香族炭化水素基であり、この芳香環
は置換基を有していてもよい〕。
同一である〕。本発明では、上記式[B]で表されるジ
カルボン酸として下記式[B-1]で表されるジカルボン
酸を用いることが好ましい; HOOC−Ar1−COOH …[B-1] 〔ただし上記式[B-1]において、Ar1は、下記の群よ
り選ばれる二価の芳香族炭化水素基であり、この芳香環
は置換基を有していてもよい〕。
【0026】
【化17】
【0027】さらに本発明では、上記式[B]で表され
るジカルボン酸として、特に下記式[B-2]で表される
ジカルボン酸を用いることが好ましい。 HOOC−Ar2−COOH …[B-2] 〔ただし上記式[B-1]において、Ar2は、下記の群よ
り選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表す。〕。
るジカルボン酸として、特に下記式[B-2]で表される
ジカルボン酸を用いることが好ましい。 HOOC−Ar2−COOH …[B-2] 〔ただし上記式[B-1]において、Ar2は、下記の群よ
り選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表す。〕。
【0028】
【化18】
【0029】本発明に係るコポリアミドは、良好な透明
性、耐熱性を有するとともに、耐薬品性、耐沸水性、機
械強度にも優れている。
性、耐熱性を有するとともに、耐薬品性、耐沸水性、機
械強度にも優れている。
【0030】
【発明の具体的説明】以下に本発明に係るコポリアミド
およびその製造方法について具体的に説明する。
およびその製造方法について具体的に説明する。
【0031】本発明のコポリアミドは、上記のような一
般式[I]で表される繰り返し単位と、上記のような一
般式[II]で表される繰り返し単位とからなる。まず、
一般式[I]で表される繰り返し単位について説明す
る。
般式[I]で表される繰り返し単位と、上記のような一
般式[II]で表される繰り返し単位とからなる。まず、
一般式[I]で表される繰り返し単位について説明す
る。
【0032】
【化19】
【0033】上記式[I]において、R1 〜R8 は、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、また
は炭素含有基(この炭素含有基は、ヘテロ原子またはハ
ロゲン原子を有していてもよい。)であり、X1 は二価
の炭化水素基である。
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、また
は炭素含有基(この炭素含有基は、ヘテロ原子またはハ
ロゲン原子を有していてもよい。)であり、X1 は二価
の炭化水素基である。
【0034】また、ヘテロ原子またはハロゲン原子を有
することもある炭素含有基は、炭素骨格を有する基であ
り、この基中に例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子な
どのヘテロ原子あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子などのハロゲン原子が含まれていて
もよい。このような炭素含有基としては、具体的には、
アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、
パーフルオロアルキル基、−CN、−CO−R(Rは水
素原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳
香族炭化水素基である。)および芳香族炭化水素基を挙
げることができる。
することもある炭素含有基は、炭素骨格を有する基であ
り、この基中に例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子な
どのヘテロ原子あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子などのハロゲン原子が含まれていて
もよい。このような炭素含有基としては、具体的には、
アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、
パーフルオロアルキル基、−CN、−CO−R(Rは水
素原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基または芳
香族炭化水素基である。)および芳香族炭化水素基を挙
げることができる。
【0035】ここで、アルキル基としては、通常は炭素
原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基を
挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル
基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-デシル基およ
びステアリル基などを挙げることができる。
原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基を
挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、
プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル
基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-デシル基およ
びステアリル基などを挙げることができる。
【0036】アルコキシ基としては、上記のようなアル
キル基を含むアルコキシ基を挙げることができ、具体的
には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、tert-
ブトキシ基などを挙げることができる。
キル基を含むアルコキシ基を挙げることができ、具体的
には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、tert-
ブトキシ基などを挙げることができる。
【0037】またアルコキシカルボニル基としては、上
記のようなアルキル基を含むアルコキシカルボニル基を
挙げることができ、具体的には、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基お
よびtert-ブトキシカルボニル基などを挙げることがで
きる。
記のようなアルキル基を含むアルコキシカルボニル基を
挙げることができ、具体的には、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基お
よびtert-ブトキシカルボニル基などを挙げることがで
きる。
【0038】パーフルオロアルキル基としては、通常は
炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアルキル
基の水素原子が全てフッ素原子で置換された基を挙げる
ことができ、具体的には、トリフルオロメチル基、ペン
タフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ノナ
フルオロブチル基およびパーフルオロヘキシル基などを
挙げることができる。
炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアルキル
基の水素原子が全てフッ素原子で置換された基を挙げる
ことができ、具体的には、トリフルオロメチル基、ペン
タフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ノナ
フルオロブチル基およびパーフルオロヘキシル基などを
挙げることができる。
【0039】また−CO−Rで表される基において、R
は水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基また
は芳香族炭化水素基のいずれかであり、具体的にはアシ
ル基を挙げることができる。
は水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基また
は芳香族炭化水素基のいずれかであり、具体的にはアシ
ル基を挙げることができる。
【0040】芳香族炭化水素基は、通常は炭素原子数6
〜20の芳香族炭化水素基であり、この芳香族炭化水素
基は置換基を有していてもよい。このような芳香族炭化
水素基としては、具体的に、フェニル基、ナフチル基、
トリル基およびインデニル基などを挙げることができ
る。
〜20の芳香族炭化水素基であり、この芳香族炭化水素
基は置換基を有していてもよい。このような芳香族炭化
水素基としては、具体的に、フェニル基、ナフチル基、
トリル基およびインデニル基などを挙げることができ
る。
【0041】式[I]において、R1 〜R8 は、同一で
あっても、異なっていてもよい。また上記式[I]にお
いて、X1 は二価の炭化水素基を表す。このような二価
の炭化水素基としては、二価の脂肪族炭化水素基、二価
の脂環族炭化水素基および二価の芳香族炭化水素基を挙
げることができる。二価の脂肪族炭化水素基は、通常は
炭素原子数1〜25、好ましくは4〜18の直鎖状また
は分枝状の炭化水素基である。
あっても、異なっていてもよい。また上記式[I]にお
いて、X1 は二価の炭化水素基を表す。このような二価
の炭化水素基としては、二価の脂肪族炭化水素基、二価
の脂環族炭化水素基および二価の芳香族炭化水素基を挙
げることができる。二価の脂肪族炭化水素基は、通常は
炭素原子数1〜25、好ましくは4〜18の直鎖状また
は分枝状の炭化水素基である。
【0042】また二価の脂環族炭化水素基は、通常は炭
素原子数3〜25、好ましくは3〜15の脂環構造を有
する基であり、この脂環構造の水素原子の少なくとも一
部が、置換基で置換されていてもよい。
素原子数3〜25、好ましくは3〜15の脂環構造を有
する基であり、この脂環構造の水素原子の少なくとも一
部が、置換基で置換されていてもよい。
【0043】さらに二価の芳香族炭化水素基は、通常は
炭素原子数が6〜25、好ましくは6〜20の芳香族環
構造を有する基であり、この芳香族環が置換基を有して
いてもよい。
炭素原子数が6〜25、好ましくは6〜20の芳香族環
構造を有する基であり、この芳香族環が置換基を有して
いてもよい。
【0044】本発明に係るコポリアミドは、二種以上の
式[I]で表わされる繰り返し単位が存在していてもよ
い。次に、下記一般式[II]で表される繰り返し単位に
ついて説明する。
式[I]で表わされる繰り返し単位が存在していてもよ
い。次に、下記一般式[II]で表される繰り返し単位に
ついて説明する。
【0045】
【化20】
【0046】上記式[II]において、Yは、二価の芳香
族炭化水素基、二価の脂肪族炭化水素基または二価の脂
環族炭化水素基(ただしこの二価の脂環族炭化水素基
は、式[I]における脂環族炭化水素基とは異なる。)
であり、これらの芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基
または脂環族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
X2 は二価の炭化水素基であり、X1と同一であっても
よい。
族炭化水素基、二価の脂肪族炭化水素基または二価の脂
環族炭化水素基(ただしこの二価の脂環族炭化水素基
は、式[I]における脂環族炭化水素基とは異なる。)
であり、これらの芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基
または脂環族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
X2 は二価の炭化水素基であり、X1と同一であっても
よい。
【0047】二価の脂肪族炭化水素基は、通常は炭素数
1〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素基である。具
体的には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などから導かれる基
であることが好ましい。
1〜20の直鎖状または分枝状の炭化水素基である。具
体的には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などから導かれる基
であることが好ましい。
【0048】また二価の脂環族炭化水素基は、通常は炭
素原子数3〜15の脂環構造を有する基であり、この脂
環構造の水素原子の少なくとも一部が、置換基で置換さ
れていてもよい。具体的には、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジカルボン酸、ア
ダマンタンジカルボン酸などから導かれる基であること
が好ましい。
素原子数3〜15の脂環構造を有する基であり、この脂
環構造の水素原子の少なくとも一部が、置換基で置換さ
れていてもよい。具体的には、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジカルボン酸、ア
ダマンタンジカルボン酸などから導かれる基であること
が好ましい。
【0049】さらに二価の芳香族炭化水素基は、通常は
炭素原子数が6〜25、好ましくは6〜20の芳香族環
構造を有する基であり、この芳香族環が置換基を有して
いてもよい。
炭素原子数が6〜25、好ましくは6〜20の芳香族環
構造を有する基であり、この芳香族環が置換基を有して
いてもよい。
【0050】本発明では、上記一般式[II]で表される
繰り返し単位において、Yで表される二価の炭化水素基
が芳香族炭化水素基であることが好ましく、このような
芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位は、より具体的
に、下記一般式[III]で表される。
繰り返し単位において、Yで表される二価の炭化水素基
が芳香族炭化水素基であることが好ましく、このような
芳香族炭化水素基を有する繰り返し単位は、より具体的
に、下記一般式[III]で表される。
【0051】
【化21】
【0052】上記式[III]において、Ar1は下記の群
より選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表し、さらに芳
香環に置換基を有していてもよい。またX2 は前記式
[II]と同様である。
より選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表し、さらに芳
香環に置換基を有していてもよい。またX2 は前記式
[II]と同様である。
【0053】
【化22】
【0054】本発明では、このような一般式[II]で表
される繰り返し単位として、さらに好ましくは下記一般
式[IV]で表される繰り返し単位を挙げることができ
る。
される繰り返し単位として、さらに好ましくは下記一般
式[IV]で表される繰り返し単位を挙げることができ
る。
【0055】
【化23】
【0056】上記式[IV]において、Ar2は下記の群よ
り選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表し、X2 は前記
式[II]と同様である。
り選ばれる二価の芳香族炭化水素基を表し、X2 は前記
式[II]と同様である。
【0057】
【化24】
【0058】本発明に係るコポリアミドでは、二種以上
の上記式[II]で表わされる繰り返し単位が存在してい
てもよい。本発明に係るコポリアミドでは、上記のよう
な式[I]で表される繰り返し単位は99〜1モル%、
好ましくは80〜30モル%の量で存在し、式[II]で
表される繰り返し単位は1〜99モル%、好ましくは2
0〜70モル%の量で存在している。
の上記式[II]で表わされる繰り返し単位が存在してい
てもよい。本発明に係るコポリアミドでは、上記のよう
な式[I]で表される繰り返し単位は99〜1モル%、
好ましくは80〜30モル%の量で存在し、式[II]で
表される繰り返し単位は1〜99モル%、好ましくは2
0〜70モル%の量で存在している。
【0059】さらに好ましい本発明に係るコポリアミド
は、上記のような式[I]で表される繰り返し単位と式
[IV]で表される繰り返し単位とから構成されており、
式[I]で表される繰り返し単位が99〜40モル%、
好ましくは80〜40モル%の量で、式[IV]で表され
る繰り返し単位が1〜60モル%、好ましくは20〜6
0モル%の量で存在していることが望ましい。
は、上記のような式[I]で表される繰り返し単位と式
[IV]で表される繰り返し単位とから構成されており、
式[I]で表される繰り返し単位が99〜40モル%、
好ましくは80〜40モル%の量で、式[IV]で表され
る繰り返し単位が1〜60モル%、好ましくは20〜6
0モル%の量で存在していることが望ましい。
【0060】上記のような本発明に係るコポリアミド
は、極限粘度[η]が、通常、0.4〜4.0dl/g、好
ましくは0.5〜3.0dl/gであることが望ましい。な
お、本発明において、コポリアミドおよびオリゴマーの
極限粘度[η]は、濃硫酸中で30℃で測定した値であ
る。
は、極限粘度[η]が、通常、0.4〜4.0dl/g、好
ましくは0.5〜3.0dl/gであることが望ましい。な
お、本発明において、コポリアミドおよびオリゴマーの
極限粘度[η]は、濃硫酸中で30℃で測定した値であ
る。
【0061】また本発明に係るコポリアミドは、ガラス
転移温度(Tg)が、通常、50〜300℃、好ましく
は80〜200℃であることが望ましい。本発明に係る
コポリアミドにおいては、式[I]で表されるようにト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン構造が3位および5位
で結合して繰り返し単位を構成しているため、嵩高なト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン構造がコポリアミド鎖
から突出した構造を形成していると考えられる。このた
め本発明のコポリアミドは、非晶性または低結晶性であ
り、通常その結晶化度は5%以下、好ましくは3%以
下、さらに好ましくは1%以下である。
転移温度(Tg)が、通常、50〜300℃、好ましく
は80〜200℃であることが望ましい。本発明に係る
コポリアミドにおいては、式[I]で表されるようにト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン構造が3位および5位
で結合して繰り返し単位を構成しているため、嵩高なト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン構造がコポリアミド鎖
から突出した構造を形成していると考えられる。このた
め本発明のコポリアミドは、非晶性または低結晶性であ
り、通常その結晶化度は5%以下、好ましくは3%以
下、さらに好ましくは1%以下である。
【0062】このような本発明のコポリアミドは、優れ
た透明性を有しており、ASTM−D−1003により
測定した光透過度が、通常、80〜95%である。本発
明のコポリアミドは、アニール処理あるいは薬品処理を
行うことによっても、その透明性が低下しにくいという
特性を有している。
た透明性を有しており、ASTM−D−1003により
測定した光透過度が、通常、80〜95%である。本発
明のコポリアミドは、アニール処理あるいは薬品処理を
行うことによっても、その透明性が低下しにくいという
特性を有している。
【0063】上記のように本発明に係るコポリアミド
は、透明性および耐熱性に優れている。特に本発明に係
るコポリアミドが式[I]で表される繰り返し単位と式
[III]で表される繰り返し単位とから構成される場合
には、さらに機械強度にも優れている。さらに、式
[I]で表される繰り返し単位と式[IV]で表される繰
り返し単位とから構成されるコポリアミドは、耐薬品
性、耐沸水性がより向上している。
は、透明性および耐熱性に優れている。特に本発明に係
るコポリアミドが式[I]で表される繰り返し単位と式
[III]で表される繰り返し単位とから構成される場合
には、さらに機械強度にも優れている。さらに、式
[I]で表される繰り返し単位と式[IV]で表される繰
り返し単位とから構成されるコポリアミドは、耐薬品
性、耐沸水性がより向上している。
【0064】次に本発明に係るコポリアミドの製造方法
について具体的に説明する。本発明に係るコポリアミド
は、下記式[A]で表される脂環族ジカルボン酸と、下
記式[B]で表されるジカルボン酸と、下記式[C]で
表されるジアミンとを接触させることにより製造するこ
とができる。
について具体的に説明する。本発明に係るコポリアミド
は、下記式[A]で表される脂環族ジカルボン酸と、下
記式[B]で表されるジカルボン酸と、下記式[C]で
表されるジアミンとを接触させることにより製造するこ
とができる。
【0065】
【化25】
【0066】式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立に、水
素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素含有基(こ
の炭素含有基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を有し
ていてもよい)であり、具体的には、式[I]中のR1
〜R8 と同様である。
素原子、ハロゲン原子、水酸基、または炭素含有基(こ
の炭素含有基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を有し
ていてもよい)であり、具体的には、式[I]中のR1
〜R8 と同様である。
【0067】 HOOC−Y−COOH …[B] 式中、Yは、二価の芳香族炭化水素基、二価の脂肪族炭
化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの二
価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭化
水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。
化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの二
価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭化
水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。
【0068】 H2N−X−NH2 …[C] 式中、Xは二価の炭化水素基を表し、具体的には、式
[I]または[II]中のX1またはX2と同一である。
[I]または[II]中のX1またはX2と同一である。
【0069】上記のような式[A]で表される脂環族ジ
カルボン酸は、例えば対応する環状オレフィンを開環さ
せながら酸化することにより調製することができる。例
えば以下に示すようにテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]-3-ドデセンあるいはこの誘導体を過マンガン酸カリ
ウムなどの酸化剤、オゾンなどを用いて酸化するか、あ
るいは金属触媒の存在下に、分子状酸素によって酸化す
ると、二重結合部分が開裂するとともに、この部分の炭
素原子が酸化されて、3,5-トリシクロ[5.2.1.02,6 ]
デカンジカルボン酸あるいはこの誘導体が生成する。
カルボン酸は、例えば対応する環状オレフィンを開環さ
せながら酸化することにより調製することができる。例
えば以下に示すようにテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]-3-ドデセンあるいはこの誘導体を過マンガン酸カリ
ウムなどの酸化剤、オゾンなどを用いて酸化するか、あ
るいは金属触媒の存在下に、分子状酸素によって酸化す
ると、二重結合部分が開裂するとともに、この部分の炭
素原子が酸化されて、3,5-トリシクロ[5.2.1.02,6 ]
デカンジカルボン酸あるいはこの誘導体が生成する。
【0070】
【化26】
【0071】ただし、上記反応式において、R1 〜R8
は、上記式[I]中のR1〜R8と同様である。このよう
な脂環族ジカルボン酸の調製方法の詳細は、Soloway,J.
Am.Chem.Socy.,1952,74,1027に記載されいる。
は、上記式[I]中のR1〜R8と同様である。このよう
な脂環族ジカルボン酸の調製方法の詳細は、Soloway,J.
Am.Chem.Socy.,1952,74,1027に記載されいる。
【0072】上記のような反応に用いられる環状オレフ
ィンとしては、具体的な例としては以下に記載するよう
な化合物を挙げることができる。
ィンとしては、具体的な例としては以下に記載するよう
な化合物を挙げることができる。
【0073】
【化27】
【0074】
【化28】
【0075】
【化29】
【0076】
【化30】
【0077】これらの環状オレフィンは、単独で使用す
ることもできるし組み合わせて使用することもできる。
例えば上記のような環状オレフィンを酸化して得られる
脂環族ジカルボン酸には、以下に示すように、exo-endo
体、exo-exo体、endo-endo体、endo-exo体の立体異性体
が存在するが、本発明においては、いずれの構造の異性
体であっても使用することができる。
ることもできるし組み合わせて使用することもできる。
例えば上記のような環状オレフィンを酸化して得られる
脂環族ジカルボン酸には、以下に示すように、exo-endo
体、exo-exo体、endo-endo体、endo-exo体の立体異性体
が存在するが、本発明においては、いずれの構造の異性
体であっても使用することができる。
【0078】
【化31】
【0079】上記のような脂環族ジカルボン酸[A]
は、単独であるいは組み合わせて用いることができる。
次に、本発明で用いられる下記一般式[B]で表される
ジカルボン酸について説明する。
は、単独であるいは組み合わせて用いることができる。
次に、本発明で用いられる下記一般式[B]で表される
ジカルボン酸について説明する。
【0080】HOOC−Y−COOH …[B] 式中、Yは、二価の芳香族炭化水素基、二価の脂肪族炭
化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの二
価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭化
水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。
化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの二
価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭化
水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。
【0081】このような式[B]で表されるジカルボン
酸としては、具体的に、下記のようなジカルボン酸を挙
げることができる。コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭
素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、ジシクロヘキサンメタン-4,4'-ジカルボン
酸、アダマンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン
酸を挙げることができる。
酸としては、具体的に、下記のようなジカルボン酸を挙
げることができる。コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭
素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸、ジシクロヘキサンメタン-4,4'-ジカルボン
酸、アダマンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン
酸を挙げることができる。
【0082】さらに脂環族ジカルボン酸としては、前記
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体
以外の環状オレフィンから誘導されるジカルボン酸、す
なわち脂環族ジカルボン酸[A]以外の脂環族ジカルボ
ン酸を挙げることができ、具体的には、下記の環状オレ
フィンから誘導されるジカルボン酸を挙げることができ
る。
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体
以外の環状オレフィンから誘導されるジカルボン酸、す
なわち脂環族ジカルボン酸[A]以外の脂環族ジカルボ
ン酸を挙げることができ、具体的には、下記の環状オレ
フィンから誘導されるジカルボン酸を挙げることができ
る。
【0083】ビシクロ[2.2.1 ] ヘプト-2-エン誘導
体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4
-ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.
14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセン誘導
体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサ
デセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、ヘ
プタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4.
3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.
12.5]-3-ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン誘導体、およびペン
タシクロペンタデカジエン誘導体など。
体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4
-ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.
14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセン誘導
体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサ
デセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、ヘ
プタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4.
3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.
12.5]-3-ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン誘導体、およびペン
タシクロペンタデカジエン誘導体など。
【0084】また芳香族ジカルボン酸としては、下記一
般式[B-1]で表される芳香族ジカルボン酸を挙げるこ
とができる。 HOOC−Ar1−COOH …[B-1] 上記式[B-1]において、Ar1は、下記の群より選ばれ
る二価の芳香族炭化水素基を表す。また芳香環に置換基
を有していてもよい。
般式[B-1]で表される芳香族ジカルボン酸を挙げるこ
とができる。 HOOC−Ar1−COOH …[B-1] 上記式[B-1]において、Ar1は、下記の群より選ばれ
る二価の芳香族炭化水素基を表す。また芳香環に置換基
を有していてもよい。
【0085】
【化32】
【0086】このような式で表される芳香族ジカルボン
酸としては、具体的に、以下のような化合物を挙げるこ
とができる。 テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビ
フェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン-4,4'-ジカル
ボン酸、ジフェニルエーテル-4,4'-ジカルボン酸、ベン
ゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-
4,4'-ジカルボン酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジ
カルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルメタン-3,4'-ジカルボン
酸、ジフェニルメタン-3,3'-ジカルボン酸、ジフェニル
メタン-2,4'-ジカルボン酸、ベンゾフェノン-3,4'-ジカ
ルボン酸、ベンゾフェノン-3,3'-ジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテル-3,4'-ジカルボン酸、ジフェニルエーテル
-3,3'-ジカルボン酸、ジフェニルエーテル-2,4'-ジカル
ボン酸、ジフェニルスルホン-3,4'-ジカルボン酸、ジフ
ェニルスルホン-3,3'-ジカルボン酸、ジフェニルスルホ
ン-2,4'-ジカルボン酸。
酸としては、具体的に、以下のような化合物を挙げるこ
とができる。 テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビ
フェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン-4,4'-ジカル
ボン酸、ジフェニルエーテル-4,4'-ジカルボン酸、ベン
ゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-
4,4'-ジカルボン酸、イソフタル酸、1,4-ナフタレンジ
カルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルメタン-3,4'-ジカルボン
酸、ジフェニルメタン-3,3'-ジカルボン酸、ジフェニル
メタン-2,4'-ジカルボン酸、ベンゾフェノン-3,4'-ジカ
ルボン酸、ベンゾフェノン-3,3'-ジカルボン酸、ジフェ
ニルエーテル-3,4'-ジカルボン酸、ジフェニルエーテル
-3,3'-ジカルボン酸、ジフェニルエーテル-2,4'-ジカル
ボン酸、ジフェニルスルホン-3,4'-ジカルボン酸、ジフ
ェニルスルホン-3,3'-ジカルボン酸、ジフェニルスルホ
ン-2,4'-ジカルボン酸。
【0087】本発明では、式[B]で表されるジカルボ
ン酸として式[B-1]で表される芳香族ジカルボン酸が
用いられることが好ましい。さらに、この式[B-1]で
表される芳香族ジカルボン酸のうちでも、下記一般式
[B-2]で表される芳香族ジカルボン酸が用いられるこ
とがより好ましい。
ン酸として式[B-1]で表される芳香族ジカルボン酸が
用いられることが好ましい。さらに、この式[B-1]で
表される芳香族ジカルボン酸のうちでも、下記一般式
[B-2]で表される芳香族ジカルボン酸が用いられるこ
とがより好ましい。
【0088】 HOOC−Ar2−COOH …[B-2] 式[B-2]において、Ar2は、下記の群より選ばれる二
価の芳香族炭化水素基を表す。
価の芳香族炭化水素基を表す。
【0089】
【化33】
【0090】このような式[B-1]で表される芳香族ジ
カルボン酸としては、具体的に以下のような化合物を挙
げることができる。 テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビ
フェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン-4,4'-ジカル
ボン酸、ジフェニルエーテル-4,4'-ジカルボン酸、ベン
ゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-
4,4'-ジカルボン酸。
カルボン酸としては、具体的に以下のような化合物を挙
げることができる。 テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビ
フェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン-4,4'-ジカル
ボン酸、ジフェニルエーテル-4,4'-ジカルボン酸、ベン
ゾフェノン-4,4'-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-
4,4'-ジカルボン酸。
【0091】上記のようなジカルボン酸[B]は、単独
であるいは組み合わせて用いることができる。本発明で
用いられるジアミンは下記式[C]で表される。
であるいは組み合わせて用いることができる。本発明で
用いられるジアミンは下記式[C]で表される。
【0092】H2N−X−NH2 …[C] ただし、上記式[C]において、Xは二価の炭化水素基
を表し、この二価の炭化水素基としては、式[I]また
は式[II]におけるX1またはX2と同一である。
を表し、この二価の炭化水素基としては、式[I]また
は式[II]におけるX1またはX2と同一である。
【0093】このようなジアミンとしては、脂肪族ジア
ミン、脂環族ジアミンおよび芳香族ジアミンが挙げられ
る。脂肪族ジアミンとしては、具体的に、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレン
ジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,
4-トリメチルヘキサメチレンジアミンおよびジメチルオ
クタメチレンジアミンなどを挙げることができる。
ミン、脂環族ジアミンおよび芳香族ジアミンが挙げられ
る。脂肪族ジアミンとしては、具体的に、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレン
ジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,
4-トリメチルヘキサメチレンジアミンおよびジメチルオ
クタメチレンジアミンなどを挙げることができる。
【0094】脂環族ジアミンとしては、ビス(4-アミノ
シクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)プロパン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルシクロヘ
キシルメタン、イソホロンジアミンおよびピペラジンの
他に、以下に示す式[C-1]、[C-2]、[C-3]、[C-
4]、[C-5]、[C-6]および[C-7]で表される脂環族
ジアミン化合物などを挙げることができる。
シクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)プロパン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルシクロヘ
キシルメタン、イソホロンジアミンおよびピペラジンの
他に、以下に示す式[C-1]、[C-2]、[C-3]、[C-
4]、[C-5]、[C-6]および[C-7]で表される脂環族
ジアミン化合物などを挙げることができる。
【0095】
【化34】
【0096】で表されるシクロプロパンジアミン。
【0097】
【化35】
【0098】で表されるシクロプロピルジメチレンアミ
ン。
ン。
【0099】
【化36】
【0100】で表されるシクロヘキシルジアミン、シク
ロヘキシルジメチレンアミンおよびビシクロ[2.2.1 ]
ヘプト-2-エン。なお、上記式[C-3]、[C-4]および
[C-5]において、上記の脂環構造部分に他の置換基が
結合していてもよい。
ロヘキシルジメチレンアミンおよびビシクロ[2.2.1 ]
ヘプト-2-エン。なお、上記式[C-3]、[C-4]および
[C-5]において、上記の脂環構造部分に他の置換基が
結合していてもよい。
【0101】
【化37】
【0102】ただし、上記式[C-6]にいて、R1〜R4
は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基ま
たは水素原子を表し、pおよびqは0〜2の整数であ
る。上記式[C-6]で表されるジアミンの例としては、
3,8-、4,8-または5,8-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
ジアミンの混合物を挙げることができる。
は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基ま
たは水素原子を表し、pおよびqは0〜2の整数であ
る。上記式[C-6]で表されるジアミンの例としては、
3,8-、4,8-または5,8-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
ジアミンの混合物を挙げることができる。
【0103】
【化38】
【0104】ただし、上記式[C-7]において、R1〜R
6は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基
または水素原子を表し、pおよびqは0〜2の整数であ
る。上記式[C-7]で表されるジアミンの例としては、
4,10-、4,11-または4,12-ペンタシクロ[6.5.1.13,6.0
2,7.09,13]ペンタデカンジアミンの混合物を挙げるこ
とができる。
6は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基
または水素原子を表し、pおよびqは0〜2の整数であ
る。上記式[C-7]で表されるジアミンの例としては、
4,10-、4,11-または4,12-ペンタシクロ[6.5.1.13,6.0
2,7.09,13]ペンタデカンジアミンの混合物を挙げるこ
とができる。
【0105】また、芳香族ジアミンとしては、以下に示
す[C-8]、[C-9]、[C-10]、[C-11]で表される化
合物を挙げることができる。
す[C-8]、[C-9]、[C-10]、[C-11]で表される化
合物を挙げることができる。
【0106】
【化39】
【0107】上記式[C-8]において、pおよびqは、
それぞれ独立に、0〜2の整数を表し、芳香族環は、置
換基を有していてもよい。このような化合物の具体的な
例としては、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジア
ミン、p-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、2,4-
トリレンジアミンおよび2,6-トリレンジアミンを挙げる
ことができる。
それぞれ独立に、0〜2の整数を表し、芳香族環は、置
換基を有していてもよい。このような化合物の具体的な
例としては、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジア
ミン、p-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、2,4-
トリレンジアミンおよび2,6-トリレンジアミンを挙げる
ことができる。
【0108】
【化40】
【0109】上記式[C-9]において、芳香族環は、置
換基を有していてもよく、このような化合物の具体的な
例としては、1,8-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナ
フタレンを挙げることができる。
換基を有していてもよく、このような化合物の具体的な
例としては、1,8-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナ
フタレンを挙げることができる。
【0110】
【化41】
【0111】上記式[C-10]において、芳香族環は、置
換基を有していてもよく、このような化合物の具体的な
例としては、1,4-ジアミノナフタレン、2,3-ジアミノナ
フタレンを挙げることができる。
換基を有していてもよく、このような化合物の具体的な
例としては、1,4-ジアミノナフタレン、2,3-ジアミノナ
フタレンを挙げることができる。
【0112】
【化42】
【0113】上記式[C-11]において、Wは、単結合、
または-CO-、-SO2-、-S-、-O-、-C(CH3)2-、-CH2-、-NH
CONH-、-CONH-のいずれかの基を表す。また、W’は、
それぞれ独立に、単結合または炭素原子数4以下のアル
キレン基を表す。
または-CO-、-SO2-、-S-、-O-、-C(CH3)2-、-CH2-、-NH
CONH-、-CONH-のいずれかの基を表す。また、W’は、
それぞれ独立に、単結合または炭素原子数4以下のアル
キレン基を表す。
【0114】上記式[C-11]において、芳香族環は、置
換基を有していてもよく、このような化合物の具体的な
例としては、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジ
アミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルプ
ロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4'-
ジアミノジフェニルスルホンを挙げることができる。
換基を有していてもよく、このような化合物の具体的な
例としては、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジ
アミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルプ
ロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4'-
ジアミノジフェニルスルホンを挙げることができる。
【0115】なお上記芳香族環に結合している置換基
は、通常は、上記ジカルボン酸とジアミンとの反応に対
して安定な基であるが、得られるコポリアミドの特性を
損なわない範囲内で、この反応に関与し得る基であって
もよい。例えばこのような基としてアミノ基を挙げるこ
とができ、従って、本発明においては、上記のジアミン
と共に少量(通常は10重量%以下)のトリアミンある
いはポリアミンを配合することもできる。
は、通常は、上記ジカルボン酸とジアミンとの反応に対
して安定な基であるが、得られるコポリアミドの特性を
損なわない範囲内で、この反応に関与し得る基であって
もよい。例えばこのような基としてアミノ基を挙げるこ
とができ、従って、本発明においては、上記のジアミン
と共に少量(通常は10重量%以下)のトリアミンある
いはポリアミンを配合することもできる。
【0116】上記のようなジアミン[C]は、単独であ
るいは組み合わせて用いることができる。本発明におい
て、上記のジカルボン酸[A]と、ジカルボン酸[B]
と、ジアミン[C]とを、たとえば以下に示す方法によ
って重縮合させることにより、本発明に係るコポリアミ
ドを製造することができる。
るいは組み合わせて用いることができる。本発明におい
て、上記のジカルボン酸[A]と、ジカルボン酸[B]
と、ジアミン[C]とを、たとえば以下に示す方法によ
って重縮合させることにより、本発明に係るコポリアミ
ドを製造することができる。
【0117】この際、上記のジアミン[C]と、ジカル
ボン酸[A]およびジカルボン酸[B]とは、通常、モ
ル比で、0.9〜1.2(ジアミン[C]/ジカルボン酸
総量)、好ましくは0.9〜1.1の割合で使用される。
ボン酸[A]およびジカルボン酸[B]とは、通常、モ
ル比で、0.9〜1.2(ジアミン[C]/ジカルボン酸
総量)、好ましくは0.9〜1.1の割合で使用される。
【0118】また、ジカルボン酸[A]と、ジカルボン
酸[B]とは、モル比で、99/1〜1/99(ジカル
ボン酸[A]/ジカルボン酸[B])、好ましくは、8
0/20〜30/70の割合で用いられることが望まし
い。
酸[B]とは、モル比で、99/1〜1/99(ジカル
ボン酸[A]/ジカルボン酸[B])、好ましくは、8
0/20〜30/70の割合で用いられることが望まし
い。
【0119】特にジカルボン酸[B]としてジカルボン
酸[B-2]が用いられる場合は、上記ジカルボン酸
[A]とジカルボン酸[B]とは、モル比で、99/1
〜40/60(ジカルボン酸[A]/ジカルボン酸
[B])、好ましくは80/20〜40〜60の割合で
用いられることが望ましい。 (1) ジカルボン酸とジアミンとからナイロン塩を調製
し、このナイロン塩を用いて溶融重合する方法、 (2) ジカルボン酸とジアミンとからオリゴマーを調製
し、このオリゴマーを溶融重合する方法、あるいは、 (3) 上記のようにして調製されたオリゴマーを、さらに
押出機を用いて重合させる方法。
酸[B-2]が用いられる場合は、上記ジカルボン酸
[A]とジカルボン酸[B]とは、モル比で、99/1
〜40/60(ジカルボン酸[A]/ジカルボン酸
[B])、好ましくは80/20〜40〜60の割合で
用いられることが望ましい。 (1) ジカルボン酸とジアミンとからナイロン塩を調製
し、このナイロン塩を用いて溶融重合する方法、 (2) ジカルボン酸とジアミンとからオリゴマーを調製
し、このオリゴマーを溶融重合する方法、あるいは、 (3) 上記のようにして調製されたオリゴマーを、さらに
押出機を用いて重合させる方法。
【0120】例えば、(2) ジカルボン酸とジアミンとか
らオリゴマーを調製し、このオリゴマーを溶融重合する
方法においては、まず前述のようにして得られたジカル
ボン酸および上記のようなジアミンが含有された水溶液
を調製する。この水溶液を、例えば窒素ガスのような不
活性ガス雰囲気下で、加圧下に加熱することにより両者
のオリゴマーが生成する。このオリゴマーを調製する際
の反応温度は、通常は150〜300℃、好ましくは2
00〜280℃の範囲内に設定される。また、上記のよ
うな加熱条件において、反応圧力は、別の加圧手段を用
いて賦与することもできるが、上記のようにして水溶液
を加熱することにより生ずる圧力を利用することが好ま
しい。
らオリゴマーを調製し、このオリゴマーを溶融重合する
方法においては、まず前述のようにして得られたジカル
ボン酸および上記のようなジアミンが含有された水溶液
を調製する。この水溶液を、例えば窒素ガスのような不
活性ガス雰囲気下で、加圧下に加熱することにより両者
のオリゴマーが生成する。このオリゴマーを調製する際
の反応温度は、通常は150〜300℃、好ましくは2
00〜280℃の範囲内に設定される。また、上記のよ
うな加熱条件において、反応圧力は、別の加圧手段を用
いて賦与することもできるが、上記のようにして水溶液
を加熱することにより生ずる圧力を利用することが好ま
しい。
【0121】(3) の方法としては、具体的には、(2) と
同様にしてジカルボン酸とジアミンとからオリゴマーを
調製し、このオリゴマーを二軸押出機内で250℃〜3
50℃の温度で重合する方法が挙げられる。
同様にしてジカルボン酸とジアミンとからオリゴマーを
調製し、このオリゴマーを二軸押出機内で250℃〜3
50℃の温度で重合する方法が挙げられる。
【0122】このようにしてコポリアミドを製造する際
には、触媒を使用することができる。このような触媒と
しては、特にリン酸系の触媒が好ましく、このような触
媒の例としては、次亜リン酸ナトリウム、ジ亜リン酸カ
ルシウム、リン酸、リン酸オクチルおよびトリストリデ
シルホスファイト、メチルアシッドホスフェイトを挙げ
ることができる。このような触媒を使用する場合、この
触媒は、使用されるジカルボン酸に対して、通常は0.
01〜5モル%の範囲内の量で使用される。
には、触媒を使用することができる。このような触媒と
しては、特にリン酸系の触媒が好ましく、このような触
媒の例としては、次亜リン酸ナトリウム、ジ亜リン酸カ
ルシウム、リン酸、リン酸オクチルおよびトリストリデ
シルホスファイト、メチルアシッドホスフェイトを挙げ
ることができる。このような触媒を使用する場合、この
触媒は、使用されるジカルボン酸に対して、通常は0.
01〜5モル%の範囲内の量で使用される。
【0123】上記のようにして調製されるオリゴマーの
極限粘度[η]は、通常は0.05〜0.50dl/g、好
ましくは0.08〜0.30dl/gになる。なお、この極
限粘度は30℃の濃硫酸中で測定された値である。
極限粘度[η]は、通常は0.05〜0.50dl/g、好
ましくは0.08〜0.30dl/gになる。なお、この極
限粘度は30℃の濃硫酸中で測定された値である。
【0124】こうして調製されたオリゴマーを、通常は
乾燥させた後、この乾燥されたオリゴマーをさらに加熱
することによりコポリアミドが生成する。この際の加熱
温度は、通常は200〜350℃、好ましくは250〜
320℃に設定される。この反応においては水が生成す
るので、生成する水を除去しながら反応を行うことが好
ましい。
乾燥させた後、この乾燥されたオリゴマーをさらに加熱
することによりコポリアミドが生成する。この際の加熱
温度は、通常は200〜350℃、好ましくは250〜
320℃に設定される。この反応においては水が生成す
るので、生成する水を除去しながら反応を行うことが好
ましい。
【0125】なお、本発明に係るコポリアミドは、式
[A]で表されるジカルボン酸と、ジカルボン酸[B]
と式[C]で表されるジアミンとを反応させる上記のよ
うな方法の他、ジカルボン酸の代わりにあるいはジカル
ボン酸とともに、ジカルボン酸ハライドまたはジカルボ
ン酸エステルを用いて調製することができる。
[A]で表されるジカルボン酸と、ジカルボン酸[B]
と式[C]で表されるジアミンとを反応させる上記のよ
うな方法の他、ジカルボン酸の代わりにあるいはジカル
ボン酸とともに、ジカルボン酸ハライドまたはジカルボ
ン酸エステルを用いて調製することができる。
【0126】上記のようにして得られる本発明に係るコ
ポリアミドは、優れた透明性、耐熱性を有しているだけ
でなく、例えば、曲げ弾性率、曲げ強度、Izod衝撃強度
などの特性にも優れており、良好な弾性および強度を有
している。さらに、特定のジカルボン酸から得られるコ
ポリアミドは、耐薬品性、耐沸水性がより向上してい
る。
ポリアミドは、優れた透明性、耐熱性を有しているだけ
でなく、例えば、曲げ弾性率、曲げ強度、Izod衝撃強度
などの特性にも優れており、良好な弾性および強度を有
している。さらに、特定のジカルボン酸から得られるコ
ポリアミドは、耐薬品性、耐沸水性がより向上してい
る。
【0127】本発明のコポリアミドは、従来ポリアミド
が使用されている用途に用いることができるが、上記の
ような特性を利用して、さらに各種成形品、繊維および
フィルムなどの用途にも使用することができる。
が使用されている用途に用いることができるが、上記の
ような特性を利用して、さらに各種成形品、繊維および
フィルムなどの用途にも使用することができる。
【0128】本発明のコポリアミドには、無機あるいは
有機の充填剤、耐候性、耐熱安定性、滑剤など通常コポ
リアミドに配合される種々の添加剤を配合することもで
きる。
有機の充填剤、耐候性、耐熱安定性、滑剤など通常コポ
リアミドに配合される種々の添加剤を配合することもで
きる。
【0129】さらに、本発明のコポリアミドに他の樹
脂、例えば他のコポリアミド、ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアリレート、ポリカーボネートなどの熱可
塑性樹脂を配合して使用することもできる。
脂、例えば他のコポリアミド、ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアリレート、ポリカーボネートなどの熱可
塑性樹脂を配合して使用することもできる。
【0130】
【発明の効果】本発明に係るコポリアミドは、ジカルボ
ン酸成分として3,5-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジ
カルボン酸(あるいはこの誘導体)とジカルボン酸とか
ら誘導される繰り返し単位を有しており、透明性、耐熱
性に優れるとともに、曲げ強度、Izod衝撃強度等の機械
強度にも優れている。さらに特定のジカルボン酸から誘
導される繰り返し単位を有するコポリアミドは、耐薬品
性、耐沸水性もより向上している。
ン酸成分として3,5-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジ
カルボン酸(あるいはこの誘導体)とジカルボン酸とか
ら誘導される繰り返し単位を有しており、透明性、耐熱
性に優れるとともに、曲げ強度、Izod衝撃強度等の機械
強度にも優れている。さらに特定のジカルボン酸から誘
導される繰り返し単位を有するコポリアミドは、耐薬品
性、耐沸水性もより向上している。
【0131】次に本発明の実施例を示して本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例により限
定的に解釈されるべきではない。なお、以下に示す実施
例におけるコポリアミドの特性の測定条件は次の通りで
ある。
に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例により限
定的に解釈されるべきではない。なお、以下に示す実施
例におけるコポリアミドの特性の測定条件は次の通りで
ある。
【0132】・極限粘度[η]:濃硫酸中で30℃で測
定した。 ・ガラス転移温度(Tg):DSC装置(パーキンエル
マー社製、DSC-2)を用いて、窒素気流中で、10℃/
分の昇温速度で測定した。
定した。 ・ガラス転移温度(Tg):DSC装置(パーキンエル
マー社製、DSC-2)を用いて、窒素気流中で、10℃/
分の昇温速度で測定した。
【0133】・曲げ強度(FS)及び曲げ弾性率(F
M):ASTM−D790に準拠して63.5mm×12.7mm×
2.0mmのプレス成形試験片を用いて測定した。 ・結晶化度(Xc):理学電気株式会社製ロータフレッ
クスRU-300を用いてプレスシートの広角(2θ:5゜〜
35゜)のX線回折を行って求めた。
M):ASTM−D790に準拠して63.5mm×12.7mm×
2.0mmのプレス成形試験片を用いて測定した。 ・結晶化度(Xc):理学電気株式会社製ロータフレッ
クスRU-300を用いてプレスシートの広角(2θ:5゜〜
35゜)のX線回折を行って求めた。
【0134】・耐薬品性:2mm厚試験片を23℃、8日
間浸漬し判定した。 ・耐沸水性:2mm厚試験片を沸水中、5時間処理し判定
した。 ・アイゾット衝撃強度(Izod):ASTM−D25
6(ノッチ有り)に準拠して63.5mm×12.7mm×2.0mmの
プレス成形試験片を用いて測定した。
間浸漬し判定した。 ・耐沸水性:2mm厚試験片を沸水中、5時間処理し判定
した。 ・アイゾット衝撃強度(Izod):ASTM−D25
6(ノッチ有り)に準拠して63.5mm×12.7mm×2.0mmの
プレス成形試験片を用いて測定した。
【0135】
【実施例1】3,5-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸(T
CDA)の合成 テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3- デセン(TD)
のアセトン溶液に過マンガン酸カリウムの酸性水溶液を
0℃で加え12時間攪拌した。
CDA)の合成 テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3- デセン(TD)
のアセトン溶液に過マンガン酸カリウムの酸性水溶液を
0℃で加え12時間攪拌した。
【0136】反応混合物を中和した後、副生した二酸化
マンガンを濾別した。二酸化マンガンが濾別された濾液
を酸性にすることにより、白色結晶が析出した。この結
晶を濾取して精製し分析したところ、目的とするTCD
Aであることが確認された。
マンガンを濾別した。二酸化マンガンが濾別された濾液
を酸性にすることにより、白色結晶が析出した。この結
晶を濾取して精製し分析したところ、目的とするTCD
Aであることが確認された。
【0137】またこのTCDAは、exo-endo体であっ
た。なお、このTCDAの物性は以下のとおりであっ
た。 白色針状結晶、融点:265℃(DSC)。
た。なお、このTCDAの物性は以下のとおりであっ
た。 白色針状結晶、融点:265℃(DSC)。
【0138】図1にこのTCDAのIRスペクトルのチ
ャートを、図2に1H−NMRスペクトルのチャート
を、図3に13C−NMRスペクトルのチャートを示す。コポリアミドの合成 TCDA/シクロヘキサンジカルボン酸/HMDA=5
0/50/100 上記のようにして調製されたTCDA7.85g(35
ミリモル)、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸6.0g
(35ミリモル)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)
8.38g(72ミリモル)、次亜リン酸Nal水塩
0.02g、イオン交換水2.48gを50mlオートク
レーブに仕込み、窒素ガスで充分に置換した後、オート
クレーブ中の圧力をゲージ圧で0Kg/cm2に調整した。
ャートを、図2に1H−NMRスペクトルのチャート
を、図3に13C−NMRスペクトルのチャートを示す。コポリアミドの合成 TCDA/シクロヘキサンジカルボン酸/HMDA=5
0/50/100 上記のようにして調製されたTCDA7.85g(35
ミリモル)、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸6.0g
(35ミリモル)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)
8.38g(72ミリモル)、次亜リン酸Nal水塩
0.02g、イオン交換水2.48gを50mlオートク
レーブに仕込み、窒素ガスで充分に置換した後、オート
クレーブ中の圧力をゲージ圧で0Kg/cm2に調整した。
【0139】このオートクレーブを260℃のサンドバ
スに入れ、2時間反応させた後、室温まで冷却し生成し
たオリゴマーを取り出した。得られたオリゴマーを粉砕
し、400mmHgの圧力下、窒素ガス雰囲気下で、100
℃に加熱して1晩乾燥させた。乾燥後、測定したこのオ
リゴマーの極限粘度[η]は0.22dl/gであった。
スに入れ、2時間反応させた後、室温まで冷却し生成し
たオリゴマーを取り出した。得られたオリゴマーを粉砕
し、400mmHgの圧力下、窒素ガス雰囲気下で、100
℃に加熱して1晩乾燥させた。乾燥後、測定したこのオ
リゴマーの極限粘度[η]は0.22dl/gであった。
【0140】上記のようにして得られたオリゴマー8g
を容量30mlの重合フラスコに仕込み、窒素で充分置換
した後、常圧で攪拌しながら280℃で10分間保持
し、融解させた。さらに280℃で30分間、フラスコ
内の圧力を10mmHgまで減圧にし、300℃で1時間反
応させ、無色透明のコポリアミドを得た。
を容量30mlの重合フラスコに仕込み、窒素で充分置換
した後、常圧で攪拌しながら280℃で10分間保持
し、融解させた。さらに280℃で30分間、フラスコ
内の圧力を10mmHgまで減圧にし、300℃で1時間反
応させ、無色透明のコポリアミドを得た。
【0141】このコポリアミドの極限粘度[η]は0.
58dl/g、ガラス転移温度(Tg)は138℃であっ
た。
58dl/g、ガラス転移温度(Tg)は138℃であっ
た。
【0142】
【実施例2】TCDA/アジピン酸/HMDA=50/50/100 実施例1でTCDA134.6g(0.6モル)、アジ
ピン酸87.7g(0.6モル)、ヘキサメチレンジア
ミン(HMDA)143.6g(1.24モル)、次亜リン
酸Nal水塩0.25g、およびイオン交換水41mlと
変えた以外は実施例1と同様にしてオリゴマーを得た。
このオリゴマーの極限粘度[η]は0.22dl/gであ
った。
ピン酸87.7g(0.6モル)、ヘキサメチレンジア
ミン(HMDA)143.6g(1.24モル)、次亜リン
酸Nal水塩0.25g、およびイオン交換水41mlと
変えた以外は実施例1と同様にしてオリゴマーを得た。
このオリゴマーの極限粘度[η]は0.22dl/gであ
った。
【0143】得られたオリゴマーを容量100mlの重合
フラスコに仕込み、充分窒素置換を行った。窒素気流
中、250℃で20分間保持し融解させた後、10分間
かけて0.7torrまで減圧した。
フラスコに仕込み、充分窒素置換を行った。窒素気流
中、250℃で20分間保持し融解させた後、10分間
かけて0.7torrまで減圧した。
【0144】さらに、反応水を留去しながら250℃で
0.5時間、260℃で1時間、270℃で2.5時間
反応させ、無色透明のコポリアミドを得た。このコポリ
アミドの極限粘度[η]は1.54dl/g、DSCで測
定したガラス転移温度(Tg)は100℃であった。
0.5時間、260℃で1時間、270℃で2.5時間
反応させ、無色透明のコポリアミドを得た。このコポリ
アミドの極限粘度[η]は1.54dl/g、DSCで測
定したガラス転移温度(Tg)は100℃であった。
【0145】
【実施例3】3,5-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカ
ルボン酸(TCDA)134.56g(0.6モル)、イ
ソフタル酸99.68g(0.6モル)、ヘキサメチレン
ジアミン143.64g(1.24モル)および次亜リン
酸ナトリウム1水塩0.25gをイオン交換水42mlと
ともにオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内の
空気を窒素ガスで充分に置換した後、オートクレーブ内
の圧力をゲージ圧で0Kg/cm2 に調製し、攪拌しながら
反応液の温度が2時間で250℃になるように加熱し
た。さらにこの温度で1時間攪拌を続けた。
ルボン酸(TCDA)134.56g(0.6モル)、イ
ソフタル酸99.68g(0.6モル)、ヘキサメチレン
ジアミン143.64g(1.24モル)および次亜リン
酸ナトリウム1水塩0.25gをイオン交換水42mlと
ともにオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内の
空気を窒素ガスで充分に置換した後、オートクレーブ内
の圧力をゲージ圧で0Kg/cm2 に調製し、攪拌しながら
反応液の温度が2時間で250℃になるように加熱し
た。さらにこの温度で1時間攪拌を続けた。
【0146】次いで、攪拌を停止し、オートクレーブ底
部から10Kg/cm2 の圧差で反応混合物を抜きだした。
この反応混合物は、TCDAとイソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンとから形成されたオリゴマーである。
部から10Kg/cm2 の圧差で反応混合物を抜きだした。
この反応混合物は、TCDAとイソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンとから形成されたオリゴマーである。
【0147】上記のようにしてオートクレーブから抜き
だしたオリゴマーを400mmHgの圧力下、窒素ガス雰囲
気で100℃に加熱して一晩乾燥させた。乾燥後測定し
たこのオリゴマーの極限粘度[η]は、0.13dl/g
であった。
だしたオリゴマーを400mmHgの圧力下、窒素ガス雰囲
気で100℃に加熱して一晩乾燥させた。乾燥後測定し
たこのオリゴマーの極限粘度[η]は、0.13dl/g
であった。
【0148】
【実施例4】実施例3で得られたオリゴマー60gを1
00ml重合フラスコ内に仕込み、十分に窒素置換を行っ
た。窒素気流中、250℃で10分間保持し、融解させ
た後、さらに常圧、250℃で反応水を留去しながら1
時間反応させ、無色透明のコポリアミドを得た。
00ml重合フラスコ内に仕込み、十分に窒素置換を行っ
た。窒素気流中、250℃で10分間保持し、融解させ
た後、さらに常圧、250℃で反応水を留去しながら1
時間反応させ、無色透明のコポリアミドを得た。
【0149】このコポリアミドの極限粘度[η]は1.
27dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は143℃であった。結果を表1に示す。
27dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は143℃であった。結果を表1に示す。
【0150】
【実施例5】実施例3で、TCDA 100.9g(0.
45モル)、イソフタル酸174.4g(1.05モ
ル)、ヘキサメチレンジアミン179.5g(1.55モ
ル)、次亜リン酸ナトリウム1水塩0.32gおよびイ
オン交換水を51mlと変えた以外は、実施例3と同様に
してオリゴマーを得た。
45モル)、イソフタル酸174.4g(1.05モ
ル)、ヘキサメチレンジアミン179.5g(1.55モ
ル)、次亜リン酸ナトリウム1水塩0.32gおよびイ
オン交換水を51mlと変えた以外は、実施例3と同様に
してオリゴマーを得た。
【0151】このオリゴマーの極限粘度[η]は0.1
4dl/gであった。得られたオリゴマー60gを100
ml重合フラスコに仕込み、充分窒素置換を行った。窒素
気流中250℃で10分間保持し、融解させた後、常圧
250℃で40分間、さらに100torrの減圧下、28
0℃で30分間、反応水を留去しながら反応させ、無色
透明のコポリアミドを得た。
4dl/gであった。得られたオリゴマー60gを100
ml重合フラスコに仕込み、充分窒素置換を行った。窒素
気流中250℃で10分間保持し、融解させた後、常圧
250℃で40分間、さらに100torrの減圧下、28
0℃で30分間、反応水を留去しながら反応させ、無色
透明のコポリアミドを得た。
【0152】このコポリアミドの極限粘度[η]は0.
90dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は130℃であった。結果を表1に示す。
90dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は130℃であった。結果を表1に示す。
【0153】
【実施例6】実施例3で、TCDA 125.6g(0.
56モル)、イソフタル酸69.8g(0.42モル)、
テレフタル酸69.8g(0.42モル)、ヘキサメチレ
ンジアミン167.6g(1.44モル)、次亜リン酸ナ
トリウム0.30gおよびイオン交換水を48mlと変え
た以外は、実施例3と同様にしてオリゴマーを得た。
56モル)、イソフタル酸69.8g(0.42モル)、
テレフタル酸69.8g(0.42モル)、ヘキサメチレ
ンジアミン167.6g(1.44モル)、次亜リン酸ナ
トリウム0.30gおよびイオン交換水を48mlと変え
た以外は、実施例3と同様にしてオリゴマーを得た。
【0154】このオリゴマーの極限粘度[η]は0.1
4dl/gであった。得られたオリゴマー60gを100
ml重合フラスコに仕込み、充分窒素置換を行った。窒素
気流中260℃で10分間保持し、融解させた後、さら
に常圧280℃で反応水を留去しながら1時間反応さ
せ、無色透明のコポリアミドを得た。
4dl/gであった。得られたオリゴマー60gを100
ml重合フラスコに仕込み、充分窒素置換を行った。窒素
気流中260℃で10分間保持し、融解させた後、さら
に常圧280℃で反応水を留去しながら1時間反応さ
せ、無色透明のコポリアミドを得た。
【0155】このコポリアミドの極限粘度[η]は0.
93dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は138℃であった。結果を表1に示す。
93dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は138℃であった。結果を表1に示す。
【0156】
【実施例7】3,5-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカ
ルボン酸(TCDA)145.8g(0.65モル)、テ
レフタル酸108.0g(0.65モル)、ヘキサメチレ
ンジアミン155.6g(1.34モル)および次亜リン
酸ナトリウム1水塩0.28gをイオン交換水46mlと
ともにオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内の
空気を窒素ガスで充分に置換した後、オートクレーブ内
の圧力をゲージ圧で0Kg/cm2 に調製し、攪拌しながら
反応液の温度が2時間で250℃になるように加熱し
た。さらにこの温度で1時間攪拌を続けた。
ルボン酸(TCDA)145.8g(0.65モル)、テ
レフタル酸108.0g(0.65モル)、ヘキサメチレ
ンジアミン155.6g(1.34モル)および次亜リン
酸ナトリウム1水塩0.28gをイオン交換水46mlと
ともにオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内の
空気を窒素ガスで充分に置換した後、オートクレーブ内
の圧力をゲージ圧で0Kg/cm2 に調製し、攪拌しながら
反応液の温度が2時間で250℃になるように加熱し
た。さらにこの温度で1時間攪拌を続けた。
【0157】次いで、攪拌を停止し、オートクレーブ底
部から10Kg/cm2 の圧差で反応混合物を抜き出した。
この反応混合物は、TCDAとテレフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンとから形成されたオリゴマーである。
部から10Kg/cm2 の圧差で反応混合物を抜き出した。
この反応混合物は、TCDAとテレフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンとから形成されたオリゴマーである。
【0158】上記のようにしてオートクレーブから抜き
だしたオリゴマーを400mmHgの圧力下、窒素ガス雰囲
気で100℃に加熱して一晩乾燥させた。乾燥後測定し
たこのオリゴマーの極限粘度[η]は、0.15dl/g
であった。
だしたオリゴマーを400mmHgの圧力下、窒素ガス雰囲
気で100℃に加熱して一晩乾燥させた。乾燥後測定し
たこのオリゴマーの極限粘度[η]は、0.15dl/g
であった。
【0159】
【実施例8】実施例7で得られたオリゴマーを1.5Kg
/hの供給量で二軸押出機(スクリュー径30mm、L/
D=42、バレル温度(℃)=130/250/320
/320/320/320/300/300/300、
第2、第4および第6ゾーンは大気開放ベント、回転数
40rpm、排気はチッソパージ)に供給して溶融重合
させ、無色透明のコポリアミドを得た。
/hの供給量で二軸押出機(スクリュー径30mm、L/
D=42、バレル温度(℃)=130/250/320
/320/320/320/300/300/300、
第2、第4および第6ゾーンは大気開放ベント、回転数
40rpm、排気はチッソパージ)に供給して溶融重合
させ、無色透明のコポリアミドを得た。
【0160】このコポリアミドの極限粘度[η]は0.
81dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は150℃であった。結果を表1に示す。
81dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は150℃であった。結果を表1に示す。
【0161】
【実施例9】実施例7で得られたオリゴマーを、実施例
8におけるバレル温度(℃)=180/280/350
/350/340/340/290/290と変えた以
外は実施例8と同様にして溶融重合させ、無色透明のコ
ポリアミドを得た。
8におけるバレル温度(℃)=180/280/350
/350/340/340/290/290と変えた以
外は実施例8と同様にして溶融重合させ、無色透明のコ
ポリアミドを得た。
【0162】このコポリアミドの極限粘度[η]は1.
06dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は149℃であった。結果を表1に示す。
06dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は149℃であった。結果を表1に示す。
【0163】
【実施例10】実施例7において得られたオリゴマー6
0gを、100ml重合フラスコ内に仕込み、十分に窒素
置換を行った。さらに窒素気流中、280℃で30分間
重合させ、無色透明のコポリアミドを得た。
0gを、100ml重合フラスコ内に仕込み、十分に窒素
置換を行った。さらに窒素気流中、280℃で30分間
重合させ、無色透明のコポリアミドを得た。
【0164】このコポリアミドの極限粘度[η]は1.
21dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は151℃であった。結果を表1に示す。
21dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は151℃であった。結果を表1に示す。
【0165】
【実施例11】実施例7でTCDA125.6g(0.5
6モル)、テレフタル酸139.6g(0.84モル)、
ヘキサメチレンジアミン167.6g(1.44モル)お
よび次亜リン酸ナトリウム1水塩0.30gをイオン交
換水48mlと変えた以外は実施例7と同様にしてオリゴ
マーを得た。
6モル)、テレフタル酸139.6g(0.84モル)、
ヘキサメチレンジアミン167.6g(1.44モル)お
よび次亜リン酸ナトリウム1水塩0.30gをイオン交
換水48mlと変えた以外は実施例7と同様にしてオリゴ
マーを得た。
【0166】このオリゴマーの極限粘度[η]は、0.
16dl/gであった。さらにこのオリゴマーを、実施例
9と同様にして重合させ、無色透明のコポリアミドを得
た。
16dl/gであった。さらにこのオリゴマーを、実施例
9と同様にして重合させ、無色透明のコポリアミドを得
た。
【0167】このコポリアミドの極限粘度[η]は0.
86dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は146℃であった。結果を表1に示す。
86dl/g、DSCで測定したガラス転移温度(Tg)
は146℃であった。結果を表1に示す。
【0168】実施例8および11のコポリアミドについ
て、耐薬品性、耐沸水性試験を行なった。これを表2に
示す。本発明に係るコポリアミドは、耐エタノール性、
耐クロロホルム性、耐酢酸性等の耐薬品性や耐沸水性に
優れていることがわかる。
て、耐薬品性、耐沸水性試験を行なった。これを表2に
示す。本発明に係るコポリアミドは、耐エタノール性、
耐クロロホルム性、耐酢酸性等の耐薬品性や耐沸水性に
優れていることがわかる。
【0169】
【比較例1】イソフタル酸ジメチル155.4g(0.8
モル)、ヘキサメチレンジアミン95.8g(0.824
モル)および触媒としてリン酸0.16gをイオン交換
水22gとともに500mlにフラスコ内に仕込んだ。
モル)、ヘキサメチレンジアミン95.8g(0.824
モル)および触媒としてリン酸0.16gをイオン交換
水22gとともに500mlにフラスコ内に仕込んだ。
【0170】窒素雰囲気下、常圧で攪拌しながら95℃
で2時間130℃で3時間、140℃で4時間加熱し、
白色のナイロン塩を得た。このナイロン塩を重合フラス
コに移し、窒素雰囲気下、常圧で攪拌しながら130
℃、140℃、150℃でそれぞれ1時間づつ加熱し
た。
で2時間130℃で3時間、140℃で4時間加熱し、
白色のナイロン塩を得た。このナイロン塩を重合フラス
コに移し、窒素雰囲気下、常圧で攪拌しながら130
℃、140℃、150℃でそれぞれ1時間づつ加熱し
た。
【0171】さらに留出物を除去しながら2時間かけて
200℃まで昇温し、ついで4時間かけて300℃まで
昇温し、300℃で15分間加熱して反応を終了させ
た。得られたポリマーは淡黄褐色透明で、極限粘度は
1.20dl/g、ガラス転移温度(Tg)は120℃で
あった。
200℃まで昇温し、ついで4時間かけて300℃まで
昇温し、300℃で15分間加熱して反応を終了させ
た。得られたポリマーは淡黄褐色透明で、極限粘度は
1.20dl/g、ガラス転移温度(Tg)は120℃で
あった。
【0172】結果を表1に示す。
【0173】
【比較例2】テレフタル酸ジメチル77.7g(0.40
モル)、イソフタル酸ジメチル77.7g(0.40モ
ル)、ヘキサメチレンジアミン95.8g(0.824モ
ル)および触媒としてリン酸0.16gをイオン交換水
22gととともに500mlフラスコ内に仕込んだ。
モル)、イソフタル酸ジメチル77.7g(0.40モ
ル)、ヘキサメチレンジアミン95.8g(0.824モ
ル)および触媒としてリン酸0.16gをイオン交換水
22gととともに500mlフラスコ内に仕込んだ。
【0174】窒素雰囲気下、常圧で攪拌しながら95℃
で2時間130℃で3時間、140℃で4時間加熱し、
白色のナイロン塩を得た。このナイロン塩を重合フラス
コに移し、窒素雰囲気下、常圧で攪拌しながら130
℃、140℃、150℃でそれぞれ1時間づつ加熱し
た。
で2時間130℃で3時間、140℃で4時間加熱し、
白色のナイロン塩を得た。このナイロン塩を重合フラス
コに移し、窒素雰囲気下、常圧で攪拌しながら130
℃、140℃、150℃でそれぞれ1時間づつ加熱し
た。
【0175】留出物を除去しながら2時間かけて200
℃まで昇温し、ついで4時間かけて300℃まで昇温
し、300℃で15分間加熱して反応を終了させた。得
られたポリマーは淡黄褐色透明で、極限粘度は1.10d
l/g、ガラス転移温度(Tg)は126℃であった。
℃まで昇温し、ついで4時間かけて300℃まで昇温
し、300℃で15分間加熱して反応を終了させた。得
られたポリマーは淡黄褐色透明で、極限粘度は1.10d
l/g、ガラス転移温度(Tg)は126℃であった。
【0176】結果を表1に示す。耐薬品性および耐沸水
性試験の結果を表2に示す。
性試験の結果を表2に示す。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【図1】TCDAのIRスペクトルのチャートを示す。
【図2】 1H−NMRスペクトルのチャートを示す。
【図3】図3に13C−NMRスペクトルのチャートを示
す。
す。
Claims (6)
- 【請求項1】下記一般式[I]で表される繰り返し単
位:99〜1モル%と、 下記一般式[II]で表される繰り返し単位:1〜99モ
ル%とからなることを特徴とするコポリアミド; 【化1】 〔式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子、水酸基、または炭素含有基(この炭素含有
基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を有していてもよ
い。)であり、X1 は二価の炭化水素基である〕。 【化2】 〔式中、Yは、二価の芳香族炭化水素基、二価の脂肪族
炭化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの
二価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭
化水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。X2は二価の炭化水素基であり、
X1と同一であってもよい〕。 - 【請求項2】上記一般式[II]で表される繰り返し単位
が、下記一般式[III]で表されることを特徴とする請
求項1に記載のコポリアミド; 【化3】 〔式中、Ar1は下記の群より選ばれる二価の芳香族炭化
水素基であり、この芳香環は置換基を有していてもよ
い。またX2 は二価の炭化水素基である〕。 【化4】 - 【請求項3】上記一般式[I]で表される繰り返し単
位:99〜40モル%と、 下記一般式[IV]で表される繰り返し単位:1〜60モ
ル%とからなることを特徴とする請求項1に記載のコポ
リアミド; 【化5】 〔式中、Ar2は下記の群より選ばれる二価の芳香族炭化
水素基である。またX2 は二価の炭化水素基である〕。 【化6】 - 【請求項4】下記式[A]で表される脂環族ジカルボン
酸と、下記式[B]で表されるジカルボン酸と、下記式
[C]で表されるジアミンとを接触させることを特徴と
するコポリアミドの製造方法; 【化7】 〔式中、R1 〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子、水酸基、または炭素含有基(この炭素含有
基は、ヘテロ原子またはハロゲン原子を有していてもよ
い。)である〕。 HOOC−Y−COOH …[B] 〔式中、Yは、二価の芳香族炭化水素基、二価の脂肪族
炭化水素基または二価の脂環族炭化水素基(ただしこの
二価の脂環族炭化水素基は、式[I]における脂環族炭
化水素基と異なる。)であり、これらの芳香族炭化水素
基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基は置換基
を有していてもよい。〕。 H2N−X−NH2 …[C] 〔式中、Xは二価の炭化水素基であり、X1またはX2と
同一である〕。 - 【請求項5】上記式[B]で表されるジカルボン酸が、
下記式[B-1]で表されることを特徴とする請求項4に
記載のコポリアミドの製造方法; HOOC−Ar1−COOH …[B-1] 〔式中、Ar1は、下記の群より選ばれる二価の芳香族炭
化水素基であり、この芳香環は置換基を有していてもよ
い〕。 【化8】 - 【請求項6】上記式[B]で表されるジカルボン酸が、
下記式[B-2]で表されることを特徴とする請求項4に
記載のコポリアミドの製造方法; HOOC−Ar2−COOH …[B-2] 〔式中、Ar2は、下記の群より選ばれる二価の芳香族炭
化水素基を表す。〕、 【化9】
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40893890 | 1990-12-28 | ||
JP2-408937 | 1990-12-28 | ||
JP2-408938 | 1990-12-28 | ||
JP40893790 | 1990-12-28 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0578475A true JPH0578475A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=26582974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3346984A Pending JPH0578475A (ja) | 1990-12-28 | 1991-12-27 | コポリアミドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0578475A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022545098A (ja) * | 2019-08-22 | 2022-10-25 | キャセイ バイオテック インコーポレイテッド | ポリアミド56低沸点水収縮性繊維、その製造方法およびその用途 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP3346984A patent/JPH0578475A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022545098A (ja) * | 2019-08-22 | 2022-10-25 | キャセイ バイオテック インコーポレイテッド | ポリアミド56低沸点水収縮性繊維、その製造方法およびその用途 |
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